JP2010219010A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Tetsuya Kajita
徹也 梶田
Tatsuji Numata
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Abstract


【課題】 初回放電容量が高く、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 積層方向から見て長方形の負極8と正極9を、セパレータ5を介して積層した電池素子を有するリチウムイオン二次電池であって、負極8の長辺2辺の端部で負極集電体2同士を接着させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池素子を積層したリチウムイオン二次電池に関するものである。
携帯電話やノートパソコン等のモバイル機器の普及により、その電力源となる二次電池の役割が重要視されている。これらの二次電池には小型、軽量かつ高容量であり、充放電を繰り返した場合でも充放電容量の劣化が起こりにくいことが求められる。このような特性を満たす二次電池として、現在ではリチウムイオン二次電池が多く使用されている。
リチウムイオン二次電池において、負極は充電時にリチウムを吸蔵し、放電時に脱離する反応を起こし、その際、負極自身が膨張及び収縮を起こす。この充放電時に生じる体積変化により負極内部にしわ、歪みが生じるため、負極内の電位分布に不均一が生じて、負極表面への金属リチウムが析出する。これにより、表面の抵抗が増加して負極活物質の充放電が不十分となるため、充放電サイクルの繰り返し後の放電容量が減少する問題点があった。
また充放電時において、電解液の分解に起因するガスが発生するが、上記のような負極内部のしわ、歪みが生じると、ガスがしわ、歪み部分に残るため、その部分の負極が失活し、充放電サイクルの繰り返し後の放電容量が減少する問題点があった。このガス発生は特に高温雰囲気下で顕著であり、そのため充放電サイクルの繰り返しを高温で行うと急激な容量低下につながる。
このように、負極の充放電反応を均一に進行させるために集電体のしわ、歪みを抑制して充放電サイクルの繰り返し後の放電容量が減少することへの対策も含め、特許文献1では、少なくとも1つの活物質層と多孔体とが、バインダで一体的に接着されていて、反応面積の低下による性能不良を少なくできる電気化学素子、電池を提供することが記載されている。
また特許文献2では、多孔質フィルムに反応性ポリマーを介して電極シートを加熱下に圧着し、いわば仮接着して、電極シート/多孔質フィルム積層体を得ることができ、これを用いることによって、電極シートと多孔質フィルムの間の相互のずり移動がなく、効率よく電池を製造することができることが記載されている。
さらに特許文献3では、正極と、この正極より四辺寸法が大きな負極と、正極が内部に配置された袋状セパレータとを有し、袋状セパレータと負極とが交互に積層された積層電極体を構成し、この積層電極体が外装体内に配置された積層式リチウムイオン電池において、積層電極体における積層方向の両端面にはそれぞれ補助シートが配置され、これら補助シートには、積層電極体を跨ぐように、6枚のずれ防止用テープが貼着されていることが記載されている。
特許3116643号公報 特開2006−019082号公報 特開2008−091099号公報
特許文献1に示す少なくとも1つの活物質層と多孔体とが、バインダで一体的に接着する方法、または特許文献2に示す多孔質フィルムに反応性ポリマーを介して電極シートを加熱下に圧着する方法では、電解液が常に接触していると、時間の経過と共に活物質と、バインダや反応性ポリマーの接着性は失われ、内部にしわや歪みが発生するので、充放電サイクルの繰り返しにより容量が低下し、十分なサイクル特性が得られない恐れがある。
特許文献3に示すずれ防止用テープを貼着する方法では、負極の体積変化が大きくなった場合には、ずれ防止用テープと補助シートが剥離し、十分なサイクル特性が得られない恐れがある。
すなわち、本発明の技術的課題は、初回放電容量が高く、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明のリチウムイオン二次電池は、積層方向から見て長方形の負極と正極を、セパレータを介して積層した電池素子を有するリチウムイオン二次電池であって、前記負極の長辺2辺の端部で前記負極集電体同士を接着させたことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記電池素子の正極集電体と前記負極集電体の互いに対向した短辺端部、または同一の短辺端部に、それぞれ正極端子と負極端子を溶接したことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記接着は、超音波溶接法により接合することを特徴とする。
長辺2辺の端部の負極集電体同士を接着させたことで集電体のしわ、歪みを抑制するので発生ガスを負極集電体同士が接着された2辺以外から逃がしやすく、ガスが電池素子に蓄積しにくくなり、体積変化を緩和させ、かつ負極の充放電反応が均一に進行しやすくなる。このためサイクル特性の向上、特に高温充放電サイクル時の急激な容量低下を抑制することが可能となった。
本発明により、初回放電容量が高く、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池の提供が可能となった。
本発明のリチウムイオン二次電池の電池素子を示す平面図。 図1のA−A断面を示す模式図。 図1のB−B断面を示す模式図。 本発明の第二の実施例のリチウムイオン二次電池の電池素子を示す平面図。 図4のC−C断面を示す模式図。 図4のD−D断面を示す模式図。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のリチウムイオン二次電池の電池素子を示す平面図である。電池素子として、最上層に積層方向から見て長方形である負極8を配置し、以下セパレータ5、正極9、セパレータ5、負極8、セパレータ5の順に、そして最下層に負極8を配置している。負極8の左辺端部には負極端子6を、正極9の右辺端部には正極端子7を溶接している。
図2は、図1のA−A断面を示す模式図である。負極の長辺2辺の端部には負極活物質1を塗布せず、負極集電体2が露出している。3つの負極集電体2は、長辺2辺の端部を負極集電体2同士で接着させている。なお負極集電体2同士で接着させるのは、端部の一部であってもよいが、全てであるのが好ましい。最上層と最下層の負極集電体2には、電池素子の内側となる片面にだけ負極活物質1が塗布されている。
図3は、図1のB−B断面を示す模式図である。負極8は、負極活物質1と負極集電体2を有しており、正極9は、正極活物質3と正極集電体4を有している。負極端子6と正極端子7は、互いに対向した短辺に配置されている。正極端子7は、2つの正極集電体4と接続されている。負極端子6は、1つの負極集電体2とは接続されているが、他の負極集電体2とは接続されていない。
負極集電体の長辺の端部を接着することにより、充放電を行い負極にリチウムが挿入脱離しても体積が変化し難くなるとともに、負極の位置ずれを防止することが出来る。負極の位置ずれがなくなることにより、負極集電体同士が接着していない短辺から発生ガスを逃がしやすくなり、負極の充放電反応が均一に進行しやすくなるため、ガスが電極部に蓄積しにくくなる効果と、集電体のしわ及び歪みを抑制する効果が得られる。
このため充放電サイクル特性の向上、特に高温充放電サイクル時の急激な容量低下の抑制につながる。また、電池素子の加圧状態が一定となりやすく体積変化を緩和させる効果もある。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と正極を、セパレータを介して積層し、非水系の電解液とともに外装体に収納されている。負極は銅箔などの負極集電体と負極活物質を有し、正極はアルミニウム箔などの正極集電体と正極活物質を有している。積層された負極集電体同士は溶接などにより接着されている。正極集電体同士も同様に接着されている。負極集電体には負極端子が、正極集電体には正極端子が溶接されている。
負極集電体の厚さは、その強度を自ら保持することが可能な厚さとすべきであるので、一般に4μm以上、100μm以下の範囲であることが必要である。またエネルギー密度を高めるためには、5μm以上、30μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
リチウムイオン二次電池の負極を構成する負極合材層は、負極活物質とバインダを、溶剤に分散させて混練して負極集電体の面上に塗布し、高温雰囲気で乾燥することにより作製される。
負極活物質としては、炭素、ケイ素、スズ、ゲルマニウム、チタン酸リチウムなどを用いることが出来る。ここで炭素は、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン及びこれらの混合物のいずれでも良い。炭素以外の活物質は、単体、酸化物もしくは炭素や金属間化合物等との複合材料であっても同様に用いることが出来る。
負極活物質には、導電性を付与するために必要に応じてカーボンブラックやアセチレンブラックなどを混合してもよい。また作製した負極における電極密度は1.0g/cm3以上、2.0g/cm3以下の範囲とすることが好ましい。電極密度が1.0g/cm3より低い場合には充放電容量が低下してしまい、2.0g/cm3より高い場合には負極を含む電極に電解液を含浸させることが困難となり、やはり充放電容量が低下してしまうからである。
バインダはポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素系樹脂から選択される結着剤を用いることができる。また溶剤はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが好適である。
一方、正極活物質としては、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム及びこれらの混合物、並びに前記化合物のマンガン、コバルト、ニッケルの部分をアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛などでその一部もしくは全部を置換したもの、さらにはリン酸鉄リチウムなどを用いることができる。
セパレータはポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等を備える多孔性フィルムを用いることができる。
また、リチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液は、以下の有機溶媒の中から選択される1種または2種以上の溶媒を混合し、これらの有機溶媒に溶解するリチウム塩を溶解させて電解液として用いることができる。ここで使用可能な有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトンなどのγ−ラクトン類、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)などの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル類が挙げられる。
またそれ以外に使用可能な有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ジオキソラン誘導体、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒に溶解して用いられるリチウム塩としては、例えばLiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO22、LiN(CF3SO22、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などが挙げられる。また、これらの有機溶媒とリチウム塩による非水系電解液の代わりにポリマー電解質を用いてもよい。
なお電池素子を収納し、電解液を封止するための外装体としては、缶ケースや外装フィルム等であり、電解液を封止することが出来ればこれに限定するものではない。缶ケースとしてはステンレス缶が多く用いられる。外装フィルムとしては、接着層としてポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸共重合体やエチレン−アクリル酸共重合体と金属イオンで分子間結合させたアイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
以下に本発明の実施例を詳述する。
(実施例1)
負極活物質として粒径D50が10μmとなるように調製を行った黒鉛に、バインダ溶液としてポリアミック酸−NMP溶液、導電剤としてカーボン粉末(非晶質炭素粉末)を混合し、溶剤としてNMPを加えて溶解、分散させて負極電極材料のスラリーを作製した。
この材料を負極集電体である厚さ10μmの銅箔上に、150×80mmの形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後にロールプレスにて圧縮成形を行い、再び乾燥炉にて300℃、10分間の乾燥処理を行って負極合材層を形成した。ここでは、両面塗布品を1枚、片面塗布品を2枚作製した。そして負極合材層を含む負極集電体を、160×120mmの形状に打ち抜いて負極とした。
また、正極については、コバルト酸リチウムからなる活物質に、バインダとしてポリフッ化ビニリデンを混合し、溶剤としてNMPを加えて溶解、分散させて正極電極材料のスラリーを作製した。
この材料を正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の面上に、150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後にロールプレスにて圧縮成形を行い、正極合材層を形成した。ここでは、両面塗布品を2枚作製した。そして正極合材層を含む正極集電体を、160×90mmの四角形の形状に打ち抜いて正極とした。
セパレータは、ポリプロピレンの多孔性フィルムからなる170×100mmの四角形の形状のものを使用した。最下層から負極片面塗布品、セパレータ、正極、セパレータ、負極両面塗布品、セパレータ、正極、セパレータ、最上層に負極片面塗布品となるように積層した。次に対向した2辺の長辺端部の、負極集電体同士が重なり合った部分を、超音波溶接法により接着した。
次に最上層の負極集電体の左側の短辺に、電極の引き出しのためのニッケルからなる負極端子を、超音波溶接法により接着した。一方、正極についても、負極端子の反対側に位置する右側の短辺の正極集電体同士を重ね合わせて、電極の引き出しのためのアルミニウムからなる正極端子を、超音波溶接法により接着した。これにより、正極端子と負極端子を短辺部分の対向する位置に配置した。
電池素子を収納した2枚の外装フィルムを重ね合わせ、外装フィルムの外周部が重なり合っている箇所を、ヒートシールにより熱融着させた。四辺中三辺熱を融着させた後、電解液を注液し、真空下にて残りの一辺を熱融着させた。ここで電解液はEC、DEC、EMCを体積比で3:5:2の割合で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/lの濃度で溶解したものを用いた。正極端子と負極端子の先端は、外装フィルムの対向した短辺から互いに反対側に突出している。この方法により、ラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。
(初回放電容量、サイクル特性の評価)
作製した5台のラミネート型のリチウムイオン二次電池に対して、まず20℃定温雰囲気において、定格である4.2Vまでフル充電を行い、次いで2.7Vまで放電を行い、このときの放電容量を測定した。この放電容量が実施例1の電池における初回放電容量、即ち充放電容量である。
次いで45℃定温雰囲気において、4.2Vまで充電、2.7Vまで放電の1Cレートによる100回の充放電を繰り返し行って、その100サイクル後の放電容量を20℃で測定した。なお1Cとは、公称容量(mAh)を1時間で充放電する電流値をいう。初回放電容量に対する100サイクル後の放電容量の比率を計算し、これをサイクル特性とした。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(実施例2)
図4は、本発明の第二の実施例のリチウムイオン二次電池の電池素子を示す平面図である。正極端子7と負極端子6は、同じ左側の短辺から引き出されている。
図5は、図4のC−C断面を示す模式図である。負極の長辺2辺の端部には負極活物質1を塗布せず、負極集電体2が露出している。3つの負極集電体2は、長辺2辺の端部全てを負極集電体2同士で接着させている。最上層と最下層の負極集電体2には、電池素子の内側となる片面にだけ負極活物質1が塗布されている。
図6は、図4のD−D断面を示す模式図である。負極端子6と正極端子7は、同じ短辺に配置されている。D−D断面において、正極端子7は、2つの正極集電体4と接続されている。負極端子6は、1つの負極集電体2とは接続されているが、他の負極集電体2とは接続されていない。
正極端子と負極端子を同じ短辺に配置した以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(実施例3)
実施例1において負極活物質として用いた黒鉛のかわりに、以下に示す方法により作製したケイ素を含有したケイ素複合粒子を用いた。まずケイ素とニッケルとを重量比1:5の割合で混合し、1500℃、13.3Paにて溶融後に、急冷させて、ケイ素とニッケルの金属間化合物であるケイ素−ニッケル合金の粉末を作製した。
次いでこの粉末をさらに粉砕して微細な粒状体として、同様に微細な粒状体としたケイ素単体と混合し、1000℃、0.01Pa以下の高温低圧雰囲気にて焼結させてケイ素とケイ素−ニッケル合金の複合粒子とした。この材料80重量部にグラファイト20重量部を混合して100重量部とした後、混合材料を900℃の窒素雰囲気にてそれぞれ焼結しケイ素とケイ素−ニッケル合金とグラファイトの3成分からなる複合粒子を作製した。この複合粒子を粉砕し、レーザ回折・散乱法により測定される粒径D50が10μmとなるように調製を行った。
この方法により作製したケイ素複合粒子を負極活物質として、ラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例1)
対向した2辺の長辺端部の、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しない以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例2)
対向した2辺の長辺部分の負極集電体同士が重なり合った部分のうち、1辺だけ接着した以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例3)
負極端子を上側の長辺に、正極端子を下側の長辺部分に対向するように溶接し、対向した2辺の短辺部分の負極集電体同士が重なり合った部分を接着した以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例4)
実施例1において、正極と負極を逆にした電池素子を作製した。すなわち、正極集電体のサイズは160×120mm、負極集電体のサイズは160×90mmである。正極については活物質両面塗布品を1枚、片面塗布品を2枚、負極については活物質両面塗布品を2枚、それぞれ作製した。
最下層から正極片面塗布品、セパレータ、負極、セパレータ、正極両面塗布品、セパレータ、負極、セパレータ、最上層に正極片面塗布品となるように積層した。次に対向した2辺の長辺端部の、正極集電体同士が重なり合った部分を、超音波溶接法により接着した。次に最上層の正極集電体の左側の短辺に正極端子を、超音波溶接法により接着した。一方負極についても、正極端子の反対側に位置する右側の短辺の負極集電体同士を重ね合わせて負極端子を、超音波溶接法により接着した。
正極と負極を逆にした以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例5)
負極活物質として黒鉛の変わりにケイ素を含有したケイ素複合粒子を用いた、及び対向した2辺の長辺端部の、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しない以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例6)
電池素子を積層した後に、80℃にて5分間加圧することにより、負極とセパレータ、及び正極とセパレータを接着した、及び対向した2辺の長辺端部の、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しない以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例7)
セパレータを袋状に成形し、その中に2箇所の融着部が形成されており、所定の位置に正極を納めて、負極、正極内包セパレータ、を繰り返し積層した、及び対向した2辺の長辺端部の、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しない以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例8)
電池素子の両端にそれぞれ補助シートが配置され、補助シートから積層電極体の両端を跨ぐように、ずれ防止用テープを貼着した、及び対向した2辺の長辺端部の、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しない以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
(比較例9)
セパレータを袋状に成形し、その中に2箇所の融着部が形成されており、所定の位置に正極を納めて、負極、正極内包セパレータ、を繰り返し積層した、負極集電体の周辺部幅2mmの部分に、酸化チタンを含有したエポキシ接着剤を塗布し接着した、及び対向した2辺の長辺端部の、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しない以外は実施例1と同様にしてラミネート型のリチウムイオン二次電池を5台作製した。5台の電池における、初回放電容量およびサイクル特性の評価結果のそれぞれの平均値を算出した。
実施例1〜3、比較例1〜9に関して、接着集電体、接着位置、接着箇所、端子引出方向、負極活物質、接着方法と、それによるリチウムイオン二次電池の初回放電容量、サイクル特性の結果を表1に示す。
Figure 2010219010
本発明のリチウムイオン二次電池は、比較例1の電池が有する初回放電容量とサイクル特性より高いことが期待される。つまり初回放電容量は1030mAhより高く、かつサイクル特性が80%より高ければ優位性ありと判定した。表1より、実施例1〜3の場合は初回放電容量とサイクル特性の両方において、それぞれ1030mAhより高く、かつ80%より高いという条件を満たしており、従来技術に対して優位性があると判定した。
表1における実施例1〜2と比較例1の評価結果を比較すると、リチウムイオン二次電池において、長辺2辺の端部全てを負極同士で接着させたことにより、初回放電容量と100サイクル後のサイクル特性は、著しい改善効果があることがわかった。これは、実施例1と2のように、正極端子と負極端子が対向もしくは同一側に位置しても、同様に効果があることを示している。
比較例1では、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しておらず、負極の位置ずれ防止と体積変化を抑制する役目が不十分であるため、実施例と比べ、初回放電容量とサイクル特性が低かったと考えられる。
比較例2の評価結果からは、十分なサイクル特性が得られなかった。これは、長辺2辺の端部全てを負極同士で接着させた実施例1〜2と比べ、長辺1辺だけの接着では負極の位置ずれ防止と体積変化を抑制する役目が不十分であるためと考えられる。
比較例3では対向する2辺の部分の負極集電体同士を接着しているものの、実施例1と違い、短辺部分を接着している。この場合も十分な初回放電容量とサイクル特性が得られなかった。これは負極の位置ずれは防止されているが、接着している長さが実施例より短いので負極の体積変化を十分に抑制できなかったためと考えられる。
比較例4において、対向する2辺の部分の正極集電体同士を接着している場合も同様であり、この場合は体積変化の大きい負極を直接押さえていないため、負極の位置ずれ防止と体積変化を抑制する役目が不十分であり、高い初回放電容量とサイクル特性が得られなかったと考えられる。
比較例5では、負極にケイ素を含有したケイ素複合粒子を用いているが、負極集電体同士が重なり合った部分を接着しておらず、負極の位置ずれ防止と体積変化を抑制する役目が不十分であるため、実施例と比べ、サイクル特性が低かったと考えられる。
比較例6における、従来の技術である、負極とセパレータ、及び正極とセパレータを接着させる方法においては、活物質とセパレータが直接接着している分だけ初期放電容量が低下しており、さらにサイクル特性においても活物質とバインダの接着性が失われるのでサイクル特性の低下が生じていると考えられる。また負極集電体同士が重なり合った部分を接着しておらず、負極の位置ずれ防止と体積変化を抑制する役目が不十分であったと考えられる。
比較例7における、従来の技術である、セパレータを袋状に成形し、その中に正極を納め位置決めする方法においては、十分な初期放電容量とサイクル特性が得られなかった。これも負極集電体同士が重なり合った部分を接着しておらず、負極の位置ずれ防止と体積変化を抑制する役目が不十分であったためと考えられる。
比較例8における、従来の技術である、ずれ防止用テープを貼着する方法においては、十分な初期放電容量とサイクル特性が得られなかった。負極集電体同士が重なり合った部分の一部に、ずれ防止用テープを貼着したが、サイクル特性の評価を行っているうちに、ずれ防止用テープの一部が剥がれたため負極の位置ずれ防止と体積変化を抑制する役目が不十分であったと考えられる。
比較例9おける、従来の技術である、負極集電体に酸化チタンを含有したエポキシ接着剤を塗布させる方法においては、十分な初期放電容量とサイクル特性が得られなかった。負極内部から発生するガスが素子内部に残ること、接着剤による接着が超音波溶接法による接着より不確実なことにより、十分な初期放電容量とサイクル特性が得られなかったと考えられる。
以上示したように、本発明により、初回放電容量が高く、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池の提供が可能であることがわかった。
上記説明は、本発明の実施の形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
1 負極活物質
2 負極集電体
3 正極活物質
4 正極集電体
5 セパレータ
6 負極端子
7 正極端子
8 負極
9 正極

Claims (3)

  1. 積層方向から見て長方形の負極と正極を、セパレータを介して積層した電池素子を有するリチウムイオン二次電池であって、前記負極の長辺2辺の端部で前記負極集電体同士を接着させたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記電池素子の正極集電体と前記負極集電体の互いに対向した短辺端部、または同一の短辺端部に、それぞれ正極端子と負極端子を溶接したことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記接着は、超音波溶接法により接合することを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
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