JP2010222604A - ばね鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】ばね鋼の皮削り(SV)工程におけるチッパーの損傷や断線をより高度に防止する。
【解決手段】ばね鋼は、C:0.2〜0.9%、Si:0.8〜3%、Mn:0.1〜2.0%、Cr:0.01〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.1%以下を含有し、さらにNi:1.0%以下、V:0.7%以下、及びMo:0.8%以下を一種以上含有する。このばね鋼の酸化物系介在物は下記式(1)〜(3)を満足する。鋼の縦断面における表面から深さ0.3mmまでの表層域に存在する厚み2〜15μmの酸化物系介在物の面積率が、300×10-8〜700×10-8である。またマルテンサイト及びベイナイトの合計面積率が10%以下である。
18≦[Al23]/S×100≦38…(1)
37≦[SiO2]/S×100≦60…(2)
2≦[CaO]/S×100≦40…(3)
(Sは、[Al23]、[SiO2]、[CaO]、[MgO]、[MnO]の合計)
【選択図】なし

Description

本発明は、ばね鋼に関するものであり、好ましくは自動車のクラッチ、エンジン、燃料噴射装置、懸架機構などに使用されるばねを製造するのに有用なばね鋼に関するものであり、より好ましくは表面疵の影響をうけやすいばね(弁ばね、クラッチばねなど)を改良するのに有用なばね鋼に関する。
自動車などの軽量化や高応力化に伴い、エンジン、クラッチ、サスペンション等に使用される弁ばねやクラッチばねについても高強度化が指向されている。高強度化は、合金元素の添加によって達成されており、例えば、窒化性を高める為にCr、Vなどが添加されており、焼戻し軟化抵抗を高める為にSi、Cr、V、Mo、Co、Wなどが添加されている。
熱間圧延線材の表面疵を皮削り(SV)によって除去し、伸線して、必要に応じてオイルテンパーした後、コイリングすることによってばねは製造されている。ばねが高強度化されるに伴って、ばねの表面疵に対する感受性も高まってきており、皮削り(SV)工程が必要不可欠になる。しかし、高合金化した熱間圧延線材は、皮削り(SV)工程で使用する工具(チッパー)を損傷させ易く、また皮削り(SV)工程で断線し易くなる。
特許文献1には、ばね鋼の引張強さを1200MPa以下にして、絞り値を30〜70%にすれば、SV性が改善されることが記載されている。
特開2000−239797号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、皮削り(SV)工程におけるチッパーの損傷や線材の断線をより高度に防止できる技術を確立することにある。
本発明の他の目的は、ばねにしたときの疲労特性を損なうことなく、皮削り(SV)工程におけるチッパーの損傷や線材の断線をより高度に防止できる技術を確立することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化物系介在物を積極的に鋼材表層域に存在させても、その組成と量が適切であれば、ばねにしたときの疲労特性を損なわず、しかも皮削り(SV)工程におけるチッパーの損傷や線材の断線をより高度に防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るばね鋼は、C:0.2〜0.9%(質量%の意味。以下、同じ)、Si:0.8〜3%、Mn:0.1〜2.0%、Cr:0.01〜3.0%、P:0.1%以下(0%を含まない)、及びS:0.1%以下(0%を含まない)を含有し、さらにNi:1.0%以下(0%を含まない)、V:0.7%以下(0%を含まない)、及びMo:0.8%以下(0%を含まない)から選択される少なくとも一種を含有し、残部は鉄及び不可避不純物である。このばね鋼に含まれる酸化物系介在物は、下記式(1)〜(3)を満足しており、鋼の縦断面における表面から深さ0.3mmまでの表層域に存在する厚み2〜15μmの酸化物系介在物の面積率が、300×10-8〜700×10-8である。またこのばね鋼では、マルテンサイト及びベイナイトの合計面積率が10%以下である。
18≦[Al23]/S×100≦38 …(1)
37≦[SiO2]/S×100≦60 …(2)
2≦[CaO]/S×100≦40 …(3)
(式中、Sは、[Al23]、[SiO2]、[CaO]、[MgO]、[MnO]の合計を示す。[Al23]、[SiO2]、[CaO]、[MgO]、[MnO]は、全酸化物系介在物に含まれる各元素(Al、Si、Ca、Mg、Mn)の合計含有量を、その酸化物としての質量で示した値である)
前記ばね鋼の引張強さは、例えば、900〜1300MPaであり、絞りは、例えば、35%以上である。
本発明によれば、適切な組成の酸化物系介在物が適量で鋼材表層域に存在している為、皮削り(SV)工程におけるチッパーの損傷や線材の断線をより高度に防止できる。またばねにしたときの疲労特性も損なわない。
図1は、介在物面積率と疲労強度との関係を示すグラフである。 図2は、介在物面積率と、工具付着性又は皮削り特性との関係を示すグラフである。
本発明は、高合金化したばね鋼の皮削り特性の改善(チッパー損傷防止、断線防止など)を目的とする。この高合金化ばね鋼の化学成分は、より詳細には、C:0.2〜0.9%、Si:0.8〜3%、Mn:0.1〜2.0%、Cr:0.01〜3.0%、P:0.1%以下(0%を含まない)、及びS:0.1%以下(0%を含まない)である。また本発明のばね鋼は、さらにNi:1.0%以下(0%を含まない)、V:0.7%以下(0%を含まない)、及びMo:0.8%以下(0%を含まない)から選択される少なくとも一種を含有しており、残部は鉄及び不可避不純物である。各成分について、さらに詳細に説明する。
C:0.2〜0.9%
Cは、鋼の焼入れ性を高め、ばねの引張強度を確保するのに有効な元素である。よってC量は、0.2%以上、好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.4%以上とする。ただしC量が過剰になると、焼入性が増大しすぎて、熱間圧延後の冷却過程で過冷組織が発生し、皮削り(SV)工程やその後の伸線工程で断線し易くなる。よってC量は、0.9%以下、好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.75%以下とする。
Si:0.8〜3%
Siは、固溶強化元素として強度向上に寄与し、疲労特性の改善に貢献する。また、ばね加工工程では、コイリング後の歪み取りのため400℃以上で熱処理(焼鈍)されるが、Siはその際の軟化抵抗を高める作用も有している。よってSi量は、0.8%以上、好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは1.3%以上とする。しかし、Si量が過剰になると表面脱炭を増進して疲労特性を劣化させる。よってSi量は、3%以下、好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下とする。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、鋼の焼入性を向上させ、ばねの引張強度を確保するのに有効な元素である。よってMn量は、0.1%以上、好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.4%以上とする。しかし、Mn量が過剰になると、熱間圧延後の冷却で過冷組織が発生して、皮削り(SV)工程やその後の伸線工程で断線し易くなる。よってMn量は、2.0%以下、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下とする。
Cr:0.01〜3.0%
Crは、パーライトのラメラ間隔を狭くし、伸線前熱処理として行われるパテンティング後の強度を高め、疲労強度を高める作用を有する。よってCr量は、0.01%以上、好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上とする。しかしCrが多過ぎると焼入れ性が高まり、熱間圧延後の冷却で過冷組織が発生して、皮削り(SV)工程やその後の伸線工程で断線し易くなる。よってCr量は、3.0%以下、好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.2%以下とする。
P:0.1%以下(0%を含まない)
Pは、旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、疲労特性を低下させる元素である。P量は、低いほど好ましく、0.1%以下、好ましくは0.03%以下、さらに好ましくは0.015%以下に制御する。
S:0.1%以下(0%を含まない)
Sも旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、疲労特性を低下させる元素である。S量も、低いほど好ましく、0.1%以下、好ましくは0.03%以下、さらに好ましくは0.015%以下に制御する。
Ni:1.0%以下(0%を含まない)
Niは、セメンタイトの延性を向上させて伸線性を高める作用を有する他、鋼線自体の伸線性向上にも寄与する。また、熱間圧延時やパテンティング処理時における表層部の脱炭を抑制する作用も有している。Niを添加する場合には、例えば、0.01%以上、好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.15%以上にすることが推奨される。しかしNiが多過ぎると焼入れ性が高まり、熱間圧延後の冷却で過冷組織が発生して、皮削り(SV)工程やその後の伸線工程で断線し易くなる。よってNi量は、1.0%以下、好ましくは0.7%以下、さらに好ましくは0.3%以下とする。
V:0.7%以下(0%を含まない)
Vは、パーライトノジュールサイズを微細化して伸線加工性を高め、更には、ばねの靱性や耐へたり性の向上にも寄与する有用な元素である。Vを添加する場合には、例えば、0.01%以上、好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上にすることが推奨される。しかし、Vが多過ぎると、パーライト変態の終了が遅延し、過冷組織が発生して、皮削り(SV)工程やその後の伸線工程で断線し易くなる。よってV量は、0.7%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.4%以下とする。
Mo:0.8%以下(0%を含まない)
Moは、焼入れ性を高めると共に、軟化抵抗を高めて耐へたり性を向上させるうえで有用な元素である。Moを添加する場合には、例えば、0.01%以上、好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.10%以上にすることが推奨される。しかしMoが多すぎると、パーライト変態の終了が遅延し、過冷組織が発生して、皮削り(SV)工程やその後の伸線工程で断線し易くなる。よってMo量は、0.8%以下、好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.5%以下にする。
本発明のばね鋼(線材)は、高合金化した前記ばね鋼において、酸化物系介在物がアノーサイト組成に制御されており、かつこのアノーサイト系介在物が表面に所定量存在するように調製されている点に特徴がある。通常のばね鋼(線材)では、表面の介在物は伸線加工性や疲労特性を低下させる欠陥であると考えられており、例えば、連続鋳造時に電磁撹拌装置を用いることで、介在物を中心に偏在させる様にしている。これに対して、本発明のばね鋼は、積極的に表面の酸化物系介在物を増大させている。表面に酸化物系介在物を増大させても、アノーサイト組成にし、かつその量が過剰にならないように制御することで、伸線加工性や疲労特性の低下を防止できる。そして酸化物系介在物をアノーサイトにしておくと、その量が伸線加工性や疲労特性を低下させない程度であっても、皮削り(SV)で使用するチッパーに効果的に付着し、チッパーの欠けを防止でき、また断線を防止できる。
前記アノーサイト系介在物とは、具体的には、下記式(1)〜(3)を満足する介在物をいう。
18≦[Al23]/S×100≦38 …(1)
37≦[SiO2]/S×100≦60 …(2)
2≦[CaO]/S×100≦40 …(3)
(式中、Sは、[Al23]、[SiO2]、[CaO]、[MgO]、及び[MnO]の合計を示す。[Al23]、[SiO2]、[CaO]、[MgO]、[MnO]は、全酸化物系介在物に含まれる各元素(Al、Si、Ca、Mg、Mn)の合計含有量を、その酸化物としての質量で示した値である)
[Al23]/S×100の好ましい範囲は20〜33であり、より好ましい範囲は25〜36である。[SiO2]/S×100の好ましい範囲は40〜57であり、より好ましい範囲は44〜55である。[CaO]/S×100の好ましい範囲は4〜30であり、より好ましい範囲は9〜20である。
アノーサイト系介在物の量は、鋼の縦断面(圧延方向に並行な断面)における表面から深さ0.3mmまでの表層域に存在する厚み2〜15μmの介在物の面積率(表層域全体の面積を1としたときの介在物の面積)として規定される。皮削り(SV)工程で工具(チッパー)と接触するのはこの表層域である。表層域のアノーサイト系介在物の量を適量にすることで、皮削り(SV)工程におけるチッパーの損傷や線材の断線を高いレベルで防止できる。前記表層域におけるアノーサイト系介在物の面積率は、300×10-8〜700×10-8、好ましくは400×10-8〜600×10-8、さらに好ましくは430×10-8〜570×10-8である。
なお厚み2μm未満の介在物を測定するのは難しい。また2μm未満の介在物は、チッパー損傷防止や断線防止に対する効果が低い。一方、厚み15μm超の介在物は、殆ど存在しないものの、ばねの市場折損の起点となる可能性があるため、望ましくない。そのため厚み2〜15μmの介在物の面積率を測定した。
また本発明のばね鋼は、高合金化成分が前記範囲に調節されているため、過冷組織が抑制されている。マルテンサイト及びベイナイトの合計面積率は、例えば、10%以下、好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。
前記ばね鋼の引張強さは、例えば、900〜1300MPa程度、好ましくは950〜1250MPa程度、さらに好ましくは1000〜1200MPa程度である。またばね鋼の絞りは、例えば、35%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上である。絞りは高いほど好ましいが、例えば、80%以下(特に70%以下)程度であってもよい。
前記ばね鋼は、溶製時にスラグ組成を適切に調節して、酸化物系介在物の組成をアノーサイト組成に制御すると共に、酸素源(酸化鉄など)を積極的に添加して、鋼表層域の酸化物系介在物を増やすことによって製造できる。スラグ組成は、得られる酸化物系介在物組成とほぼ同等である。酸素投入量(質量基準)は、例えば、50〜170ppm程度、好ましくは70〜150ppm程度である。
本発明のばね鋼は、上記のようにしてスラグ組成と酸素源(酸化鉄など)を適切に調節すれば、連続鋳造条件、圧延条件、焼鈍条件などを大幅に変更することなく製造できる点にも特徴がある。すなわち従来の製造設備をそのまま用いても、ばねにしたときの疲労特性を損なうことなく、皮削り(SV)工程におけるチッパーの損傷や線材の断線をより高度に防止できる。
より具体的には、連続鋳造時には、従来と同様、電磁撹拌をおこなってよく、他の条件も一般的な範囲で調製すればよい。
熱間圧延前の加熱温度は、例えば、800〜1000℃程度、好ましくは850〜950℃程度の範囲で設定してもよい。熱間圧延後の巻き取り温度は、例えば、700〜900℃程度、好ましくは750〜850℃程度の範囲で設定してもよい。熱間圧延後の冷却速度は、例えば、0.5〜9.5℃/秒程度、好ましくは1.0〜9.0℃/秒程度の範囲で設定してもよい。
焼鈍は実施してもよく、実施しなくてもよい。焼鈍を実施する場合には、加熱温度は、例えば、600〜680℃程度の範囲で設定してもよい。
なお過冷組織が発生する場合には、その原因として、1)熱間圧延の巻き取り温度が高く、結晶粒が粗大化することによる焼入れ性の増大、2)熱間圧延の冷却速度が早すぎること、3)焼鈍温度が低すぎることなどが考えられる。従って過冷組織が発生した場合には、これらの原因を取り除くべく、製造条件を調節すればよい。
またばね鋼を伸線する際にシェブロンクラックが発生して断線する場合には、その原因として、1)熱間圧延の冷却速度が遅すぎて、粗大なパーライトが生成していること、2)焼鈍温度が高すぎて、セメンタイトが球状化していることなどが考えられる。従ってシェブロンクラックによる断線が発生する場合には、これらの原因を取り除くべく、製造条件を調節すればよい。
上記のようにして得られるばね鋼(線材)は、必要に応じて酸洗及びボンデ処理した後、真円性を高める為にスキンパス圧延し、次いで皮削り(SV)処理される。本発明のばね鋼(線材)は、酸化物系介在物が適切に制御されている為、皮削り(SV)処理におけるチッパー欠けを防止でき、かつ断線も防止できる。
皮削り(SV)処理したばね鋼は、パテンティング処理(又は焼鈍)及び酸洗・ボンデ処理を必要に応じて行った後、伸線し、コイリングすることによってばねになる。なお通常、コイリング前にオイルテンパーによって強度調節され、コイリング後は焼鈍される。
上記のようにして得られるばねは、高強度であり、かつ疲労特性に優れている。そのため自動車のクラッチ、エンジン、燃料噴射装置、懸架機構などに使用されるばねとして有用であり、より好ましくは弁ばね、クラッチばねとして有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実験例1〜48
容量90トンの転炉で溶製した鋼材を精錬工程で成分調整し、鋳型上部に鋳型内電磁撹拌装置(M−EMS)を備えた連続鋳造機で当業者常用の製造方法に基づき連続鋳造することによって表1〜2に示す化学組成の鋳片(300mm×430mm)を製造した。なお精錬工程では酸化鉄を投入しており、その投入量及びスラグ組成は表3〜4に示した通りである。得られた鋳片を温度1200℃で5時間均熱処理した後、分塊圧延して鋼片(155mm×155mm)を製造した。この鋼片を表3〜4に示す条件で熱間圧延した後、焼鈍することによって直径8mmの線材を得た。
得られた圧延線材の諸特性を以下の様にして調べた。
(1)介在物(表層域の介在物の面積率、鋼中介在物の平均組成)
面積率:
得られた線材の縦断面を光学顕微鏡で観察した(倍率400倍。10視野)。観察部位を画像処理し、表面から深さ0.3mmまでの表層域に存在する厚み2〜15μmの介在物の面積を、全測定面積1に対する比率(面積率)として求めた。なお全測定面積は、0.3mm(深さ)×200mm(長さ)×10(視野数)×2(1視野当たりの表層域の数)で求まる。
介在物の平均組成:
得られた線材の縦断面に存在する全介在物について定量分析EPMA(日本電子株式会社、型式「JXA−8621MX」、加速電圧:20kV、操作電流:5A)を行った。Mg、Al、Si、Ca、Mn、Zr、Ti、S、Crについて定量し、Mg、Al、Si、Ca、Mnの5元素が主要元素であることを確認した後、これら5元素が酸化物として存在すると仮定し、各5元素の酸化物の量を、5元素の酸化物の総量100質量%に対する割合として算出した。
(2)過冷組織分率
樹脂に圧延線材の横断面を埋め込み、研磨した後、5%ピクリン酸アルコール液に15〜30秒間浸漬して腐食させた後、光学顕微鏡によってD/4(Dは直径)部を組織観察した。そして、400倍で10視野撮影し、パーライト組織部分を確定した後、画像処理によってマルテンサイト組織とベイナイト組織の面積率を求め、これらの合計を過冷組織分率とした。なお画像処理では、撮影した写真の電子データ(本例ではJPEG方式で圧縮された電子データ)をアドビシステムズ社製のソフトウェア「Adobe(登録商標)Photoshop(登録商標)」に取り込み、2値化した後、過冷組織(マルテンサイト組織及びベイナイト組織)の面積率を求めた。
(3)引張強さ(TS)、絞り(RA)
線材コイルをローラ矯正して直線形状にした後、チャック間距離200mmで10本の引張試験を行い、引張強さ及び絞りを測定し、平均値を求めた。
(4)工具付着性
圧延線材をライン速度100m/分でスキンパス(直径:7.7mm)して真円性を高め、超硬工具(W−Co−Ti)からなるチッパー(内径7.4mm)で皮削り(SV)した。
圧延線材8トン(=2トン×4束)を処理した後のチッパーを走査型電子顕微鏡で10視野(倍率200倍)観察し、「Adobe(登録商標)Photoshop(登録商標)」を用いて画像処理し、チッパーの刃先に沿って形成された付着物の面積率を求めた。面積率が95%を超える視野の数を工具付着率の点数とした。1つの視野でのみ付着物の面積率が95%を超えていれば1点になり、全ての視野(10視野)で付着物の面積率が95%を超えていれば10点になる。
(5)皮削り特性
前記(4)工具付着性と同様にして、スキンパス圧延と皮削り(SV)を行った。圧延線材を8トン(=2トン×4束)処理し、その間に生じた断線の回数、及びチッパー欠けの回数をカウントし、以下の基準で点数化した。
10点:断線0回、チッパー欠け0回
9点:断線0回、チッパー欠け1回
8点:断線0回、チッパー欠け2回
7点:断線0回、チッパー欠け3回
6点:断線0回、チッパー欠け4回
5点:断線1回、チッパー欠け0回
4点:断線1回、チッパー欠け1回
3点:断線1回、チッパー欠け2回
2点:断線1回、チッパー欠け3回
1点:断線1回、チッパー欠け4回
0点:断線2回以上
(6)疲労強度
前記(4)工具付着性と同様にして、スキンパス圧延と皮削り(SV)を行った後、直径4mmにまで伸線加工し、オイルテンパー処理(OT)した。疲労強度が最高になるように、オイルテンパーの焼入れ温度及び焼戻し温度を適宜調節した。このOTワイヤーに、ばね作製時の歪取り焼鈍に相当する熱処理(400℃×20分)を施し、ショットピーニング処理(スチールボール、φ=0.6mm、45m/秒、10分)した後、低温歪取り焼鈍(220℃×20分)を施した。
歪取り焼鈍後のワイヤーを用い、試験応力を850〜1300MPaの範囲で変化させながら中村式回転曲げ疲労試験を行った。2000万回まで折損しなかった応力を疲労強度とした。
結果を表5〜8に示す。
Figure 2010222604
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Figure 2010222604
また介在物面積率と、疲労強度、工具付着性、皮削り特性などとの関係を図1〜2に示す。これら図1〜2では、No.1〜32とNo.43〜48のデータを用い、介在物面積率の影響を確認した。
図2から明らかな様に、介在物面積率が約300×10-8以上になると、工具付着性が急激に上昇し、皮削り特性が急激に改善する。そして図1から明らかな様に、介在物面積率300×10-8以上程度では、疲労強度は殆ど低下していない。なお介在物面積率が約700×10-8を超え始めると、疲労強度が低下し始める。
例えば、精錬時のスラグ組成が不適切であって、介在物組成が不適切な場合には(No.47、48)、介在物面積率が不足し、工具付着性及び皮削り特性が悪化する。またスラグ組成が適切であっても、精錬時に酸化鉄を投入しない場合には(No.45、46)、介在物面積率が不足し、工具付着性及び皮削り特性が悪化する。さらに精錬時に酸化鉄を投入し過ぎた場合には(No.43、44)、介在物面積率が過剰になって、疲労強度が低下している。
これらに対して、精錬時にスラグ組成を適切にすると共に、適量の酸化鉄を投入している例(No.1〜32)では、介在物面積率を適切にでき、工具付着性、皮削り特性、及び疲労強度のいずれもが良好である。
なお圧延時の巻き取り温度が高いと、結晶粒が粗大化し、焼入れ性が増し、過冷組織が発生する(No.33)。圧延の冷却速度が速すぎる場合も過冷組織が発生する(No.34〜35)。焼入れ性元素(Mn,Cr、Niなど)が多い場合にも過冷組織が発生し(No.36〜38)、MoやVが多い時にもパーライト変態が終了しない為に過冷組織が発生する(No.39〜40)。これら過冷組織が発生した例では、絞り特性が悪化しており、伸線してばねにする際に断線が発生し易くなっていた。
圧延時の冷却速度が遅すぎる例(No.41)では、パーライト組織が粗大化していた。焼鈍温度が高すぎる例(No.42)では、セメンタイトが球状化していた。これらパーライト組織が粗大化したり、セメンタイトが球状化した例では、伸線してばねにする際にシェブロンクラックが発生して断線し易くなっていた。

Claims (2)

  1. C :0.2〜0.9%(質量%の意味。以下、同じ)、
    Si:0.8〜3%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    Cr:0.01〜3.0%、
    P :0.1%以下(0%を含まない)、及び
    S :0.1%以下(0%を含まない)を含有し、さらにNi:1.0%以下(0%を含まない)、V:0.7%以下(0%を含まない)、及びMo:0.8%以下(0%を含まない)から選択される少なくとも一種を含有し、残部は鉄及び不可避不純物である鋼であって、
    この鋼に含まれる酸化物系介在物は、下記式(1)〜(3)を満足しており、
    鋼の縦断面における表面から深さ0.3mmまでの表層域に存在する厚み2〜15μmの酸化物系介在物の面積率が、300×10-8〜700×10-8であり、
    マルテンサイト及びベイナイトの合計面積率が10%以下であるばね鋼。
    18≦[Al23]/S×100≦38 …(1)
    37≦[SiO2]/S×100≦60 …(2)
    2≦[CaO]/S×100≦40 …(3)
    (式中、Sは、[Al23]、[SiO2]、[CaO]、[MgO]、[MnO]の合計を示す。[Al23]、[SiO2]、[CaO]、[MgO]、[MnO]は、全酸化物系介在物に含まれる各元素(Al、Si、Ca、Mg、Mn)の合計含有量を、その酸化物としての質量で示した値である)
  2. 引張強さが900〜1300MPa、絞りが35%以上である請求項1に記載のばね鋼。
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