JP4011160B2 - Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火力発電所や石油化学プラント等で使用される Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加熱炉管の余寿命を予測する方法としては、従来から破壊検査法が広く採用されている。
この破壊検査法は、信頼性が高いものの、加熱炉管の一部を抜管する必要があり、補修に費用と時間が掛かるばかりでなく、採取試験片に対してクリープ破断試験を実施するため、検査結果が出るまでに2〜3ヶ月の長い期間を必要とし、もって短期間で余寿命を判定することが困難であり、延いては検査コストの増大を招いてしまう不都合があった。
そこで、上述した破壊検査法の不都合を解消する方法として、非破壊検査法の1つであるレプリカ法を利用したものが提供されている。
このレプリカ法は、加熱炉管における外表面の一部を研削し、この研削部分を鏡面研磨、腐食したのちミクロ組織のレプリカを作成し、このレプリカにおける組織の結晶粒の大きさや形状、析出物の種類、量および形状を顕微鏡によって観察し、観察の結果を従前のレプリカと比較することによって、余寿命の判定を行なうものである。
上記レプリカ法を利用することによって、上述した破壊検査法に基づく余寿命の予測に比べ、極めて短い検査期間において、加熱炉管の余寿命を予測することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したレプリカ法を用いて余寿命を予測する方法では、短期間で加熱炉管の余寿命を予測し得るものの、従前のレプリカにおける組織との比較に基づいて余寿命を判定しているため、判定の種別が多くても5種類(5ステップ)程度の粗い予測結果しか得ることができず、もって現状に対応した高い精度で余寿命を予測することは困難であった。
本発明の目的は、上記実状に鑑みて、短期間において高い精度で余寿命を予測し得る Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法では、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の外表面から採取した炭化物をX線回折し、該炭化物における相対量と格子常数とを求める工程を含んでいる。
また、被検体から採取した炭化物の相対量および格子常数を、予め長時間使用材から採集した炭化物の相対量および格子常数と比較するとともに、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管のミクロ組織の観察結果に基づいて、上記 Cr−Mo 鋼加熱炉管が、長時間使用材より劣化しているか否かを判定する工程を含んでいる。
さらに、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管における劣化の程度が、長時間使用材の劣化程度に満たないと判定された場合、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の超音波肉厚測定データと運転圧力とから応力を計算し、該応力の値に基づいて、予め求めておいた寿命曲線を用いて被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命を予測する工程を含んでいる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の構成を詳細に説明する。
本発明に関わる Cr−Mo 加熱炉管の余寿命判定方法を実施するに当たっては、図1のフローチャートに示す如く、step1において被検体としての Cr−Mo 鋼加熱炉管(以下では加熱炉管と称する)に対して超音波肉厚測定を実施する。
【0006】
次いで、step2において加熱炉管の表面を研削する。
ここで、研削の範囲は後述するレプリカの作成に必要な最低限の面積で良く、また研削の深さも約 0.5 mm程度の極く浅い範囲でよい。
【0007】
次いで、step3Aにおいて加熱炉管の研削部分を、鏡面研磨、腐食したのち、加熱炉管におけるミクロ組織のレプリカを作成する。
なお、上記レプリカの作成手順は、既に良く知られているので、詳細な説明は省略する。
【0008】
一方、step3Bにおいて、step2で加熱炉管の表面を研削した際に生じた研削粉から炭化物を抽出し、この炭化物に対してX線回折による分析を行なう。
ここで、step3Bにおいては、 300 mg 程度の少量の研削粉を燐酸で溶解したのち、この溶解液をフィルターで濾過して残査を採集し、この残査に対して、重量分析による研削粉中の残査含有量、X線回折による残査の同定、X線回折による残査の格子定数の測定、およびX線回折により同定された各炭化物の回折ピークの相対高さ(相対量)を求めており、このように各種の分析を行なうことで、情報の豊富化を図っている。
【0009】
step3Aにおけるレプリカの作成、およびstep3Bにおける炭化物の分析を終えたのち、step4において、被検体としての加熱炉管が、長時間使用材より劣化しているか否か、言い換えれば余寿命判定方法を適用し得る経験の範囲内にあるか否かの判定を行なう。
【0010】
step4では、step3Aにおいて作成したレプリカの、被検体である加熱炉管のミクロ組織の観察結果から、過去のデータとの比較に基づいて、加熱炉管が長時間使用材より劣化しているか否かを推定する。
【0011】
また、step4では、step3Bにおいて求めた加熱炉管における炭化物の相対量および格子常数を、予め長時間使用材から採集した炭化物の相対量および格子常数と比較することによって、加熱炉管が長時間使用材より劣化しているか否かを推定する。
【0012】
ここで、図2は長時間使用材における炭化物の相対量と格子定数との関係を示したものであり、step3Bにおいて求めた炭化物の相対量および格子常数が、図中の破線によって囲まれた範囲内(斜線域)にある場合、加熱炉管は長時間使用材より劣化していないものと推定される。
【0013】
なお、図2において、その縦軸は炭化物の相対量、具体的にはM6CとM23C6とのX線回折強さの比(反射強度比)を示し、横軸は M23C6の格子常数を示しており、いずれの値も使用期間の長いものほど大きな値を示している。
【0014】
step4においては、上述の如くミクロ組織の観察結果に基づく推定と、炭化物の相対量および格子常数を長時間使用材と比較することによる推定とが行われ、両者の推定結果に基づいて、加熱炉管が長時間使用材より劣化しているか否かの最終的な判定が行なわれる。
例えば、両者の推定結果が共に長時間使用材より劣化していない状況を示唆している場合、加熱炉管は長時間使用材より劣化していないものと判定される。
【0015】
step4において、被検体である加熱炉管が長時間使用材より劣化していると判定された場合、すなわち余寿命判定方法を適用し得る経験の範囲内にない場合には、step5Aにおいて、従来の破壊試験におけるクリープ破断試験に基づいて、加熱炉管における余寿命の予測を行なう。
【0016】
一方、step4において、被検体としての加熱炉管における劣化の程度が、長時間使用材の劣化程度に満たないと判定された場合には、step5Bにおいて長期使用材のクリープ破断強さに基づく余寿命の予測が行われる。
【0017】
ここで、図3は長時間使用材における寿命曲線(マスター曲線)、すなわち超音波肉厚測定データと運転圧力とから計算した応力の関数と、温度およびクリープ破断時間の関数(ラルソンミラーパラメータ、以下ではLMPと称する)との関係を示したものであり、被検体としての加熱炉管の超音波肉厚測定データと運転圧力とから応力を計算し、この応力値を図3の寿命曲線と照し合わせることによって、加熱炉管の余寿命を予測することができる。
【0018】
すなわち、劣化の程度が長時間使用材の劣化程度に満たない場合には、被検体としての加熱炉管の高温強さは、少なくとも長時間使用材の値となると見なすことにより、加熱炉管における余寿命の推定を行っているのである。
【0019】
ここで、上述した余寿命判定方法を用いて、火力発電ボイラー過熱器管(管壁温度:600℃、蒸気圧力:170kg/平方cm、過熱器管外径:50mm、過熱器管肉厚:10mm、腐食速度:0.1mm/year)の余寿命を予測すると、少なくとも27000時間の余寿命があるものと判定される。
【0020】
また、上述した余寿命判定方法を用いて、ガソリン製造装置加熱炉管(管壁温度:600℃、流体圧力:40kg/平方cm、加熱炉管外径:150mm、加熱炉管肉厚:10mm、腐食速度:0.1mm/year)の余寿命を予測すると、少なくとも60000時間の余寿命があるものと判定される。
【0021】
ところで、従来の非破壊検査による加熱炉管の余寿命測定においては、組織と寿命比、ボイド面積率と寿命比、あるいは炭化物相対量と寿命比等の対比に基づいて、余寿命の予測を行っているものが見受けられるものの、上記手法によって得られる結果は、寿命比(運転時間/新材の寿命)に他ならない。
【0022】
一方、高温条件下においては腐食による減肉が進行し、運転時間が長くなるに従って、減肉に起因する応力の増大が認められるものの、上述した如き従来の余寿命判定方法では、応力の増加を考慮に入れた余寿命の予測ができない。
【0023】
これに対して、本発明に関わる余寿命判定方法によれば、腐食減肉による応力増加のある場合でも、加熱炉管の余寿命を推定することが可能である。
【0024】
例えば、腐食により配管の断面積が年間に10%ずつ減少するものとすると、断面積の減少に従って応力は年間に10%ずつ増加することとなる。
ここで、加熱炉管の初期応力に基づいて、破断までの時間が10年と予測された場合、全寿命の10%を1年で消耗することから、最初の1年間における寿命比=1/10となる。
【0025】
次の1年間では、最初の1年間よりも応力が10%増えることで、破断までの時間が5年に減るものとすれば、次の1年間における寿命比=1/5となる。
ここで、最初の1年間において全寿命の10%、次の1年間において全寿命の20%を消耗するので、2年間で全寿命の30%を消耗することとなる。
【0026】
更に次の1年間では、前の1年間よりも更に応力が10%増えることから、破断までの時間が2年に減るものとすれば、寿命比=1/2となる。
ここで、この1年間において全寿命の50%を消耗するので、3年間で全寿命の80%を消耗することとなる。
【0027】
更に次の1年間では、前の1年間よりも更に応力が10%増えることから、破断までの時間が1年に減るものとする。
ここまでで、既に全寿命の80%を消費しているので、ここで寿命の20%を消耗すると、全寿命の100%が消耗され、加熱炉管は破断するものと見なされる。つまり 3年+(1年の20%)、約3.2年で破断が起こると見なされる。
【0028】
一般に、ある条件が(t)時間与えられ、この条件での破断時間が(tr)ならば、t時間後の寿命比率φ=t/trで表せられる。
なお、条件c1,c2…cnが、t1,t2…tn与えられ、各条件での破断時間が、tr1,tr2…trnとする。
【0029】
そして、t1/tr1+t2/tr2……=Σt/trが、丁度1となった時に、破断が起こるものと仮定する。
ここで、上式のnを増やすと総和も増え、総和が丁度1となった時のnをNとすれば、破断時間はt1+t2…TNで与えられることとなる。
すなわち、破断(クリープ破断)は、Σt/tr=1が満たされたときに起こるものと考えることができるのである。
【0030】
ところで、従来技術の1つである三菱重工業(株)の特許出願(特開昭 63-274862)には、「耐熱鋼から採取した析出物の相対量を測定し、予め準備した析出物の相対量と寿命消費との関係を示す寿命評価線図から、耐熱鋼の寿命消費を推定する」方法が示されている。
【0031】
ここで、上記従来技術が、電子線回折で個々の析出物を同定し、M6C 粒子の数/全粒子の数=相対量とおいているのに対し、本発明ではM23C6とM6CのX線回折強さの比、M23C6およびM6Cの格子常数を、析出物に係る測定値としている点において相違している。
【0032】
また、上記従来技術においては、析出物の相対量から寿命消費(寿命比=運転時間/新材の寿命)を得ているのに対し、本発明では析出物の相対量からの情報を、プラントでの長時間使用材の高温強さ(パラメータの関数として表す)を、被検体である加熱炉管の余寿命予測に適用できるか否かの判断材料として使っている。
パラメータの例:LMP(σ)=T(a+ log(tr(σ)))
Tは温度、σは応力、trは長時間使用材の寿命、
ただし、aは材料定数である。
【0033】
ここで、上記従来技術において得られる寿命消費は、寿命比(運転時間/新材の寿命)に他ならず、もって先に詳述した如く、腐食減肉による応力増加のある場合には、応力の増加を考慮に入れた余寿命の予測ができない。
【0034】
さらに、上記従来技術においては、新材の実験室データを基準として余寿命予測を行っているのに対して、本発明ではプラントにおける使用材のデータを基準として余寿命予測を行っているので、実際の使用環境を反映した余寿命の判定が行われることは言うまでもない。
【0035】
一方、従来技術の1つである東北大学の技術文献には、「M6C 炭化物の量を電気化学的に測定し、予め準備した上記炭化物と時効パラメータとの関係から時効パラメータを求め、更に予め準備した時効材(各種時効パラメータ条件)のクリープ破断強さとLMPとの関係から、2.25Cr−1Mo鋼の寿命を推定する」方法が示されている。
【0036】
ここで、上記従来技術が、電気化学的に得た分極曲線における特定電位でのピーク電流値Ipを測定しているのに対し、本発明ではM23C6とM6CのX線回折強さの比、M23C6およびM6Cの格子常数を、析出物に係る測定値としている点において相違している。
【0037】
すなわち、上記従来技術では、ピーク電流値Ipが材料劣化を示唆するM6C 炭化物量に密接に関係することに注目しているのに対し、本発明では M23C6とM6CのX線回折強さの比、M23C6および M6Cの格子常数が、長時間使用によって増加することに着目し、この事実を被検体である加熱炉管の劣化程度が、長時間使用材の劣化程度に比して著しいか否かの判断に用いることを特徴とするものである。
【0038】
また、上記従来技術では、ピーク電流値Ipから M6C炭化物の時効パラメータを求め、さらに M6C炭化物の時効パラメータから時効材のクリープ破断応力を求めているのに対し、本発明では析出物の相対量や格子常数からの情報を、プラントでの長時間使用材のクリープ破断応力(従来データを集積して得たもの)を検査対象に適用してよいか否かの判断材料として使っている。
【0039】
さらに、上記従来技術では「時効材のクリープ破断応力」を基準として余寿命予測を行っているのに対して、本発明では「プラントでの長時間使用材のクリープ破断応力」、すなわち、プラント(実機)における使用材のデータを基準として余寿命予測を行っているので、実際の使用環境を反映した余寿命の判定が行われることとなる。
【0040】
以上、詳述した如く、本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法によれば、被検体の劣化の程度が長時間使用材の劣化程度に満たないと判定された場合、予め求めておいた長時間使用材の寿命曲線を用いて余寿命の予測を行っている。
【0041】
すなわち、本発明の余寿命判定方法では、その作業手順において破壊検査を伴わないので、抜管やクリープ破断試験を必要とすることなく、極めて短い期間において加熱炉管の余寿命を判定することができ、また定期検査時において余寿命の判定に要する時間を短縮できるので、検査コストを大幅に削減することが可能となる。
【0042】
また、加熱炉管の表面から僅かな研削粉を採取することで、定量的な余寿命の予測を短時間で行なうことができ、もって迅速な結果報告を行うことが可能となり、さらに研削粉の採取は比較的容易なので、検査箇所を多点に亘って設定することができ、かくすることによって加熱炉管全体の状況を把握することが可能となる。
【0043】
また、本発明の余寿命判定方法では、予め求めておいた寿命曲線を用いて余寿命の判定を行っているため、非破壊検査法の1つであるレプリカ法による余寿命判定方法に比較して、格段に精度の高い判定結果を得ることができる。
【0044】
さらに、本発明の余寿命判定方法では、高温条件下において不可避の腐食減肉を考慮した余寿命の予測ができ、もって実際の使用環境を反映した余寿命の予測が可能となる。
【0045】
なお、本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法は、火力発電所や石油化学プラントのみならず、脱硫装置やガソリン製造装置等、様々な装置に用いられている Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法として、極めて有効に適用し得ることは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳述した如く、本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法では、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の外表面から採取した炭化物をX線回折して、該炭化物における相対量と格子常数とを求める工程を含んでいる。
また、被検体から採取した炭化物の相対量および格子常数を、予め長時間使用材から採集した炭化物の相対量および格子常数と比較するとともに、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管のミクロ組織の観察結果に基づき、上記 Cr−Mo 鋼加熱炉管が、長時間使用材より劣化しているか否かを判定する工程を含んでいる。
さらに、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管における劣化の程度が、長時間使用材の劣化程度に満たないと判定された場合、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の超音波肉厚測定データと運転圧力とから応力を計算し、該応力の値に基づいて、予め求めておいた寿命曲線を用いて被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命を予測する工程を含んでいる。
上述した如き、本発明に関わる余寿命判定方法では、破壊検査を伴わないために、抜管やクリープ破断試験を必要とせず、極めて短い期間において、加熱炉管の余寿命を判定することができ、検査コストの低減をも達成し得る。
また、本発明に関わる余寿命判定方法では、予め求めておいた寿命曲線を用いて余寿命の判定を行っているため、レプリカ法による余寿命判定方法に比較して格段に精度の高い判定結果を得ることができる。
このように、本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法によれば、短期間において、高い精度で Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命を判定することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法の作業手順を示すフローチャート。
【図2】本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法に用いられる長時間使用材における炭化物の格子常数と相対量(反射強度比)との関係を示す図。
【図3】本発明に関わる Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法に用いられる長時間使用材における寿命曲線(マスター曲線)を示す図。
Claims (1)
- 被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の外表面から採取した炭化物をX線回折し、該炭化物における相対量と格子常数とを求める工程と、
上記被検体から採取した炭化物の相対量および格子常数を、予め長時間使用材から採集した炭化物の相対量および格子常数と比較するとともに、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管のミクロ組織の観察結果に基づいて、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管が、長時間使用材より劣化しているか否かを判定する工程と、
被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管における劣化の程度が、長時間使用材の劣化程度に満たないと判定された場合、被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の超音波肉厚測定データと運転圧力とから応力を計算し、該応力の値に基づいて、予め求めておいた寿命曲線を用いて被検体である Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命を予測する工程と、
を含んで成ることを特徴とする Cr−Mo 鋼加熱炉管の余寿命判定方法。
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