JP2010217322A - 光結合構造および光送受信モジュール - Google Patents

光結合構造および光送受信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで作製でき、かつより高い効率で光信号を伝送することが可能な光結合部を備えた光モジュールの提供。
【解決手段】上面1cに受発光部1aを有し、かつ下面1d側で基板4に実装された光半導体素子1と、その光軸1bに対して所定の角度θで交差する光軸2bを有し、かつ基板の実装面4aから離間して配置された光伝送路2と、光半導体素子1と光伝送路2との間を光学的に結合する光結合部3とを備え、光結合部3は伝送される光に対して透明な樹脂からなり、前記樹脂は光半導体素子の受発光部1aの少なくとも一部及び光伝送路の端部2aの少なくとも一部にそれぞれ密着し、光伝送路の端部2aのうち、前記樹脂との密着面2cは傾斜面であり、光伝送路の光軸2bおよび光半導体素子の光軸1bの両方に略平行な光伝送路の断面20において、密着面2cは光伝送路の光軸2bと直交する方向に対して20°以上の角度をなしている光モジュール5。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信技術、光伝送技術、光情報記録技術に用いられる光モジュールに係わり、特に光モジュールにおける光半導体素子と光伝送路との光結合構造に関する。
光モジュールは、基板に搭載された光半導体素子と、光軸が基板に対して平行となるように配置された光伝送路を備えている。
従来、この種の光モジュールにおいて、光半導体素子の受発光部と光伝送路の端部とを光学的に結合させるために、図9に示すように、光半導体素子101の上に設置された集光レンズ102と、光路変換用ミラー103とを組み合わせることで、光伝送路104(特にそのコア105)と光半導体素子101とを光学的に接続(光結合)させる構造が一般に用いられている。
しかしながら、こうした集光レンズ102や光路変換用ミラー103は、レンズの屈折率やミラーの反射率等が所望の値に調整されている必要がある。また、光結合のために必要な部品点数も多く、光半導体素子101、集光レンズ102、光路変換用ミラー103、光伝送路104の各々の位置関係を精密に合わせる必要がある。このため、部品のコストや作業のコストが高く、コストアップの主たる要因となっていた。
こうした光モジュールの製造コストを低減し、より低コストに光モジュールを提供するため、
例えば、特許文献1には、光実装基板の表面のガイド溝と、このガイド溝に実装される光ファイバの光軸上に位置するテーパ面とを備え、テーパ面にミラーが形成された光デバイスが提案されている。
また、特許文献2には、光導波路の端部に対向する位置に斜めに形成された反射面を有するV溝が形成され、光導波路の端部と反射面の間には光導波路のコアとほぼ同じ屈折率を有する屈折率整合剤が充填され、反射面で反射した出射光を受光する受光素子を備えた光導波路と受光素子の結合構造が提案されている。
また、特許文献3には、光送受信モジュールにおいて光部品間の接続を高精度で、しかも簡略にできる光部品接合方法として、光軸を概略一致するように配置した光ファイバと光受発光素子とを、未硬化状態の透明樹脂組成物を介して圧着し、引き戻して未硬化状態の透明樹脂組成物(光硬化性、熱硬化性、または熱可塑性)を延伸した後、延伸された透明樹脂組成物を硬化させる光部品接合方法が記載されている。
また、特許文献4には、半導体レーザ素子、モニタフォトダイオード、及び光ファイバが透明樹脂に封入され、半導体レーザ素子の後方出力光が透明樹脂と空気との界面において反射してモニタフォトダイオードに入射するようにした半導体レーザ装置が提案されている。
特開2003−167175号公報 特許第2985791号公報 特開平9−197196号公報 特開2000−269584号公報
しかしながら、特許文献1の光デバイスでは、ガイド溝とテーパ面を成形するための金型の用意と、テーパ面のミラーを形成する工程が必要になり、高コストになってしまうという問題があった。さらに、ガイド溝を有する光実装基板において光半導体素子を下向きにしてフリップチップボンディングする必要があるために、例えば受光素子とアンプ用ICとの間のような、光半導体素子からワイヤボンドが必要なICまでの線路長が長くなり、ノイズが乗りやすくなってしまうという問題や、フリップチップボンディングした光半導体素子は、実装後の外観検査がしにくいため、接続不良を発見しにくいという問題などがあった。
また、特許文献2の光結合構造では、非常に細い光ファイバに対向する位置にテーパ面を有するV溝を形成し、そのテーパ面に全反射ミラーを形成し、さらに光導波路の端部と反射面の間に屈折率整合剤を充填する必要があるため、工数が多くなり、高コストになってしまうという問題があった。
また、特許文献3の光部品接合方法では、光ファイバと光受発光素子の光軸を概略一致するように配置する必要があるため、両者の光軸が同軸である場合にしか適用できず、例えば両者の光軸が互いに垂直である場合には適用できないという問題があった。
また、特許文献4の半導体レーザ装置は、開口角の大きい半導体レーザ素子の後方出力光をモニタする目的であるので、光結合の効率が低くても利用可能である。しかしながら、光信号を開口角の小さい光ファイバから受光素子に入射させたり、あるいは、発光素子から光ファイバに入射させたりする場合には、結合効率が低いと光信号の伝送の信頼性を確保するのが難しいという問題があった。また、反射面となる樹脂界面の位置・形状は、透明樹脂の塗布量や基板の段差形状によっていると考えられるが、基板に段差を形成すると高コストになってしまう。また、半導体レーザ素子に垂直な光軸とモニタPD素子に垂直な光軸とが交差する交点に反射面が存在する必要があるが、ちょうどその交点の位置に樹脂の界面が位置するように樹脂を形成するのは容易ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低コストで作製でき、かつより高い効率で光信号を伝送することが可能な光結合部を備えた光モジュールにおける光半導体素子と光伝送路との光結合構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、上面に受発光部を有し、かつ下面の側で基板に実装された光半導体素子と、前記光半導体素子の光軸に対して所定の角度で交差する光軸を有し、かつ前記基板の実装面から離間して配置された光伝送路と、前記光半導体素子と前記光伝送路との間を光学的に結合する光結合部とを備え、前記光結合部は、伝送される光に対して透明な樹脂からなり、前記樹脂は、前記光半導体素子の受発光部の少なくとも一部および前記光伝送路の端部の少なくとも一部にそれぞれ密着し、前記光伝送路の端部のうち、前記樹脂との密着面は傾斜面であり、前記光伝送路の光軸および前記光半導体素子の光軸の両方に略平行な前記光伝送路の断面において、前記密着面は、前記光伝送路の光軸と直交する方向に対して20°以上の角度をなしていることを特徴とする光結合構造を提供する。
本発明の光結合構造において、前記光結合部を構成する前記樹脂は、前記光半導体素子の上面より上方に位置する範囲内に収まっていることが好ましい。
前記光結合部を構成する前記樹脂は、前記光伝送路の端面の上端の高さより下側の範囲内に収まっていることが好ましい。
前記光結合部を構成する前記樹脂の外面が、前記光半導体素子の受発光部および前記光伝送路の端部の側に凹んだ形状となっていることが好ましい。
前記密着面が、上向きの傾斜面であることが好ましい。
前記光結合部の周囲が気体で覆われていることが好ましい。
前記光結合部の周囲が光結合部を構成する樹脂より屈折率が低いクラッド樹脂層で覆われていることが好ましい。
前記光半導体素子の給電用配線が前記クラッド樹脂層によって覆われていることが好ましい。
また、本発明は、同一の基板の実装面に実装された受光素子および発光素子と、前記基板の前記実装面から離間して配置された第1の光伝送路および第2の光伝送路と、前記受光素子と第1の光伝送路との間を光学的に結合する第1の光結合部と、前記発光素子と第2の光伝送路との間を光学的に結合する第2の光結合部とを備え、前記受光素子、第1の光伝送路および第1の光結合部が第1の光結合構造を構成するとともに、前記発光素子、第2の光伝送路および第2の光結合部が第2の光結合構造を構成した光送受信モジュールであって、第1の光結合構造および第2の光結合構造の一方または両方が、上記の本発明に係る光結合構造を構成していることを特徴とする光送受信モジュールを提供する。
本発明によれば、光結合部を多数の部品を用いることなく低コストで作製でき、しかもより高い効率で光信号を伝送することが可能になる。
光半導体素子の受発光部が基板の実装面とは反対側に向けて実装することができるので、ダイボンディングやワイヤボンディングによる実装が可能になる。これにより、伝送特性に重要な配線を最短の線路長でつなぐことができ、ノイズが乗りにくく、良好な伝送特性が得られる。また、ボンディングの外観検査が容易であり、接続不良を発見するのが容易になる。
本発明の第1形態例に係る光結合構造を備えた光モジュールの一例を示す断面図である。 光結合部の製造工程を説明する断面図である。 光結合部の製造工程を説明する断面図である。 本発明の第2形態例に係る光結合構造を備えた光モジュールの一例を示す断面図である。 光結合部の形状を説明する断面図である。 本発明の光送受信モジュールの一例を示す斜視図である。 試験例1〜20における光結合構造の角度φと、光路変換に伴う光の結合損失との関係を示すグラフである。 光結合部が大きな45°ミラーである場合を説明する断面図である。 従来の光モジュールにおける光結合の方法を説明する概略図である。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に、第1形態例に係る光結合構造を備えた光モジュールの一例を示す。
図1に示す光モジュール5は、基板4の上面である実装面4aに実装された光半導体素子1と、基板4の実装面4aに沿い、かつ基板4の実装面4aから離間して配置された光伝送路2と、光伝送路2と光半導体素子1との間を光学的に結合する光結合部3とを備えている。
光半導体素子1は、光信号を出射または入射させる部分として受発光部1aを有する。光半導体素子1が受光素子である場合は、受発光部1aは受光部である。光半導体素子1が発光素子である場合は、受発光部1aは発光部である。
発光素子としては、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、面発光レーザ(VCSEL)等が挙げられる。
受光素子としては、フォトダイオード(PD)等が挙げられる。
受発光部1aは、光半導体素子1の上面1cに設けられている。本発明における上下方向は、光半導体素子1が基板4に実装される実装面4aを基準とし、基板4から遠ざかる方向を上方(図1の上方)、基板4に近づく方向を下方(図1の下方)とする。また、前記の定義による上下方向に垂直な方向(図1の左右方向)を水平方向とする。本発明における上下方向および水平方向は、図2および図3に示すように透明樹脂31が未硬化で流動性を有する場合を除き、重力の方向に依存しない。
光半導体素子1は、基板4の実装面4aに形成された回路配線6に対して、接合材により電気的に接続されている。例えば、本形態例の場合は、光半導体素子1の上部(表面)に形成された電極(図示せず)とワイヤ配線7などからなる給電用配線により、回路配線6と電気的に接続されている。また、光半導体素子1の下面(裏面)1dと回路配線6とが、導電性接着剤(図示せず)により、電気的に接続されている。
基板4には、例えは、ガラスエポキシ基板、セラミック基板など、一般的な各種絶縁基板を使用することができる。ワイヤ配線7としては、例えば、金(Au)ワイヤ、アルミ(Al)ワイヤ、銅(Cu)ワイヤなどが挙げられる。
光伝送路2としては、例えば石英系光ファイバ、プラスチック光ファイバ(POF)などの光ファイバや、石英光導波路、高分子光導波路などの基板型光導波路などが挙げられる。
光伝送路2は、光結合部3に対する光の出入射の方向が一定となるように、少なくとも端部2a付近では、光軸2bが直線状であることが好ましい。
光半導体素子1は、その光軸1bが光伝送路2の光軸2b(特に端部2a付近における光軸2b)に所定の角度θで交差するように配置されている。光半導体素子1および光伝送路2の光軸1b,2bが互いに垂直(または略垂直)に配置されることが好ましい。
光結合部3は、伝送される光に対して透明な樹脂からなる。光結合部3を構成する樹脂は、光半導体素子1の受発光部1aの少なくとも一部および光伝送路2の端部2aの少なくとも一部にそれぞれ密着している。
ここでいう透明樹脂とは、光半導体素子1と光伝送路2との間を伝送する光を透過させることが可能なものを指している。従って、必ずしも可視光下で無色透明な色調のものに限定されるものではない。また、光が伝送する樹脂内の光路長が短いため、ある程度透明性があれば良い。
透明樹脂としては、例えば、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などを用いることができる。
透明樹脂の具体例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等が挙げられる。
光結合部3の形状は、図1では光結合部3が光伝送路2の端部2aの全面を覆い、光結合部3の上端が光伝送路2の上部まで付着しているが、図5に示す光モジュール5Aのように、光伝送路2の端部2aの一部が光結合部3Aの外側に露出されてもよい。この場合、光結合部3Aを構成する樹脂は、光半導体素子1の光軸1bと光伝送路2の光軸2bとを含む面内(図5の紙面上の面内)およびその面外(図5の紙面の手前側および奥側)において、光伝送路2の端面2aの上端2dの高さ2eより下側の範囲内に収まり、光半導体素子1の受発光部1aから光結合部3の外面3aまでの距離や、光伝送路2の端面2aから光結合部3の外面3aまでの距離がより短くなる。光伝送路2のコア(図示せず)の全断面積が光結合部3Aに覆われることが好ましい。
なお、上端2dの高さ2eは、基板4の実装面4aを基準とした高さ(実装面4aに垂直な方向の距離)である。
ここで光結合部3は、光半導体素子1が受光素子の場合には、光伝送路2から光結合部3に入射した光は、光結合部3を構成する透明樹脂とその外部の気体(例えば空気や乾燥窒素ガスなど)との界面3aとの屈折率差により反射されて光半導体素子1に入射する。
また、光半導体素子1が発光素子の場合には、光半導体素子1から光結合部3に入射した光は、光結合部3を構成する透明樹脂と外部の気体との界面3aとの屈折率差により反射されて光伝送路2に入射する。
光伝送路2の端部2aのうち、光結合部3を構成する透明樹脂との密着面2cは、透明樹脂の外面における凹面部12及び13向き(上向き)の傾斜面となっている。密着面2cは平坦であることが好ましい。そして、光伝送路2の光軸2bおよび光半導体素子1の光軸1bの両方に略平行な光伝送路2の断面20において、密着面2cは、光伝送路2の光軸2bと直交する方向に対して、所定の角度φをなしている。
光結合部3の外面3aは、外部の気体との界面を形成している。そしてそのうち、特に光を反射して光路を変換する(光路変換)部位とその近傍においては、後述するように、角度φに依存して接線の角度が変化し、形状が変化する。その結果、密着面2cが傾斜面の場合には、光路変換部位が光半導体素子1および光伝送路2に近付き、光結合部3内の光路長が短くなる。一方、光は、光伝送路2(あるいは受発光部1a)から出射する際には、ある程度の広がり角をもっており、光結合部3内を広がりながら進行するため、光結合部3内の光路長が長くなるほど光が拡散し、接続損失が増大することになる。これに対して本発明によれば、光結合部3内の光路長が短くなるので、光の結合損失を効果的に抑制できる。
本発明において、角度φは20°以上であり、20〜50°であることが好ましい。このような範囲とすることで、光の結合損失を抑制する一層高い効果が得られる。
なお、本発明において、密着面2cは必ずしも上向きである必要性はないが、光路変換部位を目的の形状とする効果に優れることから、凹面部11,12および13のいずれか一以上の方向に向いていることが好ましい。
例えば、図8に示すように、45°ミラーとなる樹脂310が大きく、光伝送路2の端面2aの上端2dの高さ2eを超える程度となると、端面2aから反射面311までの距離および光10の光路がさらに長くなる。
このため、光結合部3が上下方向に存在する範囲としては、光伝送路2の端面2aの上端2dの高さ2eより下側の範囲内に収まっていることが好ましい。
また、光結合部3が水平方向に存在する範囲としては、全体が光半導体素子1上(上面1cより上方)に収まることが好ましい。
本形態例の光結合部3は、光半導体素子1と光伝送路2との間の光結合を容易に実現するため、以下のような構成となっていることが好ましい。
すなわち、光結合部3を構成する透明樹脂は、光伝送路2の光軸2bと光半導体素子1の光軸1bとが交差する交点Pの位置には存在せず、光結合部3の外面3a(光結合部3と外部の気体との界面)が、光半導体素子1の受発光部1aおよび光伝送路2の端部2aの側に凹んだ形状となっている。
ここで、光結合部3の外面3aが凹んだ形状となるためには、少なくとも、
(1)受発光部1aに対向する位置Aが受発光部1a側に凹んだ形状の凹面部11、
(2)光伝送路2の端部2aに対向する位置Bが光伝送路2の端部2a側に凹んだ形状の凹面部12、
(3)受発光部1aに対向する位置Aと光伝送路2の端部2aに対向する位置Bとの間が凹んだ形状の凹面部13、
を有することを必要とする。
光の伝送に関与しない部分、例えば、図1における光伝送路2の上側にかかっている部分3bや、光伝送路2の下側と光半導体素子1の上面1cとの間に挟まれた部分3cが凸形状になっているのは差し支えない。
ここで、(1)の受発光部1a側の凹面部11は、例えば、光半導体素子1の光軸1bが樹脂の外面3aと交差する位置Aの近傍において、樹脂の外面3aが樹脂側に凹となる凹面を形成していれば良い。
また、(2)の光伝送路2側の凹面部12は、例えば、光伝送路2の光軸2bが樹脂の外面3aと交差する位置Bの近傍において、樹脂の外面3aが樹脂側に凹となる凹面を形成していれば良い。
また、(3)の中間部の凹面部13は、例えば、光半導体素子1の光軸1bが樹脂の外面3aと交差する位置Aと、光伝送路2の光軸2bが樹脂の外面3aと交差する位置Bとの間を結ぶ線分ABがA−B間で樹脂の外側(外部の気体側)を通り、樹脂の外面3aが凹となる凹面を形成していれば良い。
すなわち、本形態例の光結合部3は、これらの凹面部11,12,13を有することにより、透明樹脂の界面の形状について、反射面としての位置および角度を精密に制御しなくても、より低い作製精度で確実な光結合を実現することができる。また、光伝送路2の端部2aと光半導体素子1の受発光部1aとの間が単一の透明樹脂で構成された光結合部3で光結合され、極めて低コストに、かつ簡易な工程で作製可能である。
ここでいう単一の透明樹脂とは、成分(組成)が均一(単一)、特定の波長の光に対する透過率が均一、物理的に2層以上ではない(界面がない)など、いずれの意味も包含するものである。
これらの凹面部11〜13は、それぞれ光半導体素子1の受発光部1aおよび光伝送路2の端部2aの位置に近い方が、透明樹脂の界面3aにおける反射によって光半導体素子1と光伝送路2との間を光結合する際に、光が拡散する範囲が狭くなり、損失を低減する効果が高い。このため、光結合部3は、光半導体素子1の光軸1bと光伝送路2の光軸2bとが交差する交点Pの位置には前記樹脂が存在せず、樹脂の外面3aが受発光部1aに対向する位置Aが交点Pと受発光部1aとの間にあり、かつ、樹脂の外面3aが光伝送路2の端部2aに対向する位置Bが交点Pと光伝送路2の端部2aとの間にあることが好ましい。
さらに本形態例の光結合部3は、透明樹脂の周囲が気体で覆われているため、透明樹脂との屈折率差が大きくなり、界面における光の反射率を高めることができる。これにより、光の結合効率をより向上することができる。
基板4の実装面4aにおいて、光半導体素子1を受発光部1aが基板4の実装面4aの反対側(図1では上側)となるように実装することができるので、ダイボンディングやワイヤボンディングによる実装が可能になる。これにより、伝送特性に重要な配線を最短の線路長でつなぐことができ、ノイズが乗りにくく、良好な伝送特性が得られる。また、ボンディングの外観検査が容易であり、接続不良を発見するのが容易になる。
ここでは主に、樹脂の外面3aが凹面の場合について説明したが、光結合部3内の光路長を短くするためには、角度φを所定の角度とすれば良いのであって、外面3aは凸面等、凹面以外の形状でも良い。
次に、本発明の光モジュールの製造方法の説明にあたって、前述した図1に示す構成の光モジュール5の製造方法を例示する。
図2に示すように、予め実装面4aに回路配線6が形成され、光半導体素子1が実装された基板4を用意し、光半導体素子1の受発光部1aに対して、精密ディスペンサ等の樹脂ディップ装置29を用いて、未硬化の透明樹脂31を塗布する。
透明樹脂31は、光半導体素子1の上面1cに収まる範囲内で塗布することが望ましい。
続いて、図3に示すように、光半導体素子1に対して光伝送路2の端部2aを、光半導体素子1上に盛り付けた透明樹脂31に向けて(矢印Lの方向に)差し込む。
そして、透明樹脂31に差し込んだ光伝送路2を光半導体素子1から遠ざけるように移動する。このとき、光伝送路2は、光半導体素子1からゆっくりと斜め上方向(矢印Rの方向)に引き上げる。
なお、ここでは、未硬化の透明樹脂31を塗布してから、光伝送路2の端部2aを透明樹脂31に向けて差し込んでいるが、この順序は逆でも良く、すなわち、光伝送路2の端部2aを光半導体素子1上の所定箇所に配置してから、光半導体素子1の受発光部1aと、光伝送路2の端部2aを覆うように、未硬化の透明樹脂31を塗布しても良い。
この後、透明樹脂31の種類に応じて、必要に応じて例えばUV(紫外線)の照射や加熱を行い、透明樹脂31を硬化させる。これにより、光半導体素子1と光伝送路2とを光学的に接続する(光結合する)光結合部3が形成され、光モジュール5が完成する。
図3において光伝送路2を斜め方向に引き上げた後の透明樹脂31の形状は、(1)透明樹脂31と光半導体素子1との間の界面張力、(2)透明樹脂31と光伝送路2との間の界面張力、および(3)透明樹脂31と外部の気体との間の表面張力で決定される。つまり、(A)光半導体素子1、光伝送路2、透明樹脂31の部材と、(B)光半導体素子1および光伝送路2の表面状態や透明樹脂31の粘度などの部材の状態と、(C)図2における透明樹脂31の塗布量や図3における光伝送路2の差込量および引き上げ量などの実装条件などに依存する。これら(A)、(B)、(C)の条件が同じであれば、自ずと透明樹脂31の形状は同じになる。
さらに本発明においては、光伝送路2における密着面2cの角度φを調整することにより、透明樹脂31の外面3aの接線の角度を調整して、透明樹脂31の形状を調整できる。これにより、透明樹脂31の光路変換部位の形状が最終的に決定される。
また、透明樹脂31の光路変換部位の形状は、(1)〜(3)の中でも、特に(3)に大きく依存する。そして(3)は、硬化前の透明樹脂31の粘度に大きく依存する。そこで、本発明においては、光の結合損失を一層抑制できるように、光路変換部位を目的の形状とするために、透明樹脂31の硬化前の粘度は、1〜30Pa・sであることが好ましく、1.5〜26Pa・sであることがより好ましい。
光伝送路2のR方向への引き上げ量は、用いる光伝送路2や光半導体素子1の構造、透明樹脂31の塗布量などに応じて最適値が存在する。こうした最適値を予め調べておけば、上述した作製工程を全て自動化することが可能になり、より一層の省力化を実現できる。また、光結合部3を作製する際に光半導体素子1と光伝送路2との間に光を伝送させる必要はなく、パッシブ調心が可能である。樹脂の塗布量の変化などによってパッシブ調心の位置が最適位置から多少ずれても、光半導体素子1と光伝送路2との間が透明樹脂31でつながれているので、透明樹脂31の表面が光伝送路2と一緒に変形するため、光結合部3の結合効率が低下しにくく、位置合わせのトレランスが大きい。光を伝送しながら行うアクティブ調心では、光硬化性樹脂を用いると光ファイバの位置合わせ中に樹脂が硬化するおそれがあるが、パッシブ調心によれば、途中で樹脂が硬化するおそれがない。
このように、本形態例の光モジュールの製造方法によれば、光半導体素子1に透明樹脂31を盛り付けて、この透明樹脂31に光伝送路2を差し込んで斜め方向に引き上げた後、透明樹脂31を硬化させるだけで、光半導体素子1と光伝送路2とを光学的に接続する(光結合する)光結合部3を形成することが可能になる。このため、光結合部3の形成に際して、樹脂を象る金型等も必要なく、少ない工程かつ少ない構成部品で極めて低コストに光モジュールを製造することが可能になる。
従来、LEDなどの封止用途などにおいて、表面張力および界面張力という物性によって自ずと決まる形状を、凸レンズや凹レンズとして利用することは公知である。また、特許文献4には、半導体レーザ素子の後方出力光をモニタフォトダイオードに入射させるため、基板の段差に沿って透明樹脂を被覆した半導体レーザ装置が記載されている。
本形態例の光モジュールの製造方法は、透明樹脂を基板に付着させる必要がないので、光結合部3の形成に際して、基板4の加工工程(V溝や段差など)を追加する必要がないので、シリコン基板のように面異方性エッチングが利用可能な基板に限らず、ガラスエポキシ基板等のように加工性の低い基板であっても、低コストに基板作製が可能である。
図4に、第2形態例に係る光結合構造を備えた光モジュールの一例を示す。
図4に示す光モジュール9は、基板4の実装面4aに実装された光半導体素子1と、基板4の実装面4aに沿い、かつ基板4の実装面4aから離間して配置された光伝送路2と、光伝送路2と光半導体素子1との間を光学的に結合する光結合部3と、光結合部3の周囲を覆うクラッド樹脂層8を備えている。
本形態例の光モジュール9は、光結合部3の周囲が、光結合部3を構成する透明樹脂(第1の樹脂)より屈折率が低い第2の樹脂からなるクラッド樹脂層8で覆われている点が第1形態例に係る光モジュール5と異なる。光半導体素子1、光伝送路2、基板4、回路配線6、ワイヤ配線7等は、第1形態例に係る光モジュール5と同様に構成することができる。
クラッド樹脂層8は、光結合部3を構成する透明樹脂よりも屈折率の低い樹脂で形成されているので、光結合部3の中を伝送する光がクラッド樹脂層8の方に入射し散乱してしまうことを抑制することができる。さらに、クラッド樹脂層8の周囲を、光結合部3よりも高い屈折率を有する樹脂(図示せず)で封止することも可能になる。
ここでいう屈折率とは、光半導体素子1と光伝送路2との間を伝送する光の波長における屈折率を指している。第2の樹脂としては、例えば、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などを用いることができる。第2の樹脂の具体例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
クラッド樹脂層8は、図2および図3に示すようにして光結合部3を形成した後に、第2の樹脂を塗布して硬化することにより形成することができる。
光結合部3を構成する第1の樹脂は、光伝送路2の光軸2bと光半導体素子1の光軸1bとが交差する交点Pの位置には存在せず、光結合部3とクラッド樹脂層8との界面3aが、交点Pの位置とは反対側に凹んだ形状となっている。
本形態例の光モジュール9におけるクラッド樹脂層8は、光結合部3のクラッド樹脂として機能する。また、光結合部3は、光半導体素子1が受光素子の場合には、光伝送路2から光結合部3に入射した光は、光結合部3とクラッド樹脂層8との界面3aとの屈折率差により反射されて光半導体素子1に入射する。また、光半導体素子1が発光素子の場合には、光半導体素子1から光結合部3に入射した光は、光結合部3とクラッド樹脂層8との界面3aとの屈折率差により反射されて光伝送路2に入射する。
さらに図4に示す例では、光伝送路2がクラッド樹脂層8によって基板4の実装面4aに固定されている。これにより、光伝送路2の端部2a付近の光軸2bの方向が動きにくく、光伝送路2に外力が作用しても光結合の悪化を抑制することができる。
また、ワイヤ配線7はクラッド樹脂層8に覆われ、保護されているので、外部の応力によって破損しやすいワイヤ配線7(給電用配線)の断線を防止することができる。
また、光伝送路2の端部2a、光結合部3、および光半導体素子1がクラッド樹脂層8により覆われているので、外部の応力から保護することができる。光半導体素子1と光伝送路2との光結合構造全体の機械的強度を高くすることができる。
このように、クラッド樹脂層8がワイヤ配線7の保護層、あるいは光結合構造の保護層として機能するように設けられた場合、簡便に保護層を形成することができる。
図6は、本発明の光送受信モジュールの一例を示す斜視図である。本形態例の光送受信モジュール50は、同一の基板54の実装面54aに実装された受光素子である第1の光半導体素子51aおよび発光素子である第2の光半導体素子51bと、基板54の実装面54aから離間して配置された第1の光伝送路52aおよび第2の光伝送路52bと、第1の光半導体素子51aと第1の光伝送路52aとの間を光学的に結合する第1の光結合部53aと、第2の光半導体素子51bと第2の光伝送路52bとの間を光学的に結合する第2の光結合部53bとを備えている。
第1の光半導体素子51a、第1の光伝送路52aおよび第1の光結合部53aが第1の光結合構造を構成し、第2の光半導体素子51b、第2の光伝送路52bおよび第2の光結合部53bが第2の光結合構造を構成している。
本形態例の光送受信モジュール50の場合、第1の光結合構造および第2の光結合構造は、いずれも図4に記載の光モジュール9と同様の光結合構造を構成している。
具体的には、光結合部53a,53bは、伝送される光に対して透明な樹脂からなり、第1の樹脂は、光半導体素子51a,51bの受発光部の少なくとも一部および光伝送路52a,52bの端部の少なくとも一部にそれぞれ密着し、光結合部53a,53bを構成する透明樹脂は、光伝送路52a,52bの光軸と光半導体素子51a,51bの光軸とが交差する交点の位置には存在せず、光結合部53a,53bの界面が、前記の交点の位置とは反対側に凹んだ形状となっている。
また、第1の光伝送路52aと第2の光伝送路52bは、これらの光軸が略同方向となるように、互いに平行に配され、共通する被覆材58によって一体に覆われている。そして、被覆材58の端部58aは、第1の光伝送路52aの光結合部53aとの密着面、並びに第2の光伝送路52bの光結合部53bとの密着面と一体に、上向きの傾斜面となっており、それぞれの密着面は角度φをなしている。
以上により、第1の光伝送路52aから受光素子である第1の光半導体素子51aへの光結合においても、発光素子である第2の光半導体素子51bから第2の光伝送路52bへの光結合においても、低コストに、かつ簡易な工程で光結合構造を作製することが可能である。
本形態例の光送受信モジュール50の場合、2つの光半導体素子51a,51bが共通する基板54上に並べて実装されている。これらの光半導体素子51a,51bは、基板54上に形成された回路配線56に対してそれぞれ接合材により電気的に接続されている。例えば、本形態例の場合は、光半導体素子51a,51bの上部(表面)に形成された電極(図示せず)とワイヤ配線57a,57bなどからなる給電用配線により、回路配線56と電気的に接続されている。また、光半導体素子51a,51bの裏面と回路配線56とが、導電性接着剤(図示せず)により、電気的に接続されている。回路配線56およびワイヤ配線57a,57bは、発光素子に接続された配線と、受光素子に接続された配線とが、それぞれ独立に設けられる。
本形態例の光送受信モジュール50の場合、第1の光伝送路52aと第2の光伝送路52bは、共通する被覆材58によって一体に覆われている。このため、光結合部53a,53bを作製する際、図3と同様にして光伝送路52a,52bを透明樹脂中に差し入れ(L方向)、次いで斜め方向(R方向)へ引き上げるときには、両方の光伝送路52a,52bを一度に操作して、作業を簡略化することができる。
共通する被覆材58で一体化された複数の光伝送路52a,52bは、光ファイバテープ心線や基板型光導波路などを用いることができる。被覆材58は、光伝送路52a,52bを伝送される光に対して不透明であっても良い。
また、光半導体素子51a,51b、光伝送路52a,52b、および光結合部53a,53bは、単一のクラッド樹脂層59によって覆われていても良い。
クラッド樹脂層59は、光結合部53a,53bを構成する透明樹脂よりも屈折率の低い樹脂で形成されているので、光結合部53a,53bの中を伝送する光がクラッド樹脂層59の方に入射し散乱してしまうことを抑制することができる。さらに、クラッド樹脂層59の周囲を、光結合部53a,53bよりも高い屈折率を有する樹脂(図示せず)で封止することも可能になる。
また、本形態例の光送受信モジュール50の場合、共通する被覆材58によって一体化された光伝送路52a,52bがクラッド樹脂層59によって基板54の実装面54aに固定されている。これにより、光伝送路52a,52bの端部付近の光軸の方向が動きにくく、光伝送路52a,52bに外力が作用しても光結合の悪化を抑制することができる。
また、ワイヤ配線57a,57bはクラッド樹脂層59に覆われ、保護されているので、外部の応力によって破損しやすいワイヤ配線57a,57b(給電用配線)の断線を防止することができる。
また、光伝送路52a,52bの端部、光結合部53a,53b、および光半導体素子51a,51bがクラッド樹脂層59により覆われているので、外部の応力から保護することができる。光結合構造全体の機械的強度を高くすることができる。
なお、図6の光送受信モジュール50と同様の構造で、第1の光伝送路52aと第2の光伝送路52bは、例えば、これらの光軸が略同方向とはならないようにして、それぞれの角度φを独立に設定することも可能である。また、第1の光伝送路52aの光結合部53aとの密着面、並びに第2の光伝送路52bの光結合部53bとの密着面は、いずれも被覆材58の端部58aと一体にではなく、独立して上向きの傾斜面とすることも可能である。
また、光半導体素子51a,51bが両方とも発光素子である光送信モジュールを構成したり、光半導体素子51a,51bが両方とも受光素子である光受信モジュールを構成したりすることも可能である。
クラッド樹脂層59は、複数ある光結合部53a,53bのうち、一部の光結合部の周囲のみを覆うようにすることも可能である。
光モジュールに搭載される光半導体素子の個数は、1個や2個に限定されるものではなく、3個以上であってもよい。光半導体素子と光伝送路との光結合構造は、光半導体素子の個数に応じて必要な数を設けることができる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(試験例1〜8)
図1〜3に示すように、光伝送路2としてクラッド径が125μm、コア径が50μmの石英系マルチモード光ファイバを用意し、光半導体素子1にはPD(受光部の開口径は100μm)を、透明樹脂31にはUV硬化性樹脂(粘度が1.5Pa・sであるアクリル系樹脂:「樹脂α」)を、基板4にはガラスエポキシ基板を、ワイヤ配線7には金ワイヤを用い、PDの受光部上に透明樹脂31を2nl(ナノリットル)塗布した後、この透明樹脂に光ファイバの先端を約100μm差し込んで、斜め30°上方に40μm引き上げた後、UVを照射して透明樹脂31を硬化させることにより、図1に示す光結合構造5を作製した。この時、光伝送路2としては、角度φが−13°(試験例1)、0°(試験例2)、10°(試験例3)、20°(試験例4)、30°(試験例5)、40°(試験例6)、50°(試験例7)、60°(試験例8)である8種類のものをそれぞれ用いた。また、光結合部3を構成する硬化後の樹脂の屈折率は、伝送する光の波長に対して1.58であった。
この光結合構造5について、光ファイバから光を出射して、光の結合損失を測定し、角度φとの関係を調べた。結果を図7に示す。なお、図7中、角度φがマイナスであるものは、傾斜面が下向きであることを示す。
図7に示すように、角度φが特に20〜50°の場合に、光の結合損失がより抑制されることが確認された。
(試験例9〜16)
樹脂αの代わりに、UV硬化性樹脂(粘度が21Pa・sであるアクリル系樹脂:「樹脂β」)を用いたこと以外は、試験例1〜8と同様に光結合構造5を作製した。角度φも、−13°(試験例9)、0°(試験例10)、10°(試験例11)、20°(試験例12)、30°(試験例13)、40°(試験例14)、50°(試験例15)、60°(試験例16)である8種類のものをそれぞれ用いた。
そして、試験例1〜8と同様に、角度φと光路変換に伴う光の結合損失との関係を調べた。結果を試験例1〜8と共に図7に示す。
図7に示すように、試験例1〜8と同様の傾向が確認された。
(試験例17〜20)
樹脂αの代わりに、UV硬化性樹脂(粘度が50Pa・sであるアクリル系樹脂:「樹脂γ」)を用いたこと以外は、試験例1〜8と同様に光結合構造5を作製した。角度φは、10°(試験例17)、20°(試験例18)、30°(試験例19)、40°(試験例20)である4種類のものをそれぞれ用いた。
そして、試験例1〜8と同様に、角度φと光路変換に伴う光の結合損失との関係を調べた。結果を試験例1〜8と共に図7に示す。
φ…光伝送路断面における密着面の角度、θ…光軸同士の成す角度、P…光軸同士の交点、1,51a,51b…光半導体素子、1a…受発光部、1b…光半導体素子の光軸、1c…上面(表面)、1d…下面(裏面)、2,52a,52b…光伝送路、2a…光伝送路の端部(端面)、2b…光伝送路の光軸、2c…光伝送路端部の光結合部との密着面、3,53a,53b…光結合部、3a…光結合部の外面(界面)、4,54…基板、4a,54a…基板の実装面、5,5A…光モジュール、7,57a,57b…ワイヤ配線(給電用配線)、8,59…クラッド樹脂層、9…光モジュール、11,12,13…凹面部、20…光伝送路の断面、50…光送受信モジュール。

Claims (9)

  1. 上面に受発光部を有し、かつ下面の側で基板に実装された光半導体素子と、
    前記光半導体素子の光軸に対して所定の角度で交差する光軸を有し、かつ前記基板の実装面から離間して配置された光伝送路と、
    前記光半導体素子と前記光伝送路との間を光学的に結合する光結合部とを備え、
    前記光結合部は、伝送される光に対して透明な樹脂からなり、前記樹脂は、前記光半導体素子の受発光部の少なくとも一部および前記光伝送路の端部の少なくとも一部にそれぞれ密着し、
    前記光伝送路の端部のうち、前記樹脂との密着面は傾斜面であり、前記光伝送路の光軸および前記光半導体素子の光軸の両方に略平行な前記光伝送路の断面において、前記密着面は、前記光伝送路の光軸と直交する方向に対して20°以上の角度をなしていることを特徴とする光結合構造。
  2. 前記光結合部を構成する前記樹脂は、前記光半導体素子の上面より上方に位置する範囲内に収まっていることを特徴とする請求項1に記載の光結合構造。
  3. 前記光結合部を構成する前記樹脂は、前記光伝送路の端面の上端の高さより下側の範囲内に収まっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光結合構造。
  4. 前記光結合部を構成する前記樹脂の外面が、前記光半導体素子の受発光部および前記光伝送路の端部の側に凹んだ形状となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光結合構造。
  5. 前記密着面が、上向きの傾斜面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光結合構造。
  6. 前記光結合部の周囲が気体で覆われていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光結合構造。
  7. 前記光結合部の周囲が光結合部を構成する樹脂より屈折率が低いクラッド樹脂層で覆われていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光結合構造。
  8. 前記光半導体素子の給電用配線が前記クラッド樹脂層によって覆われていることを特徴とする請求項7に記載の光結合構造。
  9. 同一の基板の実装面に実装された受光素子および発光素子と、前記基板の前記実装面から離間して配置された第1の光伝送路および第2の光伝送路と、前記受光素子と第1の光伝送路との間を光学的に結合する第1の光結合部と、前記発光素子と第2の光伝送路との間を光学的に結合する第2の光結合部とを備え、前記受光素子、第1の光伝送路および第1の光結合部が第1の光結合構造を構成するとともに、前記発光素子、第2の光伝送路および第2の光結合部が第2の光結合構造を構成した光送受信モジュールであって、
    第1の光結合構造および第2の光結合構造の一方または両方が、請求項1〜8のいずれかに記載の光結合構造を構成していることを特徴とする光送受信モジュール。
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