JP5328309B2 - 導光板及び導光板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、液晶表示装置等のバックライトユニットに用いた場合に優れた光拡散性を実現可能な導光板に関する。更に、本発明は、該導光板の製造方法に関する。
外部から入射する光を利用して画像を表示する液晶表示装置等には、通常、表示パネルに光を照射するための光源として、バックライトユニットが別途設置されている。このようなバックライトユニットは、光源ランプの位置によって直下方式とエッジ方式とに分類されるが、直下方式は、厚みが大きくなり、多くの部品を必要とするのに対して、エッジ方式は、軽量化等の点から優れており、将来の用途の拡大が期待されている。
エッジ方式は、アクリル等からなる透明な導光板のエッジ(縁)に沿って、直管状の光源ランプを配置する構成となっており、例えば、ドット形状パターン等の光拡散層を導光板の裏面に形成し、導光板の光拡散層側に反射板を設置し、かつ、導光板の表面側に拡散シートを設置したバックライトユニットが知られている。エッジ方式のバックライトユニットでは、光源ランプから出射した光が、光拡散層で拡散した後、拡散シートを介して拡散シートの上部に設置された表示パネルに入射する。このように、エッジ方式のバックライトユニットは、光源ランプからの光の進行方向を変更して表面側に入射させるという構造であるため、光拡散層の光拡散性能が極めて重要となる。
エッジ方式のバックライトユニットとして、例えば、特許文献1には、有機蛍光誘導体を表面にコーティングした超微粒子酸化チタンを含有する光拡散層が導光板の裏面に形成された面発光導光パネルの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、ガラスビーズ等の光散乱性又は乱反射性材料を含有する光拡散層が裏面に形成されたバックライトユニット用導光板の製造方法が開示されている。
このような導光板では、光拡散層を形成する方法として、光拡散性粒子を含有する分散ペーストをスクリーン印刷にて導光板上に塗工する方法が行われているが、特許文献1及び特許文献2の方法では、分散ペースト中での光拡散性粒子の分散性が悪く、その結果、得られる光拡散層が所望の光拡散効果を発揮することができないという問題があった。
特開平5−303017号公報 特開2003−344662号公報
本発明は、液晶表示装置等のバックライトユニットに用いた場合に優れた光拡散性を実現可能な導光板を提供することを目的とする。更に、本発明は、該導光板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、光拡散層を裏面に有する導光板であって、上記光拡散層は、単孔構造を有する中空樹脂微粒子を含有し、上記中空樹脂微粒子は、架橋性モノマー、重合性モノマー及び重合開始剤を含有するモノマー溶液を重合してなるものであり、平均粒子径が0.1〜20μmであり、かつ、空隙率が65〜95体積%である導光板である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、光拡散層に用いる光拡散性粒子として、所定の構造を有する中空樹脂微粒子を用いた場合、光拡散層を形成するための分散ペースト中での分散性が著しく向上し、その結果、得られる光拡散層が優れた光拡散効果を発揮することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導光板は、光拡散層を裏面に有する。
本明細書では、液晶表示装置等のバックライトユニットに用いられる導光板において、画像を表示する表示パネルが位置する側の面を「表面」といい、その逆側の面を「裏面」という。また、本明細書において、「光拡散層」とは、光源ランプから導光板内部に入射した光を拡散するために形成する層をいう。
上記光拡散層は、上記中空樹脂微粒子を含有する。上記中空樹脂微粒子を含有することによって、上記光拡散層は、優れた光拡散性を示す。
上記中空樹脂微粒子は、単孔構造を有する。
本明細書において、「単孔構造」とは、多孔質状等のように複数の空隙を有する場合は含まず、ただ一つの閉じた空隙を有する構造のことをいう。上記単孔構造であることから、上記中空樹脂微粒子は、密閉性に優れた空隙を有し、バインダー等の他の成分と混合して種々の用途に用いた場合も、空隙内へのバインダー等の他の成分の侵入が抑制される。従って、例えば、上記中空樹脂微粒子を用いて本発明の導光板を製造した場合、得られる光拡散層に含まれる中空樹脂微粒子の空隙の割合が他の成分の侵入によって低下することが少なく、所望の空隙を維持することができるため、光拡散層は、優れた光拡散性を発揮することができる。
上記中空樹脂微粒子は、平均粒子径の下限が0.1μm、上限が20μmである。上記平均粒子径が0.1μm未満であると、上記中空樹脂微粒子同士の凝集が生じ、取り扱いが困難になる。上記平均粒子径が20μmを超えると、粒子径が大きすぎるために、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを薄く塗布することが難しく、スクリーン印刷に向かない。上記平均粒子径の好ましい下限は0.2μm、好ましい上限は10μmであり、より好ましい下限は0.5μm、より好ましい上限は7μmである。
上記中空樹脂微粒子は、空隙率の下限が50体積%、上限が95体積%である。上記空隙率が50体積%未満であると、所望の輝度又は光拡散性を有する導光板を得ることが困難である。上記空隙率が95体積%を超えると、上記中空樹脂微粒子の形状又は強度を維持することが困難である。上記空隙率の好ましい下限は60体積%、好ましい上限は90体積%であり、より好ましい下限は65体積%、より好ましい上限は85体積%である。
なお、本明細書において、「空隙率」とは、上記中空樹脂微粒子の全体積に占める、コア剤を除いた空隙部分の体積比をいう。上記空隙率は、例えば、透過型電子顕微鏡で撮影した写真をもとに、平均粒子径(外径)及び平均内孔径を測定し、空隙部分の体積と上記中空樹脂微粒子の体積との比を算出することにより測定される。
上記中空樹脂微粒子は、アスペクト比の好ましい下限が0.99、好ましい上限が1.1である。上記アスペクト比が上記範囲外であると、上記中空樹脂微粒子を用いて本発明の導光板を製造する場合、製造過程で、上記中空樹脂微粒子に、つぶれ及び/又はへたりが生じることがある。なお、上記アスペクト比は、長径の長さを短径の長さで割った値であり、その値が1に近いほど、上記中空樹脂微粒子の形状は真球に近くなる。上記アスペクト比のより好ましい下限は1.00、より好ましい上限は1.05である。
上記中空樹脂微粒子は、23℃における直径が10%変位したときの圧縮弾性率(以下、10%K値ともいう)の好ましい下限が1N/mm、好ましい上限が1000N/mmである。上記10%K値が1N/mm未満であると、上記中空樹脂微粒子の分散ペーストを用いてスクリーン印刷する場合、ペーストを塗布したり、塗膜を乾燥したりする際に、上記中空樹脂微粒子がつぶれることがある。上記10%K値が1000N/mmを超えると、上記中空樹脂微粒子の分散ペーストを用いてスクリーン印刷する場合、塗膜の柔軟性が失われてひびが入ることがある。
なお、上記10%K値とは、微小圧縮試験機(例えば、島津製作所社製「PCT−200」)を用いてダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑端面で、上記中空樹脂微粒子を圧縮速度0.27g/秒、最大試験荷重10gで圧縮し、下記式により求められる値である。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
式中、Fは微粒子の10%圧縮変形における荷重値(kg)を表し、Sは微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)を表し、Rは微粒子の半径(mm)を表す。
上記中空樹脂微粒子は、30〜200℃において加熱膨張することなく、平均粒子径が変化しないことが好ましい。30〜200℃において加熱膨張してしまうような中空樹脂微粒子の分散ペーストを用いてスクリーン印刷すると、印刷後に乾燥してコア剤を除去する際、膨張した中空樹脂微粒子によって印刷面の凹凸が激しくなり、光拡散性の制御が困難になることがある。上記中空樹脂微粒子は、30〜200℃の所定の温度にて10分以上加熱しても、平均粒子径の変化率が100±5%以内となることが好ましい。
上記中空樹脂微粒子は、コア剤を有していてもよい。
上記コア剤の沸点は、好ましい下限が30℃、好ましい上限が200℃である。上記コア剤の沸点が30℃未満であると、常温で沸騰が起こり、取り扱いが極めて困難となることがある。上記コア剤の沸点が200℃を超えると、加熱等により上記コア剤を容易に蒸散させることができず、所望の単孔構造を製造することができないことがある。上記コア剤の沸点のより好ましい下限は50℃、より好ましい上限は160℃である。なお、本明細書において、沸点とは1atmでの沸点をいう。
上記コア剤は、加熱等により容易に蒸散させることができる物質であれば特に限定されず、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、水、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、オクタノール、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ニトロメタン、ニトロエタン、アセトニトリル、アニリン、2−ピロリドン、水が挙げられる。
上記中空樹脂微粒子の製造方法は特に限定されず、例えば、架橋性モノマー、重合性モノマー及び重合開始剤を含有するモノマー溶液に、非重合性物質を添加して攪拌し、上記モノマー溶液中に上記非重合性物質からなる液滴が分散した一次乳化液を調製する一次乳化工程、上記モノマー溶液と不溶な溶液に、上記一次乳化液を添加して攪拌し、上記モノマー溶液と不溶な溶液中に、上記非重合性物質を内包する上記モノマー溶液からなる液滴が分散した二次乳化液を調製する二次乳化工程、及び、上記モノマー溶液中のモノマーを重合する重合工程を有する方法が挙げられる。
上記一次乳化工程において、上記架橋性モノマーは特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、ジビニルベンゼンが挙げられる。これらの架橋性モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
上記一次乳化工程において、上記一次乳化液全量に対する上記架橋性モノマーの添加量は、好ましい下限が25重量%、好ましい上限が50重量%である。上記一次乳化液全量に対する上記架橋性モノマーの添加量が25重量%未満であると、架橋が不充分になることがあるため、得られる中空樹脂微粒子が所望の単孔構造又は強度を有することができなかったり、得られる中空樹脂微粒子を加熱した場合につぶれ又はへたりが生じたりすることがある。
上記一次乳化工程において、重合性モノマーは特に限定されず、例えば、アルキル(メタ)アクリレートモノマー、極性基含有(メタ)アクリル系モノマー、芳香族ビニルモノマー、ビニルエステルモノマー、ハロゲン含有モノマー、ポリジメチルシロキサンマクロモノマー、ビニルピリジン、エチレン、プロピレン、ポリオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンが挙げられる。
上記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。上記極性基含有(メタ)アクリル系モノマーとして、例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。上記芳香族ビニルモノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンが挙げられる。上記ビニルエステルモノマーとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルが挙げられる。上記ハロゲン含有モノマーとして、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンが挙げられる。
これらのなかでも、比較的屈折率が低いことから、アルキル(メタ)アクリレートモノマー、ポリジメチルシロキサンマクロモノマーが好ましい。これらの重合性モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
上記一次乳化工程において、上記重合開始剤は特に限定されず、用いるモノマー成分の種類に応じて適宜選択できるが、例えば、有機系過酸化物、アゾ系開始剤、レドックス開始剤が挙げられる。上記有機系過酸化物は特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジカーボネート、α−クミルパーオキシネオデカノエートが挙げられる。上記アゾ系開始剤は特に限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。
上記一次乳化工程において、上記非重合性物質は、上記架橋性モノマーと上記重合性モノマーとの反応温度において液状であり、重合反応によって重合せず、かつ、加熱等により容易に蒸散させることができる物質であれば特に限定されず、例えば、上記コア剤と同様の物質が挙げられる。
上記一次乳化工程において、上記一次乳化液全量に対する上記非重合性物質の添加量は、好ましい下限が50重量%、好ましい上限が95重量%である。上記一次乳化液全量に対する上記非重合性物質の添加量が50重量%未満であると、得られる中空樹脂微粒子の外殻が厚くなり、空隙率が低下する。上記一次乳化液全量に対する上記非重合性物質の添加量が95重量%を超えると、得られる中空樹脂微粒子の形状を維持したり強度を確保したりすることが困難となることがある。
上記一次乳化工程において、上記架橋性モノマー、重合性モノマー及び重合開始剤を含有するモノマー溶液は、更に、親油性乳化剤を含有することが好ましい。上記親油性乳化剤は、上記モノマー溶液の乳化安定性を向上させる役割を有する。上記親油性乳化剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルが挙げられる。
上記二次乳化工程において、上記モノマー溶液と不溶な溶液は特に限定されず、例えば、上記非重合性物質と同様の物質が挙げられる。また、上記モノマー溶液と不溶な溶液として、上記非重合性物質とは異なる物質を用いてもよい。
上記一次乳化工程及び上記二次乳化工程において、上記モノマー溶液又は上記モノマー溶液と不溶な溶液は、更に、無機塩又は水溶性重合禁止剤を含有してもよい。上記モノマー溶液又は上記モノマー溶液と不溶な溶液が無機塩又は水溶性重合禁止剤を含有することにより、上記モノマー溶液が液滴以外の場所で重合することによる新粒子の発生が抑制される。
上記無機塩は、モノマー成分の溶解度を低下させ、重合を抑制する。上記無機塩は特に限定されず、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウムが挙げられる。上記水溶性重合禁止剤は、溶媒中でのモノマー成分の重合を抑制する。上記水溶性重合禁止剤は特に限定されず、例えば、亜硫酸ナトリウム、塩化銅、塩化鉄、塩化チタン、ヒドロキノンが挙げられる。
上記一次乳化工程及び上記二次乳化工程において、攪拌方法は特に限定されず、例えば、ホモミキサー、バイオミキサー、オムニミキサー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイダイザーを用いた従来公知の方法が挙げられる。
上記重合工程において、上記モノマー溶液中のモノマーを重合する方法は特に限定されず、用いるモノマー成分の種類に応じて適宜選択できるが、通常、加熱が好ましい。上記重合工程によって、上記モノマー溶液中のモノマーが重合し、上記中空樹脂微粒子の外殻が形成される。
上記一次乳化工程、上記二次乳化工程及び上記重合工程を有する中空樹脂微粒子の製造方法によれば、上記モノマー溶液と不溶な溶液中に上記中空樹脂微粒子を有するスラリーが得られるが、その後、上記モノマー溶液と不溶な溶液を除去する工程を行ってもよい。上記モノマー溶液と不溶な溶液を除去する方法は特に限定されず、例えば、加熱によって乾燥する方法、反応系全体を減圧する方法が挙げられる。
上述のような中空樹脂微粒子の製造方法によれば、単孔構造を有する中空樹脂微粒子であって、平均粒子径が0.1〜20μmであり、かつ、空隙率が50〜95体積%である中空樹脂微粒子を製造することができる。
上記光拡散層はまた、上記中空樹脂微粒子以外に、層を形成するためのバインダー樹脂を含有することが好ましい。上記層を形成するためのバインダー樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記光拡散層は、例えば、ドット形状のパターン等で形成されていることが好ましい。上記ドット形状は円形状に限定されず、例えば、楕円形状、多角形状等であってもよい。
また、光源ランプから遠ざかるにつれて光の輝度は低下するため、表示パネルに導光される光の輝度を表示パネル面全体として均一にするために、通常、光源ランプから遠ざかるにつれて光拡散層の光拡散性能を高める工夫がなされる。そのため、例えば、光源ランプから遠ざかるにつれてドット形状の面積を大きくしたり、光源ランプから遠ざかるにつれて単位面積当たりのドット形状の数を増やしたりすることが好ましい。
上記光拡散層の厚みの好ましい下限は1μm、好ましい上限は500μmである。上記光拡散層の厚みが1μm未満であると、充分な光拡散性を有する導光板が得られないことがある。上記光拡散層の厚みが500μmを超えると、得られる導光板の輝度が不充分となることがある。
本発明の導光板は、例えば、透明な合成樹脂からなることが好ましい。上記透明な合成樹脂は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂が挙げられる。
本発明の導光板を製造する方法として、例えば、単孔構造を有する中空樹脂微粒子、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有する微粒子分散ペーストを調製する工程、及び、上記微粒子分散ペーストを導光板基材の裏面にスクリーン印刷して光拡散層を形成する工程を有する方法が挙げられる。
光拡散層を裏面に有する導光板の製造方法であって、単孔構造を有する中空樹脂微粒子、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有する微粒子分散ペーストを調製する工程、及び、上記微粒子分散ペーストを導光板基材の裏面にスクリーン印刷して光拡散層を形成する工程を有し、上記中空樹脂微粒子は、架橋性モノマー、重合性モノマー及び重合開始剤を含有するモノマー溶液を重合してなるものであり、平均粒子径が0.1〜20μmであり、かつ、空隙率が65〜95体積%である導光板の製造方法もまた、本発明の一つである。
本発明の導光板の製造方法は、単孔構造を有する中空樹脂微粒子、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有する微粒子分散ペーストを調製する工程を有する。
上記微粒子分散ペーストにおける上記中空樹脂微粒子の含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は95重量%である。上記中空樹脂微粒子の含有量が10重量%未満であると、充分な光拡散性を有する導光板を製造することができないことがある。上記中空樹脂微粒子の含有量が95重量%を超えると、充分な輝度及び均一な面発光を有する導光板を製造することができないことがある。
上記有機溶剤は特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエンが挙げられる。
上記微粒子分散ペーストを調製する方法は特に限定されず、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、ブレンダーミル、3本ロールミル等の混合機を用いて各成分を混合する方法等の従来公知の方法が挙げられる。より具体的には、例えば、上記バインダー樹脂及び上記有機溶剤を、混合機を用いて混合した後、上記中空樹脂微粒子を添加し、混合機を用いて更に混合する方法が挙げられる。
本発明の導光板の製造方法は、上記微粒子分散ペーストを導光板基材の裏面にスクリーン印刷して光拡散層を形成する工程を有する。
上記導光板基材は、液晶表示装置等のバックライトユニットに用いられる導光板基材であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル樹脂等の透明な合成樹脂からなる導光板基材が挙げられる。
上記微粒子分散ペーストを導光板基材の裏面にスクリーン印刷して光拡散層を形成する方法として、例えば、絹、化学繊維等からなる布を強く張ってスクリーンとし、上記微粒子分散ペーストを、上記スクリーンを通して上記導光板基材の裏面の印刷部分に塗布した後、加熱することにより乾燥し、上記中空樹脂微粒子からなる光拡散層を形成する方法が挙げられる。
本発明によれば、液晶表示装置等のバックライトユニットに用いた場合に優れた光拡散性を実現可能な導光板を提供することができる。更に、本発明によれば、該導光板の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)中空樹脂微粒子Aの製造
重合性モノマーとしてアクリロニトリル20重量部、架橋性モノマーとしてポリプロピレングリコールジメタクリレート50重量部(「ブレンマーPDP−400」、日本油脂社製、ポリオキシプロピレンユニット数=7)とトリメチロールプロパントリアクリレート30重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25重量部、及び、親油性乳化剤としてグリセリンモノステアレート2重量部を混合して攪拌し、モノマー溶液を調製した。
イオン交換水に、塩化ナトリウムを1重量%、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウムを0.02重量%の濃度となるように添加した塩化ナトリウム・亜硝酸ナトリウム水溶液を調製した。次いで、得られたモノマー溶液に、塩化ナトリウム・亜硝酸ナトリウム水溶液100重量部を添加した後、攪拌分散装置により攪拌し、油中水滴(W/O)型エマルジョンの一次乳化液を調製した。
その後、得られた一次乳化液を、分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)1重量%、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02重量%を含有するイオン交換水溶液600重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌することにより、水媒体中に水を内包する油滴が分散された(W/O/W)型複合エマルジョンの二次乳化液を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して重合器内部を窒素雰囲気とした。その後、得られた二次乳化液を一括投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始させた。4時間重合させた後、80℃に昇温し、1時間の熟成期間をおいた後、重合器を室温まで冷却して、水内包型中空樹脂微粒子Aを含有するスラリーを得た。得られたスラリーの溶媒を、遠心分離機を用いてイソプロパノール(IPA)に置換し、水内包型中空樹脂微粒子Aのイソプロパノール(IPA)分散スラリーを得た。
(2)導光板の製造
得られた水内包型中空樹脂微粒子A含有スラリー100重量部(中空樹脂微粒子A30 重量部)、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂10重量部、及び、有機溶剤としてトルエン10重量部を混合し、撹拌することにより、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを得た。
得られた微粒子分散ペーストを用いて、スクリーン印刷機により、細線ストライプの凹凸突起及び波形の突起を市販のアクリル板基材の裏面に印刷し、次いで、70℃で5分間乾燥させて光拡散層を有する導光板を得た。
(実施例2)
(1)中空樹脂微粒子Bの調製
重合性モノマーとしてメタクリル酸10重量部、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(「ブレンマーPDE−50R」、日本油脂社製、ポリオキシエチレンユニット数=1)25重量部とネオペンチルグリコールジアクリレート25重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート40重量部、非重合性物質としてノルマルヘキサン400重量部、及び、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合して攪拌し、ノルマルヘキサン分散型の一次乳化液を調製した。
その後、得られた一次乳化液を、分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)1重量%、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02重量%を含有するイオン交換水溶液370重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌することにより、水媒体中にノルマルヘキサンを内包する油滴が分散された複合エマルジョンの二次乳化液を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して重合器内部を窒素雰囲気とした。その後、得られた二次乳化液を一括投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始させた。4時間重合させた後、重合器を室温まで冷却して、ノルマルヘキサン内包型中空樹脂微粒子Bを含有するスラリーを得た。得られたスラリーの溶媒を、遠心分離機を用いてイソプロパノール(IPA)に置換し、ノルマルヘキサン内包型中空樹脂微粒子Bのイソプロパノール(IPA)分散スラリーを得た。
(2)導光板の製造
得られたノルマルヘキサン内包型中空樹脂微粒子B含有スラリー350重量部(中空樹脂微粒子B42重量部)、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂15重量部、及び、有機溶剤としてトルエン13重量部を混合し、撹拌することにより、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを得た。
得られた微粒子分散ペーストを用いて、スクリーン印刷機により、細線ストライプの凹凸突起及び波形の突起を市販のアクリル板基材の裏面に印刷し、次いで、70℃で5分間乾燥させて光拡散層を有する導光板を得た。
(実施例3)
(1)中空樹脂微粒子Cの調製
重合性モノマーとしてメタクリロニトリル15重量部とメタクリル酸メチル15重量部、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(「ブレンマーPDE−50R」、日本油脂社製、ポリオキシエチレンユニット数=1)10重量部とネオペンチルグリコールジアクリレート30重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート30重量部、非重合性物質としてシクロヘキサン145重量部と酢酸エチル40重量部、及び、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合して攪拌し、シクロヘキサン−酢酸エチル分散型の一次乳化液を調製した。
その後、得られた一次乳化液を、分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)1重量%、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02重量%を含有するイオン交換水溶液300重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌することにより、水媒体中にシクロヘキサン−酢酸エチルを内包する油滴が分散された複合エマルジョンの二次乳化液を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して重合器内部を窒素雰囲気とした。その後、得られた二次乳化液を一括投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始させた。4時間重合した後、重合器を室温まで冷却して、シクロヘキサン−酢酸エチル内包型中空樹脂微粒子Cを含有するスラリーを得た。得られた分散液を、噴霧乾燥機を用いて乾燥し、液体を内包しない乾燥中空樹脂微粒子Cを得た。
(2)導光板の製造
得られた乾燥中空樹脂微粒子C40重量部、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂10重量部、及び、有機溶剤としてトルエン10重量部を混合し、撹拌することにより、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを得た。
得られた微粒子分散ペーストを用いて、スクリーン印刷機により、細線ストライプの凹凸突起及び波形の突起を市販のアクリル板基材の裏面に印刷し、次いで、70℃で5分間乾燥させて光拡散層を有する導光板を得た。
(比較例1)
真球状中空洞ガラスバブル(フランスSOViTEC社製「マイクロセル」、平均粒子径15μm)40重量部、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂30重量部、及び、有機溶剤としてトルエン30重量部を混合し、撹拌することにより、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを得た。
得られた微粒子分散ペーストを用いて、スクリーン印刷機により、細線ストライプの凹凸突起及び波形の突起を市販のアクリル板基材の裏面に印刷し、次いで、70℃で5分間乾燥させて光拡散層を有する導光板を得た。
(比較例2)
(1)中空樹脂微粒子Dの調製
重合性モノマーとしてメタクリル酸50重量部、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(「ブレンマーPDE−50R」、日本油脂社製、ポリオキシエチレンユニット数=1)10重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート40重量部、非重合性物質として酢酸エチル50重量部とヘプタン50重量部、及び、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合して攪拌し、酢酸エチル−ヘプタン分散型の一次乳化液を調製した。
その後、得られた一次乳化液を、分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)1重量%、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02重量%を含有するイオン交換水溶液400重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌することにより、水媒体中に酢酸エチル−ヘプタンを内包する油滴が分散された複合エマルジョンの二次乳化液を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して重合器内部を窒素雰囲気とした。その後、得られた二次乳化液を一括投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始させた。8時間重合した後、重合器を室温まで冷却して、酢酸エチル−ヘプタン内包型中空樹脂微粒子Dを含有するスラリーを得た。得られたスラリーの溶媒を、遠心分離機を用いてイソプロパノール(IPA)に置換し、酢酸エチル−ヘプタン内包型中空樹脂微粒子Dのイソプロパノール(IPA)分散スラリーを得た。
(2)導光板の製造
得られた酢酸エチル−ヘプタン内包型中空樹脂微粒子D含有スラリー100重量部(中空樹脂微粒子D55重量部)、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を20重量部、及び、有機溶剤としてトルエン25重量部を混合し、撹拌することにより、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを得た。
得られた微粒子分散ペーストを用いて、スクリーン印刷機により、細線ストライプの凹凸突起及び波形の突起を市販のアクリル板基材の裏面に印刷し、次いで、70℃で5分間乾燥させて光拡散層を有する導光板を得た。
(比較例3)
(1)中空樹脂微粒子Eの調製
重合性モノマーとしてアクリロニトリル25重量部、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(「ブレンマーPDE−50R」、日本油脂社製、ポリオキシエチレンユニット数=1)25重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート50重量部、非重合性物質として酢酸エチル40重量部とシクロヘキサン145重量部、及び、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合して攪拌し、酢酸エチル−シクロヘキサン分散型の一次乳化液を調製した。
その後、得られた一次乳化液を、分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)1重量%、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02重量%を含有するイオン交換水溶液455重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌することにより、水媒体中に酢酸エチル−シクロヘキサンを内包する油滴が分散された複合エマルジョンの二次乳化液を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して重合器内部を窒素雰囲気とした。その後、得られた二次乳化液を一括投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始させた。8時間重合した後、重合器を室温まで冷却して、酢酸エチル−シクロヘキサン内包型中空樹脂微粒子Eを含有するスラリーを得た。得られたスラリーの溶媒を、遠心分離機を用いてイソプロパノール(IPA)に置換し、酢酸エチル−シクロヘキサン内包型中空樹脂微粒子Eのイソプロパノール(IPA)分散スラリーを得た。
(2)導光板の製造
得られた酢酸エチル−シクロヘキサン内包型中空樹脂微粒子E含有スラリー200重量部(中空樹脂微粒子E90重量部)、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂30重量部、及び、有機溶剤としてトルエン30重量部を混合し、撹拌することにより、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを得た。
得られた微粒子分散ペーストを用いて、スクリーン印刷機により、細線ストライプの凹凸突起及び波形の突起を市販のアクリル板基材の裏面に印刷し、次いで、70℃で5分間乾燥させて光拡散層を有する導光板を得た。
(比較例4)
(1)中空樹脂微粒子Fの調製
重合性モノマーとしてメタクリロニトリル20重量部とメタクリル酸メチル10重量部、架橋性モノマーとしてポリプロピレングリコールジメタクリレート(「ブレンマーPDP−400」、日本油脂社製、ポリオキシプロピレンユニット数=7)10重量部とポリエチレングリコールジメタクリレート(「ブレンマーPDE−50R」、日本油脂社製、ポリオキシエチレンユニット数=1)25重量部とネオペンチルグリコールジアクリレート35重量部、非重合性物質として酢酸エチル50重量部とヘプタン150重量部、及び、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合して攪拌し、酢酸エチル−ヘプタン分散型の一次乳化液を調製した。
その後、得られた一次乳化液を、分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)1重量%、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02重量%を含有するイオン交換水溶液400重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌することにより、水媒体中に酢酸エチル−ヘプタンを内包する油滴が分散された複合エマルジョンの二次乳化液を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して重合器内部を窒素雰囲気とした。その後、得られた二次乳化液を一括投入し、重合器を70℃まで昇温して重合を開始させた。30分で重合を終了し、その後1時間の熟成期間を行った後、重合器を室温まで冷却して、酢酸エチル−ヘプタン内包型中空樹脂微粒子Fを含有するスラリーを得た。得られたスラリーの溶媒を、遠心分離機を用いてイソプロパノール(IPA)に置換し、酢酸エチル−ヘプタン内包型中空樹脂微粒子Fのイソプロパノール(IPA)分散スラリーを得た。
(2)導光板の製造
得られた酢酸エチル−ヘプタン内包型中空樹脂微粒子F含有スラリー200量部(中空樹脂微粒子F36重量部)、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂18重量部、及び、有機溶剤としてトルエン20重量部を混合し、撹拌することにより、スクリーン印刷用の微粒子分散ペーストを得た。
得られた微粒子分散ペーストを用いて、スクリーン印刷機により、細線ストライプの凹凸突起及び波形の突起を市販のアクリル板基材の裏面に印刷し、次いで、70℃で5分間乾燥させて光拡散層を有する導光板を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた中空樹脂微粒子、微粒子分散ペースト、及び、導光板について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)中空樹脂微粒子の平均粒子径、加熱後の平均粒子径の変化率、及び、アスペクト比
実施例及び比較例で得られた中空樹脂微粒子、及び、内温200℃のオーブンで10分間加熱した後の中空樹脂微粒子を透過型電子顕微鏡で写真撮影し、得られた写真から350個分の写真を無作為に抽出し、長径及び短径を計測した。
そして、長径を粒子径とし、その数平均を平均粒子径とした。また、長径を短径で割ることにより、アスペクト比を算出し、その数平均を計算した。
また、加熱による平均粒子径の変化率を下記式(1)により算出した。
200℃で10分間加熱後の平均粒子径の変化率(%)
=(加熱後の平均粒子径/加熱前の平均粒子径)×100 (1)
(2)中空樹脂微粒子の空隙率
中空樹脂微粒子を透過型電子顕微鏡で写真撮影し、得られた写真から350個分の写真を無作為に抽出し、粒子内孔径を測定し、その数平均を求めた。
そして、中空樹脂微粒子を真球と仮定して、平均粒子径(外径)及び平均内孔径からそれぞれ体積を求めた後、{(空孔の体積/中空樹脂微粒子の体積)×100}を算出することにより、空隙率を求めた。
(3)中空樹脂微粒子の内孔構造状態
内包されている液剤を除去した中空樹脂微粒子を、エポキシ樹脂に包埋して切削し、その断面を走査型電子顕微鏡により観察した。
(4)中空樹脂微粒子の10%K値
島津製作所社製「PCT−200」を用い、中空樹脂微粒子の10%K値を下記式(2)により求めた。
K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2 (2)
F:中空樹脂微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:中空樹脂微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:中空樹脂微粒子の半径(mm)
(5)微粒子分散ペーストの状態
微粒子分散ペーストの状態を目視にて観察した。
(6)光拡散層の断面状態
実施例及び比較例で得られた導光板の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、導光板中の空孔の状態を評価した。
(7)導光板の輝度及び輝度ムラ
バックライトユニット(日本ライツ社製)に、既設のアクリル製の導光板(厚み10mm)の代わりに得られた導光板を搭載し、表示面の乳白板を取り除いた後、導光板から30cm離れた位置に輝度計(コニカミノルタ社製「CS−100」)を固定して輝度を測定した。また、輝度ムラを目視にて観察した。
Figure 0005328309
本発明によれば、液晶表示装置等のバックライトユニットに用いた場合に優れた光拡散性を実現可能な導光板を提供することができる。更に、本発明によれば、該導光板の製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 光拡散層を裏面に有する導光板であって、
    前記光拡散層は、単孔構造を有する中空樹脂微粒子を含有し、
    前記中空樹脂微粒子は、架橋性モノマー、重合性モノマー及び重合開始剤を含有するモノマー溶液を重合してなるものであり、平均粒子径が0.1〜20μmであり、かつ、空隙率が65〜95体積%である
    ことを特徴とする導光板。
  2. 光拡散層を裏面に有する導光板の製造方法であって、
    単孔構造を有する中空樹脂微粒子、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有する微粒子分散ペーストを調製する工程、及び、
    前記微粒子分散ペーストを導光板基材の裏面にスクリーン印刷して光拡散層を形成する工程を有し、
    前記中空樹脂微粒子は、架橋性モノマー、重合性モノマー及び重合開始剤を含有するモノマー溶液を重合してなるものであり、平均粒子径が0.1〜20μmであり、かつ、空隙率が65〜95体積%である
    ことを特徴とする導光板の製造方法。
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