JP2010215775A - 硬化性樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】指紋が付着しても目立ちにくく、容易に拭き取りが可能であり、クリアタイプフィルムに適用可能な硬化性樹脂組成物およびフィルムを提供する。
【解決手段】多官能(メタ)アクリレート化合物、有機微粒子を含有し、オレイン酸接触角が10度以下、水接触角が87度以下である硬化性樹脂組成物であって、プラスチックフィルムに塗布、硬化させた際にフィルム全体のヘーズが1以下となることを特徴とする硬化性樹脂組成物。また、該硬化性樹脂組成物をプラスチックフィルムに塗布し、硬化したことを特徴とするフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物およびフィルムにおける、指紋等の付着による汚れの改良に関する。
プラスチックはその加工性、透明性等に加えて、軽量、安価といった特長を有することから、自動車業界、家電業界を始めとして種々の産業で使用されており、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイやタッチパネル、パーソナルコンピュータなどのディスプレイ用としても広く用いられている。しかし、ガラスと比較して柔らかく、表面が傷つきやすい等の欠点を有している。
この欠点を改良するために、シリコーン系、またはアクリル系の樹脂バインダー中に、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、シリカなどの金属酸化物微粒子を配合したコート剤が用いられている。このコート剤はフィルムの表面に塗工して乾燥させた後に加熱、または紫外線にて硬化することにより、表面に傷が付きにくい硬化物を作製できる。
一方、このようなコート層を設けたフィルムは指紋等の油分が付着しやすく、例えばディスプレイの表面保護フィルム等として用いた場合は指紋汚れが目立ち、ディスプレイの視認性を低下させる問題があった。そこで、コート層を撥油性にすることによって指紋等を付着しにくくし、付着した際にも容易に拭き取れるようにする試みがなされている。しかしながら、コート層を撥油性にしても完全に指紋の付着を防止することは困難であり、付着した指紋がコート層表面で油滴状となるため、かえって視認性が低下する問題が生じていた。つまり、汚れを拭き取りやすいが、汚れが目立つため拭き取りは頻繁に行う必要があった。
特許文献1〜3には、指紋等の油分とのなじみを向上させることで指紋等が付着しても目立ちにくく、拭き取りが容易なフィルムが開示されている。ただし、これらのフィルムはいわゆる防眩タイプであるため、フィルム自体に若干の曇り(ヘーズ)があり、指紋等をフィルムの曇りと区別できない程度に目立たなくすれば目的を達成できた。
特開2008−285686号公報 WO2004/046230号公報 特開2007−58162号公報
ところで、ディスプレイの保護フィルムとしては防眩タイプの他、画像の鮮鋭性を重視したクリアタイプが存在する。クリアタイプのフィルムはヘーズが小さいため、指紋等が僅かに付着しただけでも目立ってしまい、指紋を拭き取る際にも完全に拭き取らないと跡が目立ってしまう。特許文献1〜3に開示された方法では、クリアタイプフィルムでは十分な性能が得られないため、クリアタイプフィルムに適用可能なコート剤が求められている。
本発明の課題は、表面硬度に優れ、指紋が付着しても目立ちにくく、クリアタイプフィルムに適用可能な硬化性樹脂組成物およびフィルムを提供することである。本発明の更なる課題は、指紋が付着しても容易に拭き取りが可能であり、クリアタイプフィルムに適用可能な硬化性樹脂組成物およびフィルムを提供することである。
本発明は、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有し、オレイン酸接触角が10度以下である硬化性樹脂組成物であって、プラスチックフィルムに塗布、硬化させた際にフィルム全体のヘーズが1以下となることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。本発明の別の形態は、前記硬化性樹脂組成物をプラスチックフィルムに塗布し、硬化させたことを特徴とするフィルムである。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いて形成したコート層は、指紋が付着しても目立ちにくいため、頻繁に拭き取りを行う必要がない。また、指紋等が目立つようになった場合であっても、容易に拭き取ることができる。コート層はクリアであるため、指紋汚れに強いクリアコート層を形成できる。さらに、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、硬化したフィルムは表面硬度にも優れるため、指紋汚れに強いクリアコートフィルムとなる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する。多官能(メタ)アクリレート化合物は(メタ)アクリレート基を複数有する化合物であり、具体的にはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、多官能ウレタンアクリレートのような変性化合物であっても良い。中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートはコート層の耐擦傷性、透明性に優れることから好ましい。これらの多官能(メタ)アクリレート化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、オレイン酸接触角が10度以下である必要がある。オレイン酸接触角が10度以下であることにより、指紋が付着しても目立ちにくくなる。主成分となる前期多官能(メタ)アクリレート化合物は、オレイン酸接触角が10度を超える場合が多く、何らかの方法でオレイン酸接触角を10度以下まで引き下げる必要がある。この方法は特に限定されないが、例えば、いわゆる親油性樹脂を添加する方法が挙げられる。親油性樹脂の具体例として、フッ素変性樹脂である旭硝子社製の商品名ルミフロンLF200、LF302、LF400、LF600、LF600X、LF800、LF906N、LF910LM、LF916N、LF936、LF9010や、ポリシロキサン変性樹脂である富士化成社製の商品名ZX−058−A等が挙げられる。親油性樹脂の中でも、少量の添加によってオレイン酸接触角が10度以下にできるものが好ましい。親油性樹脂の添加量が多くなると、硬化性樹脂組成物中における多官能(メタ)アクリレート化合物の割合が相対的に低下し、コート層の表面硬度が低下する可能性がある。
本発明の硬化性樹脂組成物はクリアタイプフィルムに適用されるものであるため、プラスチックフィルムに塗布、硬化させた際にフィルム全体のヘーズが1以下である必要がある。具体的には、フィルムとして厚み100μmの易接着処理PETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4300)を用い、硬化後の樹脂膜厚が5μmとなるように硬化性樹脂組成物を塗布、硬化させ、フィルム全体のヘーズが1以下となればよい。硬化性樹脂組成物に対して、シリカ粒子や金属酸化物粒子等を一定量以上添加しなければ、ヘーズを1以下とすることができる。
硬化性樹脂組成物には、有機微粒子を配合することが好ましい。有機微粒子の配合により、指紋等が付着した際に、さらに目立ちにくくすることができる。有機微粒子としては、スチレン及び/またはメチルメタクリレートを重合したものや、これらと共重合可能な単量体、例えばアクリル酸エステル系単量体を共重合したものが好ましい。また、有機微粒子の平均一次粒子径は80〜500nmであることが好ましい。多官能(メタ)アクリレート化合物の樹脂固形分100重量部に対して、有機微粒子を1〜30重量部添加することが好ましく、5〜15重量部添加することがより好ましい。有機微粒子の添加量を1重量部以上とすることにより、指紋等が付着した際に目立ちにくくなる効果が顕著に発現する。また、有機微粒子の添加量が30重量部以下であれば、コート層の表面硬度の低下等の弊害を抑えることができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物の水接触角は87度以下であることが好ましい。水接着角が前記範囲内であれば、指紋等が付着した場合でも、指紋が目立たない程度にまで容易に拭き取ることができる。水接触角の調整方法は特に限定されないが、例えば、前記親油性樹脂の種類や添加量の調整を行ったり、親水性化合物を添加する方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には前記特性を損なわない範囲において、前記配合成分の他に、帯電防止剤、屈折率調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、光増感剤、レベリング剤、消泡剤、充填材、カップリング剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、分散剤等の各種添加剤を配合できる。
本発明の硬化性樹脂組成物を基材に塗布、硬化することにより、基材にクリアコート層を形成できる。基材としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂等、いずれも公知のものを用いることができる。形状としては、フィルムでも板でもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物のフィルムへの塗布方法、塗布厚みについては特に制限はなく、公知の方法、例えばグラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法などを用いることができ乾燥後塗膜の厚みを20μm以下となるように塗布する。より好ましくは、2〜8μmである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射したり、加熱することによって硬化させることができる。紫外線を照射する場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い、100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域で、100〜800mJ/cmのエネルギーを有する紫外線を照射する。電子線を照射する場合は、走査型あるいはカーテン型の電子線加速器を用い、加速電圧1000keV以下、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を照射する。
紫外線硬化を行う場合には、各種重合開始剤を使用してもよい。具体的には、ラジカル型重合開始剤としてベンゾフェノン及び他のアセトフェノン、ベンジル、ベンズアルデヒド及びo−クロロベンズアルデヒド、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、9,10−フェナントレンキノン、9,10−アントラキノン、メチルベンゾインエーテル、エチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオール−2−o−ベンゾイルオキシム及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。市販品としては、イルガキュア−184、イルガキュア−651(チバ・ジャパン社製、商品名)、ダロキュア−1173(メルク社製、商品名)などの光重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル、ジアセチルパーオキサイド、ジプロピルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ジカプリルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、p,p’−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、p,p’−ジメトキシベンゾイルパーオキサイド、p,p’−ジメチルベンゾイルパーオキサイドなどの熱重合開始剤が挙げられる。添加量は多官能(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
また、前記親油性樹脂が重合可能な樹脂である場合、対応する重合開始剤を添加することができる。例えば親油性樹脂がカチオン重合によって硬化する樹脂であれば、カチオン型重合開始剤を添加できる。カチオン型重合開始剤の具体例として、ヨードニウム塩系カチオン重合開始剤、スルホニウム塩系カチオン重合開始剤等が挙げられる。市販品としては、イルガキュア−250(チバ・ジャパン株式会社製、商品名)、CPI−100P(サンアプロ株式会社製、商品名)等の光重合開始剤が挙げられる。添加量は親油性樹脂100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。
実施例1
多官能(メタ)アクリレート化合物としてKAYARAD DPHA(日本化薬社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、商品名)100重量部に対し、親油性樹脂としてZX−058−A(富士化成工業社製、固形分50%、商品名)を固形分で5重量部配合し、重合開始剤としてイルガキュア184(チバ・ジャパン社製、商品名)をKAYARAD DPHA100重量部に対して5重量およびイルガキュア250(チバ・ジャパン社製、商品名)をZX−058−Aの樹脂固形分100重量部に対して5重量部配合し、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例1の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例2
実施例1において、ZX−058−Aの配合量を固形分で10重量部とした他は実施例1と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例2の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例3
実施例1において、ZX−058−Aの配合量を固形分で15重量部とした他は実施例1と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例3の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例4
実施例1において、有機微粒子スラリーとしてスタフィロイドEA−1135(ガンツ化成社製、スチレン−アクリル樹脂、平均一次粒子径130nm、固形分19%、商品名)を固形分で5重量部配合した他は実施例1と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例4の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例5
実施例4において、スタフィロイドEA−1135の配合量を固形分で10重量部とした他は実施例4と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例5の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例6
実施例4において、スタフィロイドEA−1135の配合量を固形分で15重量部とした他は実施例4と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例6の硬化性樹脂組成物を得た。
比較例1
実施例1において、ZX−058−Aの配合量を固形分で1重量部とした他は実施例1と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である比較例1の硬化性樹脂組成物を得た。
比較例2
実施例1において、ZX−058−Aを配合しなかった他は実施例1と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である比較例2の硬化性樹脂組成物を得た。
試験評価方法
実施例1〜6、比較例1、2の各硬化性樹脂組成物を厚み100μmの易接着処理PETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4300)に硬化後の樹脂膜厚が5μmとなるように塗布し、乾燥することによって溶剤を揮発させた後、紫外線照射機を用いて1500mW/cmの照射強度で仕事量が300mJ/cmの紫外線処理を行うことによりコートフィルムを作成し、以下の方法で試験評価を行った結果を表1に記載した。
(1)フィルム全体のヘーズ値(Hz)
JIS K 7136(2000年版)の規定に基づき、ヘイズメータ(東洋精機製作所社製、ヘイズガードII)を用いて測定した。
(2)全光線透過率(Tt)
JIS K 7361−1(1997年版)の規定に基づき、ヘイズメータ(東洋精機製作所社製、ヘイズガードII)を用いて測定した。
(3)指紋汚れの目立ちにくさ
オリーブオイル20%、ココナッツオイル20%、バルチミン酸10%、ステアリン酸5%、オレイン酸15%、パラフィンワックス10%、スクアレン5%、脂肪酸セチル15%、コレステロール5%からなる人工皮脂を調製し、さらにトルエンで人工皮脂を50%に希釈することにより、人工皮脂溶液を調製した(割合は重量基準)。#4バーコーター(塗布厚約9μm)を用いて人工皮脂溶液をPETフィルム上に塗布し、110℃で10分間乾燥させることによってPETフィルム上に人工皮脂層を形成した。直径1.5cmのシリコン栓を2kgfの荷重で10秒間人工皮脂層に押し付け、シリコン栓に人工皮脂を付着させた。人工皮脂を付着させたシリコン栓を2kgfの荷重で10秒間コートフィルムに押し付けることにより、人工皮脂を付着させた。前記作業を繰り返して各コートフィルムに人工指紋を3ヵ所ずつ付着させた。各付着部位毎に2ヶ所、計6ヶ所について前記方法でヘーズ値を測定することによって人工指紋付着によるヘーズ値の差を算出し、最大値と最小値を除いた値の平均値を以下のように3段階で評価した。
◎:目立たない(ヘーズ差 1.5%以下)
○:ほとんど目立たない(ヘーズ差 1.6〜2.5%以下)
×:目立つ(ヘーズ差 2.6%以上)
(4)接触角
表面接触角測定装置(協和界面化学社製、CA−X型接触角計)を用いて、オレイン酸の接触角及び水の接触角を測定した。
(5)指紋拭き取り性
ワイピングクロス(日本製紙クレシア社製、商品名キムワイプ)を用いて指紋付着部を500g荷重でラビングし、指紋が目視にて確認できなくなる回数を測定し、以下のように指紋の拭き取り性を判定した。
◎:5往復以内
○:6〜10往復
△:11〜20往復
×:21往復以上
(6)鉛筆硬度
JIS K 5600の規定に基づき、斜め45度に固定した鉛筆の真上から荷重をかけて引っ掻き試験を行い、傷の付かない鉛筆硬度を表示した。
(7)耐スチールウール性(耐SW性)
#0000スチールウールを用いて荷重2kgfでコートフィルム表面を10往復し、傷の本数を確認して以下のように評価した。
◎:傷なし
○:傷1〜10本
×:傷11本以上
Figure 2010215775
表1に記載のように、実施例1〜6はいずれも指紋汚れが目立ちにくく、特に有機微粒子を配合した実施例4〜6は指紋汚れの目立ちにくさに優れていた。また、実施例1〜6はいずれも光学特性、表面硬度とも良好であり、クリアタイプフィルムとして適している。一方、比較例1、2はオレイン酸接触角が10度を越えており、指紋汚れが目立つ結果となった。なお、表1記載の配合はDPHA、ZX−058−A、EA−1135のみ記載しており、固形分を基準としている。
実施例7
実施例5において、ZX−058−Aに代えてZX−204−A(富士化成工業社製、固形分48%、商品名)を固形分で0.01重量部配合し、イルガキュア250を配合しなかった他は実施例1と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例7の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例8
実施例7において、ZX−204−Aの配合量を固形分で0.025重量部とした他は実施例7と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例8の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例9
実施例7において、ZX−204−Aの配合量を固形分で0.05重量部とした他は実施例7と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例9の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例10
実施例7において、ZX−204−Aの配合量を固形分で0.1重量部とした他は実施例7と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例10の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例11
実施例7において、ZX−204−Aの配合量を固形分で1重量部とした他は実施例7と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例11の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例12
実施例7において、ZX−204−Aの配合量を固形分で10重量部とした他は実施例7と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例12の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例13
実施例7において、ZX−204−Aの配合量を固形分で25重量部とした他は実施例7と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である実施例13の硬化性樹脂組成物を得た。
比較例3
実施例7において、DPHAを配合せず、ZX−204−Aの配合量を固形分で100重量部とした他は実施例7と同様に行い、さらに希釈溶媒としてメチルエチルケトンを配合することにより、固形分30%である比較例3の硬化性樹脂組成物を得た。
実施例7〜13、比較例3の各硬化性樹脂組成物について、上記試験評価方法に基づいて評価を行い、結果を表2にまとめた。
Figure 2010215775
表2に記載のように、実施例7〜13はいずれも指紋汚れが目立ちにくく、指紋拭き取り性も良好であった。特に、水接触角が87度以下である実施例7〜9については、指紋拭き取り性が特に優れていた。また、実施例7〜13はいずれも光学特性、表面硬度とも良好であり、クリアタイプフィルムとしてさらに適している。一方、比較例3は多官能(メタ)アクリレート化合物を含有しないため、表面硬度が不十分であった。なお、表2記載の配合はDPHA、ZX−204−A、EA−1135のみ記載しており、固形分を基準としている。
本発明の硬化性樹脂組成物及び該硬化性樹脂組成物をプラスチックフィルムに塗布し、硬化したフィルムは、指紋が付着しても目立ちにくく表面硬度にも優れるため、指紋汚れに強いクリアコートフィルムとなる。このクリアコートフィルムは、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイやタッチパネル、パーソナルコンピュータなどのディスプレイ用途に好適である。また、実施例4〜6に示されるように、有機微粒子を含有することによって、指紋汚れの目立ちにくさをさらに向上させることができる。さらに、実施例7〜9に示されるように、水接触角が87度以下であることによって、指紋拭き取り性をさらに向上させることができる。

Claims (4)

  1. 多官能(メタ)アクリレート化合物を含有し、オレイン酸接触角が10度以下である硬化性樹脂組成物であって、プラスチックフィルムに塗布、硬化させた際にフィルム全体のヘーズが1以下となることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. さらに、有機微粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 水接触角が87度以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載に硬化性樹脂組成物をプラスチックフィルムに塗布し、硬化させたことを特徴とするフィルム。
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