JP2010213786A - 電子血圧計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子血圧計1は、上腕Tを挿入するための腕帯部2と、腕帯部2に空気を導入して上腕Tを加圧して血管情報を検出して、血管情報から血圧値を決定する血圧計本体部10であって、最高血圧値と最低血圧値が演算されるまで音楽を流す音楽選択モードM2と、加圧した上腕の減圧時に減圧値を音声でガイドして最高血圧値が決定したら最高血圧値を音声でガイドする音声ガイド選択モードM3とを選択可能な血圧計本体部10とを備える。
【選択図】図5
Description
測定者が前かがみになり測定者の姿勢が悪いと、測定者の腹部大動脈が圧迫されてしまい。測定者がリラックスできないばかりか最高血圧値と最低血圧値が上昇してしまう。従って、従来の電子血圧計では、正確な最高血圧値と最低血圧値が得られないおそれがある。
そこで、上記課題を解消するために、本発明は、測定者が表示部に表示される各種の値を目視で確認しなくてもリラックスした状態で、音声によるガイドと音楽によるガイドにより各種の値を認識することができる電子血圧計、特にコロトコフ音方式による電子血圧計を提供することを目的とする。
上記構成によれば、測定者が表示部に表示される各種の値を目視で確認しなくてもリラックスした状態で、音声によるガイドと音楽によるガイドにより各種の値を認識することができる。
上記構成によれば、測定者に対して、さらに音声により最高血圧値、最低血圧値、脈拍値、脈圧の少なくとも1つをガイドできるので、測定者が表示部に表示される各種の値を目視で確認しなくても良くリラックスした状態になる。
上記構成によれば、測定者に対して最高血圧値を音声でガイドした後に、腕帯部のカフの加圧を急速に解消できるので、測定者に対する負担を軽減できる。
上記構成によれば、測定者に対して最低血圧値を音声でガイド後に、腕帯部のカフの加圧を急速に解消できるので、測定者に対する負担を軽減できる。
上記構成によれば、測定者は腕帯部だけをもって上腕を通すだけで血圧測定ができる。
本発明の電子血圧計では、腕帯部は血圧計本体部の内部に配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、腕帯部と血圧計本体部が別体であるのに比べて、部品点数を減らすことができる。
本発明の電子血圧計では、血圧計本体部は、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、コロトコフ音を用いて血圧値等を検出できる。
図1は、本発明の電子血圧計の好ましい実施形態を示す斜視図である。
図1に示す電子血圧計1は、血圧測定方式の一例としてリバロッチ・コロトコフ法が用いられ、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行う装置である。図1に示す電子血圧計1は、腕帯部2と、血圧計本体部10を備えている。電子血圧計1では、腕帯部2は、血圧計本体部10とは別体になっている。腕帯部2と血圧計本体部10とは有線(電気信号線)3により電気的に接続され、しかも腕帯部2と血圧計本体部10とがエアーの給排気路であるフレキシブルなチューブ4により接続されている。
図1に示すように、腕帯部2は、血圧測定時に測定者の上腕Tを挿入して圧迫するために、上腕Tを差し込む構造を有している。これにより、この腕帯部2は、通常の腕帯と異なり測定者の上腕Tに対して腕帯を巻き付ける必要が無く、左右のいずれの上腕Tでも容易に血圧測定が可能である。
図1に示す腕帯部2は、ほぼ円筒状のハウジング11と、可撓性を有しており、250mmHg程度までの加圧に対して、膨張と収縮が可能な、塩化ビニル,合成ゴム,天然ゴムなどで形成されるカフ12と、2つのマイクロフォン13,14と、ノイズセンサ15を有している。ハウジング11は、例えばプラスチック製であり、D1方向に向けて僅かに先細りに形成されている。ハウジング11は、測定者の上腕TをD1方向に差し込むための貫通した開口部16を有している。この開口部16内には、カフ12が収容されている。腕帯部2は、さらに、このカフ12を覆い、上腕Tを挿入する挿入孔17に着脱自在なカフリング12aを備えている。このカフリング12aは、カフ12を保護すると同時に、上腕Tの挿入孔17への出し入れを容易にするため、両端部はO−リングで形成され、長さ方向W,円周方向Rのいずれにも伸縮自在なナイロン,スパンデックスなどのすべり性のあるストレッチ素材で形成している。カフ12内へは、血圧計本体部10内の破線で示すポンプ44,45の作動によりチューブ4を通じてエアーを供給してハウジング11内の上腕Tを圧迫でき、あるいはカフ12内からエアーを徐々に排気したり、あるいはカフ12内からエアーを急排気できる。
図2は、図1に示す血圧計本体部10の構造を平面図である。
図1と図2に示す血圧計本体部10は、ケーシング30と表示部31を有している。ケーシング30は、例えばプラスチック製の薄型の部材であり、上面部32と、前端面部33と後端面部34と、側面部35,36と、底面部42を有している。
図1と図2に示すように、上面部32には、開始/停止ボタン37と、音量ボタン38と、モード選択ボタン39と、窪み部分40と、表示部31が配置されている。開始/停止ボタン37は測定者が押すことで、血圧測定操作の開始あるいは停止をするためのボタンである。音量ボタン38は、後で説明する音楽によるガイドの音量と音声によるガイドの音量を調整するボタンである。モード選択ボタン39は、繰り返して押すことで後で説明する5つの血圧測定モードの内のいずれか1つを選択できるボタンである。
図3と図4の電子血圧計1の回路ブロックの破線で示すように、血圧計本体部10は、コロトコフ音(K音)検出システム50と、加圧システム51と、排気システム52と、圧力検出システム53と、電源システム54と、音声システム55と、制御システム56を有する。
図1に示すように、2つのマイクロフォン13,14は、開口部16に対して互いに対向した位置(上腕Tの動脈に近い位置と遠い位置)に配置されている。
すなわち、加圧して血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時の最初のK音信号が検出された時点の圧力を最高血圧値に設定し、更に減圧を続けて血管の管路断面積が十分に拡がり、K音信号が検出されなくなったら、最後のK音信号が検出された時点の圧力を最低血圧値に設定する。また、制御システム56は、最高血圧値と最低血圧値から得られる血管脈動またはK音信号の出現間隔から脈拍数を演算する。
電子血圧計1では、腕帯部2内のカフ12をポンプ44,45で加圧した後、微速度で排気して減圧しつつ圧力センサ64を用いて腕帯部2内のカフ12の圧力を検出すると同時に、マイクロフォンを用いてコロトコフ音(K音)を検出する。そして、電子血圧計1は、K音信号と、このK音信号の発生ポイントと消滅ポイントを検出することで、最高血圧値と最低血圧値を算出して、算出した最高血圧値と最低血圧値を表示部31に表示できる。
図3と図4に示す制御システム56は、メモリ部69に記憶された血圧測定プログラムに従って、測定者が複数の選択モード、たとえば5つの選択モードを選択して血圧測定できるようになっている。測定者は、図1に示すモード選択ボタン39を繰り返して押すことにより、この5つの選択モードを呼びだして選択する。
図5に示す血圧測定プログラムでは、通常モードM1、音楽の選択モードM2、音声ガイド選択モードM3、最高血圧モードM4、最低血圧モードM5を有する。以下に、これらのモードを順番に説明する。
図5に示すステップS1において、測定者が図1に示すモード選択ボタン39を押して通常モードM1を選択した場合には、ステップS2では測定者は図1の開始/停止ボタン37を押して血圧測定を開始する。ステップS3では、図3のポンプ44,45が全速力でカフ12を昇圧して、ステップS4では2つのマイクロフォン13,14が、測定者の血流音(血管情報)を検知して脈が消滅するまで全速力で腕帯部2内のカフ12を昇圧する。ステップS5では、制御システム56が脈の消失を判断したら腕帯部2内の昇圧を停止する。
そして、ステップS6では腕帯部2内のカフ12を少しずつ減圧(例えば2〜5mmHg/秒)していき、ステップS7では最高血圧値と最低血圧値を検出する。ステップS8では、最高血圧値と最低血圧値を図3の表示部31に表示して、ポンプ44,45と排気バルブ46を作動して腕帯部2内のカフ12を急排気する。このように、最高血圧値と最低血圧値を図3の表示部31に表示できた時点で、腕帯部2内のカフ12を急排気することで、測定者の上腕に対する圧迫を即座に解消できるので、測定者への負担を軽減できる。
また、図5に示すステップS1において、測定者が図1に示すモード選択ボタン39を押して音楽の選択モードM2を選択した場合には、ステップS2では測定者は図1の開始/停止ボタン37を押して血圧測定を開始する。ステップS3では、図3のポンプ44,45がカフ12を全速力で昇圧して、ステップS4では2つのマイクロフォン13,14が、測定者の血流音(血管情報)を検知して脈が消滅するまで全速力で腕帯部2内のカフ12を昇圧する。このように、図3のポンプ44,45がカフ12を全速力で昇圧を開始すると、ステップS9では図3のスピーカ43が音楽を流す。ステップS5では制御システム56が脈の消失を判断したら腕帯部2内のカフ12の昇圧を停止し、音楽も止める。
その後、ステップS12では、図3のスピーカ43は最高血圧値と、最低血圧値と、脈拍数と、脈圧の少なくとも1つを音声によるガイドでアナウンスして、ポンプ44,45と排気バルブ46を作動して腕帯部2内のカフ12を急排気する。これにより、最高血圧値と、最低血圧値と、脈拍数と、脈圧のうちのひとつ、あるいはこれらのうちの複数ないし全てを、音声によるガイドでアナウンスしながら腕帯部2内のカフ12を急排気することで、測定者の上腕に対する圧迫を即座に解消できるので、測定者への負担を軽減できる。
これにより、測定者は、血圧測定中は、快い音楽によりリラックスした状態で血圧測定できる。そして、測定者に対して、さらに音声によるガイドにより前記最高血圧値、前記最低血圧値、脈拍値、脈圧の少なくとも1つをアナウンスできるので、測定者が表示部に表示される各種の値を目視で確認しなくても良くリラックスした状態になる。このように、測定者は、音楽を聞きながらリラックスして血圧測定でき、測定者が血圧値等を表示部31において目視で前かがみになって確認する必要がない。従って、測定者の腹部大動脈が圧迫されず、最高血圧値と最低血圧値が上昇してしまうことがなくなり、正確な最高血圧値と最低血圧値が得られる。
さらに、図5に示すステップS1において測定者が図1に示すモード選択ボタン39を押して音声ガイド選択モードM3を選択した場合には、ステップS2では測定者は図1の開始/停止ボタン37を押して血圧測定を開始する。ステップS3では、図3のポンプ44,45が全速力でカフ12を昇圧して、ステップS4では2つのマイクロフォン13,14が、測定者の血流音を検知して脈が消滅するまで全速力で昇圧する。制御システム56が脈の消失を判断したら腕帯部2内の昇圧を停止する。
図5に示すステップS1において測定者が図1に示すモード選択ボタン39を押して最高血圧モードM4を選択した場合には、ステップS2では測定者は図1の開始/停止ボタン37を押して血圧測定を開始する。ステップS3では、図3のポンプ44,45が全速力でカフ12を昇圧して、ステップS4では2つのマイクロフォン13,14が、測定者の血流音を検知して脈が消滅するまで全速力で腕帯部2内のカフ12を昇圧する。制御システム56が脈の消失を判断したら腕帯部2内のカフ12の昇圧を停止する。
このように、最高血圧モードM4では、最高血圧値を音声によるアナウンス後に、急排気することができる。これにより、測定者に対して最高血圧値を音声によるガイドでアナウンスした後に、腕帯部の加圧を急速に解消できるので、測定者に対する負担を軽減できる。測定者は、音声ガイドを聞きながらリラックスして最高血圧値の測定ができ、測定者が最高血圧値を表示部31において目視で前かがみになって確認する必要がない。従って、測定者の腹部大動脈が圧迫されず、最高血圧値が上昇してしまうことがなくなり、正確な最高血圧値が得られる。測定者が表示部に表示される最高血圧値を目視で確認しなくてもリラックスした状態で音声によるガイドでアナウンスすることにより最高血圧値を確実に認識できる。
図5に示すステップS1において測定者が図1に示すモード選択ボタン39を押して最高血圧モードM4を選択した場合には、ステップS2では測定者は図1の開始/停止ボタン37を押して血圧測定を開始する。ステップS15では、少しずつ昇圧(例えば5mmHg/秒)していき、ステップS16では、図3のスピーカ43が腕帯部2内のカフ12の昇圧時のカフ値毎に、例えば10mmHg毎に圧力値を音声アナウンスする。ステップS17では最低血圧値を検出する。
その後、脈が消失したらステップS5ではカフ12の昇圧を停止して、ステップS18では図3のスピーカ43が最低血圧値を音声によるガイドでアナウンスをするとともに、ポンプ44,45と排気バルブ46を作動して腕帯部2内のカフ12を急排気する。
図1に示す電子血圧計1では、カフ12が内蔵された腕帯部2は、血圧計本体部10とは別体になっている。これに対して、図6に示す電子血圧計1Aでは、カフ2Bが内蔵された腕帯部2Aと血圧計本体部10Aが一体的に形成されている点が異なる。図6に示す電子血圧計1Aでは、腕帯部2Aが血圧計本体部10Aのケーシング100内に内蔵されている。これにより、腕帯部2Aに上腕Tを挿入することで血圧測定をすることができる。ケーシング100内のケーシング100の上部には、表示部31Aが配置されている。これにより、一体型の電子血圧計1Aは、別体型の電子血圧計1に比べて、部品点数を減らすことができる。腕帯部2Aは、さらに、このカフ2Bを覆い、上腕を挿入する挿入孔17Aに着脱自在なカフリング12Cを備えている。このカフリング12Cは、両端部はO−リングで形成され、長さ方向W,円周方向Rのいずれにも伸縮自在なナイロン,スパンデックスなどのすべり性のあるストレッチ素材で形成している。
上述した本発明の実施形態では、電子血圧計は、血圧測定方式としてリバロッチ・コロトコフ法が用いられ、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行うようになっているが、圧脈波(オシロメトリック法)等の他の血圧測定方式を採用しても良い。
Claims (7)
- 上腕を挿入するための腕帯部と、
前記腕帯部に空気を導入して前記上腕を加圧して血管情報を検出して、前記血管情報から血圧値を決定する血圧計本体部であって、
最高血圧値と最低血圧値が演算されるまで音楽を流す音楽選択モードと、加圧した前記上腕の減圧時に減圧値を音声でガイドして最高血圧値が決定したら前記最高血圧値を音声でガイドする音声ガイド選択モードとを選択可能な前記血圧計本体部と
を備えることを特徴とする電子血圧計。 - 前記血圧計本体部において前記音楽選択モードを選択した時には、前記最高血圧値と前記最低血圧値を演算後に、前記最高血圧値、前記最低血圧値、脈拍値、脈圧の少なくとも1つを前記音声でガイドすることを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
- 前記血圧計本体部では、前記最高血圧値を音声でガイドし、前記上腕を加圧している空気を急排気する最高血圧モードを選択可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子血圧計。
- 前記血圧計本体部では、前記腕帯部により加圧時に前記最低血圧値を演算して、前記最低血圧値を音声でガイドし、前記上腕を加圧している空気を急排気する最低血圧モードを選択可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の電子血圧計。
- 前記腕帯部と前記血圧計本体部が別体になっていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の電子血圧計。
- 前記腕帯部は前記血圧計本体部の内部に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の電子血圧計。
- 前記血圧計本体部は、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載の電子血圧計。
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