JP2010207867A - 金属帯の巻き取り方法および巻き取り設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る方法において、ピンチロールをスラスト方向に移動自在とし、好ましくはピンチロールのスラスト方向への移動に対してダンパ抵抗を付与する。ピンチロールをスラスト方向移動自在に構成するだけでよいため設備的な負担が少なく、しかも、金属帯の蛇行とこれによる巻き取りの不安定挙動の主たる要因であるピンチロール上で金属帯に作用するスラスト力を低減ないし無くすことができるので、金属帯を安定して巻き取ることができる。
【選択図】図2
Description
このような熱延鋼帯の巻き取り設備では、鋼帯Sの処理数が多くなると、ピンチロール21が摩耗するため、鋼帯Sを所定本数巻き取る毎にピンチロール21を交換するようにしている。
特許文献1の方法では、巻き取りが安定となる操業条件範囲が狭いため、ピンチロール軸とコイラー軸のアライメント不良や板厚変動等の外乱により、巻き取りが不安定となる恐れがある。
特許文献2の方法では、ピンチロールが幅方向に分割されているため、分割部で鋼帯に疵をつけてしまう恐れがある。また、ピンチロールの構造が複雑となるため、ピンチロールの保守、管理が困難となる。
特許文献3,4の方法では、蛇行制御を行なっているが、尾端部の無張力状態での巻き取りでは、外乱により蛇行速度が大きくなり、蛇行制御が困難となる。
[1]金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る方法において、ピンチロールがスラスト方向に移動自在であることを特徴とする金属帯の巻き取り方法。
[2]上記[1]の巻き取り方法において、ピンチロールのスラスト方向への移動に対してダンパ抵抗を付与することを特徴とする金属帯の巻き取り方法。
[3]金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る設備において、スラスト方向に移動自在なピンチロールを備えることを特徴とする金属帯の巻き取り設備。
[4]上記[3]の巻き取り設備において、ピンチロールのスラスト方向への移動に対してダンパ抵抗を付与する手段を備えることを特徴とする金属帯の巻き取り設備。
このような問題に対して本発明では、ピンチロールをスラスト方向に移動自在とし、このピンチロールを介して鋼帯をコイラーに巻き取る。ピンチロールがスラスト方向移動自在(すなわち、ロール軸線方向に自由にスライド移動が可能)であることにより、鋼帯に作用するスラスト力を低減ないし無くすことができる。その結果、鋼帯の蛇行とこれによる巻き取りの不安定挙動を防止することができる。
ピンチロールをスラスト方向移動自在とするには、例えば、ピンチロールのロール軸受をその支持体に対してスラスト方向(ロール軸線方向)スライド自在に支持させる方式、ピンチロールのロール軸をその軸受に対してスラスト方向(ロール軸線方向)スライド自在に支持させる方式、ピンチロールのロール本体(ロール胴部)をロール軸に対してスラスト方向(ロール軸線方向)スライド自在に支持させる方式、などが採用できる。
このダンパ抵抗の付与には、ピンチロールのスラスト方向へのスライド部(例えば、支持体に対するロール軸受のスライド部、軸受に対するロール軸のスライド部、ロール軸に対するロール本体のスライド部)の摩擦抵抗力を利用してもよいが、ダンパ抵抗を付与する手段として、油圧ダンパ、粘性ダンパなどのダンパを設けることが好ましい。なお、このようなダンパとは別に、スラスト方向で移動したピンチロールを元の位置に復帰させるための手段を設けてもよい。
図において、1aは上ロール、1bは下ロールである。また、2a,2bは、これら上下ロール1a,1bのロール軸10a,10bを回転自在に支持するロール軸受、3は上ロール1aを下ロール1bに対して圧下する圧下シリンダ、4a,4bは上下ロール1a,1bの駆動モータ、5a,5bはロール軸受の支持体である。また、Sは鋼帯である。
上下ロール1a,1bは、スラスト方向への移動に対してダンパ抵抗を付与するためのダンパ7を備えている。このダンパ7は、例えば、油圧ダンパなどで構成され、その一端がロール軸受2a,2bの端面に連結され、他端が、適当な固定基部8に連結されている。なお、図2では、紙面に向かって右側のロール軸受2a,2bに連結されるダンパ7だけが表されているが、ダンパ7は左右のロール軸受2a,2bに対してそれぞれ設けられている。
この実施形態では、上下ロール1a,1bのロール本体11a,11b(ロール胴部)をロール軸10a,10bに対してスラスト方向(ロール軸線方向)スライド自在に支持させることにより、ピンチロール(上下ロール1a,1b)をスラスト方向移動自在としている。ロール軸10a,10bとロール本体11a,11bとの間には、ロール軸10a,10bに対してロール本体11a,11bをスライド自在に案内・支持するスライド部9a,9bが設けられる。ロール軸10a,10bとロール本体11a,11bは一体に回転する必要があるため、前記スライド部12a,12bはスプラインで構成される。
その他の構成は図2の実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
1b 下ロール
2a,2b ロール軸受
3 圧下シリンダ
4a,4b 駆動モータ
5a,5b 支持体
6a,6b スライド部
7 ダンパ
8 固定基部
9a,9b スライド部
10a,10b ロール軸
11a,11b ロール本体
12 ダンパ
13 取付部
14 取付部
Claims (4)
- 金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る方法において、
ピンチロールがスラスト方向に移動自在であることを特徴とする金属帯の巻き取り方法。 - ピンチロールのスラスト方向への移動に対してダンパ抵抗を付与することを特徴とする請求項1に記載の金属帯の巻き取り方法。
- 金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る設備において、
スラスト方向に移動自在なピンチロールを備えることを特徴とする金属帯の巻き取り設備。 - ピンチロールのスラスト方向への移動に対してダンパ抵抗を付与する手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の金属帯の巻き取り設備。
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