JP2010202644A - 有機金属錯体、有機金属錯体含有組成物、発光材料、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子、有機elディスプレイおよび有機el照明 - Google Patents

有機金属錯体、有機金属錯体含有組成物、発光材料、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子、有機elディスプレイおよび有機el照明 Download PDF

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Abstract

【課題】有機電界発光素子の寿命や耐久性などの高い性能を保つことができる有機金属錯体の提供。
【解決手段】ピリジン基及び/又は3’−位のフェニル基が、C5以上のアルキル基を少なくとも1つ置換基として有する2−(3’−ビフェニル)−ピリジン誘導体から得られるイリジウム錯体。該イリジウム錯体は、例えば、下記式から合成されるD−2のイリジウム錯体である。
Figure 2010202644

【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子の発光層等に用いられる有機金属錯体に関する。
近年、薄膜型の電界発光素子としては、無機材料を使用したものに代わり、有機薄膜を用いた有機電界発光素子の開発が行われるようになっている。有機電界発光素子は、通常、陽極と陰極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層などを有し、この各層に適した赤、緑、青などの発光素子の開発が進んでいる。
また、有機電界発光素子の各層の形成方法としては、蒸着成膜法や湿式成膜法がある。蒸着成膜法では、テレビやモニタ用の中・大型フルカラーパネルなどを製作する場合、歩留まりの観点で課題を有する。そのため、中でもこれら大面積の用途には湿式成膜法が好適である。
しかしながら、湿式成膜法で有機電界発光素子の各層を形成するためには、各層を形成する材料が溶剤に溶解し、かつ湿式成膜後にも素子として高い性能を有することが望まれていた。しかし、従来開発されている蒸着成膜法に使用されてきた材料であっても、湿式成膜法には適さないものが多かった(特許文献1参照)。
国際公開第2006/014599号パンフレット
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、溶剤への溶解性や分散性が高く、湿式成膜に適した有機金属錯体を提供することを課題とする。また、湿式成膜法で形成される有機層に用いても、得られる有機電界発光素子が寿命や耐久性などの点で高い性能を保つことができる有機金属錯体を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の有機金属錯体が、上記課題を解決できることが分かり本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される有機金属錯体に存する。
Figure 2010202644
(式(1)中、R、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。ただし、R〜Rのいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つは、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基である。また、1分子中に複数個存在するR、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。)
本発明はまた、上記有機金属錯体および溶剤を含有する有機金属錯体含有組成物、該有機金属錯体からなる発光材料および有機電界発光素子材料、該有機金属錯体を含有する有機電界発光素子、並びに、該有機電界発光素子を用いた有機ELディスプレイおよび有機EL照明に存する。
本発明によれば、溶剤への溶解性や分散性が高く、湿式成膜に適した有機金属錯体を提供できる。また、この有機金属錯体を用いた有機電界発光素子は、湿式成膜法で形成される有機層であっても、得られる有機電界発光素子が寿命や耐久性などの点で高い性能を保つことができる。
本発明の有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図 本発明の参考例である有機金属錯体D−1のNMRチャート 本発明の有機金属錯体D−2のNMRチャート 本発明の有機金属錯体D−3のNMRチャート
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
本発明は、下記式(1)で表される有機金属錯体とその用途に関する。
Figure 2010202644
(式(1)中、R、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。ただし、R〜Rのいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つは、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基である。また、1分子中に複数個存在するR、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。)
本発明の有機金属錯体は、上記式(1)中、R〜Rのいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つが、置換基を有していてもよい、炭素数5以上のアルキル基であることを特徴とする。これにより、溶解性が向上し、分子が良好に分散するようになり、経時による結晶化の問題が起きにくくなり、寿命や耐久性が向上するという効果を奏するものと推測される。
ここで、該炭素数5以上とは、該アルキル基の主鎖が炭素数5以上であればよく、好ましくは6以上、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。
炭素数5以上のアルキル基の具体例としては、直鎖のアルキル基であることが好ましく、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などが挙げられる。
該アルキル基の置換基の具体例は、以下R、R、R〜R及びR11〜R15の置換基として例示するものが挙げられるが、炭素数5以上のアルキル基は無置換である場合に、本発明の効果がより顕著である。
<R、R、R〜R及びR11〜R15
、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。(ただし上述の通り、R〜Rのいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つは、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基である。)
、R、R〜R及びR11〜R15は、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基であることが好ましく、該炭化水素基の中では、以下に詳述するアルキル
基または芳香族炭化水素基が好ましい。
該炭化水素基としては、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基および芳香族炭化水素基が挙げられる。
該飽和炭化水素基としては、アルキル基が挙げられる。
該アルキル基としては、通常炭素数1以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、通常15以下、好ましくは12以下、さらに好ましくは8以下である。下限を下回ると溶解性不足のおそれがあり、上限を上回ると熱処理時に酸化劣化するおそれがある。直鎖のアルキル基であっても、分岐したアルキル基であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デシル基、オクタデシル基などのアルキル基が挙げられる。
該不飽和炭化水素基としては、アルケニル基およびアルキニル基が挙げられる。
該アルケニル基としては、通常炭素数2以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、通常12以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。下限を下回ると溶解性が不足するおそれがあり、上限を上回ると熱処理時に酸化劣化するおそれがある。具体的には、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基などが挙げられる。
該アルキニル基としては、通常炭素数2以上、好ましくは3以上、通常8以下、好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。下限を下回ると溶解性が不足するおそれがあり、上限を上回ると熱処理時に酸化劣化するおそれがある。具体的には、アセチレニル基、プロピニル基などが挙げられる。
該芳香族炭化水素基としては、通常炭素数5以上、好ましくは6以上、通常16以下、好ましくは14以下、さらに好ましくは10以下である。下限を下回ると安定性が悪くなるおそれがあり、上限を上回ると錯体が形成されにくくなるおそれがある。中でも、6員環の単環、又は2〜5縮合環由来の芳香族炭化水素基が好ましい。具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの芳香族炭化水素由来の基が挙げられる。特に、ベンゼン環由来の基(フェニル基)であることが好ましい。
該アルコキシ基としては、通常炭素数1以上、好ましくは2以上、通常12以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。下限を下回ると溶解性が不足するおそれがあり、上限を上回ると熱処理時に酸化劣化するおそれがある。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクタデシルオキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。
該芳香族複素環基としては、通常炭素数3以上、好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、通常15以下、好ましくは12以下、さらに好ましくは8以下である。下限を下回ると錯体の安定性が損なわれるおそれがあり、上限を上回ると錯体を形成できないおそれがある。具体的には、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの芳香族複素環由来の基が挙げられる。
<R、R、R〜R及びR11〜R15の置換基>
、R、R〜R及びR11〜R15が、炭化水素基、アルコキシ基または芳香族複素環基である場合、これらは置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基、(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキルチオ基、(ヘテロ)アリールチオ基、シアノ基、アミノ基などの有機基が挙げられる。中でも、アルキル基および芳香族炭化水素基が化合物の安定性の面から好ましく、芳香族炭化水素基が特に好ましい。尚、上記(ヘテロ)アリールとは、アリール及びヘテロアリールの両方を示す。
該アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。中でも、n−ペンチル基などのペンチル基、n−ヘキシル基および2−エチルヘキシル基などのヘキシル基は非極性溶剤に高い溶解性を持つため好ましい。
該芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜25の芳香族炭化水素基が好ましく、6員環の単環、又は2〜5縮合環由来の芳香族炭化水素基が好ましい。 例えば、ベンゼン環、
ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの芳香族炭化水素由来の基が挙げられる。
該芳香族複素環基としては、炭素数3〜20の芳香族炭化水素基が好ましい。具体的には、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの芳香族複素環由来の基が挙げられる。
該アルコキシ基としては、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等が挙げられる。
該(ヘテロ)アリールオキシ基としては、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基が好ましく、具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、9−アントラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基等が挙げられる。
該アルキルチオ基としては、炭素数1〜20のアルキルチオ基が好ましく、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が挙げられる。
該(ヘテロ)アリールチオ基としては、炭素数3〜20のが(ヘテロ)アリールチオ基好ましく、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、9−アントラニルチオ基、2−チエニルチオ基等が挙げられる。
尚、上記式(1)において、R〜Rのいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つは、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基であるが、R〜Rの中では特に、Rが置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基であること
が好ましい。
またR、R及びRが結合したフェニル基において、Irへの配位位置に対してp−位にフェニル基を有することにより、Irのd軌道と当該フェニル基におけるベンゼン環の電子軌道による混成軌道の安定性が向上、つまり錯体の安定性が向上し、耐久性の高い化合物が得られるため好ましい。
さらにR11〜R15の中では、特にR13が炭素数5以上のアルキル基であることが好ましい。p−位に当該アルキル基を有することにより、アルキル基の電子供与性基としての効果を発揮しやすい。本発明の有機金属錯体として、特に好ましいのは、R13が炭素数5以上のアルキル基である化合物である。
なおIr錯体の配位子としては、本発明の有機金属化合物が有するフェニルピリジン骨格以外に、例えば上記式(1)におけるR及びRが結合して芳香族6員環を形成し、イソキノリン環を形成してなる骨格も考えられる。が、本発明者らの検討によると、フェニルイソキノリン骨格からなる配位子を有するIr錯体において、その配位子が、本願化合物と同様に炭素数5以上のアルキル基を有する場合、安定性が低下するという問題が生じる傾向がある。
たとえば、フェニルイソキノリン系Ir錯体の場合、炭素数の大きいアルキル基を導入した方が安定性が低下する。具体的には、下記Piq-1とPiq-2では、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解した状態で室温下に静置した場合、Piq-2に比してPiq-1の分解速度が著しく大きい、すなわち安定性が低いという結果が得られる。この現象は、そもそも錯体自身の安定性が低く、それに対して、錯体を形成する配位子が錯体から遊離し、拡散していくことによるエネルギー的な安定化効果の方が大きいためと推測される。
Figure 2010202644
このように、ただ単に長鎖アルキル基を導入すれば、いずれの金属錯体であっても安定性が向上するわけではなく、場合により安定性を損なう場合がある。一方、本発明に係る一般式(1)で表される化合物は、炭素数5以上のアルキル基を特定位置に置換することにより、溶剤への溶解性や分散性などが向上し、溶媒中に安定して存在することが判明した。
尚、上記式(1)において、1分子中に複数個存在するR、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
<分子量>
本発明の上記式(1)で表される有機金属錯体の分子量は、通常850以上、好ましくは900以上、通常3000以下、好ましくは2000以下である。上限を上回ると、錯体の安定性が著しく悪くなる恐れがある。
<具体例>
以下に、本発明の上記式(1)で表される有機金属錯体の具体例を示すが、本発明は、以下に限定されるものではない。
尚、以下表中のR〜Rは、以下に示す一般式(1’)におけるR〜Rに対応する。この一般式(1’)は、前記一般式(1)において、単に「R11〜R15が結合したフェニル基」をRと表現したものである。また、表中、Hは水素原子である。
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
Figure 2010202644
<合成方法>
本発明の上記式(1)で表される有機金属錯体の合成方法としては、以下のような方法を用いることができる。
例えば、ピリジン誘導体とフェニルボロン酸誘導体などの鈴木カップリングなどにより、配位子であるフェニルピリジン誘導体を合成し、さらにフェニルピリジン誘導体をグリセリン中で、IrCl水和物と200〜250℃で加熱する方法などにより合成することができる。精製方法等は通常公知の方法を用いることができる。
Figure 2010202644
<有機金属錯体含有組成物>
本発明の有機金属錯体は、溶解性に優れることから、溶剤とともに使用されることが好ましい。以下、本発明の有機金属錯体と溶剤とを含有する組成物(有機金属錯体含有組成物)について説明する。
本発明の有機金属錯体含有組成物は、上述の本発明の有機金属錯体および溶剤を含有する。本発明の有機金属錯体含有組成物は通常湿式成膜法で層や膜を形成するために用いられ、特に有機電界発光素子の有機層を形成するために用いられることが好ましい。該有機層は、特に発光層であることが好ましい。
該有機金属錯体含有組成物における本発明の有機金属錯体の含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、通常99.99重量%以下、好ましくは99.9重量%以下である。組成物の有機金属錯体の含有量をこの範囲とすることにより、隣接する層(例えば、正孔輸送層や正孔阻止層)から発光層へ効率よく、正孔や電子の注入が行われ、駆動電圧を低減することができる。尚、本発明の有機金属錯体は本発明の有機金属錯体含有組成物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
本発明の有機金属錯体含有組成物に含有される溶剤は、湿式成膜により有機金属錯体を含む層を形成するために用いる、揮発性を有する液体成分である。
該溶剤は、溶質である本発明の有機金属錯体や後述の電荷輸送性化合物が良好に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、好ましい溶剤としては以下のものが挙げられる。
例えば、n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル類、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン類;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル類;等が挙げられる。
中でも好ましくは、アルカン類や芳香族炭化水素類である。
これらの溶剤は1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、および比率で用いてもよい。
溶剤の沸点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、特に好ましくは200℃以上である。通常沸点270℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下である。この範囲を下回ると、湿式成膜時において、組成物からの溶剤蒸発により、成膜安定性が低下する可能性がある。
溶剤の含有量は、組成物100重量部に対して、好ましくは10重量部以上、より好ましくは50重量部以上、特に好ましくは80重量部以上、また、好ましくは99.95重量部以下、より好ましくは99.9重量部以下、特に好ましくは99.8重量部以下である。溶剤の含有量がこの下限を下回ると、組成物の粘性が高くなりすぎ、成膜作業性が低下する可能性がある。一方、この上限を上回ると、成膜後、溶剤を除去して得られる膜の厚みが稼げなくなるため、成膜が困難となる傾向がある。
本発明の有機金属錯体含有組成物を例えば有機電界発光素子用に用いる場合には、上述の有機金属錯体や溶剤の他、有機電界発光素子、特に発光層に用いられる電荷輸送性化合物を含有することができる。
本発明の有機金属錯体含有組成物を用いて、有機電界発光素子の発光層を形成する場合には、本発明の有機金属錯体をドーパント材料とし、他の電荷輸送性化合物をホスト材料として含むことが好ましい。
本発明の有機金属錯体含有組成物が含有し得る他の電荷輸送性化合物としては、従来有機電界発光素子用材料として用いられているものを使用することができる。例えば、ピリジン、カルバゾール、ナフタレン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クリセン、ナフタセン、フェナントレン、コロネン、フルオランテン、ベンゾフェナントレン、フルオレン、アセトナフトフルオランテン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼンおよびそれらの誘導体、キナクリドン誘導体、DCM(4-(dicyanomethylene)-2-methyl-6-(p-dimethylaminostyryl)-4H-pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン、アリールアミノ基が置換された縮合芳香族環化合物、アリールアミノ基が置換されたスチリル誘導体等が挙げられる。
これらは1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、および比率で用いてもよい。
本発明の有機金属錯体含有組成物中の他の電荷輸送性化合物の含有量は、該組成物を100重量部とすると、通常1重量部以上、また、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
また、有機金属錯体含有組成物中の他の電荷輸送性化合物の含有量は、有機金属錯体含有組成物中の本発明の有機金属錯体に対して、通常50重量%以下、特に30重量%以下で、通常0.01重量%以上、特に0.1重量%以上であることが好ましい。
本発明の有機金属錯体含有組成物には、必要に応じて、上記の化合物等の他に、更に他の化合物を含有していてもよい。例えば、上記の溶剤の他に、別の溶剤を含有していてもよい。そのような溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、および比率で用いてもよい。
また、本発明の有機金属錯体含有組成物は成膜性の向上を目的として、レベリング剤や消泡剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
<用途>
本発明の有機金属錯体は、有機電界発光素子に用いられる材料、すなわち有機電界発光素子材料として好適に使用可能であり、有機電界発光素子やその他の発光素子等の発光材料としても好適に使用可能である。
<有機電界発光素子>
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極および該陽極と該陰極の間に、有機層を有し、該有機層が上記本発明の有機金属錯体を含有することを特徴とする。該有機層としては、以下詳述の通り、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層などいずれでもよいが、本発明の有機金属錯体を含有する有機層は発光層であることが好ましい。
以下に、本発明の有機電界発光素子の層構成およびその一般的形成方法等について、図1を参照にして説明する。
図1は本発明にかかる有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
尚、本発明において湿式成膜法とは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等湿式で成膜される方法をいう。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。これは、有機電界発光素子に用いられる塗布用の組成物特有の液性に合うためである。
(基板)
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
(陽極)
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、
インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極2表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
(正孔注入層)
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。
本発明に係る正孔注入層3の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔注入層3を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
<湿式成膜法による正孔注入層の形成>
湿式成膜により正孔注入層3を形成する場合、通常は、正孔注入層3を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
(正孔輸送性化合物)
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物および溶剤を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
正孔輸送性化合物としては、陽極2から正孔注入層3への電荷注入障壁の観点から4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合
物の例としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。
尚、本発明において誘導体とは、例えば、芳香族アミン誘導体を例にするならば、芳香族アミンそのもの及び芳香族アミンを主骨格とする化合物を含むものであり、重合体であっても、単量体であってもよい。
正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種または2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種または2種以上とを併用することが好ましい。
上記例示した中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましく、特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2010202644
(式(I)中、ArおよびArは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar〜Arは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar〜Arのうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2010202644
(上記各式中、Ar〜Ar16は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。R31およびR32は、それぞれ独立して、水素原子または任意の置換基を表す。))
Ar〜Ar16の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
Ar〜Ar16の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが好ましい。
31およびR32が任意の置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
式(I)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のものが挙げられる。
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4-ethylenedioxythiophene(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端を
メタクリレート等でキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物中の、正孔輸送性化合物の濃度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜厚の均一性の点で通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると成膜された正孔注入層に欠陥が生じる可能性がある。
(電子受容性化合物)
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有して
いることが好ましい。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物等が挙げられる。さらに具体的には、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンダフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開2005/089024号パンフレット);塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素;ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、ショウノウスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン等が挙げられる。
これらの電子受容性化合物は、正孔輸送性化合物を酸化することにより正孔注入層の導電率を向上させることができる。
正孔注入層或いは正孔注入層形成用組成物中の電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
(その他の構成材料)
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
(溶剤)
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があし、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
溶剤として例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル、等
が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
その他、ジメチルスルホキシド、等も用いることができる。
これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
(成膜方法)
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
成膜工程における温度は、組成物中に結晶が生じることによる膜の欠損を防ぐため、10℃以上が好ましく、50℃以下が好ましくい。
成膜工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常80%以下である。
成膜後、通常加熱等により正孔注入層形成用組成物の膜を乾燥させる。加熱工程において使用する加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブンおよびホットプレートが好ましい。
加熱工程における加熱温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り、正孔注入層形成用組成物に用いた溶剤の沸点以上の温度で加熱することが好ましい。また、正孔注入層に用いた溶剤が2種類以上含まれている混合溶剤の場合、少なくとも1種類がその溶剤の沸点以上の温度で加熱されるのが好ましい。溶剤の沸点上昇を考慮すると、加熱工程においては、好ましくは120℃以上、好ましくは410℃以下で加熱することが好ましい。
加熱工程において、加熱温度が正孔注入層形成用組成物の溶剤の沸点以上であり、かつ塗布膜の十分な不溶化が起こらなければ、加熱時間は限定されないが、好ましくは10秒以上、通常180分以下である。加熱時間が長すぎると他の層の成分が拡散する傾向があり、短すぎると正孔注入層が不均質になる傾向がある。加熱は2回に分けて行ってもよい。
<真空蒸着法による正孔注入層の形成>
真空蒸着により正孔注入層3を形成する場合には、正孔注入層3の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種または2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合はそれぞれ独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層3を形成することもできる。
蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、通常9.0×10−6Torr(12.0×10−4Pa)以下である。 蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない
限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、通常5.0Å/秒以下である。蒸着時の成
膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上で、好ましくは50℃以下で行われる。
(正孔輸送層)
本発明に係る正孔輸送層4の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層4を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4は、正孔注入層がある場合には正孔注入層3の上に、正孔注入層3が無い場合には陽極2の上に形成することができる。 また、本発明の有機電界発光素子は、正
孔輸送層を省いた構成であってもよい。
正孔輸送層4を形成する材料としては、正孔輸送性が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また、多くの場合、発光層5に接するため、発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
このような正孔輸送層4の材料としては、従来、正孔輸送層の構成材料として用いられている材料であればよく、例えば、前述の正孔注入層3に使用される正孔輸送性化合物として例示したものが挙げられる。また、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。
また、例えば、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリアリールアミン誘導体、ポリビニルトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアリーレン誘導体、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン誘導体、ポリアリーレンビニレン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体等が挙げられる。これらは、交互共重合体、ランダム重合体、ブロック重合体又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子や、所謂デンドリマーであってもよい。
中でも、ポリアリールアミン誘導体やポリアリーレン誘導体が好ましい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、ArまたはArが異なっているものであってもよい。
Figure 2010202644
(式(II)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレ
ン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環または2〜5縮合環由来の基およびこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5または6員環の単環または2〜4縮合環由来の基およびこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
溶解性、耐熱性の点から、ArおよびArは、各々独立に、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、チオフェン環、ピリジン環、フルオレン環からなる群より選ばれる環由来の基やベンゼン環が2環以上連結してなる基(例えば、ビフェニル基やターフェニル基)が好ましい。
中でも、ベンゼン環由来の基(フェニル基)、ベンゼン環が2環連結してなる基(ビフェニル基)およびフルオレン環由来の基(フルオレニル基)が好ましい。
ArおよびArにおける芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シロキシ基、シアノ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、前記式(II)におけるArやArとして例示した置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基などのアリーレン基をその繰り返し単位に有する重合体が挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)および/または下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
Figure 2010202644
(式(III−1)中、Ra、Rb、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニルアルキル基、フェニルアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又はカルボキシ基を表す。tおよびsは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す
。tまたはsが2以上の場合、一分子中に含まれる複数のRaまたはRbは同一であっても異なっていてもよく、隣接するRaまたはRbどうしで環を形成していてもよい。)
Figure 2010202644
(式(III−2)中、RおよびRは、それぞれ独立に、上記式(III−1)におけるRa、Rb、RまたはRと同義である。rおよびuは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。rまたはuが2以上の場合、一分子中に含まれる複数のRおよびRは同一であっても異なっていてもよく、隣接するRまたはRどうしで環を形成していてもよい。Xは、5員環または6員環を構成する原子または原子群を表す。)
Xの具体例としては、酸素原子、置換基を有していてもよいホウ素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、置換基を有していてもよいケイ素原子、置換基を有していてもよいリン原子、置換基を有していてもよいイオウ原子、置換基を有していてもよい炭素原子またはこれらが結合してなる基である。
また、ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)および/または下記式(III−2)からなる繰り返し単位に加えて、さらに下記式(III−3)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2010202644
(式(III−3)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。vおよびwは、それぞれ独立に0または1を表す。)
Ar〜Arの具体例としては、前記式(II)における、Ar及びArと同様である。
上記式(III−1)〜(III−3)の具体例およびポリアリーレン誘導体の具体例等は、特開2008-98619号公報に記載のものなどが挙げられる。
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、上記正孔注入層3の形成と同様にして、正孔輸送層形成用組成物を調製した後、湿式成膜後、加熱乾燥させる。
正孔輸送層形成用組成物には、上述の正孔輸送性化合物の他、溶剤を含有する。用いる
溶剤は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層3の形成の場合と同様である。
真空蒸着法により正孔輸送層を形成する場合もまた、その成膜条件等は上記正孔注入層3の形成の場合と同様である。
正孔輸送層4は、上記正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層4はまた、架橋性化合物を架橋して形成される層であってもよい。架橋性化合物は、架橋性基を有する化合物であって、架橋することにより網目状高分子化合物を形成する。
この架橋性基の例を挙げると、オキセタン、エポキシなどの環状エーテル由来の基;ビニル基、トリフルオロビニル基、スチリル基、アクリル基、メタクリロイル、シンナモイル等の不飽和二重結合由来の基;ベンゾシクロブテン由来の基などが挙げられる。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。 架橋性
化合物は1種のみを有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で有していてもよい。
架橋性化合物としては、架橋性基を有する正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。正孔輸送性化合物としては、上記の例示したものが挙げられ、これら正孔輸送性化合物に対して、架橋性基が主鎖または側鎖に結合しているものが挙げられる。特に架橋性基は、アルキレン基等の連結基を介して、主鎖に結合していることが好ましい。また、特に正孔輸送性化合物としては、架橋性基を有する繰り返し単位を含む重合体であることが好ましく、上記式(II)や式(III−1)〜(III−3)に架橋性基が直接または連結基を介して結合した繰り返し単位を有する重合体であることが好ましい。
架橋性化合物としては、架橋性基を有する正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。正孔輸送性化合物の例を挙げると、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等の含窒素芳香族化合物誘導体;トリフェニルアミン誘導体;シロール誘導体;オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。その中でも、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体等の含窒素芳香族誘導体;トリフェニルアミン誘導体、シロール誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが好ましく、特に、トリフェニルアミン誘導体がより好ましい。
架橋性化合物を架橋して正孔輸送層4を形成するには、通常、架橋性化合物を溶剤に溶解または分散した正孔輸送層形成用組成物を調製して、湿式成膜により成膜して架橋させる。
正孔輸送層形成用組成物には、架橋性化合物の他、架橋反応を促進する添加物を含んでいてもよい。架橋反応を促進する添加物の例を挙げると、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、オニウム塩等の重合開始剤および重合促進剤;縮合多環炭化水素、ポルフィリン化合物、ジアリールケトン化合物等の光増感剤;などが挙げられる。
また、さらに、レベリング剤、消泡剤等の塗布性改良剤;電子受容性化合物;バインダー樹脂;などを含有していてもよい。
正孔輸送層形成用組成物は、架橋性化合物を通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下含有する。
このような濃度で架橋性化合物を含む正孔輸送層形成用組成物を下層(通常は正孔注入層3)上に成膜後、加熱および/または光などの電磁エネルギー照射により、架橋性化合物を架橋させて網目状高分子化合物を形成する。
成膜時の温度、湿度などの条件は、前記正孔注入層3の湿式成膜時と同様である。
成膜後の加熱の手法は特に限定されない。加熱温度条件としては、通常120℃以上、好ましくは400℃以下である。
加熱時間としては、通常1分以上、好ましくは24時間以下である。加熱手段としては特に限定されないが、成膜された層を有する積層体をホットプレート上に載せたり、オーブン内で加熱するなどの手段が用いられる。例えば、ホットプレート上で120℃以上、1分間以上加熱する等の条件を用いることができる。
光などの電磁エネルギー照射による場合には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、赤外ランプ等の紫外・可視・赤外光源を直接用いて照射する方法、あるいは前述の光源を内蔵するマスクアライナ、コンベア型光照射装置を用いて照射する方法などが挙げられる。光以外の電磁エネルギー照射では、例えばマグネトロンにより発生させたマイクロ波を照射する装置、いわゆる電子レンジを用いて照射する方法が挙げられる。照射時間としては、膜の溶解性を低下させるために必要な条件を設定することが好ましいが、通常、0.1秒以上、好ましくは10時間以下照射される。
加熱および光などの電磁エネルギー照射は、それぞれ単独、あるいは組み合わせて行ってもよい。組み合わせる場合、実施する順序は特に限定されない。
このようにして形成される正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
(発光層)
正孔注入層3の上、または正孔輸送層4を設けた場合には正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入された正孔と、陰極9から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
<発光層の材料>
発光層5は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として使用してもよい。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよいが、本発明の有機金属錯体を用いることが好ましい。
特に、本発明の有機電界発光素子は、その発光層が、本発明の有機金属錯体含有組成物を用いて湿式成膜法で形成されることが好ましい。
更に、発光層5は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層5を形成する場合は、低分子量の材料(分子量通常10000以下、好ましくは5000以下)を使用することが好ましい。
<発光層の形成>
湿式成膜法により発光層5を形成する場合は、発光層に用いる材料を適切な溶剤に溶解させて発光層形成用組成物(本発明の有機金属錯体を含む場合は有機金属錯体含有組成物)を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。
発光層5を本発明に係る湿式成膜法で形成するための発光層形成用組成物に含有させる
発光層用溶剤としては、上記本発明の有機金属錯体含有組成物に含有される溶剤として説明したものと同様である。
また、発光層形成用組成物中の発光材料、電荷輸送性化合物等の固形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
発光層形成用組成物を湿式成膜後、得られた塗膜を乾燥し、溶剤を除去することにより、発光層が形成される。具体的には、上記正孔注入層の形成において記載した方法と同様である。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、前述のいかなる方式も用いることができる。
発光層5の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層5の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
(正孔阻止層)
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層6の材料として好ましい。
なお、正孔阻止層6の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
正孔阻止層6の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
正孔阻止層にかえて、正孔緩和層を設けてもよい。
(電子輸送層)
発光層5と後述の電子注入層8の間に、電子輸送層7を設けてもよい。
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極9または電子注入層8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
なお、電子輸送層7の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
電子輸送層7の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
(電子注入層)
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率良く発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられる。例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(II)(CsCO3)等が挙げられる(Applied Physics Letters, 1997年
, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices, 1997年,Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送化合物に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は、通常、5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常200nm以下、中でも100nm以下が好ましい。
なお、電子注入層8の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
電子注入層8の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
(陰極)
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8または発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極9の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、
効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
なお、陰極9の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
陰極9の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極9を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
(その他の層)
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極9との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
(電子阻止層)
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層は、正孔注入層3または正孔輸送層4と発光層5との間に設けられ、発光層5から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は電子阻止層を設けることが効果的である。
電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いこと等が挙げられる。更に、本発明においては、発光層5を本発明に係る有機層として湿式成膜法で作製する場合には、電子阻止層にも湿式成膜の適合性が求められる。このような電子阻止層に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号パンフレット)等が挙げられる。
なお、電子阻止層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。例えば、図1の層構成であれば、基板1上に他の構成要素を陰極9、電子注入層8、電子輸送層7、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に設けてもよい。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バ
ナジウム(V25)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
更には、本発明に係る有機電界発光素子は、単一の有機電界発光素子として構成してもよく、複数の有機電界発光素子がアレイ状に配置された構成に適用してもよく、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構成に適用してもよい。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
本発明の有機電界発光素子は、有機ELディスプレイや有機EL照明に使用される。本発明により得られる有機電界発光素子は、例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社,平成16年8月20日発行,時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で有機ELディスプレイや有機EL照明を形成することができる。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(合成例1)有機金属錯体Q−1の合成
Figure 2010202644
n−ヘキシルフェニルブロマイド(n-Hexylphenylbromide)6.03g(0.025m
ol)を100mlのdryTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、10分間、窒素バ
ブリングした。これに、0.5Mの2−Pyridylzincbromide 50ml(0.025mol)を加え、さらに10分間、窒素バブリングを行った後、Tetrakis(tetraphenylphosphino) Palladium 0.321g(0.275mmol)を加え、5時間、窒素下リフラックスした。反応液を濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン=1/10でカラム精製を行い、2-(n-Hexylphenyl)pyridine5g(上記化合物1、収率83%、純度99.8%)を得た。
Figure 2010202644
上記得られた化合物1の2.011g(8.4mmol)とグリセリン14mlを仕込み
、150℃で約60分間脱水、脱気を行った。放冷した後、これに、Ir(acac)(acac:acetylacetone)31.253g(2.8mmol)を添加し、そのまま200℃に昇温し
て14時間反応させた(acetylacetoneの留出を確認)。約60℃まで降温させ、メタノ
ールを加えて、晶出した結晶を濾取した。得られた粗結晶をヘキサン/CHCl=1/1でカラム精製し、ジメチルエーテル、メタノールにて再沈殿を行い、Q−1の黄色結晶、0.85g(収率33%)を得た。これを昇華精製して、0.65gの有機金属錯体Q−1を得た。
(合成例2)有機金属錯体D−1の合成
塩化カルシウム管を備えたフラスコ中で、Ammmonium Nitate8g(0.1mol)、Ethyl orthoformate293.4g(2mol)をEthanol23g(56ml、0.5mol
)中に混和し、滴下ロートを用いて1時間かけて1−Octanal256.4g(2mol)
を滴下した。反応中、温度は30〜36℃に保った。反応液は12時間室温にて撹拌した。得られた反応液を約15mlの10wt%炭酸ナトリウム水溶液にて中和し、有機層を減圧化蒸留して、1,1−Diethoxyoctane367g(収率91%)を無色の液体として得た。
1H−NMRδ[ppm] 0.88(t、3H)、1.20(t、6H)、1.23−1.4(m、12H)1.55−1.65(m、2H)、3.4〜3.7(m、4H)、4.47(t、1H)
得られた1,1−Diethoxyoctane81g(0.4mol)に、p−toluenesulfonic acid0.36g(2.4mmol)を加え、8時間160℃で加熱した。得られた反応液を蒸留して、1−Ethoxyー1−octene25g(収率61%)を淡黄色液体として得た。
1H−NMRδ[ppm] 0.88(t、3H)、1.21(t、3H)、1.23−1.4(m、10H)1.85−2.2(m、2H)、3.77(q、2H)、4.3−4.5(m、1H)、5.9−6.3(m、1H)
1−Ethoxy−1−octene25g(0.16mol)およびEthyl orthoformate47.4g(0.32mol)を混和し、Trifluoroborane ethrateを窒素気流下、25℃で滴下
し、温度を20〜25℃に保って2時間撹拌した。さらに炭酸ナトリウム2gを固体のまま加え、2時間撹拌した。固体をろ別した後、蒸留により、淡黄色液体の下記化合物、41g(収率98%)を得た。
1H−NMRδ[ppm] 0.87(t、3H)、1.1−1.25(m、6H)、1.25−1.9(m、10H)、、4.47(d、1H)
得られた化合物23g(0.09mol)、1,3−Dimethylurea10.3g(0.116mol)を2-Propanol18gに混和し、さらに35wt%HCl13.1gを加え、1時間30分還流した後、冷却した。冷却後、Pyridine7.1g(0.09mol)、Acetophenone9.73g(0.081mol)を加え、30分室温にて撹拌した後、酢酸ナトリウム37g、酢酸24.3gを加え、100℃で24時間撹拌加熱した。得られた反応液を25wt%水酸化ナトリウム水溶液194gで中和し、トルエンで中和したのち、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色の液体として、2−Phenyl−5−n−hexylpyridine)(化合物2) 2g(収率10%)を得た。
1H−NMRδ[ppm] 0.87(t、3H)、1.25−1.9(m、10H)、7.4−7.45(m、1H)、7.48(t、2H)、7.55(dd、2H)、7.65(m、1H)、8.0(d、2H)、8.54(s、1H)
Figure 2010202644
その後、化合物1を化合物2(1.753g)に変えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、有機金属錯体D−1(0.30g)を得た。有機金属錯体D−1のNMRチャートを図2に示す。
(合成例3)本発明の有機金属錯体D−2の合成
Figure 2010202644
反応容器内を減圧下、加熱乾燥と窒素置換を繰り返し、系内を窒素雰囲気とした。p-Bromohexylbenzene12.06g(0.05mol)をdryTHF100mlに溶解し、−78℃まで冷却させた。これに、Butyl litium(1.6mol/l in Hexane)38mlを滴下し、2時間反応させた。これに、Trimethyl boronic acid2.86g(0.05mol)をゆっくり滴下し、1
時間後、室温まで昇温させた。これに水を添加し、1NのHClで中和後、酢酸エチルにより抽出を行い、濃縮して白色のロウ状結晶、4-n-Hexylphenylboronic acid6.98g(収
率68%)を得た。
1-Bromo-4-methyl-quinoline15.24g(0.12mol) と3−Bromophenyl boronic acid25.30g(0.126mol)をトルエン300ml、エタノール150mlに溶解し、30分間、窒素バブリングした。別に窒素バブリングを行ったSodium carbonate 38.16g(0.36mol)と水150mlを加え、さらに10分間窒素バブリングを行った後、Tetrakis(tetraphenylphosphino) Palladium4.16g(3.6mmol)を加え、4.5時間、窒素下リフ
ラックスした。反応液を濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン=1/10でカラム精製を行い、2-(3’-Bromophenyl)-5-methylpyridine16.5g(収率59%、純度97.5%)を合
成した。
4-n-Hexylphenylboronic acid 2.23g(9mmol) と2-(3’-Bromophenyl)-5-methylpyridine 1.95g(9mmol)をトルエン40ml、エタノール20mlに溶解し、30分
間、窒素バブリングした。別に窒素バブリングを行ったSodium carbonate2.86g(0.027mol) と水10mlを加え、さらに10分間窒素バブリングを行った後、Tetrakis(tetraphenylphosphino) Palladium 0.312g(0.27mmol)を加え、3.5時間、窒素下リ
フラックスした。反応液を濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン=1/5でカラム精製を行い、化合物3の2.84g(収率96%、純度99.2%)を得た。
その後、化合物1を化合物3(2.57g)に変えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、有機金属錯体D−2(0.68g)を得た。有機金属錯体D−2のNMRチャートを図3に示す。
(合成例4)本発明の有機金属錯体D−3の合成
上記有機金属錯体D−1の合成中間体として得られた、12.4g(0.048mol)、1,3−Dimethylurea5.51g(0.062mol)を2-Propanol12gに混和し、さらに35wt%HCl7gを加え、1時間30分還流した後、冷却した。冷却後、Pyridine3.8g(0.048mol)、3−Bromoacetophenone8.61g(0.043
mol)を加え、30分室温にて撹拌した後、酢酸ナトリウム20g、酢酸13gを加え、100℃で24時間撹拌加熱した。得られた反応液を25wt%水酸化ナトリウム水溶液194gで中和したのち、トルエンで抽出し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色の液体として、2−(3’−Bromophenyl)−5−n−hexylpyridine 4.1g(収率12%)を得た。
1H−NMRδ[ppm] 0.90(t、3H)、1.3−1.6(m、8H)、2.65(t、2H)、、7.32(t、1H)、7.45−7.65(m、3H)、7.85−7.95(m、1H)、8.15(t、1H)、8.51(m、1H)
2−(3’−Bromophenyl)−5−n−hexylpyridine4.1g(0.013mol)、フェニルボロン酸2.38g(0.02mol)、Tetrakis(triphenylPhosphino)Palladiumをトルエン100g、エタノール100gと混和し、2wt%炭酸ナトリウム水溶液
120gを加え、窒素下、90℃で5時間加熱撹拌した。得られた反応液の有機層を抽出し、濃縮したのちカラムクロマトグラフィー(Ethyl acetate/Hexane=1/20)にて
精製して、淡黄色液体である2−(3‘−Biphenyl)−5−n−hexylpyridine3.1g
(収率79%)を得た。
Figure 2010202644
その後、化合物1を化合物4(1.266g)に変えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、有機金属錯体D−3(0.53g)を得た。有機金属錯体D−3のNMRチャートを図4に示す。
(合成例5)有機金属錯体Q−2の合成
Figure 2010202644
化合物1を化合物5に変えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、有機金属錯体Q−2を得た。
(合成例6)有機金属錯体Q−3の合成
Figure 2010202644
化合物1を化合物6に変えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、有機金属錯体Q−3を得た。
(実施例1及び参考例1)溶解度測定
上記合成された有機金属錯体D−1〜D−3について、それぞれ、トルエンに対する溶解度を測定した。溶解する際の条件は、25℃、1013hPa(大気圧)とした。結果を表Aに示す。
本発明の有機金属錯体は、溶解度が高いことがわかった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、上記合成された有機金属錯体Q−2、Q−3について、それぞれ、トルエンに対する溶解度を測定した。結果を表Aに示す。

※サンビジネス御中
表A中、「実施例1」の欄を上下2つに分け、「D−1」の測定結果は「参考例1」とし、「D−2」と「D−3」の測定結果が「実施例1」となるよう、表を変更して下さい。
Figure 2010202644
(実施例2)有機電界発光素子の作製
図1に示す有機電界発光素子を作製した(ただし、正孔阻止層にかえて正孔緩和層とした)。
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nmの厚さに堆積したもの(三容真空社製、スパッタ成膜品)を、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
まず、正孔輸送性化合物として構造式P1に示す繰り返し構造を有する正孔輸送性高分子化合物(重量平均分子量:26500,数平均分子量:12000)、電子受容性化合物として構造式A1に示す4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート及び安息香酸エチルを含有する正孔注入層形成用組成物を調製した。この組成物中、正孔輸送性高分子化合物P1は2.0重量%、電子受容性化合物A1は0.8重量%であった。この組成物をスピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間30秒、大気中にて陽極上にスピンコートにより成膜した。その後、大気中で230℃、3時間加熱乾燥することにより、膜厚30nmの正孔注入層を得た。
Figure 2010202644
引き続き、正孔輸送性化合物として以下の構造式に示す架橋性化合物(重合体)H1(重量平均分子量:95000)および溶剤としてトルエンを含有する正孔輸送層形成用組成物を調製した。組成物中の架橋性化合物の固形分濃度は0.4重量%とした。この組成物を上記形成した正孔注入層上に、スピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間30秒、窒素中でスピンコート法により成膜して、窒素中、230℃で1時間加熱により架橋させて膜厚20nmの架橋膜(正孔輸送層)を形成した。
Figure 2010202644
次に、発光層を形成するにあたり、以下の構造式に示す電荷輸送性化合物E−1、電荷輸送性化合物E−2、上記合成例3で合成した本発明の有機金属錯体D−2および溶剤としてシクロヘキシルベンゼンを含有する発光層形成用組成物(有機金属錯体含有組成物)
を調製した。組成物中、電荷輸送性化合物E−1は2.5重量%、電荷輸送性化合物E−2は2.5重量%、有機金属錯体D−2は0.25重量%とした。この組成物を上記形成された正孔輸送層上に、スピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間30秒、窒素中で、スピンコート法により成膜した後、減圧下(0.1MPa)、130℃で、1時間乾燥させ、膜厚60nmで発光層を得た。
Figure 2010202644
ここで、正孔注入層、正孔輸送層および発光層を成膜した基板を真空蒸着装置内に移し、油回転ポンプにより装置の粗排気を行った後、装置内の真空度が5.1×10−4Pa以下になるまでクライオポンプを用いて排気した後、下記構造式C−3で表される化合物を真空蒸着法によって、発光層の上に成膜し膜厚5nmの正孔緩和層を得た。蒸着速度は0.7〜1.0Å/秒の範囲で制御し、蒸着時の真空度は1.9〜2.0×10−4Paであった。
Figure 2010202644
続いて、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウムを加熱して、正孔緩和層上に蒸着を行い、膜厚30nmの電子輸送層を成膜した。蒸着時の真空度は1.3×10−4Pa、蒸着速度は0.6〜1.0Å/秒の範囲で制御した。
ここで、電子輸送層まで蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して上記電子輸送層と同様にして装置内の真空度が2.1×10−4Pa以下になるまで排気した。
電子注入層として、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.07〜0.17Å/秒、真空度2.3〜2.4×10−4Paで制御し、0.5nmの膜厚で電子輸送層の上に成膜した。
次に、陰極としてアルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.7〜6.1Å/秒、真空度2.3〜2.7×10−4Paで制御して膜厚80nmのアルミニウム層を形成した。以上の2層の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
引き続き、素子が保管中に大気中の水分等で劣化することを防ぐため封止処理を行った。以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。
素子の発光スペクトルの極大波長は520nmであり、有機金属錯体D−2からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.33,0.62)であった。4000cd/mでの半減寿命は600時間であった。
比較例で用いた有機金属錯体に比べて、半減寿命が長いことがわかった。
(実施例3)
有機金属錯体D−2を上記合成例4で合成された有機金属錯体D−3に代えた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
実施例2で得られた有機電界発光素子の半減寿命を1としたときの、本有機電界発光素子の半減寿命について、その相対比を表Bに示す。
比較例で用いた有機金属錯体に比べて、半減寿命が長いことがわかった。
(比較例2)
有機金属錯体D−2を上記合成例1で合成された有機金属錯体Q−1に代えた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
実施例2で得られた有機電界発光素子の半減寿命を1としたときの、本有機電界発光素子の半減寿命について、その相対比を表Bに示す。
(比較例3)
有機金属錯体D−2を上記合成例6で合成された有機金属錯体Q−3に代えた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
実施例2で得られた有機電界発光素子の半減寿命を1としたときの、本有機電界発光素子の半減寿命について、その相対比を表Bに示す。
Figure 2010202644
1.基板
2.陽極
3.正孔注入層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.正孔阻止層
7.電子輸送層
8.電子注入層
9.陰極

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される有機金属錯体。
    Figure 2010202644
    (式(1)中、R、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。ただし、R〜Rのいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つは、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基である。また、1分子中に複数個存在するR、R、R〜R及びR11〜R15は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。)
  2. 上記式(1)において、R及び/又はR13が、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基である、請求項1に記載の有機金属錯体。
  3. 請求項1または2に記載の有機金属錯体および溶剤を含有する、有機金属錯体含有組成物。
  4. 請求項1または2に記載の有機金属錯体からなる、発光材料。
  5. 請求項1または2に記載の有機金属錯体からなる、有機電界発光素子材料。
  6. 基板上に、陽極、陰極および該陽極と該陰極の間に、有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層が、請求項1または2に記載の有機金属錯体を含有する、有機電界発光素子。
  7. 該有機層が発光層である、請求項6に記載の有機電界発光素子。
  8. 請求項6または5に記載の有機電界発光素子を用いた、有機ELディスプレイ。
  9. 請求項6または5に記載の有機電界発光素子を用いた、有機EL照明。
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