JP4801295B2 - 遮熱コーティングの温度推定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating、以下「TBC」と称する)の温度推定方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えばガスタービン高温部品のように部品表面にTBCが施され、運転中における温度の実測が困難な部品の温度を推定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンのように高温で運転され、しかも回転体をもつ発電機器においては運転中の部品温度を実測することが一般に困難である。そこで従来は、試運転期間中に、静止部品に対しては熱電対、回転体に対してはテレメータや放射温度計によって温度を測定する試みが行われてきた。
【0003】
しかし、このような測定方法は、ケーシングの改造や温度計の取り付けなどを伴うことから多大な労力を要するばかりでなく、営業運転中は安全の観点から測定できないという欠点がある。
【0004】
このため、このような実測方法に代え、運転中の部品温度を推定する方法が採用されている。例えば動翼については、部品の材料組織中に存在するγ’相が部品の運転時間tや運転温度Tと相関を持って徐々に肥大化していく性質を利用して部品温度が推定されている。この場合、部品等を高温雰囲気下に曝露し、そのときの動翼材中のγ’相の大きさと曝露条件(曝露時間、曝露温度)との相関式を実験室的に求め、この相関式に実機部品の破壊検査から得られたγ’相の大きさと部品運転時間tを入力して当該部位の運転温度Tを推定する手法が試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような推定方法によると、高価な部品を破壊しなくてはならないため、部品コスト、検査コストが高額となってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、ガスタービン構成部品など表面にTBCが施された高温部品の運転温度を非破壊で調べることができるTBC(遮熱コーティング)の温度推定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
ここで、本願発明者らは、高温部品の表面に耐熱目的で施されているTBCは初期の施工状態においてその内部に大小の気孔をもつが高温での使用により焼結が進行し、内部の気孔が減少して熱伝導率や気孔率が経年的に変化するという性質に着目した。そして、種々の実験の結果、曝露温度が高いほど気孔率の減少割合が大きくなること、気孔率は曝露時間の増加とともに減少していく傾向があること、熱伝導率の場合と同様に、200時間までに急激に気孔率が変化し、その後は緩やかに変化する傾向があることを知見し、また、焼結による非溶着部の減少と、加熱による結晶構造の変化が遮熱性能の経年劣化を引き起こすことも知見した。さらには、高温下に曝露された場合、どの曝露条件においても経年材(劣化材)は初期材よりも熱伝導率が大きく、曝露時間が同じ場合で比較すると曝露温度が高いほど初期材に対する熱伝導率の増加割合が大きくなっていることを知見した。また、焼結による熱伝導率の増加が起こるのは、1000℃以上であると考えられた。そして、種々の検討の結果、これらの性質から、初期状態に対する熱伝導率の変化(あるいは気孔率の変化)と運転時間tおよび運転温度Tの相関が得られることを知見するに至った。
【0008】
本願発明はかかる知見に基づくもので、請求項1記載の遮熱コーティング(TBC)の温度推定方法は、ガスタービン構成部品など高温部品の表面に施された遮熱コーティングの熱伝導率の経年的な変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関を求め、この相関に基づいて運転前および運転後の熱伝導率の測定値と運転時間tとから遮熱コーティングの運転温度Tを推定するものである。
【0009】
この場合、熱伝導率と運転時間tおよび運転温度Tとの相関に基づき、実機部品の測定から得られた熱伝導率と運転時間tとから運転温度Tを推定することができる。したがって、本発明と、公知あるいは新規の非破壊によるTBCの熱伝導率測定法(例えばフォトサーマル赤外検知法)を組み合わせることにより、今まで測定が困難であったガスタービン高温部品の運転温度を非破壊で調べられるようになり、低コストでの部品の保守管理が可能となる。
【0010】
さらに、相関は、熱伝導率の経年的な変化とLMPとの関係を示す一次式
λ/λas sprayed =a×LMP+b
(ただしλは運転後における熱伝導率、λas sprayed は運転前における熱伝導率、a,bはTBC(遮熱コーティング)材料の焼結状況により定まる定数、LMPはラーソンミラーパラメータでLMP=(T+273.15)(log10t+C)、Tは運転温度、tは運転時間、Cは定数)で表すようにしているこれにより、熱伝導率と運転時間tおよび運転温度Tとの相関が一義的に表され、この相関式に実機部品の測定から得られた熱伝導率を入力し、併せて運転時間tを入力することで残りの運転温度Tを演算し推定することができる。
【0011】
請求項記載の発明では、ガスタービン構成部品など高温部品の表面に施された遮熱コーティングにおける気孔率の経年的な変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関を求め、この相関に基づいて運転前および運転後の気孔率の測定値と運転時間tとから遮熱コーティングの運転温度Tを推定するようにしている。
【0012】
この場合、気孔率と運転時間tおよび運転温度Tとの相関に基づき、実機部品の測定から得られた気孔率と運転時間tとから運転温度Tを推定することができる。
【0013】
さらに、相関式は、気孔率の経年的な変化とLMPとの関係を示す一次式
P/Pas sprayed =c×LMP+d
(ただしPは運転後における気孔率、Pas sprayed は運転前における気孔率、c,dはTBC(遮熱コーティング)材料の焼結状況により定まる定数、LMPはラーソンミラーパラメータでLMP=(T+273.15)(log10t+C)、Tは運転温度、tは運転時間、Cは定数)で表すようにしているこれにより、気孔率と運転時間tおよび運転温度Tとの相関が一義的に表され、この相関式に実機部品の測定から得られた気孔率を入力し、併せて運転時間tを入力することで残りの運転温度Tを演算し推定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1〜図4に本発明のTBCの温度推定方法を説明するための図を示す。この温度推定方法は、ガスタービン構成部品など高温部品の表面に施されたTBCにおける熱伝導率(または気孔率)の経年的な変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関を求め、この相関に基づいて運転前と運転後の熱伝導率(または気孔率)の測定値と運転時間tとからTBCの運転温度Tを演算し推定するものである。
【0016】
この場合、相関式は、熱伝導率(または気孔率)の変化とLMP(ラーソンミラーパラメータ)との関係を示す一次式として数式1または数式2のように表すことができる。
【数1】
λ/λas sprayed =a×LMP+b
【数2】
P/Pas sprayed =c×LMP+d
ただし、ここで、λ/λas sprayed は熱伝導率の変化、P/Pas sprayed は気孔率の変化、a,b,c,dはTBC材料の焼結状況により定まる定数であり、
LMP=(T+273.15)(log10t+C)
LMP:ラーソンミラーパラメータ
C:定数(熱伝導率変化の場合は14、気孔率変化の場合は32)
である。なお、as sprayedという添字は初期材(または運転前の状態)であることを示す。また、本実施形態では熱伝導率変化(または気孔率変化)を運転後および運転前における熱伝導率(または気孔率変化)の比として表している。
【0017】
これら一次式によれば、熱伝導率(または気孔率)と運転時間tおよび運転温度Tとの相関が直線グラフ上に一義的に表され、熱伝導率(または気孔率)と運転時間tとから運転温度Tを演算し推定することが可能となる。
【0018】
ここで、LMPを利用した相関式は例えば以下のようにサンプルを用いて求められる。まず、実機(例えばガスタービン動翼)に施されるTBCと同様の方法で、熱伝導率および気孔率を測定するためのTBC試料を作成する。そしてこのTBC試料の使用前初期材と、曝露条件(曝露時間および曝露温度)をパラメータとして電気炉等で数通りの条件で曝露された曝露材とについて、それぞれ熱伝導率と気孔率を測定し、初期材に対する曝露材の熱伝導率および気孔率の変化と曝露時間tおよび曝露温度Tとの相関式を得る。
【0019】
ここでいう「曝露」とは、表面にTBCが施されたTBC試料を炉などで高温雰囲気下に曝すことであり、ガスタービンに適用可能な適正数値を得るため、ガスタービンにおける実際の運転状況に即した曝露条件(曝露時間、曝露温度)で行われる。
【0020】
ここで、TBCの熱伝導率の変化は焼結の進行による気孔率の変化によって引き起こされると考えられることから、TBC内における挙動がアレニウス型の式に従うと仮定し、初期材に対する曝露材の熱伝導率の変化の速度を以下の数式3を使って表す。
【数3】
Figure 0004801295
ただし、A,Qはそれぞれ頻度因子と見掛けの活性化エネルギーであり、ともに反応条件に固有な定数である。また、Tは曝露温度[℃]である。
【0021】
次に数式3を変形して
【数4】
Figure 0004801295
【0022】
ここで、初期材に対する曝露材の熱伝導率の変化の速度が1/tに比例することを考慮して数式4を変形すると、以下の数式5が得られる。
【数5】
Q/R=(T+273.15)(log10t+C)
ただし、Cは定数である。
【0023】
この数式5の右辺は、金属材料に対してクリープ破断強度と曝露温度、破断時間の関係を整理するために一般的に用いられているラーソンミラーパラメータと一致している。そこで、このラーソンミラーパラメータを用いてある温度(例えば950℃)における熱伝導率比を表すことにより、熱伝導率の経年的な変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関を一次式で表すことができる。この場合、このようにして得られた相関式に熱伝導率の測定値と運転時間tとを入力(代入)して演算することにより、TBCにおける運転温度Tを一義的に推定することができる。また、気孔率についても、熱伝導率と同様、気孔率変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関を一次式で表し、気孔率の測定値と運転時間tとを入力(代入)して演算することによりTBCにおける運転温度Tを一義的に推定することができる。
【0024】
本実施形態の温度推定方法によれば、ガスタービン構成部品をはじめとする高温部品の任意の部位に適用することで対象部品の局所の運転温度Tを求めることができるし、さらには、運転温度Tを複数点求めることによって部品の温度分布を求めることもできる。
【0025】
なお、本実施形態はTBC内における挙動がアレニウス型の式に従うとの仮定の下に相関を求めるものだがこれは好適な一例に過ぎない。ここでは詳しく言及しないが、例えば焼結速度、曝露温度T、曝露時間tの関係がよく整理できる別の式が得られればそれらの式を使って相関式を求めることもできる。
【0026】
【実施例】
上述の温度推定方法を実際にガスタービン燃焼器に施されたTBCの運転前後の熱伝導率測定に適用した実施例を具体的数値を挙げて以下に示す。ここでは、8wt%イットリア部分安定化ジルコニア(8wt%YSZ)の溶射粉末から大気圧プラズマ溶射で作成されたTBCを実機想定温度に曝露し、相関式を求め、実機燃焼器で12000時間使用されたTBCの運転温度Tを演算により推定した。まず、上述の数式5に表されたラーソンミラーパラメータを用い、曝露温度950℃における相関式(数式6、数式7)を得た。
【数6】
λ/λas sprayed = 1.25×10-4 LMP−1.40
【数7】
P/Pas sprayed =−1.89×10-5 LMP+1.80
ただし、
λ:熱伝導率(950℃における値)
P:気孔率
T:曝露温度(または運転温度)
t:曝露時間(または運転時間)
C:定数(熱伝導率変化の場合は14、気孔率変化の場合は32)
LMP:ラーソンミラーパラメータ
なお、相関式(数式6、数式7)を求める段階においては曝露時間および曝露温度が代数tおよびTとなり、求められた相関式を実機に適用する段階においては実機における運転時間と運転温度がtおよびTとなる。
【0027】
以上のように数式が求められた結果、熱伝導率については図1、気孔率については図2に示すように、LMPと熱伝導率変化λ/λas sprayed (あるいはLMPと気孔率変化P/Pas sprayed )の関係を一次関数として表すことができた。
【0028】
また、初期材と曝露材で得られた熱伝導率と気孔率の相関を回帰分析等により求め、相関式を得ると数式8のようになり、図3に示すように一次関数として表すことができた。
【数8】
λ=−0.383P+4.42
【0029】
続いて、これら3つの数式(数式6〜数式8)を使用し、図4に示すフローに従いガスタービンのTBCの運転温度(運転中におけるTBC部分の温度)Tを推定した。この場合、公知または新規の非破壊での熱伝導率測定法を用いれば実際のTBCを施した部品からガスタービンで運転される前(初期材)の熱伝導率λas sprayed と運転後(経年材)の熱伝導率λをステップ1、ステップ2として示すように測定することが可能だが、実際には、TBCを模擬したTBC試験片を使用して熱伝導率を測定した。ここでは熱伝導率のみ測定したが、TBCの気孔率の変化を利用して運転温度Tを求める場合には初期材のTBCの気孔率(Pas sprayed )も測定しておくようにする(ステップ3)。
【0030】
これらの測定を終えた後、第1の方法として、初期材の熱伝導率λas sprayed と経年材の熱伝導率λを数式6に代入し(ステップ4)、さらに運転時間tを代入して運転温度Tを推定した(ステップ5)。なお、気孔率の変化を利用する場合には、第2の方法として、経年材の熱伝導率λを数式8に代入して経年材の気孔率Pを計算し(ステップ6、ステップ7)、この経年材の気孔率P、初期材の気孔率Pas sprayed 、運転時間tを数式7に代入して(ステップ8、ステップ9)運転温度Tを推定するようにする。また、初期材の気孔率Pas sprayed が測定不能な場合は、運転前後で熱伝導率変化が無い部分の熱伝導率λを数式7に代入し、得られた気孔率Pを初期材の気孔率Pと仮定することで対応可能である。
【0031】
ここで、温度によって熱伝導率λがどのように変化するかプロットしていくと、初期材、燃焼器入口部(低温部)、燃焼器中間部(高温部)ともにほぼ直線状に並ぶことがわかった。ただし、この結果は非破壊で測定したものではなく、破壊して得られた試験片による測定結果である。第1の方法による計算結果を表1に、第2の方法による計算結果を表2に示す。運転前の気孔率Pは不明であるため、前述の方法(仮定する方法)により求めた。
【表1】
Figure 0004801295
【表2】
Figure 0004801295
【0032】
この結果、燃焼器中間部の推定値として、第1の方法と第2の方法とでほぼ同等の値が得られた。数式6〜8の適用温度範囲としては焼結が開始する1000℃以上となることを考慮すると、特に1000℃以上の使用環境においては、本願の手法によりTBCの実際の運転温度Tを精度よく推定することが可能であることが確認された。
【0033】
なお、上述の実施例は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態ではフォトサーマル赤外検知法などによって実測した熱伝導率を用いるようにしたが、場合によっては、熱拡散率、低圧比熱、熱膨張率を公知の測定装置で測定し、これらから演算により求めた熱伝導率を用いてもよい。また、初期材の熱伝導率が既知の場合にはこの既知の値を用いることによって運転温度Tを推定することができる。また、上述の説明では、具体的な適用例としてガスタービンを挙げて説明したが、本願発明は、ガスタービン構成部品以外の高温部品にも適用可能である。
【0034】
【比較例】
6wt%YSZ、20wt%YSZ、8wt%YSZ(中空状粉)の3種類のTBCについて、表3に示す曝露条件と熱伝導率の測定値および数式6で使用されているものと同じCの値を用いて、各TBCの初期材に対する劣化材の熱伝導率比と曝露条件の関係を求めた。その結果を図6に示す。この図から、8wt%YSZと8wt%YSZ(中空状粉)は、ほぼ同様の傾向を示し、曝露後の遮熱性能の劣化が最も少ないことがわかった。
【表3】
Figure 0004801295
このように、ラーソンミラーパラメータ型の式を用いることで、各種TBC候補材の遮熱性能変化を比較することが可能であり、この手法は、新しいTBC候補材の選定時における判断基準として使用できるものと考えられる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の遮熱コーティング(TBC)の温度推定方法によると、熱伝導率の変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関に基づき、高温部品の運転温度Tを非破壊で精度よく推定することができる。これによれば、信頼性の高い温度情報が得られるのでガスタービン構成部品をはじめとする高温部品の保守管理を低コストで適切に行って健全性を維持し、ガスタービンなどの運転信頼性の向上を図ることができる。
【0036】
また、今まで測定が困難であったガスタービン高温部品の運転温度を非破壊で調べられるようになり、低コストでの部品の保守管理が可能となる。
【0037】
請求項記載のTBCの温度推定方法によると、さらに、特定の相関式を利用し、この式に熱伝導率と運転時間tとを代入することで運転温度Tを推定することができる。
【0038】
また、請求項記載のTBCの温度推定方法によると、気孔率の変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関に基づき、高温部品の運転温度Tを非破壊で精度よく推定することができる。これによれば、信頼性の高い温度情報が得られるのでガスタービン構成部品をはじめとする高温部品の保守管理を低コストで適切に行って健全性を維持し、ガスタービンなどの運転信頼性の向上を図ることができる。
【0039】
また、今まで測定が困難であったガスタービン高温部品の運転温度を非破壊で調べられるようになり、低コストでの部品の保守管理が可能となる。
【0040】
請求項記載のTBCの温度推定方法によると、さらに、特定の相関式を利用し、この式に気孔率と運転時間tとを代入することで運転温度Tを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱伝導率変化と曝露条件の相関例を示すグラフである。
【図2】気孔率変化と曝露条件の相関例を示すグラフである。
【図3】熱伝導率λと気孔率Pの相関例を示すグラフである。
【図4】TBCの運転温度推定の流れを示すフローである。
【図5】ガスタービン燃焼器のTBCの熱伝導率λを測定した一結果を示すグラフである。
【図6】各TBCの遮熱性能劣化状況の比較を示すグラフである。

Claims (2)

  1. ガスタービン構成部品など高温部品の表面に施された遮熱コーティングにおける熱伝導率の経年的な変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関を前記熱伝導率の経年的な変化とLMPとの関係を示す一次式(数式1)で表される相関として求め、
    (数式1) λ/λ as sprayed =a×LMP+b
    (ただしλは運転後における熱伝導率、λ as sprayed は運転前における熱伝導率、a,bは遮熱コーティング材料の焼結状況により定まる定数、LMPはラーソンミラーパラメータでLMP=(T+273.15)(log 10 t+C)、Tは運転温度、tは運転時間、Cは定数)
    この相関に基づいて運転前および運転後の前記熱伝導率の測定値と前記運転時間tとから前記遮熱コーティングの運転温度Tを推定することを特徴とする遮熱コーティングの温度推定方法。
  2. ガスタービン構成部品など高温部品の表面に施された遮熱コーティングにおける気孔率の経年的な変化と運転時間tおよび運転温度Tとの相関を前記気孔率の経年的な変化とLMPとの関係を示す一次式(数式2)で表される相関として求め、
    (数式2) P/P as sprayed =c×LMP+d
    (ただしPは運転後における気孔率、P as sprayed は運転前における気孔率、c,dは遮熱コーティング材料の焼結状況により定まる定数、LMPはラーソンミラーパラメータでLMP=(T+273.15)(log 10 t+C)、Tは運転温度、tは運転時間、Cは定数)
    この相関に基づいて運転前および運転後の前記気孔率の測定値と前記運転時間tとから前記遮熱コーティングの運転温度Tを推定することを特徴とする遮熱コーティングの温度推定方法。
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