JP2010212675A - 有機電界発光素子、有機elディスプレイ、有機el照明及び有機el信号装置 - Google Patents
有機電界発光素子、有機elディスプレイ、有機el照明及び有機el信号装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 陽極、第一の有機層、発光層、第二の有機層、陰極がこの順で含まれる有機電界発光素子であって、第一の有機層又は発光層は、湿式成膜法で形成され、第一の有機層、及び第二の有機層における、正孔移動度又は、電子移動度がある規定を満たすことを特徴とする、有機電界発光素子。
【選択図】 なし
Description
現在実用化されている有機電界発光素子は、一般に比較的低分子量の化合物を高真空条件下で加熱し、上方に設置した基板に蒸着する手法を用いて製造されている。実用化の始まっている中小型のディスプレイではこの手法が採用されている。また、電極間の有機化合物層の膜厚を調整することで発光波長に合った光路長を選択することが可能であり、RGB各色の発光を最適化することが可能となっている。しかしながら、この真空蒸着法は大面積基板への均質な蒸着が困難であり、大型ディスプレイの製造には適していない。また蒸着源である有機材料の利用効率が低く、マスクにより塗りわけ回数が増えることで、製造コストが高いという問題も有している。
値以上にし、かつ発光層に隣接する有機層の正孔移動度、又は電荷移動度をある特定の値以上とすることで、上記課題を解決することを見出して、本発明に到達した。
即ち、本発明は、陽極、第一の有機層、発光層、第二の有機層、陰極がこの順で含まれ
る有機電界発光素子であって、第一の有機層又は発光層は、湿式成膜法で形成され、下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする、有機電界発光素子、並びに、これを備えた、有機ELディスプレイ、有機EL照明及び有機EL信号装置に存する。
μ(h2)≧1.0×10−4 (2)
μ(e2)≧1.0×10−4 (3)
(上記式中、μ(h1)は、発光層の正孔移動度(cm2/V・s)、
μ(e1)は、発光層の電子移動度(cm2/V・s)、
μ(h2)は、第一の有機層の正孔移動度(cm2/V・s)、
μ(e2)は、第二の有機層の電子移動度(cm2/V・s)、
を表す。また、電荷の移動度は電界強度の平方根が500(V/cm)0.5の時に得られる値である。)
本発明は、陽極、第一の有機層、発光層、第二の有機層、陰極がこの順で含まれる有機電界発光素子であって、第一の有機層又は発光層は、湿式成膜法で形成され、下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする、有機電界発光素子、並びに、これを備えた、有機ELディスプレイ、有機EL照明及び有機EL信号装置に存する。
μ(h2)≧1.0×10−4 (2)
μ(e2)≧1.0×10−4 (3)
(上記式中、μ(h1)は、発光層の正孔移動度(cm2/V・s)、
μ(e1)は、発光層の電子移動度(cm2/V・s)、
μ(h2)は、第一の有機層の正孔移動度(cm2/V・s)、
μ(e2)は、第二の有機層の電子移動度(cm2/V・s)、
を表す。また、電荷の移動度は電界強度の平方根が500(V/cm)0.5の時に得られる値である。)
本発明において「有機層」とは、有機化合物を含有する層をいう。
本発明の有機電界発光素子において、有機層とは、陽極及び陰極の間に配置される各層をいう。
本発明の有機電界発光素子における有機層の例としては、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等が挙げられる。
本発明における第一の有機層とは、陽極と発光層との間に有する有機層である。陽極と発光層との間に、2層以上含まれる場合は、発光層の陽極側で隣接している層を第一の有機層とする。
電荷移動度の測定方法)の項に記載の方法で測定した場合、通常1.0×10−4cm2/V・s以上、好ましくは1.2×10−4cm2/V・s以上、また通常1.5×10−4cm2/V・s以下である。
この範囲内であると、発光層への正孔注入性が良好になり、有機電界発光素子を低駆動電圧で駆動することが可能である。
また、第一の有機層は、正孔輸送性化合物を含有する層であることが好ましい。
正孔輸送性化合物は、モノマー(単一の分子量を有する化合物)であっても、オリゴマー(繰返し単位を有する低分子量高分子化合物)であっても、ポリマー(繰返し単位を有する高分子量高分子化合物)であってもよい。成膜性に優れる、あるいは熱耐性に優れる点で、正孔輸送性化合物はオリゴマーやポリマーのような繰返し単位を有する高分子化合物であることが好ましい。
正孔輸送性化合物が、モノマーである場合、分子量は、通常5000以下、好ましくは2500以下であり、また好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上である。分子量がこの上限を超えると、不純物の高分子量化によって精製が困難となる場合があり、また分子量がこの下限を下回ると、ガラス転移温度および、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれる場合がある。
上記範囲内であると、不純物の高分子量化がし難く、精製が容易であり、またガラス転移温度、融点及び気化温度が高く、耐熱性に優れる点で好ましい。
分散度が上記範囲内であると、精製が容易で、溶媒に対する溶解性が良好で、また成膜性に優れる点で好ましい。
第一の有機層を形成する材料としては、正孔輸送能が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また、多くの場合、発光層に接するため、発光層からの発光を消光したり、発光層との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
れている材料から選択すればよく、例えば、前述の正孔注入層に使用される正孔輸送性化合物として例示したものが挙げられる。また、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる高分子化合物であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、AraまたはArbが異なっているものであってもよい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環または2〜5縮合環由来の基およびこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
連結してなる基(例えば、ビフェニル基やターフェニル基)が好ましい。
中でも、ベンゼン環由来の基(フェニル基)、ベンゼン環が2環連結してなる基(ビフェニル基)およびフルオレン環由来の基(フルオレニル基)が好ましい。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)および/または下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する高分子化合物が好ましい。
Xの具体例としては、酸素原子、置換基を有していてもよいホウ素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、置換基を有していてもよいケイ素原子、置換基を有していてもよいリン原子、置換基を有していてもよいイオウ原子、置換基を有していてもよい炭素原子またはこれらが結合してなる基である。
Arc〜Arjの具体例としては、前記式(II)における、Ara及びArbと同様である。
正孔輸送性化合物の構造は特に限定しないが、下記式(4)で表される構造を部分構造として有する化合物であることが好ましい。
本発明にかかる正孔輸送性化合物は、不溶化基を有する化合物であることが好ましい。つまり、第一の有機層は、不溶化基を有する化合物を不溶化して得られる層であることが好ましい。
不溶化基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により反応する基であり、反応後は反応前に比べて有機溶媒や水への溶解性を低下させる効果を有する基である。
本発明においては、不溶化基は、解離基又は架橋性基であることが好ましい。
また、本発明にかかる正孔輸送性化合物は、不溶化基として、架橋性基を有しているこ
とが、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により起こる反応(不溶化反応)の前後で、溶媒に対する溶解性に大きな差を生じさせることができる点で好ましい。
架橋性基としては、不溶化がしやすいという点で、例えば、架橋性基群Tに示す基が挙げられる。
[架橋性基群T]
エポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基などのカチオン重合によって不溶化反応する基が、反応性が高く不溶化が容易な点で好ましい。中でも、カチオン重合の速度を制御しやすい点でオキセタン基が特に好ましく、カチオン重合の際に素子の劣化をまねくおそれのあるヒドロキシル基が生成しにくい点でビニルエーテル基が好ましい。
また、架橋性基の中でも、不溶化後の構造が特に安定な点で、ベンゾシクロブテン環由来の基が特に好ましい。
架橋性基は分子内の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基に直接結合してもよいが、2価の基を介して結合してもよい。この2価の基としては、−O−基、−C(=O)−基又は(置換基を有していてもよい)−CH2−基から選ばれる基を任意の順番で1〜30個連結してなる2価の基を介して、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基に結合することが好ましい。
本発明にかかる正孔輸送材料は、不溶化基として、解離基を有していることが不溶化後(解離反応後)の電荷輸送能に優れる点で好ましい。
ここで、解離基とは、結合している芳香族炭化水素環から70℃以上で解離し、さらに溶媒に対して可溶性を示す基をいう。ここで、溶媒に対して可溶性を示すとは、化合物が熱及び/又は活性エネルギー線の照射によって反応する前の状態で、常温でトルエンに0.1重量%以上溶解することをいい、化合物のトルエンへの溶解性は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。
する基であり、逆ディールスアルダー反応により熱解離する基であることがより好ましい。
またさらに、100℃以上で熱解離する基であることが好ましく、300℃以下で熱解離する基であることが好ましい。
解離基が2価の基である場合の具体例は、以下の<2価の解離基群A>の通りである。
<2価の解離基群A>
<1価の解離基群B>
不溶化性化合物としては、不溶化基を有する正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。正孔輸送性化合物としては、上記の例示したものが挙げられ、これら正孔輸送性化合物に対して、不溶化基が主鎖または側鎖に結合しているものが挙げられる。特に不溶化基は、アルキレン基等の連結基を介して、主鎖に結合していることが好ましい。また、特に正孔輸送性化合物としては、不溶化基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましく、上記式(II)や式(III−1)〜(III−3)に不溶化基が直接または連結基を介して結合した繰り返し単位を有する高分子化合物であることが好ましい。
正孔輸送性化合物の例を挙げると、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等の含窒素芳香族化合物誘導体;トリフェニルアミン誘導体;シロール誘導体;オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。その中でも、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン
誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体等の含窒素芳香族誘導体;トリフェニルアミン誘導体、シロール誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが好ましく、特に、トリフェニルアミン誘導体、つまり前記式(4)で表される構造を部分構造として有する化合物、がより好ましい。
本発明における正孔輸送性化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<正孔輸送性化合物の具体例>
第一の有機層には、本発明の効果を損なわない限り、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、各種の電子受容性化合物、発光材料、バインダー樹脂、レベリング剤、消泡剤等の塗布性改良剤などが挙げられる。尚、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任煮の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
陽極と発光層との間に有機層が一層である場合、つまり、第一の有機層のみである場合は、第一の有機層に、後述の電子受容性化合物を含有することが好ましい。
第一の有機層を湿式成膜法により形成する場合、第一の有機層を構成する正孔輸送性化合物、及び必要に応じて、その他の成分を適切な溶媒と混合して成膜用の組成物(第一の
有機層形成用組成物)を調製して用いる。
本発明にかかる、第一の有機層形成用組成物は、通常溶媒を含む。
溶媒の沸点は、通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶媒の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶媒の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があり、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
陽極と発光層との間に有機層が一層である場合、つまり、第一の有機層のみである場合は、第一の有機層形成用組成物に、電子受容性化合物を含有することが好ましい。
電子受容性化合物の例としては、例えば、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等の有機基の置換したオニウム塩、塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物、テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物、フラーレン誘導体、ヨウ素等が挙げられる。
電子受容性化合物として好適な有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホ
ウ素化合物の具体例としては、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のものが挙げられ、その好ましい例も同様である。例えば、下記構造式で表わされる化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第一の有機層形成用組成物における、電子受容性化合物の含有量は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。尚、第一の電荷輸送層形成用組成物には、電子受容性化合物が2種以上含まれていてもよく、その場合は2種以上の合計が上記範囲となることが好ましい。
[成膜方法]
第一の有機層形成用組成物は、基板や他の層の上などに湿式成膜法により形成される。
本発明において湿式成膜法とは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等湿式で成膜される方法をいう。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。これは、有機電界発光素子に用いられる湿式成膜用の組成物特有の液性に合うためである。
成膜後の膜に、加熱乾燥や減圧乾燥などをおこなってもよい。
正孔輸送性化合物が、不溶化基を有する化合物である場合、上記の通り成膜後、加熱及び/または活性エネルギー線の照射により、不溶化性化合物が不溶化反応を起こし膜が得られる。
また、加熱手段としては特に限定されないが、形成された膜を有する基板あるいは積層体をホットプレート上にのせたり、オーブン内で加熱したりするなどの手段が用いられる。例えば、ホットプレート上で120℃以上、1分間以上加熱する等の条件を用いることができる。
加熱及び/または活性エネルギー線の照射は、実施後に層が含有する水分及び/または層の表面に吸着する水分の量を低減するために、窒素ガス雰囲気等の水分を含まない雰囲気で行うことが好ましい。同様の目的で加熱及び/または活性エネルギー線の照射を組み合わせて行う場合には、少なくとも上の層の形成直前の工程を窒素ガス雰囲気等の水分を含まない雰囲気で行うことが特に好ましい。
このようにして形成される本発明における第一の有機層の膜厚は、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、また通常100nm以下、好ましくは80nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。
本発明においては、第一の有機層の上に設けられ有機層であり、電界を与えられた電極間(陽極、及び陰極)において、陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
となるが、発光材料をドーパント材料として、電荷輸送材料をホスト材料として発光層を構成するような場合には、ホスト材料の移動度によって発光層の移動度を定義する。この場合、ホスト材料が2種類以上の化合物によって構成されている場合は、その混合膜の移動度として定義される。
この範囲内であると、発光層内での電荷の再結合が起こる領域を第一の有機層との界面から離すことが可能である。第一の有機層、および発光層をともに湿式で成膜した場合、塗布/塗布界面での材料の混合などによる発光層中の励起状態の失活を避けることが可能なり、第一の有機層を不溶化基を有するポリマーで成膜した場合、未反応不溶化基と電子、あるいは励起状態との反応による素子の劣化を避けることが可能になり、高効率、長寿命な素子を作製することが可能である。
発光層に用いられる材料としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。
なお、溶媒への溶解性を向上させる目的で、発光材料の分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基を導入したりすることが好ましい。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光発光材料)としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、クリセン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光発光材料)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
周期表第7〜11族から選ばれる金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。
以下に、発光材料の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、Meはメチル基を、Hexはヘキシル基である。
<発光材料の例示>
本発明の有機電界発光素子は、発光層を構成する材料として、さらに電荷輸送材料を含有していてもよい。
本発明においては、電荷輸送材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電荷輸送材料は、従来有機電界発光素子の発光層に用いられている化合物であればよく、特に発光層のホスト材料として使用されている化合物が好ましい。
電荷輸送材料として具体的には、芳香族アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、オリゴチオフェン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ベンジルフェニル系化合物、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン系化合物、シラザン系化合物、シラナミン系化合物、ホスファミン系化合物、キナクリドン系化合物、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、カルバゾール系化合物、ピリジン系化合物、フェナントロリン系化合物、オキサジアゾール系化合物、シロール系化合物等が挙げられる。
代表わされる2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4',4''−トリス(1−ナフ
チルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン系化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン系化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2',7,7'−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9'−スピ
ロビフルオレン等のフルオレン系化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール系化合物、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−
オキサジアゾール(BND)などのオキサジアゾール系化合物、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)等のシロール系化合物、バソフェナントロリン(BPhen)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)などのフェナントロリン系化合物等が挙げられる。
<電荷輸送性材料の例示>
発光層を湿式成膜法により形成する場合、発光層を構成する発光材料及び電荷輸送材料、並びに必要に応じて、その他の成分を適切な溶媒と混合して成膜用の組成物(発光層形成用組成物)を調製して用いる。
(溶媒)
また、溶媒は、発光材料及び電荷輸送材料が良好に溶解する溶媒であれば特に限定されない。
以下に溶媒の具体例を挙げるが、本発明の効果を損なわない限り、これらに限定されるものではない。
また、より均一な膜を得るためには、成膜直後の液膜から溶媒が適当な速度で蒸発することが好ましい。このため、溶媒の沸点は通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、また、通常270℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは沸点230℃以下である。
(2−3.成膜方法)
本発明における発光層の形成方法は、成膜性に優れる点で、湿式成膜法で行うことが好ましい。
明における湿式成膜法が挙げられ、中でも好ましくは、スピンコート法及びインクジェット法である。
発光層の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
第二の有機層は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成される。尚、第二の有機層は、発光層と陰極との間に含まれる。後述の第三の有機層がない場合は、発光層と隣接して設けられる。また、第三の有機層がある場合は、第三の有機層の陰極側で隣接して設けられる。
この範囲内であると、発光層への電子注入性が良好になり、有機電界発光素子を低駆動電圧で駆動することが可能である。
第二の有機層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
第二の有機層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
陽極2から移動してくる正孔が陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送する役割とを有する層である。尚、第三の有機層は
、発光層と第二の有機層との間に含まれる。
本発明における第三の有機層の電子移動度μ(e3)は、後述の[5.電荷移動度]の項に記載の方法で測定した場合、通常1.0×10−4cm2/V・s以上、好ましくは1.2×10−4cm2/V・s以上、また通常1.5×10−4cm2/V・s以下である。
第三の有機層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす第三の有機層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号パンフレットに記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、第三の有機層の材料として好ましい。
第三の有機層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
第三の有機層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
(5−1.電荷移動度の測定方法)
正孔移動度、及び電子移動度は、公知の手法で測定することが可能であるが、例えば、TOF法(Time of flight)により測定することができる。本発明における電荷移動度はTOF法によって測定を行った。
以下、TOF法による測定方法を示す。
電荷移動度測定用サンプル(以下、「測定サンプル」とする)の作製例を以下に述べる。測定サンプルは、基板上に形成された電極上に、移動度を測定したい化合物からなる層を成膜(以下、「化合物膜」とする)し、化合物膜の上に対向電極を形成することで作製できる。このとき、どちらか一方の電極が光を透過する電極である必要がある。化合物膜の成膜方法は特には限定されない。化合物膜の膜厚は特には限定されないが、測定の精度を上げるためにはサブミクロンからミクロンオーダーの厚みで成膜することが好ましい。
上記のようにして作製した測定サンプルを用いて電荷移動度の測定を行う。25℃において、測定サンプルに電圧を印加した状態で、測定サンプルの透明電極側からパルス光を照射する。化合物膜の透明電極側表面に生成した電荷が、測定サンプルに印加されている電圧によって対向電極まで移動する。電荷が対向電極まで到達すると、電流は流れなくな
る。測定サンプルを流れる電流を、シャント抵抗を用いて電流−電圧変換を行い、オシロスコープを用いて電圧波形を観測することで、電荷が化合物膜中を移動するのに要した時間を測定することでできる。測定の感度が悪い場合には、電圧増幅装置を用いることもできる。
μ=d/[T×(V/d)] (cm2/V・s)
と算出することができる。
μ(E)=μ(0)×exp(β×√E)
E=V/d
μ(0)=zero−field mobility
β:Poole−Frenkel factor
を用いて実測データをフィッティングすることで任意の電界強度における電荷移動度を算出することができる。
本発明に記載の電荷移動度は、電界強度の平方根の値が500(V/cm)0.5の際の値を指す。
本発明の構成とすることで、本発明の効果が得られる理由を以下の通り推測する。
本発明の構成とすることで、有機電界発光素子における、発光層の発光領域を、湿式成膜法で形成された層が隣接する界面から離すことができる。
発光層の発光領域が、湿式成膜法で形成された層が隣接する界面にある場合、電子と未反応架橋性基との反応が起こったり、励起子がクエンチされたりして、得られる素子の発光効率が低く、駆動寿命が短いおそれがある。
一方、本発明の有機電界発光素子では、上記の現象が起きず、駆動電圧が低く、発光効率が高く、さらに駆動寿命が長い素子が得られる。
本発明の有機電界発光素子が、前記発光層と前記第二の有機層との間に、前記第三の有機層を有する場合、下記に詳述の測定方法で、第三の有機層における励起エネルギーが、発光層における項励起エネルギーよりも大きいことが好ましい。
いて最も励起エネルギーの低い化合物が前記関係を満たせばよい。
上記範囲内であると、発光層の再結合領域が第三の有機層との界面近傍であっても、発光層内で生成した励起状態が第三の有機層に拡散していくことを防ぐことができるので、高効率、長寿命な素子を作成することができる。
本発明における一重項励起エネルギーは、化合物の蛍光発光スペクトルにおける最短の極大波長から求められる。また、三重項励起エネルギーは、化合物の燐光発光スペクトルにおける最短の極大波長から求められる。
励起エネルギーの測定方法は、公知の測定方法で測定することが可能であるが、例えば、ストリークスコープC4334(浜松ホトニクス社製)を用いて測定することができる。
まず、測定対象の化合物を溶媒に溶解させて、0.1mmol/l〜0.1mol/lの溶液を調製する。
化合物からの発光の、時間、波長によって、蛍光、および燐光発光の成分を切り分け、それぞれの最短の極大波長から、一重項、および三重項励起エネルギーを算出することができる。
以下に、本発明の方法で製造される有機電界発光素子の層構成およびその一般的形成方法等について、図1を参照して説明する。
図1は本発明にかかる有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
基板は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、
カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
(正孔注入層)
正孔注入層は、陽極2から発光層へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。
正孔注入層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
湿式成膜により正孔注入層を形成する場合、通常は、正孔注入層を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物および溶剤を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。
正孔注入層の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種または2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種または2種以上とを併用することが好ましい。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Ar1〜Ar16の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
R1およびR2が任意の置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
クリレート等でキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
正孔注入層用組成物は電子受容性化合物を含有していることが好ましい。電子受容性化
合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げられる。さらに具体的には、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンダフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開第2005/089024号パンフレット);塩化鉄(III)(特開平11−251067
号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素等が挙げられる。これらの電子受容性化合物は、正孔輸送性化合物を酸化することにより正孔注入層の導電率を向上させることができる。電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があし、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
(成膜方法)
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。
成膜工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常80%以下である。
成膜後、通常加熱等により正孔注入層形成用組成物の膜を乾燥させる。加熱工程において使用する加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブンおよびホットプレートが好ましい。
真空蒸着により正孔注入層を形成する場合には、正孔注入層の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種または2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合はそれぞれ独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層を形成することもできる。
限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、通常5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上で、好ましくは50℃以下で行われる。
正孔輸送層は、正孔注入層の上に設けられる。正孔輸送層は、前記[第一の有機層]に記載の材料、及び成膜方法で形成することができる。材料、及び成膜方法の好ましい態様も同様である。
{発光層}
発光層は、前記[発光層]の項で記載の材料、成膜方法で形成することができる。好ましい材料、及び方法も同様である。
電子輸送層は、発光層上に設けられる。電子輸送層は、前記[第二の有機層]に記載の材料、及び成膜方法で形成することができる。材料、及び成膜方法の好ましい態様も同様である。
{正孔阻止層}
発光層と電子輸送層との間に、正孔阻止層を有しているのが好ましい。正孔阻止層は、前記[第三の有機層]に記載の材料、及び成膜方法で形成することができる。材料、及び成膜方法の好ましい態様も同様である。
電子注入層8は、電子輸送層の上に設けられ、陰極から注入された電子を効率良く発光層へ注入する役割を果たす。
電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
電子注入層8の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
{陰極}
陰極は、発光層側の層(電子注入層8または発光層など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせお
よび比率で併用してもよい。
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
<電子阻止層>
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
さらに陰極と発光層または電子輸送層との界面に、例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(II)(CsCO3)等で形成された極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率
を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters,1997年, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE
Transactions on Electron Devices, 1997年,Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
本発明の有機電界発光素子は、有機EL表示装置、有機EL照明及び有機EL信号装置に使用される。本発明により得られる有機電界発光素子は、例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社,平成16年8月20日発行,時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、有機ELディスプレイ、有機EL表示装置及び有機EL照明を形成することができる。
[電荷移動度の測定]
(参考例1)
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nmの厚さに堆積したもの(三容真空社製、スパッタ成膜品)を、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。このITOは、透明電極として機能する。
次に、下記に示す構造を有する化合物(H1)、および表面平滑材として信越シリコーン社製KF−96を含有する塗布液を調製し、下記条件でITOパターン基板上にスピンコートにより成膜して、膜厚2μmの化合物膜を形成した。
溶媒 トルエン
塗布液濃度 (H1) 5.0重量%
KF−96 0.023重量%
<成膜条件>
スピナ回転数 500rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 窒素雰囲気下
加熱条件 窒素雰囲気下 230℃ 1時間
化合物膜を形成した基板を真空蒸着装置内に移し、ターボ分子ポンプを用いて装置内の真空度が8.0x10−4Pa以下になるまで排気した後、金を真空蒸着法にて蒸着速度を0.2〜0.5Å/秒の範囲で制御し、化合物膜の上に10nmの膜厚で形成した。続いて、アルミニウムを0.2〜5.0Å/秒の範囲で蒸着速度を制御して、80nmの膜
厚で金の上に積層させた。この2層型の対向電極を形成する際の真空度は、0.5〜3x10−3Paであった。
このようにして作製した電荷移動度測定用サンプルを、(5−3.電荷移動度の測定)にて述べた方法に準じて、TOF法により測定した。
その結果を表1に示す。
化合物膜を形成するにあたり、下記に示す構造を有する化合物(H2)、および表面平滑材として信越シリコーン社製KF−96を含有する塗布液を調製し、下記条件でITOパターン基板上にスピンコートにより成膜して、膜厚2μmの化合物膜を形成した他は、参考例1と同様にして電荷移動度測定用サンプルを作製した。
溶媒 トルエン
塗布液濃度 (H2) 5.0重量%
KF−96 0.023重量%
<成膜条件>
スピナ回転数 500rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 窒素雰囲気下
加熱条件 窒素雰囲気下 230℃ 1時間
作製した電荷移動度測定用サンプルの測定結果を表1に示す。
化合物膜を形成するにあたり、下記に示す構造を有する化合物(C1)と(C2)を含有する塗布液を調製し、下記条件でITOパターン基板上にスピンコートにより成膜して、膜厚2μmの化合物膜を形成した他は、参考例1と同様にして電荷移動度測定用サンプルを作製した。
溶媒 クロロホルム
塗布液濃度 (C1) 2.1重量%
(C2) 6.3重量%
<成膜条件>
スピナ回転数 300rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 減圧下(0.1MPa) 130℃ 1時間
作製した電荷移動度測定用サンプルの測定結果を表1に示す。
(参考例4)
化合物膜を形成するにあたり、化合物(C1)と(C2)を含有する塗布液を調製し、下記条件でITOパターン基板上にスピンコートにより成膜して、膜厚2μmの化合物膜を形成した他は、参考例1と同様にして電荷移動度測定用サンプルを作製した。
溶媒 クロロホルム
塗布液濃度 (C1) 6.3重量%
(C2) 2.1重量%
<成膜条件>
スピナ回転数 300rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 減圧下(0.1MPa) 130℃ 1時間
作製した電荷移動度測定用サンプルの測定結果を表1に示す。
(参考例5)
化合物膜を形成するにあたり、下記に示す構造を有する化合物(C3)と(C4)を含有する塗布液を調製し、下記条件でITOパターン基板上にスピンコートにより成膜して、膜厚2μmの化合物膜を形成した他は、参考例1と同様にして電荷移動度測定用サンプルを作製した。
溶媒 クロロホルム
塗布液濃度 (C3) 2.1重量%
(C4) 6.3重量%
<成膜条件>
スピナ回転数 300rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 減圧下(0.1MPa) 130℃ 1時間
作製した電荷移動度測定用サンプルの測定結果を表1に示す。
化合物膜を形成するにあたり、化合物(C3)と(C4)を含有する塗布液を調製し、下記条件でITOパターン基板上にスピンコートにより成膜して、膜厚2μmの化合物膜を形成した他は、参考例1と同様にして電荷移動度測定用サンプルを作製した。
<化合物膜形成用塗布液>
溶媒 クロロホルム
塗布液濃度 (C3) 6.3重量%
(C4) 2.1重量%
<成膜条件>
スピナ回転数 300rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 減圧下(0.1MPa) 130℃ 1時間
作製した電荷移動度測定用サンプルの測定結果を表1に示す。
化合物膜を形成するにあたり、下記に示す構造を有する化合物(C5)を含有する塗布液を調製し、下記条件でITOパターン基板上にスピンコートにより成膜して、膜厚2μmの化合物膜を形成した他は、参考例1と同様にして電荷移動度測定用サンプルを作製した。
溶媒 クロロホルム
塗布液濃度 8.4重量%
<成膜条件>
スピナ回転数 300rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 減圧下(0.1MPa) 130℃ 1時間
作製した電荷移動度測定用サンプルの測定結果を表1に示す。
化合物膜を形成するにあたり、Alq3(C6)を真空蒸着法により蒸着速度を0.8〜1.2Å/秒の範囲で制御し、ITOパターン基板上に膜厚2μmの厚みで積層させて化合物膜を形成した他は、参考例1と同様にして電荷移動度測定用サンプルを作製した。
(実施例1)
参考例1と同様にして用意したITOパターニング基板上に、まず、下の構造式(H3)に示すアリールアミンポリマー、構造式(A1)に示す4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートおよび安息香酸エチルを含有する正孔注入層形成用塗布液を調製した。この塗布液を下記条件で陽極上にスピンコートにより成膜して、膜厚30nmの正孔注入層を得た。
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 H3:2.0重量%
A1:0.4重量%
<正孔注入層3の成膜条件>
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 大気中 230℃ 1時間
引き続き、(H1)を含有する正孔輸送層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜して、加熱により重合させることにより膜厚20nmの正孔輸送層を形成した。
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 1.0重量%
<正孔輸送層4の成膜条件>
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 120秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 230℃、1時間、窒素中
次に、以下の構造式に示す、化合物(C1)、(C2)、および下記に示す構造を有する(D1)を含有する発光層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜を行い、加熱することで膜厚60nmの発光層を形成した。
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 C1:1.25重量%
C2:3.75重量%
D1:0.50重量%
<発光層5の成膜条件>
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 120秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 130℃、1時間、減圧下(0.1MPa)
ここで、発光層までを成膜した基板を、真空蒸着装置内に移し、装置内の真空度が2.0x10−4Pa以下になるまで排気した後、有機化合物(C5)を真空蒸着法にて蒸着速度を0.8〜1.2Å/秒の範囲で制御し、発光層の上に積層させ、膜厚20nmの電子輸送層を得た。
電子注入層として、先ずフッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.1Å/秒、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。蒸着時の真空度は2.6×10−4Paであった。次に、陰極としてアルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度1.0〜4.9Å/秒の範囲で制御し、膜厚80nmのアルミニウム層を形成した。蒸着時の真空度は2.6×10−4Paであった。以上の2層の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
窒素グローブボックス中で、23mm×23mmサイズのガラス板の外周部に、約1mmの幅で光硬化性樹脂30Y−437(スリーボンド社製)を塗布し、中央部に水分ゲッターシート(ダイニック社製)を設置した。この上に、陰極形成を終了した基板を、蒸着された面が乾燥剤シートと対向するように貼り合わせた。その後、光硬化性樹脂が塗布された領域のみに紫外光を照射し、樹脂を硬化させた。
(比較例1)
実施例1において、(H1)の代わりに(H2)を用いて膜厚15nmの正孔輸送層を形成したほかは、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(比較例2)
実施例1において、(C5)の代わりにAlq3(C6)を用いて膜厚20nmの電子輸送層を形成したほかは、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
得られた有機電界発光素子の特性を表2に示す。
実施例1において、(C1)、(C2)、および(D1)を用いて下記に示す発光層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜を行い、加熱することで膜厚60nmの発光層を形成したほかは、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 C1:3.75重量%
C2:1.25重量%
D1:0.50重量%
<発光層5の成膜条件>
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 120秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 130℃、1時間、減圧下(0.1MPa)
得られた有機電界発光素子の特性を表2に示す。
実施例1において、(C3)、(C4)、(D1)、および(D2)を用いて下記に示す発光層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜を行い、加熱することで膜厚60nmの発光層を形成したほかは、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 C3:1.25重量%
C4:3.75重量%
D1:0.25重量%
D2:0.35重量%
<発光層5の成膜条件>
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 120秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 130℃、1時間、減圧下(0.1MPa)
得られた有機電界発光素子の特性を表3に示す。
実施例2において、(H1)の代わりに(H2)を用いて膜厚15nmの正孔輸送層を形成したほかは、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
得られた有機電界発光素子の特性を表3に示す。
(比較例5)
実施例2において、(C5)の代わりにAlq3(C6)を用いて膜厚20nmの電子輸送層を形成したほかは、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(比較例6)
実施例2において、(C3)、(C4)、(D1)、および(D2)を用いて下記に示す発光層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜を行い、加熱することで膜厚60nmの発光層を形成したほかは、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 C3:3.75重量%
C4:1.25重量%
D1:0.25重量%
D2:0.35重量%
<発光層5の成膜条件>
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 120秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 130℃、1時間、減圧下(0.1MPa)
得られた有機電界発光素子の特性を表3に示す。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
Claims (9)
- 陽極、第一の有機層、発光層、第二の有機層、陰極がこの順で含まれる有機電界発光素子であって、
第一の有機層又は発光層は、湿式成膜法で形成され、
下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする、有機電界発光素子。
μ(h1)/μ(e1)≧5 (1)
μ(h2)≧1.0×10−4 (2)
μ(e2)≧1.0×10−4 (3)
(上記式中、μ(h1)は、発光層の正孔移動度(cm2/V・s)、
μ(e1)は、発光層の電子移動度(cm2/V・s)、
μ(h2)は、第一の有機層の正孔移動度(cm2/V・s)、
μ(e2)は、第二の有機層の電子移動度(cm2/V・s)、
を表す。また、電荷の移動度は電界強度の平方根が500(V/cm)0.5の時に得られる値である。) - 発光層が湿式成膜法で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 第一の有機層が、不溶化基を有する化合物を不溶化して形成される不溶化ポリマーを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層と前記第二の有機層との間に、更に第三の有機層を含み、
下記式(5)を満たすことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
μ(e3)≧1.0×10−4 (5)
(上記式中、μ(e3)は、第三の有機層の電子移動度(cm2/V・s)を表す。また、電荷の移動度は電界強度の平方根が500(V/cm)0.5の時に得られる値である。) - 前記第三の有機層の励起エネルギーが、前記発光層の励起エネルギーよりも、大きいことを特徴とする、請求項5に記載の有機電界発光素子。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする、有機ELディスプレイ。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする、有機EL照明。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする、有
機EL信号装置。
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