JP2010221738A - 側突用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、シートバックの頂部の1ヶ所に設けられ、側突時に膨張展開して乗員の車室内側への移動を制限する側突用エアバッグ装置を提供することにある。
【解決手段】エアバッグ20の内部に、エアバッグ20を形成する基布29に対して一部を縫合し、インフレータから流入口21を介して供給されたガスを整流するための整流布22を設けた。また、エアバッグ20の内部に、膨張したエアバッグ20の厚みを制限するテザー24を、その一部を基布29に縫合して設けた。そして、整流布22の流出口23からエアバッグ20内に供給されるガスの噴出方向を避けた位置に、テザー24を配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両が側突による衝撃を受けた時に、側突位置に対してファーサイドに着座する乗員がその衝撃の反動として車室内側へ移動することを制限する側突用エアバッグ装置に関する。
一般に側突と略称される車両の側面衝突時に、乗員を保護するための側突用エアバッグが用いられている。その側突用エアバッグには、乗員とドア等の車体構成部材との間に膨張展開して、側突の衝撃で内側に突出する車体構成部材から乗員を保護するいわゆるニアサイド側エアバッグと、車体の左右方向中央部が膨張展開して、側突の反動で車室内側へ移動する乗員の移動を制限するファーサイド側エアバッグとがある。
特許文献1に開示されている「エアバッグ装置」は、ドアトリムと乗員との間の狭い空間における円滑な膨張展開を可能とするエアバッグに関わり、そのエアバッグの内部を、胸部保護用の第1の気室と頭部保護用の第2の気室とに分けている。そして、第2の気室の膨張により頭部を効率よく保護するようになっている。
特開2006−8016号公報([要約]、明細書の段落[0007]、[0010]、[0022]を参照)
特許文献1のエアバッグによれば、比較的少量のガスで狭い空間への素早い展開を可能とするために、エアバッグは膨張したときの厚みが規制される。そして、仕切部から第2の気室へ噴出するガスの流れ方向にあって、ガスの流れを後方から前方へ案内する第1のテザーや、第2の気室における肩保護領域の厚みを規制する第3のテザーを設けるために、エアバッグを形成する表裏の基布を、長楕円形状や円形状の縫合線となるように直接縫合している。また、第1の気室と第2の気室とを、表裏の基布を直接縫合する縫合線により分割している。
従って、素早い膨張展開による胸部及び頭部の保護が可能とされるこの車体側エアバッグ装置をファーサイドのエアバッグ装置として用いるとしても、エアバッグの厚みが抑制されているため折れる等して変形しやすく、乗員の車室内側への移動を制限するエアバッグとして用いることは難しい。また、ガスの流れ方向にある第1のテザーのために、第2の気室内の上方及び前方にガスが同時に噴出することが妨げられる。更に、胸部保護用の第1の気室の圧力が高まった後、頭部保護用の第2の気室が膨張するようになっているので、頭部の保護を優先するエアバッグとして用いることは難しい。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、シートバックの頂部の1ヶ所に設けられ、側突時に膨張展開して乗員の車室内側への移動を制限する側突用エアバッグ装置を提供することにある。
上記問題を解決するために請求項1に記載の側突用エアバッグ装置の発明は、インフレータの膨張ガスの供給を受けて、シートバックの頂部近傍に設けられたエアバッグの収容部から膨張展開するエアバッグにより車両のシートクッションに着座する乗員の車室内側への移動を制限する側突用エアバッグ装置において、前記エアバッグの内部における上部には、前記インフレータから流入口を介して供給されたガスを整流するための整流布を設け、また、前記エアバッグの内部には、膨張したエアバッグの厚みを制限するテザーを設け、そのテザーを前記整流布の流出口から前記エアバッグ内に供給されるガスの噴出方向を避けた位置に、配置したことを特徴とするものである。なお、ここに示す「頂部近傍」とは、シートバックの頂部のみを指すものではなく、シートバック頂部の後方近傍にあって、シートバック頂部の高さと略同一高さにある車室部材をも指すものとする。また、「側突用エアバッグ装置」とは、詳しくは、着座部と着座部との間に設けられた側突用エアバッグを指すものとする。
請求項1に記載の発明によれば、エアバッグの厚みを制限するテザーを、整流布の流出口からエアバッグ内に供給されるガスの噴出方向を避けた位置に配置した。このため、整流布の流出口からエアバッグ内に供給されるガスは、その進路を妨げるものがないので、エアバッグを上方及び前方へ向かって膨張展開させることができる。従って、エアバッグが膨張展開する初期の段階で、側突位置に対してファーサイドに着座する乗員の頭部の車室内側への移動を適切に制限することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の側突用エアバッグ装置において、前記テザーは、筒状布体の周壁の2ヶ所が基布の両翼に対して縫合され、前記整流布の下端の高さが、前記テザーの縫目の上端の高さに対して同一高さ位置或いはその下方位置であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、整流布の下端の高さが、テザーの縫目の上端の高さに対して同一高さ位置或いはその下方位置であるようにした。このため、整流布の下側の開口端縁からエアバッグ内に供給されたガスは、テザーと整流布との間を通ってエアバッグの上方へ流れ難くなり、自ずと下方へ向かって、エアバッグの下部を膨張展開させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の側突用エアバッグ装置において、前記整流布の前端縁の延長方向と、前記テザーの縫目の配列方向とのなす角度が、+10度〜−10度の範囲にあることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明によれば、整流布の前端縁の延長方向と、テザーの縫目の配列方向とのなす角度が、+10度〜−10度の範囲にあるようにした。このため、整流布の流出口からエアバッグ内へ供給されたガスが、テザーと整流布との間を通って下方へ流れるとき、スムーズに案内されて、抵抗を受けることが防止される。従って、テザーと整流布との間を通ったガスは、整流布の下側の開口端縁から供給されるガスと共に、エアバッグの下部を膨張展開させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の側突用エアバッグ装置において、前記テザーは、前記整流布の下側の開口端縁から前記エアバッグ内に供給されたガスを、前記テザーの下方を通ってエアバッグ内の前方へ迂回させることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明によれば、整流布の下側の開口端縁からエアバッグ内に供給されたガスは、テザーの下方を通ってエアバッグ内の前方へ迂回され、その流れを滞らせることなくエアバッグの前方部分の膨張展開に寄与することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし3のうちいずれか一項に記載の側突用エアバッグ装置において、前記テザーは、前記基布の両翼にそれぞれ縫合された前後の縫目間の空隙により、ガスの上下の流れを下方へ案内することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明によれば、ガスは、縫目間の空隙により下方への流れを案内されて、滞ることなくエアバッグの下方へ応援供給されることができる。
本発明によれば、エアバッグの内部の整流布によって、インフレータから供給されるガスを整流して、エアバッグ内に供給すると共に、整流布の流出口からエアバッグ内に供給されるガスの噴出方向を避ける位置にテザーを設けた。このため、そのエアバッグを、上方及び前方へ膨張展開すると共に、その膨張展開の途中に下方へ膨張展開させることを効率よく行うことができる。従って、エアバッグが膨張展開する初期の段階で、ファーサイドに着座する乗員において、始めに頭部の車室内側への移動を適切に制限することができ、続いてその乗員の上半身の移動を制限することができる。
実施形態のエアバッグ装置が装着された車両用シートを示す斜視図。 実施形態のエアバッグが展開された状態を示す平面図。 (a)は図2のAA矢視断面図、(b)は(a)が膨張した状態を示し、(c)は図2のBB矢視断面図、(d)は(c)が膨張した状態を示す。 インフレータから噴出するガスにより膨張するエアバッグ内におけるガスの流れを模式的に示す断面図。 エアバッグ装置の作動を(a)〜(c)の順にエアバッグが膨張展開する様を示し、(a−1)〜(c−1)は正面図、(a−2)〜(c−2)は側面図を示す。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図5を用いて説明する。なお、図3の断面図においては、理解を容易とするために、一部を除き部材間に隙間を設けて描いている。この実施形態において、車両の前後方向をエアバッグの前後とし、車両の上下方向をエアバッグの上下方向とする。
図1に示すように、本実施形態の側突用エアバッグ装置1は、リアシートのシートバックの頂部の中央の収容部1b内において、インビジブルタイプのエアバッグドア1aの内側に装着されている。そして、シートクッション2a、3aとシートバック2b、3bとが一体に形成されたシート2、3間に、コンソール部材として大型のセンターコンソール4が設けられている。なお、シートクッションはシートの着座部を指し、シートバックはシートの背もたれ部を指す。
センターコンソール4の上部にはアームレスト5が載置されている。このアームレスト5は、回動可能であり、不使用状態のときは、シートバック2b、3b間の凹部5aにシートバックの一部となるように収容されるようになっている。図1に示すように、アームレスト5が使用状態にある時は、冷蔵庫6等の収納ボックスの扉が凹部5aに露出している。なお、左右のヘッドレスト7は、必要に応じて高さを調節できるものであるが、図示のヘッドレスト7は最も低い位置にある。
図2に示す展開状態のエアバッグ20は、折り畳み状態において収容部1b内に収容されている。図2の状態のエアバッグ20は、エアバッグ20内にインフレータ1c(図3において図示)のガスを供給するための流入口21の中心を上下に通る線に沿って山折りされた状態を示す。その結果、左右対称形の基布29の両翼29cが重合されて、山折端部27を除く外周端28が二重の縫目S1により縫合されて全体が袋状に形成されている。インフレータ1cはセンターコンソール4に固定されている。流入口21の周囲の取付孔19aは、エアバッグ20をインフレータ1cに取り付けるためのねじ等の固定具が挿通されるための孔で、4ヶ所(図示は表側の2ヶ所のみ)に配置されている。この流入口21を中心とする取付孔19aが配置されている部分がインフレータ1cに対する取付部19となる。基布29は、一般にエアバッグの基布として用いられる公知の合成樹脂製繊維、例えば、ポリアミド製或いはポリエステル製の繊維からなる織布が好適に用いられる。
図2及び図3(a)(b)に示すように、エアバッグ20の内部には、流入口(図示せず)が備えられた整流布22が、その流入口と基布29の流入口21とを位置合わせした状態で、流入口21の中心を上下に通る線に沿って山折りされ、縫目S2、S3及びS4において基布29に対して縫合され、全体として筒状をなしている。この整流布22は、図2に示す展開状態において、右端の山折り線の部分と、上下の開口端縁22d、22eと、前記山折り線と反対側で上下の開口端縁22d、22eのそれぞれの端部間に位置し、屈曲部42で屈曲する前端縁41とより平面略5角形状の扁平筒状に形成されている。本実施形態においては、屈曲部42より上方の前端縁41は、緩やかに湾曲すると共に、上部側が山折端部27側に後退した湾曲端縁41aとなっており、屈曲部42より下方の前端縁41は、下部側が山折端部27側に後退するように直線状に傾斜する傾斜端縁41bとなっている。
そして、整流布22には、エアバッグ20内の前端部25側へガスを供給するための流出口23が2ヶ所に設けられている。なお、図2で示す整流布22は、扁平状態にあるので、一対の流出口23が側方(紙面の表側)を向いて1ヶ所に配置されているように描かれているが、図4及び図3(b)に示すように、インフレータ1cからのガスの噴出時には、整流布22が変形して膨らむことによって前方を向くようになる。基布29に形成されたベント孔26は、エアバッグ20内のガス圧を調整するためのものである。
また、図2及び図3(b)に示すように、エアバッグ20の内部には、整流布22の前方側下方においてテザー24が設けられている。このテザー24は、2枚の布体のそれぞれの前後の端部が縫目S6において縫合された筒状布体24aの周壁の2ヶ所が、基布29の両翼29cに対してそれぞれ小判形状の二重の縫目S5により縫合されて構成されている。このため、図3(b)、(d)及び図4に示すように、エアバッグ20が膨張する時、基布29の両翼29cに縫合された筒状布体24aは、それぞれの小判形状の縫目S5における前後の長辺部43、44のそれぞれの間で緊張した状態となり、テザー24部分のエアバッグ20の厚さを制限する。
この緊張状態となった前後の筒状布体24aの間は、図4に示すように、ガスの流通を許容する空隙47となるので、テザー24はガスの上下の流れを案内する上下流案内部となる。そして、例えば、上方の開口部45から流入したガスは、前後の筒状布体24aの間の空隙47を案内されて、下方の開口部45からエアバッグ20の下部へ流出する。このため、下方の開口部45から流出したガスは、整流布22の開口端縁22eから噴出するガスと共に、エアバッグ20の下部を効率的に膨張させることができる。
そして、図2において、扁平状態にあるエアバッグ20であって、流入口21の中心を通り山折端部27に直交する方向の中心線C1と、開口端縁22eとの間の間隙長さL1は、中心線C1と縫目S5の上端との間の間隙長さL2と同じか間隙長さL2より長い。言い換えれば、整流布22の下端に位置する開口端縁22eの高さは、縫目S5の高さに対して同一以下である。このような整流布22とテザー24の縫目S5との配置により、後述するように、開口端縁22eから噴出するガスが、整流布22とテザー24との間を通って上方へ流通することが抑制される。
なお、間隙長さL2又は縫目S5の高さについて、上述した縫目は、具体的には二重の縫目S5のうちの外側の縫目S5を指す。また、本実施形態では、開口端縁22eを山折端部27に直交する方向に配置したが、開口端縁22eが山折端部27に対して傾斜している形態においては、開口端縁22eの端部48を整流布22の下端とし、その端部48の高さが縫目S5の高さに対して同一位置或いはそれより下方の位置であるものとする。
また、本実施形態においては、整流布22の傾斜端縁41bの方向線K1と、小判形状の縫目S5の後側の長辺部44の方向線K2とのなす角度が、+10度〜−10度の範囲となるように配置されている。このような角度の範囲に配置されることにより、傾斜端縁41b及びその延長線と、長辺部44及びその延長線とで形成されるガスの流通路が、その途中で狭められることを防止できる。
次に、インフレータ1cから供給されるガスの圧力を受けて整流布22が変形した膨出整流布40となって、その膨出整流布40が、ガスを整流する態様、及び一部のガスがテザー24を迂回する態様を図4を用いて説明する。
整流布22がガス圧により膨出整流布40となる変形は、流入口21を含む取付部19の位置が整流布22の上下の中間位置よりも上方に配置されていることにより生じる。このため、上側の開口端縁22dの略全部が収容部1bの内壁等に塞がれ、インフレータ1cから供給されたガスの上側の開口端縁22dからの流出は極めて少量に制限される。また、エアバッグ20を折り畳んで収容部1bへ収容する時、整流布22の下側の開口端縁22eは折り畳みにより閉じられた状態となり、ガス圧を受けた時には、その閉じられた下側の開口端縁22eの開口が遅れるので、エアバッグ20の膨出当初において、下側の開口端縁22eからのガスの流出量は少量である。
更に、エアバッグ20の収容部1bからの膨出直後における整流布22は、流入口21の位置と流出口23の位置とがずれている。このため、ガスは、流出口23から流出する前に、整流布22を膨らませるように作用する。そして、整流布22は膨出整流布40へと形態を変更することになり、そのため、図4に示すように、流入口21の位置と流出口23の位置とが重複して、ガスが流出口23からエアバッグ20内の上方及び前方に一気に流出する。
このようなガスの流れは、整流布22の下端に位置する開口端縁22eと縫目S5の上端との高さの関係と、整流布22の傾斜端縁41bと小判形状の縫目S5の長辺部44とがなす角度の関係とにおいて、上述の配置によりもたらされる。
このため、エアバッグ20の収容部1bからの膨出当初におけるガスにより、図5(a−1)及び(a−1)に示すように、エアバッグ20は車室内において上方及び前方へ先ず膨張展開する。この時、エアバッグ20の取付部19側はインフレータ1cや収容部1bの内面によって支持されているので、乗員の頭部の車室内側への移動をエアバッグ20の膨張の始めから制限することができる。そして、わずかな時間差の後、整流布22の下側の開口端縁22eが開かれてガスがエアバッグ20内の下方へ流出するので、図5(b−1)、(b−2)、(c−1)、(c−2)に示すように、エアバッグ20の全体的な膨張展開が一気に進行する。このため、側突位置に対するファーサイドの乗員の車室内側への移動が制限される。
また、整流布22の下側の開口端縁22eからエアバッグ20内へ供給されるガスは、テザー24により、エアバッグ20の下部から前方へ迂回することになる。従って、テザー24は、エアバッグ20の下部から前部にかけての膨張を効率的に行うためのガスを迂回させる迂回案内部として作用する。
次に、エアバッグ20が、折り畳まれて収容部1bに収容された状態から、整流布22が変形した膨出整流布40により整流されたガスにより膨張展開する態様を図5を用いて更に詳細に説明する。
図5(a−1)及び(a−2)に示すように、シートバック2bの頂部8の収容部1bに収容されたエアバッグ20は、インフレータ1cから供給される噴出ガスにより、エアバッグドア1aの薄肉ライン(図示せず)を破り、膨出整流布40により整流されたガスにより、上方及び前方に向かって膨出して、直ちに天井30に当接するようになる。このとき、エアバッグ20は、インフレータ1cに連結する部分と、天井30に当接する摩擦力との2点で支持されているので、側突の衝撃力の反動として車室内側へ移動する乗員のシートベルトで拘束されていない頭部の移動を制限することができる。更に、図5(b−1)及び(b−2)に示すように、エアバッグ20の前方への膨張展開が進む。エアバッグ20の下方へ供給されたガスは、テザー24の後部側を通って、下方からテザー24の前部側に回り込む。
このように、図5(c−1)及び(c−2)に示すように、エアバッグ20の下方への膨張展開も進み、エアバッグ20は、天井30と、アームレスト5を介したセンターコンソール4との間において、ガス圧による上下方向の突っ張り状態となる。エアバッグが完全に膨張展開したときの上下方向の自然長は、天井30とセンターコンソール4との間の距離よりも長くなっているため、天井30とセンターコンソール4との間で膨張展開を制限されたエアバッグ20は、その展開余長の分、上下方向への突っ張り力を発現することになる。従って、インフレータ1cに連結された部分と、天井30と、センターコンソール4との3点で支持されるエアバッグ20は、側突の衝撃力の反動として車室内側へ移動する乗員の上半身を受け止めて保護することができる。
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、エアバッグ20の厚みを制限するテザー24を、整流布22の流出口23からエアバッグ20内に供給されるガスの噴出方向を避けた位置に配置した。このため、整流布22の流出口23からエアバッグ20内に供給されるガスは、その進路を妨げるものがないので、エアバッグ20を上方及び前方へ向かって効率的に膨張展開させることができる。従って、エアバッグ20が膨張展開する初期の段階で、側突位置に対してファーサイドに着座する乗員の頭部の車室内側への移動を適切に制限することができる。
(2)上記実施形態では、図2に示す扁平袋状に形成したエアバッグ20において、整流布22の下端となる開口端縁22eの高さが、テザー24の縫目S5の上端の高さに対して同一高さ位置或いはそれより下方の位置であるようにした。このため、整流布22の下側の開口端縁22eからエアバッグ20内に供給されたガスは、テザー24と整流布22との間を通ってエアバッグの上方へ流れ難くなり、自ずと下方へ向かって、エアバッグ20の下部を効率的に膨張展開させることができる。
(3)上記実施形態では、整流布22の前端縁41の屈曲部42より下方の傾斜端縁41bと、テザー24の小判形状に縫合された縫目S5の長辺部44とのなす角度が、+10度〜−10度の範囲にあるようにした。このため、先に整流布22の流出口23からエアバッグ20内へ供給されたガスが、テザー24と整流布22との間を通って下方へ流れる時、スムーズに案内されて、大きな抵抗を受けることが防止される。従って、テザー24と整流布22との間を通ったガスは、整流布22の下側の開口端縁22eから供給されるガスと共に、エアバッグ20の下部を効率的に膨張展開させることができる。
(4)上記実施形態では、基布29に対して小判形状の縫目S5により縫合されたテザー24が、整流布22の下側の開口端縁22eからエアバッグ20内に供給されたガスを、テザー24の下方を通ってエアバッグ20内の前方へ迂回させるようにした。このため、整流布22の下側の開口端縁22eから供給されるガスは、その流れを滞らせることなくエアバッグ20の前方部分の膨張展開に寄与することができる。
(5)上記実施形態では、基布29の両翼29cにそれぞれ縫合された小判形状の縫目S5の前後の長辺部43、44間における筒状布体24aの間は、ガスの上下の流れが可能な空隙となっている。このため、ガスは、特に下方への流れを案内されて、滞ることなくエアバッグの下方へ応援供給される。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 基布29の両翼29cに対して筒状布体24aを小判形状の縫目により縫合したが、四角形状或いは楕円形状の縫目とすること。
・ 整流布22に流出口23を2ヶ所に設けたが、一ヶ所又は3ヶ所以上に設けること。
・ 整流布22の上部を開口して上側開口部としたが、上部を縫合して閉じること。
S1,S2,S5,S6…縫目、1…側突用エアバッグ装置、1b…収容部、1c…インフレータ、2a…シートクッション、2b…シートバック、8…頂部、20…エアバッグ、21…流入口、22…整流布、22d,22e…開口端縁、23…流出口、24…テザー、24a…筒状布体、29…基布、29c…翼、41…前端縁、41b…傾斜端縁、42…屈曲部、43,44…長辺部、47…空隙、48…端部。

Claims (5)

  1. インフレータの膨張ガスの供給を受けて、シートバックの頂部近傍に設けられたエアバッグの収容部から膨張展開するエアバッグにより車両のシートクッションに着座する乗員の車室内側への移動を制限する側突用エアバッグ装置において、前記エアバッグの内部における上部には、前記インフレータから流入口を介して供給されたガスを整流するための整流布を設け、また、前記エアバッグの内部には、膨張したエアバッグの厚みを制限するテザーを設け、そのテザーを前記整流布の流出口から前記エアバッグ内に供給されるガスの噴出方向を避けた位置に、配置したことを特徴とする側突用エアバッグ装置。
  2. 前記テザーは、筒状布体の周壁の2ヶ所が基布の両翼に対して縫合され、前記整流布の下端の高さが、前記テザーの縫目の上端の高さに対して同一高さ位置或いはその下方位置であることを特徴とする請求項1に記載の側突用エアバッグ装置。
  3. 前記整流布の前端縁の延長方向と、前記テザーの縫目の配列方向とのなす角度が、+10度〜−10度の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の側突用エアバッグ装置。
  4. 前記テザーは、前記整流布の下側の開口端縁から前記エアバッグ内に供給されたガスを、前記テザーの下方を通ってエアバッグ内の前方へ迂回させることを特徴とする請求項2又は3に記載の側突用エアバッグ装置。
  5. 前記テザーは、前記基布の両翼にそれぞれ縫合された前後の縫目間の空隙により、ガスの上下の流れを下方へ案内することを特徴とする請求項2ないし3のうちいずれか一項に記載の側突用エアバッグ装置。
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