JP2000336017A - 育毛剤原料及び育毛剤組成物 - Google Patents

育毛剤原料及び育毛剤組成物

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正徳 桂田
Yoshihiro Matsuyama
芳浩 松山
Tomoyuki Hashigaki
智至 橋垣
Toshihiro Sakano
俊宏 坂野
Kazusada Onishi
一禎 大西
Ayumi Yamaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた育毛効果を有し、しかも頭皮に対して
アレルギー反応を起こすことのない安全な育毛剤原料及
び育毛剤組成物の提供にある。 【解決手段】 ムラサキガジュツ(Curcuma aeruginosa
Baker)、パンダナスアマリリフォリウス(Pandanas a
maryllifolius folia )、ジンギバーゼルベット(Zing
iber zerumbet (L.) E. Sm)、カルメグ(Andrographis
paniculata Nees)、ビャクダン(Santalum album L.
)のうちの少なくとも1種、或いはこれらの抽出物か
らなることを特徴とする育毛剤原料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育毛剤原料及び育
毛剤組成物に係り、その目的は、優れた育毛効果を有
し、しかも頭皮に対してアレルギー反応を起こすことの
ない安全な育毛剤原料及び育毛剤組成物を提供すること
にある。
【0002】
【従来の技術】従来より、育毛・養毛の目的で使用され
る頭髪用化粧品や医薬品、医薬部外品が多数創出されて
おり、一般的な育毛剤組成物には、毛根に浸透して血管
を拡張、血行を促進、さらには、毛乳頭を刺激し、毛髪
の生成を促進する育毛成分、清涼感を与える成分、殺菌
作用を有する成分、フケやカユミを防止する成分等が配
合されている。具体的には、育毛成分として、女性ホル
モン、ビタミンE、パントテン酸、トウガラシチンキ、
ショウキョウチンキ、センブリエキス、セファランチ
ン、感光素等が、清涼感を与え殺菌作用を有する成分と
してエタノール等が、フケ防止成分として、レゾルシ
ン、サリチル酸、ジンクピリジオン等が、更にカユミ防
止成分として抗ヒスタミン等が配合されたものが多数存
在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の育毛剤組成物では十分な育毛効果が得ら
れず、また、頭皮に対して好ましくない刺激を与えてし
まうこともあった。そこで、優れた育毛効果を有してお
り、しかも頭皮に対して好ましくない刺激を与えること
のない安全な育毛剤原料及び育毛剤組成物の創出が望ま
れており、本発明者らは、特願平8−153371号に
おいて、タカサブロウ(Eclipta alba (L.)Hassk)の有
機溶媒による抽出物が優れた育毛効果を有しており、し
かも頭皮に対して安全であることを開示している。更
に、特願平11−013342号においては、クサギ
(Clerodendron trichotomum Thunb. )、ノトパナック
ススクテラリウム(Notopanax scutellarium Mer. )、
ククイノキ(Aleuritesmoluccana Willd. )、カユプテ
(Melaleuca leucadendra L.)及びツルグミ(Elaeagnu
s glabra Thunb. )もまた、優れた育毛効果を有するこ
とを提案している。
【0004】本発明者らは、優れた育毛効果を有し、し
かも天然物由来で頭皮に対する安全性の高い育毛剤原料
に関する鋭意研究を更に続けたところ、ムラサキガジュ
ツ(Curcuma aeruginosa Baker)、パンダナスアマリリ
フォリウス(Pandanas amaryllifolius folia )、ジン
ギバーゼルベット(Zingiber zerumbet (L.) E. S
m.)、カルメグ(Andrographis paniculata Neees )、
ビャクダン(Santalum album L. )、更にはこれらの抽
出物が優れた育毛効果を有することを見出し、本発明の
完成に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1に係る発
明は、ムラサキガジュツ(Curcuma aeruginosa Bake
r)、パンダナスアマリリフォリウス(Pandanas amaryl
lifolius folia )、ジンギバーゼルベット(Zingiber
zerumbet (L.) E. Sm. )、カルメグ(Andrographis pa
niculata Neees )、ビャクダン(Santalum album L.
)のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする
育毛剤原料に関する。
【0006】また、請求項2に係る発明は、ムラサキガ
ジュツ(Curcuma aeruginosa Baker)、パンダナスアマ
リリフォリウス(Pandanas amaryllifolius folia )、
ジンギバーゼルベット(Zingiber zerumbet (L.) E. S
m. )、カルメグ(Andrographis paniculata Neees
)、ビャクダン(Santalum album L. )それぞれの抽
出物のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする
育毛剤原料に関する。
【0007】請求項3に係る発明は、前記抽出物が、一
価アルコール、多価アルコール又はその誘導体、ケト
ン、エステル、エーテル、石油エーテル、脂肪族炭化水
素又はそのハロゲン化物、芳香族炭化水素より選択され
た1種以上が含まれてなる無水、或いは含水有機溶媒に
よる抽出物であることを特徴とする請求項2記載の育毛
剤原料に関し、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3
記載の育毛剤原料のうちの少なくとも1種が含有されて
なる化粧品、医薬品、医薬部外品であることを特徴とす
る育毛剤組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る育毛剤原料には、ム
ラサキガジュツ(Curcuma aeruginosa Baker)、パンダ
ナスアマリリフォリウス(Pandanas amaryllifolius fo
lia )、ジンギバーゼルベット(Zingiber zerumbet
(L.) E. Sm. )、カルメグ(Andrographis paniculata
Neees )、ビャクダン(Santalum album L. )より選択
された1種以上の植物が用いられる。
【0009】ムラサキガジュツ(Curcuma aeruginosa B
aker)は、その根茎からは澱粉を採取することができ
る。また、別に球茎を有しその中心部は青色である。本
発明においては、ムラサキガジュツ(Curcuma aerugino
sa Baker)の地上部及び地下部の全部位が使用可能で、
その全草を用いても、或いは葉部や根部、茎部などの各
部位を単独で、或いは適宜混合して用いてもよい。特に
根茎や球茎には有効成分が多く含まれるため好ましく用
いられる。また、乾燥状態のもの、非乾燥状態のものい
ずれも好適に用いられる。
【0010】パンダナスアマリリフォリウス(Pandanas
amaryllifolius folia )はタコノキ属タコノキ科に属
する単子葉植物である。本発明においては、パンダナス
アマリリフォリウス(Pandanas amaryllifolius folia
)の地上部及び地下部の全部位が使用可能で、その全
草を用いても、或いは葉部や根部、茎部などの各部位を
単独で、或いは適宜混合して用いてもよい。特に葉部に
は有効成分が多く含まれるため好ましく用いられる。ま
た、乾燥状態のもの、非乾燥状態のものいずれも好適に
用いられる。
【0011】ジンギバーゼルベット(Zingiber zerumbe
t (L.) E. Sm. )は、西マレーシア地域に多く分布する
大型のショウガの仲間の多年草である。本発明において
は、ジンギバーゼルベット(Zingiber zerumbet (L.)
E. Sm.)の地上部及び地下部の全部位が使用可能で、そ
の全草を用いても、或いは葉部や根部、茎部などの各部
位を単独で、或いは適宜混合して用いてもよい。特に根
茎には有効成分が多く含まれるため好ましく用いられ
る。また、乾燥状態のもの、非乾燥状態のものいずれも
好適に用いられる。
【0012】カルメグ(Andrographis paniculata Neee
s )は、キツネノマゴ科に属する一年生草本で、苦味物
質を多く含み、薬として用いられている。本発明におい
ては、カルメグ(Andrographis paniculata Neees )の
地上部及び地下部の全部位が使用可能で、その全草を用
いても、或いは葉部や根部、茎部などの各部位を単独
で、或いは適宜混合して用いてもよい。また、乾燥状態
のもの、非乾燥状態のものいずれも好適に用いられる。
【0013】ビャクダン(Santalum album L. )はビャ
クダン科に属する常緑の高木で、インド南部、インドネ
シアに分布し、仏像、美術彫刻等に用いられ、また薫
香、抹香、線香の材料とされている。本発明において
は、ビャクダン(Santalum album L. )の地上部及び地
下部の全部位が使用可能で、その全草を用いても、或い
は葉部や根部、茎部などの各部位を単独で、或いは適宜
混合して用いてもよい。また、乾燥状態のもの、非乾燥
状態のものいずれも好適に用いられる。
【0014】上記植物の使用形態は特に限定されず、植
物の粉砕物や乾燥粉末等をそのまま育毛剤原料としても
よい。また、本発明においては、上記した5種の植物の
抽出物を育毛剤原料とすることもでき、更に、抽出物を
濃縮や乾燥により軟エキス、乾燥エキスとしたものを用
いることもできる。
【0015】抽出物を育毛剤原料とする場合、使用する
溶媒は特に限定されないが、無水、或いは含水有機溶
媒、特に一価アルコール、多価アルコール又はその誘導
体、ケトン、エステル、エーテル、石油エーテル、脂肪
族炭化水素又はそのハロゲン化物、芳香族炭化水素より
選択された1種以上が含まれてなる無水、或いは含水有
機溶媒を用いると育毛効果が十分発揮され好ましい。具
体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソブタノール、n
−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチル
ブタノール、n−オクタノール等の炭素数1〜8の一価
アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1、3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル等の炭素数2〜6の多価アルコール或いはその
誘導体、アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケト
ン、イソブチルメチルケトン、メチル−n−プロピルケ
トン等の炭素数3〜6のケトン、酢酸エチル、酢酸イソ
プロピル等の炭素数4〜5のエステル、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル等の炭
素数4〜8のエーテルや石油エーテル、n−ブタン、n
−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン等の炭素数4
〜8の脂肪族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジ
クロロエタン、トリクロロエチレン等の炭素数1〜2の
脂肪族炭化水素のハロゲン化物、ベンゼン、トルエン等
の炭素数6〜7の芳香族炭化水素のうちの1種、或いは
2種以上が含まれてなる無水或いは含水有機溶媒を好ま
しい例として挙げることができる。
【0016】上記抽出溶媒により得られた抽出液から溶
媒を留去して得られた抽出物を育毛剤原料とすることが
できるが、抽出溶媒としてエタノールを用いた場合に
は、エタノールは皮膚に対する安全性が高いため、抽出
液から溶媒を留去することなく育毛剤原料とすることが
できる。
【0017】本発明に係る育毛剤組成物には、上記育毛
剤原料のうちの1種以上が配合される。育毛剤原料の配
合量は特に限定されないが、少なすぎると育毛剤原料配
合による効果が十分発揮されないため、全組成物中0.
01〜100重量%とするのが望ましく、植物の乾燥粉
末や植物の抽出物のみを育毛剤組成物とすることも可能
である。
【0018】本発明に係る育毛剤組成物には、上記育毛
剤原料以外に、育毛・養毛成分として、例えば、ビタミ
ンE及びその誘導体、センブリエキス、ニンニクエキ
ス、セファランチン、塩化カルプロニウム、アセチルコ
リン等の血行促進剤、トウガラシチンキ、カンタリスチ
ンキ、ショウキョウチンキ、ノニル酸バニルアミド等の
局所刺激剤、サリチル酸、レゾルシン、乳酸などの角質
溶解剤、プラセンタエキス、ペンタデカン酸グリセリ
ド、パントテニルエチルエーテル、ビオチン、ヒノキチ
オール、アラントイン等の代謝賦活剤、グリチルリチン
酸、グリチルレチン酸等の消炎剤、イソプロピルメチル
フェノール、トリクロサン、ジンクピリチオン、ヒノキ
チオール等の殺菌剤、メントール、カンフル等の清涼
剤、その他女性ホルモン等を適宜配合することも可能で
ある。
【0019】更に、本発明の効果を損なわない範囲で、
アルコ−ル、多価アルコール、水溶性高分子、酸化防止
剤、pH調整剤、紫外線防止剤、金属イオン封鎖剤、増
粘剤、界面活性剤、精製水、香料、防腐剤、抗菌剤、油
剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、保湿剤、清涼剤、色
素等の通常の化粧品成分、或いはホルモン類、ビタミン
類、アミノ酸類、収れん剤及び胎盤抽出物、エラスチ
ン、コラーゲン、ムコ多糖、アロエ抽出物、ヘチマ水、
ローヤルゼリー、バーチ、ニンジンエキス、カモミラエ
キス、甘草エキス、サルビアエキス、アルテアエキス、
セイヨウノコギリソウエキス等の生薬成分をはじめとす
る動植物抽出成分等の特殊配合成分を、目的に応じて適
宜任意に配合してもよい。
【0020】尚、本発明に係る育毛剤組成物は化粧品、
医薬部外品或いは医薬品として用いることができ、例え
ば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアトリートメント
として用いることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 (実施例1)乾燥したムラサキガジュツ(Curcuma aeru
ginosa Baker)の根茎の粉砕物100gにメタノール6
00mlを加えて還流抽出し、抽出液を冷却、濾過後、
溶媒を留去して得られた抽出物4.8gを実施例1の試
料とした。
【0022】(実施例2)乾燥したパンダナスアマリリ
フォリウス(Pandanas amaryllifolius folia )の葉の
粉砕物100gにメタノール500mlを加えて還流抽
出し、抽出液を冷却、濾過後、溶媒を留去して得られた
抽出物3.1gを実施例2の試料とした。
【0023】(実施例3)乾燥したジンギバーゼルベッ
ト(Zingiber zerumbet (L.) E. Sm. )の根茎の粉砕物
100gにメタノール500mlを加えて還流抽出し、
抽出液を冷却、濾過後、溶媒を留去して得られた抽出物
2.5gを実施例3の試料とした。
【0024】(実施例4)乾燥したカルメグ(Androgra
phis paniculata Neees )の全草の粉砕物100gにメ
タノール500mlを加えて還流抽出し、抽出液を冷
却、濾過後、溶媒を留去して得られた抽出物2.8gを
実施例4の試料とした。
【0025】(実施例5)乾燥したビャクダン(Santal
um album L. )の心材の粉砕物100gにメタノール5
00mlを加えて還流抽出し、抽出液を冷却、濾過後、
溶媒を留去して得られた抽出物3.50gを実施例5の
試料とした。
【0026】
【試験例】〔試験例1:マウスの発毛に対する効果〕 (試験方法) 試料溶液の調製 実施例1〜5の各試料を、その濃度が5%(w/v)と
なるように99.9%エタノールに溶解したものを検体
溶液とした。また、99.9%エタノールを比較例1の
検体溶液とした。
【0027】マウスへの塗布 C3H/HeN Crjマウス(8週齢、体重21〜2
6g)を一週間以上馴化飼育を行ったあと、異常のなか
ったものについて、背部被毛を電気バリカンで、2cm
×4cmの広さに毛刈りし、さらに電気シェーバーにて
除毛し、検体溶液の投与部位とした。除毛してから3日
後、実施例1〜5及び比較例1の検体溶液を各10匹の
マウスに連続19日間、100μlずつ、1日1回午前
中に塗布した。試験期間中、C3H/HeN Crjマ
ウスは、温度22±2℃、相対湿度55±15%、換気
回数20回/時、照射時間を午前6時から午後6時に設
定した飼育室で、プラスチックケージ(14.5cm×
26cm×12.5cm)を用いて5匹ずつ飼育した。
【0028】検体塗布部位の状態を定期的に観察し、以
下の評価基準に従ってスコアをつけ、10匹の平均点を
算出した。 皮膚がピンク色を呈する…0点 皮膚が灰色に変化(100%未満)…1点 皮膚が灰色に変化(100%)…2点 発毛が茶色に変化(100%未満)…3点 発毛が茶色に変化(100%)…4点 発毛が黒色に変化…5点
【0029】結果を表1に示す。
【表1】
【0030】表1の結果から、ムラサキガジュツ(Curc
uma aeruginosa Baker)、パンダナスアマリリフォリウ
ス(Pandanas amaryllifolius folia )、ジンギバーゼ
ルベット(Zingiber zerumbet (L.) E. Sm. )、カルメ
グ(Andrographis paniculata Neees )、ビャクダン
(Santalum album L. )の抽出物が優れた育毛効果を有
していることがわかる。
【0031】〔試験例2:マウス毛包由来細胞の増殖に
対する効果〕 (試験方法) 試料溶液の調製 まず、実施例1〜5の試料を、培養液に添加したときの
最終濃度が後記表2〜6に示す濃度となるように、9
9.9%エタノールに溶解した。また比較例2として
は、近年優れた育毛効果を有する物質として注目されて
いるミノキシジルを培養液に添加したときの最終濃度が
70μg/mlとなるように、99.9%エタノールに
溶解したものを用いた。
【0032】毛根の回収 生後4日齢のC3H/HeSlc系新生仔マウスの皮膚
を無菌的に採取し、10%FBS−DMEM培地で数回
洗浄した。筋組織を取り除き、皮膚片を約1mm幅の短
冊状に切り、毛包下部が現れるよう真皮結合組織を剥離
した。出来るだけ多くの完全な毛球が得られるよう、メ
スで真皮組織をさらに細かく分け、0.2%コラゲナー
ゼDMEM培養液(カルシウム、マグネシウム不含)で
60分間、37℃でインキュベートした後、5℃に冷
し、10%FBS−DMEM培地を加え反応を止め、毛
球を回収した。
【0033】細胞の培養 得られた毛根をトリプシン処理し、毛球部分の細胞(主
に毛母細胞)を得、この細胞を10%FBS−DMEM
培地に分散させコラーゲンコートした96ウェルマイク
ロプレートに播種した。5%CO2 ,37℃条件下で2
4時間培養した後、培養液を試験培地(MCDB153
培地に、5μg/mlのインシュリン、5ng/ml のEGF,
0.5μg/mlのHydrocortisone及び、35μg-protein/
ml-Bovine Pituitary Extract を添加したもの)に試験
物質又は99.9%エタノールのみを1/100容添加
したものに交換し、引き続き同じ条件で4日間培養した
後、細胞数を測定した。また、対照例として、99.9
%エタノールのみを添加したものについても同様に培養
し、細胞数を測定した。尚、比較例及び対照例の試料を
用いた試験は、実施例1〜5それぞれについて、実施例
と同じ条件下で行った。
【0034】実施例1〜5及び比較例2の試料溶液を
添加した場合について得られた細胞数を、対照例につい
て得られた細胞数と比較し、細胞増殖比の平均値±標準
偏差を算出した。対照例との有意差検定は、危険率5%
未満(p<0.05)を有意とし、t−test検定を
用いて行った。
【0035】実施例1に関する結果を表2に示す。
【表2】
【0036】表2の結果より、ムラサキガジュツ(Curc
uma aeruginosa Baker)のメタノール抽出物は培養液中
1〜10μg/mlの濃度において、130.5〜17
0.3%と優れた育毛効果を有しており、ミノキシジル
よりも低い濃度でミノキシジルよりも優れた育毛効果を
示すことが分かる。
【0037】実施例2に関する結果を表3に示す。
【表3】
【0038】表3の結果より、パンダナスアマリリフォ
リウス(Pandanas amaryllifoliusfolia )のメタノー
ル抽出物は培養液中0.01〜10μg/mlの濃度に
おいて、92.4〜124.9%と優れた育毛効果を有
しており、10μg/mlの濃度でミノキシジル70μ
g/mlの濃度のときの育毛効果と略同様の育毛効果を
示すことが分かる。
【0039】実施例3に関する結果を表4に示す。
【表4】
【0040】表4の結果より、ジンギバーゼルベット
(Zingiber zerumbet (L.) E. Sm. )のメタノール抽出
物は培養液中0.01〜1μg/mlの濃度において、
120.07〜133.9%と優れた育毛効果を有して
おり、1μg/mlの濃度でミノキシジル70μg/m
lの濃度のときの育毛効果と略同様の育毛効果を示すこ
とが分かる。
【0041】実施例4に関する結果を表5に示す。
【表5】
【0042】表5の結果より、カルメグ(Andrographis
paniculata Neees )のメタノール抽出物は培養液中
0.1〜100μg/mlの濃度において、115.3
〜310.1%と優れた育毛効果を有しており、10μ
g/mlの濃度でミノキシジル70μg/mlの濃度の
ときの育毛効果と略同様の育毛効果を示すことが分か
る。
【0043】実施例5に関する結果を表6に示す。
【表6】
【0044】表6の結果より、ビャクダン(Santalum a
lbum L. )のメタノール抽出物は培養液中0.5〜10
0μg/mlの濃度において、155.4〜194.6
%と優れた育毛効果を有しており、ミノキシジルよりも
低い濃度でミノキシジルよりも優れた育毛効果を示すこ
とが分かる。
【0045】以下、本発明に係る育毛剤原料を配合し
た、育毛剤組成物の処方例を示す。
【0046】 (処方例2)育毛剤 配合率(重量%) 実施例5で得られた ビャクダン抽出物 5.0 酢酸トコフェロール 0.1 パントテニルアルコール 0.2 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 キナエキス 0.5 ポリオキシエチレン(EO60)硬化ヒマシ油 0.3 香料 0.1 プロピレングリコール 2.0 エタノール 60.0 精製水 残 部 合 計 100.0
【0047】 (処方例3)育毛剤 配合率(重量%) 実施例2で得られた パンダナスアマリリフォリウス抽出物 5.0 酢酸トコフェロール 0.1 パントテニルアルコール 0.2 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 キナエキス 0.5 ヒノキチオール 0.05 ポリオキシエチレン(EO60) 硬化ヒマシ油 0.3 香料 0.1 プロピレングリコール 5.0 エタノール 60.0 精製水 残 部 合 計 100.0
【0048】
【0049】
【0050】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に係る発明
は、ムラサキガジュツ(Curcuma aeruginosa Baker)、
パンダナスアマリリフォリウス(Pandanas amaryllifol
ius folia )、ジンギバーゼルベット(Zingiber zerum
bet (L.) E. Sm. )、カルメグ(Andrographis panicul
ata Neees )、ビャクダン(Santalum album L. )のう
ちの少なくとも1種からなることを特徴とする育毛剤原
料に関するものであるから、優れた育毛効果を有すると
いう効果を奏する。また、天然物由来であるから、頭皮
に対してアレルギー反応を起こすことがなく安全である
という優れた効果を奏する。
【0051】また請求項2に係る発明は、ムラサキガジ
ュツ(Curcuma aeruginosa Baker)、パンダナスアマリ
リフォリウス(Pandanas amaryllifolius folia )、ジ
ンギバーゼルベット(Zingiber zerumbet (L.) E. Sm.
)、カルメグ(Andrographispaniculata Neees )、ビ
ャクダン(Santalum album L. )それぞれの抽出物のう
ちの少なくとも1種からなることを特徴とする育毛剤原
料に関し、請求項3に係る発明は、前記抽出物が、一価
アルコール、多価アルコール又はその誘導体、ケトン、
エステル、エーテル、石油エーテル、脂肪族炭化水素又
はそのハロゲン化物、芳香族炭化水素より選択された1
種以上が含まれてなる無水、或いは含水有機溶媒による
抽出物であることを特徴とする請求項2記載の育毛剤原
料に関するものであるから、植物中の有効成分が効率よ
く育毛効果を発揮するという効果を奏する。
【0052】更に請求項4に係る発明は、請求項1乃至
3記載の育毛剤原料のうちの少なくとも1種が含有され
てなる化粧品、医薬品、医薬部外品であることを特徴と
する育毛剤組成物に関するものであるから、優れた育毛
効果を有し、しかも頭皮に対してアレルギー反応を起こ
すことがなく安全であるという優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桂田 正徳 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 (72)発明者 松山 芳浩 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 (72)発明者 橋垣 智至 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 (72)発明者 坂野 俊宏 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 (72)発明者 大西 一禎 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 (72)発明者 山口 あゆみ 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB052 AC012 AC102 AC122 AC432 AC642 AC852 AD532 AD552 AD662 CC37 DD08 DD23 EE10 EE22 FF01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムラサキガジュツ(Curcuma aeruginosa
    Baker)、パンダナスアマリリフォリウス(Pandanas a
    maryllifolius folia )、ジンギバーゼルベット(Zing
    iber zerumbet (L.) E. Sm. )、カルメグ(Andrograph
    is paniculataNeees )、ビャクダン(Santalum album
    L. )のうちの少なくとも1種からなることを特徴とす
    る育毛剤原料。
  2. 【請求項2】 ムラサキガジュツ(Curcuma aeruginosa
    Baker)、パンダナスアマリリフォリウス(Pandanas a
    maryllifolius folia )、ジンギバーゼルベット(Zing
    iber zerumbet (L.) E. Sm. )、カルメグ(Andrograph
    is paniculataNeees )、ビャクダン(Santalum album
    L. )それぞれの抽出物のうちの少なくとも1種からな
    ることを特徴とする育毛剤原料。
  3. 【請求項3】 前記抽出物が、一価アルコール、多価ア
    ルコール又はその誘導体、ケトン、エステル、エーテ
    ル、石油エーテル、脂肪族炭化水素又はそのハロゲン化
    物、芳香族炭化水素より選択された1種以上が含まれて
    なる無水、或いは含水有機溶媒による抽出物であること
    を特徴とする請求項2記載の育毛剤原料。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の育毛剤原料のうち
    の少なくとも1種が含有されてなる化粧品、医薬品、医
    薬部外品であることを特徴とする育毛剤組成物。
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