JP2010202644A - 有機金属錯体、有機金属錯体含有組成物、発光材料、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子、有機elディスプレイおよび有機el照明 - Google Patents
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Abstract
Description
また、有機電界発光素子の各層の形成方法としては、蒸着成膜法や湿式成膜法がある。蒸着成膜法では、テレビやモニタ用の中・大型フルカラーパネルなどを製作する場合、歩留まりの観点で課題を有する。そのため、中でもこれら大面積の用途には湿式成膜法が好適である。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される有機金属錯体に存する。
本発明はまた、上記有機金属錯体および溶剤を含有する有機金属錯体含有組成物、該有機金属錯体からなる発光材料および有機電界発光素子材料、該有機金属錯体を含有する有機電界発光素子、並びに、該有機電界発光素子を用いた有機ELディスプレイおよび有機EL照明に存する。
本発明は、下記式(1)で表される有機金属錯体とその用途に関する。
本発明の有機金属錯体は、上記式(1)中、R5〜R8のいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つが、置換基を有していてもよい、炭素数5以上のアルキル基であることを特徴とする。これにより、溶解性が向上し、分子が良好に分散するようになり、経時による結晶化の問題が起きにくくなり、寿命や耐久性が向上するという効果を奏するものと推測される。
炭素数5以上のアルキル基の具体例としては、直鎖のアルキル基であることが好ましく、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などが挙げられる。
該アルキル基の置換基の具体例は、以下R1、R2、R4〜R8及びR11〜R15の置換基として例示するものが挙げられるが、炭素数5以上のアルキル基は無置換である場合に、本発明の効果がより顕著である。
R1、R2、R4〜R8及びR11〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。(ただし上述の通り、R5〜R8のいずれか1つ及び/又はR11〜R15のいずれか1つは、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基である。)
R1、R2、R4〜R8及びR11〜R15は、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基であることが好ましく、該炭化水素基の中では、以下に詳述するアルキル
基または芳香族炭化水素基が好ましい。
該飽和炭化水素基としては、アルキル基が挙げられる。
該アルキル基としては、通常炭素数1以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、通常15以下、好ましくは12以下、さらに好ましくは8以下である。下限を下回ると溶解性不足のおそれがあり、上限を上回ると熱処理時に酸化劣化するおそれがある。直鎖のアルキル基であっても、分岐したアルキル基であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デシル基、オクタデシル基などのアルキル基が挙げられる。
該アルケニル基としては、通常炭素数2以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、通常12以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。下限を下回ると溶解性が不足するおそれがあり、上限を上回ると熱処理時に酸化劣化するおそれがある。具体的には、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基などが挙げられる。
該芳香族炭化水素基としては、通常炭素数5以上、好ましくは6以上、通常16以下、好ましくは14以下、さらに好ましくは10以下である。下限を下回ると安定性が悪くなるおそれがあり、上限を上回ると錯体が形成されにくくなるおそれがある。中でも、6員環の単環、又は2〜5縮合環由来の芳香族炭化水素基が好ましい。具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの芳香族炭化水素由来の基が挙げられる。特に、ベンゼン環由来の基(フェニル基)であることが好ましい。
R1、R2、R4〜R8及びR11〜R15が、炭化水素基、アルコキシ基または芳香族複素環基である場合、これらは置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基、(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキルチオ基、(ヘテロ)アリールチオ基、シアノ基、アミノ基などの有機基が挙げられる。中でも、アルキル基および芳香族炭化水素基が化合物の安定性の面から好ましく、芳香族炭化水素基が特に好ましい。尚、上記(ヘテロ)アリールとは、アリール及びヘテロアリールの両方を示す。
ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの芳香族炭化水素由来の基が挙げられる。
該(ヘテロ)アリールオキシ基としては、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基が好ましく、具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、9−アントラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基等が挙げられる。
該(ヘテロ)アリールチオ基としては、炭素数3〜20のが(ヘテロ)アリールチオ基好ましく、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、9−アントラニルチオ基、2−チエニルチオ基等が挙げられる。
が好ましい。
またR1、R2及びR4が結合したフェニル基において、Irへの配位位置に対してp−位にフェニル基を有することにより、Irのd軌道と当該フェニル基におけるベンゼン環の電子軌道による混成軌道の安定性が向上、つまり錯体の安定性が向上し、耐久性の高い化合物が得られるため好ましい。
なおIr錯体の配位子としては、本発明の有機金属化合物が有するフェニルピリジン骨格以外に、例えば上記式(1)におけるR5及びR6が結合して芳香族6員環を形成し、イソキノリン環を形成してなる骨格も考えられる。が、本発明者らの検討によると、フェニルイソキノリン骨格からなる配位子を有するIr錯体において、その配位子が、本願化合物と同様に炭素数5以上のアルキル基を有する場合、安定性が低下するという問題が生じる傾向がある。
<分子量>
本発明の上記式(1)で表される有機金属錯体の分子量は、通常850以上、好ましくは900以上、通常3000以下、好ましくは2000以下である。上限を上回ると、錯体の安定性が著しく悪くなる恐れがある。
以下に、本発明の上記式(1)で表される有機金属錯体の具体例を示すが、本発明は、以下に限定されるものではない。
尚、以下表中のR1〜R8は、以下に示す一般式(1’)におけるR1〜R8に対応する。この一般式(1’)は、前記一般式(1)において、単に「R11〜R15が結合したフェニル基」をR3と表現したものである。また、表中、Hは水素原子である。
本発明の上記式(1)で表される有機金属錯体の合成方法としては、以下のような方法を用いることができる。
例えば、ピリジン誘導体とフェニルボロン酸誘導体などの鈴木カップリングなどにより、配位子であるフェニルピリジン誘導体を合成し、さらにフェニルピリジン誘導体をグリセリン中で、IrCl3水和物と200〜250℃で加熱する方法などにより合成することができる。精製方法等は通常公知の方法を用いることができる。
本発明の有機金属錯体は、溶解性に優れることから、溶剤とともに使用されることが好ましい。以下、本発明の有機金属錯体と溶剤とを含有する組成物(有機金属錯体含有組成物)について説明する。
本発明の有機金属錯体含有組成物は、上述の本発明の有機金属錯体および溶剤を含有する。本発明の有機金属錯体含有組成物は通常湿式成膜法で層や膜を形成するために用いられ、特に有機電界発光素子の有機層を形成するために用いられることが好ましい。該有機層は、特に発光層であることが好ましい。
該溶剤は、溶質である本発明の有機金属錯体や後述の電荷輸送性化合物が良好に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、好ましい溶剤としては以下のものが挙げられる。
例えば、n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル類、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン類;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル類;等が挙げられる。
これらの溶剤は1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、および比率で用いてもよい。
溶剤の沸点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、特に好ましくは200℃以上である。通常沸点270℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下である。この範囲を下回ると、湿式成膜時において、組成物からの溶剤蒸発により、成膜安定性が低下する可能性がある。
本発明の有機金属錯体含有組成物を用いて、有機電界発光素子の発光層を形成する場合には、本発明の有機金属錯体をドーパント材料とし、他の電荷輸送性化合物をホスト材料として含むことが好ましい。
本発明の有機金属錯体含有組成物中の他の電荷輸送性化合物の含有量は、該組成物を100重量部とすると、通常1重量部以上、また、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
本発明の有機金属錯体含有組成物には、必要に応じて、上記の化合物等の他に、更に他の化合物を含有していてもよい。例えば、上記の溶剤の他に、別の溶剤を含有していてもよい。そのような溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、および比率で用いてもよい。
<用途>
本発明の有機金属錯体は、有機電界発光素子に用いられる材料、すなわち有機電界発光素子材料として好適に使用可能であり、有機電界発光素子やその他の発光素子等の発光材料としても好適に使用可能である。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極および該陽極と該陰極の間に、有機層を有し、該有機層が上記本発明の有機金属錯体を含有することを特徴とする。該有機層としては、以下詳述の通り、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層などいずれでもよいが、本発明の有機金属錯体を含有する有機層は発光層であることが好ましい。
図1は本発明にかかる有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、
インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
(正孔注入層)
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。
正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
湿式成膜により正孔注入層3を形成する場合、通常は、正孔注入層3を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物および溶剤を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
物の例としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。
正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種または2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種または2種以上とを併用することが好ましい。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Ar1〜Ar16の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
R31およびR32が任意の置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4-ethylenedioxythiophene(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端を
メタクリレート等でキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有して
いることが好ましい。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
ンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素;ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、ショウノウスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン等が挙げられる。
正孔注入層或いは正孔注入層形成用組成物中の電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があし、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
(成膜方法)
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
成膜工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常80%以下である。
成膜後、通常加熱等により正孔注入層形成用組成物の膜を乾燥させる。加熱工程において使用する加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブンおよびホットプレートが好ましい。
真空蒸着により正孔注入層3を形成する場合には、正孔注入層3の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種または2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合はそれぞれ独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層3を形成することもできる。
限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、通常5.0Å/秒以下である。蒸着時の成
膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上で、好ましくは50℃以下で行われる。
本発明に係る正孔輸送層4の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層4を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4は、正孔注入層がある場合には正孔注入層3の上に、正孔注入層3が無い場合には陽極2の上に形成することができる。 また、本発明の有機電界発光素子は、正
孔輸送層を省いた構成であってもよい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、AraまたはArbが異なっているものであってもよい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレ
ン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環または2〜5縮合環由来の基およびこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
中でも、ベンゼン環由来の基(フェニル基)、ベンゼン環が2環連結してなる基(ビフェニル基)およびフルオレン環由来の基(フルオレニル基)が好ましい。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)および/または下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
。tまたはsが2以上の場合、一分子中に含まれる複数のRaまたはRbは同一であっても異なっていてもよく、隣接するRaまたはRbどうしで環を形成していてもよい。)
Xの具体例としては、酸素原子、置換基を有していてもよいホウ素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、置換基を有していてもよいケイ素原子、置換基を有していてもよいリン原子、置換基を有していてもよいイオウ原子、置換基を有していてもよい炭素原子またはこれらが結合してなる基である。
Arc〜Arjの具体例としては、前記式(II)における、Ara及びArbと同様である。
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、上記正孔注入層3の形成と同様にして、正孔輸送層形成用組成物を調製した後、湿式成膜後、加熱乾燥させる。
正孔輸送層形成用組成物には、上述の正孔輸送性化合物の他、溶剤を含有する。用いる
溶剤は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層3の形成の場合と同様である。
正孔輸送層4は、上記正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層4はまた、架橋性化合物を架橋して形成される層であってもよい。架橋性化合物は、架橋性基を有する化合物であって、架橋することにより網目状高分子化合物を形成する。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。 架橋性
化合物は1種のみを有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で有していてもよい。
正孔輸送層形成用組成物には、架橋性化合物の他、架橋反応を促進する添加物を含んでいてもよい。架橋反応を促進する添加物の例を挙げると、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、オニウム塩等の重合開始剤および重合促進剤;縮合多環炭化水素、ポルフィリン化合物、ジアリールケトン化合物等の光増感剤;などが挙げられる。
正孔輸送層形成用組成物は、架橋性化合物を通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下含有する。
成膜時の温度、湿度などの条件は、前記正孔注入層3の湿式成膜時と同様である。
成膜後の加熱の手法は特に限定されない。加熱温度条件としては、通常120℃以上、好ましくは400℃以下である。
光などの電磁エネルギー照射による場合には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、赤外ランプ等の紫外・可視・赤外光源を直接用いて照射する方法、あるいは前述の光源を内蔵するマスクアライナ、コンベア型光照射装置を用いて照射する方法などが挙げられる。光以外の電磁エネルギー照射では、例えばマグネトロンにより発生させたマイクロ波を照射する装置、いわゆる電子レンジを用いて照射する方法が挙げられる。照射時間としては、膜の溶解性を低下させるために必要な条件を設定することが好ましいが、通常、0.1秒以上、好ましくは10時間以下照射される。
このようにして形成される正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
(発光層)
正孔注入層3の上、または正孔輸送層4を設けた場合には正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入された正孔と、陰極9から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
発光層5は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として使用してもよい。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよいが、本発明の有機金属錯体を用いることが好ましい。
更に、発光層5は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層5を形成する場合は、低分子量の材料(分子量通常10000以下、好ましくは5000以下)を使用することが好ましい。
湿式成膜法により発光層5を形成する場合は、発光層に用いる材料を適切な溶剤に溶解させて発光層形成用組成物(本発明の有機金属錯体を含む場合は有機金属錯体含有組成物)を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。
発光層5を本発明に係る湿式成膜法で形成するための発光層形成用組成物に含有させる
発光層用溶剤としては、上記本発明の有機金属錯体含有組成物に含有される溶剤として説明したものと同様である。
発光層形成用組成物を湿式成膜後、得られた塗膜を乾燥し、溶剤を除去することにより、発光層が形成される。具体的には、上記正孔注入層の形成において記載した方法と同様である。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、前述のいかなる方式も用いることができる。
(正孔阻止層)
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層6の材料として好ましい。
正孔阻止層6の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
(電子輸送層)
発光層5と後述の電子注入層8の間に、電子輸送層7を設けてもよい。
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率良く発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられる。例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(II)(CsCO3)等が挙げられる(Applied Physics Letters, 1997年
, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices, 1997年,Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
電子注入層8の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
(陰極)
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8または発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。
効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極9の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極9を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極9との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層は、正孔注入層3または正孔輸送層4と発光層5との間に設けられ、発光層5から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は電子阻止層を設けることが効果的である。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。例えば、図1の層構成であれば、基板1上に他の構成要素を陰極9、電子注入層8、電子輸送層7、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に設けてもよい。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バ
ナジウム(V2O5)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
(合成例1)有機金属錯体Q−1の合成
ol)を100mlのdryTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、10分間、窒素バ
ブリングした。これに、0.5Mの2−Pyridylzincbromide 50ml(0.025mol)を加え、さらに10分間、窒素バブリングを行った後、Tetrakis(tetraphenylphosphino) Palladium 0.321g(0.275mmol)を加え、5時間、窒素下リフラックスした。反応液を濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン=1/10でカラム精製を行い、2-(n-Hexylphenyl)pyridine5g(上記化合物1、収率83%、純度99.8%)を得た。
、150℃で約60分間脱水、脱気を行った。放冷した後、これに、Ir(acac)3(acac:acetylacetone)31.253g(2.8mmol)を添加し、そのまま200℃に昇温し
て14時間反応させた(acetylacetoneの留出を確認)。約60℃まで降温させ、メタノ
ールを加えて、晶出した結晶を濾取した。得られた粗結晶をヘキサン/CH2Cl2=1/1でカラム精製し、ジメチルエーテル、メタノールにて再沈殿を行い、Q−1の黄色結晶、0.85g(収率33%)を得た。これを昇華精製して、0.65gの有機金属錯体Q−1を得た。
塩化カルシウム管を備えたフラスコ中で、Ammmonium Nitate8g(0.1mol)、Ethyl orthoformate293.4g(2mol)をEthanol23g(56ml、0.5mol
)中に混和し、滴下ロートを用いて1時間かけて1−Octanal256.4g(2mol)
を滴下した。反応中、温度は30〜36℃に保った。反応液は12時間室温にて撹拌した。得られた反応液を約15mlの10wt%炭酸ナトリウム水溶液にて中和し、有機層を減圧化蒸留して、1,1−Diethoxyoctane367g(収率91%)を無色の液体として得た。
得られた1,1−Diethoxyoctane81g(0.4mol)に、p−toluenesulfonic acid0.36g(2.4mmol)を加え、8時間160℃で加熱した。得られた反応液を蒸留して、1−Ethoxyー1−octene25g(収率61%)を淡黄色液体として得た。
1−Ethoxy−1−octene25g(0.16mol)およびEthyl orthoformate47.4g(0.32mol)を混和し、Trifluoroborane ethrateを窒素気流下、25℃で滴下
し、温度を20〜25℃に保って2時間撹拌した。さらに炭酸ナトリウム2gを固体のまま加え、2時間撹拌した。固体をろ別した後、蒸留により、淡黄色液体の下記化合物、41g(収率98%)を得た。
得られた化合物23g(0.09mol)、1,3−Dimethylurea10.3g(0.116mol)を2-Propanol18gに混和し、さらに35wt%HCl13.1gを加え、1時間30分還流した後、冷却した。冷却後、Pyridine7.1g(0.09mol)、Acetophenone9.73g(0.081mol)を加え、30分室温にて撹拌した後、酢酸ナトリウム37g、酢酸24.3gを加え、100℃で24時間撹拌加熱した。得られた反応液を25wt%水酸化ナトリウム水溶液194gで中和し、トルエンで中和したのち、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色の液体として、2−Phenyl−5−n−hexylpyridine)(化合物2) 2g(収率10%)を得た。
(合成例3)本発明の有機金属錯体D−2の合成
時間後、室温まで昇温させた。これに水を添加し、1NのHClで中和後、酢酸エチルにより抽出を行い、濃縮して白色のロウ状結晶、4-n-Hexylphenylboronic acid6.98g(収
率68%)を得た。
ラックスした。反応液を濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン=1/10でカラム精製を行い、2-(3’-Bromophenyl)-5-methylpyridine16.5g(収率59%、純度97.5%)を合
成した。
間、窒素バブリングした。別に窒素バブリングを行ったSodium carbonate2.86g(0.027mol) と水10mlを加え、さらに10分間窒素バブリングを行った後、Tetrakis(tetraphenylphosphino) Palladium 0.312g(0.27mmol)を加え、3.5時間、窒素下リ
フラックスした。反応液を濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン=1/5でカラム精製を行い、化合物3の2.84g(収率96%、純度99.2%)を得た。
(合成例4)本発明の有機金属錯体D−3の合成
上記有機金属錯体D−1の合成中間体として得られた、12.4g(0.048mol)、1,3−Dimethylurea5.51g(0.062mol)を2-Propanol12gに混和し、さらに35wt%HCl7gを加え、1時間30分還流した後、冷却した。冷却後、Pyridine3.8g(0.048mol)、3−Bromoacetophenone8.61g(0.043
mol)を加え、30分室温にて撹拌した後、酢酸ナトリウム20g、酢酸13gを加え、100℃で24時間撹拌加熱した。得られた反応液を25wt%水酸化ナトリウム水溶液194gで中和したのち、トルエンで抽出し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色の液体として、2−(3’−Bromophenyl)−5−n−hexylpyridine 4.1g(収率12%)を得た。
2−(3’−Bromophenyl)−5−n−hexylpyridine4.1g(0.013mol)、フェニルボロン酸2.38g(0.02mol)、Tetrakis(triphenylPhosphino)Palladiumをトルエン100g、エタノール100gと混和し、2wt%炭酸ナトリウム水溶液
120gを加え、窒素下、90℃で5時間加熱撹拌した。得られた反応液の有機層を抽出し、濃縮したのちカラムクロマトグラフィー(Ethyl acetate/Hexane=1/20)にて
精製して、淡黄色液体である2−(3‘−Biphenyl)−5−n−hexylpyridine3.1g
(収率79%)を得た。
(合成例5)有機金属錯体Q−2の合成
(合成例6)有機金属錯体Q−3の合成
(実施例1及び参考例1)溶解度測定
上記合成された有機金属錯体D−1〜D−3について、それぞれ、トルエンに対する溶解度を測定した。溶解する際の条件は、25℃、1013hPa(大気圧)とした。結果を表Aに示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして、上記合成された有機金属錯体Q−2、Q−3について、それぞれ、トルエンに対する溶解度を測定した。結果を表Aに示す。
※サンビジネス御中
表A中、「実施例1」の欄を上下2つに分け、「D−1」の測定結果は「参考例1」とし、「D−2」と「D−3」の測定結果が「実施例1」となるよう、表を変更して下さい。
図1に示す有機電界発光素子を作製した(ただし、正孔阻止層にかえて正孔緩和層とした)。
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nmの厚さに堆積したもの(三容真空社製、スパッタ成膜品)を、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
を調製した。組成物中、電荷輸送性化合物E−1は2.5重量%、電荷輸送性化合物E−2は2.5重量%、有機金属錯体D−2は0.25重量%とした。この組成物を上記形成された正孔輸送層上に、スピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間30秒、窒素中で、スピンコート法により成膜した後、減圧下(0.1MPa)、130℃で、1時間乾燥させ、膜厚60nmで発光層を得た。
ここで、電子輸送層まで蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して上記電子輸送層と同様にして装置内の真空度が2.1×10−4Pa以下になるまで排気した。
次に、陰極としてアルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.7〜6.1Å/秒、真空度2.3〜2.7×10−4Paで制御して膜厚80nmのアルミニウム層を形成した。以上の2層の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
素子の発光スペクトルの極大波長は520nmであり、有機金属錯体D−2からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.33,0.62)であった。4000cd/m2での半減寿命は600時間であった。
(実施例3)
有機金属錯体D−2を上記合成例4で合成された有機金属錯体D−3に代えた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
実施例2で得られた有機電界発光素子の半減寿命を1としたときの、本有機電界発光素子の半減寿命について、その相対比を表Bに示す。
(比較例2)
有機金属錯体D−2を上記合成例1で合成された有機金属錯体Q−1に代えた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
実施例2で得られた有機電界発光素子の半減寿命を1としたときの、本有機電界発光素子の半減寿命について、その相対比を表Bに示す。
有機金属錯体D−2を上記合成例6で合成された有機金属錯体Q−3に代えた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
実施例2で得られた有機電界発光素子の半減寿命を1としたときの、本有機電界発光素子の半減寿命について、その相対比を表Bに示す。
2.陽極
3.正孔注入層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.正孔阻止層
7.電子輸送層
8.電子注入層
9.陰極
Claims (9)
- 上記式(1)において、R7及び/又はR13が、置換基を有していてもよい炭素数5以上のアルキル基である、請求項1に記載の有機金属錯体。
- 請求項1または2に記載の有機金属錯体および溶剤を含有する、有機金属錯体含有組成物。
- 請求項1または2に記載の有機金属錯体からなる、発光材料。
- 請求項1または2に記載の有機金属錯体からなる、有機電界発光素子材料。
- 基板上に、陽極、陰極および該陽極と該陰極の間に、有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層が、請求項1または2に記載の有機金属錯体を含有する、有機電界発光素子。
- 該有機層が発光層である、請求項6に記載の有機電界発光素子。
- 請求項6または5に記載の有機電界発光素子を用いた、有機ELディスプレイ。
- 請求項6または5に記載の有機電界発光素子を用いた、有機EL照明。
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