JP2010208967A - 活性酸素消去剤、並びに該活性酸素消去剤を用いた皮膚外用剤及び化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビャクダン抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、該消去剤を含有する、活性酸素消去用皮膚外用剤、及び化粧料であり、水性溶媒により抽出されたビャクダン抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤。皮膚に対する安全性が高く、皮膚外用剤の有効成分等として有用な、活性酸素消去剤。
【選択図】なし
Description
本発明に係る活性酸素除去剤に用いることができる前記ビャクダンの種類又は部位は特に限定されないが、本発明においては、ビャクダン科ビャクダン属ビャクダン(Santalaceae Santalum album Linne)を用いることができる。
本発明の活性酸素消去剤の有効成分であるビャクダン水抽出物は、活性酸素であれば全ての活性酸素を消去する機能を備えるが、特に、酸素ラジカル及び一重項酸素に対して優れた消去能を有し、酸素ラジカル消去剤及び一重項酸素消去剤として特に有用である。
また、皮膚表面のシーリングによる保湿(エモリエント)剤の一例としては、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ(ルリジサ)油、カカオ脂、シア脂などが挙げられる。
次に、本発明の皮膚外用剤について詳細に説明する。
活性酸素は、常に酸素に接触し、紫外線に暴露されている皮膚表面上に多く存在するので、本発明の活性酸素消去剤を含有する組成物は、皮膚外用剤としてより有用である。本発明の皮膚外用剤は、本発明の活性酸素消去剤(酸素ラジカル消去剤及び一重項酸素消去剤を含む)であって、ビャクダン抽出物を有効成分として含有する皮膚外用剤である。
また、活性酸素消去剤のうち、一重項酸素消去剤は、皮膚に対する安全性が良好であるので、皮膚外用剤中に配合され、皮膚組織内に生じる一重項を消去するのに用いられるのが好ましい。本一重項酸素消去剤を含有する皮膚外用剤は、該一重項酸素消去剤によってもたらされる優れた一重項酸素消去能により、皮膚のトラブルや老化などに対して優れた一重項消去効果を奏する。
ここで、本発明の活性酸素消去剤の配合量は、外用剤の剤形、使用目的等の他、活性酸素消去剤の活性酸素消去能によっても異なるが、一般的には、最終組成物中にビャクダンの抽出物が好ましくは、固形分として0.0001質量%以上1.0質量%以下含有されることが好ましい。この範囲内であれば、ビャクダン抽出物を安定的に配合することができ、かつ高い活性酸素消去効果を発揮することができる。また、抽出液を使用する場合は、溶質であるビャクダン抽出物の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
次に、本発明の化粧料について詳細に説明する。
本発明に係る活性酸素消去剤は、その優れた活性酸素消去効果を利用して、化粧料に好適に用いることができる。本発明に係る化粧料には、ビャクダン抽出物が含有されているため、化粧料として生体内に取り込まれることにより、生体内の活性酸素消去作用を促し、例えば、しみ改善、しわ改善、肌荒れ改善、肌弾力改善、キメ改善、などに効果が期待できる。
また、活性酸素消去剤のうち、本一重項酸素消去剤は、皮膚に対する安全性が良好であるので、化粧料中に配合され、皮膚組織内に生じる一重項を消去するのに用いられるのが好ましい。本一重項酸素消去剤を含有する化粧料は、該一重項酸素消去剤によってもたらされる優れた一重項酸素消去能により、皮膚のトラブルや老化などに対して優れた一重項消去効果を奏する。
ビャクダンの心材100gに、精製水を1.50L加え、加熱抽出をした後、ろ過し、得られたろ液中の溶媒を減圧濃縮し乾燥させた後、水1Lに溶解し、不溶物をフィルターろ過してビャクダン抽出物を得た。得られたビャクダン抽出物は、乾燥固形成分として1質量%になるように調整した。
以下に本発明に係るビャクダン水抽出物の活性酸素消去作用を示すために、DPPHラジカルを用いた実験を行った。本実施例では、活性酸素としてDPPHラジカルを用いた実験を行っているが、DPPHラジカルを用いることは一例であって、消去される活性酸素の種類は特に限定されるものではない。
試験管に、150μmol/LのDPPH(ジフェニル−p−ピクリルヒドラジル)エタノール溶液3mLと、被験試料溶液(ビャクダン水抽出液及びカミツレ抽出物)3mLとを加え、それぞれ密栓した後、振り混ぜ30分間放置した。放置後、波長520nmにおける吸光度を測定した。同様の方法で空試験を行い補正した。
DPPHに対するラジカル消去作用の計算方法は以下のとおりである。
DPPH消去率(%)={C−(St−Sb)}/C×100
St :被験試料溶液の波長520nmにおける吸光度
Sb :被験試料溶液ブランクの波長520nmにおける吸光度
C :コントロール溶液の波長520nmにおける吸光度
ビャクダン水抽出物は30μg/mL、100μg/mL、300μg/mLの濃度の全てにおいて表2に示すようなDPPHラジカル消去能が認められた。一方で、カミツレ抽出物は、200μg/mL以下の濃度では消去能が認められなかったので、下記表1中には、カミツレ抽出物の濃度300μg/mLの被験試料についての結果を示した。
下記表1に、算出した各試料のDPPHラジカル消去率、及び各試料のDPPHラジカル消去率50%発揮する濃度(IC50(μg/mL))を示した。
以下に本発明に係るビャクダン水抽出物の活性酸素消去作用を示すために、一重項酸素を用いた実験を行った。本実施例では、活性酸素として一重項酸素を用いた実験を行っているが、一重項酸素を用いることは一例であって、消去される活性酸素の種類は特に限定されるものではない。
例1で調製したビャクダン水抽出物及びバクガ根エキスの一重項酸素消去率を以下の様にして測定した。まず、一重項酸素を恣意的に発生させ、一重項酸素の遷移に伴う発光が観測される系に、上記ビャクダン水抽出物及びバクガ根エキスを表2に記載の濃度でそれぞれ添加し、その発光強度(I)と、溶媒のみを添加した時の発光強度(I0)を測定する。その測定値を用いて、下記式から一重項酸素消去率(E)は算出した。
E=(I0−I)/I0×100)
また、3回の測定結果の平均値を消去率とした。
なお、比較として用いたバクガ根エキスは、バクガ根100gに水10Lを加え、室温にて抽出し、その後、抽出液をろ過して得られたろ液である。
本例4及び5では、ビャクダン抽出物を含有する皮膚外用剤の調整とその効果を検討した。
以下の製法により、軟膏1を調製した。
(製法)
A.下記成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保った。
B.下記成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保った。
C.AをBに徐々に加えた。
D.Cを冷却しながら下記(7)の残部で溶解した下記(8)、(9)を加え、軟膏を得た。以下、軟膏1への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、軟膏2を調整した。
(製法)
A.下記成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保った。
B.下記成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保った。
C.AをBに徐々に加えた。
D.Cをしながら下記(7)の残部で溶解した下記(8)、(9)を加え、軟膏を得た。以下、軟膏2への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
本例6から14では、ビャクダン抽出物を含有する化粧料の調整とその効果を検討した。
以下の製法により、クレンジングクリームを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.成分(10)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.BにAを加え乳化した。
D.Cを冷却後、成分(15)〜(18)を加え混合し、クレンジングクリームを得た。
得られたクレンジングクリームは軽やかな伸び広がりでメイクの汚れ落ちもよく、皮膚
細胞組織の酸化を防止し、健康的な肌を維持するクレンジングクリームであった。以下、化粧料への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、洗顔料を調整した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を加熱溶解した。
B.下記成分(8)〜(11)を加熱溶解した。
C.AにBを加え混合する。
D.Cを冷却後、下記成分(12)〜(16)を加え混合し、洗顔料を得た。
得られたクレンジングクリーム及び洗顔料、はキメ細やかな豊かな泡立ちとさっぱりと
した使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化を防止し、健康的な肌を維持する洗顔料で
あった。以下、洗顔料への配合量を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、化粧水1を調整した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(8)を混合溶解した。
B.下記成分(9)〜(14)を混合溶解した。
C.BにAを加え乳化し、化粧水を得た。
得られた化粧水1はすっきりとした軽やかな使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化
を防止し、皮膚をみずみずしく保ち、皮膚を滑らかにする化粧水であった。以下、化粧水1への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、化粧水2を調整した。
A.下記成分(3)、(4)及び(8)〜(10)を混合溶解した。
B.Aと、下記成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(11)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
以下、化粧水2への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、乳液を調整した。
A.下記成分(8)〜(9)を成分(12)に添加し膨潤後、成分(10)を加えて混合し加熱して7 0 ℃ に維持し水相を調製した。
B.下記成分(1)〜(6)を7 0 ℃ に加熱混合し、これを前記水相に添加して、乳化した。
C.この乳化物を室温まで冷却し、下記成分(7)、(11)及び(13)を添加し、均一に混合して乳液を得た。
以下、乳液への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、クリームを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.成分(14)〜(18)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(19)を加え混合した。
D.Cを冷却し、成分(20)〜(25)を加え混合し、クリームを得た。
得られたクリームは滑らかでコクのある使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化を防
止し、皮膚に高いエモリエント感を付与し、皮膚を柔軟にするクリームであった。以下、クリームへの配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、美容液を調整した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を混合溶解した。
B.下記成分(10)〜(21)を混合溶解した。
C.BにAを加え混合し、美容液を得た。
得られた美容液はまろやかでマイルドな使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化を防
止し、皮膚に高い保湿感とエモリエント感を付与し、皮膚をみずみずしく柔軟にする美容
液であった。以下、美容液への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、マッサージクリームを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.成分(10)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.BにAを加え乳化した。
D.Cを冷却後、成分(14)〜(17)を加え混合し、マッサージクリームを得た。
得られたマッサージクリームはコクがある滑らかな使用感を有しており、マッサージ効
果が高く、皮膚細胞組織の酸化を防止し、皮膚に潤いとはり感を付与し、皮膚を滑らかに
するマッサージクリームであった。以下、マッサージクリームへの配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
以下の製法により、リキッドファンデーションを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(7)を加熱溶解した。
B.Aに成分(8)〜(11)を加え、均一に混合し、70℃に保った。
C.成分(12)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保った。
D.CにBを加えて乳化した。
E.Dを冷却後、成分(15)〜(18)を加え混合し、リキッドファンデーションを得
た。
得られたリキッドファンデーションは軽やかな伸び広がりのある使用感を有しており、
皮膚細胞組織の酸化を防止し、均一で美しい仕上がりとなるリキッドファンデーションで
あった。以下、リキッドファンデーションへの配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
きる。特に、化粧料等の皮膚外用剤に有用である。
Claims (5)
- 水性溶媒によって抽出されたビャクダン科ビャクダン属ビャクダン(Santalaceae Santalum album Linne)の抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤。
- 前記活性酸素が、酸素ラジカルである請求項1記載の活性酸素消去剤。
- 前記活性酸素が、一重項酸素である請求項1記載の活性酸素消去剤。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の活性酸素消去剤と、薬理学的に許容され得る添加剤と、を含有する皮膚外用剤。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の活性酸素消去剤を含有する化粧料。
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