JP2010202832A - 多孔質中空ポリマー粒子の製造方法及び多孔質中空ポリマー粒子 - Google Patents

多孔質中空ポリマー粒子の製造方法及び多孔質中空ポリマー粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、気孔径が極めて小さく、特に光学特性に優れる多孔質中空ポリマー粒子を得ることが可能な多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を提供する。また、本発明は、該多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を用いて得られる多孔質中空ポリマー粒子を提供する。
【解決手段】 粒子内部に複数の中空部を有する多孔質中空ポリマー粒子の製造方法であって、水に重合性モノマー及び水に対して親媒性を有する両親媒性溶媒を溶解させ、両親媒性溶媒の水混合液を調製する工程、前記両親媒性溶媒の水混合液に重合性モノマーを添加して重合性モノマー溶液を調製する工程、前記重合性モノマー溶液を水に添加して懸濁させる工程、及び、前記重合性モノマーを重合させる工程を有する多孔質中空ポリマー粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、気孔径が極めて小さく、特に光学特性に優れる多孔質中空ポリマー粒子を得ることが可能な多孔質中空ポリマー粒子の製造方法に関するものである。また、本発明は、該多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を用いて得られる多孔質中空ポリマー粒子に関するものである。
従来、粒子内部に空隙を有する中空ポリマー粒子は、材料の軽量化、造孔化や、断熱性、遮音性、耐衝撃性等を付与する目的で、極めて広範な分野で利用されている。
また、中空ポリマー粒子は、その樹脂層と内部空隙層との屈折率差により可視光の散乱が起こることが知られており、光拡散剤として使用されている。このような光拡散剤は蛍光、白色光の照明カバー、バックライト式半透明の看板、ディスプレイ、電飾、内装の半透明パーティションのほか液晶ディスプレイ、液晶テレビジョンの光拡散シートや板、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーン等の多方面に使用されている。
特に、光拡散シートや光拡散板に用いる中空ポリマー粒子は、全光線透過率が高く、低屈折率であることが要求される。
このような中空ポリマー粒子の製造方法としては、特許文献1にも記載されているように、モノマー中に水が分散した分散液を調製した後、分散液を更に水に分散させることでW/O/Wエマルションを調製し、モノマーを重合させることにより、中空ポリマー粒子を作製する方法が一般的である。
しかしながら、従来の中空ポリマー粒子の製造方法では、得られる多孔質中空ポリマー粒子内部の気孔径が大きいものとなり、光拡散シートや光拡散板等に用いた場合に、粒子内部で可視光の散乱が生じるため、光透過率の悪化を招き、安定した光学特性を確保することは困難であった。
特開2006−96971号公報
本発明は、気孔径が極めて小さく、特に光学特性に優れる多孔質中空ポリマー粒子を得ることが可能な多孔質中空ポリマー粒子の製造方法、及び、該多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を用いて得られる多孔質中空ポリマー粒子を提供することにある。
本発明は、粒子内部に複数の中空部を有する多孔質中空ポリマー粒子の製造方法であって、水に重合性モノマー及び水に対して親媒性を有する両親媒性溶媒を溶解させ、両親媒性溶媒の水混合液を調製する工程、前記両親媒性溶媒の水混合液に重合性モノマーを添加して重合性モノマー溶液を調製する工程、前記重合性モノマー溶液を水に添加して懸濁させる工程、及び、前記重合性モノマーを重合させる工程を有する多孔質中空ポリマー粒子の製造方法である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子の製造方法では、まず、水に重合性モノマー及び水に対して親媒性を有する両親媒性溶媒を溶解させ、両親媒性溶媒の水混合液を調製する工程を行う。
上記重合性モノマー及び水に対して親媒性を有する両親媒性溶媒としては、使用する重合性モノマーの種類にもよるが、例えば、アルコール類、ケトン類等の水溶性の有機溶媒が好適に用いられる。上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。その他の水溶性の有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル等が用いられる。
上記両親媒性溶媒の水混合液を調製する工程において、上記両親媒性溶媒の添加量としては、上記水100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が5000重量部である。上記両親媒性溶媒の添加量が10重量部未満であると、後の重合性モノマーを添加する工程にて、モノマー添加が完了する前に水相の分離が生じ、空隙を有するポリマー粒子が得られず、5000重量部を超えると、後の重合性モノマー溶液を水に添加して懸濁させる工程にて、重合性モノマー溶液相が水中で安定した液滴を形成できず、ポリマー粒子が凝集することがある。上記両親媒性溶媒の添加量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は2000重量部である。
本発明では、次いで、上記両親媒性溶媒の水混合液に重合性モノマーを添加して重合性モノマー溶液を調製する工程を行う。
このような工程を行うことで、上記両親媒性溶媒の水混合液に溶解している水からなる微小の液滴が生成し、上記重合性モノマー溶液は、上記重合性モノマーと両親媒性溶媒との溶液中に水が分散した分散液となる。
上記重合性モノマーとしては、例えば、単官能性モノマー、多官能性モノマーを用いることができる。
上記重合性モノマーを構成する単官能性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の極性基含有(メタ)アクリル系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー、ビニルピリジン、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、エチレン、プロピレン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、多孔性で透明性の高い中空ポリマー粒子が得られることから、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のアクリル系モノマー、及び、スチレン等のスチレン系モノマーを用いることが好ましい。
また、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸等のアクリル系モノマーを用いた場合は、焼成時にすすや灰分を生じにくくなる。
上記重合性モノマー成分を構成する多官能性モノマーは、粒子の収縮を抑制し、耐圧縮強度を改善する目的で添加され、特に限定されないが、例えば、以下に示すようなジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、ジアリル化合物、トリアリル化合物、ジビニル化合物が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記トリ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記重合性モノマー溶液を調製する工程において、上記重合性モノマーの添加量としては、上記水混合液中の水100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が10000重量部となるように添加する。上記水に対する重合性モノマー添加量が10重量部未満であると、得られる多孔質中空ポリマー粒子の強度が低下することがあり、10000重量部を超えると、得られる多孔質中空ポリマー粒子の空隙率が不充分となる。上記重合性モノマーの添加量のより好ましい下限は25重量部、より好ましい上限は3233重量部である。
上記重合性モノマー溶液を調製する工程では、上記重合性モノマーの添加速度や添加量を調整することにより、生じる微小水滴の粒子径を制御することができ、その結果、得られる多孔質中空ポリマー粒子の気孔径や空隙率を制御することができる。
上記重合性モノマーを添加する方法としては特に限定されないが、微量定量ポンプを用いる方法や、滴下等の方法によって連続的又は逐次的に添加する方法を用いることが好ましい。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子の製造方法では、次いで、上記重合性モノマー溶液を水に添加して懸濁させる工程を行う。上記重合性モノマー溶液を添加することで、上記重合性モノマー溶液が水中に懸濁して懸濁液を調製することができる。
上記重合性モノマー溶液を水に添加して懸濁させる工程では、水中に分散安定剤を添加することが好ましい。
上記分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等の無機物、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン等の水溶性ポリマー、あるいは、各種アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等が用いられる。
上記分散安定剤の添加量は特に限定されず、分散安定剤の種類等により適宜決定されるが、重合性モノマー100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。
上記分散安定剤と同時に添加される分散安定助剤としては、例えば、ドデシルフェニルオキサイドジスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
上記重合性モノマー溶液を水に添加して懸濁させる方法の例としては、ホモミキサー、バイオミキサー等の機械的分散機や、超音波ホモジナイザー等を用いる方法等が挙げられる。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子の製造方法では、次いで、上記重合性モノマーを重合させる工程を行う。
上記重合の際には、通常、重合開始剤を用いる。上記重合開始剤としては、上記重合性モノマー溶液と相溶する油溶性のフリーラジカルを発生する化合物、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジカーボネート、αークミルパーオキシネオデカノエート等の有機系過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、レドックス開始剤等が挙げられる。
上記重合においては、重合性モノマー溶液の油滴以外の場所で重合が生じることによる新粒子の発生を抑制するために、水に無機塩や水溶性重合禁止剤を添加してもよい。上記無機塩は水中に溶解して、水に対する重合性モノマー成分の溶解度を低下させ、水での重合を抑制する働きがあり、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、上記水溶性重合禁止剤は、水での重合を抑制する目的で添加され、具体的には例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、塩化銅、塩化鉄、塩化チタン、ヒドロキノン等が挙げられる。
本発明の方法における反応系の温度設定は、用いる重合性モノマーの組成や分子量、開始剤の種類、量等によって異なるが、通常は30〜100℃の範囲で行なわれる。
上記重合を行う際、又は、実施した後に添加する添加剤としては特に限定されず、例えば、pH調整剤、老化防止剤、酸化防止剤、防腐剤等が挙げられる。
また、重合が実質的に完結した状態においては、得られるポリマー粒子の中空部(内孔)には用いた水が内包された状態で残存している。
この内包された水は必要に応じて、得られる粒子の分散液にスチーム、窒素、空気等の気体を吹き込む方法や、系を減圧条件下におく方法等により除去することができる。本発明の製造方法により得られた多孔質中空ポリマー粒子は乾燥させ、粉体として用途に供することもできる。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を用いることで、平均気孔径が150nm以下である多孔質中空ポリマー粒子を製造することができる。このような多孔質中空ポリマー粒子もまた本発明の1つである。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、平均気孔径が150nm以下という極めて微細な気孔を有し、光学的に透明性有することから、特に、光拡散剤、光反射防止材料および屈折率調整材料として用いることができ、また粒子内部の比表面積が大きいことから、吸水、吸油用組成物、体感性向上組成物、吸着材料および触媒やめっきの担持体に好適に用いることができる。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、平均気孔径の好ましい上限が150nmである。150nmを超えると、粒子内部で可視光の乱反射が起こり、光線透過率の低下を招く。上記平均気孔径の好ましい下限は1nm、より好ましい上限は100nmである。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、平均粒子径の下限が好ましい0.05μm、好ましい上限が500μmである。0.05μm未満であると、内部に多孔の空孔を形成することが困難である。500μmを超えると、充分な体感性の向上が得られない。上記平均粒子径のより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、粒子径のCV値の好ましい下限が1%、好ましい上限が60%である。上記範囲内とすることで、例えば、光拡散剤に用いた場合、高い光拡散効果が得られる。上記粒子径のCV値が1%未満であると、生産性が低下し、60%を超えると、一定品質の光拡散効果が得られない。上記粒子径のCV値のより好ましい下限は2%、より好ましい上限は45%である。
なお、本明細書においてCV値とは、下記式(1)により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(σ2/Dn2)×100 (1)
式(1)中、σ2は粒子径の標準偏差を表し、Dn2は体積平均粒子径を表す。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、空隙率の好ましい下限が1%、好ましい上限が90%である。上記空隙率が1%未満であると屈折率の低減化効果が小さく、例えば、光拡散剤に用いた場合、充分な光拡散効果が得られない。上記空隙率が90%を超えると、取扱時の強度が不足し、粒子が破壊される。上記空隙率のより好ましい下限は3%、より好ましい上限は80%である。
なお、本明細書において空隙率とは、多孔質中空ポリマー粒子全体積中に占める中空部体積を百分率(%)で表示したものであり、例えば、ガス吸着法細孔分布測定装置トライスター3000(島津製作所社製)を用いて封入窒素圧力0〜760mmHgの条件等にて測定することができる。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、内部に微細な気泡を有することから、同じポリマー組成から成る中実粒子と比べて密度が小さいため屈折率が低く、粒子の骨格を成すポリマー組成に関わらず優れた低屈折率性粒子となる。
このような低屈折率性ポリマー粒子は、高屈折率樹脂からなるバインダー等と組み合わせることにより優れた光拡散性を有することから、各種フィルムの光拡散剤、マット剤、表面処理剤、樹脂成形物用添加剤等の光拡散剤用途に用いることができる。また、インク、塗料、接着剤、艶消し剤、カラム充填剤、研磨剤、流動性制御剤、水性インク、水性塗料、コーティング剤、ペースト組成物用途に使用することができる。
また、このような低屈折率性ポリマー粒子は、優れた反射防止性を有することから、各種光学シート、ガラスパネル等の反射防止コーティング剤として使用できる。
更に、本発明の多孔質中空ポリマー粒子の液体吸収性を利用して、おむつ、ナプキン、農園芸保水剤、工業用保水剤、吸湿剤、除湿剤、建材等の吸水・吸油用組成物用途、徐放性の農薬や医薬、帯電防止剤等に用いることができる。
加えて、本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、体感性向上効果が高いことから、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドー、ボディパウダー、ベビーパウダー、プレシェーブローション、ボディローション、ローション等の化粧品を含めた体感性向上組成物として用いることができる。
なかでも、本発明の多孔質中空ポリマー粒子は、光拡散剤に使用することが好ましい。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子を用いることで、樹脂組成によらず優れた拡散効果を得ることができるため、光の出射面に対する角度の違いにより、輝度分布がばらつくことがなく、どのような角度にも対応することができ、粒子強度が高く、安定した光散乱性能を確保することが可能な光拡散剤が得られる。また多孔質の空隙サイズを100nmに制御することにより光の乱反射を抑制し、光線透過率の低下を防止できる。
本発明の多孔質中空ポリマー粒子の製造方法によれば、気孔径が極めて小さく、特に光学特性に優れる多孔質中空ポリマー粒子を得ることができる。また、本発明は、該多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を用いて得られる多孔質中空ポリマー粒子は光拡散剤等に好適に使用することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(多孔質中空ポリマー粒子の作製)
イオン交換水100g及び両親媒性溶媒としてエタノール1000gを混合、撹拌し、両親和性溶媒の水混合液を調製した。次いで、スチレンモノマー200gに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.0gを添加したスチレンモノマー溶液を、得られた両親和性溶媒の水混合液に、微量定量ポンプを用いて30分間で注入し、混合、撹拌することにより重合性モノマー溶液を調製した。
次に、イオン交換水に分散安定剤としてリン酸三カルシウム1.0重量%及び分散安定助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量%を含有する水溶液3000gに得られた重合性モノマー溶液を添加、ホモジナイザーにて撹拌し、懸濁液を調製した。
その後、撹拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた5Lの重合器に、得られた懸濁液を一括投入したのち、重合槽を75℃まで昇温し、重合を開始した。4時間で重合を終了し、重合槽を室温まで冷却した。スラリーをセントルにて脱水し、その後真空乾燥により両親和性溶媒及び水を除去することで、多孔質中空ポリマー粒子を得た。
(実施例2)
スチレンモノマー溶液を、得られた両親和性溶媒の水混合液に注入する時間を30分間から60分間に変更した以外は実施例1と同様にして多孔質中空ポリマー粒子を得た。
(実施例3)
スチレンモノマー溶液を、得られた両親和性溶媒の水混合液に注入する時間を30分間から120分間に変更した以外は実施例1と同様にして多孔質中空ポリマー粒子を得た。
(実施例4)
イオン交換水100g及び両親媒性溶媒としてテトラヒドロフラン100gを混合、撹拌し、両親和性溶媒の水混合液を調製した。次いで、メチルメタクリレート25g及びトリメチロールプロパントリメタクリレート25gの混合モノマーに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.25gを添加したモノマー溶液を、得られた両親和性溶媒の水混合液に、微量定量ポンプを用いて60分間で注入し、混合、撹拌することにより重合性モノマー溶液を調製した。
次に、イオン交換水に分散安定剤として部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5重量%及びメチルセルロース0.1重量%を含有する水溶液1500gに得られた重合性モノマー溶液を添加、ホモジナイザーにて撹拌し、懸濁液を調製した。
その後、撹拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた3Lの重合器に、得られた懸濁液を一括投入したのち、重合槽を75℃まで昇温し、重合を開始した。4時間で重合を終了し、重合槽を室温まで冷却した。スラリーをセントルにて脱水し、その後真空乾燥により両親和性溶媒及び水を除去することで、多孔質中空ポリマー粒子を得た。
(実施例5)
メチルメタクリレートの添加量を25gから150gに、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加量を25gから150gに、アゾビスイソブチロニトリルの添加量を0.25gから1.5gに変更した以外は実施例4と同様にして多孔質中空ポリマー粒子を得た。
(比較例1)
スチレンモノマー200gに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.0gを添加したスチレンモノマー溶液を、イオン交換水100gに、微量定量ポンプを用いて30分間で注入し、混合、撹拌することにより重合性モノマー水分散液を調製した。
次に、分散安定剤としてリン酸三カルシウム1.0重量%及び分散安定助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量%を含有する水溶液3000gに得られた重合性モノマー水分散液を添加、ホモジナイザーにて撹拌し、懸濁液を調製した。
その後、撹拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた5Lの重合器に、得られた懸濁液を一括投入したのち、重合槽を75℃まで昇温し、重合を開始した。4時間で重合を終了し、重合槽を室温まで冷却した。スラリーをセントルにて脱水し、その後真空乾燥により水を除去することで、ポリマー粒子を得た。
(比較例2)
スチレンモノマー200gと有機溶媒としてトルエン100g、および重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.0gを混合、撹拌し、重合性モノマー混合液を調製した。
次に、分散安定剤としてリン酸三カルシウム1.0重量%及び分散安定助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量%を含有する水溶液3000gに得られた重合性モノマー混合液を添加、ホモジナイザーにて撹拌し、懸濁液を調製した。
その後、撹拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた5Lの重合器に、得られた懸濁液を一括投入したのち、重合槽を75℃まで昇温し、重合を開始した。4時間で重合を終了し、重合槽を室温まで冷却した。スラリーをセントルにて脱水し、その後真空乾燥により水を除去することで、多孔質中空ポリマー粒子を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた多孔質中空ポリマー粒子について、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
(1)多孔質中空ポリマー粒子の平均粒子径及びCV値
得られた多孔質中空ポリマー粒子について、レーザー回折粒度分布計(LA−910、堀場製作所社製)を用いて体積平均粒子径及びCV値を測定した。
(2)多孔質中空ポリマー粒子の気孔径及び空隙率
得られた多孔質中空ポリマー粒子について、ガス吸着法細孔分布測定装置トライスター3000(島津製作所社製)を用いて封入窒素圧力0〜760mmHgの条件にて測定し、平均気孔径及び空隙率を求めた。
Figure 2010202832
本発明によれば、気孔径が極めて小さく、特に光学特性に優れる多孔質中空ポリマー粒子を得ることが可能な多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を用いて得られる多孔質中空ポリマー粒子を提供することができる。

Claims (3)

  1. 粒子内部に複数の中空部を有する多孔質中空ポリマー粒子の製造方法であって、
    水に重合性モノマー及び水に対して親媒性を有する両親媒性溶媒を溶解させ、両親媒性溶媒の水混合液を調製する工程、
    前記両親媒性溶媒の水混合液に重合性モノマーを添加して重合性モノマー溶液を調製する工程、
    前記重合性モノマー溶液を水に添加して懸濁させる工程、及び、
    前記重合性モノマーを重合させる工程
    を有することを特徴とする多孔質中空ポリマー粒子の製造方法。
  2. 重合性モノマーは、スチレン系モノマー又はアクリル系モノマーであることを特徴とする請求項1記載の多孔質中空ポリマー粒子の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の多孔質中空ポリマー粒子の製造方法を用いて製造された多孔質中空ポリマー粒子であって、平均気孔径が150nm以下であることを特徴とする多孔質中空ポリマー粒子。
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