JP2010219384A - Iii族窒化物半導体からなる半導体装置、およびその製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体からなる半導体装置、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低濃度のn型のIII 族窒化物半導体に対してもオーミックコンタクトをとることが可能な構造の半導体装置を提供すること。
【解決手段】試料1は、サファイア基板10上にノンドープのGaN層11、Siドープのn−GaN層12が形成され、n−GaN層12上にAlN膜13を介してTi/Alからなる2つの電極14a、14bが離間して形成されている。電極14a、14bは、熱処理によるアロイ化を行っていないノンアロイの電極である。AlN膜13とn−GaN層12との界面のn−GaN層12側には、2次元電子ガス層15が形成されている。この2次元電子ガス層15を介することによって、電極14a、14bはn−GaN層12に対して低抵抗に接触することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、n型のIII 族窒化物半導体に対してオーミックコンタクトをとることが可能な構造の半導体装置、およびその製造方法に関する。
金属電極とn型のIII 族窒化物半導体とを接合すると、通常ショットキー障壁が形成され、このショットキー障壁によりオーミックコンタクトが阻害される。そのため従来は、電極の形成後に400〜500℃の温度での熱処理によるアロイ化を行うことによってコンタクト抵抗の低減を図り、オーミックコンタクトをとっている。しかし、このような温度で熱処理を行うと、n型不純物であるSiを拡散させてしまうなどの問題が生じる可能性がある。
そこで、熱処理を行わなくてもコンタクト抵抗を低減することができる技術が検討されている。たとえば特許文献1では、III 族窒化物半導体層と電極との間にAlGaInNからなるキャップ層を設ける技術が示されている。これによると、AlGaInNの大きな電子親和力によりショットキー障壁の高さを小さくすることができ、熱処理によるアロイ化を行わなくても電極のコンタクト抵抗を低減することができる。
また、従来は低抵抗なオーミックコンタクトを形成するために、半導体層の電極と接合する領域にSiなどのn型不純物をイオン注入し、一般に800℃以上という非常に高い温度での熱処理を行うことで不純物を活性化させ、高濃度のn型領域を形成していた。
特開2007−324263
しかし、不純物を活性化するための熱処理の温度は非常に高温であるため、半導体層表面に点欠陥が発生し、たとえばFETであれば、チャネルの移動度が低下するなどの問題を生じていた。
また、特許文献1に記載の方法では、電極とキャップ層との接合におけるショットキー障壁の高さを小さくすることはできるが、ショットキー障壁が形成されないわけではなく、特に不純物濃度が1×1017/cm3 以下の低濃度のn−GaNに対しては高いオーミック性を得ることは困難である。
そこで本発明の目的は、低濃度のn型III 族窒化物半導体に対しても、オーミックコンタクトをとることができ、コンタクト抵抗が低減された電極を有する半導体装置、およびその製造方法を提供することにある。
第1の発明は、III 族窒化物半導体からなるn型の第1層と、第1層上に形成された第1電極と、を備えた半導体装置において、第1層と第1電極の間に、III 族窒化物半導体からなり、第1層と第1電極の双方に接合する第2層を有し、第2層のIII 族窒化物半導体の格子定数は、第1層のIII 族窒化物半導体の格子定数よりも小さく、第2層の厚さが不均一であることを特徴とする半導体装置である。
第2の発明は、第1の発明において、第1電極は、第2層を介して第1層とオーミック接触することを特徴とする半導体装置である。
第3の発明は、III 族窒化物半導体からなるn型の第1層と、第1層上に形成され、その第1層に対してオーミック接触を得る第1電極と、を備えた半導体装置において、第1層と第1電極の間に、III 族窒化物半導体からなり、第1層と第1電極の双方に接合し、格子定数が、第1層のIII 族窒化物半導体の格子定数よりも小さい第2層を設け、第2層は、第1電極との接触面においてはショットキー障壁を形成し、第1層との接触面においては、伝導帯にフェルミ準位が形成され、第1電極のフェルミ準位と、第1層との接触面におけるフェルミ準位間で、電子を面内で部分的にトンネル伝導させることにより、第1電極を第1層に対してオーミック接触させたことを特徴とする半導体装置である。
第1、3の発明においてIII 族窒化物半導体とは、一般式Alx Gay Inz N(x+y+z=1、0≦x、y、z≦1)で表される半導体であり、Al、Ga、Inの一部を他の第13族元素であるBやTlで置換したもの、Nの一部を他の第15族元素であるP、As、Sb、Biで置換したものをも含むものとする。n型不純物としてはSiが通常用いられる。また、III 族窒化物半導体はn型不純物をドープしていなくても低濃度のn型を示す。そのため、第1の発明においてn型の第1層とは、第1層にn型不純物がドープされている場合だけでなく、ノンドープの場合をも含む。ただし、コンタクト抵抗を低減し、よりオーミック性を高めるためには、第1層のn型不純物の濃度を1×1016/cm3 以上とすることが望ましい。また、第2層についても、n型不純物がドープされていてもよいし、ノンドープであってもよい。
また、第1、3の発明において第1電極は、ノンアロイ電極であってもよいし、アロイ電極であってもよい。本発明では、ノンアロイ電極であってもオーミックコンタクトをとることができる。また、アロイ電極であれば、オーミックコンタクトをとることができるとともに、非常に低いコンタクト抵抗とすることができる。また、電極材料には、従来よりn型のIII 族窒化物半導体用のオーミック電極として用いられているTi/Alなどを用いることができるほか、従来はショットキー電極として用いられているNiなども用いることができる。いずれの電極材料の場合にも、ノンアロイでオーミックコンタクトをとることができる。
第2層は、なるべく薄く形成することが望ましく、3nm以下の厚さの領域が形成されていることが望ましい。本発明は、第1層と第1電極との間のトンネル電流を増大させることによりコンタクト抵抗を低減し、オーミックコンタクトを実現しているため、第2層が薄いほどトンネル確率が増大し、よりコンタクト抵抗を低減させ、オーミック性を向上させることができる。第3の発明においては第2層は必ずしも厚さが不均一である必要はなく、均一であってもよい。均一とする場合には厚さを1〜15nmとすることが望ましく、1〜3nmとするとより望ましい。
第2層には、Alを含むIII 族窒化物半導体が望ましい。たとえばAlN、AlGaN、AlInN、AlGaInNなどである。特に、AlNであることが望ましい。AlNはウェットエッチング可能であり、第1電極を形成したい領域のみに第2層が形成されるようパターニングすることが容易だからである。また、GaやInを含まないため組成比を制御する必要がなく、形成が容易である点も利点である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、第2層は、厚さが3nm以下の領域を含むことを特徴とする半導体装置である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、第1電極は、ノンアロイ電極であることを特徴とする半導体装置である。
第6の発明は、第5の発明において、第1層に接合する第2電極を有し、第1電極と第2電極は同一材料であることを特徴とする半導体装置である。
第7の発明は、第1の発明から第4の発明において、第1電極は、アロイ電極であることを特徴とする半導体装置である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明において、第2層は、AlNであることを特徴とする半導体装置である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明において、第1層のn型不純物濃度は、1×1017/cm3 以下であることを特徴とする半導体装置である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明において、第1層および第2層のIII 族窒化物半導体の組成比は、第1層と第2層との界面の第1層側に、2次元電子ガス層が形成される比率である、ことを特徴とする半導体装置である。
ここでいう2次元電子ガス層とは、エネルギーバンドが曲げられることで幅の狭い量子井戸が形成され、その量子井戸によりフェルミエネルギーが伝導帯の下端よりも上となっている領域である。
第11の発明は、第1の発明から第10の発明において、半導体装置は、第1電極をソース電極とする電界効果トランジスタであり、第1層と第2層との接合面は、電界効果トランジスタのチャネル面ではない、ことを特徴とする半導体装置である。
第12の発明は、III 族窒化物半導体からなるn型の第1層上に、第1層のIII 族窒化物半導体の格子定数よりも小さくなる組成比であるIII 族窒化物半導体からなる第2層を、MOCVD法によって形成する第1工程と、第2層をエッチングして第1層上の所定の領域にのみ第2層を残す第2工程と、第2層上に、第1電極を形成する第3工程と、を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第13の発明は、第12の発明において、第3工程は、第1層上に、第1電極と同一材料の第2電極を第1電極と同時に形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第14の発明は、第12の発明において、第3工程の後、熱処理によるアロイ化を行う第4工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第15の発明は、第12の発明から第14の発明において、第2層は、AlNであることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第1〜3の発明によると、第1層表面近傍のエネルギーバンドが、第1層よりも格子定数の小さい第2層からの圧縮応力によって発生するピエゾ電界によって下方向に曲げられるため、第1層表面近傍のショットキー障壁が取り除かれる。そのため、第1電極と第1層は第2層のトンネル電流を介して低抵抗に接触し、オーミックコンタクトをとることができる。また、熱処理によるアロイ化を行わなくてもオーミックコンタクトをとることができるので、半導体装置の製造コストを下げることができる。一方で熱処理によるアロイ化を行う場合には、コンタクト抵抗を非常に低くすることができる。したがって、従来は必要であった、n型不純物のイオン注入と不純物活性化のための高温での熱処理による高濃度のn型領域形成を行わなくてもよくなり、製造工程を簡略化することができるとともに素子特性の劣化を防止することができる。
また、第4の発明のように、第2層に厚さが3nm以下の領域があると、さらにコンタクト抵抗を低減することができ望ましい。
また、第5の発明のように、本発明はノンアロイであってもオーミックコンタクトをとることができ、第7の発明のようにアロイ化を行った場合にはコンタクト抵抗をより低減することができる。
また、第6の発明によると、第1電極はオーミックコンタクトをとることができ、第2電極はショットキーコンタクトとなる。したがって、第1電極の材料と第2電極の材料を同一とすれば、第2層のパターニングによって選択的にオーミック電極とショットキー電極とを同時に形成することができる。これにより、たとえば電界効果トランジスタにおけるオーミック電極であるソース電極およびドレイン電極と、ショットキー電極であるゲート電極とを同一工程で形成することができる。
また、第8の発明のように、第2層をAlNとすれば、AlNはウェットエッチング可能であるから容易にパターニングすることができ、また第1層との接合によって第1層表面近傍のエネルギーバンドを下方向へ曲げることが容易となる。
また、第9の発明のように、従来はコンタクト抵抗を低減することが難しかった第1層のn型不純物濃度を1×1017/cm3 以下という低濃度とした場合であっても、本発明によればオーミックコンタクトをとることができる。
また、第10の発明のように、第1層および第2層のIII 族窒化物半導体の組成比を調整すれば、2次元電子ガス層を介して第1層と第1電極が低抵抗に接触することができ、オーミックコンタクトを得ることができる。
また、第11の発明のように、本発明は電界効果トランジスタに適用することができる。
また、第12〜15の発明によると、n型の第1層に対して、オーミックコンタクトをとることができ、コンタクト抵抗が低減された第1電極を有する半導体装置を製造することができる。
実施例1の試料1の構成を示した図。 AlN膜12を拡大して示した図。 エネルギーバンド図を示した図。 試料1の製造工程について示した図。 AlN膜12の厚さ分布を測定した結果を示すグラフ。 電流−電圧特性について示したグラフ。 実施例2の試料2の電極パターンを示した図。 コンタクト抵抗の測定結果を示したグラフ。 コンタクト抵抗の測定結果を示したグラフ。 実施例4の試料4の構成を示した図。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の試料1の構成を示した図である。試料1は、サファイア基板10上にノンドープのGaN層11、Siドープのn−GaN層12が形成され、n−GaN層12上にAlN膜13を介してTi/Alからなる2つの電極14a、14bが離間して形成されている。GaN層11の厚さは2μm、n−GaN層12の厚さは1μmであり、n−GaN層12のSi濃度は9×1016/cm3 である。また、電極14a、14bは直径600μmの円形のパターンであり、電極14aと14bの間隔は6mmである。AlN膜13も電極14a、14bと略一致する円形のパターンである。また、電極14a、14bは、熱処理によるアロイ化を行っていないノンアロイの電極である。n−GaN層12は本発明の第1層に相当し、AlN膜13は本発明の第2層に相当している。
図2は、AlN膜13を拡大して示した図である。AlN膜13は、膜厚が異なる領域が複数混在した厚さの不均一な形状に形成されている。AlN膜13の厚さの平均は15nm以下であるが、厚さの不均一な形状であるため厚さ3nm以下の非常に薄い領域13aが局所的に存在している。また、AlN膜13とn−GaN層12との界面のn−GaN層12側には、2次元電子ガス層15が形成されている。
図3は、n−GaN層12、AlN膜13、電極14aについてのエネルギーバンド図を示している。AlN膜13と電極14aとの接合によりショットキー障壁16が形成されている。一方、GaNはAlNよりも格子定数が大きいため、n−GaN層12とAlN膜13との接合によりピエゾ電界効果が発生し、n−GaN層12のバンドはn−GaN層12とAlN膜13との界面において下側に曲げられる。そのため、AlN膜13とn−GaN層12との界面のn−GaN層12側には楔型形状の量子井戸が形成される。そしてこの量子井戸により、フェルミエネルギーが伝導帯の底より上となる領域、つまり2次元電子ガス層15が形成される。
電極14a、14bと2次元電子ガス層15との間は、AlN膜13の非常に薄い領域13aを介してトンネル電流が流れる。このトンネル電流により、電極14a、14bは2次元電子ガス層15と低抵抗に接触する。このように、AlN膜13と電極14aとの接合により形成された2次元電子ガス層15を介することによって、ショットキー障壁16が存在するにもかかわらず、電極14a、14bはn−GaN層12に対して低抵抗に接触することができる。
このように、実施例1の試料1は、電極14a、14bと2次元電子ガス層15との間のトンネル電流を利用して、n−GaN層12とのコンタクト抵抗を低減し、オーミックコンタクトをとるものであるから、AlN膜13をなるべく薄くしてトンネル確率を高めることが望ましい。トンネル確率を高めることで、よりコンタクト抵抗を低減し、オーミック性を高めることができる。
試料1は、以下のようにして作製した。まず、サファイア基板10上にMOCVD法を用い、成長温度を1050〜1070℃としてGaN層11、n−GaN層12、AlN膜13を積層させた(図4(a))。キャリアガスとして水素、窒素源としてアンモニア、Ga源としてTMG(トリメチルガリウム)、Al源としてTMA(トリメチルアルミニウム)、n型ドーパント源としてモノメチルシランを用いた。なお、AlN膜13の成長温度は上記に限るものではなく、AlNが結晶成長する温度であればよい。具体的には600〜1250℃であればよい。結晶性の点からAlN膜13の成長温度は、900〜1200℃とするのがより望ましい。また、GaN層11、n−GaN層12の成長温度とAlN膜13の成長温度は異なっていてもよいが、同じである方が製造工程が簡便となり望ましい。
このAlN膜13の結晶成長において、GaNとAlNの格子定数の違いから、AlN膜13は島状に成長し、厚さが不均一となる。図5は、AlN膜13の厚さをX線反射率測定により求め、その膜厚分布について示したものである。主として1.9nm、4.1nm、7.2nm、11.0nmの厚さの領域が混在していることがわかる。特に厚さ1.9nmの領域は、上記説明の領域13aに相当する領域である。
次に、AlN膜13上に、CVD法によりSiO2 膜を形成し、SiO2 膜上にレジスト膜(図示しない)を塗布してフォトリソグラフィによりパターンし、レジスト膜が形成されていない領域のSiO2 膜をエッチングすることで、電極14a、14bを形成する領域以外の領域が開口したパターンのSiO2 膜17を形成した(図4(b))。
次に、80℃に煮沸したアンモニア過水溶液によるエッチングによって、SiO2 膜17に覆われていない領域のAlN膜13を除去し、その後フッ酸系エッチング液によってSiO2 膜17を除去した(図4(c))。これにより、電極14a、14bを形成する領域にのみ、AlN膜13を残した。
次に、フォトリソグラフィ、蒸着、リフトオフによってAlN膜13上に、2つの離間した電極14a、14bを形成した(図4(d))。なお、メタルマスクと蒸着によって電極14a、14bを形成してもよい。以上が試料1の製造工程である。
図6は、試料1の電極14a、14b間に電圧を印加し、電流−電圧特性を測定した結果を示すグラフである。また、比較のため、AlN膜13を設けずn−GaN層12上に直接電極14a、14bを形成した以外は試料1と同じ構造の試料(以下比較例1の試料とする)を作製し、この比較例1の試料についても電流−電圧特性を測定した。図5のように、AlN膜13を形成した実施例1の試料1は、AlN膜13を形成しない比較例1の試料に比べて抵抗が低いことがわかる。これは、n−GaN層12と電極14a、14bの間にAlN膜13を形成したことによりコンタクト抵抗が低減され、オーミック性が得られていることを示している。
実施例1の試料1および比較例1の試料の電極14a、14bを、図7に示すように円形に開口したパターンの電極24aと、その開口内に一定距離隔てて形成された円形パターンの電極24bに替えて、実施例2の試料2と比較例2の試料を作製し、TLM法によりコンタクト抵抗を評価した。図8はその結果である。AlN膜13を設けた実施例2の試料2についてはコンタクト抵抗は10-1Ωcm2 のオーダーであるが、AlN膜13を設けない比較例2の試料についてはコンタクト抵抗は103 Ωcm2 のオーダーであった。このように、AlN膜13を設けることで、コンタクト抵抗は4桁程度低減できることがわかった。
実施例2の試料2について、電極24a、24b形成後に500℃で2分間の熱処理によるアロイ化を行い、電極をアロイ電極とした試料3を作製した。また、比較例2の試料も同様にして熱処理によるアロイ化を行い、比較例3の試料を作製した。図9は、試料2、試料3、比較例2の試料、比較例3の試料の4通りについて、TLM法によりコンタクト抵抗を評価した結果である。AlN膜13を設けたノンアロイ電極の試料2と、AlN膜13を設けないアロイ電極の比較例3の試料では、コンタクト抵抗はともにほぼ等しく、10-1Ωcm2 のオーダーであった。これに対してAlN膜13を設けたアロイ電極の試料3は、試料2や比較例3の試料よりも3桁程度コンタクト抵抗が低く、約2×10-4cm2 であった。
このように、AlN膜13を設け、さらに熱処理によるアロイ化を行なえば、AlN膜13を設けずにアロイ化を行った場合や、AlN膜13を設けてノンアロイとした場合よりもコンタクト抵抗を非常に低くできることがわかった。したがって、試料3の構成を半導体装置に適用すれば、半導体層の電極と接合する領域に、Siイオンの注入と高温での熱処理によるSiイオンの活性化によって高濃度のn型領域を形成する必要は無くなり、製造工程を簡略化できるとともに、半導体装置の特性劣化も防止することができる。
図10は、実施例4の試料4の構成を示した図である。試料4は、サファイア基板10上にノンドープのGaN層11、Siドープのn−GaN層12が形成され、n−GaN層12上にAlN膜43を介してNiからなる電極44が形成され、その電極44から離れた位置に、AlN膜43を介さずに直接n−GaN層12上にNiからなる電極45が形成されている。電極44は本発明の第1電極に相当し、電極45は本発明の第2電極に相当している。AlN膜43は、実施例1のAlN膜13と同様に、厚さが不均一であり、厚さの平均が10nmで、厚さ3nm以下の領域が局所的に存在している。また、電極44、45ともにノンアロイの電極である。
n型のIII 族窒化物半導体とNiはショットキー接合を形成するため、電極45はn−GaN層12とショットキー接合する。一方、電極44は、n−GaN層12上にAlN膜43を介して形成されているため、実施例1において説明したようにオーミックコンタクトをとることができる。つまり、電極が同一材料であっても、AlN膜43を介しているか否かによってオーミック電極とショットキー電極とを選択的に形成することができる。また、電極44も電極45も材料は同じNiであるから、電極44と電極45は同時に形成することができる。
この試料4の構成を、ショットキー電極とオーミック電極の双方を必要とするMESFETなどの半導体装置に採用すれば、オーミック電極(たとえばソース・ドレイン電極)と、ショットキー電極(たとえばゲート電極)を同時に形成することができるため、製造工程を大幅に簡略化することができる。
なお、各実施例において、n−GaN層上にAlN膜を介して電極を設けた構成としたが、本発明はこれらの材料の組み合わせに限るものではなく、III 族窒化物半導体からなるn型の第1層上に、第1層のIII 族窒化物半導体の格子定数よりも小さい組成比であるIII 族窒化物半導体からなる第2層を介して電極を設けた構成であれば、コンタクト抵抗を低減でき、オーミックコンタクトをとることができる。たとえば、第1層としてInGaN、第2層としてGaN、AlGaN、AlGaInN、またはAlNとした構成や、第1層としてGaN、第2層としてAlGaNとした構成であってもよい。また、第2層はノンドープである必要はなく、Siなどのn型不純物がドープされていてもよい。
また、実施例では電極としてTi/AlまたはNiを用いたが、電極の材料は従来より知られているものであればどのようなものでもよい。また、第2層および第1電極を形成する工程において、第2層をパターニングする際に用いるマスクを金属マスクとし、第2層のパターニング後に金属マスクをそのまま残して第1電極として用いるようにしてもよい。
また、第1層と第2層との接合界面に量子井戸を形成することができるのであれば、必ずしも第2層を不均一に形成する必要はなく、均一であってもよい。第2層を不均一な厚さとする場合は、厚さが3nm以下の領域が存在し、最も厚い領域が15nm以下であることが望ましい。また、第2層を均一な厚さとする場合には、1〜15nmの厚さとするのが望ましく、1〜3nmとするとより望ましい。
本発明は、オーミック電極を必要とするあらゆるIII 族窒化物半導体装置に適用することができる。たとえば、III 族窒化物半導体からなるHEMTなどの電界効果トランジスタにおけるソース電極、ドレイン電極の構造に適用することができる。
10:サファイア基板
11:GaN層
12:n−GaN層
13:AlN膜
14a、14b:電極
15:2次元電子ガス層

Claims (15)

  1. III 族窒化物半導体からなるn型の第1層と、前記第1層上に形成された第1電極と、を備えた半導体装置において、
    前記第1層と前記第1電極の間に、III 族窒化物半導体からなり、前記第1層と前記第1電極の双方に接合する第2層を有し、
    前記第2層のIII 族窒化物半導体の格子定数は、前記第1層のIII 族窒化物半導体の格子定数よりも小さく、
    前記第2層の厚さが不均一である、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1電極は、前記第2層を介して前記第1層とオーミック接触することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. III 族窒化物半導体からなるn型の第1層と、前記第1層上に形成され、該第1層に対してオーミック接触を得る第1電極を備えた半導体装置において、
    前記第1層と前記第1電極の間に、III 族窒化物半導体からなり、前記第1層と前記第1電極の双方に接合し、格子定数が、前記第1層のIII 族窒化物半導体の格子定数よりも小さい第2層を設け、
    前記第2層は、前記第1電極との接触面においてはショットキー障壁を形成し、前記第1層との接触面においては、伝導帯にフェルミ準位が形成され、前記第1電極のフェルミ準位と、前記第1層との接触面におけるフェルミ準位間で、電子を面内で部分的にトンネル伝導させることにより、前記第1電極を前記第1層に対してオーミック接触させたことを特徴とする半導体装置。
  4. 前記第2層は、厚さが3nm以下の領域を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記第1電極は、ノンアロイ電極であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記第1層に接合する第2電極を有し、前記第1電極と前記第2電極は同一材料であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記第1電極は、アロイ電極であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記第2層は、AlNであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記第1層のn型不純物濃度は、1×1017/cm3 以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 前記第1層および前記第2層のIII 族窒化物半導体の組成比は、前記第1層と前記第2層との界面の第1層側に、2次元電子ガス層が形成される比率である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置。
  11. 前記半導体装置は、前記第1電極をソース電極とする電界効果トランジスタであり、前記第1層と前記第2層との接合面は、電界効果トランジスタのチャネル面ではない、ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置。
  12. III 族窒化物半導体からなるn型の第1層上に、前記第1層のIII 族窒化物半導体の格子定数よりも小さくなる組成比であるIII 族窒化物半導体からなる第2層を、MOCVD法によって形成する第1工程と、
    前記第2層をエッチングして前記第1層上の所定の領域にのみ前記第2層を残す第2工程と、
    前記第2層上に、前記第1電極を形成する第3工程と、
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 前記第3工程は、前記第1層上に、前記第1電極と同一材料の第2電極を前記第1電極と同時に形成する工程である、ことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第3工程の後、熱処理によるアロイ化を行う第4工程を有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第2層は、AlNであることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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