JP2010225653A - 電荷輸送膜用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族アミン系ポリマー、電子受容性化合物及び有機溶媒を含有する電荷輸送膜用組成物において、下記式(1)を満たすことを特徴とする、電荷輸送膜用組成物。Is/D≧0.9×103(1)(式中、Isは、電荷輸送膜用組成物に含まれる溶質の波長450〜600nmにおける吸収極大の吸光度、Dは、Is測定時の電荷輸送膜用組成物の全固形分濃度、を表す。)
【選択図】なし
Description
本発明はまた、電荷輸送膜用組成物で形成された有機層を有する有機電界発光素子、並びにそれを備えた有機ELディスプレイ及び有機EL照明に関する。
このうち、真空蒸着法は積層化が可能であるため、陽極及び/又は陰極からの電荷注入
の改善、励起子の発光層封じ込めが容易であるという利点を有する。
湿式成膜法で有機層を形成した例として、特許文献1や特許文献2に、正孔注入層、発光層を湿式成膜法で形成した有機電界発光素子の発明が開示されている。しかし、従来の組成物を用いて、湿式成膜法により有機薄膜を形成した場合、均一に成膜できなかったり、得られる素子の駆動寿命が短かったりなどと改善の必要があった。
即ち、芳香族アミン系ポリマー、電子受容性化合物及び有機溶媒を含有する電荷輸送膜用組成物において、下記式(1)を満たすことを特徴とする、電荷輸送膜用組成物、有機電界発光素子、並びにそれを備えた有機ELディスプレイ及び有機EL照明に存する。
(式中、Isは、電荷輸送膜用組成物に含まれる溶質の波長450〜600nmにおける吸収極大の吸光度、Dは、Is測定時の電荷輸送膜用組成物の全固形分濃度、を表す。)
本発明の電荷輸送膜用組成物を用いて、湿式成膜法により形成された有機層を有する有機電界発光素子は、駆動寿命が長い。
<電荷輸送膜用組成物>
芳香族アミン系ポリマー、電子受容性化合物及び有機溶媒を含有する電荷輸送膜用組成物において、下記式(1)を満たすことを特徴とする、電荷輸送膜用組成物。
(式中、Isは、電荷輸送膜用組成物に含まれる溶質の波長450〜600nmにおける吸収極大の吸光度、Dは、Is測定時の電荷輸送膜用組成物の全固形分濃度、を表す。)
[吸光度Isの測定方法]
電荷輸送膜用組成物に含まれる溶質の波長450〜600nmにおける吸収極大の吸光度Isは、例えば、UV−3100PC(島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、測定サンプル及び測定用溶媒に、それぞれ光を照射して、吸光曲線の差分が得られる。ここで、450〜600nmの範囲中の吸収極大の吸光度をIsとする。
尚、測定サンプルの測定濃度は、以下の理由で適宜希釈して用いる。
測定サンプルが高濃度であると、Isを測定することが難しくなる。つまり、Isが2以上の値になってしまうと、ランバートベール則から著しく外れて定量性を示さない。これより、測定サンプルは、Isが1以下の値になるように希釈して測定を行う。
本発明の電荷輸送膜用組成物における、Is/Dは、通常0.9×103以上、好ましくは1.2×103以上、さらに好ましくは1.5×103以上、また通常1×105以
下、好ましくは5×104以下、さらに好ましくは3×104以下である。
[芳香族アミン系ポリマー]
本発明の電荷輸送膜用組成物は、芳香族アミン系ポリマーを含有する。本発明における芳香族アミン系ポリマーとは、芳香族アミノ基を中心構成単位とする芳香族アミン系ポリマーである。
Ar11、及びAr12は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
Ar13〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
但し、Ar11及びAr12のいずれもが、直接結合であることはない。
尚、該芳香族アミン系ポリマーは、置換基として1分子中に少なくとも一つの架橋性基を含む基を有する。)
芳香族アミン系ポリマーは、式(I)で表される繰り返し単位に示されるとおり、共役系の構造を有する繰り返し単位からなるため、十分な電荷輸送能を有し、また溶媒に対する十分な溶解性を有する。また、架橋性基による不溶化ポリマーの形成が容易であるため、成膜時の表面平坦性が保たれるものと推測される。
芳香族アミン系ポリマーは、式(I)で表される繰り返し単位を2種以上含むものであってもよい。
式(I)中、Ar11及びAr12は、各々独立して、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar13〜Ar15は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の基が挙げられる。
また、Ar11〜Ar15としては、前記群から選ばれる1種又は2種以上の環を直接結合、又は―CH=CH―基により連結した2価の基も好ましく、ビフェニレン基及びターフェニレン基、がさらに好ましい。
Ar11〜Ar15における芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が後述の架橋性基以外に有していてもよい置換基としては、特に制限はないが、例えば、下記[置換基群Z]から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
メチル基、エチル基等の好ましくは炭素数1〜24、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基;
ビニル基等の好ましくは炭素数2〜24、更に好ましくは炭素数2〜12のアルケニル基;
エチニル基等の好ましくは炭素数2〜24、更に好ましくは炭素数2〜12のアルキニル基;
メトキシ基、エトキシ基等の好ましくは炭素数1〜24、更に好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の好ましくは炭素数4〜36、更に好ましくは炭素数5〜24のアリールオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の好ましくは炭素数2〜24、更に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の好ましくは炭素数2〜24、更に好ましくは炭素数2〜12のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−カルバゾリル基等の好ましくは炭素数10〜36、更に好ましくは炭素数12〜24のジアリールアミノ基;
フェニルメチルアミノ基等の好ましくは炭素数6〜36、更に好ましくは炭素数7〜24のアリールアルキルアミノ基;
アセチル基、ベンゾイル基等の好ましくは炭素数2〜24、好ましくは炭素数2〜12のアシル基;
フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;
メチルチオ基、エチルチオ基等の好ましくは炭素数1〜24、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の好ましくは炭素数4〜36、更に好ましくは炭素数5〜24のアリールチオ基;
トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の好ましくは炭素数2〜36、更に好ましくは炭素数3〜24のシリル基;
トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の好ましくは炭素数2〜36、更に好ましくは炭素数3〜24のシロキシ基;
シアノ基;
フェニル基、ナフチル基等の好ましくは炭素数6〜36、更に好ましくは炭素数6〜24の芳香族炭化水素基;
チエニル基、ピリジル基等の好ましくは炭素数3〜36、更に好ましくは炭素数4〜24の芳香族複素環基
上記各置換基は、さらに置換基を有していてもよく、その例としては前記置換基群Zに例示した基が挙げられる。
溶解性の点から、Ar11〜Ar15における芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。
なお、mが2以上である場合、前記式(I)で表される繰り返し単位は、2個以上のAr14及びAr15を有することになる。その場合、Ar14同士及びAr15同士は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。さらに、Ar14同士、Ar15同士は、各々互いに直接又は連結基を介して結合して環状構造を形成していてもよい。
前記式(I)においてmは、0〜3の整数を表す。
mは、通常0以上であり、通常3以下、好ましくは2以下である。mが2以下である方が、原料となるモノマーの合成が容易である。
本発明における芳香族アミン系ポリマーは、置換基として架橋性基を含む基を有することが好ましい。
架橋性基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により反応する基であり、反応後は反応前に比べて有機溶媒や水への溶解性を低下させる効果を有する基である。
芳香族アミン系ポリマーは、置換基として架橋性基を含む基を有するが、架橋性基を有する位置は、式(I)で表される繰り返し単位中にあってもよく、また式(I)で表される繰り返し単位以外の部分、例えば、末端基に有していてもよい。
また、芳香族アミン系ポリマーは、架橋性基を有していることが、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により起こる反応(架橋反応)の前後で、溶媒に対する溶解性に大きな差を生じさせることができる点で好ましい。
ここで、架橋性基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により近傍に位置するほかの分子の同一又は異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基のことをいう。
架橋性基としては、架橋しやすいという点で、例えば、架橋性基群Tに示す基が挙げられる。
尚、ベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。また、置換基同士が環を形成してもよい。)
エポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基などのカチオン重合によって架橋反応する基が、反応性が高く架橋が容易な点で好ましい。中でも、カチオン重合の速度を制御しやすい点でオキセタン基が特に好ましく、カチオン重合の際に素子の劣化をまねくおそれのあるヒドロキシル基が生成しにくい点でビニルエーテル基が好ましい。
また、架橋性基の中でも、架橋後の構造が特に安定な点で、ベンゾシクロブテン環由来の基が特に好ましい。
架橋性基は分子内の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基に直接結合してもよいが、2価の基を介して結合してもよい。この2価の基としては、−O−基、−C(=O)−基又は(置換基を有していてもよい)−CH2−基から選ばれる基を任意の順番で1〜30個連結してなる2価の基を介して、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基に結合することが好ましい。
芳香族アミン系ポリマーは、1種又は2種以上の式(I)で表される繰り返し単位を含むポリマーである。
芳香族アミン系ポリマーが2種以上の繰り返し単位を有する場合は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。溶媒に対する溶解性の点からランダム共重合体であることが好ましい。電荷輸送能がさらに高められる点で交互共重合体であることが好ましい。
また、数平均分子量(Mn)は、通常100000以下、好ましくは90000以下、また通常1000以上、好ましくは3000以上である。
重量平均分子量がこの上限値を超えると、不純物の高分子量化によって精製が困難となる場合があり、また重量平均分子量がこの下限値を下回ると、ガラス転移温度及び、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれるおそれがある。
を表し、Mnは数平均分子量を表す)は、通常2.40以下、好ましくは2.10以下、より好ましくは2.00以下である。下限値については、理想的には1.0である。
この上限値を上回ると、精製が困難となったり、溶媒に対する溶解性が低下したり、電荷輸送能が低下したりする等、本発明の効果が得られないおそれがある。
カラムは、TSKgel GMHXL(東ソー社製)又はこれと同等以上の分離能を示すもの、すなわち、
粒子径 :9mm
カラムサイズ:7.8mm内径×30cm長さ
保証理論段数:14000TP/30cm程度
のものを2本用い、カラム温度は40℃とする。
分子量既知のポリスチレン(標準試料)の溶出時間から算出した校正曲線を用いて、サンプルの溶出時間を分子量に換算することによって、分子量分布が決定される。なお、SEC測定では高分子量成分ほど溶出時間が短く、低分子量成分ほど溶出時間が長くなる。
以下に、本発明における芳香族アミン系ポリマーの好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の電荷輸送膜用組成物は、電子受容性化合物を含有する。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
本発明の電荷輸送膜用組成物に含有される電子受容性化合物は、周期表の第15〜17族に属する元素に、少なくとも一つの有機基が炭素原子で結合した構造を有するイオン化合物であることが好ましく、さらに下記式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
族に属する元素を表し、A2は長周期型周期表の第16族に属する元素を表し、A3は長周期型周期表の第15族に属する元素を表す。
Z1 n1-〜Z3 n3-は、各々独立に、対アニオンを表す。
n1〜n3は、各々独立に、対アニオンZ1 n1-〜Z3 n3-のイオン価に相当する任意の正の整数である。)
式(I−1)〜(I−3)中、R11、R21及びR31は、各々独立に、A1〜A3と炭素原子で結合する有機基を表し、R12、R22、R23及びR32〜R34は、各々独立に、置換基を表す。R11〜R34のうち隣接する2以上の基が、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11、R21及びR31の分子量は、各々、その置換基を含めた値で、通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。R11、R21及びR31の好ましい例としては、正電荷を非局在化させる点から、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が挙げられる。中でも、正電荷を非局在化させるとともに熱的に安定であることから、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましい。
アルケニル基としては、炭素数が通常2以上、通常12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が挙げられる。
R12、R22、R23及びR32〜R34の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されない。R12、R22、R23及びR32〜R34の分子量は、各々、その置換基を含めた値で、
通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。R12、R22、R23及びR32〜R34の例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、シアノ基、水酸基、チオール基、シリル基等が挙げられる。中でも、R11、R21及びR31と同様、電子受容性が大きい点から、A1〜A3との結合部分に炭素原子を有する有機基が好ましく、例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましい。特に、電子受容性が大きいとともに熱的に安定であることから、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましい。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基等が挙げられる。
アルキルアミノ基としては、炭素数が通常1以上、また、通常12以下、好ましくは6以下のアルキル基を1つ以上有するアルキルアミノ基が挙げられる。具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、炭素数が通常2以上、また、通常25以下、好ましくは15以下のアシル基を1つ以上有するアシルアミノ基が挙げられる。具体例としては、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、また、通常25以下、好ましくは15以下の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を有するアリールオキシ基が挙げられる。具体例としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ピリジルオキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数が通常2以上、また、通常10以下、好ましくは7以下のアルコキシカルボニル基が挙げられる。具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数が通常2以上、また、通常10以下、好ましくは7以下のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。具体例としては、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、また、通常25以下、好ましくは14以下のアリールチオ基が挙げられる。具体例としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等が挙げられる。
スルホニルオキシ基の具体例としては、メシルオキシ基、トシルオキシ基等が挙げられる。
シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基など挙げられる。
中でも、電子受容性及び入手容易性の観点から、周期表の第5周期以前(第3〜第5周期)の元素が好ましい。即ち、A1としてはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子のうち何れ
かが好ましく、A2としてはテルル原子、セレン原子、硫黄原子のうち何れかが好ましく、A3としてはアンチモン原子、ヒ素原子、リン原子のうち何れかが好ましい。特に、電子受容性、化合物の安定性の面から、式(I−1)におけるA1が臭素原子又はヨウ素原子であるイオン化合物、式(I−2)におけるA2がセレン原子又は硫黄原子であるイオン化合物が好ましく、中でも、式(I−1)におけるA1がヨウ素原子であるイオン化合物が最も好ましい。
n1〜n3は、各々独立に、対アニオンZ1 n1-〜Z3 n3-のイオン価に相当する任意の正の整数である。n1〜n3の値は特に制限されないが、何れも1又は2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
ルオロメタンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;メトキシイオン、t−ブトキシイオン等のアルコキシイオンなどが挙げられ、テトラフルオロホウ素酸イオン及びヘキフルオロホウ素酸イオンが好ましい。
式(I−5)中、E2は、長周期型周期表の第15族に属する元素を表す。中でもリン
原子、ヒ素原子、アンチモン原子が好ましく、化合物の安定性、合成及び精製が容易である点から、毒性の点から、リン原子が好ましい。
式(I−6)中、Ar1〜Ar4は、各々独立に、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。芳香族炭化水素基、芳香族複素環基の例示としては、R11、R21及びR31について先に例示したものと同様の、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。中でも、化合物の安定性、耐熱性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環由来の1価の基が好ましい。
Ar1〜Ar4として例示した芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、更に別の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は特に制限されず、任意の置換基が適用可能であるが、電子求引性の基であることが好ましい。
以下に本発明における電子受容性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記具体例のうち、電子受容性、耐熱性、有機溶媒に対する溶解性の点で、好ましくは、A−1〜48、A−54、A−55、A−60〜62、A−64〜75、A−79〜83、B−1〜20、B−24、B−25、B−27、B−30〜37、B−39〜43、C−1〜10、C−19〜21、C−25〜27、C−30、C−31の化合物であり、より好ましくは、A−1〜9、A−12〜15、A−17、A−19、A−24、A―29、A−31〜33、A−36、A−37、A−65、A−66、A−69、A−80〜82、B−1〜3、B−5、B−7〜10、B−16、B−30、B−33、B−39、C−1〜3、C−5、C−10、C−21、C−25、C−31の化合物であり、最も好ましくは、A−1〜7、A−80の化合物である。
本発明の電荷輸送膜用組成物は、上述の電子受容性化合物のうち何れか一種を単独で含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で含有していてもよい。また、式(I−1)〜(I−3)のうち何れか一つの式に該当する電子受容性化合物を二種以上組み合わせてもよく、各々異なる式に該当する二種以上の電子受容性化合物を組み合わせてもよい。
た、通常100重量%以下、好ましくは40重量%以下である。電子受容性化合物の含有率が少な過ぎると駆動電圧が上昇するおそれがあり、また電子受容性化合物の含有率が多過ぎると成膜性が低下するおそれがある。二種以上の電子受容性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
本発明の電荷輸送膜用組成物は、有機溶媒を含有する。
有機溶媒としては、本発明の芳香族アミン系ポリマーを、通常0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上溶解する有機溶媒であることが好ましい。また、電子受容性化合物を0.005重量%以上溶解することが好ましく、0.05重量%以上溶解することがより好ましく、0.5重量%以上溶解することがさらに好ましい。
芳香族系有機溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、ペンタフルオロメトキシベンゼン、エチル(ペンタフルオロベンゾエート)等、
含ハロゲン有機溶媒の具体例としては、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等、
エーテル系有機溶媒の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン,1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン,4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール,2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル等、
エステル系有機溶媒の具体例としては、酢酸エチル、酢酸n―ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が挙げられる。
これらは1種で用いてもよく、2種以上の混合有機溶媒としてもよい。
%以上、より好ましくは50%重量以上である。なお、有機溶媒として、前述した有機溶
媒以外にも、必要に応じて、各種の他の有機溶媒を含んでいてもよい。このような他の有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系有機溶媒、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、レベリング剤や消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明の電荷輸送膜用組成物の粘度は、固形分の濃度に依存するが、通常15mPas以下、好ましくは10mPas以下、さらに好ましくは8mPas以下、また通常2mPas以上、好ましくは3mPas以上、さらに好ましくは5mPas以上である。
この上限値を超えると、湿式成膜法にて膜形成時、均一な成膜ができないおそれがある。また、この下限値を下回ると成膜できないおそれがある。
尚、粘度の測定方法は、回転式粘度測定装置を用いて測定した。通常、粘度は、温度及び測定回転数に依存する。上記値は、測定温度23℃、測定回転数20rpmの一定条件で測定での測定値である。
また、本発明の電荷輸送膜用組成物は、必要に応じ、レベリング剤や消泡剤等の塗布性改良剤などの各種添加剤等を含んでいてもよい。この場合は、有機溶媒としては、芳香族アミン系ポリマーと添加剤の双方を0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上溶解する有機溶媒を使用することが好ましい。
本発明の電荷輸送膜用組成物は、保存安定性が高く、湿式成膜法で有機層を形成する場合において、均一に成膜可能であり、また工業的観点から不利益を生じさせないため、有機電界発光素子に用いられることが好ましい。
また、本発明における湿式成膜法とは、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷等の有機溶媒を含有する組成物を用いて成膜する方法をいう。パターニングのし易さという点で、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法が好ましい。
本発明の構成とすることで、駆動寿命の長い素子が得られる理由を以下の通り推測する。
本発明の電荷輸送膜用組成物は、芳香族アミン系ポリマーと電子受容性化合物とが近接している為、芳香族アミン系ポリマーのアミン部位にカチオンラジカルが発生している。通常、発生したカチオンラジカルは、膜形成時の加熱によって消失してしまう。しかしながら、本発明の電荷輸送膜用組成物は、組成物調製時でカチオンラジカルの生成量をある特定の量まで担保することで、膜とした場合にも電荷輸送に関与しうるのに十分なカチオンラジカルが残るものと推測される。つまり、本発明は、組成物の調製時にカチオンラジカルの生成量をある特定量まで担保することで、膜とした場合に電荷輸送能が高いため、ホールトラップなどを生じさせることを抑制できるため、得られる素子の駆動寿命が長い。
本発明の電荷輸送膜用組成物の製造方法の一例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
特に、本発明の電荷輸送膜用組成物は、以下に記載する方法、特に好ましい方法を組み合わせるなどして用いることにより製造することができる。
本発明の電荷輸送膜用組成物に含有される、芳香族アミン系ポリマー、電子受容性化合物及び有機溶媒を混合する場合、混合する芳香族アミン系ポリマー及び電子受容性化合物は、各々独立に、固体であってもよく、また溶液であってもよい。
芳香族アミン系ポリマー及び電子受容性化合物を共に溶液状態で混合することが好ましい。
また、芳香族アミン系ポリマー及び電子受容性化合物の何れか一方が固体状態で、何れか一方が溶液状態で混合することが好ましい。この場合、固体の溶解を確認しながら添加できる点で溶液に、固体を入れることが好ましい。
上記の通り固体で混合する場合、粒径は、通常5cm以下、好ましくは1cm以下、より好ましくは5mm以下、また通常0.5mm以上である。
本発明の電荷輸送膜用組成物の製造方法においては、通常溶解工程を有する。
溶解工程は、固体を有機溶媒に攪拌し、固体が浮遊していることが目視で確認できなくなるようにする工程をいう。
(溶解条件)
溶解工程における温度は、通常20℃以上、好ましくは40℃以上、また通常有機溶媒の沸点以下、好ましくは有機溶媒の沸点より10℃以上低い温度である。この上限値を上回ると、有機溶媒が一部蒸発し濃度が変化するおそれがあり、またこの下限値を下回ると使用有機溶媒が固化、あるいは溶解度が低下するために所望の濃度が得られないおそれがある。
溶解工程における雰囲気は、本発明の効果を損なわない限りは特に制限はないが、不活性ガスが挙げられる。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、などが挙げられ、取り扱い容易な点で、窒素が好ましい。
本発明の電荷輸送膜用組成物を得るための製造方法としては、特に、超音波処理、光照射処理、加熱処理の少なくとも一つの処理を含むことが好ましい。
また、処理を行う時期は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、溶解工程で行ってもよく、また溶解工程の後に行ってもよい。
尚、これらの処理は、いずれか一種の処理を単独で行ってもよく、また併用して処理を行ってもよい。
超音波処理を行う場合、振動子28kHzを用いることが好ましい。
超音波処理における超音波時間は、通常5分以上、好ましくは10分以上、また通常2
時間以下、好ましくは1時間以下である。
この上限値を上回ると、ポリマーが分解するおそれがあり、またこの下限値を下回ると溶解が不十分となるおそれがある。
光照射処理を行う場合、高圧水銀灯を用いることが好ましい。高圧水銀灯は404.7nm、435.8nm、546.1nm、 577.0nm、及び579.1nmの輝線
スペクトルからなる緑がかった青白色(5,700K)の光源で、253.7nm、365.0nmの紫外線照射を伴う。
光照射処理における光照射時間は、通常5時間以上、好ましくは10時間以上、また通常36時間以下、好ましくは20時間以下である。
この上限値を上回ると有機溶媒が一部蒸発等で濃度変化をきたすおそれがあり、またこの下限値を下回ると溶解が不十分となるおそれがある。
加熱処理における加熱手段は、本発明の効果を損なわない限り、公知の技術を用いることができる。
具体的には、芳香族アミン系ポリマー、電子受容性化合物及び有機溶媒を加熱可能な容器に入れ、攪拌しながら、加熱バスにより温度を調節し、加熱攪拌する方法が挙げられる。加熱バスとしては、水バス、オイルバス等が用いられる。
また、芳香族アミン系ポリマー、電子受容性化合物及び有機溶媒を加熱容器に入れ攪拌した後、一定の温度制御可能な恒温槽内に置くことにより加熱処理できる。安全を考慮した観点から、加熱バスを用いた加熱攪拌による方法が好ましい。
また、異なる2種の有機溶媒を用いている場合、上限値である沸点は、最も低い沸点の有機溶媒における沸点が基準となる。
この上限値を上回ると、有機溶媒が突沸するおそれがありかつ有機溶媒の蒸発により仕込み時の濃度変化をきたす。またこの下限値を下回ると加熱処理の効果がなく、溶解不十分になるおそれがある。
超音波処理、光照射処理又は加熱処理のうち少なくとも何れか一種の処理を行うことで、本発明の電荷輸送膜用組成物を製造できる理由は以下の様に推測される。
本発明の電荷輸送膜用組成物の製造方法においては、濾過工程を含むことが好ましい。また、本発明における濾過工程は、溶解工程の後に行うことが好ましい。
濾過工程に用いるフィルターの穴は、通常5μm以下、好ましくは0.5μm以下、また通常0.2μm以上である。
この上限値を上回ると、不溶物が混入するおそれがあり、また、この下限値を下回ると濾過ができず目詰まりするおそれがある。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極、陰極、及び該陽極と該陰極の間に配置された有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層が、本発明の電荷輸送膜用組成物を用いて形成された層を含むことを特徴とする、有機電界発光素子である。
また、上記正孔注入層の陰極側に、湿式成膜法で形成される正孔輸送層を有することが好ましく、さらに該正孔輸送層の陰極側に有する発光層は、湿式成膜法で形成されることが好ましい。
図1は、本発明の有機電界発光素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。図1に示す有機電界発光素子は、基板の上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層,電子注入層及び陰極を、この順に積層して構成される。この構成の場合、通常は正孔注入層が、本発明の電荷輸送膜用組成物を用いて形成された層に該当する。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極2表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
陽極の上には、正孔注入層が形成される。
正孔注入層は、陽極の陰極側に隣接する層へ正孔を輸送する層である。
なお、本発明の有機電界発光素子は、正孔注入層を省いた構成であってもよい。
正孔注入層は、正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことがより好ましい。更には、正孔注入層中にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことが特に好ましい。
つまり、本発明における正孔注入層は、本発明の電荷輸送膜用組成物を用いて形成されることが好ましい。
正孔注入層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
なお、正孔注入層における電子受容性化合物の正孔注入性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
本発明に係る正孔輸送層4の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層4を湿式成膜法により形成することが好ましい。
孔輸送層を省いた構成であってもよい。
正孔輸送層4を形成する材料としては、正孔輸送性が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また、多くの場合、発光層5に接するため、発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、Ara又はArbが異なっているものであってもよい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基及びこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
Ara及びArbにおける芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シロキシ基、シアノ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)及び/又は下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
Xの具体例としては、―O―、―BR―、―NR―、―SiR2―、―PR―、―SR―、―CR2―又はこれらが結合してなる基である。尚、Rは、水素原子又は任意の有機基を表す。本発明における有機基とは、少なくとも一つの炭素原子を含む基である。
Arc〜Arjの具体例としては、前記式(II)における、Ara及びArbと同様である。
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、上記正孔注入層3の形成と同様にして、正孔輸送層形成用組成物を調製した後、湿式成膜後、加熱乾燥させる。
正孔輸送層形成用組成物には、上述の正孔輸送性化合物の他、溶媒を含有する。用いる溶媒は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層3の形成の場合と同様である。
正孔輸送層4は、上記正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層4はまた、架橋性化合物を架橋して形成される層であってもよい。架橋性化合物は、架橋性基を有する化合物であって、架橋することにより網目状高分子化合物を形成する。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。 架橋性
化合物は1種のみを有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で有していてもよい。
正孔輸送層形成用組成物には、架橋性化合物の他、架橋反応を促進する添加物を含んでいてもよい。架橋反応を促進する添加物の例を挙げると、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、オニウム塩等の重合開始剤及び重合促進剤;縮合多環炭化水素、ポルフィリン化合物、ジアリールケトン化合物等の光増感剤;などが挙げられる。
正孔輸送層形成用組成物は、架橋性化合物を通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下含有する。
成膜時の温度、湿度などの条件は、前記正孔注入層3の湿式成膜時と同様である。
成膜後の加熱の手法は特に限定されない。加熱温度条件としては、通常120℃以上、好ましくは400℃以下である。
光などの活性エネルギー照射による場合には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、赤外ランプ等の紫外・可視・赤外光源を直接用いて照射する方法、あるいは前述の光源を内蔵するマスクアライナ、コンベア型光照射装置を用いて照射する方法などが挙げられる。光以外の活性エネルギー照射では、例えばマグネトロンにより発生させたマイクロ波を照射する装置、いわゆる電子レンジを用いて照射する方法が挙げられる。照射時間としては、膜の溶解性を低下させるために必要な条件を設定することが好ましいが、通常、0.1秒以上、好ましくは10時間以下照射される。
加熱及び光などの活性エネルギー照射は、それぞれ単独、あるいは組み合わせて行ってもよい。組み合わせる場合、実施する順序は特に限定されない。
このようにして形成される正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
正孔注入層3の上、又は正孔輸送層4を設けた場合には正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入された正孔と、陰極9から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
発光層5は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として使用してもよい。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。更に、発光層5は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層5を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。また、青色は蛍光発光材料を用い、緑色や赤色は燐光発光材料を用いるなど、組み合わせて用いてもよい。
以下、発光材料のうち蛍光発光材料の例を挙げるが、蛍光色素は以下の例示物に限定されるものではない。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、クリセン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
燐光発光材料としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
発光層5における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、通常35重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層5には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の正孔注入層3における(低分子量の正孔輸送性化合物)として例示した各種の化合物のほか、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence, 1997年, Vol.72−74, pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications, 1996年, pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals, 1997年, Vol.91,pp.209)等が挙げられる。
発光層5における正孔輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層5には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等が挙げられる。なお、発光層5において、電子輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る湿式成膜法により発光層5を形成する場合は、上記材料を適切な溶媒に溶解させて発光層形成用組成物を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。
発光層5を本発明に係る湿式成膜法で形成するための発光層形成用組成物に含有させる発光層用溶媒としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。発光層用溶媒の好適な例は、上記正孔注入層形成用組成物で説明した溶媒と同様である。
また、発光層形成用組成物中の発光材料、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物等の固形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
発光層5の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層5の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層6の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
発光層5と後述の電子注入層8の間に、電子輸送層7を設けてもよい。
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率良く発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
電子注入層8の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8又は発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極9の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極9の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極9を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極9との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層は、正孔注入層3又は正孔輸送層4と発光層5との間に設けられ、発光層5から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は電子阻止層を設けることが効果的である。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
本発明の有機電界発光素子は、有機ELディスプレイ及び有機EL照明に使用される。本発明により得られる有機電界発光素子は、例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社,平成16年8月20日発行,時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で有機ELディスプレイ及び有機EL照明を形成することができる。
[有機電界発光素子の作製]
(実施例1)
図1に示す有機電界発光素子を作製した。
上記式(P1)で表される高分子化合物(P1−1)(2g)、及び上記式(A1)で表される化合物(4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート)(0.4g)、安息香酸エチル(97.6g)を冷却還流管を備えた、200mlの4つ口フラスコ中に混合し、N2気流下、内温100℃で5時間加熱攪拌した。攪拌はフラスコ内にスターラーチップを仕込み、底面よりスターラーを用いて行った。また、加熱はシリコーンオイルを入れたオイルバスを用いて行った。スターラーの回転数は300rpmであった。調製した電荷輸送組成物溶液を安息香酸エチルにて重量で1000倍に希釈して、UV−3100PC(島津製作所製)を用いて、調製した溶液を内径1cm×1cmの石英セルにいれ、リファレンスとして溶液を調製した溶媒を用い、可視吸収スペクトルを測定した。470nmに吸収極大を持ち、吸光度は0.059であった。これより、Is/Dは2.46×103であった。
引き続き、下記構造式(H1)に示す架橋性化合物(重量平均分子量:95000)を含有する有機電界発光素子用組成物を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜して、加熱により架橋させることにより膜厚45nmの正孔輸送層を形成した。
続いて、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を加熱して、正孔輸送層上に蒸着を行い、膜厚60nmの発光層券、電子輸送層を成膜した。蒸着時の真空度は1.3×10−4Pa、蒸着速度は0.6〜1.0Å/秒の範囲で制御した。
次に、陰極としてアルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.7〜6.1Å/秒、真空度2.3〜2.7×10−4Paで制御して膜厚80nmのアルミニウム層を形成した。以上の2層の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
素子の発光スペクトルの極大波長は526nmであり、Alq3からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.33,0.62)であった。
4000cd/m2での輝度半減時間を測定した。
その結果を、表12に纏める。
実施例1の式(P1)で表される正孔輸送性高分子化合物において、(P1−1)(重量平均分子量(Mw):65,000、分散度(Mw/Mn):1.6)から、(P1−2)(重量平均分子量(Mw):66,000、分散度(Mw/Mn):1.8)、に変更した他は、実施例1と同様にして素子を作製した。
4000cd/m2での輝度半減時間を測定した。
その結果を、表12に纏める。
実施例1の<調液方法1>において、冷却還流管つきの200ml4つ口フラスコ中、N2気流下、内温100℃で5時間熱攪拌したのを、100℃のホットプレート上においたビーカー中で5時間攪拌したことに変更した他は、実施例1と同様にして素子を作製した。
その結果を、表12に纏める。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
Claims (10)
- 芳香族アミン系ポリマー、電子受容性化合物及び有機溶媒を含有する電荷輸送膜用組成物において、
下記式(1)を満たすことを特徴とする、電荷輸送膜用組成物。
Is/D≧0.9×103 (1)
(式中、Isは、電荷輸送膜用組成物に含まれる溶質の波長450〜600nmにおける吸収極大の吸光度、
Dは、Is測定時の電荷輸送膜用組成物の全固形分濃度、を表す。) - 前記芳香族アミン系ポリマーが、架橋性基を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電荷輸送膜用組成物。
- 上記芳香族アミン系ポリマーが、重量平均分子量(Mw)3000以上、150000以下のポリマーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電荷輸送膜用組成物。
- 前記電子受容性化合物が、下記式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電荷輸送膜用組成物。
A1〜A3は何れも周期表第3周期以降の元素であって、A1は長周期型周期表の第17
族に属する元素を表し、A2は長周期型周期表の第16族に属する元素を表し、A3は長周期型周期表の第15族に属する元素を表す。
Z1 n1-〜Z3 n3-は、各々独立に、対アニオンを表す。
n1〜n3は、各々独立に、対アニオンZ1 n1-〜Z3 n3-のイオン価に相当する任意の正の整数である。) - 有機電界発光素子用であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の電荷輸送膜用組成物。
- 基板上に、陽極及び陰極、該陽極及び陰極の間に配置された有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層が、請求項7に記載の電荷輸送膜用組成物で形成された有機層を含むことを特徴とする、有機電界発光素子。
- 請求項8に記載の有機電界発光素子を備えたことを特徴とする、有機ELディスプレイ。
- 請求項8に記載の有機電界発光素子を備えたことを特徴とする、有機EL照明。
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