JP2010208032A - 画像処理回路および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入力されたラスターデータを2ビームエンジンへ出力する画像処理回路における半導体回路のゲート規模を削減する。
【解決手段】バッファーAには上流側を走査するレーザー発振器を駆動するための奇数ラインのラスターデータを記憶させ、バッファーBには下流側を走査するレーザー発振器を駆動するための偶数ラインのラスターデータを記憶させる。そして、ライン順に入力されるラスターデータについて、第1ラインのラスターデータ全てをバッファーAへ記憶した後、第2ライン以降のラスターデータの入力が開始されると、ラインの偶奇に応じて入力されるラスターデータを対応するバッファーへ記憶しつつ各バッファーからデータを出力する。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像処理回路および画像形成装置に関し、特に、入力されたラスターデータを2ビームエンジンへ出力する画像処理回路および画像形成装置に関する。
レーザー方式で印刷を行うレーザープリンター等において、プリンターコントローラー等の制御部は印刷データからラスターデータを生成して印刷エンジンに出力し、印刷エンジンは入力されたラスターデータに従って感光ドラムをレーザービームで走査する。このプリンターコントローラーで生成されるラスターデータは、各ラスター内ではレーザーの走査方向と対応する順に並んだデータとして生成され、このラスターデータを印刷データの先頭ラスターから順に一列に並ぶように生成される。すなわち1ラスター毎に前ラスターの各画素データが走査方向順に順次出力完了してから、次ラスターのデータが順次出力されるように構成されている。
しかしながら、各色データを印刷する際に2本のレーザービームを同時に並行走査して印刷を行う2ビーム方式のレーザープリンターでは、隣り合う1組のラスターデータ(例えば第nラスターと第(n+1)ラスターのデータ(n=1,2,3・・・))を同時に印刷エンジンに出力する必要がある。そこで2ビーム方式のレーザープリンターでは、ラスターデータを出力する際に一旦バッファリングしてデータの出力タイミングを調整し、隣り合う1組のラスターデータが並行して印刷エンジンに入力されるようにしている。
図6は従来の変換回路の一例、図7は従来の変換回路に入出力されるデータのタイミングチャートである。図6に示す変換回路では、ビーム毎に2つバッファーを備えており、例えばバッファーA1,B1にラスターデータを書込んでいる間はバッファーA2,B2に記憶されているラスターデータを読み出して印刷エンジンに出力し、バッファーA1,B1からラスターデータを読み出している間はバッファーA2,B2にラスターデータを書込んでいる。すなわちラインデータを書込むバッファーと読出すバッファーとを交互に切替えて使用しているので、色データ毎に2つのバッファーメモリーが必要になっていた。
このような状況に鑑みて、特許文献1にはバッファーメモリー数を減少するための技術が開示されている。特許文献1には、Nビーム方式のレーザープリンターにおいて、例えばkビットパラレルのラインバッファーを用いることにより、主走査の1周期の間に書込みが必要になるラインバッファー数をN/k本、読出しに必要になるラインバッファー数をN/k本とし、総ラインバッファー数を2N/k本とする技術について記載されている。
特開2002−67383号公報
しかしながら特許文献1の技術はバッファーメモリーの個数を減らしているものの、ラインバッファーに必要なメモリー容量そのものは図6に示す従来例となんら変わるものではない。従って、メモリー本数の減少によって実装上の手間等は軽減されるものの、ゲート規模やメモリーのコスト面ではメリットが少ないし、各メモリーの半導体面積が大きくなるのでコスト的にはデメリットとなる可能性がある。また、パラレル数分だけ印刷エンジンの初動が遅れたり、ラインバッファーのいずれのパラレルラインへ各ラスターデータを入力するかを司る制御回路が別途必要になったりする。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、入力されたラスターデータを2ビームエンジンへ出力する半導体回路のゲート規模を削減することにより、消費電力やコストを改善した画像処理回路および画像形成装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明の画像処理回路は、入力されたラスターデータを2ビームエンジンへ出力する画像処理回路であって、前記ラスターデータの1ライン分のデータを記憶可能な第1バッファーと、前記ラスターデータの半ライン分のデータを記憶可能な第2バッファーとを備え、前記第1バッファーと前記第2バッファーは書込み速度が出力速度の倍以上としてある。
前記構成において、前記第1バッファーには前記2ビームエンジンの第1ビーム走査制御部を駆動するための第(2n−1)番目ラインのラスターデータを記憶させ、前記第2バッファーには前記2ビームエンジンの第2ビーム走査制御部を駆動するための第(2n)番目ラインのラスターデータを記憶させる。なお、nは自然数(n=1,2,3,4・・・)である。
そして、ライン順に入力される前記ラスターデータについて、第1番目ラインのラスターデータ全てを前記第1バッファーへ記憶した後、第2番目ライン以降のラスターデータの入力が開始すると、入力されるラスターデータを対応するバッファーへ記憶しつつ各バッファーからデータを前記2ビームエンジンに出力する。すなわち、第(2n)番目ラインのラスターデータは前記第2バッファーへ入力し、第(2n−1)番目ラインのラスターデータは前記第1バッファーへ入力し、データを各バッファーへ入力しつつバッファーに記憶されたデータを読み出して前記2ビームエンジンへ出力する。
前記2ビームエンジンの各ビームエンジンは、前記ラスターデータの各画素データの階調値に応じたビーム強度で、前記ラスターデータの各ラインに対応した方向を主走査方向として、ビーム照射先である印刷媒体や表示装置の発光面を、ビーム走査するものである。また前記2ビームエンジンの前記第1ビーム走査制御部と前記第2ビーム走査制御部の制御するビームは、前記ラスターデータの隣接するラインの各画素データの階調値に応じたビーム強度で、ビーム照射先である印刷媒体や表示装置の発光面を並行して走査可能である。このとき第1ビーム走査制御部と第2ビーム走査制御部は、副走査方向に並んだ位置を走査してもよいし主走査方向に所定数の単位量データ分(例えば数画素分)だけずれた位置を走査してもよい。
以上の構成によれば、2ビームエンジンへ出力する前のラスターデータをビーム走査制御部毎に振分ける画像処理回路に利用されるバッファーを、ラスターデータの1.5ライン分で実現できる。よって画像処理回路における半導体回路のゲート規模が削減され、消費電力やコストが改善される。
上述した画像処理回路におけるアドレスポインタの管理を容易にするための本発明の選択的な態様として、各バッファーへのデータ入出力タイミングを下記の3態様のように調整にすることが考えられる。下記の態様は、前記第1バッファーと前記第2バッファーは書込み速度を出力速度の2倍とすると容易に実現できるが、書込み開始タイミングや出力開始タイミングを所定量遅延させればこの限りではない。
例えば、第(2n)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの出力を開始したタイミングで前記第2バッファーへの入力を開始され、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第2バッファーへの入力を完了し、第(2n+1)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第1バッファーへの入力を開始され、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの出力を完了したタイミングで前記第1バッファーへの入力を完了するように構成する。
また例えば、第(2n)番目ラインのラスターデータは、第(2n)番目ラインのラスターデータの出力を開始したタイミングで前記第2バッファーへの入力を開始され、第(2n)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第2バッファーへの入力を完了し、第(2n+1)番目ラインのラスターデータは、第(2n)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第1バッファーへの入力を開始され、第(2n)番目ラインのラスターデータの出力を完了したタイミングで前記第1バッファーへの入力を完了するように構成する。
また例えば、第(2n)番目ラインと第(2n−1)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの入力を完了したタイミングで出力を開始され、第(2n+3)番目ラインのラスターデータの入力を開始したタイミングで出力を完了するように構成する。
また前記第1バッファーと第2バッファーにデータ書込み先のアドレスを指定する際のアドレスポインタの管理を容易にする本発明の選択的な一態様として、前記第1バッファーのデータ書込み先は、単位量データが入力される度に順次シフトされ且つ前記ラスターデータの各ラインの先頭でリセットされるアドレスにて指定され、前記第2バッファーのデータ書込み先は、前記アドレスの最上位ビットを欠落させたアドレスで指定するように構成してもよい。
この構成によれば、第1バッファーと第2バッファーとにデータ書込み先を指定するアドレスに同じアドレスを利用することができる。すなわち、第1バッファーの先頭から末尾までアドレスが一巡する間に、第2バッファーに対しては先頭から末尾までアドレスが二巡することになる。
また前記第1バッファーと第2バッファーにデータ出力元のアドレスを指定する際のアドレスポインタの管理を容易にする本発明の選択的な一態様として、前記第1バッファーのデータ出力元は、単位量データが入力される度に順次シフトされ且つ前記ラスターデータの各ラインの先頭でリセットされるアドレスにて指定され、前記第2バッファーのデータ出力元は、前記アドレスの最上位ビットを欠落させたアドレスで指定するように構成してもよい。
この構成によれば、第1バッファーと第2バッファーとにデータ出力元を指定するアドレスに同じアドレスを利用することができる。すなわち、第1バッファーの先頭から末尾までアドレスが一巡する間に、第2バッファーに対しては先頭から末尾までアドレスが二巡することになる。
上述した画像処理回路は、画像形成装置等の他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。また、本発明は上記画像処理回路を備える画像処理システム、上述した回路の構成に対応した工程を有する制御方法、上述した回路の構成に対応した機能をコンピューターに実現させるプログラム、該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体、等としても実現可能である。これら画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラム、該プログラムを記録した媒体、の発明も、上述した作用、効果を奏する。むろん、請求項2〜6に記載した構成も、前記システムや前記方法や前記プログラムや前記記録媒体に適用可能である。
本発明の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック構成図である。 画像処理回路にて生成されるラスターデータを説明する図である。 データ変換回路の構成を示すブロック図である。 データ変換回路に入出力される信号のタイミングチャートである。 各バッファーにバッファーされているデータの変化を模式的に示した図である。 従来の変換回路の一例である。 従来の変換回路に入出力されるデータのタイミングチャートである。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)本発明の構成:
(2)データ変換回路の構成と作用:
(3)データ入出力の流れ:
(4)まとめ:
(1)本発明の構成:
図1は、本発明の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示す実施形態では、プリンター100が画像形成装置を構成し、データ変換回路11gもしくはASIC11もしくはプリンターコントローラー10が画像処理回路を構成する。
図1に示すように、プリンター100は、プリンターコントローラー10と印刷エンジン20を備える。プリンターコントローラー10は入力された印刷データを印刷エンジン20が解釈可能して印字可能なデータに変換して印刷エンジン20に出力する。すると印刷エンジン20は印刷データに従って不図示のトナーカートリッジ、感光体ドラム、レーザー光照射機構、紙送り機構、給排紙機構等を制御してレーザー方式の印字処理を行う。
プリンターコントローラー10は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、外部I/F(Interface)14、を備えており、ASIC11はCPU(Central Processing Unit)11a、CPU制御回路11b、RAM制御回路11c、ROM制御回路11d、画像処理回路11e、I/F制御回路11f、データ変換回路11g等を備えている。ASIC11の各制御回路11b〜11fは内部バスで相互通信可能に接続されている。
CPU制御回路11bにはCPU11aが接続されており、CPU11aとASIC11との間で信号変換を行うためのインターフェースとして機能する。
RAM制御回路11cにはRAM12が接続されており、内部バスを経由して入力される制御信号に基づいてRAM12に対するデータ入出力を制御する。
ROM制御回路11dにはROM13が接続されており、内部バスを経由して入力される制御信号に基づいてROM13からのデータ出力を制御する。
CPU11aは、各制御回路を介してROM13に記録されたプログラムデータを適宜RAM12に展開しつつ、該プログラムデータに基づいた演算処理をCPU11aが実行することにより、プリンター100としての機能を実現する。
I/F制御回路11fは、外部I/F14に接続されている。外部I/F14はコンピューター200等の外部装置から入力される印刷データを受信するための通信インターフェースであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格に準じたインターフェースやLAN(Local Area Network)に接続するためのインターフェース等である。I/F制御回路11fは、CPU11aの制御に従って外部I/F14によって受信された印刷データを取得してRAM12に記憶する。
画像処理回路11eは、印刷エンジン20が印刷可能なラスターデータを生成する。画像処理回路11eは、例えば、コンピューター200が生成してプリンター100に入力した印刷データに基づき、必要に応じて言語解釈部に印刷データを解釈させながら各画素がRGB各色の階調値で表現されたラスターデータを生成し、必要に応じて解像度変換処理を行いつつ、色変換処理(例えば、RGB色空間からCMYK色空間への色変換等)とハーフトーン処理とラスタライズ処理を行ってCMYK各プレーンの画像データをラスターデータとして生成し、生成したラスターデータを色毎にデータ変換回路11gに入力する。言語解釈部はPDL等のプリントジョブ言語を解釈して、レイアウトやフォーマット等を解釈結果に応じて変更した画像データの生成を画像処理回路に指示する。
なお、画像処理回路11eに入力される印刷データはRGBで表現されたものに限らず、CMYKで表現されていたり、CMYKlclmのように濃色と淡色の色データを含む形で表現されていたり、バイオレット等の色データを含む形で表現されていたり、Lab色空間で表現されていたりする等、様々なデータ形式が採用可能である。また、色変換後のラスターデータはプリンター100に搭載されたトナーの色に応じて適宜選択されるものであり、CMYKlclmであったりRGBであったり様々なバリエーションが有り得る。
図2は、画像処理回路11eにて生成されるラスターデータを説明する図である。本実施形態の印刷エンジンは2本のレーザーを同時に並行走査することにより、紙送り方向に隣接した2本のラスターを同時に印刷できるようになっている。しかしながら、画像処理回路11eから出力されるラスターデータは、各ラインにおいてレーザーの走査方向における先頭画素(例えば図2の左端の画素)から最終画素(例えば図2の右端の画素)まで順に画素データを並べたラインデータを、先頭ライン(例えば、図2のラスターデータの上端ライン)から最終ライン(例えば、図2のラスターデータの下端ライン)まで順に並べるように生成される。すなわち画像処理回路11eにおいて生成されるラスターデータは、1本のレーザービームで主走査と副走査を繰り返して印刷できるように1本のデータ流として生成される。従って、2本のレーザービームを同時に並行走査して2ラスターを同時に印刷するためには、隣接する2ラインのラスターデータを並行して出力できるようにラスターデータを2本のデータ流に振分ける必要がある。
そこでラスターデータの各色について印刷エンジンへの入力順序を変換するデータ変換回路11gを設けている。本実施形態のデータ変換回路11gは、CMYK各色毎に設けられている。Kデータ変換回路にはKデータが入力され、Cデータ変換回路にはCデータが入力され、Mデータ変換回路にはMデータが入力され、Yデータ変換回路にはYデータが入力される。各変換回路には、各色のラスターデータが、1本の連続したデータ流(以下、「ラインデータ」と記載する。)として入力される。
データ変換回路11gは各色のラインデータを、奇数ラインのラスターデータだけで構成されるラインデータと、偶数ラインのラスターデータだけで構成されるラインデータの2本のラインデータに変換して出力する。奇数ラスターのラインデータは第1のレーザービーム用のラスターデータ(出力データ1)として出力され、偶数ラスターのラインデータは第2のレーザービーム用のラスターデータ(出力データ2)として印刷エンジン20に出力される。
印刷エンジン20は、Kトナーを付着する感光ドラム上を走査する2つのレーザー発振器を制御するための制御回路21a,21bと、Cトナーを付着する感光ドラム上を走査する2つのレーザー発振器を制御するための制御回路22a,22bと、Mトナーを付着する感光ドラム上を走査する2つのレーザー発振器を制御するための制御回路23a,23bと、Yトナーを付着する感光ドラム上を走査する2つのレーザー発振器を制御する制御回路24a,24bと、を備えている。なお、制御回路21a,22a,23a,24aは図2の紙送り方向の先頭側(ラスターデータの上流側)で走査するレーザー発振器を制御するものであり第1ビーム走査制御部を構成し、制御回路21b,22b,23b,24bは図2の紙送り方向の後尾側(ラスターデータの下流側)で走査するレーザー発振器を制御するものであり第2ビーム走査制御部を構成する。
データ変換回路11gから出力された各色の出力データ1はそれぞれ対応する色の制御回路21a,22a,23a,24aに入力され、出力データ2はそれぞれ対応する色の制御回路21b,22b,23b,24bに入力される。なお、各色のデータ変換回路は、入力される色データが異なることを除けば同一の構成と作用であるので、以下の説明では各色のデータ変換回路をまとめてデータ変換回路11gとして説明を行う。
なお、本実施形態においてはCMYK各色毎にレーザーが用意されるタンデム方式のカラーレーザープリンターを例にとって説明を行ったが、無論、モノクロレーザープリンターや4サイクル方式のカラーレーザープリンターであっても本発明を適用可能である。モノクロレーザープリンターや4サイクル方式のカラーレーザープリンターであれば前記データ変換回路を1色にすればよい。
(2)データ変換回路の構成と作用:
図3はデータ変換回路11gの構成を示すブロック図、図4はデータ変換回路11gに入出力される信号のタイミングチャートである。図3に示すように、データ変換回路11gは、入力選択回路11g1、出力選択回路11g2、バッファーA、バッファーB、を備えている。データ変換回路11gに入力されたラインデータData_inは、まず入力選択回路に供給される。
バッファーAおよびバッファーBは、データの入出力の為の信号の出入り口(ポート)が2つ設けられた、いわゆるデュアルポートRAM(Random Access Memory)である。このデュアルポートRAMでは、片方のポートからデータを読み出しつつ、同時にもう一方のポートからデータを書込むことができる。また、バッファーAおよびバッファーBは、データ書込み速度がデータ出力速度の倍の速度で可能である。従って、入力データを書込みながら同時にこの書込まれたデータを読み出して出力したり、書込み済みのデータのうち未読のデータがバッファーの半分になった時点で次のデータの書込みを開始してこの未読データを読み出し終わった時点でバッファー全体に新しいデータが用意された状態にしたりすることができる。
入力選択回路11g1は、ライトアドレス生成カウンター(以下、「WAカウンター」と記載する。)11g11と書込み選択回路11g12を備えており、データクロック信号CLK、内部動作用の水平同期信号(i−Sync)、ラインデータData_in、が入力されている。
WAカウンター11g11は各バッファーにおいてデータを書込むべきアドレスを指定するライトアドレス信号(以下、「WA信号」と記載する。)を生成する回路である。WAカウンター11g11はラインデータData_inのうち画像データが含まれる領域(以下、「印字データ領域」と記載する。)の間はデータクロック信号CLKと同じ周期でWA信号のアドレス値を単位データ量ずつシフトする。すなわちWAカウンター11g11は各画素データが入力される毎にアドレス値をシフトしたWA信号を生成し、これをバッファーAとバッファーBに入力する。なお、WAカウンター11g11はラスターデータの各ラインの入力開始時に0にリセットされ、ラスターデータの各ラインの入力終了時にカウンター出力を停止する。すなわちWA信号に基づいてデータを書込むバッファーA,Bは、データの入力順にアドレスが順次増えて行くようデータを記憶する。
ところで、本実施形態のバッファーはバッファーAがラスターデータの1ライン分のデータ容量を持つのに対し、バッファーBは0.5ライン分のデータ容量としてある。この容量の差を考慮して、本実施形態ではバッファーAへ入力されるWA信号の最上位ビットを欠損したWA信号をバッファーBに入力している。この構成は、例えばWAカウンター11g11のWA信号を出力する端子のうち最上位ビットの端子を、バッファーAには接続しつつバッファーBには接続しないことで実現できる。したがって、WA信号が指定するバッファーBのアドレスは、各ラインの前半では先頭アドレスから最終アドレスまで順にシフトして行き、各ラインの後半に入ると再度先頭アドレスから最終アドレスまで順にシフトして行く。この構成を採用することにより、同一のWA信号を利用してサイズの異なる各バッファーのデータ書込みを制御可能となりアドレスポインタの管理が容易になる。
書込み選択回路11g12はラスターデータの各ラインを何れのバッファーに書込むかを選択する回路である。書込み選択回路11g12はライトイネーブル信号をバッファーAとバッファーBに交互に入力することにより、ラスターデータの奇数(1,3,5,7・・・)ラインをバッファーAへ書込ませ、ラスターデータの偶数(2,4,6,8・・・)ラインをバッファーBへ書込ませる。ライトイネーブル信号の出力先切替えは、i−syncに基づいて行うことができる。例えば、i−syncが入力される毎にインクリメントする書込み選択カウンターを用意し、書込み選択カウンターの値が奇数値の場合はバッファーAへライトイネーブル信号を出力し、書込み選択カウンターの値が偶数値の場合はバッファーBへライトイネーブル信号を出力する。この場合、新たなラスターデータの入力が開始されたタイミングで書込み選択カウンターを0にリセットすることになる。
出力選択回路11g2はリードアドレス生成カウンター(以下、「RAカウンター」と記載する。)11g21を備えており、バッファーA,Bに対してデータを読み出して出力すべきアドレスを指定するリードアドレス信号(以下、「RA信号」と記載する。)を入力する。RA信号を入力されたバッファーA,Bは指定されたアドレスに格納されたデータを読出してそれぞれ出力データ1と出力データ2として出力する。出力データ1はラスターデータの奇数ラインのラインデータであり、出力データ2はラスターデータの偶数ラインのラインデータである。すなわち、出力選択回路11g2はラスターデータにおいて隣り合うラインのラインデータを並行出力する。
RAカウンターはWA信号の半分の頻度でRA信号を出力する。バッファーA,Bは読込み速度が書込み速度の半分だからである。例えば、RAカウンター11g21は、水平同期信号(Hsync)とデータクロック信号CLKを利用して、印字データ領域の間はデータクロック信号CLKの半分の頻度でライトアドレスを単位データ量分だけシフトして出力する。Hsyncはin_syncの2倍の間隔で発生する同期信号である。このようにして生成されたRA信号で指定されたアドレスのデータが、バッファーA,Bから順次出力されると、上述した2本のラインデータが出力される。なお、RAカウンター11g21はラスターデータの各ラインの出力開始時に0にリセットされ、ラスターデータの各ラインの出力終了時にカウンター出力を停止する。
RA信号もWA信号と同様に、バッファーAへ入力されるRA信号の最上位ビットを欠損したRA信号をバッファーBに入力している。この構成は、例えばRAカウンター11g11のRA信号を出力する端子のうち最上位ビットの端子を、バッファーAには接続しつつバッファーBには接続しないことで実現できる。したがって、RA信号が指定するバッファーBのアドレスは、各ラインの前半では先頭アドレスから最終アドレスまで順にシフトして行き、各ラインの後半に入ると再度先頭アドレスから最終アドレスまで順にシフトして行く。この構成を採用することにより、同一のRA信号を利用してサイズの異なる各バッファーのデータ書込みを制御可能となりアドレスポインタの管理が容易になる。
(3)データ入出力の流れ:
以上のように構成されたデータ変換回路11gにおいて、各バッファーにラスターデータの各ラインがどのように読書きされるかについて図5を参照して説明する。図5は、各バッファーにバッファーされているデータの変化を模式的に示した図である。
タイミングT1において、ラスターデータの1ライン目がデータ変換回路11gに全て入力されている。この状態では、バッファーAはラスターデータの1ライン目を全て記憶し、バッファーBは空である。なお、ラスターデータの入力が開始されてからタイミングT1までは、バッファーAにライトイネーブル信号が入力されており、タイミングT1においてライトイネーブル信号の入力先がバッファーBに切り換わる。
タイミングT2において、ラスターデータの2ライン目の前半がデータ変換回路11gに入力されており、ラスターデータの1ライン目と2ライン目のそれぞれ1/4が出力済みである。この状態では、バッファーAに記憶されていた1ライン目の先頭から1/4までが出力済みであり、1ライン目の後ろ3/4が記憶されている。またバッファーBは2ライン目の半分が入力済みであるが、入力と並行して入力速度の半分の速度で出力も行っているので2ライン目の1/4のデータ(先頭から1/4〜1/2までのデータ)が保持された状態である。
タイミングT3において、ラスターデータの2ライン目がデータ変換回路11gに全て入力済みであり、ラスターデータの1ライン目と2ライン目の前半分が出力済みである。この状態では、バッファーAはラスターデータの1ライン目の前半分を出力済みであり、1ライン目の後半分を記憶している。また、バッファーBは2ライン目を全て入力済みであるが、前半は既に出力済みであり、後半を記憶した状態である。なおタイミングT1〜タイミングT3までの間はバッファーBにライトイネーブル信号が入力され、タイミングT3においてライトイネーブル信号の入力先がバッファーAに切り換わる。
タイミングT4において、ラスターデータの3ライン目の前半がデータ変換回路11gに入力済みであり、ラスターデータの1ライン目と2ライン目の3/4が出力済みである。この状態では、バッファーAは1ライン目の先頭から3/4を出力済みであり、1ライン目の後ろ1/4と3ライン目の前半を記憶している。またバッファーBは2ライン目を全て入力済みであるが、その3/4を既に出力済みであり、後ろ1/4を記憶している。
タイミングT5において、ラスターデータの3ライン目がデータ変換回路11gに全て入力済みであり、ラスターデータの1ライン目と2ライン目が全て出力済みしている。この状態では、バッファーAは3ライン目の全てを記憶している。またバッファーBは2ライン目を全て出力済みであり、空である。
すなわち、タイミングT1の状態とタイミングT3の状態は同じであると言えるので、ラスターデータの以降のラインのデータ入出力や各バッファーのデータ記憶状態は、タイミングT2〜T5の状態が繰り返されることになる。
以上のデータ入出力のタイミング関係をまとめると、下記A〜Eが言える。なお、nは自然数(n=1,2,3,4・・・)とする。
A.第(2n)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの出力を開始したタイミングで前記第2バッファーへの入力を開始され、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第2バッファーへの入力を完了する。
B.第(2n+1)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第1バッファーへの入力を開始され、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの出力を完了したタイミングで前記第1バッファーへの入力を完了する。
C.第(2n)番目ラインのラスターデータは、第(2n)番目ラインのラスターデータの出力を開始したタイミングで前記第2バッファーへの入力を開始され、第(2n)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第2バッファーへの入力を完了する。
D.第(2n+1)番目ラインのラスターデータは、第(2n)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第1バッファーへの入力を開始され、第(2n)番目ラインのラスターデータの出力を完了したタイミングで前記第1バッファーへの入力を完了する。
E.第(2n)番目ラインと第(2n−1)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの入力を完了したタイミングで出力を開始され、第(2n+3)番目ラインのラスターデータの入力を開始したタイミングで出力を完了する。
(4)まとめ:
以上説明した実施形態において、バッファーAには上流側を走査するレーザー発振器を駆動するための奇数ラインのラスターデータを記憶させ、バッファーBには下流側を走査するレーザー発振器を駆動するための偶数ラインのラスターデータを記憶させる。そして、ライン順に入力されるラスターデータについて、第1ラインのラスターデータ全てをバッファーAへ記憶した後、第2ライン以降のラスターデータの入力が開始されると、ラインの偶奇に応じて入力されるラスターデータを対応するバッファーへ記憶しつつ各バッファーからデータを出力する。よって、入力されたラスターデータを2ビームエンジンへ出力する画像処理回路における半導体回路のゲート規模を削減できる。
なお、上述した実施形態においてはレーザープリンターを例にとって説明を行ったが、本発明の画像処理回路や画像形成装置は、ブラウン管テレビ等のようにビームを発光面に照射しながら発光面の光点を走査する表示装置にも利用可能であることは言うまでもない。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
10…プリンターコントローラー、11…ASIC、11a…CPU、11b…CPU制御回路、11c…RAM制御回路、11d…ROM制御回路、11e…画像処理回路、11f…I/F制御回路、11g…データ変換回路、11g1…入力選択回路、11g2…出力選択回路、11g11…ライトアドレス生成カウンター、11g12…書込み選択回路、11g21…リードアドレス生成カウンター、12…RAM、13…ROM、14…外部I/F、20…印刷エンジン、21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b…制御回路、100…プリンター、200…コンピューター、A,B…バッファー

Claims (7)

  1. 入力されたラスターデータを2ビームエンジンへ出力する画像処理回路であって、
    第1ビーム走査制御部を駆動するための第(2n−1)番目ラインのラスターデータを記憶する第1バッファーと、第2ビーム走査制御部を駆動するための第(2n)番目ラインのラスターデータを記憶する第2バッファーを備え、前記第1バッファーはラスターデータの1ライン分を記憶可能であり、前記第2バッファーはラスターデータの半ライン分を記憶可能であり、前記第1バッファーと前記第2バッファーは書込み速度が出力速度の倍以上であり、
    ライン順に入力される前記ラスターデータについて、第1番目ラインのラスターデータの全てを前記第1バッファーへ記憶した後、第2番目ライン以降のラスターデータの入力が開始すると、入力されるラスターデータを対応するバッファーへ記憶しつつ各バッファーからデータを前記2ビームエンジンに出力することを特徴とする画像処理回路。(nは自然数である。)
  2. 第(2n)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの出力を開始したタイミングで前記第2バッファーへの入力を開始され、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第2バッファーへの入力を完了し、
    第(2n+1)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第1バッファーへの入力を開始され、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの出力を完了したタイミングで前記第1バッファーへの入力を完了する請求項1記載の画像処理回路。
  3. 第(2n)番目ラインのラスターデータは、第(2n)番目ラインのラスターデータの出力を開始したタイミングで前記第2バッファーへの入力を開始され、第(2n)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第2バッファーへの入力を完了し、
    第(2n+1)番目ラインのラスターデータは、第(2n)番目ラインのラスターデータの半分を出力したタイミングで前記第1バッファーへの入力を開始され、第(2n)番目ラインのラスターデータの出力を完了したタイミングで前記第1バッファーへの入力を完了する請求項1または請求項2に記載の画像処理回路。
  4. 第(2n)番目ラインと第(2n−1)番目ラインのラスターデータは、第(2n−1)番目ラインのラスターデータの入力を完了したタイミングで出力を開始され、第(2n+3)番目ラインのラスターデータの入力を開始したタイミングで出力を完了する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像処理回路。
  5. 前記第1バッファーのデータ書込み先は、単位量データが入力される度に順次シフトされ且つ前記ラスターデータの各ラインの先頭でリセットされるアドレスにて指定され、
    前記第2バッファーのデータ書込み先は、前記アドレスの最上位ビットを欠落させたアドレスで指定される請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像処理回路。
  6. 前記第1バッファーのデータ出力元は、単位量データが入力される度に順次シフトされ且つ前記ラスターデータの各ラインの先頭でリセットされるアドレスにて指定され、
    前記第2バッファーのデータ出力元は、前記アドレスの最上位ビットを欠落させたアドレスで指定される請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の画像処理回路。
  7. 入力されたラスターデータを2ビームエンジンへ出力する画像形成装置であって、
    第1ビーム走査制御部を駆動するための第(2n−1)番目ラインのラスターデータを記憶する第1バッファーと、第2ビーム走査制御部を駆動するための第(2n)番目ラインのラスターデータを記憶する第2バッファーを備え、前記第1バッファーはラスターデータの1ライン分を記憶可能であり、前記第2バッファーはラスターデータの半ライン分を記憶可能であり、前記第1バッファーと前記第2バッファーは書込み速度が出力速度の倍以上であり、
    ライン順に入力される前記ラスターデータについて、第1番目ラインのラスターデータの全てを前記第1バッファーへ記憶した後、第2番目ライン以降のラスターデータの入力が開始すると、入力されるラスターデータを対応するバッファーへ記憶しつつ各バッファーからデータを前記2ビームエンジンに出力することを特徴とする画像形成装置。(nは自然数である。)
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