JP2010205507A - リチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウムイオン電池やキャパシタの集電体とケースの絶縁及び密閉を射出成形樹脂により行う場合に、樹脂との接合強度が高く、集電体と樹脂との界面で剥離が発生するのを防止できる銅合金集電体を提供する。
【解決手段】質量%でFeを0.01〜0.5%、Pを0.01〜0.3%含有し、残部Cu及び不可避不純物からなり、導電率が71〜95%IACSで、少なくとも樹脂接合部を最大高さRyが1〜30μm、十点平均粗さRzが0.1〜5μmの表面粗さとした銅合金集電体。直径1〜50nmの析出物の密度が100個以上/μm2の銅合金板の表面をエッチング処理し、前記表面粗さとし、かつ1〜50nm径の細孔を形成するとともに、酸化皮膜の厚みを4〜300nmとする。
【選択図】図1
【解決手段】質量%でFeを0.01〜0.5%、Pを0.01〜0.3%含有し、残部Cu及び不可避不純物からなり、導電率が71〜95%IACSで、少なくとも樹脂接合部を最大高さRyが1〜30μm、十点平均粗さRzが0.1〜5μmの表面粗さとした銅合金集電体。直径1〜50nmの析出物の密度が100個以上/μm2の銅合金板の表面をエッチング処理し、前記表面粗さとし、かつ1〜50nm径の細孔を形成するとともに、酸化皮膜の厚みを4〜300nmとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として自動車・住宅用蓄電に使用されるリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体の端子及びその製造方法に関する。
リチウムイオン電池は、自動車用バッテリーで主流の鉛電池と比べ、同じ重量で2倍以上の電力を蓄積でき、電池の小型化、軽量化が期待されている。ニッケル水素電池と比較しても、出力密度や回生密度、寿命などで優れ、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載され、ソーラー発電のエネルギー貯蔵デバイスとしても検討されている。また、電気二重層キャパシタやレドックスキャパシタは、パワー密度やサイクル特性が二次電池より優れており、瞬間的に大電流を入出力できる。
電気自動車やハイブリット自動車等の増加により、高エネルギー密度の電池が要求されている。リチウムイオン電池の集電体とケースの絶縁部には、ガスケットやOリングが用いられてきた(特許文献1,2参照)。また、特許文献3,4にはリチウムイオン電池用銅箔としての銅合金が記載されているが、この特許文献でも、負極集電体とケースをガスケットで絶縁している。なお、特許文献3,4の発明は、CuにNi,Si,Zn,PやFe,Ni,Zn,Pを添加し、銅を高強度化することにより、充放電時の膨張や収縮による銅箔の変形を防止し、サイクル特性を向上させるというもので、導電率が低く、電気のロスや発熱が起こるため、集電体には適用されていない。
リチウムイオン電池は水分の混入を嫌うので、電池は完全密閉を基本としている。しかし、ハイブリット自動車や電気自動車にリチウムイオン電池を搭載した場合、自動車の振動により、ガスケットやOリングなどのシール部分が甘くなり、電池内部の電解液が揮発したり、液漏れが発生するという問題が起こっている。15年間乗車試験時に、電解液が無くなるという問題が発生しており、リチウムイオン電池の集電体とケースの絶縁部の信頼性を向上させることが望まれている。また、ガスケットやO−リングは、ある程度の厚みが必要で、電池の小型化にも適していなかった。
一方、電解液の吸湿により耐電圧が低下する電気二重層キャパシタでは、アルミニウム電極をアルマイト処理し、気密の信頼性を向上させる技術が検討されている(特許文献5参照)。
一方、電解液の吸湿により耐電圧が低下する電気二重層キャパシタでは、アルミニウム電極をアルマイト処理し、気密の信頼性を向上させる技術が検討されている(特許文献5参照)。
現在、リチウムイオン電池やキャパシタの集電体には、C1100やC1020という純銅が使われている。また、集電体とケースの密閉性を高め、かつ電池の小型化のため、集電体とケースの絶縁を射出成形樹脂で行うことが検討されている。
しかし、樹脂と集電体である純銅部品の接合強度が低く、樹脂と純銅の界面で剥離が発生する問題があり、樹脂封止方式のリチウムイオン電池やキャパシタは実用化されていない。なお、C1100など純銅の表面粗度を粗くしても、樹脂と純銅の界面で剥離が発生する問題は解決されない。
しかし、樹脂と集電体である純銅部品の接合強度が低く、樹脂と純銅の界面で剥離が発生する問題があり、樹脂封止方式のリチウムイオン電池やキャパシタは実用化されていない。なお、C1100など純銅の表面粗度を粗くしても、樹脂と純銅の界面で剥離が発生する問題は解決されない。
本発明は、リチウムイオン電池やキャパシタの集電体とケースの絶縁及び密閉を射出成形樹脂により行う場合に生じる上記問題点に鑑みてなされたもので、樹脂との接合強度が高く、樹脂との界面で剥離が発生するのを防止できる、リチウムイオン電池やキャパシタの集電体を提供することを目的とする。
本発明に係るリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体は、質量%でFeを0.01〜0.5%、Pを0.01〜0.3%含有し、残部Cu及び不可避不純物からなり、導電率が71〜95%IACSで、少なくとも樹脂接合部を最大高さRyが1〜30μm、十点平均粗さRzが0.1〜5μmの表面粗さとしたことを特徴とする。この銅合金は、必要に応じて、さらにZn,Sn,Ni,Mg,Co,Mn,Cr,Zr,Ti,Si,Agの1種又は2種以上を0.03〜2.0重量%含有する(導電率が71%IACS未満にならない範囲で)。
上記銅合金集電体は、直径1〜50nmサイズの析出物の密度が100個以上/μm2である銅合金板をエッチング処理して少なくとも樹脂接合部を粗面化(Ry:1〜30μm、Rz:0.1〜5μm)したものである。エッチング処理により、表面が粗面化されると共に表面に1〜50nm径の多数の細孔(樹脂との接合強度の向上に寄与する)が形成されることが望ましく、同時に、厚みが4〜300nmの酸化皮膜が形成されることが望ましい。また、銅合金表面の平均結晶粒径が30μm以下であることが望ましい。
上記銅合金集電体は、主として板厚が0.1mm以上の銅合金板(箔は除かれる)からなり、引張り強度が300MPa以上、400℃で5分加熱後の硬度低下が初期硬度の15%未満であることが望ましい。
上記銅合金集電体は、主として板厚が0.1mm以上の銅合金板(箔は除かれる)からなり、引張り強度が300MPa以上、400℃で5分加熱後の硬度低下が初期硬度の15%未満であることが望ましい。
本発明に係るリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体の製造方法は、上記組成を有し、直径1〜50nmサイズの析出物の密度が100個以上/μm2の銅合金板を製作し、エッチング処理で少なくとも樹脂接合部を上記表面粗さに粗面化するとともに、同部表面に1〜50nm径の細孔を形成し、かつ同部の酸化皮膜の厚みを4〜300nmとすることを特徴とする。
本発明によれば、樹脂密着性に優れる銅合金集電体を得ることができ、リチウムイオン電池やキャパシタの集電体とケースの絶縁及び密閉を射出成形樹脂により行った場合に、樹脂との接合強度が高く、樹脂との界面で剥離が発生するのを防止して、電解液の揮発や漏れを防止することができる。これにより、リチウムイオン電池やキャパシタの長期信頼性が向上し、長期間使用されるハイブリッド車や電気自動車(エンジンルーム等)に搭載されても、優れた電池安定性が保持できる。
以下、本発明に係る銅合金集電体の組成、導電率、及び表面形態等について説明する。
(銅合金組成)
Feの含有量は0.01〜0.5質量%とした。Feが0.01%未満では析出物の量が少なく、エッチングにより樹脂との接合強度向上に寄与する多数のナノメーターサイズの細孔を形成しにくく、また、エッチングにより短時間で表面を粗面化できない。一方、Feを0.5%を超えて過剰に添加すると析出物の粗大化が起こり、ナノオーダーの析出物が減少するとともに、導電率が低下し、集電体として発熱の問題が発生する。
PはFeと共に析出物を形成するものであるが、Pの含有量を0.01〜0.3質量%としたのは、0.01%未満では析出物の量が少なくなり、0.3%を超えると急激に導電率が低下するためである。
(銅合金組成)
Feの含有量は0.01〜0.5質量%とした。Feが0.01%未満では析出物の量が少なく、エッチングにより樹脂との接合強度向上に寄与する多数のナノメーターサイズの細孔を形成しにくく、また、エッチングにより短時間で表面を粗面化できない。一方、Feを0.5%を超えて過剰に添加すると析出物の粗大化が起こり、ナノオーダーの析出物が減少するとともに、導電率が低下し、集電体として発熱の問題が発生する。
PはFeと共に析出物を形成するものであるが、Pの含有量を0.01〜0.3質量%としたのは、0.01%未満では析出物の量が少なくなり、0.3%を超えると急激に導電率が低下するためである。
Zn,Sn,Ni,Mg,Co,Mn,Cr,Zr,Ti,Si,Agの元素は、析出物の核の数を増やし、酸化皮膜の密着性を向上させ、強度や硬度を高くする効果があるが、含有量が0.03質量%未満では効果が少ない。これらの元素は導電率が71%IACS以上の範囲で添加される。各元素の添加量の上限値は、単独では概ね、Zn≦0.5%,Sn≦0.3%,Ni≦0.8%,Mg≦0.5%,Co≦0.8%,Mn≦0.5%,Cr≦0.5%,Zr≦0.5%,Ti≦0.3%,Si≦0.3%の範囲内である。Agは導電率を低下させないが、コストが高くなるため添加量は2.0%以下に制限される。
(導電率)
銅合金の導電率を71〜95%IACSとしたのは、71%IACS未満では、電気のロスが大きくなり、発熱の問題が発生するためであり、95%IACSを超えると銅箔との接合が難しくなるためである。大容量のキャパシタや電池では、急速な充放電が要求されるため、導電率は高めの78%〜90%IACSが望ましい。この導電率は、前記組成において下記析出が生じた場合に実現される。なお、集電体と銅箔を接合するとき、従来材である純銅は、導電率が高いため熱が分散し溶接が難しく、溶接電流を多くする必要があり、また、純銅では溶接チリが多く発生し、チリが浮遊するとリチウムイオン電池の安定性が低下する問題があった。
銅合金の導電率を71〜95%IACSとしたのは、71%IACS未満では、電気のロスが大きくなり、発熱の問題が発生するためであり、95%IACSを超えると銅箔との接合が難しくなるためである。大容量のキャパシタや電池では、急速な充放電が要求されるため、導電率は高めの78%〜90%IACSが望ましい。この導電率は、前記組成において下記析出が生じた場合に実現される。なお、集電体と銅箔を接合するとき、従来材である純銅は、導電率が高いため熱が分散し溶接が難しく、溶接電流を多くする必要があり、また、純銅では溶接チリが多く発生し、チリが浮遊するとリチウムイオン電池の安定性が低下する問題があった。
(析出物)
本発明に係る銅合金は、表面に直径1〜50nmサイズの析出物が100個以上/μm2になるように製造される。この析出密度は前記組成で実現される。析出物の直径を1〜50nmのサイズとしたのは、1つは、10万倍の透過型電子顕微鏡でも、1nm未満の析出物の測定は難しく、50nmを越えると転位の移動や消滅を抑制する効果が低減するためである。もう1つは、銅合金表面をエッチングして、樹脂との接合強度向上に寄与するナノメーターサイズの凹凸を形成するためには、直径1〜50nmサイズの析出物が100個以上存在することが望ましいからである。より望ましくは300個以上であり、さらに望ましくは600個以上であり、上限は特にないが4000個を超える必要はない。なお、図1に、後述する実施例(試験No.1)の銅合金表面の顕微鏡写真を示す。
本発明に係る銅合金は、表面に直径1〜50nmサイズの析出物が100個以上/μm2になるように製造される。この析出密度は前記組成で実現される。析出物の直径を1〜50nmのサイズとしたのは、1つは、10万倍の透過型電子顕微鏡でも、1nm未満の析出物の測定は難しく、50nmを越えると転位の移動や消滅を抑制する効果が低減するためである。もう1つは、銅合金表面をエッチングして、樹脂との接合強度向上に寄与するナノメーターサイズの凹凸を形成するためには、直径1〜50nmサイズの析出物が100個以上存在することが望ましいからである。より望ましくは300個以上であり、さらに望ましくは600個以上であり、上限は特にないが4000個を超える必要はない。なお、図1に、後述する実施例(試験No.1)の銅合金表面の顕微鏡写真を示す。
(結晶粒径)
本発明に係る銅合金において、表面の平均結晶粒径は30μm以下であることが望ましい。これは、エッチングによる粗面化形態が結晶粒界、結晶粒付近の析出物によって変化し、結晶粒径を小さくすることにより、粗面化をより均一に行うことができるからである。また、平均結晶粒径が30μmを超えると、粗面化に時間がかかるため、エッチングの生産性が悪くなり、引張り強度も低下する。従って、平均結晶粒径は30μm以下が望ましい。実操業において得られる最小の平均結晶粒径は3〜5μm程度であり、結局、望ましい平均結晶粒径は3〜30μmである。
なお、集電体は、打ち抜き、張り出し、曲げなどの加工性に優れることが求められている。この点を考慮すると、平均結晶粒径は5〜30μmがより望ましく、さらに5〜25μmが望ましい。同時に、引張強度300〜450MPa、伸び15%以上が望ましい。
本発明に係る銅合金において、表面の平均結晶粒径は30μm以下であることが望ましい。これは、エッチングによる粗面化形態が結晶粒界、結晶粒付近の析出物によって変化し、結晶粒径を小さくすることにより、粗面化をより均一に行うことができるからである。また、平均結晶粒径が30μmを超えると、粗面化に時間がかかるため、エッチングの生産性が悪くなり、引張り強度も低下する。従って、平均結晶粒径は30μm以下が望ましい。実操業において得られる最小の平均結晶粒径は3〜5μm程度であり、結局、望ましい平均結晶粒径は3〜30μmである。
なお、集電体は、打ち抜き、張り出し、曲げなどの加工性に優れることが求められている。この点を考慮すると、平均結晶粒径は5〜30μmがより望ましく、さらに5〜25μmが望ましい。同時に、引張強度300〜450MPa、伸び15%以上が望ましい。
(合金の機械的特性)
従来の純銅からなる集電体は、引張り強度が300MPa未満が多かったが、樹脂接合部の強度を得るためには集電体自体の強度も必要であり、また、溶接作業時のハンドリングによる変形や溶接部の変形を防止するためにも、銅合金の引張り強度は300MPa以上が望ましい。この引張強度は前記組成で実現される。なお、集電体の強度が低いと、集電体で銅箔を挟んで溶接する場合に、溶接時の加圧により接合部に変形が起こり、溶接性がばらつく問題がある。
従来の純銅からなる集電体は、引張り強度が300MPa未満が多かったが、樹脂接合部の強度を得るためには集電体自体の強度も必要であり、また、溶接作業時のハンドリングによる変形や溶接部の変形を防止するためにも、銅合金の引張り強度は300MPa以上が望ましい。この引張強度は前記組成で実現される。なお、集電体の強度が低いと、集電体で銅箔を挟んで溶接する場合に、溶接時の加圧により接合部に変形が起こり、溶接性がばらつく問題がある。
また、従来材であるC1100やC1220の純銅系銅合金は、エッチング加工時の発熱や溶接時に受ける熱による変形が問題となっていた。これらの従来材は、350℃以下の温度で軟化を起こし、400℃加熱では、硬度が加熱前の20%以上低下する。一方、本発明に係る銅合金は、所定量のFeとPを含有することにより、400℃で5分加熱後の硬度低下が初期の15%未満にできるため、耐熱性が向上し、加工後の変形も抑制することができる。
また、自動車用のリチウムイオン電池やキャパシタは、自動車のエンジンルーム近傍に搭載される場合があり、電池自体の発熱を加算すると、150〜160℃での耐熱性が要求されており、銅合金集電体にも160℃での長期耐熱性が必要となっている。本発明に係る銅合金はこの長期耐熱性も有する。
また、自動車用のリチウムイオン電池やキャパシタは、自動車のエンジンルーム近傍に搭載される場合があり、電池自体の発熱を加算すると、150〜160℃での耐熱性が要求されており、銅合金集電体にも160℃での長期耐熱性が必要となっている。本発明に係る銅合金はこの長期耐熱性も有する。
(表面状態)
本発明に係る銅合金集電体において、少なくとも樹脂接合部の表面を最大粗さRyが1〜30μm、十点平均粗さRzが0.1〜5μmの表面粗さとしたのは、集電体に適した表面状態を形成させ、樹脂との接合強度を高くするためである。Ryが1.0μm未満、Rzが0.1μm未満(半導体用銅合金の規格はRyが0.8μm未満、Rzが0.1μm未満)の場合には、樹脂と銅表面の接合面積が小さく、アンカー効果も得られないため、樹脂と銅合金の界面での剥離が生じる。一方、Ryが30μm、Rzが5μmを超えると、表面疵が起こりやすくなり、凹凸に十分に樹脂が入りきらず、かえって樹脂密着性が低下する。この表面粗さはエッチング加工で得られる。エッチング加工の生産性を考慮すると、Ryは3.0〜10μmで管理することが望ましく、より望ましくは3.0〜7.0μmであり、Rzは望ましくは0.2〜1.0μmである。
本発明に係る銅合金集電体において、少なくとも樹脂接合部の表面を最大粗さRyが1〜30μm、十点平均粗さRzが0.1〜5μmの表面粗さとしたのは、集電体に適した表面状態を形成させ、樹脂との接合強度を高くするためである。Ryが1.0μm未満、Rzが0.1μm未満(半導体用銅合金の規格はRyが0.8μm未満、Rzが0.1μm未満)の場合には、樹脂と銅表面の接合面積が小さく、アンカー効果も得られないため、樹脂と銅合金の界面での剥離が生じる。一方、Ryが30μm、Rzが5μmを超えると、表面疵が起こりやすくなり、凹凸に十分に樹脂が入りきらず、かえって樹脂密着性が低下する。この表面粗さはエッチング加工で得られる。エッチング加工の生産性を考慮すると、Ryは3.0〜10μmで管理することが望ましく、より望ましくは3.0〜7.0μmであり、Rzは望ましくは0.2〜1.0μmである。
なお、従来材であるC1100などの純銅や無酸素銅の場合、結晶粒径が大きく、局部エッチングも起こりにくい。そのため純銅は表面を粗面化するための処理時間が長く、生産性が悪い、銅自体の溶解が多く部品の痩せが起こる、発熱が大きい、廃液中の銅成分が多くなる、エッチングでの薬品消費量やエネルギー消費量が大きいという問題がある。これに対し、本発明材ではエッチングによる粗面化を短時間で行うことができ、これらの問題点が解決される。
また、本発明に係る銅合金集電体では、エッチング処理により樹脂接合部表面にナノオーダーの細孔を形成することができる。本発明材は直径1〜50nmサイズの析出物が100個以上/μm2の密度で分布し、あるいは微量添加された銅より卑な元素が結晶粒径に濃縮するか、ナノオーダーの析出物を形成し、これらの箇所は転位がピン止めされたり結晶粒界であるなどエッチングされやすい部位でもあるので、析出物や添加元素の濃縮箇所及びその近傍がエッチング処理で優先的に溶解し、1〜50nm径の多数の細孔が短時間で生産性よく形成されるものと推測される。樹脂接合時はこの細孔に樹脂が流し込まれ、接合強度が高くなる。なお、図2にエッチング後の銅合金表面に多数の細孔が形成された状態を示す断面模式図を示す。
(表面酸化被膜)
本発明に係る銅合金集電体では、樹脂接合部の酸化皮膜の厚みが4〜300nmであることが望ましい。酸化皮膜厚みが4nm未満では樹脂との接合強度が低下し、300nmを超えると酸化皮膜と金属の界面に欠陥が発生しやすくなるためである。望ましくは4〜150nmである。この酸化被膜は、エッチング加工により粗面化及び細孔の形成と同時に行われる。銅合金の酸化皮膜の密着性は、銅合金に微量のZnやMgなどを添加することによって向上させることができる。
本発明に係る銅合金集電体では、樹脂接合部の酸化皮膜の厚みが4〜300nmであることが望ましい。酸化皮膜厚みが4nm未満では樹脂との接合強度が低下し、300nmを超えると酸化皮膜と金属の界面に欠陥が発生しやすくなるためである。望ましくは4〜150nmである。この酸化被膜は、エッチング加工により粗面化及び細孔の形成と同時に行われる。銅合金の酸化皮膜の密着性は、銅合金に微量のZnやMgなどを添加することによって向上させることができる。
(製造方法)
本発明に係る銅合金集電体は、銅合金板を製造した後、表面をエッチングすることにより製造することができる。銅合金板の製造方法は、特許第4041803号公報や特開2008-45204号公報に記載されている方法と基本的に同じでよく、溶解、鋳造、均熱処理、及び熱間圧延後、冷間圧延と時効析出焼鈍を2回以上繰り返し、最終冷間圧延を行う。このとき、時効析出焼鈍の温度をいずれも450℃以下に制御することにより、析出物の成長、粗大化を防止して、直径1〜50nmサイズの析出物の密度が100個以上/μm2であり、かつ高導電率で所要の機械的特性を備えた銅合金板を製造することができる。
本発明に係る銅合金集電体は、銅合金板を製造した後、表面をエッチングすることにより製造することができる。銅合金板の製造方法は、特許第4041803号公報や特開2008-45204号公報に記載されている方法と基本的に同じでよく、溶解、鋳造、均熱処理、及び熱間圧延後、冷間圧延と時効析出焼鈍を2回以上繰り返し、最終冷間圧延を行う。このとき、時効析出焼鈍の温度をいずれも450℃以下に制御することにより、析出物の成長、粗大化を防止して、直径1〜50nmサイズの析出物の密度が100個以上/μm2であり、かつ高導電率で所要の機械的特性を備えた銅合金板を製造することができる。
銅合金板は、続いてアルカリ脱脂した後、例えば次のようなエッチング工程に供される。銅合金板の表面を硫酸と過酸化水素を含む水溶液で化学エッチングし、次に、弱アルカリ性液体、トリエタノールアミン、ヒドラジン、アミン系化合物などから選択される1種を含む液に浸漬することにより、表面を安定化する。過酸化水素の酸化効果で表面に薄い酸化被膜が形成されているが、さらに水酸化ナトリウムと亜塩素酸ナトリウムを数%含む30〜50℃の水溶液に浸漬して酸化被膜を形成させる。このエッチング工程により、所要の表面形態(表面粗さ、細孔)及び酸化被膜厚さを有する銅合金集電体を製造することができる。
(絶縁性樹脂)
射出成形される絶縁性樹脂には、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などを用いることができる。
(めっき)
銅合金集電体の電池内部は密閉状態となるが、電池外部は電極端子となる。電極端子に耐食性が必要とされる場合、溶融方式や電気方式で、はんだめっきや錫めっきを施すことができる。本発明に係る銅合金は、これらのめっき性にも優れている。ニッケルめっきや錫めっき、銀めっき、金めっきなどを行ってもよい。また、特開2004−220871号公報に記載されているリチウム電池用の多層めっきを施すこともできる。
射出成形される絶縁性樹脂には、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などを用いることができる。
(めっき)
銅合金集電体の電池内部は密閉状態となるが、電池外部は電極端子となる。電極端子に耐食性が必要とされる場合、溶融方式や電気方式で、はんだめっきや錫めっきを施すことができる。本発明に係る銅合金は、これらのめっき性にも優れている。ニッケルめっきや錫めっき、銀めっき、金めっきなどを行ってもよい。また、特開2004−220871号公報に記載されているリチウム電池用の多層めっきを施すこともできる。
<供試材の作成条件>
表1に示す銅合金を鋳造し、厚さ50mm、幅が90mm、長さ200mmの鋳塊(約8kg)を得た。これを900℃で加熱し、厚さ20mmになるまで熱間圧延した。熱間圧延材の表面の酸化膜を面削により除去し、その後、洗浄、冷間圧延と時効析出焼鈍を繰り返して、厚さ1mmとし、さらに最終冷間圧延を行って厚さ0.8mmtの銅合金板を得た。時効析出処理はバッチ式熱処理とし420〜450℃×4時間の条件で行った(No.11〜14は析出を伴わない焼鈍)。
続いて、各組成の銅合金板から試験片を採取し、下記要領で導電率、引張強度、析出物密度、結晶粒径を測定し、また発熱性、加工性、耐熱性及びエッチング性の評価を行った。
表1に示す銅合金を鋳造し、厚さ50mm、幅が90mm、長さ200mmの鋳塊(約8kg)を得た。これを900℃で加熱し、厚さ20mmになるまで熱間圧延した。熱間圧延材の表面の酸化膜を面削により除去し、その後、洗浄、冷間圧延と時効析出焼鈍を繰り返して、厚さ1mmとし、さらに最終冷間圧延を行って厚さ0.8mmtの銅合金板を得た。時効析出処理はバッチ式熱処理とし420〜450℃×4時間の条件で行った(No.11〜14は析出を伴わない焼鈍)。
続いて、各組成の銅合金板から試験片を採取し、下記要領で導電率、引張強度、析出物密度、結晶粒径を測定し、また発熱性、加工性、耐熱性及びエッチング性の評価を行った。
続いて、各組成の銅合金板から試験片を採取し、これを先に述べた工程(発明を実施するための形態の欄の製造方法の項目参照)でエッチング処理した後、下記要領で最大表面粗さRy、平均表面粗さRz、及び酸化被膜厚さを測定し、また樹脂密着性の評価を行った。さらに銅合金表面に形成された細孔を観察した。各供試材の特性を表2に、評価を表3に示す。
[導電率の測定]
圧延方向を長手方向として、幅10mm、長さ300mmの短冊状の試験片を作成し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して、導電率を平均断面積法により算出した。
[導電率の測定]
圧延方向を長手方向として、幅10mm、長さ300mmの短冊状の試験片を作成し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して、導電率を平均断面積法により算出した。
[引張強度の測定]
圧延方向を長手方向として、JIS13号B試験片を作成し、万能試験機により、室温で測定した。
[析出物密度の測定]
採取した試験片を電解研磨してTEM観察用薄膜サンプルを製作する。このサンプルを透過型電子顕微鏡で観察し、10万倍で明視野像を得る。図1に試験No.1の透過型電子顕微鏡写真を示す。この写真より、析出物の直径及び数を測定し、1〜50nmの径の析出物の数密度(個数/μm2)を算出した。
圧延方向を長手方向として、JIS13号B試験片を作成し、万能試験機により、室温で測定した。
[析出物密度の測定]
採取した試験片を電解研磨してTEM観察用薄膜サンプルを製作する。このサンプルを透過型電子顕微鏡で観察し、10万倍で明視野像を得る。図1に試験No.1の透過型電子顕微鏡写真を示す。この写真より、析出物の直径及び数を測定し、1〜50nmの径の析出物の数密度(個数/μm2)を算出した。
[平均結晶粒径の測定]
銅合金板表面の集合組織を走査電子顕微鏡の結晶方位解析法を用いて、後方散乱電子回析像(EBSP)により結晶粒径を測定した。測定した結晶粒径の和を、結晶粒の数で割った平均結晶粒径とした。
[表面粗さの測定]
表面の最大高さRyと十点平均粗さRzは、JISB0601に準じ測定した。
[酸化皮膜厚みの測定]
銅酸化皮膜を電気的に溶かし、0.1mol/lKCl水溶液で酸化物を還元するのに要した電流量から酸化皮膜厚みを算出した。
銅合金板表面の集合組織を走査電子顕微鏡の結晶方位解析法を用いて、後方散乱電子回析像(EBSP)により結晶粒径を測定した。測定した結晶粒径の和を、結晶粒の数で割った平均結晶粒径とした。
[表面粗さの測定]
表面の最大高さRyと十点平均粗さRzは、JISB0601に準じ測定した。
[酸化皮膜厚みの測定]
銅酸化皮膜を電気的に溶かし、0.1mol/lKCl水溶液で酸化物を還元するのに要した電流量から酸化皮膜厚みを算出した。
[発熱性の測定]
銅合金板から幅1mmtの試験片を切り出し、両端を電源に繋いで、3.5Vで電気を流し、流れる電流量と、温度上昇をサーモグラフィーで測定した。温度上昇が5℃以下のものを合格(○)、5℃を超えるものを不合格(×)と評価した。
[耐熱性の測定]
400℃で5分間の加熱の前後で硬度を測定し、加熱後の硬度が、加熱前の硬度の85%以上のレベルを合格(○)、85%未満に低下したレベルを不合格(×)と評価した。なお、硬度の測定は、ビッカース硬度計を用い0.5kg(4.9N)の荷重を加えて測定した。
銅合金板から幅1mmtの試験片を切り出し、両端を電源に繋いで、3.5Vで電気を流し、流れる電流量と、温度上昇をサーモグラフィーで測定した。温度上昇が5℃以下のものを合格(○)、5℃を超えるものを不合格(×)と評価した。
[耐熱性の測定]
400℃で5分間の加熱の前後で硬度を測定し、加熱後の硬度が、加熱前の硬度の85%以上のレベルを合格(○)、85%未満に低下したレベルを不合格(×)と評価した。なお、硬度の測定は、ビッカース硬度計を用い0.5kg(4.9N)の荷重を加えて測定した。
[加工性の測定]
圧延方向を長手方向として、幅10mm、長さ300mmの短冊状の試験片を作成し、R/t(R:曲げ半径、t:板厚(0.8mm))を変えて90°曲げを行った。R/t=0.5において、曲げ部の表面を顕微鏡で拡大観察し、小割れ(クラック)が発生していないものを合格(○)、クラックが認められるものを不合格(×)と評価した。
[エッチング性の測定]
アルカリ脱脂と酸洗浄後に、エッチング処理を行い、最大高さRyが5μmの表面粗さになるまでの時間を求めた。エッチング処理は、水酸化ナトリウムと亜塩素酸ナトリウム混合液を用い70℃で行った。粗面化処理時間が5分以内のものを合格(○)、5分を超えるものを不合格(×)と評価した。
圧延方向を長手方向として、幅10mm、長さ300mmの短冊状の試験片を作成し、R/t(R:曲げ半径、t:板厚(0.8mm))を変えて90°曲げを行った。R/t=0.5において、曲げ部の表面を顕微鏡で拡大観察し、小割れ(クラック)が発生していないものを合格(○)、クラックが認められるものを不合格(×)と評価した。
[エッチング性の測定]
アルカリ脱脂と酸洗浄後に、エッチング処理を行い、最大高さRyが5μmの表面粗さになるまでの時間を求めた。エッチング処理は、水酸化ナトリウムと亜塩素酸ナトリウム混合液を用い70℃で行った。粗面化処理時間が5分以内のものを合格(○)、5分を超えるものを不合格(×)と評価した。
[樹脂密着性の測定]
幅15mm、長さ50mmの短冊状の試験片を作成し、10mm角の面積をPBTポリマーで接合し、接合強度を測定した。接合強度が15MPa以上を合格とした。
[細孔の観察]
エッチング後の各試験片について、表面及び断面の走査型顕微鏡写真を撮り、さらに、各試験片の表面に、前記PBTポリマーを接合し、試験片を溶解除去して、PBTポリマーの試験片と接合していた表面の走査型電子顕微鏡写真を撮り、細孔の有無を観察した。このように種々の観察方法により、試験No.1〜10、試験No.15〜22については、エッチングにより形成された1〜50nm径の細孔が、1〜50nm径の析出物の数密度と同等の数密度で形成されていることを確認した。一方、試験No.11〜14では細孔が確認できなかった。
幅15mm、長さ50mmの短冊状の試験片を作成し、10mm角の面積をPBTポリマーで接合し、接合強度を測定した。接合強度が15MPa以上を合格とした。
[細孔の観察]
エッチング後の各試験片について、表面及び断面の走査型顕微鏡写真を撮り、さらに、各試験片の表面に、前記PBTポリマーを接合し、試験片を溶解除去して、PBTポリマーの試験片と接合していた表面の走査型電子顕微鏡写真を撮り、細孔の有無を観察した。このように種々の観察方法により、試験No.1〜10、試験No.15〜22については、エッチングにより形成された1〜50nm径の細孔が、1〜50nm径の析出物の数密度と同等の数密度で形成されていることを確認した。一方、試験No.11〜14では細孔が確認できなかった。
表2,3に示すように、組成が本発明の規定を満たす試験No.1〜10は、導電率が本発明の規定範囲内にあり、発熱性、引張強度、加工性及び耐熱性が優れ、また表面粗さや酸化被膜厚が本発明の規定範囲内であり、さらに析出物の析出密度が高く表面に多数の細孔が形成されたことにより、樹脂密着性が優れ、エッチング性にも優れる。
一方、従来材である試験No.11,12、及び試験No.13,14は、表面粗さが本発明の規定範囲内であるが、析出物の析出がなく、エッチングにより細孔が形成されにくいためか、樹脂密着性が劣り、引張強度や耐熱性、エッチング性が劣る。
一方、従来材である試験No.11,12、及び試験No.13,14は、表面粗さが本発明の規定範囲内であるが、析出物の析出がなく、エッチングにより細孔が形成されにくいためか、樹脂密着性が劣り、引張強度や耐熱性、エッチング性が劣る。
また、Fe含有量が過剰で導電率が低い試験No.15は発熱性が劣り、表面粗さが小さい試験No.16,17は樹脂密着性が劣り、導電率が低い試験No.18,20は発熱性が劣り、導電率が低い試験No.19は発熱性が劣り、過剰に添加されたNiとSiがエッチングの際にスマットとなって表面を覆い、エッチング性を低下させ、樹脂密着性も劣っていた。
Fe、P含有量が過剰で導電率が低く酸化被膜厚さが大きい試験No.21は樹脂密着性と発熱性が劣り、Fe含有量が過剰で導電率が低く表面粗さが大き過ぎるNo.22は樹脂密着性と発熱性が劣る。
Fe、P含有量が過剰で導電率が低く酸化被膜厚さが大きい試験No.21は樹脂密着性と発熱性が劣り、Fe含有量が過剰で導電率が低く表面粗さが大き過ぎるNo.22は樹脂密着性と発熱性が劣る。
Claims (7)
- 質量%でFeを0.01〜0.5%、Pを0.01〜0.3%含有し、残部Cu及び不可避不純物からなり、導電率が71〜95%IACSで、少なくとも樹脂接合部を最大高さRyが1〜30μm、十点平均粗さRzが0.1〜5μmの表面粗さとしたことを特徴とするリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体。
- さらにZn,Sn,Ni,Mg,Co,Mn,Cr,Zr,Ti,Si,Agの1種又は2種以上を0.03〜2.0重量%含有することを特徴とする請求項1に記載されたリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体。
- 直径1〜50nmサイズの析出物の密度が100個以上/μm2の銅合金の表面をエッチング処理して少なくとも樹脂接合部を粗面化したものであり、表面に1〜50nm径の多数の細孔が形成され、樹脂接合部の酸化皮膜の厚みが4〜300nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載されたリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体。
- 銅合金表面の平均結晶粒径が30μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体。
- 引張り強度が300MPa以上、400℃で5分加熱後の硬度低下が初期硬度の15%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されたリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体。
- 板厚が0.1mm以上の銅合金板からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載されたリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体。
- 請求項1又は2に記載された組成を有し、直径1〜50nmサイズの析出物の密度が100個以上/μm2で、板厚0.1mm以上の銅合金板を製作し、エッチング処理で少なくとも樹脂接合部を粗面化するとともに表面に1〜50nm径の細孔を形成し、かつ樹脂接合部の酸化皮膜の厚みを4〜300nmとすることを特徴とする請求項1又は2に記載したリチウム電池又はキャパシタ用銅合金集電体の製造方法。
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