JP2011095294A - 光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバを使用して、導波損失が少なく、伝送距離を長くできるように工夫した光モジュールを提供する。
【解決手段】光素子12aと光学的に結合するコア部17を有する内部導波路16が設けられた第1基板1と、第1基板1のコア部17と光学的に結合させるファイバコア部21を有する光ファイバ2が固定された第2基板34とが設けられた光モジュールである。第1基板1に位置決め用第1嵌合部31を有し、第2基板34に位置決め用第2嵌合部38を有する。第1嵌合部31と第2嵌合部38とを嵌合させた時に、第1基板1のコア部17の端面と第2基板34のファイバコア部21の端面とが対向された状態で、両コア部17,21の光軸が各基板1,34の幅方向に一致した状態で光学的に結合される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光信号を送信あるいは受信する光モジュールに関する。
従来、光モジュールとしては、光素子が設けられるマウント基板と、このマウント基板と連結する外部導波路基板とを備えたものがある。このマウント基板には、光素子と光学的に結合するコア部を有する内部導波路が設けられている。また、外部導波路基板には、マウント基板の内部導波路と光学的に結合し得るコア部を有する外部導波路が設けられている(特許文献1参照)。
ここで、外部導波路基板のコア部は、マウント基板の内部導波路のコア部と基本的には同じ材料で構成されて、フィルムタイプの外部導波路基板と呼ばれている。
この従来のフィルムタイプの外部導波路基板は、導波損失が多く、伝送距離が短いという問題がある。
特開2009−31780号公報
そこで、従来のフィルムタイプの外部導波路基板に代えて、導波損失が少なく、伝送距離を長くできる光ファイバを用いることが考えられる。
しかしながら、光ファイバは、通常、ファイバコア部とファイバクラッド部と被覆部とで構成されるコードタイプであるために、光モジュールに使用する場合には、従来のフィルムタイプとは異なる技術的工夫を加える必要がある。
本発明は、前記問題に応えるためになされたもので、光ファイバを使用して、導波損失が少なく、伝送距離を長くできるように工夫した光モジュールを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は、光素子とこの光素子と光学的に結合するコア部を有する内部導波路が一面に設けられた第1基板と、第1基板の一面と対向する他面に、第1基板のコア部と光学的に結合させるファイバコア部を有する光ファイバが固定された第2基板とが設けられた光モジュールであって、前記第1基板の一面に形成された凹凸状の位置決め用第1嵌合部と、前記第2基板の他面に形成された凹凸状の位置決め用第2嵌合部とを有し、第1嵌合部と第2嵌合部とを嵌合させた時に、第1基板のコア部の端面と第2基板のファイバコア部の端面とが対向された状態で、両コア部の光軸が各基板の幅方向に一致した状態で光学的に結合されることを特徴とする光モジュールを提供するものである。
請求項2のように、請求項1において、前記第1嵌合部と第2嵌合部のいずれか一方の高さを調整することで、両コア部の光軸が各基板の高さ方向に一致した状態で光学的に結合されるように調整する構成とすることができる。
請求項3のように、請求項1または2において、前記第1基板のコア部の端面は、第1基板の端面に形成され、前記第2基板のファイバコア部の端面は、第1基板の端面に臨むコア部の端面と対向されている構成とすることができる。
請求項4のように、請求項1〜3において、前記第2基板の第2嵌合部は、第2基板の他面に形成された凸状の嵌合構造体の一部として一体形成され、この嵌合構造体には、前記光ファイバの両側面の挿入をガイドする挿入ガイド溝が形成されている構成とすることができる。
請求項5のように、請求項4において、前記挿入ガイド溝は、光ファイバの挿入方向に向かって幅が狭くなるように形成されている構成とすることができる。
請求項6のように、請求項1〜5において、前記第2基板の他面に、前記光ファイバの挿入先端を当て止めるストッパ部が形成されている構成とすることができる。
請求項7のように、請求項6において、前記ストッパ部は、第2基板の他面に形成された凸状の嵌合構造体と同時に形成されている構成とすることができる。
請求項8のように、請求項1〜7において、前記第2基板の他面に、前記両コア部の結合部をオーバーハングして、第1基板の一面に固定されるオーバーハング部が形成されている構成とすることができる。
請求項9のように、請求項1〜8において、前記光ファイバを第2基板の他面との間に挟み込んで固定する第3基板が設けられている構成とすることができる。
本発明によれば、第1基板の第1嵌合部と第2基板の第2嵌合部とを嵌合させると、第1基板のコア部の端面と第2基板のファイバコア部の端面とが対向された状態で、両コア部の光軸が各基板の幅方向に一致した状態で光学的に結合されるようになる。したがって、第1基板のコア部に対する第2基板のファイバコア部の幅方向の光軸の位置決めが確実に行える。また、光ファイバを用いるので、従来のフィルムタイプの外部導波路基板と比べて、導波損失が少なく、伝送距離を長くすることが可能となる。
請求項2によれば、第1嵌合部または第2嵌合部の高さを調整するだけで、両コア部の光軸が各基板の高さ方向に一致した状態で光学的に結合されるように簡単に調整することができる。
請求項3によれば、第2基板のファイバコア部の端面を、第1基板の端面に臨むコア部の端面と対向させているから、光ファイバは第1基板の一面にオーバーハングされないので、光ファイバの外径に影響されずに、コア部とファイバコア部の光学的結合が可能となる。
請求項4によれば、第2基板の第2嵌合部は、第2基板の他面の凸状の嵌合構造体の一部として一体形成して、この嵌合構造体に、光ファイバの両側面の挿入をガイドするとともに、光ファイバの両側面を位置決めする挿入ガイド溝を形成している。したがって、挿入ガイド溝を利用して光ファイバをスムーズに挿入できるとともに、光ファイバの位置決めも正確に行える。また、第2嵌合部と、挿入ガイド溝を形成した嵌合構造体を一体形成することで、第2嵌合部と挿入ガイド溝との位置関係が高精度となる。
請求項5によれば、挿入ガイド溝を光ファイバの挿入方向に向かって幅が狭くなるように形成することで、光ファイバをよりスムーズに挿入でき、挿入しながら光ファイバが位置決めされるようになる。
請求項6によれば、ストッパ部により、光ファイバの挿入先端を当て止めることで、光ファイバの先端の位置決めが容易になる。
請求項7によれば、第2嵌合部と、挿入ガイド溝を形成した嵌合構造体と、ストッパ部とを一体形成することで、第2基板の第2嵌合部と挿入ガイド溝とストッパ部の位置関係が高精度となる。
請求項8によれば、第2基板のオーバーハング部は、第1基板の一面に固定することで、コア部とファイバコア部の光学的結合部の機械強度を向上させることができる。
請求項9によれば、光ファイバを第2基板の他面との間に第3基板で挟み込んで固定することで、光ファイバの固定が強固になる。
本発明の実施形態に係る光モジュールの概略側面図である。 図1の発光側の光モジュールの要部平面図である。 図2の側面図である。 (a)は図2のI−I線断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は第1基板の平面(上面)図、(b)は第2基板の底面(下面)図である。 (a)は、変形例の第1嵌合部を形成した第1基板の平面(上面)図、(b)は、変形例の第2嵌合部を形成した第2基板の底面(下面)図である。 変形例の第1嵌合部を形成した第1基板の平面(上面)図である。 (a)は第2嵌合部の高さを高くした第1、第2基板の断面図、(b)は第1嵌合部の高さを高くした第1、第2基板の断面図である。 第1基板のコア部の端面と第2基板のファイバコア部の端面との拡大側面図である。 光ファイバの挿入状態を示す第2基板の底面(下面)図である。 (a)はストッパ部(先端位置決め構造体)を説明するための第2基板の底面(下面)図、(b)は(a)の要部拡大図である。 第3基板であり、(a)は底面図、(b)は側面図である。 (a)は光ファイバブロックの製造方法の工程6の平面図、(b)は(a)の側面図である。 光ファイバブロックの製造方法の工程1〜3の平面図である。 光ファイバブロックの製造方法の工程4、5の平面図である。 光ファイバブロックの製造方法の工程6、7の平面図である。 光ファイバのファイバクラッド部を固定する工程の平面図である。 (a)はスタンパ工法の側面図、(b)はフォトリソグラフ工法の側面図である。 (a)は位置決め治具の逃げ部の断面図、(b)は第3基板の逃げ部の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る光モジュールの概略側面図である。図2は図1の発光側の光モジュールの要部平面図、図3は図2の側面図、図4(a)は図2のI−I線断面図、図4(b)は図4(a)の要部拡大図である。図5(a)は第1基板1の平面(上面)図、図5(b)は第2基板の底面(下面)図である。
図1において、光モジュールは、発光側の第1(マウント)基板1と、受光側の第1(マウント)基板3と、この第1基板1,3を光学的に結合する光ファイバ2とを備えている。なお、以下の説明において、図1の上下方向を上下(高さ)方向、紙面と直交する方向を左右(幅)方向、図1の左側を前方、右側を後方という。
第1基板1,3は、前後方向に延びる長方体をなしており、厚さが200μm〜2mm程度のものである。
第1基板1,3は、それよりも大型の第4(サブマウント)基板25の上面にそれぞれ設置されている。各第4基板25の下面には、他の回路装置に電気的に接続するためのコネクタ24がそれぞれ取付けられている。
第1基板1の上面(一面)11には、電気信号を光信号に変換する発光素子12aが発光面が下向きになるようフリップチップ実装され、第4基板25の上面には、この発光素子12aに電気信号を送信するためのIC回路が形成されたIC基板(信号処理部)4aが実装されている。
発光素子12aとして、本実施形態では、半導体レーザである面発光レーザ〔VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)〕が採用されている。この発光素子12aはLED等でもよい。
IC基板4aは、前記VCSELを駆動させるドライバICであり、発光素子12aの近傍に配設されている。そして、発光素子12aおよびIC基板4aは、第1基板1の上面11と第4基板25の上面に形成された配線パターンに接続されている。
第1基板1には、発光素子12aの真下となる位置に、光路を90°屈曲させるためのミラー部15(図3参照)が形成されている。
第1基板1の上面11には、図3に示すように、発光素子12aと光学的に結合する内部導波路16が設けられている。この内部導波路16は、ミラー部15から後方に延在していて、第1基板1の後端面10まで延ばされている。
内部導波路16は、図5(a)に示すように、光が伝播する屈折率の高い断面略正方形状のコア部17と、それよりも屈折率の低いクラッド部18とから構成されており、第1基板1の上面11に形成された導波路形成用溝16a内に配設されている。
コア部17の左右の両面及び下面は、クラッド部18に覆われている。コア部17の上面は、第1基板1の上面11とほぼ面一に形成され、クラッド部18に覆われずに露出している。
コア部17の長手方向の後端面は、第1基板1の後端面10とほぼ面一とされて露出している。そして、このコア部17の後端面は、後述する光ファイバ2のファイバコア部21の端面21a〔図5(b)参照〕と対向する端面17aを構成する。
第1基板1の上面11には、内部導波路16の左右両側位置に、接着剤を充填するための接着剤充填用凹部26と、嵌合構造(後述)を形成するための嵌合用凹部27とが形成されている。この嵌合用凹部27は、第1基板1の後端面10に開放されている。この第1基板1の上面11の各嵌合用凹部27内には、平面視で略直角三角形状で、斜辺部分31aを後窄まり状とした凸状の位置決め用第1嵌合部31が形成されている。
また、第1基板1の上面11には、内部導波路16の位置に、オーバーハング用凹部28が形成され、このオーバーハング用凹部28は、第1基板1の後端面10に開放されている。なお、このオーバーハング用凹部28内には導波路形成用溝16aが形成されておらず、内部導波路16のコア部17が露出状態になっている。
図1に戻って、受光側の第1基板3について説明する。この受光側の第1基板3の基本的な構成は、発光側の第1基板1と同様に構成されている。ただし、受光側の第1基板3の上面29に、光信号を電気信号に変換する受光素子12bが発光面が下向きになるようフリップチップ実装され、第4基板25の上面に、この発光素子12bに電気信号を送信するためのIC回路が形成されたIC基板(信号処理部)4bが実装されている点で、発光側の第1基板1と異なる。この受光素子12bとしては、PDが採用されており、IC基板4bは、電流・電圧の変換を行うTIA(Trans−impedance Amplifier)などの素子である。
発光側の第1基板1と受光側の第1基板3およびIC基板4a,4bは、第4基板25の上面に取付けたシールドケース32でそれぞれシールドされていて、光ファイバ2は、シールドケース32の貫通孔32aを貫通させている。
前記発光素子12aと、この発光素子12aと光学的に結合するコア部17を有する内部導波路16が上面に設けられた第1基板1とは、光電気変換ブロックを構成する。
次に、光ファイバ2を説明する。光ファイバ2は、図1のように、発光側の第1基板の内部導波路16のコア部17と、受光側の第1基板3の内部導波路16のコア部17とを光学的に結合可能なファイバコア部21を内部に有している。そして、このファイバコア部21の外周を包囲するファイバクラッド部22と、このファイバクラッド部22の外周を被覆する被覆部23とで構成されるコードタイプである。このファイバコア部21とファイバクラッド部22と被覆部23は円形状である。
光ファイバ2は、シールドケース32の貫通孔32aを貫通した直後付近から端部までの間は被覆部23が剥がされて、ファイバクラッド部22が露出されている。そして、このファイバクラッド部22は、図2、図3のように、第1基板1よりも左右(幅)方向が狭く、前後方向が長い第2基板34の下面(他面)35に、後述するように接着剤で固定されるようになる。
第2基板34の下面35には、図5(b)に示すように、平面視で前後方向に長い略H字形状で、凸状の嵌合構造体36が一体形成されている。
第2基板34の下面35は、前側の略1/3の長さ分が第1基板1の上面11に覆い被さって接着剤で固定されるようになっていて、第2基板34の前端面37は、第1基板1の接着剤充填用凹部26の前後方向の略半分程度を覆うようになっている(図2参照)。
第2基板34の嵌合構造体36の略H字形状の前部には、第1基板1の第1嵌合部31の斜辺部分31aに対向して当接可能な前開き状とした斜辺部分38aを有する凸状の位置決め用第2嵌合部38が一体形成されている。この第2嵌合部38は、嵌合構造体36の一部となっている。
そして、第1基板1の第1嵌合部31に第2基板34の第2嵌合部38を嵌合させたときに、第1基板1のコア部17と第2基板34のファイバコア部21の光軸が幅方向に一致した位置決め状態で光学的に結合されるようになる。
図5(a)(b)では、第1嵌合部31の斜辺部分31aは後窄まり状とし、第2嵌合部38の斜辺部分38aは前開き状としたものであった。しかし、図6(a)(b)のように、第1嵌合部31の斜辺部分31aは後開き状とし、第2嵌合部38の斜辺部分38aは前窄まり状としてもよい。また、図7のように、第1基板1の嵌合用凹部27の側壁に斜辺部分31aを形成して、これを位置決め用第1嵌合部31とすることもできる。
前記したように、第1基板1の第1嵌合部31と第2基板34の第2嵌合部38とを嵌合させたときに、第1基板1のコア部17と第2基板34のファイバコア部21の光軸を幅方向に一致した位置決め状態で光学的に結合することができる。加えて、第1嵌合部31と第2嵌合部38を利用して、両コア部17,21の光軸を高さ(上下)方向に一致した位置決め状態で光学的に結合させることができる。
すなわち、図8(a)のように、第2嵌合部38の高さh1を第1嵌合部31の高さh2と同じではなく、第2嵌合部38の高さh1を第1嵌合部31の高さh2よりも高く調整しておく。逆に、図8(b)のように、第1嵌合部31の高さh2を第2嵌合部38の高さh1よりも高く調整しておく。これにより、いずれかの嵌合部31,38の高さで、両コア部17,21の光軸の高さ(上下)方向を調整することできる。
第2基板34の嵌合構造体36の略H字形状の中間部には、図10のように、光ファイバ2のファイバクラッド部22の両側面の挿入(矢印a参照)をガイドするとともに、ファイバクラッド部22の両側面を位置決めする挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39が形成されている。この挿入ガイド溝39は、光ファイバ2の挿入(前)方向に向かって幅が狭くなるような勾配状に形成され、挿入ガイド溝39の前端部付近は、光ファイバ2のファイバクラッド部22の両側面と略同幅となっている。
第2基板34の下面35には、図11に示すように、挿入ガイド溝39の前端部から前方に突出した光ファイバ2のファイバクラッド部22の挿入した端面22bを当て止めることで位置決めするストッパ部(先端位置決め構造体)40が形成されている。
前記光ファイバ2と第2基板34とは、光ファイバブロックを構成する。
本実施形態では、ストッパ部40は、第2基板34の嵌合構造体36と同時に形成するようにしたが、別部材で形成して第2基板34の下面35に貼り付け等で形成することもできる。
図5(b)および図11に示すように、ストッパ部40には、長さbで前方に延長されたオーバーハング部40aが形成されている。このオーバーハング部40aは、後述するように、第1基板1のコア部17と第2基板34の光ファイバ2のファイバコア部21との結合部をオーバーハングして、第1基板1の上面11のオーバーハング用凹部28の底面に接着剤で固定されるようになる(図8参照)。
本実施形態では、オーバーハング部40aは、ストッパ部40に一体形成したが、別部材で形成して第2基板34の下面35に貼り付け等で形成することもできる。
第2基板34の嵌合構造体36の略H字形状の後部には、挿入ガイド溝39の後端部に連なって、左右方向に広がる凹部41が形成されている。
図12に示すように、光ファイバ2のファイバクラッド部22を第2基板34の下面35に挟み込んで固定する第3基板42が設けられている。この第3基板42には、V溝42aが形成され、このV溝42aをファイバクラッド部22に嵌め合わせて位置決めした状態で、第2基板34の嵌合構造体36に接着剤で固定されるようになる。
第1基板1は、実装時の熱の影響や使用環境による応力の影響を避けるために、剛性が必要である。また、光伝送の場合は、発光素子から受光素子までの光伝送効率が必要になるので、光素子を高精度に実装することや使用中の位置変動を極力抑制する必要がある。このため、第1基板1として、本実施形態ではシリコン基板が採用されている。特にシリコン基板であれば、シリコンの結晶方位を利用して表面に高精度のエッチング溝加工が可能(この溝を利用して高精度なミラー部15、溝内に内部導波路16を形成する。)となる。また、シリコン基板は、平坦性も良好である。
第1基板1は、発光素子(光素子)12aと線膨張係数の近い材料で構成されていることが好ましく、シリコン以外には、後述するVCSEL材料と同系統のGaAs等の化合物半導体で構成されていてもよい。あるいは、ガラス基板、セラミックス基板や使用環境によっては樹脂基板でもよい。
第2基板34は、ガラス基板やシリコン基板を用いることができるが、嵌合部31,38を嵌合させた後の接着工程で、紫外線硬化接着も考慮すると紫外線(UV)の透過可能な透明部材(ガラス)のほうが好ましい。
第1基板1の第1嵌合部31と第2基板34の第2嵌合部38等を形成する嵌合構造体36の材料としては、加熱により溶融または軟化する、常温では固定の樹脂組成物が好ましい。
例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート趣旨(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリプロピレン樹脂(PP)、環状オレフィン・コポリマー(COC)シクロオレフィンポリマー(COP)が挙げられる。また、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)ポリブチレンテレフタレート(PBT)等も挙げられる。さらに、汎用的な熱可塑性樹脂のほか、同様の性状を有する半導体製造用のSU−8フォトレジストのような光硬化性樹脂も含まれる。
未硬化樹脂層を基板に形成する工程としては、前述の樹脂組成物のワニスをスピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコート等のコーティング方法、若しくはディスペンサやインクジェットによる滴下方法等により基板上に形成する。その後、樹脂組成物が劣化しないあるいは光重合開始剤が失活しない程度の温度範囲で加熱して溶剤を揮発させる方法がある。また最初からフィルム化された未硬化樹脂フィルムを基板に直接貼り合わせる方法もある。
次に、光電気変換ブロックである発光側の第1基板1に、光ファイバブロックである光ファイバ2を光学的に結合する手順を説明する。第1基板1は、図5(a)のように、内部導波路16が設けられ、発光素子12aが実装されているものとする。
光ファイバ2は、図5(b)のように、第2基板34の嵌合構造体36の挿入ガイド溝39に光ファイバ2のファイバクラッド部22が挿入され、端面22bはストッパ部40に当て止められているものとする。また、光ファイバ2のファイバクラッド部22は、第3基板42で第2基板34の下面35に挟み込まれて固定されているものとする。
この状態から図2のように、第2基板34の下面35の前側の略1/3の長さ分を第1基板1の上面11に覆い被せながら、第1基板1の第1嵌合部31の斜辺部分31aに第2基板34の第2嵌合部38の斜辺部分38aを対向させて当接させることで、嵌合させる。このとき、第2基板34のストッパ部40のオーバーハング部40aも第1基板1の上面11のオーバーハング用凹部28の底面に当接する。
第1嵌合部31と第2嵌合部38とを嵌合させた時に、第1基板1のコア部17の端面17aと第2基板34のファイバコア部21の端面21aとが対向された状態で、両コア部の光軸が幅方向に一致した位置決め状態で光学的に結合されるようになる。この端面17a,21aが対向された状態とは、図9のように、端面17a,21aの間の隙間cが0〜100umの範囲である。好適な範囲は両コア部17,21の大きさに依るが、一般的には、隙間cは0〜20umが好ましい。
その後、第1基板1の接着剤充填用凹部26に、低粘度の接着剤を充填すると、接着剤は毛細管現象によって第2基板34の下面との間に浸入し、接着剤によって第1基板1の上面11に第2基板34の下面35が接着剤で固定されるようになる。
このとき、第1基板1の嵌合用凹部27とオーバーハング用凹部28周辺にも毛細管現象で接着剤が充填されるので、第1基板1の第1嵌合部31と第2基板34の第2嵌合部38とが相互に固定される。また、第2基板34のストッパ部40のオーバーハング部40aも第1基板1のオーバーハング用凹部28の底面に、毛細管現象で浸入した接着剤で固定されるようになる。オーバーハング用凹部28に充填された接着剤は、毛細管現象により、光ファイバ2のファイバコア部21の端面21aと第1基板のコア部17の端面17aの間の隙間cにも浸入し、両コア部17,21の端面同士を接着する。
この接着剤は、第1基板1のコア部17の上面を被覆する効果と、光ファイバ2のファイバコア部21の端面21aと第1基板のコア部17の端面17aの間の隙間cを接着する効果がある。この場合、接着剤には、コア部と同等な光学特性も要求され、コア部の屈折率より低い屈折率の材料が必要である。第1基板1と光ファイバ2のコア部17,21が同一材料であれば、その材料より低いクラッド材料と同一屈折率が望ましい。それぞれのコア材料が異なる場合は、両者のコア材料より屈折率が低い材料が必要である。
本実施形態では、接着剤として、光学特性と周辺環境温度変化による熱応力を低減可能な接着剤を選定した。具体的には、線膨張係数の小さなものか、ヤング率の小さなもので、アクリレート系とエポキシ系の2つのタイプのものである。
前記のような光モジュールであれば、第1基板1の第1嵌合部31と第2基板34の第2嵌合部38とを嵌合させると、第1基板1のコア部17の端面17aと第2基板34のファイバコア部21の端面21aとが対向された状態で、両コア部17,21の光軸が幅方向に一致した状態で光学的に結合されるようになる。したがって、第1基板1のコア部17に対する第2基板34のファイバコア部21の幅方向の光軸の位置決めが確実に行える。また、光ファイバ2を用いるので、従来のフィルムタイプの外部導波路基板と比べて、導波損失が少なく、伝送距離を長くすることが可能となる。
また、第1嵌合部31または第2嵌合部38の高さh1,h2を調整するだけで、両コア部17,21の光軸が各基板1,34の高さ方向(光軸の上下方向)に一致した状態で光学的に結合されるように簡単に調整することができる。
さらに、第2基板34のファイバコア部21の端面21aを、第1基板1の後端面10に臨むコア部17の端面17aと対向させているから、光ファイバ2は第1基板1の上面11にオーバーハングされないので、図9のように、光ファイバ2の外径dに影響されずに、コア部17とファイバコア部21の光学的結合が可能となる。
また、第2基板34の第2嵌合部38は、第2基板34の下面35の凸状の嵌合構造体36の一部として一体形成して、この嵌合構造体36に、光ファイバ2のファイバクラッド部22の両側面の挿入をガイドするとともに、光ファイバ2のファイバクラッド部22の両側面を位置決めする挿入ガイド溝39を形成している。したがって、挿入ガイド溝39を利用して光ファイバ2をスムーズに挿入できるとともに、光ファイバ2のファイバクラッド部22の位置決めも正確に行える。また、第2嵌合部38と、挿入ガイド溝39を形成した嵌合構造体36を一体形成することで、第2嵌合部38と挿入ガイド溝39との位置関係が高精度となる。
さらに、挿入ガイド溝39を光ファイバ2のファイバクラッド部22の挿入方向に向かって幅が狭くなるように形成することで、光ファイバ2のファイバクラッド部22をよりスムーズに挿入でき、挿入しながら光ファイバ2のファイバクラッド部22が位置決めされるようになる。
また、ストッパ部40により、光ファイバ2のファイバクラッド部22の端面22bを当て止めることで、光ファイバ2の先端の位置決めが容易になる。
さらに、第2嵌合部38と、挿入ガイド溝39を形成した嵌合構造体36と、ストッパ部40とを第2基板34に一体形成することで、第2嵌合部38と挿入ガイド溝39とストッパ部40の位置関係が高精度となる。
また、第2基板34のストッパ部40のオーバーハング部40aは、第1基板1の上面11に固定することで、コア部17とファイバコア部21の光学的結合部の機械強度を向上させることができる。
さらに、光ファイバ2のファイバクラッド部22を第2基板34の下面35との間に第3基板42で挟み込んで固定することで、光ファイバ2の固定が強固になる。
前記のような光ファイバブロックは、前述したように、第2基板34の挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39で光ファイバ2のファイバクラッド部22の両側面を位置決めする。また、ストッパ部(先端位置決め構造体)40で光ファイバ2のファイバクラッド部22の先端を当て止めることで位置決めする。この状態で、光ファイバ2の先端付近を除いて、第3基板42で光ファイバ2のファイバクラッド部22を第2基板34の下面35に挟み込んで接着剤で固定するものである。したがって光ファイバ2のファイバコア部21の先端面に接着剤の影響を与えずに、光ファイバ2と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を含む嵌合構造体36との位置決め接着が可能となる。したがって、従来のように、組み立て後に、基板毎に光ファイバの先端面の研磨を行う必要がなくなる。
これについて、補足すると、通常、光ファイバブロックを作製する場合、光ファイバ2を先端まで基板で押え込んで接着を行うのは、光ファイバ2の先端の基板垂直方向の位置決めを行うためである。しかしながら、光ファイバ2は、通常、ガラスあるいはプラスチックで作製されている。そのため、光ファイバ2の先端まで完全に接着を行わなくても、未接着部の長さが一定以下であれば、光ファイバ2自身の剛性から光ファイバ2の先端の位置を固定することは可能である。このことから、本実施形態では、第2基板34に設置した光ファイバ2の先端を除く部分を第3基板42で押え込むことで、基板垂直方向の位置決めをする。その後、第2基板34と第3基板42との接着を行うことで、光ファイバ2の先端に接着剤が回り込んでいない状態の光ファイバブロックを作製することできる。
なお、光ファイバブロックと光電気変換ブロックとを光学的に結合する際に、光電気変換ブロック側と干渉しないという条件を満たしている極微量であれば、接着剤の回り込み(付着)を許容できる。
第3基板42で挟み込まない光ファイバ2の先端の長さは、光ファイバ2の直径以上が求められる。接着剤は、第3基板42と第2基板34との間、すなわち、光ファイバ2の直径分の隙間に充填されるが、第3基板42の前端部では、表面張力によるフィレットが形成される。このフィレットの形状は、接着剤の種類や第2基板34、第3基板42の表面状態によって異なるが、過剰に接着剤が充填されていない限りは、通常は、フィレットの高さ、すなわち、光ファイバ2の直径分程度の長さまででフィレットは形成される。よって、このフィレット先端が光ファイバ2の先端に届かないようにするには、第3基板42が存在しない光ファイバ2の先端の長さを最低、光ファイバ2の直径以上とる必要がある。
また、光ファイバ2の先端は、事後の研磨を行わないため、予め清浄かつ光路結合可能な面を出しておく必要がある。しかしながら、光ファイバ2のみであれば、劈開等の比較的容易な方法があるため、従来のように基板ごと研磨を行うよりも容易となる。また、工法として、光ファイバブロックの組み立て前の、第2基板34に嵌合構造体36等を形成する工程と平行して光ファイバ2の先端が加工できるため、組み立て後に研磨を行うよりも、光ファイバブロックの作製時間を短縮できる。
また、ストッパ部(先端位置決め構造体)40と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を含む嵌合構造体36とが隔離されている。したがって、挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を含む嵌合構造体36と第3基板42との間に充填された接着剤が、光ファイバ2の先端方向に流れ込みにくくなり、不要な部分に接着剤が付着するおそれがなくなる。
次に、光ファイバブロックの製造方法を図13〜図18に基づいて説明する。図13(a)は、後述する工程6の平面図、図13(b)は、(a)の側面図、図14〜図16は、工程1〜工程7の工程図である。
(工程1)
図14の工程1のように、第2基板34の下面35に、嵌合構造体36と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39とストッパ部(先端位置決め構造体)40とを形成する。
嵌合構造体36と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39とストッパ部(先端位置決め構造体)40の形成方法としては、ガラス基板を研削する方法、基板上に樹脂層を形成し、その樹脂体を研削する方法、樹脂層をUVパターニング等によって所望の形状とする方法等が挙げられる。
挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36は、第3基板42によって光ファイバ2のファイバクラッド部22を押えることで、基板垂直方向の位置決めを行う。そのため、その高さは、光ファイバ2のファイバクラッド部22の直径以下である必要がある。また、嵌合構造体36は、光電気変換ブロックとの位置決めに用いるため、高さ方向も高精度に作製する必要がある。
また、嵌合構造体36と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39とストッパ部(先端位置決め構造体)40は、光ファイバブロック毎に必要であるが、コスト面を考慮すると、図14の工程1のように、大面積の第2基板34にできる限り多数個を同時に形成し、その後に個片化する方法が有効である。例として、図14の工程1では、16個を同時に形成している形態を示す。
(工程2)
図14の工程2のように、第2基板34の前端側と後端側を前後・左右方向に固定するための略U字状の固定治具45でそれぞれ固定する。この際、工程1で複数個の第2基板34を同時形成した場合は、事前に第2基板34をスクライバ、ダイサー等で所望の大きさに個片化しておく必要がある。
(工程3)
図14の工程3のように、光ファイバ2のファイバクラッド部22の両側面を挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39に挿入しながら(矢印a参照)位置決めするとともに、光ファイバ2のファイバクラッド部22の端面22bをストッパ部(先端位置決め構造体)40に当て止める。
このとき、光ファイバ2は、ファイバクラッド部22のみを第2基板34に設置するものであり、通常、光ファイバ2に具備されている被覆部23は必要分だけ除去してある。また、光ファイバ2のコア部17の端面17aは研磨、劈開、切り落とし等の方法で清浄かつ平坦な面に形成されている。これにより、光ファイバ2の中で高精度に形成されている部分のみを利用することで、光ファイバブロックを高精度で作製でき、かつ端面17aが清浄かつ平坦であることで、通常、ファイバアレイの作製に必要なアレイ先端の研磨が不要になる。
(工程4)
図15の工程4のように、光ファイバ2の先端付近を除いて、光ファイバ2のファイバクラッド部22を第2基板34の下面35に挟み込んで固定するために、挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36に第3基板42を載せる。なお、第3基板42は、図2では、第2基板34よりも幅広く描いているが、第2基板34と略同幅とする。
第2基板34に形成した挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39は、基板平面(幅)方向に対しては光ファイバ2の位置決めができるが、基板垂直(上下ないしは高さ)方向に対しては、上方向が開放されているために位置決めができない。そこで、精度よく光ファイバブロックを作製するためには、上下方向の位置決めを行う第3基板42を設置することが有効である。第3基板42は、光ファイバ2を押えるものであるので、光ファイバ2の反りを押え込める程度の力に耐えられるものであればよい。
第3基板42は、第3基板42の左右端側を前後・左右方向に固定するための略U字状の位置決め治具46でそれぞれ位置決めする。なお、位置決め治具46を用いない場合には、第2基板34と第3基板42に、位置決め用形状をそれぞれ形成することもできる。
また、第3基板42を設置する位置は、光ファイバ2の中間部分以降の必要がある。これは、後の接着剤の充填の際に、光ファイバ2の先端に接着剤を回り込ませないためである。例えば、第3基板42によって光ファイバ2の先端まで押えてしまうと、第2基板34と第3基板42と光ファイバ2とで形成される空間に接着剤が染みこんでくることで充填されやすくなり、光ファイバ2の先端にまで接着剤が回り込みやすくなる。光ファイバ2の先端に接着剤が付着すると、意図しない不要な屈折面を形成し、光学的な損失が発生するため、避ける必要がある。
また、第3基板42に光ファイバ2の位置決めを行うV溝42a(図12参照)等の形状が付与されていれば、光ファイバ2の位置がさらに高精度となるために有効である。
ここで、第3基板42、位置決め治具46等の構造を最適化することにより、光ファイバ2の挿入に無理がないという条件下では、工程3と工程4の順は入れ替え可能である。
(工程5)
図15の工程5のように、光ファイバ2の先端付近および第3基板42を押え治具47により押え込む。
ここで、後述する工程6における接着剤の回り込みを避けるために、工程4では、光ファイバ2の先端を開放しているが、接着時には光ファイバ2の先端も固定しておく必要がある。そのため、第3基板42を押える押え治具47に、先端押え治具部47a〔図13(b)参照〕を形成して、この先端押え治具部47aで光ファイバ2の先端を押えることで、光ファイバ2の先端の基板垂直方向の位置決めを行う。この際、治具全体としては、第3基板42を上方から加圧する部分も必要となるため、光ファイバ2の先端押え治具部47aを押え治具47に一体化してあれば、治具合わせが容易となるので有効である。
(工程6)
図16の工程6のように、第3基板42と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36の間に、低粘度の接着剤を充填し、光ファイバ2のファイバクラッド部22を第3基板42と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36とに固定する。
具体的には、光ファイバ2のファイバクラッド部22の先端側より後方部分を第3基板42と第2基板34、挿入ガイド溝39と嵌合構造体36に接着固定し、光ファイバ2のファイバクラッド部22の先端側を第2基板34に接着固定する。第3基板42と嵌合構造体36との隙間は、少なくとも一部が接着されていればよい。ただし、光ファイバブロック全体にかかる応力、接着部分の強度を考慮すると、隙間全体に接着剤を充填させて硬化することが好ましい。また、第3基板42の形状、大きさによっては複数箇所から接着剤を充填する必要の可能性があるが、その場合には、接着剤中に空気(ボイド)が入り込まないようにする必要がある。
また、この嵌合構造体36と第3基板42との隙間を0.1mm以下程度の微少なものとしておくと、毛細管現象により嵌合構造体36と第3基板42の隙間全体に自動的に接着剤が充填される。例えば、図16の工程6では、第2基板34の凹部41に接着剤を充填する。
これにより、第3基板42の大きさによらず、接着剤を複数箇所ではなく、一箇所から充填することができる。さらに一箇所から充填するメリットとして、片側に空気の逃げ道が常に確保される形で接着剤が充填されるため、接着剤中にボイドができなくなることが挙げられる。
(工程7)
図16の工程7のように、第2基板34とともに光ファイバ2および第3基板42を各治具45,46,47から取り外すと、光ファイバブロックが完成する。
前記のような光ファイバブロックの製造方法によれば、光ファイバ2のファイバクラッド部22は、第2基板34の挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39とストッパ部(先端位置決め構造体)40とで第2基板34の水平方向に対して高精度で位置決めされ、第3基板42で第2基板34の垂直方向に対して高精度で位置決めされるようになる。また、光ファイバ2の先端面に接着剤の影響を与えずに、光ファイバ2と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39との位置決め接着が可能となり、従来のように、組み立て後に、基板毎に光ファイバの先端面の研磨を行う必要がなくなる。
一方、図17の左図の工程6の後に、同右図のように、第2基板34の下面35に光ファイバ2のファイバクラッド部22の後端部を固定する工程をさらに備えることができる。
これによれば、第2基板34の下面35に光ファイバ2のファイバクラッド部22の後端部を固定するから、第2基板34と光ファイバ2の接続強度が向上する。
これについて補足すると、前記の製造方法で製造した光ファイバブロックは、高精度で作製するために、光ファイバ2のファイバコア部21とファイバクラッド部22のみを利用している。通常、光ファイバ2の曲げ強度は、ファイバクラッド部22の外側に形成される被覆部23によって保たれており、光ファイバ2のファイバコア部21とファイバクラッド部22のみでは強度に若干の不安がある。
光ファイバブロックでは、第2、第3基板34,42に光ファイバ2のファイバクラッド部22を接着することで、その強度不足を補う形となっている。しかし、第2基板34の後端部には、光ファイバ2の被覆部23および第2基板34の支えの両方がない部分が、光ファイバブロックの作製上、僅かであるが存在する。これは、高精度で作製するために、第2基板34に被覆部23が載ることを避けるには、必ず起こる事態である。このため、第2基板34の後端部に曲げ応力に弱い部分が発生し、取り扱っている際に、第2基板34の後端部で光ファイバが折れるという事態が発生する可能性がある。
これを解決するために、工程6の後に、図17の右図のように、第2基板34の下面35の凹部41に、光ファイバ2のファイバクラッド部22の後端部を固定するための保護樹脂部48を形成する工程を入れることが挙げられる。すなわち、第2基板34の後端部のファイバコア部21とファイバクラッド部22のみの領域を含んで、第2基板34と光ファイバ2の後部にある被覆部23を樹脂で固定することで、ファイバコア部21とファイバクラッド部22のみの領域にかかる曲げ応力を低減することが可能である。
この保護樹脂部48に用いる材料としては、第2基板34と光ファイバ2の被覆部23を固定できるだけの強度を持つものであればよい。しかし、第2基板34および光ファイバ2の被覆部23と線膨張係数が近い材料であれば、高温時あるいは低温時に発生する熱応力に対しても、保護部分に応力がかかりにくくなるために最適である。
図18(a)のように、工程1で、第2基板34の下面35に、嵌合構造体36と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39とストッパ部(先端位置決め構造体)40とをスタンパによって形状転写することができる。同図のように、第2基板34の下面35に、構造体材料50を形成し、ついでスタンパ49を位置合わせし、構造体材料50をスタンパでプレス成形する。その後、スタンパ49を離型すると、形状転写が完成する。
これによれば、第2基板34の嵌合構造体36と挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39とストッパ部(先端位置決め構造体)40とをスタンパ49によって、平面方に加え、高さ方向にも高精度に形成することができる。
これについて補足すると、工程1において、前述したとおり、挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36の高さを高精度に形成することによって、光ファイバ2の位置決め以外にも、光電気変換ブロックとの位置決め等の機能を付与することが可能である。
なお、挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36等の形成方法としては、図18(b)のように、第2基板34の下面35に樹脂層51を形成し、その樹脂層51をマスク52によりUVパターニングをして現像することで、形状付与を完成させる。その他、第2基板34を研削する方法や樹脂層51を研削する方法等があるが、それぞれ樹脂層形成精度や研削精度が高さ精度に対するばらつきとして現れる。
これに対して、スタンパ49によって形状を付与する方法であれば、高精度のスタンパ49を形成するだけで、挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36等が高さ方向も含めて、スタンパ49と同精度のものを得ることができる。
挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36等の形成方法としては、第2基板34にガラス基板を貼り付け、熱によって軟化させてスタンパ49で成形する方法、第2基板34に樹脂フィルムを貼り付け、スタンパ49で成形し、熱あるいはUV光によって硬化する方法等が挙げられる。また、スタンパ49の形成方法としては、ガラス基板の研削、金属基板の研削、ニッケル等の電鋳型等が挙げられる。
第2基板34と第3基板42の少なくとも一方は、光透過性部材とし、接着剤は光硬化性とすることができる。
これによれば、工程6の接着固定は紫外線の照射のみで行うことができ、接着剤の硬化が比較的短時間で行えるようになる。
これについて補足すると、工程6において、第2基板34と第3基板42の両方が不透明であれば、接着剤の硬化方法としては、熱硬化あるいは湿度硬化による樹脂を用いることになる。この際、熱硬化性樹脂および湿度硬化性樹脂は、硬化に要する時間が通常数十分以上と長く、作製時間に対する硬化時間の割合が高くなり、ひいてはコスト増となる。
そこで、第2基板34あるいは第3基板42の少なくとも一方が光透過性を有していれば、接着剤として光硬化性樹脂を用いることができる。光硬化性樹脂の硬化時間は通常1〜10分程度であるため、熱硬化性樹脂および湿度硬化性樹脂を使用する場合と比べて、大きく時間を短縮することができる。
図19のように、工程4において、第3基板42の側面に位置決め治具46を当接させて、第3基板42を位置決めする。その際に、挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)39を形成した嵌合構造体36あるいは第2基板34と第3基板42との間に充填する接着剤eは、充填方法あるいは充填量によって、位置決め治具46と接触することがある。すると、接着剤eが硬化すれば位置決め治具46まで接着されてしまう可能性がある。
そこで、第3基板42と位置決め治具46の各当接面の少なくとも一方の当接面、例えば、図19(a)では、位置決め治具46の当接面の一部を斜面にした接着剤eの逃げ部46aを形成し、図19(b)では、第3基板42の当接面の一部を斜面にした接着剤eの逃げ部42bを形成する。
これにより、第3基板42または位置決め治具46の逃げ部42b,46aによって、接着剤eが位置決め治具46に付着しにくくなるので、位置決め治具46が誤って接着されるおそれがなくなる。
なお、斜面以外の当接面は、平面であることが好ましいが、複数の突起等、平面的に押えられる形状であれば問題はない。
1 第1基板
2 光ファイバ
11 上面(一面)
12a 発光素子
16 内部導波路
17 コア部
17a 端面
21 ファイバコア部
21a 端面
22 ファイバクラッド部
31 第1嵌合部
34 第2基板
35 下面(他面)
36 嵌合構造体
38 第2嵌合部
39 挿入ガイド溝(側面位置決め構造体)
40 ストッパ部(先端位置決め構造体)
42 第3基板
42b 逃げ部
45 固定治具
46 位置決め治具
46a 逃げ部
47 押え治具
48 保護樹脂部
49 スタンパ

Claims (9)

  1. 光素子とこの光素子と光学的に結合するコア部を有する内部導波路が一面に設けられた第1基板と、第1基板の一面と対向する他面に、第1基板のコア部と光学的に結合させるファイバコア部を有する光ファイバが固定された第2基板とが設けられた光モジュールであって、
    前記第1基板の一面に形成された凹凸状の位置決め用第1嵌合部と、前記第2基板の他面に形成された凹凸状の位置決め用第2嵌合部とを有し、第1嵌合部と第2嵌合部とを嵌合させた時に、第1基板のコア部の端面と第2基板のファイバコア部の端面とが対向された状態で、両コア部の光軸が各基板の幅方向に一致した状態で光学的に結合されることを特徴とする光モジュール。
  2. 前記第1嵌合部と第2嵌合部のいずれか一方の高さを調整することで、両コア部の光軸が各基板の高さ方向に一致した状態で光学的に結合されるように調整することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. 前記第1基板のコア部の端面は、第1基板の端面に形成され、前記第2基板のファイバコア部の端面は、第1基板の端面に臨むコア部の端面と対向されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光モジュール。
  4. 前記第2基板の第2嵌合部は、第2基板の他面に形成された凸状の嵌合構造体の一部として一体形成され、この嵌合構造体には、前記光ファイバの両側面の挿入をガイドする挿入ガイド溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光モジュール。
  5. 前記挿入ガイド溝は、光ファイバの挿入方向に向かって幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光モジュール。
  6. 前記第2基板の他面に、前記光ファイバの挿入先端を当て止めるストッパ部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光モジュール。
  7. 前記ストッパ部は、第2基板の他面に形成された凸状の嵌合構造体と同時に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の光モジュール。
  8. 前記第2基板の他面に、前記両コア部の結合部をオーバーハングして、第1基板の一面に固定されるオーバーハング部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光モジュール。
  9. 前記光ファイバを第2基板の他面との間に挟み込んで固定する第3基板が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光モジュール。
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