JP2010222055A - レベルワウンドコイルの梱包体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ETS方式でアンコイルしたときの銅管の引き出し不良による銅管の折れ及び変形を確実に防止できるレベルワウンドコイルの梱包体を提供する。
【解決手段】レベルワウンドコイル(LWC)の梱包体は、緩衝材1の上に、銅又は銅合金管のLWCをそのコイル軸を垂直にして載置し、緩衝材及びLWCを樹脂フィルムにより梱包したものである。緩衝材1には、LWCの周縁部が接触する円環状の部分が高位部2で、その他の低位部3よりも1乃至4mm高くなるように段差が形成されている。この円環状の高位部2は、0.30MPa以上の圧縮硬さを有する。又は、高位部2の一部が欠落したものとすることもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアコン等の空調冷凍機の伝熱管、及び建築物用の給湯・給水配管等に使用される銅又は銅合金管等のレベルワウンドコイルの梱包体に関する。
銅又は銅合金管(以下、単に銅管というときは、銅合金管も含む)はエアコン等の空調機器用の伝熱管(内面溝付管及び平滑管等)、及び建築用の給湯配管及び給水配管等に使用されている。この銅管は、製造工程において、例えば、コイル状に巻き取られてから焼鈍が行われて所定の調質とされ、コイル(レベルワウンドコイルLWC:Level Wound Coil)の状態で保管され、また搬送される。このLWCは調質後、パレット上に緩衝材を敷いて、この緩衝材上にその中心軸(コイル軸)を垂直にして載置され、パレットと共に伸張状態の樹脂フィルムで巻回されて、いわゆるストレッチ包装される。そして、このストレッチ包装されたLWCの梱包体は、保管及び搬送された後、銅管の加工場所にその中心軸を垂直にして設置されて開梱される。
そして、LWCは、所謂ETS(Eye To the Sky)方式で巻き解かれる。図12はETS方式によるアンコイルを示す斜視図である。LWC110は、その中心軸を垂直にして台114上に載置される。この場合に、LWC110はコイル内面側に存在するコイル巻回時の始端111が上側になるようにして配置される。そして、このコイル巻回時の銅管始端111を引き上げ、台114の上方に設置された湾曲した筒状のガイド115に銅管1001を挿入してその進路を変更し、銅管1001の使用先に供給する。銅管をエアコン等の熱交換器用の伝熱管として使用する場合、ETSで巻き解かれた銅管は所定長さに切断された後、ヘアピン曲げされ、ヘアピン管又はUベンド管等に連続的に加工される。このように、コイル110が回転することなく、銅管1001がコイル110から引き出され、コイル110がその内面側から巻き解かれるので、コイル110から引き出された直後の銅管1001は螺旋状にループを形成しているが、ガイド115を通過して引き出されていく間に、徐々にその巻き癖が解消されていく。なお、0.2%耐力が60〜70N/mm程度の軟質のりん脱酸銅管をETSによりアンコイルすると、銅管に塑性加工が加わるため0.2%耐力が90〜105N/mm程度に上昇する。
このように、ETSによりアンコイルされる場合は、アンコイル時の内筒及び側板の除去の手間を不要とするために、LWCは通常ボビンなしの状態でパレット上に複数個載置されて梱包され、輸送されて、使用場所において梱包が解かれ、パレットに載せた状態で上段のLWCより順にアンコイルされる。
ETSにおいては、側板及び内筒が不要であることから、輸送コストが低減されると共に、梱包及び開梱作業の能率が大幅に向上する。アンコイル時には、コイルを回転させる必要がなく、コイル内面側から引出された銅管は螺旋状に上昇して所定の銅管加工場所まで導かれる。このため、縦型アンコイラー又はターンテーブル等の特別な設備が不要となる。また、銅管の使用先においては、LWC受入後、使用場所に運搬して開梱するだけで多段積の状態でも上側のLWCより順にアンコイルできるため、作業能率が高いという利点がある(特許文献1及び2)。
しかしながら、ETS方式でアンコイルしようとすると、LWCは緩衝材上に載置されているので、LWCが緩衝材内に沈み込んでいる場合がある。そうすると、LWC内側から銅管が引き出され、順次、銅管が引き出される層が順次外層に移っていく過程で、LWCの下端が緩衝材内に沈み込んでいることに起因して、下端部において、LWCの内側の層からそのより外側の層に移るときに、下端の管は、それより上に存在する管と緩衝材に挟まれ,引き出し不良が発生する虞がある。このような引き出し不良が発生すると、銅管がその部分で折れ曲がり、伝熱管の製品として、使用できなくなる。
そこで、特許文献3においては、m層目からm+1層目へ前記管が巻き移る部分において、一つ以上のk+1番目(外層側)(kは自然数)の乗り移り部分の開始端が、k番目(内層側)の乗り移り部分の開始端に対して、前記管の巻き方向の逆方向に推移しておらず、一つ以上の当該逆方向に推移していない乗り移り部分と対面する部分の全部分又は一部分に対面する緩衝材の部分に窪み部分を形成することにより、引き出し不良を防止している。また、特許文献4では、k+1番目の乗り移り部分の開始端が、k番目の乗り移り部分の開始端に対して、前記管の巻き方向の順方向に推移していないようにすることにより、引き出し不良を防止している。
特開2002−370869号公報 特開2004−2012号公報 特開2006−290619号公報 特開2006−282391号公報
しかしながら、特許文献3のように、一つ以上の当該逆方向に推移していない乗り移り部分と対面する部分の全部又は一部に対面する緩衝材の部分に窪み部分を設けても、緩衝材に窪みが設けられていない部分において、銅管の引き出し不良が発生し、引き出し不良を確実に防止できるものではなかった。また、所定の乗り移り部の対面する緩衝材のすべての部分に窪み部を形成することは難しい。また、特許文献4に記載された技術では、管の引き出し不良率は低下するが、やはり下端の管を引き出す際に、銅管の引き出し不良が発生し、引き出し不良を確実に防止できるものではなかった。このため、銅管の引き出し不良による銅管の折れ及び変形を確実に防止できる技術の開発が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ETS方式でアンコイルしたときの銅管の引き出し不良による銅管の折れ及び変形を確実に防止できるレベルワウンドコイルの梱包体を提供することを目的とする。
本願第1発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体は、緩衝材の上に、銅又は銅合金管のレベルワウンドコイルをそのコイル軸を垂直にして載置し、前記緩衝材及びレベルワウンドコイルを樹脂フィルムにより梱包したレベルワウンドコイルの梱包体において、前記緩衝材は、前記レベルワウンドコイルの周縁部が接触する円環状の部分がその他の部分よりも1乃至4mm高くなるように形成されており、この円環状の高位部の強度は、0.30MPa以上の圧縮強さを有することを特徴とする。
本願第2発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体は、緩衝材の上に、銅又は銅合金管のレベルワウンドコイルをそのコイル軸を垂直にして載置し、前記緩衝材及びレベルワウンドコイルを樹脂フィルムにより梱包したレベルワウンドコイルの梱包体において、前記緩衝材は、前記コイルの周縁部が接触する円環状の部分がその他の部分よりも1乃至4mm高くなるように形成されており、この円環状の高位部は、その外周長の8乃至25%の部分が欠落していることを特徴とする。この場合に、前記緩衝材の高位部は、0.30MPa以上の圧縮強さを有するものとすることができる。
これらのレベルワウンドコイルの梱包体において、前記円環状の高位部は、前記レベルワウンドコイルの外径dよりも50mm以上大きな径D1の外周と、前記レベルワウンドコイルの外径dよりも30mm以上小さな径の内周とを有することが好ましい。
一方、前記レベルワウンドコイルは、前記銅又は銅合金管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部に嵌め込んで整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n−1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、その巻き始め部位が上側になるように載置されているものとすることができる。
又は、前記レベルワウンドコイルは、前記銅又は銅合金管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその両隣に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n+1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、その巻き始め部位が下側になるように載置されているものとすることができる。
又は、前記レベルワウンドコイルは、前記銅又は銅合金管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルをその巻始端が前記1層目コイルの最終巻及びその直前巻の管間の凹部に嵌め込まれるようにして前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその外側に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数はnであり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、その巻き始め部位が上側又は下側になるように載置されているものとすることができる。
本願第1発明によれば、レベルワウンドコイル(以下、LWC)の周縁部が、圧縮硬さが0.30MPa以上である緩衝材の円環状の高位部上に置かれているので、LWCの重量は主として円環状の高位部と接触するLWCの周縁部で支持され、緩衝材の段差の低位部上にあるLWCの内側部は緩衝材に接触しないか、又は緩衝材に接触しても緩衝材に対する沈み込み量が小さい。このため、LWCの内周から高位部にかからない部分までの銅管を引き出す際には、LWC下面が緩衝材に接触しないか、又はその緩衝材に対する沈み込み量が少ない状態で引き出される。従って、LWCの下面において、引き出されている銅管の部分がその外層側に移ったときに(以下、LWC下面の層の移行部をターン部という)、下端部の管を引き出すための抵抗が減少し、銅管の引き出し不良が防止される。一方、銅管の引き出しが後半に至り、高位部上に置かれたLWCの部分から銅管が引き出されるときには、LWCはコイル半径方向の幅(コイル外周とコイル内周との差)が小さいものとなっており、従って、LWCは軽くなっている。このため、ターン部において、LWCから銅管に印加される荷重は小さく、引き出し不良が生じるようなことはない。よって、本発明のLWC梱包体は、その引き出し始端から、引き出し終端にいたるまで、引き出し不良が発生することが防止され、管の折れ及び変形が防止される。
また、本願第2発明によれば、緩衝材の円環状の高位部の一部が欠落しており、この欠落部に、LWCのターン部が位置するように、LWCが緩衝材上に載置される。よって、銅管の引き出しが後半に至り、高位部上に置かれたLWCの部分から銅管が引き出されるときには、LWCは高位部上で、若干の沈み込みが生じているとしても、欠落部上に位置するターン部において、LWCから銅管に印加される荷重は小さく、引き出し不良が生じるようなことはない。よって、本願第2発明のLWC梱包体も、その引き出し始端から、引き出し終端にいたるまで、引き出し不良が発生することが防止され、管の折れ及び変形が防止される。なお、円環状緩衝材に接触するLWCの層のターン部の全てが前記欠落部の位置にくるようにLWCを載置することが望ましいが、LWCの巻き方によっては全てのターン部を欠落部に配置することが難しい。その場合は、最外層及びそれに近いターン部(外側ほど長くなる)が欠落部の位置にくるようにLWCを載置することが好ましい。また、欠落部の幅は円環の外周長の8%未満であると、欠落部に位置するターン部の長さが短くなり、引き出し不良が発生しやすくなる。欠落部の幅が円環の外周長の25%を超えると、LWC梱包体の輸送時に振動等によりLWCのずれがおきやすく、管の変形、荷崩れの原因となる虞がある。従って、欠落部の幅は円環の外周長の8〜25%とすることが望ましい。
本発明の第1実施形態の緩衝材を示す平面図である。 本発明の第2実施形態の緩衝材を示す平面図である。 本発明の第3実施形態のLWC20の巻回方法を示す断面図である。 同じくそのLWC20の作成方法を説明する模式図である。 同じくそのLWC20の巻解き方法を説明する模式図である。 (a)乃至(i)は、本実施形態のLWCの梱包方法をその工程順に示す側面図である。 (a)乃至(f)は、図6(i)の工程に続くLWCの梱包方法をその工程順に示す側面図である。 本発明の第4実施形態に係るLWC30の作成方法を説明する模式図である。 同じくそのLWC30の巻解き方法を説明する模式図である。 本発明の第5実施例に係るLWC40の作成方法を説明する模式図である。 同じくそのLWC40の巻解き方法を説明する模式図である。 ETS方式によるアンコイルを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
(緩衝材)
図1は本発明の実施形態に係るレベルワウンドコイル(LWC)20が載置される緩衝材1を示す平面図である。緩衝材1は、外径がD1の円板状をなし、その周縁部は、中央部よりも、厚く形成されており、下面は面一で、上面において、周縁部の高さが中央部よりも高くなっている。従って、この緩衝材1は、周縁部が高さが高い高位部2となり、この高位部2に囲まれた中央部は高さが低い低位部3となっている。これにより、高位部2と低位部3との間で段差が形成されているが、この段差における高位部2と低位部3との高低差は、1乃至4mmである。また、緩衝材1の低位部3の厚さは、例えば、5mmである。緩衝材1は、低位部3を形成する直径D1の緩衝材に高位部2を形成する外径D1、内径D2の緩衝材をそれぞれの中心を合わせて張り合わせて製作することができる。なお、緩衝材1において、高位部2の外側に更に低位部を形成してもよく、その場合、緩衝材1は直径Dの円板状(D≧D1)又は1辺がDの正方形状としてもよい。この場合、直径D又は1辺長Dの正方形状の緩衝材に、高位部2の緩衝材を張り合わせて製作することができる。
緩衝材1の外径D1は、LWCの外径をdとすると、d+50mm以上とすることが好ましい。また、緩衝材1の内径D2は、d1−30mm以下とすることが好ましい。即ち、D1≧d1+50、D2≦d−30である。これは、緩衝材1の外径D1を、緩衝材1上に載置されるLWCの外径d1よりも50mm以上の余裕をもって大きなものとすることにより、LWCが載置された場合に、その中心が緩衝材1の中心から偏倚しても、LWC全体が確実に緩衝材上に存在するようにするためである。また、緩衝材1の高位部2の内周径D2を、緩衝材1上に載置されるLWCの外径dよりも30mm以上の余裕をもって小さなものとすることにより、LWCが載置された場合に、その中心が緩衝材1の中心から偏倚しても、LWC外周側のターン部が確実に高位部2上に存在するようにするためである。
この緩衝材1の材質は、低位部3を構成する緩衝材については、従来の緩衝材と同様の材質、即ち、紙製ダンボール又は発泡性プラスチック等とすることができる。しかし、高位部2を構成する緩衝材については、0.30MPa以上の圧縮硬さを有する強度が比較的高い素材を使用する必要がある。これは、本発明において、この高位部2が、LWCの緩衝材への沈み込みを防止するための部位であり、LWCの質量を担うことにより、LWC全体が緩衝材1内に沈み込まないように支持する部分であるからである。このような圧縮硬さを有する素材として、無発泡性プラスチック又は圧縮紙等がある。
下記表1は、発泡性プラスチック、ダンボール、無発泡性プラスチック及び圧縮紙の各種特性を示す。
Figure 2010222055
このように、無発泡性プラスチック及び圧縮紙は、LWCの荷重の集中に十分抗して、その沈み込みを防止できると共に、銅管に対する摩擦抵抗が低く銅管とのすべり性が優れているので、銅管が無発泡性プラスチックからなる高位部に対して摺動した場合に抵抗力となって引き出し性が悪化することがなく、高位部緩衝材の素材として適している。無発泡性プラスチックと圧縮紙とを比較すると、ETSによる管の引き出しに対しては、銅管とのすべり性がよい無発泡性プラスチックがより有利であるが、運搬時のLWCの荷ずれの起きにくさに関しては、厚紙が有利である。
(LWC)
次に、上述のごとく構成された緩衝材1の上に載置されるLWCの構成について説明する。図3はこのLWCの作成方法を示す断面図、図4はこのLWCの上半部を示す模式図である。ボビン9は、円筒状の内筒9bと、この内筒9bの両端部分に取り付けられた側板9aとを有する。そして、このボビン9は回転装置(図示せず)の回転軸に装着されている。回転軸は水平又は垂直のいずれでも良い。本実施形態においては、先ず、銅管10を内筒9bの左端に位置させ、これを巻回始端21として、ボビン9を回転装置により回転駆動し、銅管10を内筒9bに図3の右方向に巻回して整列巻きする(トラバース巻き)。即ち、銅管10を内筒9bに銅管部分に隙間がなく、常に接触しているように整列巻きで巻き付けていく。本実施形態においては、1層目のコイルを巻回し終わると、1層目の終端の銅管部分は側板9aに接触する。従って、内筒9bの軸方向の長さは、銅管10の外径の整数倍であり、この1層目のコイルの巻き数をn、銅管10の外径をDとすると、内筒9bの長さは、実質的にnDとなる。1層目のコイルの巻回が終了すると、2層目は、その始端の銅管部分22を、1層目のコイルの終端(n回目)の銅管部分とその直前(n−1回目)の銅管部分との間の凹部に位置させて、順次、図3の左方向に整列巻きで巻回していく。2層目のコイルはその左端の終端において、側板9aとの間に更に1コイルが入るだけの余裕がないため、側板9aとの間に隙間を残したまま、3層目の巻回に移る。従って、2層目のコイルの巻き数は、1層目のコイルの巻き数nより1回少なく、n−1となる。3層目のコイルは、1層目と同じくn回、図3の右方向に巻回する。この場合に、3層目も1層目と同様に、その左端及び右端の銅管部分は側板9aと接触する。4層目は2層目と同様に、始端の銅管部分23を側板9aとの間に隙間があるようにして配置し、図3の左方に銅管を巻回していく。
このようにして、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n−1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であるLWC20が得られる。このようにして作製されたLWCは、最外周に銅バンド等で解き止めの処理をした後、ボビンと内筒を取り外し、所定の調質に焼鈍される。焼鈍時にLWCに焼付きが発生すると、ETSによりアンコイルするときに折れ、疵、変形などが発生するため、焼鈍時に管が焼付かないように、コイルの巻き張力、巻き方向及び積層方向のコイル数、管外面油、焼鈍温度、焼鈍時間、焼鈍雰囲気等を選択することが必要である。
なお、LWCに焼付きが発生しなければ、例えば、材質がりん脱酸銅の場合、焼鈍後の銅管の0.2%耐力が50〜150N/mm、伸びが35〜55%であり、このような耐力及び伸びを有するLWCの場合は、管に曲がり、折れ、疵等を発生させずに後述のようにETSによりアンコイルすることができる。但し、これは一例であって、本発明は、このような機械的特性を有するLWCに限定されるものではない。
また、本実施例においては、LWC20のコイル巻層の数、1層当たりのコイル巻き数n(奇数層目)、LWCの質量には特に制限はない。一般に、巻層の数は10乃至200回程度、1層当たりの巻数nは10乃至100回程度、LWC20の質量は50乃至500kg程度である。
更に、銅管の材質についても、特に制限はない。本発明は、伝熱管及び給湯・建築配管等に使用する銅又は銅合金管のコイルに適用することができる他、アルミニウム又はアルミニウム合金管等、その他の長尺物のコイルにも適用できる。
更にまた、管の寸法についても、特に制限はない。但し、管の肉厚が薄すぎると、後述するアンコイル時に捻じり力が管に作用するので、変形しやすくなる。一般的には、外径が4乃至25mm程度、肉厚が0.15乃至1.5mm程度であることが好ましい。
更にまた、管の調質についても、特に制限はない。銅管の場合は、一般的には、軟質材又は半硬材に適用することが好ましいが、硬質材にも適用可能である。硬質材によりLWCを作製した後、焼鈍して軟質材又は半硬材とすることもできる。
(LWCの梱包方法)
次に、本実施例のLWCの梱包方法の一例について説明する。図3に示すように、銅管10が巻回されたコイル20は、その後、側板9aを内筒9bから分解し、ボビン9をコイル20から取り外し、最外周に銅バンド等で解き止めの処理をした後、ボビンと内筒を取り外し、所定の調質に焼鈍する。その後、図6(a)乃至(i)及び図7(a)乃至(f)に示す工程により、LWC20を梱包する。
先ず、図6(a)に示すように、パレット11を用意し、図6(b)に示すように、木製又は樹脂製等のパレット11上に例えば50μmの膜厚のポリエチレンシート12を載せる。次いで、図6(c)に示すように、このポリエチレンシート12上に、本発明の緩衝材13を載置し、この緩衝材13上に、図6(d)に示すように、焼鈍された銅又は銅合金管1のコイル(LWC20)をその軸方向を垂直に、且つその巻き始め部位を上側にして載置する。
即ち、図1に示す緩衝材1の上に、図5示すようにして、LWC20をその中心軸を垂直にして載置する。なお、図5はLWC20の中心軸を含む断面図であって、その右側半分を示すものである。このとき、緩衝材1の外径D1及び低位部3の直径D2は、LWC20の外径dに対して、D1≧d+50、D2≦d−30の関係を満たすので、LWC20が緩衝材1上に多少のずれをもって載置されたとしても、LWC20の周縁部が確実に高位部2上に載置される。
その後、図6(e)乃至図6(i)に示すように、緩衝材13を挟んでLWC20を3段に積み重ねる(以下、3段に積み重ねられた銅又は銅合金管コイルを3段コイル16という)。最上段のLWC20上にもカートン円板15を積載する。これらの緩衝材13とカートン円板15は、LWC20同士間のクッションとなり、輸送時にLWC20を保護する。
次に、図7(a)に示すように、例えば50μmの厚さのポリエチレン製の袋17を3段コイル16に被せて、3段コイル16を覆う。そして、図7(b)に示すように、帯状をなす長尺のダンボール等からなる開梱時保護カートン18を、3段コイル16上からパレット11上まで3段コイル16の側面にあてがい、図7(c)及び図7(d)に示すように、このカートン18を3段コイル16上部及びパレット11上部に固定する。この際、3段コイル16上部においては、例えばテープ19aで固定し、パレット11上部においては、ステープル19bにより固定することができる。
次に、図7(e)に示すように、例えば、幅が500mm、厚さが25μmのポリエチレンからなる帯状の樹脂フィルム14を用意し、この樹脂フィルム14の伸張状態を保ちつつ、3段コイル16の周囲をその上部から下部まで巻回しながら覆い、更にパレット11まで覆う。この樹脂フィルム14は、例えば、低密度ポリエチレンからなる厚さ0.1mmの透明シートである。
次いで、図7(f)に示すように、再度、3段コイル16の周囲をその下部から上部まで、伸張状態の樹脂フィルム14で巻回する。これにより、3段コイル16はパレット11と共に2重の樹脂フィルム14によりストレッチ包装される。この場合、樹脂フィルム14は例えば長さが約2倍になるように張力をかけて伸ばしながら巻く。そうすると、樹脂フィルム14は、幅がもとの約7乃至8割程度に細くなる。
このように、3段コイル16をパレット11と共に、ポリエチレン袋17及び樹脂フィルム14によりストレッチ包装するので、3段コイル16をほぼ完全に密閉することができる。
なお、開梱時に樹脂フィルム14は、保護カートン18上でカッター等により切断されるが、この保護カートン18により、3段コイル16を誤って傷つけてしまうことがない。
なお、3段コイル16の外面を被覆する袋17及び樹脂フィルム14は、ポリエチレン製のもの等を使用することができる。樹脂は若干の透湿性を有するが、多層巻きすることにより、コイル内部に水分が侵入することを防止でき、変色を防止することができる。また、樹脂フィルムの厚さは特に制限されるものではないが、10乃至100μm程度のものから選べばよい。通常は30乃至70μm程度のものを使用すると良い。シール効果を高めるために、多層巻きにすることが好ましい。
また、パレット11とコイル20との間に介装する緩衝材13及び複数段にコイル20を積載するときにコイル20間に介装する緩衝材13は、前述のものを使用すればよい。なお、LWC20を梱包するときの雰囲気の露点は低い方が望ましく、この梱包時の露点は22℃以下とすることが好ましい。
更に、必要に応じて、輸送時にLWC20が動かないように、LWC20をパレット11に固定する。例えば、パレット11の4辺の各中央部にその高さが最上段のLWC20の上面に略等しいLWC固定用の木製支柱を固定し、更に対向する前記支柱同士の上端部を木製の板材で十字状に固定して補強し、パレットの底部から最上段のLWCの上面まで、支柱及び板材に鉄バンドをかけて締め付ける。この状態で、パレット下面から最上段のLWCの上面まで複数層の樹脂フィルムでストレッチ包装し、外部の雰囲気がコイル内部に侵入しにくいようにする。
上述の如く、LWC20(3段コイル16)を樹脂フィルム14によりストレッチ包装することにより、保管中及び搬送中にコイル20の内部に湿気が侵入することを防止でき、コイルに変色が発生することを防止することができる。
上述の方法に変え、LWCを3段積みにした後(図6(i))、LWCの側面にのみ樹脂フィルムを巻きつけ、その後、全体を緊張巻きするか、又はLWCを3段積みにした後、LWCの側面にのみ樹脂フィルムを巻きつけ、その後、パレット底面から最上段のLWCの上面まで樹脂バンドで十文字に固縛する等の方法で、LWCの梱包体を作製してもよい。これにより、梱包を簡素化することが可能である。
[第1実施形態の動作]
次に、本発明の実施形態に係るLWCの梱包体の動作について説明する。先ず、上述のごとく構成されたLWCの梱包体を所定の位置に設置して、その梱包を解く。即ち、LWC20をアンコイルして銅管10を使用先に連続的に供給する場合は、先ず、図7(f)に示すように梱包された3段コイル16をそのまま使用場所に載置し、カートン18を裏当材にして、樹脂フィルム14をカッター等により切断し、更に、このカートン18を取り外した後、袋17を除去し、3段コイル16を開梱する。
前述のごとく、図5は、この開梱された3段コイル16のうち、1段のLWC20の右半分を取り出して示す断面図であり、この図5に示すように、LWC20はそのコイル軸を垂直にして、巻回始端21が上方になるようにして、緩衝材1上に載置されている。そこで、この巻回始端21を上方に引き出すと、LWC20の内面側のコイル(1層目コイル)が巻き解かれて、コイル内面から離脱していく。そして、1層目コイルの最下端(図3においては最右端)の銅管部分がコイル内面から離脱すると、2層目コイルの最下端(最右端)の巻回始端の銅管部分22がコイル内面から離脱することになるが、本実施形態においては、この2層目始端の銅管部分22は緩衝材1と接触しておらず、緩衝材1との間に隙間を有し、2層目始端の銅管部分22はその上層の銅管部分と、緩衝材1との間で拘束されていない。このため、銅管部分22は容易に且つ円滑にコイル内面から離脱し、コイル20から円滑に引き出される。
しかも、本実施形態においては、LWC20はその周縁部が緩衝材1の硬い高位部2上に位置しているので、LWC20の荷重は、緩衝材1における高位部2に主として印加され、LWC20は高位部2においてもっぱら支持されている。このため、LWC20の内周部近傍は、緩衝材1の低位部3内に沈み込むことはなく、LWC20の下面において、引き出される銅管が、コイル内層側からその1層外側に移る際に、緩衝材1の低位部3に摺擦して引き出しに対して大きな抵抗力が作用して引き出し性が阻害されることはない。
そして、LWC20の内周面側から銅管が引き出された後、銅管の引き出しが進行すると、LWC20の内周面が徐々に外周側に移動する。そして、銅管が引き出されるLWC20の内周面が、緩衝材1の高位部2上に移動してきた場合は、LWC20の下端において、引き出し中の銅管が1層外層に移ることになるが、前述のごとく、このときの銅管部分22は、緩衝材1による拘束が小さいものであると共に、高位部2までLWC20の内周面が移動してきたので、LWC20のコイル半径方向の幅は小さく、荷重が軽いものとなっている。このため、引き出される銅管が緩衝材1に接触しても、接触に起因する引き出しに対する摩擦抵抗力は小さく、銅管が折れ曲がるようなことはない。よって、この高位部2上で、銅管の引き出し性が劣化することはない。結局、本実施形態においては、銅管の引き出しの全工程で、引き出し性が向上する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の緩衝材1の平面図である。この図2に示すように、本実施形態においては、緩衝材1の円環状の高位部2が、その周方向の一部で欠落していることのみが図1に示す第1実施形態と異なる。即ち、この高位部2の欠落部4は、低位部3と同一の面を有する。しかし、この欠落部4は、高位部2と同一の高さを有していなければよく、必ずしも低位部3と同一の面である必要はない。この欠落部4の円弧長L1は、高位部2の外周長の8乃至25%である。この場合の高位部2の外周長とは、欠落部4を含めた長さであり、結局、図2に示す実施形態においては、円板状の緩衝材1の外周長(πD1)に相当する。つまり、0.08πD1≦L1≦0.25πD1である。
この欠落部4は、引き出されつつある銅管が、LWCの下面において、ターン部に対面する位置に設けられている。換言すれば、ターン部が、欠落部4に整合するように、LWC20を緩衝材1上に載置する。このターン部は、図3に示すように、銅管10を、例えば、1層目で内筒9bに整列巻きで巻回し、その後、2層目で1層目の上に整列巻きで巻回するが、この場合の1層目の終端の銅管部分と、2層目の巻回始端の銅管部分22との間の銅管部分、即ち、1層目から2層目に乗り移る銅管部分である。
なお、本実施形態においても、高位部2は、低位部3よりも、1乃至4mm高くなるように段差を有するが、本実施形態においては、高位部2は、0.30MPa以上の圧縮硬さを有する必要はなく、低位部3と同一の材質又は他の材質であってもよい。しかし、第1実施形態と同様に、高位部2の材質を、0.30MPa以上の圧縮硬さを有するものにしてもよい。
このように構成された本実施形態においては、LWC20の周縁部の大部分は高位部2上に位置しており、LWC20は高位部2上に支持されている。この高位部2が0.30MPa以上の圧縮硬さを有しない場合には、この高位部2において、LWC20の荷重によりLWC20が沈み込みを生じる。しかし、高位部2と低位部3との高低差により、低位部3においては、LWC20と低位部3との間に隙間があるか、又は隙間がないとしても、低位部3内へのLWC20の沈み込み量は、従来より、極めて小さい。従って、銅管の引き出し工程において、LWC20の内面が低位部4上に位置している場合には、LWC20の下面において引き出し中の銅管が緩衝材1から受ける拘束力は小さく、銅管の引き出し不良は防止され、銅管の折れ及び潰れが防止される。
一方、LWC20の内面が高位部2上に移動してきた場合には、高位部2が0.30MPa以上の圧縮硬さを有しない場合には、LWC20は高位部2において沈み込みが生じているが、LWC20の内面が高位部2上にある場合は、LWC20の大部分の銅管が巻き解かれており、高位部2上に残るLWCは軽量となっている。しかも、LWC20のターン部は、高位部2の欠落部4に位置しており、銅管がLWC下面で隣の外層に乗り移る際にはその乗り移りが欠落部4で生じる。この欠落部4においては、LWC20の下面と緩衝材1における欠落部4の表面との間に隙間が形成されており、隙間が形成されるまでに至らなくても、少なくとも、LWC20の下面と欠落部4の表面とは、拘束力なく接触しているだけである。そして、LWC20の下面のターン部が欠落部4に整合する位置にあるので、引き出されつつある銅管がターン部で乗り移ろうとしたとき、LWC20と緩衝材1との間で、この乗り移りに対して抵抗となるような応力が発生することはない。従って、銅管の引き出し性が阻害されることはなく、銅管の折れ及び潰れを防止することができる。
なお、本実施形態においても、高位部2を0.30MPa以上の圧縮硬さを有するものとすれば、高位部2におけるLWCの沈み込みが防止され、銅管の折れ及び潰れをより確実に防止することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態はLWCの構成を変更したものである。図8は本実施形態のLWC30の作成方法を示す模式図、図9はこのLWC30の巻解き方法を示す模式図である。本実施形態においては、図8に示すように、1層目のコイルを巻き始め端31からn回整列巻きし、その後、1層目の最終巻きの管部分とボビンの側板9aとの間に2層目の始端の管部分を配置して、2層目のコイルを整列巻きにより巻回する。そして、この2層目のコイルの終端の管部分を1層目のコイルの始端の管部分と側板9aとの間に配置し、その後、3層目のコイルを、2層目のコイルの管間の凹部に嵌め込んで整列巻きする。従って、1層目のコイルの巻き数をnとすると、2層目のコイルの巻き数はn+1、2層目のコイルの巻き数は、nであり、奇数段目はn回、偶数段目はn+1回の整列巻きとなる。なお、側板9a間の距離は、管の外径の(n+1)倍を基準に設定される。
このように構成されたLWC30においては、巻き始め端31を下方にして、第1実施形態又は第2実施形態と同様に、そのコイル軸を垂直にしてパレット上の緩衝材1に載置し、梱包する。そして、銅管の使用先では、図9に示すように、巻き始め端31から上方に引き出す。そうすると、矢印にて示すように下方から順次上方に向かって、1層目のコイルが引き出されていき、その最上段の管部分が引き出された後、2層目の最上段の管部分が引き出される。そして、2層目のコイルは、上方から順次下方に向かって引き出されていく。2層目のコイルの最下段が引き出された後、3層目のコイルの最下段の管部分が引き出されるが、この3層目のコイルの最下段の管部分は、パレットとの間に間隙が存在するため、拘束されていない。このため、3層目のコイルも円滑に引き出される。このようにして、本実施例のLWC梱包体も、銅管を円滑に引き出すことができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るLWC40について説明する。本実施形態もLWCの構成を変更したものである。図10は本実施形態のLWC40の作成方法を示す模式図、図11はこのLWC40の巻解き方法を示す模式図である。本実施形態においては、図10に示すように、1層目のコイルをn回整列巻きし、2層目のコイルの始端の管部分を、1層目のコイルの最終巻き(n回目)の管部分と、その直前の巻き(n−1回目)の管部分との間に配置し、以後、2層目のコイルを整列巻きする。そして、2層目のコイルの終端の管部分を、1層目のコイルの始端の管部分と、側板9aとの間に配置して、2層目の整列巻きを終了する。次いで、3層目、4層目のコイルを、始端の管部分が、下層のコイルの始端の管部分と次の巻きの管部分との間に配置してn回整列巻きする。本実施例においては、奇数段目及び偶数段目のコイルの巻き数は全てn回である。
このように構成された本実施形態のLWC40においては、巻き始め端41を上方にして、LWC40をパレット上の緩衝材1に載置する。そして、梱包し、搬送し、使用先において、開梱した後、巻き始め端41から管部分を上方に引き出す。そうすると、最下段まで1層目のコイルを引き出した後、2層目に移るが、その最初に引き出されてくる2層目の管部分は最下段であり、この最下段の管部分はパレットとの間に間隙があるので、容易に離脱し、円滑に引き出される。このようにして、本実施形態においても、同様に円滑に管を引き出すことができる。
本実施形態においては、巻き始め端41を下方にして、LWCをパレット上に載置してもよい。この場合に、奇数列目及び偶数列目の最下段の管部分は、パレットとの関係で、図8、9に示す第3実施形態の最下段の管部分と同一に配列されている。よって、本実施形態においても、巻き始め端41を下方にして、第1層目のコイルを下方から上方に順次引き上げていくと、2層目のコイルは上方から下方に順次引き出され、この2層目コイルの引き出しがその最下段に達したときに、3層目のコイルの最下段の管部分とパレットとの間には間隙があるので、3層目のコイルも円滑に引き出される。よって、本実施形態のLWCにおいては、その巻き始め端41を上方にしてパレット上に載置してもよいし、巻き始め端41を下方にしてパレット上に載置してもよい。
上述のごとく、本発明においては、LWCの形状自体は任意である。即ち、本発明は、緩衝材1の周縁部に段差を有し、この段差の高位部の強度を高めたことに特徴があり、この緩衝材1上に載置されるLWCについては、種々の形状のものを使用することができる。
以下、本発明の実施例について、その効果を比較例と比較して具体的に説明する。
本実施例はETS方式で3段積みのLWCをアンコイルするものである。LWCを構成する銅管はりん脱酸銅軟質材製であり、外径が7.0mmの内面溝付管(底肉厚が0.24mm、溝深さが0.15mm、溝数が58、リード角が30°)である。
LWC梱包体の作製は、外径が560mmの内筒に銅管をトラバース巻きし、その後、光輝焼鈍炉にて焼鈍することにより軟質材に調質し、更に、図7示すように、ポリエチレン製の袋及びポリエチレン製の帯状樹脂フィルムを使用して、LWCを梱包した。緩衝材1として、図2に示す欠落部4を有するものを使用した場合は、この欠落部4にLWCの下面ターン部を整合させて、LWCを緩衝材上に載置した。このようにして製造したLWC梱包体のLWCは、いずれも、コイル質量が250kg、コイルの長さが4800mである。なお、この作製コイルの質量及び作製コイルの長さは、夫々1コイルあたりの質量及び長さである。また、LWC梱包体の緩衝材の構成を下記表2に示す。なお、比較例8は、従来と同様に平坦なものを使用した。また、低位部については、実施例1乃至5及び比較例6及び7の全てが7倍発泡ポリエチレンである。
Figure 2010222055
なお、高位部2の無発泡ポリエチレン及び圧縮紙は、低位部3の7倍発泡ポリエチレンと材質が異なるものであるが、これは、無発泡ポリエチレン又は圧縮紙のシートを、両面テープで7倍発泡ポリエチレンからなる緩衝材上に貼付すればよい。高位部2が低位部3と同様に7倍発泡ポリエチレンである場合は、緩衝材の成形時に、その周縁部が厚くなるように成形すればよい。
上述の実施例1乃至5及び比較例6乃至8のLWC梱包体を、ETS方式によりアンコイルした結果を下記表3に示す。
Figure 2010222055
この表3に示すように、本発明の実施例の場合は、銅管の引き出し不良が発生せず、引き出し性が優れたものであった。従って、銅管加工ラインの停止作業が不要で、生産性が向上した。これに対し、比較例6乃至8の場合は、銅管の引き出し不良が発生し、銅管加工ラインを停止して、不良部を処置した後、ラインを再起動する必要があった。このため、生産性が低いものであった。
1:緩衝材
2:高位部
3:低位部
4:欠落部
9:ボビン
9a:側板
9b:内筒
10、101:銅管
11:パレット
16:3段コイル
17:袋
14:樹脂フィルム
20、30、40、110:LWC(コイル)
21、31、41:始端
22:銅管部分
23:終端

Claims (7)

  1. 緩衝材の上に、銅又は銅合金管のレベルワウンドコイルをそのコイル軸を垂直にして載置し、前記緩衝材及びレベルワウンドコイルを樹脂フィルムにより梱包したレベルワウンドコイルの梱包体において、前記緩衝材は、前記レベルワウンドコイルの周縁部が接触する円環状の部分がその他の部分よりも1乃至4mm高くなるように形成されており、この円環状の高位部の強度は、0.30MPa以上の圧縮強さを有することを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体。
  2. 緩衝材の上に、銅又は銅合金管のレベルワウンドコイルをそのコイル軸を垂直にして載置し、前記緩衝材及びレベルワウンドコイルを樹脂フィルムにより梱包したレベルワウンドコイルの梱包体において、前記緩衝材は、前記コイルの周縁部が接触する円環状の部分がその他の部分よりも1乃至4mm高くなるように形成されており、この円環状の高位部は、その外周長の8乃至25%の部分が欠落していることを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体。
  3. 前記緩衝材の高位部は、0.30MPa以上の圧縮強さを有することを特徴とする請求項2に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
  4. 前記円環状の高位部は、前記レベルワウンドコイルの外径dよりも50mm以上大きな径D1の外周と、前記レベルワウンドコイルの外径dよりも30mm以上小さな径の内周とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
  5. 前記レベルワウンドコイルは、前記銅又は銅合金管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部に嵌め込んで整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n−1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、その巻き始め部位が上側になるように載置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
  6. 前記レベルワウンドコイルは、前記銅又は銅合金管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその両隣に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n+1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、その巻き始め部位が下側になるように載置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
  7. 前記レベルワウンドコイルは、前記銅又は銅合金管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルをその巻始端が前記1層目コイルの最終巻及びその直前巻の管間の凹部に嵌め込まれるようにして前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその外側に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数はnであり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、その巻き始め部位が上側又は下側になるように載置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
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