JP2010235708A - 蛍光発光材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 - Google Patents

蛍光発光材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光発光材料を含有する層を有する有機電界発光素子における駆動電圧の低下及び長寿命化を図ることができる蛍光発光材料の提供
【解決手段】500nmより短波長領域の照度が、20ルクス以下である環境下で昇華精製された化合物であって、スチリル基或いはトリアリールアミノ基を有する蛍光発光材料である。該蛍光発光材料を含む有機電界発光素子用組成物を用いて湿式成膜法で有機層を形成し有機電界発光素子の発光層に用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光発光材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、並びにこれを備えた有機ELディスプレイ及び有機EL照明に関する。
近年、薄膜型の電界発光素子としては、無機材料を使用したものに代わり、有機薄膜を用いた有機電界発光素子の開発が行われるようになっている。有機電界発光素子は、通常、陽極と陰極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層などを設けて形成され、各層に適した材料が開発されつつある。また、有機電界発光素子の発光色も赤、緑、青と、それぞれに開発が進んでいる。
しかしながら、青色有機電界発光素子については、効率、寿命、耐熱性の観点で満足できるものが実現されておらず、フルカラーディスプレイ用途への適用には制約があるという課題があった。
有機電界発光素子の各構成層の形成方法としては、真空蒸着法と湿式成膜法がある。このうち、真空蒸着法では、テレビやモニタ用の中・大型フルカラーパネルなどを製作する場合、歩留まりの観点で課題を有する。そのため、中でもこれら大面積の用途には湿式成膜法が好適である。
しかしながら、湿式成膜法で有機電界発光素子の有機層を形成するためには、有機層を形成する材料が溶剤に溶解し、かつ湿式成膜後にも素子の構成層として要求される高い性能を有することが望まれる。しかし、従来開発されている湿式成膜法用材料であっても、このような湿式成膜法に要求される条件を満たさないものが多かった。
例えば、特許文献1では、下記式で示される材料を用いて、湿式成膜法によって作製した素子が開示されている。
Figure 2010235708
また、特許文献2には、下記式で示される材料を用い、湿式成膜法によって作製した素子が開示されている。
Figure 2010235708
しかしながら、これらの材料は、溶剤に対する溶解性や耐熱性といった湿式成膜のプロセス上の要求物性に、改善に必要があった。また、素子に用いた場合、得られる素子の駆動電圧が高かったり、駆動寿命が十分でなかったりと改善の必要があった。
国際公開2006/070712号パンフレット 特開2004−224766号公報
本発明は、蛍光発光材料を含有する層を有する有機電界発光素子における駆動電圧の低下及び長寿命化を図ることができる蛍光発光材料を提供することを課題とする。
更に本発明は、上記蛍光発光材料を含む有機電界発光素子用組成物、該組成物を用いて湿式成膜法で形成された層を有する有機電界発光素子、並びに有機ELディスプレイ及び有機EL照明を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、蛍光発光材料を用いた素子の駆動寿命や駆動電圧に影響しているのが、昇華精製時の環境にあることを見出した。
さらに検討を重ねた結果、昇華精製時の環境において、ある特定の光波長以下の環境とすることにより、上記課題を解決することを見出して、本発明に到達した。
即ち、本発明は、500nmより短波長領域の照度が、20ルクス以下である環境下で昇華精製された化合物からなることを特徴とする、蛍光発光材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、並びにこれを備えた有機ELディスプレイ及び有機EL照明に存する。
本発明の蛍光発光材料を用いて形成された層を有する有機電界発光素子は、駆動電圧が低く、また駆動寿命が長い。
本発明の有機電界発光素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。 合成例1で得られた化合物Aの蛍光スペクトル図である。縦軸は規格化吸光度、縦軸は吸光度(nm)、を表す。
本発明の蛍光発光材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、並びに有機E
Lディスプレイ及び有機EL照明の実施態様を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
本発明は、500nmより短波長領域の照度が、20ルクス以下である環境下で昇華精製された化合物からなる蛍光発光材料に存する。
<蛍光発光材料>
本発明における蛍光発光材料は、500nmより短波長領域の照度が、20ルクス以下である環境下で昇華精製された化合物からなる。上記化合物としては、蛍光発光性の化合物(以下、「蛍光発光性化合物」と称する場合がある)であれば特に制限はなく公知のものを適用することができるが、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、クリセン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
本発明においては、蛍光発光性化合物は、発光強度が強くなり、発光効率が高くなる点で、スチリル基を有することが好ましい。
また、本発明における蛍光発光性化合物は、電荷輸送能が向上し、得られる素子の発光効率が向上する点で、更に下記式(1)で表される構造を部分構造として有する化合物であることが好ましい。
Figure 2010235708
以下に、本発明における蛍光発光性化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、式中、Npはナフチル基、Phenはフェニル基を表す。
[蛍光発光性化合物の具体例]
Figure 2010235708
Figure 2010235708
Figure 2010235708
Figure 2010235708
Figure 2010235708
蛍光発光性化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上であり、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下である。蛍光発光性化合物の分子量が小さ過ぎると、耐熱性が著しく低下したり、ガス発生の原因となったり、膜を形成した際の膜質の低下を招いたり、或いはマイグレーションなどによる有機電界発光素子のモルフォロジー変化を来したりする可能性がある。一方、蛍光発光性化合物の分子量が大き過ぎると、蛍光発光材料の精製が困難となったり、溶剤に対する溶解性が低下したりする傾向がある。
[昇華精製]
本発明における昇華精製は、500nmより短波長領域の照度が、20ルクス以下である環境下で行う。
(昇華精製の方法)
蛍光発光性化合物の昇華精製は、例えば以下の方法で行う。
蛍光発光性化合物を試験管の奥に入れ、片側が封じられており、片側が減圧口となっているガラス管内に設置し、ガラス管内を適当な真空ポンプで5×10−5Torr程度まで排気した後、ガラス管外側から試験管の設置された部分を加熱して昇華させ、試験管の奥から昇華して、試験管の口の方で冷却されて堆積するようにする。低沸点成分は試験管の口よりさらに遠くまで揮散させることにより不純物成分を除去する。
昇華精製時の真空度は、通常5×10−5Torr以下、好ましくは2×10−5Torr以下、さらに好ましくは1×10−5Torr以下、また、通常1×10−7Tor
r以上、好ましくは5×10−7Torr以上、さらに好ましくは1×10−6Torr以上である。
上記範囲内であると、低温にて昇華させることができ、熱劣化を防ぐことができる。また、材料中の残存酸素の量をすくなくすることができるため、好ましい。
昇華精製時の温度は、通常100℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは180℃以上、また通常500℃以下、好ましくは400℃以下、さらに好ましくは350℃以下である。
上記範囲内であると、熱によって起きる蛍光発光性化合物の結合開裂がしにくくなるため好ましい。
(昇華精製時の500nmより短波長領域の照度)
昇華精製時の500nmより短波長領域の照度は、以下の測定方法で、通常20ルクス以下、好ましくは10ルクス以下、さらに好ましくは5ルクス以下である。尚、下限値については、理想的には0である。
上記範囲内であると、光により分子が励起されたとしても、化合物が分解につながる励起状態には達しにくいため好ましい。
(光波長の照度の測定方法)
昇華精製を行う環境の照度は、以下の方法で測定する。
500nmより短波長領域の照度の測定は、例えば、照度計ANA−F9(東京光電社製)を用いて測定することができる。
より具体的には、上記照度計の受光部に干渉フィルターSU0500(朝日分光社製)などを重ねて、波長500nm以上の光をカットして測定を行う。
尚、本発明の特定に用いる測定機器は、上記と同等の測定が可能であれば、上記の測定機器に限定されるものではなく、その他の測定機器を用いてもよいが、上記の測定機器を用いることが好ましい。
(昇華精製における光波長)
本発明の昇華精製を行う環境の光の最低波長端は、下記に記載の測定方法で、通常500nmより大きく、好ましくは520nm以上、さらに好ましくは550nm以上、また通常600nm以下、好ましくは550nmである。
上記範囲内であると、光により分子が励起されたとしても、化合物の分解につながる励起状態には達しにくいため好ましい。
(500nmより短波長領域の照度を低減させる手段)
昇華精製をおこなう環境を500nmより短波長領域の照度が、20ルクス以下である環境とするためには、特に制限はないが、市販のイエロー蛍光ランプや半導体工場用イエロー蛍光ランプを用いることができ、例えば、FLR40SY/MやFLR40SY―IC/M(三菱電機オスラム社製)などが挙げられる。
[本発明が効果を奏する理由]
本発明の構成とすることで、効果が得られる理由を以下の通り推測する。
蛍光発光材料は、特に湿式成膜法で用いる場合には、溶剤への溶解性を向上させる必要がある。ここで、溶剤に対する溶解性を向上させる場合、例えば、長鎖アルキル基を導入したり、骨格と骨格との結合をリジッドでない構造とする。このような構造を有する化合物を加熱した場合、長鎖アルキル基や、骨格と骨格との結合のリジッドでない構造部分が、分子内で熱振動を起こす。この熱振動を起こした状態で、500nmより短波長の光が照射されると、励起状態となって分解反応を起こす。
つまり、昇華精製時に500nmより短波長の光があると、溶剤に対する溶解性を向上させた化合物は、分解してしまう。
これにより、昇華精製しても、純度が向上せず、むしろ分解などによる不純物が増加して、素子とした場合に、駆動電圧が高かったり、駆動寿命が短いといった改善点を有した。
一方、本発明は、上記の、蛍光発光性化合物の昇華精製時に起こる分解がないため、得られる素子の駆動電圧が低く、駆動寿命が長い。
<有機電界発光素子用組成物>
本発明の有機電界発光素子用組成物は、少なくとも上記蛍光発光材料を含有する。
該有機電界発光素子用組成物における蛍光発光材料の含有量は、通常0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上、通常50重量部以下、好ましくは10重量部以下である。この範囲とすることにより、発光効率の向上及び素子の低電圧化の効果が得られる。尚、前記蛍光発光材料は組成物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
本発明の有機電界発光素子用組成物を湿式成膜法に用いる場合は、通常さらに溶剤を含有する。
組成物に含有される溶剤は、湿式成膜により蛍光発光材料を含む層を形成するために用いる、揮発性を有する液体成分である。
溶剤は、溶質が良好に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、以下の例が好ましい。
例えば、n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル類、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン類;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル類;等が挙げられる。
中でも好ましくは、アルカン類や芳香族炭化水素類である。これらの溶剤は1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
また、より均一な膜を得るためには、塗布直後の液膜から溶剤が適当な速度で蒸発することが好ましい。このため、溶剤の沸点は通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、また、通常270℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは沸点230℃以下である。
溶剤の使用量は、有機電界発光素子用組成物100重量部に対して、好ましくは10重量部以上、より好ましくは50重量部以上、特に好ましくは80重量部以上、また、好ましくは99.95重量部以下、より好ましくは99.9重量部以下、特に好ましくは99.8重量部以下である。含有量が下限を下回ると、粘性が高くなりすぎ、成膜作業性が低下する可能性がある。一方、上限を上回ると、塗布後、溶剤を除去して得られる膜の厚みが稼げなくなるため、成膜が困難となる傾向がある。
本発明の有機電界発光素子用組成物には、本発明の蛍光発光材料や溶剤の他、有機電界発光素子、特に発光層に用いられる電荷輸送性化合物を含有することができる。
本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて、発光層を形成する場合には、本発明の蛍
光発光材料をホスト材料とし、他の電荷輸送性化合物をドーパント材料として含んでいてもよいし、本発明の蛍光発光材料をドーパント材料とし、他の電荷輸送性化合物をホスト材料として含んでいてもよい。また、ドーパント材料、ホスト材料ともに、本発明の蛍光発光材料であってもよい。
他の電荷輸送性化合物としては、従来有機電界発光素子用材料として用いられているものを使用することができる。例えば、ナフタレン、ペリレン、アントラセン、ピレン、トリフェニレン、クリセン、ナフタセン、フェナントレン、コロネン、フルオランテン、ベンゾフェナントレン、フルオレン、アセトナフトフルオランテン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体、キナクリドン誘導体、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン、アリールアミノ基が置換された縮合芳香族環化合物、アリールアミノ基が置換されたスチリル誘導体等があげられる。
他の電荷輸送性化合物は、該組成物を100重量部とすると、通常1重量部以上、また、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
有機電界発光素子用組成物には、必要に応じて、上記の化合物等の他に、更に他の化合物を含有していてもよい。例えば、上記の溶剤の他に、別の溶剤を含有していてもよい。そのような溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
また、成膜性の向上を目的として、レベリング剤や消泡剤等の各種添加剤を含有してもよい。
<有機電界発光素子>
以下に、本発明の方法で製造される有機電界発光素子の層構成及びその一般的形成方法等について、図1を参照して説明する。
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極、及び該陽極と該陰極との間に設けられた有機層を有する有機電界発光素子であって、該有機層が、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法にて形成された層を含む、有機電界発光素子である。
上記湿式成膜法にて形成された有機層は、発光層であることが好ましい。
図1は本発明にかかる有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
尚、図1に示す素子の場合、発光層が、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法にて形成された層に相当する。
尚、本発明において湿式成膜法とは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等湿式で成膜される方法をいう。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。これは、有機電界発光素子に用いられる塗布用組成物特有の液性に合うためである。
(基板)
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、
ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
(陽極)
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極2表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
(正孔注入層)
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。
本発明に係る正孔注入層3の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔注入層3を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
<湿式成膜法による正孔注入層の形成>
湿式成膜により正孔注入層3を形成する場合、通常は、正孔注入層3を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
(正孔輸送性化合物)
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物及び溶剤を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
正孔輸送性化合物としては、陽極2から正孔注入層3への電荷注入障壁の観点から4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。
尚、本発明において誘導体とは、例えば、芳香族アミン誘導体を例にするならば、芳香族アミンそのもの及び芳香族アミンを主骨格とする化合物を含むものであり、重合体であっても、単量体であってもよい。
正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種又は2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種又は2種以上とを併用することが好ましい。
上記例示した中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましく、特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2010235708
(式(I)中、Ar及びArは、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar〜Arは、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar〜Arのうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成しても
よい。
Figure 2010235708
(上記各式中、Ar〜Ar16は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。R及びRは、各々独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。))
Ar〜Ar16の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
Ar〜Ar16の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが好ましい。
及びRが任意の置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
式(I)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のものが挙げられる。
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4-ethylenedioxythiophene(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端を
メタクリレート等でキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物中の、正孔輸送性化合物の濃度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜厚の均一性の点で通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると成膜された正孔注入層に欠陥が生じる
可能性がある。
(電子受容性化合物)
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げられる。さらに具体的には、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンダフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開2005/089024号パンフレット);塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アン
モニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素;ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、ショウノウスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン等が挙げられる。
これらの電子受容性化合物は、正孔輸送性化合物を酸化することにより正孔注入層の導電率を向上させることができる。
正孔注入層或いは正孔注入層形成用組成物中の電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
(その他の構成材料)
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(溶剤)
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があし、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
溶剤として例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル、等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
その他、ジメチルスルホキシド、等も用いることができる。
これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
(成膜方法)
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
塗布工程における温度は、組成物中に結晶が生じることによる膜の欠損を防ぐため、10℃以上が好ましく、50℃以下が好ましくい。
塗布工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常80%以下である。
塗布後、通常加熱等により正孔注入層形成用組成物の膜を乾燥させる。加熱工程において使用する加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブン及びホットプレートが好ましい。
加熱工程における加熱温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り、正孔注入層形成用組成物に用いた溶剤の沸点以上の温度で加熱することが好ましい。また、正孔注入層に用いた溶剤が2種類以上含まれている混合溶剤の場合、少なくとも1種類がその溶剤の沸点以上の温度で加熱されるのが好ましい。溶剤の沸点上昇を考慮すると、加熱工程においては、好ましくは120℃以上、好ましくは410℃以下で加熱することが好ましい。
加熱工程において、加熱温度が正孔注入層形成用組成物の溶剤の沸点以上であり、かつ塗布膜の十分な不溶化が起こらなければ、加熱時間は限定されないが、好ましくは10秒以上、通常180分以下である。加熱時間が長すぎると他の層の成分が拡散する傾向があり、短すぎると正孔注入層が不均質になる傾向がある。加熱は2回に分けて行ってもよい。
<真空蒸着法による正孔注入層の形成>
真空蒸着により正孔注入層3を形成する場合には、正孔注入層3の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種又は2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合は各々独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層3を形成することもできる。
蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1
×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、通常9.0×10−6Torr(12.0×10−4Pa)以下である。 蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない
限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、通常5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上で、好ましくは50℃以下で行われる。
[正孔輸送層]
本発明に係る正孔輸送層4の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層4を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4は、正孔注入層がある場合には正孔注入層3の上に、正孔注入層3が無い場合には陽極2の上に形成することができる。 また、本発明の有機電界発光素子は、正
孔輸送層を省いた構成であってもよい。
正孔輸送層4を形成する材料としては、正孔輸送性が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また、多くの場合、発光層5に接するため、発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
このような正孔輸送層4の材料としては、従来、正孔輸送層の構成材料として用いられている材料であればよく、例えば、前述の正孔注入層3に使用される正孔輸送性化合物として例示したものが挙げられる。また、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。
また、例えば、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリアリールアミン誘導体、ポリビニルトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアリーレン誘導体、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン誘導体、ポリアリーレンビニレン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体等が挙げられる。これらは、交互共重合体、ランダム重合体、ブロック重合体又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子や、所謂デンドリマーであってもよい。
中でも、ポリアリールアミン誘導体やポリアリーレン誘導体が好ましい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、Ar又はArが異なっているものであってもよい。
Figure 2010235708
(式(II)中、Ar及びArは、各々独立して、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。)
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基及びこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の基及びこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
溶解性、耐熱性の点から、Ar及びArは、各々独立に、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、チオフェン環、ピリジン環、フルオレン環からなる群より選ばれる環由来の基やベンゼン環が2環以上連結してなる基(例えば、ビフェニル基(ビフェニレン基)やターフェニル基(ターフェニレン基))が好ましい。
中でも、ベンゼン環由来の基(フェニル基)、ベンゼン環が2環連結してなる基(ビフェニル基)及びフルオレン環由来の基(フルオレニル基)が好ましい。
Ar及びArにおける芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シロキシ基、シアノ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、前記式(II)におけるArやArとして例示した置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基などのアリーレン基をその繰り返し単位に有する重合体が挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)及び/又は下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
Figure 2010235708
(式(III−1)中、Ra、Rb、R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニルアルキル基、フェニルアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又はカルボキシ基を表す。t及びsは、各々独立に、0〜3の整数を表す。t又はsが2以上の場合、一分子中に含まれる複数のRa又はRbは同一であっても異なっていてもよく、隣接するRa又はRb同士で環を形成していてもよい。)
Figure 2010235708
(式(III−2)中、R及びRは、各々独立に、上記式(III−1)におけるRa、Rb、R又はRと同義である。r及びuは、各々独立に、0〜3の整数を表す。r又はuが2以上の場合、一分子中に含まれる複数のR及びRは同一であっても異なっていてもよく、隣接するR又はR同士で環を形成していてもよい。Xは、5員環又は6員環を構成する原子又は原子群を表す。)
Xの具体例としては、―O―、―BR―、―NR―、―SiR―、―PR―、―SR―、―CR―又はこれらが結合してなる基である。尚、Rは、水素原子又は任意の有機基を表す。本発明における有機基とは、少なくとも一つの炭素原子を含む基である。
また、ポリアリーレン誘導体としては、前記式(III−1)及び/又は前記式(III−2)からなる繰り返し単位に加えて、さらに下記式(III−3)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2010235708
(式(III−3)中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。v及びwは、各々独立に0又は1を表す。)
Ar〜Arの具体例としては、前記式(II)における、Ar及びArと同様である。
上記式(III−1)〜(III−3)の具体例及びポリアリーレン誘導体の具体例等は、特開2008-98619号公報に記載のものなどが挙げられる。
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、上記正孔注入層3の形成と同様にして、正孔輸送層形成用組成物を調製した後、湿式成膜後、加熱乾燥させる。
正孔輸送層形成用組成物には、上述の正孔輸送性化合物の他、溶剤を含有する。用いる
溶剤は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層3の形成の場合と同様である。
真空蒸着法により正孔輸送層を形成する場合もまた、その成膜条件等は上記正孔注入層3の形成の場合と同様である。
正孔輸送層4は、上記正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層4はまた、架橋性化合物を架橋して形成される層であってもよい。架橋性化合物は、架橋性基を有する化合物であって、架橋することにより網目状高分子化合物を形成する。
この架橋性基の例を挙げると、オキセタン、エポキシなどの環状エーテル由来の基;ビニル基、トリフルオロビニル基、スチリル基、アクリル基、メタクリロイル、シンナモイル等の不飽和二重結合由来の基;ベンゾシクロブテン由来の基などが挙げられる。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。 架橋性
化合物は1種のみを有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で有していてもよい。
架橋性化合物としては、架橋性基を有する正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。正孔輸送性化合物としては、上記の例示したものが挙げられ、これら正孔輸送性化合物に対して、架橋性基が主鎖又は側鎖に結合しているものが挙げられる。特に架橋性基は、アルキレン基等の連結基を介して、主鎖に結合していることが好ましい。また、特に正孔輸送性化合物としては、架橋性基を有する繰り返し単位を含む重合体であることが好ましく、上記式(II)や式(III−1)〜(III−3)に架橋性基が直接又は連結基を介して結合した繰り返し単位を有する重合体であることが好ましい。
架橋性化合物としては、架橋性基を有する正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。正孔輸送性化合物の例を挙げると、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等の含窒素芳香族化合物誘導体;トリフェニルアミン誘導体;シロール誘導体;オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。その中でも、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体等の含窒素芳香族誘導体;トリフェニルアミン誘導体、シロール誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが好ましく、特に、トリフェニルアミン誘導体がより好ましい。
架橋性化合物を架橋して正孔輸送層4を形成するには、通常、架橋性化合物を溶剤に溶解又は分散した正孔輸送層形成用組成物を調製して、湿式成膜により成膜して架橋させる。
正孔輸送層形成用組成物には、架橋性化合物の他、架橋反応を促進する添加物を含んでいてもよい。架橋反応を促進する添加物の例を挙げると、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、オニウム塩等の重合開始剤及び重合促進剤;縮合多環炭化水素、ポルフィリン化合物、ジアリールケトン化合物等の光増感剤;などが挙げられる。
また、さらに、レベリング剤、消泡剤等の塗布性改良剤;電子受容性化合物;バインダー樹脂;などを含有していてもよい。
正孔輸送層形成用組成物は、架橋性化合物を通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下含有する。
このような濃度で架橋性化合物を含む正孔輸送層形成用組成物を下層(通常は正孔注入層3)上に成膜後、加熱及び/又は光などの活性エネルギー照射により、架橋性化合物を架橋させて網目状高分子化合物を形成する。
成膜時の温度、湿度などの条件は、前記正孔注入層3の湿式成膜時と同様である。
成膜後の加熱の手法は特に限定されない。加熱温度条件としては、通常120℃以上、好ましくは400℃以下である。
加熱時間としては、通常1分以上、好ましくは24時間以下である。加熱手段としては特に限定されないが、成膜された層を有する積層体をホットプレート上に載せたり、オーブン内で加熱するなどの手段が用いられる。例えば、ホットプレート上で120℃以上、1分間以上加熱する等の条件を用いることができる。
光などの活性エネルギー照射による場合には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、赤外ランプ等の紫外・可視・赤外光源を直接用いて照射する方法、あるい

は前述の光源を内蔵するマスクアライナ、コンベア型光照射装置を用いて照射する方法などが挙げられる。光以外の活性エネルギー照射では、例えばマグネトロンにより発生させたマイクロ波を照射する装置、いわゆる電子レンジを用いて照射する方法が挙げられる。照射時間としては、膜の溶解性を低下させるために必要な条件を設定することが好ましいが、通常、0.1秒以上、好ましくは10時間以下照射される。
加熱及び光などの活性エネルギー照射は、それぞれ単独、あるいは組み合わせて行ってもよい。組み合わせる場合、実施する順序は特に限定されない。
このようにして形成される正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
{発光層}
正孔注入層3の上、又は正孔輸送層4を設けた場合には正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入された正孔と、陰極9から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
<発光層の材料>
発光層5は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送能を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送能を有する化合物(電子輸送性化合物)、を含有する。本発明においては、発光材料として、本発明の蛍光発光材料を用いることが好ましく、特に青色発光材料として用いることが好ましい。
更に、発光層5は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層5を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
(発光性化合物)
本発明の有機電界発光素子は、本発明の効果を損なわない限り、本発明の蛍光発光材料以外の材料を、発光層に含んでいてもよい。
本発明の蛍光発光材料以外の発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能であり、蛍光発光性化合物や燐光発光性化合物を含むことができる。
以下、発光材料のうち蛍光発光性化合物の例を挙げるが、蛍光発光性化合物は以下の例示物に限定されるものではない。
青色発光を与える蛍光発光性化合物(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、
ペリレン、ピレン、クリセン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
緑色発光を与える蛍光発光性化合物(緑色蛍光色素)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Al(CNO)などのアルミニウム錯体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光性化合物(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
赤色発光を与える蛍光発光性化合物(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
燐光発光性化合物としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
周期表第7〜11族から選ばれる金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。
錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
燐光発光性化合物として、具体的には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等が挙げられる。
発光性化合物として用いる化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上の範囲である。発光性化合物の分子量が小さ過ぎると、耐熱性が著しく低下したり、ガス発生の原因となったり、膜を形成した際の膜質の低下を招いたり、或いはマイグレーションなどによる有機電界発光素子のモルフォロジー変化を来したりする場合がある。一方、発光性化合物の分子量が大き過ぎると、有機化合物の精製が困難となってしまったり、溶剤に溶解させる際に時間を要したりする傾向がある。
なお、上述した発光性化合物は、いずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層5における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、通常35重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにす
る。
(正孔輸送性化合物)
発光層5には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の正孔注入層3における(低分子量の正孔輸送性化合物)として例示した各種の化合物のほか、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence, 1997年, Vol.72−74, pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications, 1996年, pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals, 1997年, Vol.91,pp.209)等が挙げられる。
なお、発光層5において、正孔輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層5における正孔輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
(電子輸送性化合物)
発光層5には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等が挙げられる。なお、発光層5において、電子輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層5における電子輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下である。電子輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の電子輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
<発光層の形成>
本発明に係る湿式成膜法により発光層5を形成する場合は、上記材料を適切な溶剤に溶解させて発光層形成用組成物を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。
発光層5を本発明に係る湿式成膜法で形成するための発光層形成用組成物に含有させる発光層用溶剤としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。発光層用溶剤の好適な例は、上記正孔注入層形成用組成物で説明した溶剤と同様である。
発光層5を形成するための発光層形成用組成物に対する発光層用溶剤の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下、である。なお、発光層用溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
また、発光層形成用組成物中の発光材料、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物等の固形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
発光層形成用組成物を湿式成膜後、得られた塗膜を乾燥し、溶剤を除去することにより、発光層が形成される。具体的には、上記正孔注入層の形成において記載した方法と同様である。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、前述のいかなる方式も用いることができる。
発光層5の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層5の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
{正孔阻止層}
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層6の材料として好ましい。
なお、正孔阻止層6の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正孔阻止層6の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
{電子輸送層}
発光層5と後述の電子注入層8の間に、電子輸送層7を設けてもよい。
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので
、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極9又は電子注入層8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
なお、電子輸送層7の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子輸送層7の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
{電子注入層}
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率良く発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送化合物に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は、通常、5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常200nm以下、中でも100nm以下が好ましい。
なお、電子注入層8の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子注入層8の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
{陰極}
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8又は発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極9の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が
用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
なお、陰極9の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
陰極9の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極9を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
{その他の層}
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極9との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
<電子阻止層>
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層は、正孔注入層3又は正孔輸送層4と発光層5との間に設けられ、発光層5から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は電子阻止層を設けることが効果的である。
電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いこと等が挙げられる。更に、本発明においては、発光層5を本発明に係る有機層として湿式成膜法で作製する場合には、電子阻止層にも湿式成膜の適合性が求められる。このような電子阻止層に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号パンフレット)等が挙げられる。
なお、電子阻止層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
さらに陰極9と発光層5又は電子輸送層7との界面に、例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(II)(CsCO3)等で形成された極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の
効率を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters, 1997年, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices, 1
997年,Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。
また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。例えば、図1の層構成であれば、基板1上に他の構成要素を陰極9、電子注入
層8、電子輸送層7、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に設けてもよい。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バナジウム(V25)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
更には、本発明に係る有機電界発光素子は、単一の有機電界発光素子として構成してもよく、複数の有機電界発光素子がアレイ状に配置された構成に適用してもよく、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構成に適用してもよい。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
<有機ELディスプレイ及び有機EL照明>
本発明の有機ELディスプレイ及び有機EL照明は、上述のような本発明の有機電界発光素子を備えるものである。有機ELディスプレイ及び有機EL照明の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機ELディスプレイ及び有機EL照明を形成することができる。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(合成例1)
化合物Aの合成
Figure 2010235708
トルエン(脱水、和光純薬製)33.2mlにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を0.323g(0.7mmol)、トリt−ブチルホスフィン0.566g(2.8mol)を混合し、60℃で加熱した。さらにトルエン(脱水、和光純薬製
)199ml、ジアミノスチルベン・ニ塩酸塩19.82g(0.07mol)、2−ブロモナフタレン14.49g(0.07mol)、カリウムt−ブトキシド23.52g(0.21mol)を添加し、減圧−窒素パージを3回繰り返して、窒素置換を行った後、窒素気流下で80℃で8時間反応させた。得られた反応液に水を加え、分液し、脱水処理後、濃縮し、カラムクロマトグラフィにより化合物1を1.5g得た。
Figure 2010235708
同様にしてトルエン(脱水、和光純薬製)3.1mlにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を0.03g(0.07mmol)、トリt−ブチルホスフィン0.063g(0.56mol)を混合し、60℃で加熱した。さらにトルエン(脱水、和光純薬製)18ml、化合物1を1.5g(0.0032mol)、9−フェナントレン1.97g(0.0064mol)、カリウムt−ブトキシド1.27g(0.011mol)を添加し、減圧−窒素パージを3回繰り返して、窒素置換を行った後、窒素気流下80℃で8時間反応させた。得られた反応液に水を加え、分液し、脱水処理後、濃縮し、カラムクロマトグラフィにより化合物Aを0.22g(HPLC純度99%)を得た。
蛍光スペクトルの測定結果を図2に示す。化合物Aの極大発光波長は、465nmであった。
また、化合物Aのトルエンに対する溶解度は、5wt%であった。
[化合物の精製]
(実施例1)
合成例1で得られた化合物Aを用いて、以下の方法で昇華精製を行った。
イエロー蛍光ランプFLR40SY/M(三菱電機 オスラム社製)を用いて、500nm以下の波長をカットしたイエロー環境下で昇華精製を行った。
昇華精製装置中、ガラス管中にサンプルをいれ、真空度を1.0×10−5Torrまで減圧した。炉の温度を310℃まで昇温し、2時間加熱して、本発明の蛍光発光材料(A−1)を得た。
尚、昇華精製した部分を回収し、HPLCにて純度を測定したところ、純度99%であった。
(500nmより短波長領域の照度の測定)
上記昇華精製装置の上で、照度計ANA−F9(東京光電社製)に、波長500nm以上の光をカットするフィルターSU0500(朝日分光社製)で受光部を覆って、500
nmより短波長領域の照度測定した。測定した500nmより短波長領域の照度は0ルクスであった。
(比較例1)
実施例1において、イエロー蛍光ランプFLR40SY/M(三菱電機 オスラム社製)を、白色灯FLR40SW/M(三菱電機 オスラム社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして昇華精製を行って、蛍光発光材料(A−2)を得た。
尚、昇華精製した部分を回収し、HPLCにて純度を測定したところ、純度85%であった。
また、実施例1と同様にして、500nmより短波長領域の照度を測定した。測定した、500nmより短波長領域の照度は、100ルクスであった。
[絶対発光量子収率]
(実施例2)
実施例1で得られた本発明の蛍光発光材料(A−1)の絶対発光量子収率を、絶対発光量子収率測定器C9920−02(浜松フォトニクス社製)を用いて以下の通り測定を行った。蛍光発光材料(A−1)をCHClに溶解して10−5mol/L溶液とし、測定用石英ガラスセルに入れて、測定器にセットした。これを313nmの光で励起して測定を行い、絶対発光量子収率を得た。
測定した結果を、表1に示す。
また、465nmに発光を示し、青色発光であることが確認された。
(比較例2)
実施例2において、本発明の蛍光発光材料(A−1)を、比較例1で得られた発光材料(A−2)に変更した他は、実施例2と同様にして量子収率を測定した。
測定した結果を、表1に示す。
また、465nmに発光を示し、青色発光であることが確認された。
Figure 2010235708
表1に示すが如く、本発明の蛍光発光材料は、発光量子効率が高いため、素子とした場合の発光効率が高い。
また、蛍光発光性化合物の発光を失活させる不純物が少ないため、得られる素子の駆動電圧が低く、また駆動寿命が長い。
本発明は、有機電界発光素子が使用される各種の分野、例えば、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯等の分野において、好適に使用することができる。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極

Claims (8)

  1. 500nmより短波長領域の照度が、20ルクス以下である環境下で昇華精製された化合物からなることを特徴とする、蛍光発光材料。
  2. 前記化合物が、スチリル基を有することを特徴とする、請求項1に記載の蛍光発光材料。
  3. 前記化合物が、更に下記式(1)で表される構造を部分構造として有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の蛍光発光材料。
    Figure 2010235708
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光発光材料を含有することを特徴とする、有機電界発光素子用組成物。
  5. さらに、溶剤を含有することを特徴とする、請求項4に記載の有機電界発光素子用組成物。
  6. 陽極、陰極、及び該陽極と該陰極との間に設けられた有機層を有する有機電界発光素子であって、
    該有機層が、請求項5に記載の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法にて形成された層を含むことを特徴とする、有機電界発光素子。
  7. 請求項6に記載の有機電界発光素子を備えたことを特徴とする、有機ELディスプレイ。
  8. 請求項6に記載の有機電界発光素子を備えたことを特徴とする、有機EL照明。
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