JP2010205004A - 回路モデル作成装置、回路モデル作成方法、シミュレーション装置、及び、シミュレーション方法 - Google Patents

回路モデル作成装置、回路モデル作成方法、シミュレーション装置、及び、シミュレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的、簡単な等価回路モデルで電源回路のシミュレーション精度を上げることが可能な回路モデル作成装置を提供する。
【解決手段】実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対し、実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を取得する取得手段122と、取得手段により取得された寄生インダクタンスの変化を基本等価回路モデルに反映することにより、実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成する作成手段123とを備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、表面実装型の回路基板に実装される受動素子の等価回路モデル情報を作成する回路モデル作成装置及び方法、並びに、等価回路モデル情報を用いて回路基板の回路特性のシミュレーションを行うシミュレーション装置及び方法に関するものである。
プリント回路基板(PCB)電源網の高精度な解析は、不要輻射の低減や集積回路の安定動作を実現するために欠かすことができない。
近年LSIの消費電力は増加傾向にあり、このような傾向に伴いノイズ電流も増加している。このため電源網の入力インピーダンスの低減は、設計において最も重要な項目の一つである。PCB電源網の入力インピーダンスの最適設計を可能にするために、これまで様々な解析手法が提案されている(特許文献1)。これらの解析においては、積層型セラミックチップコンデンサ等の受動部品、パッケージ、LSI等を部品として個別にモデル化したのちに結合して電源網全体を解析している。
ここで、表面実装型積層型セラミックチップコンデンサの電気的なモデルは、第1に、内部構造を秘匿できること、第2に、ユーザ間で共通に使用でき、モデル作成の時間を短縮できること、第3に、詳細な構造を入力して解析を行う場合には時間がかかり過ぎること、等の理由により、部品メーカより提供されるSパラメータモデルや、等価回路モデルを用いるのが一般的である。これらの利点を維持しつつ、様々なレイアウトに対し高い精度を持つ受動部品のモデルが必要とされている。
特開2007−004418号公報
一般的な高周波回路の電源網において、チップコンデンサ等の表面実装型受動部品モデルは図21に示すような、受動素子R、L、Cにより構成された等価回路モデルや、Sパラメータで表される。ここで、表面実装型受動部品モデルの回路定数R、L、Cはある一定の条件下で測定して作成される。例えば図22に示すように、コンデンサを含むPCB電源網の入力インピーダンスの解析では、共振、反共振の周波数やインピーダンスが実測と一致しないのが通例である。これは、コンデンサモデル中の寄生インダクタンスが、実際の値と異なることが原因である。
また、本来コンデンサ単体ではループ回路を形成しないため、その寄生インダクタンスは定義できない。コンデンサの寄生インダクタンスを表すためには、コンデンサと、PCBの導体パターンを流れる帰還電流によって形成されるループの面積が必要となる。L値が定数であることから、従来のモデルでは、ある一条件での測定により得られる寄生インダクタンスを常に用いている。このため、提供されるモデルの寄生インダクタンス値は、ユーザが設計及び解析するPCBのレイアウトに適合することは稀である。
本来、受動素子の寄生インダクタンスは、PCBに実装されて初めて定まるが、受動素子のモデルを作成する時点で実装状態を知ることは不可能である。これが、受動部品メーカがユーザに対して高精度なモデルを準備し提供することが困難な原因である。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、比較的、簡単な等価回路モデルで電源回路のシミュレーション精度を上げることが可能な回路モデル作成装置及び方法、並びに、従来の経験的な回路設計を置き換え、設計精度の向上と設計工数の削減に寄与することが可能なシミュレーション装置及び方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段として、本発明は、回路基板に表面実装される受動素子の等価回路モデル情報を作成する回路モデル作成装置において、実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対し、上記実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を取得する取得手段と、上記取得手段により取得された寄生インダクタンスの変化を上記基本等価回路モデルに反映することにより、上記実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成する作成手段とを備える。
また、本発明は、回路基板に表面実装される受動素子の等価回路モデル情報を作成する回路モデル作成方法において、実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対し、上記実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を取得する取得ステップと、上記取得手段により取得された寄生インダクタンスの変化を上記基本等価回路モデルに反映することにより、上記実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成する作成ステップとを有する。
また、本発明は、受動素子を表面実装した回路基板の回路特性をシミュレーションするシミュレーション装置において、上記受動素子の特性と、該受動素子が表面実装される回路基板における実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離とが設定される設定手段と、上記実装面からグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対して、該距離を変数として取得された寄生インダクタンスの変化を反映した任意の等価回路モデル情報を記憶する記憶手段と、上記記憶手段から、上記設定手段により設定された実装面からグランド層までの距離に対応する等価回路モデル情報を読み出し、読み出した等価回路モデル情報を用いて回路特性を解析する解析手段とを備える。
また、本発明は、受動素子を表面実装した回路基板の回路特性をシミュレーションするシミュレーション方法において、上記受動素子の特性と、該受動素子が表面実装される回路基板における実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離とが設定される設定ステップと、上記実装面からグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対して、該距離を変数として取得された寄生インダクタンスの変化を反映した任意の等価回路モデル情報を記憶する記憶手段から、上記設定ステップにより設定された実装面からグランド層までの距離に対応する等価回路モデル情報を読み出し、読み出した等価回路モデル情報を用いて回路特性を解析する解析ステップとを有する。
本発明は、基本等価回路モデルにおける寄生インダクタンスの変化を、実装面からグランド層までの距離を変数として取得し、取得された寄生インダクタンスの変化を基本等価回路モデルに反映して、実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成することにより、受動素子の実装状態に応じた回路特性を精度良く表現できるので、電源回路のシミュレーション精度を上げることが可能な等価回路モデルを比較的、簡単な表現でユーザに提供することができる。
また、本発明は、設定手段により設定された実装面からグランド層までの距離に対応する等価回路モデル情報を用いて回路特性を解析することにより、受動素子の実装状態に応じた回路特性を精度良く表現してシミュレーションを行うことができるので、従来の経験的な回路設計を置き換え、設計精度の向上と設計工数の削減に寄与することができる。
一般的な高周波回路の電源網であるプリント回路基板を示す図である。 表面実装型受動部品モデルにおけるポートの配置を示す図である。 表面実装型受動部品モデルの等価回路モデルを示す図である。 コンデンサの寄生インダクタンスの周波数特性を示す図である。 回路モデル作成装置に係る構成を示す図である。 出力部により出力される画像情報を示す図である。 シミュレーション装置に係る構成を示す図である。 シミュレーション装置に実行される処理の説明に供するフローチャートである。 積層型セラミックチップコンデンサの構造を示す図である。 積層型セラミックチップコンデンサの断面図である。 同次元の積層型セラミックチップコンデンサとバルク伝導体の周波数特性を示す図である。 モーメント法によって得られた電流分布を示す図である。 積層型セラミックチップコンデンサをスタブ伝送線として見なした回路モデルを示す図である。 σ=5.6×107[S/m]の低抵抗コンデンサの周波数特性を示す図である。 第7共振の共振点である200MHzの電流分布を表す図である。 プリント回路基板に実装された積層型セラミックチップコンデンサの特性を示す図である。 プリント回路基板に実装された積層型セラミックチップコンデンサのインピーダンス特性を示す図である。 積層型セラミックチップコンデンサの等価回路モデルの構造を示す図である 実測結果の周波数特性、及び、等価回路モデルの周波数特性を示す図である。 インダクタンスの周波数特性について、等価回路モデルと実測結果との比較を示す図である。 チップコンデンサ等の表面実装型受動部品モデルの従来例を示す図である。 インダクタンスの周波数特性について、等価回路モデルと実測結果との比較を示す図である。
本発明が適用された回路モデル作成装置は、積層型セラミックチップコンデンサなどの受動素子が実装される表面実装型の回路基板の等価回路モデルを作成する装置である。また、本発明が適用されたシミュレーション装置は、上記回路モデル作成装置により作成された等価回路モデルを用いて回路基板の回路特性のシミュレーションを行う装置である。
本実施の形態では、これらの回路モデル作成装置及びシミュレーション装置の具体的な構成に関する説明に先立ち、本実施形態において提案する等価回路モデルの回路特性について説明する。
図1は、一般的な高周波回路の電源網であるプリント回路基板1を示す図である。プリント回路基板1は、直流電圧源11からの電源供給を受ける電源網であって、LSIなどの高周波回路12が実装されている。すなわち、プリント回路基板1には、高周波回路12の電源ピン12aとGNDピン12bが、ビアホール1a、1bを介してそれぞれ電源電圧ラインVとグランドラインGNDとに接続されている。また、このプリント回路基板1には、高周波回路12の高周波電流成分を吸収する目的で、高周波回路12の帰還電流が流れる経路上の電源電圧ラインV側に、コンデンサ13が表面実装されている。
このような構成からなるプリント回路基板1の電源網の特性について高精度に解析するには、不要輻射の低減や集積回路の安定動作を実現するために欠かすことができない。電源網において高周波回路12の動作に起因して直流電圧源11の電圧を乱すノイズ電圧は、オームの法則により簡易的にV=ZIで表すことができる。
ここで、Zは電源網の入力インピーダンス、Iは高周波回路12内部のノイズ源に起因する電流である。すなわち、高周波回路12内部のノイズ源は電流源で近似できる。また、プリント回路基板1の電源網の入力インピーダンスZは、高周波回路12の電源ピン12a、GNDピン12bからプリント回路基板1側を見込むインピーダンスである。
このようにして受動素子であるコンデンサ13は、プリント回路基板1の実装状態に応じて寄生インダクタンスが定義される。よって、コンデンサ13単体では、ループ回路を形成しないため、その寄生インダクタンスを定義することができない。コンデンサの寄生インダクタンスを表すためには、コンデンサ自体の特性と、プリント回路基板の導体パターンを流れる帰還電流によって形成されるループの面積とを考慮する必要がある。
このようにして、帰還電流によって形成されるループの面積を考慮するため、本実施形態において提案する表面実装型受動部品モデル2におけるポートの配置を図2に示す。ここで、図2中の矢印Aは励振ポートを示す。この表面実装型受動部品モデル2では、コンデンサ21と帰還電流が流れるグランド22との距離hを明示する。コンデンサ21により発生する磁束のほとんどは、コンデンサ21とグランド22との間を通るため、近似的にコンデンサ21内の電流により発生する磁束の総量を代表させることで、寄生インダクタンスが定義される。これにより表面実装型受動部品モデル2では、プリント配線基板の厚みやレイアウトパターンに応じて異なる寄生インダクタンスを反映することができる。
表面実装型受動部品モデル2の等価回路モデルを図3に示す。グランドを陽に定義するか否かが、従来の部品モデルとの最も重要な違いである。厳密には、従来の部品モデルにおいても測定環境に依存して決まるが、これらの測定がどのようなグランドレイアウトの下になされたのかが明示されていない。したがって、従来の部品モデルを使用する場合、その寄生インダクタンスが設計するPCBレイアウト形状に適しているか否かを知ることができない。
これに対して、表面実装型受動部品モデル2では、部品とグランドとの距離を明示することで、上述した従来モデルの持つ問題点を解決することができる。
ここで、表面実装型受動部品モデル2は、グランドとコンデンサの距離に応じて複数のモデルを個別に用意しなければならないが、図4に示すようにコンデンサの寄生インダクタンスの周波数特性ΔL/Δfは、グランドと部品間の距離hに対して変わらない。また、高周波のコンデンサのインダクタンスは、主として表皮効果により電流が底面に集中するため、高周波ではグランドと部品間の間距離hごとのインダクタンスの補正が容易である。このため、いずれかのグランドと部品間の距離hでの等価回路モデルを基準とし、そこに異なるグランド間と部品間の距離hを変数として関数で表した補正インダクタンスを付加する等価回路モデルを提供することで、コンデンサを一つの等価回路モデルにより表現できる。
以上のようにして提案される表面実装型受動部品モデル2は、図5に示すような回路モデル作成装置100により作成される。
すなわち、回路モデル作成装置100は、キーボードなどの入力部110、CPU120、ROM130、RAM140、ハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量記憶装置150、及び、LCDなどの表示部160を備えるコンピュータである。
入力部110には、モデル作成対象となる受動素子に関する入力情報が入力される。すなわち、入力部110には、入力情報として、実装状態に依存せずに定まる受動素子の素子特性と、受動素子が表面実装される実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離とが対応付けられた情報が入力される。入力部110は、入力情報をCPU120に通知する。
CPU120は、大容量記憶装置150に記憶されているモデル作成用のプログラムを読み出して、RAM140に展開して実行することにより、内部に次のような処理部を実現する。すなわち、CPU120は、入力部110から通知された入力情報に基づいて受動素子が表面実装された基本等価回路モデルを作成する基本等価回路モデル作成部121と、基本等価回路モデル作成部121により作成された基本等価回路モデルについて実装状態を変化させたときの寄生インダクタンスの変化を取得するための寄生インダクタンス情報取得部122と、寄生インダクタンス情報取得部122により取得された情報に基づいて等価回路モデル情報を作成して出力する等価回路モデル情報作成部123とからなる。
基本等価回路モデル作成部121は、入力部110から通知された入力情報に基づいて受動素子が表面実装された基本等価回路モデルを作成する。具体的に、基本等価回路モデル作成部121は、受動素子が表面実装される実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離が、入力部110により入力された所定値である回路基板に、受動素子が表面実装された基本等価回路モデルを作成する。
例えば、受動素子を回路基板に実装した際の実装状態を精度良く表現するため、基本等価回路モデル作成部121は、受動素子の特性を表す第1の回路モデルに、帰還電流が流れる帰還経路による寄生インダクタンスを表す第2の回路モデルを直列接続した基本等価回路モデルを作成する。
寄生インダクタンス情報取得部122は、基本等価回路モデル作成部121により作成された基本等価回路モデルに対して、実装状態を変化させたときの寄生インダクタンスの変化を取得するため、次のような処理を行う。すなわち、寄生インダクタンス情報取得部122は、基本等価回路モデルに対し、実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を取得する。なお、寄生インダクタンスの変化は、実装面からグランド層までの距離が異なる回路基板を用いて実測した実測値に対して、最小自乗法などによる補間処理を施して取得するようにしてもよいが、後述するような基本等価回路モデルに含まれるパラメータを変更する解析処理によって取得するようにしてもよい。
等価回路モデル情報作成部123は、寄生インダクタンス情報取得部122により取得された寄生インダクタンスの変化を基本等価回路モデルに反映することにより、実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成する。
第1の具体例として、等価回路モデル情報作成部123は、基本等価回路モデルと、寄生インダクタンス情報取得部122により取得された寄生インダクタンスの変化を実装面からグランド層までの距離を変数として表した関数とを対応付けた情報を、任意の等価回路モデル情報として作成する。
第2の具体例として、等価回路モデル情報作成部123は、図6に示すように、基本等価回路モデルと、実装面からグランド層までの各距離に対応する寄生インダクタンス情報取得部122により取得された寄生インダクタンスとを対応付けた情報を、任意の等価回路モデル情報として作成する。すなわち、等価回路モデル情報作成部123は、実装面からグランド層までの距離hを60[μm]に設定して作成された基本等価回路モデル171と、実装面からグランド層までの距離を任意に変更したときの寄生インダクタンステーブル172とを対応付けた画像情報を表示部160に表示する。なお、寄生インダクタンスは、寄生インダクタンステーブル172のように離散値で表示する場合に限定されず、上述した第1の具体例のように、実装面からグランド層までの距離を変数として表した関数を表示してもよい。
また、等価回路モデル情報作成部123は、表示部160に上述したモデル情報を表示するのに限定されず、例えば同じ情報を印刷装置により印刷して、実際の表面実装部品の付属情報として、この表面実装部品を使用するユーザに提供するようにしてもよい。
以上のような構成からなる回路モデル作成装置100は、基本等価回路モデルにおける寄生インダクタンスの変化を、実装面からグランド層までの距離を変数として取得し、取得された寄生インダクタンスの変化を基本等価回路モデルに反映して、実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成することにより、受動素子の実装状態に応じた回路特性を精度良く表現できるので、電源回路のシミュレーション精度を上げることが可能な等価回路モデルを比較的、簡単な表現でユーザに提供することができる。例えば、受動部品メーカは、回路モデル作成装置100により作成された精度の高い等価回路パラメータを、顧客であるユーザに提供することが可能となる。
このようにして精度の高い回路モデルを提供できるのは、高周波におけるコンデンサのインダクタンスは電流が底面に集中するため、高周波では実装面からグランドまでの距離hを変数とした関数を用いることで、インダクタンスを容易に補正できるからである。また、いずれかの実装面からグランド層までの距離hでの等価回路モデルを基準とし、これと異なる距離h’により決まる寄生インダクタンスを付加する等価回路モデル情報は、従来通りコンデンサを一つの等価回路モデルで表現できるからである。
次に、以上のような構成からなる回路モデル作成装置100により作成された表面実装型受動部品モデル2を用いて回路基板の回路特性のシミュレーションを行うシミュレーション装置200について説明する。
シミュレーション装置200は、図7に示すように、キーボードなどの入力部210、CPU220、ROM230、RAM240、ハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量記憶装置250、及び、LCDなどの表示部260を備えるコンピュータである。
入力部210には、受動素子の特性と、受動素子が表面実装される回路基板において受動素子が表面実装される実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離とが設定された設定情報が入力される。入力部110は、設定情報をCPU120に通知する。
大容量記憶装置250は、上述した回路モデル作成装置100により作成された等価回路モデルに係る情報を記憶している。
すなわち、大容量記憶装置250は、実装面からグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対して、この距離を変数として取得された寄生インダクタンスの変化を反映した任意の等価回路モデル情報が記憶されている。すなわち、大容量記憶装置250は、実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離が所定値である回路基板に受動素子が表面実装された基本等価回路モデルを示す基本等価回路モデル情報251と、基本回路基板モデルに対して実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を示す寄生インダクタンス情報252とを対応付けて記憶している。ここで、寄生インダクタンス情報252は、実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を、連続値で表した関数又は離散値として表したルックアップテーブルである。
また、大容量記憶装置250は、回路基板の回路特性をシミュレーションするためのプログラムが記憶されている。
CPU220は、大容量記憶装置250に記憶されているシミュレーション用のプログラムを読み出してRAM240に展開して実行することにより、次のような解析部221が実現される。
解析部221は、入力部210に入力された設定情報に応じて、大容量記憶装置250から基本等価回路モデル情報251と寄生インダクタンス情報252とを読み出して、読み出した情報に基づいて回路特性の解析を行う。具体的に、解析部221は、大容量記憶装置250から、基本等価回路モデルと、基本回路基板モデルの実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化とを読み出す。解析部221は、設定情報で示されている実装面からグランド層までの距離に対応して寄生インダクタンスを補正した等価回路モデルを用いて回路特性を解析する。解析部221は、回路特性を解析した解析結果を表示部260に表示する。
このような構成からなるシミュレーション装置200は、図8に示すようなフローチャートに従って、プリント回路基板の回路特性についてシミュレーションを実行する。
ステップS1において、入力部210には、ユーザにより設計されたプリント回路基板PCBの回路モデルが入力される。すなわち、入力部210には、プリント回路基板PCBに実装される受動素子の特性と、受動素子が表面実装されるプリント回路基板PCBにおいて受動素子が表面実装される実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離とが設定された設定情報が入力される。
ステップS2において、解析部221は、設定情報で示される実装面からグランド層までの距離情報に基づいて、大容量記憶装置250の寄生インダクタンス情報252を参照して、最適な寄生インダクタンスの値を選択する。これにより、解析部221は、設計対象のプリント回路基板の断面構造に最も適した等価回路モデルの選択を行うことができる。
ステップS3において、解析部221は、ステップS2により選択された寄生インダクタンスで定義された受動素子の等価回路モデルを回路基板モデルに接続する。
ステップS4において、解析部221は、ステップS3により受動素子の等価回路モデルが接続された回路基板モデルについて、電源網入力インピーダンスの解析を行う。
以上のようにして、シミュレーション装置200は、入力部210により入力された設定情報で示される実装面からグランド層までの距離に対応して寄生インダクタンスを補正した等価回路モデルを用いて回路特性を解析することにより、受動素子の実装状態に応じた回路特性を精度良く表現してシミュレーションを行うことができるので、従来の経験的な回路設計を置き換え、設計精度の向上と設計工数の削減に寄与することができる。
ところで、回路モデル作成装置100により作成される表面実装型受動部品モデルが、相対向する複数の内部電極と誘電体層とを相互に積層させて構成された積層型セラミックチップコンデンサである場合には、精度向上の観点から、次のような手法により等価回路モデルを作成することが望ましい。
すなわち、精度向上の観点から、回路モデル作成装置100において、寄生インダクタンス情報取得部122は、基本等価回路モデル作成部121により作成された等価回路モデルに対して、実装面からグランド層までの距離の変化を変化させたときの、積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数よりも高周波領域における寄生インダクタンスの変化を解析して、解析結果を寄生インダクタンス情報として等価回路モデル情報作成部123に通知する。
また、基本等価回路モデル作成部121は、積層型セラミックチップコンデンサのキャパシタンスを含む回路特性を示す回路モデルの両端に、積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数よりも高周波領域における寄生インダクタンスを示す回路モデルをそれぞれ直列接続した等価回路モデルを作成する。
また、基本等価回路モデル作成部121は、積層型セラミックチップコンデンサのキャパシタンスを含む回路特性を示す回路モデルとして、積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数から高周波数領域に亘る各自己共振周波数に対応する共振回路モデルが、複数並列接続されたモデルを作成する。
以下では、精度良く積層型セラミックチップコンデンサの基本等価回路モデルを導出するための具体的な手法を、実測値を用いた検証結果を踏まえて説明する。
図9(A)及び図9(B)に示すように、グランド層300aと誘電体層300bとからなるプリント回路基板300の表面に実装された積層型セラミックチップコンデンサ301は、図9(B)に示すように、高い静電容量を達成するために多数の積層導体プレートを持つ。例えば小さい1005サイズ(1.0×0.5mm)コンデンサでも、100以上のプレートを含むのが通常である。ここで三次元全波電磁シミュレーションの薄板構造を分解するために必要となるメッシュはとても細いので、このようなメッシュを用いた分析方法は非現実的である。積層型セラミックチップコンデンサ301が多数の導体からなることを考慮すると、積層型セラミックチップコンデンサ301内のプレートと絶縁体とは、内部薄板スペーシングがy方向における空間波モードよりも小さい限り、1つの有効媒質として扱うことで、効率よく周波数特性を分析することができる。
そこで、積層型セラミックチップコンデンサを1つの有効媒質として扱い、下記に示すような二次元モーメント法を用いることで、精度良く積層型セラミックチップコンデンサの特性を解析することができる。
図10は積層型セラミックチップコンデンサのx−y平面の断面図である。x−y平面はz軸に沿ってどこでも同じである。z軸方向に対する垂直方向の磁場、すなわちx−y平面におけるTMフィールドは、導体において、z方向の電流及び電界のみしかないものと扱うことができる。各フィールドは角周波数ωに対して静特性を有する。
これは、z方向の電流のみ存在し、下記の(1)式に示すrにおけるベクトル・ポテンシャルは、z方向の要素のみ持つからである。
Figure 2010205004
ここで、μは透磁率、vは電流の流れるセルの電圧、Jはセルの電流密度である。z座標周りの積分は、下記の(2)式の二次元磁気ベクトル・ポテンシャルにより導出される。
Figure 2010205004
ここで、Sはすべての金属薄板の断面積を示す。電界はAzで表され、スカラ・ポテンシャルφは、下記の(3)式で表される。
Figure 2010205004
バルク導電体を解析するため、多くのモーメント法では、オームの法則Jz=Ezが電流密度と電界の関係を表すのに用いられる。xy平面における統一分布キャパシタンスを考慮するために、上記の関係を、下記の(4)式のように変更する。
Figure 2010205004
ここで、cとσはそれぞれ単位体積ごとのキャパシタンス、伝導性を示す。すなわち、(4)式は二次元想定によるz方向キャパシタンスである。
(3)式、(2)式を(4)式に代入すると、下記の(5)式に示すような、電流密度Jzの積分方程式が得られる。
Figure 2010205004
(5)式において、左辺の第2の項は、インダクタンスjωLに対応する。この(5)式は、各セルのLCR直列回路モデルとして見なすことができる。
ここで、式(5)の積分方程式は、次のようなモーメント法により効率的に解くことができる。
まず、各導体の断面を複数の長方形のセルに分割する。図10に示すような積層型セラミックチップコンデンサのグランド構造を考慮すると、モデルは2つの導体グループ(p=1,2)を持つ。積層型セラミックチップコンデンサとグラウンド層は両方npセルに分割される。そして、基底関数は各導体毎に定義される。ここで、下記の(6)式のような、各セルで電流が均一して流れるパルス関数fpi(r)のセットを用いる。
Figure 2010205004
(6)式で基底関数を使うと、電流密度Jは下記の(7)式で表される。
Figure 2010205004
ここでJpiは得たい電流分布と定数である。(7)式を(5)式に代入して、下記の(8)式を導出する。
Figure 2010205004
ここで、Sqiは各セルの断面エリアである。全矩形の重心を一致させて、下記の(9)式の閉構造のカレントループ式を付加すると、数式(8)はJpi及びδφ/δzの一次方程式になる。
Figure 2010205004
ここで、Iは導体の全電流量であり、任意の境界条件である。
次に、積層型セラミックチップコンデンサの電気抵抗は、(8)式から得られたスカラ・ポテンシャル傾斜δφ/δzとトータル電流Iの関係によって、下記の(10)式により演算される。
Figure 2010205004
ここで、Zは単位長ごとの電気抵抗である。
また、等価寄生抵抗は以下の(11)式で表される。
Figure 2010205004
また、(4)式から、キャパシタンスは、(11)式で示される抵抗R(ω)に反比例する。よって、等価キャパシタンスC(ω)は下記の(12)式で表される。
Figure 2010205004
ここで、Rdc及びCdcはそれぞれ、下記の(13)式で示すような、DC抵抗とキャパシタンスである。
Figure 2010205004
一旦、等価キャパシタンスが測定されると、等価インダクタンスは電気抵抗の虚数部分からキャパシタンス要素を差し引くように演算され、jωによって分割される。
Figure 2010205004
以上のようなモーメント法によって、例えば1005サイズで容量が0.1μFの積層型セラミックチップコンデンサを分析することができる。この積層型セラミックチップコンデンサと等価な幾何学サイズを持つバルク伝導体は、積層型セラミックチップコンデンサの詳細な周波数特性を取得するために、分析及び比較することができる。
図10に示すように、積層型セラミックチップコンデンサ301の埋め込み板は、コンデンサのアウトラインに間隔h’を持ち、プリント回路基板300の表面からパッド電極及びはんだ付の厚さによる高度h”がある。
ここで、具体例として、h’=70[μm]、h”=100[μm]、ω=l=400[μm]とする。また、実装面からグランド層までの距離として誘電体の厚さhを100[μm]とする。プレートの伝導率をσ=3.15×104[S/m]とした場合、測定抵抗20[mΩ]と適合するように測定される。断面は20×20方形セルに分割され、全体的に指数関数的に減少している。これは、近接効果を正確に得るためである。グランド層はイメージ法で考慮される。
図11(A)、図11(B)、図11(C)は、それぞれ同次元の積層型セラミックチップコンデンサとバルク伝導体の演算されたインピーダンス、抵抗、インダクタンスの周波数特性を示すグラフである。これらの図から明らかなように、積層型セラミックチップコンデンサとバルク伝導体には、30[MHz]のLC直列共振周波数を超える異なる周波数特性がある。また、積層型セラミックチップコンデンサの抵抗とインダクタンスは60MHzにねじれがある。また、100[MHz]を超えると、積層型セラミックチップコンデンサとバルク伝導体との2つの要素の特性が適合する。
これらの現象は、誘導性リアクタンスが抵抗を超える周波数で導体のボトムエッジから電流が再分配されることを示唆する。
このような周波数特性から明らかなように、積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数よりも高周波領域における寄生インダクタンスを考慮してモデル化を行うことで、プリント回路基板の実装状態を精度良く表現した等価回路モデルを導出することができる。
また、図12は、上述したモーメント法によって得られた電流分布を示すグラフである。具体的に、図12(A)、図12(B)、及び、図12(C)は、それぞれ周波数が10MHz、63MHz、1GHzでの電流分布の等高線図を示している。10MHzでの電流分布では、電流はほぼ均一して分布している。1GHzでは、電流は底部に集中しており、バルク伝導体の電流分布と同様である。図12(B)に示すように、63MHzの第2の共振周波数で、電流は、インダクタンスが統一電流分布の場合より大きい中央周辺に集中している。
これらの現象により、積層型セラミックチップコンデンサをスタブ伝送線と見なすことができる。このようにして、積層型セラミックチップコンデンサ301をスタブ伝送線401として見なした回路モデル400を図13に示す。一般的に、0.4[mm]のライン長は、60MHzの共振には短すぎる。しかしながら、絶縁媒体の大きな誘電定数による強い波長減少によって共振する。例えば、図11(C)に示すような、インダクタンス増加はスタブ伝送線のλ/2共振とみなすことができ、図12(B)の演算された電流分布に反映されている。
ここで、より高い周波数の他のスタブ伝送線共振が現れないのは、対象の周波数における積層型セラミックチップコンデンサの抵抗成分が影響するからである。
例えば、図11(C)及び図12(C)に示すように、電流はλ/2共振周波数を上回る大きな抵抗により再びボトム・コーナーに集結する。これを、実験的に確かめるために、σ=5.6×10[S/m]の低抵抗コンデンサを分析したものを図14に示す。図14に示す結果から、インピーダンスが本質的に直列LC共振周波数を上回る多くの共振点を持つのが明らかとなった。図15は、具体例として第7共振の共振点である200MHzの電流分布を表す。図15に示すように、電流分布は、x及びy方向で強い共振である独特のパターンを示している。これらの結果から明らかなように、積層型セラミックチップコンデンサをスタブ伝送回線としてモデル化することができる。
正確なコンデンサモデリングのためのもう一つの主要因は、積層型セラミックチップコンデンサが実装される実装状態に引損した特性である外部インダクタンスである。周波数特性と、実装面からグランド層までの距離との関係を解析するために、3つの異なる実装面からグランド層までの距離が、h=60、100、200μmとなるようにしてプリント回路基板に実装された積層型セラミックチップコンデンサの特性について分析し、分析結果を図16に示す。
図16(A)、図16(B)、及び、図16(C)は、それぞれインピーダンスの周波数特性、抵抗の周波数特性、インダクタンスの周波数特性を示すグラフである。これらの図16(A)及び図16(C)では、インピーダンス及びインダクタンスが、実装面からグランド層までの距離hに比例して増加することを示している。他方、図16(B)に示すように、抵抗は逆に、両方向の近接効果により、実装面からグランド層までの距離hに比例して減少することを示している。
ユーザレイアウトに従うコンデンサの周波数特性の変更は、実装面からグランド層までの距離hが異なると、これに応じて異なるモデルを必要とする。そこで、特定の実装面からグランド層までの距離hに対応する1つのモデルに対して、距離hを変えたときのモデル作成手法を以下に示す。これは、以下の実測結果に基づいた手法である。
第1に、抵抗は、インダクタンスに比べて、実装面からグランド層までの距離hの変化により特性が大きく変化しない。第2に、キャパシタンスが周波数領域でインピーダンスの変化に主に影響するので、LC共振より低い周波数のインダクタンスは無視することができる。第3に、表皮効果により、ほとんどすべての電流は底板に集中するので、λ/2の共振よりも低周波数のインダクタンスは、外部インダクタンス、すなわち底板のインダクタンスを変更することによって近似することができる。
以上の第1から第3の分析結果を踏まえると、実装面からグランド層までの距離hが異なると、積層型セラミックチップコンデンサの周波数特性は、下記の(15)式に示すように、既存のモデルの外部インダクタンスを変更することによって補償することができる。
Figure 2010205004
ここで、Lexは、外部インダクタンスである。
具体例として、周波数が5[GHz]の電流が底板の端に集中するものとして、十分高い周波数であると仮定して、(15)式中のLexをL(5GHz)と置き換えることによって、下記の(16)式、(17)式が得られる。
Figure 2010205004
Figure 2010205004
図17は、実装面からグランド層までの距離hを、h=100[μm]から、h=60[μm]又は200[μm]に変更した場合の、インピーダンス曲線を表すグラフである。
ここで、実装面からグランド層までの距離hがh=100[μm]の場合、これに対応する寄生インダクタンスは43[pH]である。また、実装面からグランド層までの距離hがh=60[μm]の場合、これに対応する寄生インダクタンスは20[pH]である。図17から明らかなように、距離hを100[μm]とした条件下での等価回路モデルに対して、上記の(17)式を用いて補償した等価回路モデルの変更曲線は精度良く実測値と適合する。
上述した分析結果を踏まえて作成される積層型セラミックチップコンデンサの等価回路モデル500の構造を図18に示す。
等価回路モデル500は、図18に示すように、2つの主要部から構成される。すなわち、等価回路モデル500は、コンデンサ内部の伝送ラインをモデル化したLR並列回路ブロック501と、このLR並列回路ブロック501の左右対称的に分離された2つの外部インピーダンスモデルブロック502a、502bとから構成される。ここで、外部インピーダンスモデルブロック502a、502bは、コンデンサ及びコンデンサが実装される実装面からグランド層までの距離を示す幾何的情報で測定される外部インダクタンス及び表皮効果を表すモデルである。
LR並列回路ブロック501は、等価回路モデル500の中央に配置されているLCRはしご型回路であって、当該積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数であるLC直列共振より上の自己共振周波数の伝送線特性を表すモデルである。また、LCRはしご型回路の段数は、積層型セラミックチップコンデンサの固有抵抗によって決定される。
低抵抗コンデンサの場合には、より多くの段数のLCRはしご型回路が必要とされる。LR並列回路ブロック501は、各共振現象が異なる周波数範囲に現れるので、各ブロックが他の部分と独立した挙動を表すことができる。
また、Lex以外のすべてのパラメータは等しく、実装面からグランド層までの距離に対して独立している。一度、パラメータが測定又は電磁気シミュレーションで測定されると、実装面からグランド層までの距離を変化させたときに変化するパラメータは、上記の(17)式を用いて、外部インダクタンスLexを補償することによって得られる。すなわち、LexがそのPCB構成に最も一致するように、ユーザはコンデンサモデルを変更することができる。
等価回路モデル500の各パラメータは1つの測定から決定することができる。まず、実装面からグランド層までの距離に応じて変化する外部インダクタンスLexは、(17)式を用いて計算される。ここで、外部インダクタンスLexは、図10に示すようなhtotal=h+h’+h”を変数として変化する。ここで、h’及びh”は、通常精度良く測定することが難しい。
そこで、モーメント法によって計算されたLexと測定されたインダクタンスを比較することによって、h’+h”を決めることができる。このようにして、モーメント法によって、実装面からグランド層までの距離に応じたLexを計算することができる。
上述した等価回路モデルについての精度を検証するために、作成された等価回路モデルの周波数特性を実測結果と比較する。実測測定された積層型セラミックチップコンデンサは、シミュレーション状態と同じパラメータとして、サイズが1.0mm×0.5mm、0.1μF及び、実装面からグランド層までの距離を0.06〜0.2mmまで変化させたものを用いる。積層型セラミックチップコンデンサの周波数特性は、2ポート並列の測定手法で測定されるものとする。
まずは、実測結果に基づいてh=100[μm]のモデルのパラメータを得る。続いて、上述した(15)式を用いて、実装面からグランド層までの距離に応じて変化するLexを計算する。本実測結果において、例えばh’+h”は、およそ170μmとして推定される。また、LR並列回路ブロック501において、必要なはしご型回路の段数Nは、具体例として5[GHz]の周波数帯域まで正確に測定結果を表すN=6とする。
図19は、実測結果の周波数特性、及び、実装面からグランド層までの距離がh=100μmである等価回路モデルの周波数特性を比較した比較結果である。図19(A)、図19(B)、及び、図19(C)は、それぞれインピーダンスの周波数特性、抵抗の周波数特性、インダクタンスの周波数特性を示すグラフである。なお、はしご型回路の段数をN=1とした等価回路モデルを、比較例として図19中に示している。
また、下記の表1は、図19に示す各等価回路モデルの結果として生じるパラメータを示したものである。
Figure 2010205004
図19に示す比較結果から、N=6として設計された等価回路モデルは、N=1として設計された等価回路モデルとに比べて、実測結果と精度良く適合することが明らかである。
図20は、インダクタンスの周波数特性について、N=6として設計された等価回路モデルと実測結果との比較を示すグラフである。図20において、「h=60μm」及び「h=200μm」は、それぞれ実装面からグランド層までの距離h=60μm及びh=200μmに変化させた等価回路モデルの周波数特性を示している。すなわち、この2つの等価回路モデルは、「h=100μm」の等価回路モデルを基準として、上述したように(15)式を用いた補償手法によってモデルの特性を変更させたものである。図20に示すように、これらの等価回路モデルでは、実装面からグランド層までの距離に起因したインダクタンスの周波数特性の変化を正確に予測することができる。
比較例として、実装面からグランド層までの距離の変化に応じて外部インダクタンスを変更しない場合、1GHzのインダクタンスにおいて、実測値に対する誤差は、「h=60」及び「h=200μm」の等価回路モデルで、それぞれおよそ15%である。これに対して、実装面からグランド層までの距離の変化に応じて外部インダクタンスを変更した等価回路モデルでは、それぞれ、実測値に対する誤差が6%及び3%であり、上記の比較例に比べて精度良くモデル化できる。
上述したように、積層型セラミックチップコンデンサの電流分布を分析する二次元モーメント法を利用して、回路モデル作成装置100は、精密な物理系モデルを導出することができる。具体的に、回路モデル作成装置100は、積層型セラミックチップコンデンサの物理モデルである多層導体板を均一な分布キャパシタンスと近似することで、モデル化誤差の少ない等価回路モデルを導出することができる。また、回路モデル作成装置100は、モーメント法を用いて測定された周波数応答のキンクを、計算された電流分布によってはっきり表すことができる。また、回路モデル作成装置100は、積層型セラミックチップコンデンサが直列LC回路の共振周波数よりも高い伝送線の共振と類似するようにして、精度良く等価回路モデルを導出することができる。回路モデル作成装置100は、導電率と誘電率とのバランスのため、低次元の共振だけについても、実際の積層型セラミックチップコンデンサの特性を表現することができる。
以上の解析結果に基づいて、回路モデル作成装置100は、伝送線、表皮効果、及び外部インダクタンスとしての回路を備えている等価回路モデルを作成することができる。また、回路モデル作成装置100は、実装面からグランド層までの距離を考慮して等価回路モデルを導出することにより、測定されたインピーダンス結果と精度良く適合する等価回路モデルを作成することができる。このようにして回路モデル作成装置100により作成されたモデルは、例えば配電ネットワークシミュレーションの正確さを改善することができる。
なお、本発明は、以上の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 プリント回路基板、1a、1b ビアホール、2 表面実装型受動部品モデル、11 直流電圧源、12 高周波回路、12a 電源ピン、12b GNDピン、13 コンデンサ、21 コンデンサ、22 グランド、100 回路モデル作成装置、110、210 入力部、120、220 CPU、121 基本等価回路モデル作成部、122 寄生インダクタンス情報取得部、123 等価回路モデル情報作成部、130、230 ROM、140、240 RAM、150、250 大容量記憶装置、160、260 表示部、171 等価回路モデル、172 寄生インダクタンステーブル、200 シミュレーション装置、210 入力部、221 解析部、250 大容量記憶装置、251 基本等価回路モデル情報、252 寄生インダクタンス情報、300 プリント回路基板、300a グランド層、300b 誘電体層、301 積層型セラミックチップコンデンサ、400 回路モデル、401 スタブ伝送線、500 等価回路モデル、501 並列回路ブロック、502a 外部インピーダンスモデルブロック

Claims (10)

  1. 回路基板に表面実装される受動素子の等価回路モデル情報を作成する回路モデル作成装置において、
    実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対し、上記実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を取得する取得手段と、
    上記取得手段により取得された寄生インダクタンスの変化を上記基本等価回路モデルに反映することにより、上記実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成する作成手段とを備える回路モデル作成装置。
  2. 上記取得手段は、上記受動素子の特性を表す第1の回路モデルに、上記帰還電流が流れる帰還経路による寄生インダクタンスを表す第2の回路モデルを直列接続した上記基本等価回路モデルに対する寄生インダクタンスの変化を取得することを特徴とする請求項1記載の回路モデル作成装置。
  3. 上記受動素子は、積層型セラミックチップコンデンサであり、
    上記取得手段は、上記実装面からグランド層までの距離を変化させたときの、上記積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数よりも高周波領域における寄生インダクタンスの変化を解析することにより、上記基本等価回路モデルに対する寄生インダクタンスの変化を取得することを特徴とする請求項1記載の回路モデル作成装置。
  4. 上記基本等価回路モデルは、上記積層型セラミックチップコンデンサのキャパシタンスを含む回路特性を示す第1の回路モデルの両端に、該積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数よりも高周波領域における寄生インダクタンスを示す第2の回路モデルをそれぞれ直列接続した等価回路モデルであることを特徴とする請求項3記載の回路モデル作成装置。
  5. 上記第1の回路モデルは、上記積層型積層型セラミックチップコンデンサの基本自己共振周波数から高周波数領域に亘る各自己共振周波数に対応する共振回路モデルが、複数並列接続されたモデルであることを特徴とする請求項4記載の回路モデル作成装置。
  6. 上記作成手段は、上記基本等価回路モデルと、上記取得手段により取得された寄生インダクタンスの変化を上記実装面からグランド層までの距離を変数として表した関数とを対応付けた情報を、上記任意の等価回路モデル情報として作成することを特徴とする請求項1記載の回路モデル作成装置。
  7. 上記作成手段は、上記基本等価回路モデルと、上記実装面からグランド層までの各距離に対応する上記取得手段により取得された寄生インダクタンスとを対応付けた情報を、上記任意の等価回路モデル情報として作成することを特徴とする請求項1記載の回路モデル作成装置。
  8. 回路基板に表面実装される受動素子の等価回路モデル情報を作成する回路モデル作成方法において、
    実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対し、上記実装面からグランド層までの距離を変数とした寄生インダクタンスの変化を取得する取得ステップと、
    上記取得手段により取得された寄生インダクタンスの変化を上記基本等価回路モデルに反映することにより、上記実装面からグランド層までの距離が任意の等価回路モデル情報を作成する作成ステップとを有する回路モデル作成方法。
  9. 受動素子を表面実装した回路基板の回路特性をシミュレーションするシミュレーション装置において、
    上記受動素子の特性と、該受動素子が表面実装される回路基板における実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離とが設定される設定手段と、
    上記実装面からグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対して、該距離を変数として取得された寄生インダクタンスの変化を反映した任意の等価回路モデル情報を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段から、上記設定手段により設定された実装面からグランド層までの距離に対応する等価回路モデル情報を読み出し、読み出した等価回路モデル情報を用いて回路特性を解析する解析手段とを備えるシミュレーション装置。
  10. 受動素子を表面実装した回路基板の回路特性をシミュレーションするシミュレーション方法において、
    上記受動素子の特性と、該受動素子が表面実装される回路基板における実装面から帰還電流が流れるグランド層までの距離とが設定される設定ステップと、
    上記実装面からグランド層までの距離が所定値である回路基板に表面実装された受動素子に対応する基本等価回路モデルに対して、該距離を変数として取得された寄生インダクタンスの変化を反映した任意の等価回路モデル情報を記憶する記憶手段から、上記設定ステップにより設定された実装面からグランド層までの距離に対応する等価回路モデル情報を読み出し、読み出した等価回路モデル情報を用いて回路特性を解析する解析ステップとを有するシミュレーション方法。
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