JP2010215871A - カチオン型着色シーラー組成物 - Google Patents

カチオン型着色シーラー組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】アニオン型の分散樹脂を用いた場合であっても、顔料の沈降および分離が起こりにくい顔料分散安定性に優れたカチオン型着色シーラー組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のカチオン型着色シーラー組成物は、カチオン型合成樹脂エマルションと顔料分散液とを混合して得られるカチオン型着色シーラー組成物であって、
該顔料分散液が、アニオン型分散樹脂および着色顔料を含み、該アニオン型分散樹脂の酸価が30〜200mgKOH/g、数平均分子量が3000〜35000であり、
該アニオン型分散樹脂と該カチオン型合成樹脂エマルションの固形分質量比(アニオン型分散樹脂/カチオン型合成樹脂エマルション)が、0.1/100〜8/100である。
【選択図】なし

Description

本発明は、シーラー塗膜の形成に用いられるシーラー組成物に関する。より詳細には、本発明は、顔料を分散させるための分散樹脂としてアニオン型の分散樹脂を用いた場合であっても、顔料分散安定性に優れたカチオン型着色シーラー組成物に関する。
近年、環境や人体に与える影響等への配慮から、塗料は、溶媒として有機溶剤を多量に使用する溶剤型から水を溶媒として使用する水性へと急速に移行している。
塗料組成物はその多くが着色顔料を含有する着色塗料であるが、水性塗料組成物の基体樹脂がカチオン型樹脂である場合、顔料を分散させるための分散樹脂としてカチオン型樹脂を用いると、得られる塗料の安定性が悪く、顔料沈降、分離が生じるという問題がある。
一方、カチオン型の基体樹脂に対して、アニオン型の分散樹脂(例えば、特許文献1)を用いた場合、カチオン性の基体樹脂とアニオン型分散樹脂とは電荷的な凝集を起こしやすい。そのため、一般にアニオン型の分散樹脂は、カチオン型の基体樹脂と組み合わせて塗料組成物に用いられていない。
特開平7−310041号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、アニオン型の分散樹脂を用いた場合であっても、顔料の沈降および分離が起こりにくい顔料分散安定性に優れたカチオン型着色シーラー組成物を提供することにある。
本発明のカチオン型着色シーラー組成物は、カチオン型合成樹脂エマルションと顔料分散液とを混合して得られるカチオン型着色シーラー組成物であって、該顔料分散液が、アニオン型分散樹脂および着色顔料を含み、該アニオン型分散樹脂の酸価が30〜200mgKOH/g、数平均分子量が3000〜35000であり、該アニオン型分散樹脂と該カチオン型合成樹脂エマルションの固形分質量比(アニオン型分散樹脂/カチオン型合成樹脂エマルション)が、0.1/100〜8/100である。
本発明によれば、特定の酸価および数平均分子量を有するアニオン型分散樹脂を、カチオン型合成樹脂エマルションに対して、特定の含有割合で含む顔料分散液を用いることにより、顔料分散安定性に優れたカチオン型着色シーラー組成物を得ることができる。より詳細には、当該特定のアニオン型分散樹脂を用いることにより、カチオン型基体樹脂にアニオン型分散樹脂を用いるという従来にない新規なカチオン型着色シーラー組成物を実現することができる。さらに、当該カチオン型着色シーラー組成物は、アニオン型分散樹脂が用いられ得ることを1つの要因として、カチオン型樹脂を分散樹脂として用いた場合に生じる問題、すなわち顔料分散安定性が不十分(顔料沈降、分離が生じる)という問題を解決することができる。
A.カチオン型着色シーラー組成物の概要
本発明のカチオン型着色シーラー組成物は、基体樹脂としてのカチオン型合成樹脂エマルションと顔料分散液とを混合して得られる。当該顔料分散液は、アニオン型分散樹脂および着色顔料を含む。なお、本明細書において「分散樹脂」とは、着色顔料を分散させる目的で使用する樹脂のことをいう。
本発明のカチオン型着色シーラー組成物に含まれる上記カチオン型合成樹脂エマルションの固形分含有割合は、当該カチオン型着色シーラー組成物100質量部に対して、好ましくは10〜40質量部である。
本発明のカチオン型着色シーラー組成物に含まれる上記顔料分散液の固形分含有割合は、当該カチオン型着色シーラー組成物100質量部に対して、好ましくは5〜40質量部である。
上記アニオン型分散樹脂と上記カチオン型合成樹脂エマルションの固形分質量比(アニオン型分散樹脂/カチオン型合成樹脂エマルション)は、0.1/100〜8/100であり、好ましくは0.5/100〜5/100である。アニオン型分散樹脂とカチオン型合成樹脂エマルションの固形分質量比がこのような範囲であれば、アニオン型分散樹脂が特定の酸価を有すること(後述)と相まって、アニオン型分散樹脂とカチオン型合成樹脂エマルションとの電荷的な凝集が抑制され、かつ顔料分散安定性に優れる塗料を得ることができる。
上記カチオン型合成樹脂エマルションと上記顔料分散液との混合は、任意の適切な混合方法を採用し得る。当該混合方法としては、例えば、ディスパー、ホモミキサー等を用いて混合する方法が挙げられる。
本発明のカチオン型着色シーラー組成物は、必要に応じて、任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、粘性調整剤、消泡剤、造膜助剤、防腐剤、硬化触媒、表面調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。含有されるべき添加剤の種類および量は、目的に応じて適切に選択され得る。
B.カチオン型合成樹脂エマルション
上記カチオン型合成樹脂エマルションは、塗料組成物の基体樹脂として用いられるようなカチオン型のエマルションであれば、任意の適切なものを採用し得る。上記カチオン型合成樹脂エマルションは、好ましくは、アミノ基を含む窒素原子含有不飽和単量体(a)由来の構成単位およびその他の重合性不飽和単量体(b)由来の構成単位を有する共重合体を含む。このような共重合体であれば、カチオン型着色シーラー組成物を得ることができる。このようなカチオン型着色シーラー組成物を用いれば、耐水性、耐湿性、耐アルカリ性等に優れたシーラー塗膜を得ることができる。また、上記共重合体が窒素原子含有基を有することにより、被塗物(旧塗膜も含む)に対して高い密着性を有するシーラー塗膜を得ることができる。
上記アミノ基を含む窒素原子含有不飽和単量体(a)としては、分子内にアミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば、任意の適切な単量体を採用し得る。
上記アミノ基を含む窒素原子含有不飽和単量体は、好ましくは、少なくとも1個のC1〜C4低級アルキル基が窒素原子に結合したアルキルアミノ基を含む不飽和単量体である。このような不飽和単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、モノメチルアミノエチルアクリレート、モノメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド等が挙げられる。
上記アミノ基を含む窒素原子含有不飽和単量体(a)の使用量は、上記カチオン型合成樹脂エマルションの重合に用いる単量体の全量に対して、好ましくは0.1〜20質量%であり、さらに好ましくは0.5〜12質量%である。当該単量体(a)の使用量が0.1質量%未満の場合、得られるシーラー塗膜は被塗物(旧塗膜も含む)に対する密着性が不十分になるおそれがあり、20質量%より多い場合、得られるシーラー塗膜の耐水性が不十分になるおそれがある。
上記その他の重合性不飽和単量体(b)としては、上記アミノ基を含む窒素原子含有不飽和単量体(a)と共重合し得る限り、任意の適切な単量体を採用し得る。上記その他の重合性不飽和単量体(b)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、メチルスチレン等のビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル等を挙げることができる。これらの単量体は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記その他の重合性不飽和単量体(b)の使用量は、上記カチオン型合成樹脂エマルションの重合に用いる単量体の全量に対して、好ましくは80〜99.9質量%である。
上記カチオン型合成樹脂エマルションの固形分濃度は、好ましくは20〜60質量%である。
上記カチオン型合成樹脂エマルションのpHは、好ましくは3〜6である。
上記カチオン型樹脂エマルションに含まれる粒子の平均粒子径は、好ましくは体積基準で0.03〜0.3μmである。
上記カチオン型合成樹脂エマルションは、例えば、上記単量体成分を乳化重合法で重合することにより得ることができる。上記乳化重合は、乳化剤及び重合開始剤の存在下に、水媒体中で任意の適切な条件に従って行えばよい。
上記乳化剤としては、任意の適切な乳化剤を用いることができる。乳化剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等のカチオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記乳化剤として、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する界面活性剤(以下、「反応性乳化剤」という)を用いることもできる。乳化剤として反応性乳化剤を用いれば、耐水性が高いシーラー塗膜を得ることができる。上記反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを基本構造として疎水基にラジカル重合性のプロペニル基を導入したノニオン系界面活性剤、四級アンモニウム塩の構造を持つカチオン系界面活性剤等が挙げられる。また、上記反応性乳化剤は、市販品を用いてもよい。上記反応性乳化剤の市販品の具体例としては、アクアロンRN−20、アクアロンRN−30、アクアロンRN−50(いずれも第一工業製薬社製)、デカノールSDX−236(アデカ社製)、カチナールDAMLAC−1、カチナールDAMLAC−2(いずれも東邦化学工業社製)等が挙げられる。
上記乳化剤の使用量は、上記カチオン型合成樹脂エマルションの重合に用いる単量体の全量に対して、好ましくは0.5〜15質量%である。
上記重合開始剤としてはアゾビスイソブチルニトリル、アゾビスバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤;過酸化水素などを使用できる。又、ロンガリット、Lアスコルビン酸、有機アミン等の還元剤を併用したレドックス開始剤を用いてもよい。これらの開始剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合開始剤の使用量は、上記カチオン型合成樹脂エマルションの重合に用いる単量体の全量に対して、好ましくは0.01〜10質量%である。
上記乳化重合における重合温度は、好ましくは30〜90℃である。重合時間は、好ましくは3〜12時間である。重合反応時の単量体濃度は、好ましくは30〜70質量%である。
C.顔料分散液
C−1.顔料分散液の概要
上記顔料分散液は、着色顔料、着色顔料分散樹脂としてのアニオン型分散樹脂および媒体としての水を含む。上記アニオン型分散樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料分散液に含まれる上記アニオン型分散樹脂の固形分含有割合は、上記着色顔料100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部である。着色顔料100質量部に対するアニオン型分散樹脂の固形分含有割合が、1質量部未満の場合、着色顔料の分散安定性が不十分となるおそれがあり、15質量部より多い場合、上記顔料分散液の粘度が高くなるおそれ、および得られるシーラー塗膜の耐水性が不十分となるおそれがある。
上記顔料分散液に含まれる上記着色顔料の含有割合は、上記顔料分散液100質量部に対して、好ましくは10〜50質量部である。着色顔料の含有割合が、10質量部未満の場合、着色シーラーとしての隠蔽性が低くなるおそれがあり、50質量部より多い場合、着色顔料の分散安定性が不十分となるおそれがある。
上記顔料分散液は、必要に応じて、任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。当該添加剤としては、例えば、消泡剤、湿潤剤、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤等が挙げられる。含有されるべき添加剤の種類および量は、目的に応じて適切に選択され得る。
上記顔料分散液における着色顔料の分散は、例えば、公知のスラリー化方法により行うことができる。着色顔料の分散に用いられる分散装置としては、例えば、ディスパー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、サンドグラインドミル等が挙げられる。好ましくはディスパーである。
C−2.アニオン型分散樹脂
上記アニオン型分散樹脂の固形分濃度は、好ましくは10〜50質量%である。
上記アニオン型分散樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gであり、好ましくは60〜190mgKOH/gである。アニオン型分散樹脂の酸価がこのような範囲であれば、アニオン型分散樹脂と上記カチオン型合成樹脂エマルションとを上記特定の配合比(固形分質量比)で配合することと相まって、アニオン型分散樹脂とカチオン型合成樹脂エマルションとの電荷的な凝集が抑制され、かつ顔料分散安定性に優れる塗料を得ることができる。
上記アニオン型分散樹脂の数平均分子量は、3000〜35000であり、好ましくは6000〜16000である。アニオン型分散樹脂の分子量がこのような範囲にあれば、耐水性に優れるシーラー塗膜を得ることができる。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定することができる。
上記アニオン型分散樹脂は、好ましくは、カルボキシル基含有単量体由来の構造単位、およびカルボキシル基含有単量体と共重合可能なその他の単量体由来の構造単位を有する。アニオン型分散樹脂がカルボキシル基含有単量体由来の構造単位を有することにより、アニオン型分散樹脂の酸価を上記の適切な範囲に容易に調整することができる。
上記カルボキシル基含有単量体としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−モノエチレン型不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は、単独、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記その他の単量体は、上記カルボキシル基含有単量体と共重合し得る限り、任意の適切な単量体を採用し得る。上記その他の単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;ポリエチレンオキサイド鎖を有するエチレン性不飽和モノマー等が挙げられる。これらの単量体は、単独、または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記その他の単量体は、市販品を用いてもよい。例えば、上記その他の単量体としてポリエチレンオキサイド鎖を有するエチレン性不飽和モノマーを用いる場合、ポリエチレンオキサイド鎖を有するエチレン性不飽和モノマーの市販品の具体例としては、MA−50(日本乳化剤社製)、ブレンマーシリーズ(日本油脂社製)、アクアロンRN−10、アクアロンRN−20、アクアロンRN−50(いずれも第一工業製薬社製)、リアソープNE−10、リアソープNE−20、リアソープNE−30、リアソープNE−40(いずれもアデカ製)等が挙げられる。
上記アニオン型分散樹脂の重合方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。なかでも、好ましくは溶液重合法である。溶液重合法としては、例えば、上記カルボキシル基含有単量体および上記カルボキシル基含有単量体と共重合可能なその他の単量体を含む単量体混合物を、不活性溶媒中で適切な重合触媒を用いて、40〜180℃の反応温度において、1〜10時間反応させて重合する方法が挙げられる。上記単量体混合物における、上記カルボキシル基含有単量体の含有量は、上記所定の酸価となるように設定される。上記不活性溶媒は、好ましくは水溶性の溶媒である。上記不活性溶媒の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール;ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジグリコール類等;イソプロパノール、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類等が挙げられる。
以上のようにして重合されたアニオン型分散樹脂はそのままあるいは溶剤を減圧蒸留により除去した後、アンモニア、アミン、アルカリ金属塩等の塩基性化合物で中和し、水を加えて水溶化(水分散)する。当該塩基性化合物の使用量としては、アニオン型分散樹脂中のカルボキシル基に対して、好ましくは0.1〜2.0当量である。
C−3.着色顔料
上記着色顔料は、任意の適切な着色顔料を採用し得る。着色顔料の具体例としては、酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾレッド、キナクリドンレッド、ベンツイミダゾロンイエロー等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、実施例における部および%は質量基準である。
(製造例1)アニオン型分散樹脂(a−1)の調製
攪拌器、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた四ツ口フラスコに、ブチルセロソルブ50部を仕込み、窒素気流中で攪拌し、120℃まで昇温させた後、n−ブチルアクリレート50部、メチルメタクリレート25部、スチレン10部、メタクリル酸15部とカヤエステルO(重合開始剤、化薬アクゾ社製)2部を混合し、3時間かけて反応容器内に等速滴下した。
滴下終了後、1時間熟成を行い、液温を50℃まで低下させた後、トリエチルアミン18部及び水164部を徐々に混合し、pH=8.0、樹脂固形分30%のアニオン型分散樹脂(a−1)を得た。
(製造例2〜3)アニオン型分散樹脂(a−2)および(a−3)の調製
配合割合を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にしてアニオン型分散樹脂(a−2)および(a−3)(いずれもpH=8.0、樹脂固形分30%)を得た。なお、MA−50はポリエチレンオキサイドを有するエチレン性不飽和モノマー(日本乳化剤社製)である。
(比較製造例1〜3)アニオン型分散樹脂(a−4)〜(a−6)の調製
配合割合を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にしてアニオン型分散樹脂(a−4)〜(a−6)(いずれも、pH=8.0、樹脂固形分30%)を得た。なお、ドデシルメルカプタンは分子量調整剤として用いた。
Figure 2010215871
(製造例4)カチオン型合成樹脂エマルションの製造
撹拌器、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた四ツ口フラスコに、イオン交換水150部と反応性乳化剤としてのジアリルアルキルエタノールアンモニウムクロライド(アデカノールSDX−236、アデカ社製)4部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に75℃まで昇温した。その後、重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩の10%水溶液4部を添加し、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部、ブチルアクリレート47部、メチルメタクリレート10部、およびスチレン30部からなる単量体混合物を上記フラスコ中に3時間かけて滴下し、75℃のままで更に3時間反応を続けた。冷却後、95%ギ酸1.6部を添加して、固形分40.2%、粘度300cP(25℃)、pH4.1、平均粒子径0.1μmのカチオン型合成樹脂エマルションを得た。
(実施例1)カチオン型着色シーラー組成物(A−1)の調製
容器内に水170部とアニオン型分散樹脂(a−1)10部を仕込みディスパーで攪拌混合した。溶液が均一になった後、ディスパーで攪拌を続けながら酸化チタンCR−90(石原産業製)を70部混合した後、10分間攪拌し、顔料分散液を得た。次に、得られた顔料分散液をディスパーで攪拌しながら、当該顔料分散液にカチオン型合成樹脂エマルション(固形分40.2%)450部を添加した。次に、ブチルセロソルブ40部、アデカノールUH−420(増粘剤、アデカ社製)10部、SNデフォーマー760(消泡剤、サンノプコ社製)2部、水248部を添加し5分攪拌し、カチオン型着色シーラー組成物(A−1)を得た。
(実施例2〜4)カチオン型着色シーラー組成物(A−2)〜(A−4)の調製
アニオン型分散樹脂(a−1)10部に代えて、表2に示すアニオン型分散樹脂の種類および配合量に変更し、カチオン型合成樹脂エマルション(固形分40.2%)の配合量を表2に示す配合量に変更した以外は、実施例1と同様にしてカチオン型着色シーラー組成物(A−2)〜(A−4)を得た。
(比較例1〜4)カチオン型着色シーラー組成物(A−5)〜(A−8)の調製
アニオン型分散樹脂(a−1)10部に代えて、表2に示すアニオン型分散樹脂の種類および配合量に変更し、カチオン型合成樹脂エマルション(固形分40.2%)の配合量を表2に示す配合量に変更した以外は、実施例1と同様にしてカチオン型着色シーラー組成物(A−5)〜(A−8)を得た。
(比較例5)カチオン型着色シーラー組成物(A−9)の調製
アニオン型分散樹脂(a−1)10部に代えて、カチオン型分散樹脂(EFKA ADDITIVES社製、EFKA4550、固形分50%)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてカチオン型着色シーラー組成物(A−9)を得た。
[評価]
得られたカチオン型着色シーラー組成物について、以下の方法により、凝集物の有無、塗料の経時安定性、及び耐水性を評価した。評価結果を表2に示す。
<凝集物の有無>
塗料組成物をガラス板に6milアプリケーターで塗装し(乾燥膜厚約35μm)、室温で3時間乾燥させた。その後、乾燥した塗膜の表面を肉眼で観察し、凝集物の有無を判定した。
×・・・凝集物が全面に観察された
△・・・凝集物が僅かに観察された
○・・・凝集物が全く観察されなかった

<塗料の経時安定性>
塗料組成物80ccを100ccのガラス容器に入れて密閉し、50℃に1週間放置した後、塗料状態を肉眼で評価した。
×・・・顔料分散相と樹脂相との分離および/またはニス浮きが観察された
○・・・顔料分散相と樹脂相との分離および/またはニス浮きが全く観察されなかった

<耐水性>
スレート板にカチオン型着色シーラー組成物(A−1)〜(A−9)を刷毛にて塗装し(乾燥膜厚40μm)、20℃で3時間乾燥させた。その上にさらにオーデフレッシュSi100II(1液形シリコン樹脂塗料、日本ペイント社製)を6milアプリケーターで塗装した(乾燥膜厚約150μm)。その後、20℃、相対湿度75%の条件下で3日間乾燥させ、20℃の水に24時間浸漬した後、塗膜の状態を肉眼で評価した。なお、耐水性は凝集物の有無および塗料の経時安定性に問題のないサンプルのみ実施した。
良好・・・フクレが全く生じていない
不良・・・フクレが生じていた
− ・・・評価実施せず
Figure 2010215871
表2に示す実施例の結果より、本発明のカチオン型着色シーラー組成物は、顔料を分散するための分散樹脂としてアニオン型分散樹脂を用いても、耐水性に優れ、凝集物が生じないことが分かる。また、本発明のカチオン型着色シーラー組成物は、分散樹脂にカチオン型分散樹脂を用いた場合(比較例5)よりも、塗料の経時的安定性に優れることが分かる。
これらの効果は、アニオン型分散樹脂の酸価、アニオン型分散樹脂の数平均分子量、およびアニオン型分散樹脂とカチオン型合成樹脂エマルションとの固形分質量比を特定の値とすることにより得られる。
本発明のカチオン型着色シーラー組成物は、建築物外装、橋梁、床、建材等の塗装に好適に利用され得る。

Claims (1)

  1. カチオン型合成樹脂エマルションと顔料分散液とを混合して得られるカチオン型着色シーラー組成物であって、
    該顔料分散液が、アニオン型分散樹脂および着色顔料を含み、該アニオン型分散樹脂の酸価が30〜200mgKOH/g、数平均分子量が3000〜35000であり、
    該アニオン型分散樹脂と該カチオン型合成樹脂エマルションの固形分質量比(アニオン型分散樹脂/カチオン型合成樹脂エマルション)が、0.1/100〜8/100である、
    カチオン型着色シーラー組成物。
JP2009067281A 2009-03-19 2009-03-19 カチオン型着色シーラー組成物 Active JP5570132B2 (ja)

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