JP2010208973A - Il−8及びgm−csf発現抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物またはその抽出物に由来するIL−8(インターロイキン8)及びGM−CSF(顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子)の発現抑制剤の提供。
【解決手段】地中海地方原産のシソ科植物であるローズマリー又はその抽出物を有効成分とするIL−8及びGM−CSFの発現抑制剤。該ローズマリーの抽出物は、水、アルコール類、多価アルコール類及びケトン類から選ばれる1種又は2種以上の極性溶剤で抽出したものであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本願発明は、IL−8及びGM−CSF発現抑制剤に関する。
IL−8(インターロイキン8)は、白血球の一種である好中球を活性化するサイトカインで、血管内皮細胞、線維芽細胞、上皮細胞などから分泌される。IL−8は好中球の活性化を行なう他、Tリンパ球の走化性誘導などの作用も有する。また、GM−CSF(顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子)は、感染防御に関係する白血球の一種である顆粒球とマクロファージの増殖を促進する糖蛋白質で、活性化されたT細胞や線維芽細胞などから分泌される。GM−CSFは、好中球、好酸球、マクロファージの分化増殖を促し、また成熟したそれら細胞には機能亢進の作用を有する。
IL−8及びGM−CSFの関与が指摘されている病態は各種報告されており、例えば、脂肪組織での血管新生にIL−8及びGM−CSFが関与していること(非特許文献1)や、結膜炎モデルにおいてIL−8及びGM−CSFの分泌が亢進していること(非特許文献2)、さらにダニアレルゲンにより皮膚表皮細胞及び肺上皮細胞からのIL−8及びGM−CSFの分泌が亢進すること(非特許文献3及び4)などが報告されている。
また、胃食道逆流症において、食道でIL−8遺伝子の発現が亢進しており、症状の軽減によりその発現は速やかに低下することが報告されている(非特許文献5)。
従って、IL−8及びGM−CSFの発現やその作用を抑制することができれば、胃食道逆流症の改善、脂肪組織での血管新生の阻害、結膜炎の改善及びダニアレルギーの改善などに有用であると考えられる。
このため、例えば、紫梗抽出分画(特許文献1)、トロンボキサンA2拮抗薬であるラマトロバン(特許文献2)などのIL−8産生抑制剤や、WS−4抗体(特許文献3)などの抗IL−8抗体製剤がこれまでに開発されている。
一方、ローズマリーは地中海地方原産のシソ科、常緑の小低木で、その葉や花は主に料理用、薬用、香料として幅広く利用されている。ローズマリーにはカルノシン酸、カルノソール、ロスマリン酸などのポリフェノール成分が多く含まれ、優れた抗酸化作用を有することが知られている。例えばカルノシン酸、カルノソールはヒト繊維芽細胞の過酸化水素への抵抗力を高め、アポトーシスを抑制する作用があることが報告されている(非特許文献6)。また、ローズマリーは、消臭作用、抗菌作用などを有することが知られている。
しかしながら、これまでにローズマリーが表皮細胞におけるIL−8及びGM−CSFの発現に対して与える影響については全く知られていない。
特開2007−39421号公報 特開平11−322600号公報 特開平10−182488号公報
The Journal of Clinical Investigation 117 (9). 2362-2368 (2007) Cytokine 44 (9). 160-167 (2008) International Archives of Allergy and Immunology 146 (1). 27-35 (2008) Journal of Immunology 161 (7). 3645-3651 (1998) 日本臨床 65巻5号 813-821(2008) フレグランスジャーナル, 8, 55-60 (2004)
本発明は、IL−8及びGM−CSF発現抑制剤を提供することに関する。
本発明者は、IL−8及びGM−CSFの発現を抑制する物質の探索をしたところ、ローズマリーに優れたIL−8及びGM−CSF発現抑制作用があることを見出した。
すなわち、本発明は、ローズマリー又はその抽出物を有効成分とするIL−8及びGM−CSF発現抑制剤を提供するものである。
本発明のIL−8及びGM−CSF発現抑制剤は、優れたIL−8及びGM−CSF発現抑制作用を有するため、IL−8及びGM−CSFの生理作用に起因する各種疾病の予防及び/又は治療効果を発揮する医療品、医薬部外品、化粧料、食品として有用である。
過酸化水素による表皮細胞のIL−8遺伝子及びGM−CSF遺伝子の発現量を示す図である。 ローズマリーエキスのIL−8発現抑制効果を示す図である。 ローズマリーエキスのGM−CSF発現抑制効果を示す図である。
本発明において、ローズマリーとはシソ科のローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)を意味する。ローズマリーの品種にはベネンデンブルー、クリーピング、マリンブルー、マジョルカピンク、トスカナブルー、レックスなどが知られているが、本発明においてはいずれの品種も使用することができる。
ローズマリーの使用部位は、葉、茎、芽、花、枝などの地上部;根などの地下部;種子などの部分が使用可能であるが、葉及び花を用いるのが好ましい。これらは、そのまま又は乾燥粉砕して用いることができる。
ローズマリーの抽出物としては、前記の使用部位、好ましくは葉を、そのまま或いは乾燥した後に適宜適当な大きさに切断したり、粉砕加工したりしたものを抽出して得られる抽出物、さらに分離精製して得られるより活性の高い画分(成分)などが包含される。
抽出方法は、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出などのいずれでもよい。
抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイルなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、溶剤を変えて繰り返し行うことも可能である。
本発明において、ローズマリーの抽出物は、IL−8及びGM−CSF発現抑制作用の点から、水、アルコール類、多価アルコール類及びケトン類から選ばれる1種又は2種以上の極性溶剤で抽出したものを用いるのが好ましい。また、市販のローズマリー抽出物を使用することもできる。
本発明に用いられるローズマリーの抽出物は、食品上・医薬品上許容し得る規格に適合し本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよく、さらに得られた粗精製物を公知の分離精製方法を適宜組み合わせてこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフなどが挙げられる。
本発明のローズマリーの抽出物は、斯くして得られる抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたもの、ペースト状に調製したものでもよい。
本発明のローズマリーの抽出物は、後記実施例に示すように、表皮細胞を用いたin vitro 試験系においてIL−8遺伝子及びGM−CSF遺伝子の両方の発現を有意に抑制した。本発明者は、細胞障害性の低い特定濃度の過酸化水素負荷によってヒト表皮細胞におけるIL−8遺伝子及びGM−CSF遺伝子の発現が用量依存的に上昇することを見出した(参考例1)。このことから、当該in vitro 試験系におけるIL−8遺伝子及びGM−CSF遺伝子の発現抑制作用を指標として、被検物質のIL−8及びGM−CSF発現抑制効果を評価できると考えられる。
従って、当該ローズマリー及びその抽出物は、IL−8及びGM−CSF発現抑制剤や、IL−8及びGM−CSFの発現やその作用を抑制することに有用性があると考えられる各種疾病、例えば胃食道逆流症の改善剤や、脂肪組織での血管新生の阻害剤、結膜炎の改善剤及びダニアレルギーの改善剤など(以下、「IL−8及びGM−CSF発現抑制剤など」)として使用でき、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。
斯かるIL−8及びGM−CSF発現抑制剤などは、IL−8及びGM−CSF発現抑制作用や、IL−8及びGM−CSFの発現やその作用を抑制することに有用性があると考えられる各種疾病、例えば胃食道逆流症の改善、脂肪組織での血管新生の阻害、結膜炎の改善及びダニアレルギーの改善などの各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品、化粧品として使用することができる。そして、当該IL−8及びGM−CSF発現抑制剤などは、例えばIL−8及びGM−CSFの発現やその作用を抑制することに有用性があると考えられる各種疾病、例えば胃食道逆流症の改善、脂肪組織での血管新生の阻害、結膜炎の改善及びダニアレルギーの改善をコンセプトとし、その旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品に応用できる。
本発明のIL−8及びGM−CSF発現抑制剤などを、医薬品として使用する場合、任意の投与形態で投与され得る。投与形態としては、経口、経腸、経粘膜、注射等が挙げられる。経口投与のための製剤の剤型としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等が挙げられる。非経口投与としては、静脈内注射、筋肉注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。
また、斯かる製剤では、本発明のローズマリー及びその抽出物から選ばれる1種以上と、薬学的に許容される担体とを組み合わせて使用してもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、矯味剤、矯臭剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、香料、被膜剤等が挙げられる。
これらの投与形態のうち、経口投与が好ましく、経口投与用製剤として用いる場合の該製剤中の本発明のローズマリー又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、通常、製剤全質量の0.01質量%〜100質量%であり、好ましくは、0.1質量%〜70質量%であり、さらに好ましくは、0.5質量%〜50質量%である。
なお、ローズマリーの含有量は、抽出物の乾燥物換算として算出したものである。
上記製剤の投与量は、患者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与の場合の成人1人当たりの1日の投与量は、通常、ローズマリー(抽出物の乾燥物換算)として1〜2000mg、好ましくは10〜1000mg、より好ましくは50〜500mgである。また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日1回〜数回に分けて投与することが好ましい。
本発明のIL−8及びGM−CSF発現抑制剤などを、食品として使用する場合、その形態は、固形、半固形または液状であり得る。食品の例としては、パン類、麺類、菓子類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、インスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、飲料、スープ類、調味料、栄養補助食品等、およびそれらの原料が挙げられる。また、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。
種々の形態の食品を調製するには、ローズマリー及びその抽出物から選ばれる1種以上と、他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
また、食品中におけるローズマリー又はその抽出物(抽出物の乾燥物換算)の含有量は、その使用形態により異なるが、通常、0.001〜100質量%であり、0.002〜60質量%が好ましく、0.005〜40質量%がより好ましい。
本発明のIL−8及びGM−CSF発現抑制剤などを医薬部外品や化粧料として用いる場合は、皮膚外用剤、洗浄剤、メイクアップ化粧料等とすることができ、使用方法に応じて、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の医薬部外品や化粧料は、本発明のローズマリー及びその抽出物から選ばれる1種以上と、医薬部外品、皮膚化粧料及び洗浄料に配合される、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤(例えば、抗炎症剤、殺菌剤、酸化防止剤、ビタミン類、脂肪代謝促進作用又は脱共役蛋白質発現促進作用が知られている薬物或いは天然物)、香料、樹脂、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類等を適宜組み合わせることにより調製することができる。
当該医薬部外品、化粧料中の本発明のローズマリー又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に0.00001〜20質量%とするのが好ましく、0.0001〜10質量%とするのがより好ましい。
参考例1 過酸化水素が表皮細胞のIL−8遺伝子及びGM−CSF遺伝子の発現に与える影響
1)方法
表皮角化細胞増殖用培地EpiLifeTM中にヒト表皮細胞(NHEK (F) 新生児包皮由来,クラボウ社)を2500個/cm2ずつ播種し、37℃にて細胞密度がサブコンフルエントになるまで培養した。PBS(−)にて洗浄後、5〜100μM H2O2を含む2.0ml PBS(−)を添加し、37℃にて1時間培養した。無処理コントロールは、PBS(−)で洗浄後、2.0ml PBS(−)を添加し、37℃にて1時間培養した。
表皮角化細胞増殖用培地EpiLifeTMで洗浄した後、新たに増殖用培地を2.0ml添加して培養を再開し、6時間後にそれぞれISOGEN(和光純薬工業(株))を用いて細胞の総RNAを回収し、これを鋳型としてスーパースクリプトIIIファーストストランド合成スーパーミックス(Invitrogen社)を用いてcDNAを作成した。このcDNAを用いてTaqMan(登録商標)Gene Expression Assays をプライマーおよびプローブとしてIL-8及びGM-CSF遺伝子発現量をリアルタイムPCRにより測定した(使用機器:ABI PRISM(登録商標)7000 シークエンスディテクションシステム)。
各試料における遺伝子発現量は標準cDNAに対する相対値として表し、更に、内部標準遺伝子としてRPLP0遺伝子の相対発現量を測定し、これにより標準化した。なお、IL-8、GM-CSF及びRPLP0遺伝子発現量の検討に用いたTaqMan(登録商標)Gene Expression AssaysのIDはそれぞれHs00174961_m1,Hs99999902_m1である。
有意差の検定は分散分析により行い、有意水準は5%とした。
2)結果
図1から明らかなように、過酸化水素によってヒト表皮細胞におけるIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の発現が上昇した。なお、図1におけるIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の発現変動は、無処理コントロールのIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の発現量を100とした場合の相対比(%)として表した。従って、当該過酸化水素負荷条件下の細胞におけるIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の発現抑制作用を指標とすれば、被検物質のIL-8及びGM-CSF発現抑制効果の評価が可能であると考えられる。
実施例1 ローズマリーエキスによるIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の発現抑制作用の検討
1)方法
[細胞培養]
培養ヒト表皮細胞(NHEK (F) 新生児包皮由来,クラボウ社)を表皮角化細胞増殖用培地EpiLifeTMに増殖添加剤(インスリン 0.5ml,hEGF 0.5ml,ハイドロコーチゾン 0.5ml,抗菌剤 0.5ml,BPE 2ml)を添加したもの(以下、増殖用培地)で培養した。継代には、0.025%トリプシン/0.01%EDTAを用いた。
[過酸化水素処理]
培地を除き、PBS(−)で2回洗浄した後100μM H2O2を含むPBS(−)を2.0ml添加して37℃にて1時間培養した。無処理コントロールは、過酸化水素処理と同様にPBS(−)で洗浄後PBS(−)2.0mlを添加して37℃にて1時間培養した。
2)評価法
6wellプレートに表皮細胞を2500個/cm2ずつ播種し、2.0mlの増殖用培地中で培養した。細胞密度がサブコンフルエントに達したことを確認した後、サンプルを添加した培地に交換した。サンプル添加培地はファルコレックスローズマリー E(一丸ファルコス株式会社製 抽出溶媒50%エタノール水溶液)を最終濃度0.00075%残渣となるように増殖用培地に添加して作成した。
サンプル添加培地で24時間培養後、上記の過酸化水素処理を行い、その後増殖用培地で洗浄した後、新たに増殖用培地を2.0ml添加して12時間培養した。サンプルの細胞毒性は細胞の形態を観察し、異常の有無で判定した。なお、溶媒コントロールとしてサンプルの代わりに50%エタノール水溶液を用いた。
培養再開後、6時間および12時間後にそれぞれISOGEN(和光純薬工業(株))を用いて細胞の総RNAを回収し、これを鋳型としてスーパースクリプトIIIファーストストランド合成スーパーミックス(Invitrogen社)を用いてcDNAを作成した。このcDNAを用いて参考例1と同様にTaqMan(登録商標)Gene Expression Assays をプライマーおよびプローブとしてIL-8及びGM-CSF遺伝子発現量をリアルタイムPCRにより比較検討した。
3)結果
ローズマリーエキス添加時のIL-8遺伝子発現量及び50%エタノール水溶液(溶媒コントロール)添加時のIL-8遺伝子発現量を図2に示す。また、ローズマリーエキス添加時のGM-CSF遺伝子発現量及び50%エタノール水溶液(溶媒コントロール)添加時のGM-CSF遺伝子発現量を図3に示す。図2及び3におけるIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の発現変動は、無処理コントロールのIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の発現量を100とした場合の相対比(%)として求めた。ローズマリーエキスは、過酸化水素負荷条件下の表皮細胞からのIL-8遺伝子及びGM-CSF遺伝子の両方の発現を有意に抑制した(図2及び3)。このことから、ローズマリーエキスにはIL-8及びGM-CSF発現抑制効果があることが確認された。

Claims (2)

  1. ローズマリー又はその抽出物を有効成分とするIL−8及びGM−CSF発現抑制剤。
  2. ローズマリーの抽出物が、水、アルコール類、多価アルコール類及びケトン類から選ばれる1種又は2種以上の極性溶剤で抽出したものである請求項1記載のIL−8及びGM−CSF発現抑制剤。
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