JP2010199326A - 樹脂回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹部のスミアを除去することができると共に、密着強度を確保することができる表面粗さに樹脂表面の表面処理をすることができる樹脂回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】高分子樹脂の樹脂基材の表面に金属回路パターンが形成された樹脂回路基板の製造方法であって、樹脂基材の処理表面に、凹部を加工する凹部加工処理工程S11と、この処理表面に、オゾン水を接触させる第一オゾン水処理工程S12と、この処理表面に、アルカリ溶液を接触させてアルカリ処理を行う第一アルカリ処理工程S13と、この前記処理表面に、オゾン水を接触させる第二オゾン水処理工程S14と、この処理表面に、アルカリ溶液を接触させてアルカリ処理を行う第二アルカリ処理工程S16と、この処理表面に、金属触媒を吸着させる触媒吸着処理を行う工程S18と、この処理表面に、無電解めっき処理を行う工程S20と、含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子樹脂の基材の表面に金属回路パターンを形成した樹脂回路基板の製造方法であって、特に、無電解めっき処理を利用して、好適に製造することができる樹脂回路基板の製造方法に関する。
従来から、高分子樹脂の基材の表面に、金属パターンを形成する場合に、無電解めっき処理を利用する場合がある。この無電解めっき処理とは、溶液中の金属イオンを化学的に還元析出させて、高分子樹脂の基材の表面に、金属被膜を形成する処理である。このように、無電解めっき処理は、化学的な還元反応を利用しているので、電力によって電界析出させる電気めっきとは異なり、一般的に絶縁体からなる高分子樹脂の表面であっても金属被膜(金属めっき層)を形成することができる。
このような樹脂回路基板は、図3に示すようにして、製造される。具体的には、高分子樹脂からなるコア材91の表面に、金属箔の導電層92を形成し、さらに、コア材91と導電層92を覆うように、高分子樹脂からなる絶縁層93を被覆した樹脂基材を準備する。ここでは、導電層92と絶縁層93が単層で積層されているが、これらの層は幾重にも積層されていてもよい。そして、この被覆された導電層92の一部の表面を露出させるべく、レーザ加工やドリル加工により絶縁層93を除去し、樹脂基材の表面に凹部93aを形成する凹部加工処理を行う。さらに、この凹部加工処理された表面に、無電解めっき処理を行い、これにより、樹脂基材の絶縁層93の表面に、金属回路パターン94を形成する。
このような製造方法により製造された樹脂回路基板90Aは、凹部加工処理の際に、レーザ加工やドリル加工などにより絶縁層の一部を除去するが、導電層92の表面を完全に露出することは難しく、凹部の導電層92の露出表面に残渣であるスミア(スカム)sが発生することがある。このようなスカムsは、導電層92とこれに被覆された無電解めっきによる層との導通性を阻害することになり、これにより、樹脂回路基板90Aの信頼性を損なう場合があった。また、無電解めっきを行う場合には、めっき密着性を向上させるため、樹脂回路基板90Aの表面の表面を粗化する必要があった。
このような点を鑑みて、例えば、凹部加工処理後の樹脂基材の表面に、オゾン水や過マンガン酸水溶液などを接触させる表面処理を行うことにより、樹脂基材の表面を粗化すると共に、スミアを除去する表面処理を行うことが一般的である(例えば、特許文献1又は2参照)。
特開2002−280683号公報 特開2002−016173号公報
しかし、前記表面処理として過マンガン酸水溶液を接触させた場合には、図4に示すように、凹部93aのスミアを除去することができるが、図4に示すように、樹脂基材の表面が粗化され過ぎてしまい、樹脂基材の表面93cの表面粗さ(凹凸)が大きくなり、樹脂回路基板90Bとしての高周波に対する特性が阻害されるおそれがある。さらに、このような表面処理は、樹脂基材の劣化をも引き起こしてしまうため、金属回路パターン(金属箔)94の密着強度が低下してしまう。
一方、前記表面処理としてオゾン水を接触させた場合には、図3に示すように、無電解めっき処理をする場合に、過マンガン酸水溶液により処理を行った場合に比べて、樹脂基材の表面粗さを粗化し過ぎない。これにより、過マンガン酸水溶液による処理と同等以上の金属回路パターン(金属箔)94の密着強度を得ることが可能となり、高周波による伝送損失を抑制することができるので、有利である。しかしながら、図3に示すように、凹部93aのスカムsを除去することができない場合が多い。このような結果、上述したように、電子部品としての導通性や信頼性が阻害されてしまう。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂基材の表面に凹部加工処理を行った場合であっても、その処理表面(凹部)にスミアを除去することができると共に、無電解めっきを行うに好適な密着強度を確保することができる表面粗さに表面処理をすることができる樹脂回路基板の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、発明者は、鋭意検討を重ねた結果、オゾン水処理及びアルカリ処理の一連処理を一度に行った場合、処理時間及び処理濃度を選定したとしても、処理表面の粗化とスカムの除去を好適に行うことは難しいということがわかった。すなわち、従来通りのオゾン水処理及びアルカリ処理の一連処理ではスカムを除去できず、一方、スカムの除去を目的として、オゾン水処理及びアルカリ処理を行った場合には、この一連の処理で処理表面の劣化が進行してしまい、無電解めっきにより形成される金属被膜の密着力が低下するということがわかった。
そこで、発明者は、この一連の処理をスカムの除去の目的、及び処理表面の粗化の目的の2つの目的に応じて、2回に分けて、行うことにより、スカム除去がされると共に、粗化し過ぎない処理表面の表面処理も実現可能であるとの新たな知見を得た。
本発明は、このような新たな知見によりなされたものであり、本発明に係る樹脂回路基板の製造方法は、高分子樹脂の樹脂基材の表面に金属回路パターンが形成された樹脂回路基板の製造方法であって、前記高分子樹脂の一部を除去することにより、前記樹脂基材の処理表面に、凹部を加工する凹部加工処理工程と、該凹部加工処理後の前記処理表面に、オゾン水を接触させる第一オゾン水処理工程と、前記第一オゾン水処理後の前記処理表面に、アルカリ溶液を接触させてアルカリ処理を行う第一アルカリ処理工程と、アルカリ処理後の前記処理表面に、オゾン水を接触させる第二オゾン水処理工程と、前記第二オゾン水処理後の前記処理表面に、アルカリ溶液を接触させてアルカリ処理を行う第二アルカリ処理工程と、前記第二アルカリ処理後の処理表面に、金属触媒を吸着させる触媒吸着処理を行う工程と、該触媒吸着処理後の処理表面に、無電解めっき処理を行う工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、まず、レーザ加工や、ドリル加工により、樹脂基板に対して凹部加工処理を行う。この際、レーザ加工や、ドリル加工により、凹部にスカムが発生することがある。次に、第一オゾン水処理により、凹部加工処理後の処理表面に、オゾン水を接触させる。これにより、凹部に発生したスカムの一部又は全部が親水性を有する(改質される)。なお、第一オゾン水処理は、凹部に発生したスミアの改質を主目的とするものであり、基材の処理表面を積極的に改質することを目的とするものではない。そして、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いて、第一アルカリ処理を行うことにより、スカムの一部又は全部を除去することができる。
そして、次に、第二オゾン水処理により、アルカリ処理後の前記処理表面に、オゾン水を接触させる。これにより、第二オゾン水処理において、無電解めっき処理をすべき(金属回路パターンを形成すべき)処理表面に対して、改質を行うことができる。また、第一オゾン処理工程において除去できなかったスカムの一部は、確実に改質され易い。そして、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いて、第二アルカリ処理を行うことにより、凹部のスカムが完全に除去されると共に、処理表面が粗化される。
このように、本発明では、第一オゾン水処理と第二オゾン水処理の処理条件等を適宜設定して、まず、スカムの除去をすべく第一オゾン水処理を行い、処理表面の表面改質を過度の行わないようにすることができる。そして、仮にスカムの一部が残留したとしても、その後の第二オゾン水処理で、その後の第二アルカリ処理により適切な表面粗度になるように、処理表面の改質のみを行うことで、第二アルカリ処理において、残留したスカムの一部も合わせて除去することができる。
このように、一連の処理を行われた処理表面に対して、触媒吸着処理工程において、処理表面に金属触媒を吸着させ、この金属触媒を触媒として、金属回路パターンを形成するので、電子部品としての導通性が高く、信頼性が高い樹脂回路基板を得ることができる。
なお、本発明でいう「樹脂回路基板」とは、絶縁性の高分子樹脂の基材の表面に、無電解めっきにより金属回路パターン(金属配線パターン)が形成された基板のことをいう。また、本発明でいう「樹脂基材」とは、その内部に導電層等を含む高分子樹脂を主材とした樹脂基材をも含むものをいい、凹部加工処理後の「処理表面」とは、凹部を含む無電解めっき処理をすべき処理表面のことをいう。なお、高分子樹脂は、不飽和結合を有する高分子樹脂であることが望ましい。このような高分子樹脂を有することにより、めっきの密着性を向上させることができる。
また、本発明に係る樹脂回路基板の製造方法は、前記第一のオゾン水処理工程におけるオゾン水の濃度が、第二のオゾン水処理工程におけるオゾン水の濃度よりも低いことがより好ましい。これにより、第一オゾン水処理工程においては、処理表面の樹脂をマイルドに改質し、積極的にスカムを改質させることができるので、第一アルカリ処理工程において、処理表面(樹脂表面)の表面粗さが大きくなることなく、スカムを除去することができ、さらに、第二オゾン水処理工程において、処理表面を好適に改質することができるので、第二アルカリ処理工程において、好適な表面粗さにまで処理表面を粗化することができる。また、第一アルカリ処理工程において、完全にスカムが除去できない場合であっても、第二アルカリ処理工程においては、取りきれなかったスカムの除去をすることができる。
また、本発明に係る樹脂回路基板の製造方法は、前記第一及び第二のアルカリ処理後に、酸処理を行ってもよい。これにより、表面層が除去された表面は、アルカリ成分が残留している場合もあるが、酸処理を施すことにより、その表面の残留したアルカリ成分を確実に中和させることができる。
本発明によれば、樹脂基材の表面に凹部加工処理を行った場合であっても、その処理表面(凹部)にスミアを除去することができると共に、無電解めっきを行うに好適な密着強度を確保することができる表面粗さに表面処理をすることができる。これにより、導電性及び高周波特性に優れた信頼性の高い樹脂回路基板を得ることができる。
本実施形態に係る樹脂回路基板の製造方法の各工程を示したフロー図。 図1に示す工程を説明するための図であり、(a)は、図1の凹部加工処理(レーザ加工処理)工程を説明するため図であり、(b)は、図1の第一オゾン水処理工程を説明するための図であり、(c)は、第一アルカリ処理−酸処理工程を説明するための図である。さらに、図1の(d)は、第二オゾン水処理工程を説明するための図であり、(e)は、アルカリ脱脂処理工程及び第二アルカリ処理−酸処理工程を説明するための図であり、(f)は、プレディップ処理工程から無電解めっき処理工程までの工程を説明するための図。 従来の樹脂回路基板の製造方法により得られた樹脂回路基板を示した図。 従来の別の樹脂回路基板の製造方法により得られた樹脂回路基板を示した図。
以下に、図面を参照して、本発明に係る樹脂回路基板の製造方法について実施形態に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る樹脂回路基板の製造工程を説明するためのフロー図であり、図2は、図1に示す工程を説明するための図であり、(a)は、図1の凹部加工処理(レーザ加工処理)工程S11を説明するため図であり、(b)は、図1の第一オゾン水処理工程S12を説明するための図であり、(c)は、第一アルカリ処理−酸処理工程S13を説明するための図である。さらに、図2の(d)は、第二オゾン水処理工程S14を説明するための図であり、(e)は、アルカリ脱脂処理工程S15及び第二アルカリ処理−酸処理工程S16を説明するための図であり、(f)は、プレディップ工程S17から無電解めっき処理工程S20までの工程を説明するための図である。
まず、図1及び2(a)に示すように、導電層12と、この導電層12を被覆した絶縁層13と、からなる樹脂基材10を準備し、凹部加工処理工程S11において、レーザ加工により、樹脂基材10の絶縁層13に対して凹部加工処理を行う。
ここで準備する樹脂基材10の導電層12は、電気回路として電気を通電することができる導電性材料からなり、本実施形態では、導電層12は銅又は銅合金からなるが、この他にも、金、白金、銀、錫、ニッケル、及びこれらの合金材料からなってもよい。
また、樹脂基材10の絶縁層13は、電気的に絶縁性を有し、かつ、オゾン水処理で改質することができる高分子樹脂からなる。具体的には、本実施形態の絶縁層13は、不飽和結合を有する高分子樹脂(エポキシ樹脂)からなるが、オゾン水処理により無電解めっきを行なうことができるものであれば、その種類及び形状は制限されない。
ここで、不飽和結合とはC=C結合、C=N結合、C≡C結合などをいい、不飽和結合をもつ高分子樹脂としては、エポキシ樹脂以外にも、ABS樹脂、AS樹脂、PS樹脂、AN樹脂、エポキシ樹脂、PMMA樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂などの高分子樹脂を用いることができる。
なお、本実施形態では、従来技術において示したコア材は図示せずに省略しており、ここでは、ビルドアップ基板となるように、導電層12と絶縁層13が単層で積層されているが、これらの層は幾重にも積層されていてもよく、導電層12を含まず、絶縁層の材料のみからなる樹脂基材であってもよい。
そして、このように準備された樹脂回路基板に対して、レーザが導電層12の表面に到達するまで、レーザを処理表面に照射しながら樹脂基材10の絶縁層13の一部の除去を行う。このようにして、形成された凹部13aには、完全に除去しきれない樹脂が、スカム(スミア)s1として発生する。
次に、図1及び図2(b)に示すように、第一オゾン水処理工程S12において、凹部加工処理工程S11後の凹部13aを含む処理表面13bに、オゾン水を接触させる。ここで、第一オゾン水処理は、凹部13aに発生したスカムs1の改質を主目的とするものであり、基材の処理表面13bを積極的に改質することを目的とするものではない。
具体的な処理方法としては、このオゾン処理工程において、少なくとも基材の処理表面13bにオゾン水(オゾンが溶存した水)を接触させて、スカムs1の改質を行う。第一オゾン水処理の処理条件として、従来のオゾン水により処理表面を改質していたオゾン濃度よりも低いオゾン濃度のオゾン水により改質を行う。すなわち、本実施形態では、第一オゾン水処理は、後述する第二オゾン水処理のおけるオゾン濃度よりも低いオゾン濃度のオゾン水により、処理を行うものである。スカムs1の除去をすべく第一オゾン水処理を行い、処理表面の表面改質を過度の行わないようにすることができる。発明者の実験によれば、オゾン水濃度の条件は、第一オゾン水処理のオゾン濃度は、第二オゾン水処理のオゾン濃度の1/2程度が望ましい。
オゾン水を処理表面に接触の方法としては、処理表面にオゾン水をスプレーしてもよく、基材をオゾン水中に浸漬してもよい。浸漬による基材へのオゾン水の接触は、スプレーによる基材へのオゾン水の接触に比べてオゾン水からオゾンが離脱し難いため、より好ましい。なお、本実施形態では、オゾン水を用いたがオゾンが溶存できる溶液であり、さらに、基材にダメージを与えるものでなければ、オゾンが溶存する溶媒は水に限定されるものではない。
次に、図1及び図2(c)に示すように、第一アルカリ処理−酸処理工程S13を行なう。第一オゾン水処理後の処理表面13bにイオン性界面活性剤とアルカリ成分とを含む溶液を接触させる。たとえば、イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルエーテルなどを挙げることができる。
さらに、アルカリ成分としては、高分子樹脂を分子レベルで溶解して改質されたスカムs1を除去できるものを用いることが望ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができる。
界面活性剤とアルカリ成分とを含む溶液の溶媒としては、極性溶媒を用いることが望ましく、水を代表的に用いることができるが、場合によってはアルコール系溶媒あるいは水−アルコール混合溶媒を用いてもよい。また溶液を基材と接触させるには、基材を溶液中に浸漬する方法、処理表面に溶液を塗布する方法、処理表面に溶液をスプレーする方法などで行うことができる。そして、アルカリ処理後の処理表面13cに、処理表面13cに残留したアルカリ成分を硫酸や塩酸等の酸性溶液により中和させる。
このようにして、図2(c)に示すように、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いて、第一アルカリ処理を行うことにより、スカムの一部又は全部を除去することができる。また、第一オゾン水処理により改質される処理表面13bは、従来のオゾン水処理により改質される処理表面よりも、その改質の度合いは低い。これにより、図2(c)に示すように、処理表面13cは、これまでのオゾン水処理後のアルカリ処理をものに比べて、粗化され難い。このように、第一アルカリ処理工程において、処理表面(樹脂表面)13cの表面粗さが大きくなることなく、スカムs1の一部又は全部を除去することができる。
次に、図1及び図2(d)に示すように、第二オゾン水処理工程S14において、第一アルカリ処理−酸処理工程S13後の凹部13aを含む処理表面13bに、オゾン水を接触させる。ここで、第二オゾン水処理は、処理表面13cの改質を主目的とするものである。
すなわち、第二オゾン水処理の処理条件として、従来のオゾン水と略同等のオゾン濃度のオゾン水により改質を行う。本実施形態では、第二オゾン水処理は、後述する第一オゾン水処理のおけるオゾン濃度よりも高いオゾン濃度のオゾン水により、処理を行うものである。具体的な、オゾン水処理の方法は、第一オゾン水処理に示した方法と同様の方法で行う。
具体的な処理方法としては、このオゾン処理工程において、少なくとも基材の処理表面13bにオゾン水(オゾンが溶存した水)を接触させて、処理表面13cの改質を行う。溶液中のオゾンによる酸化によって処理表面13cの樹脂の少なくとも一部の不飽和結合が切断され、オゾニド、メチロール基あるいはカルボニル基などが生成すると考えられる。
この、メチロール基、カルボニル基などは金属原子と化学結合を形成し得る官能基でありあるため、後述する無電解めっきによるめっき被膜と強く結合するので、めっき被膜と基材との付着強度を向上させることができる。これにより、処理表面13cを含む改質層13dが形成される。
次に、必要に応じて、図1に示すように、アルカリ脱脂処理工程S15において、アルコール等を処理表面に接触させて、脱脂を行い、図1及び図(e)により、第二アルカリ処理−酸処理工程S16を行う。具体的な処理方法は、第一アルカリ処理−酸処理工程S13と同様の方法で処理を行う。
このようにして、図2(d)に示すように、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いて、第二アルカリ処理を行うことにより、さらに、第二オゾン水処理工程S14により処理表面13cを含む改質層13dを好適に改質することができるので、第二アルカリ処理工程において、好適な表面粗さにまで粗化された処理表面13eを得ることができる。また、第一アルカリ処理工程において、完全にスカムが除去できない場合であっても、第二アルカリ処理工程においては、取りきれなかったスカムs2の除去をすることができる。さらに、アルカリ処理により基材の表面に残留したアルカリ成分を硫酸や塩酸等の酸性溶液により中和させる。
その後、図1及び図2(f)に示すように、従来と同様に、必要に応じて、プレディップ処理工程S17を行い、その後、触媒処理工程S18、還元処理工程S19、無電解めっき処理工程S20の一連の処理工程を行う。
具体的には、触媒処理工程S18において、少なくとも処理表面13eを、塩酸水溶液に塩化パラジウム及び塩化錫が溶解した触媒溶液中に浸漬する。これにより、処理表面13eに触媒を吸着させる。
このような、高分子樹脂に吸着させる金属触媒としては、パラジウム触媒を挙げたが、パラジウム触媒は、汎用性に富んでおり、銅の金属めっき被膜を形成する場合には、密着性等の観点から好適であるからである。
また、金属触媒としては、無電解めっきにより、高分子樹脂の処理表面13eに金属めっき被膜が形成されるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、パラジウム、銀、コバルト、ニッケル、ルテニウム、セリウム、鉄、マンガン、ロジウムなどの金属触媒を挙げることができ、これらの組み合わせであってもよい。金属めっき被膜の金属としては、銅、銅合金等の金属を挙げることができる。
次に、還元処理工程S19において、少なくとも処理表面を酸性溶液に接触させて、Pd触媒の活性化を図る。そして、無電解めっき処理工程S19を行う。本実施形態では、めっきを行う金属に銅を用いる。具体的には、処理表面13eに銅めっき液を接触させ、めっき金属である銅が基材の処理表面13eの官能基と結合し、処理表面13eにめっき被膜14が形成される。なお、無電解めっき処理の条件、析出させる金属種なども制限されず、従来の無電解めっき処理と同様である。その後、電解めっきを行う。このようにして、不飽和結合を有する高分子樹脂の樹脂基材の表面に、めっき被膜14(金属回路パターン)が形成された樹脂回路基板100を得ることができる。
本発明の樹脂回路基板の製造方法を実施例により説明する。
(実施例)
樹脂基材として、エポキシ樹脂を用いて、凹部加工処理工程において、レーザにより直径0.1mm、深さ0.04mmの凹部を形成した。次に、第一オゾン処理工程において、オゾン水に20ppm,20℃、10分、樹脂基材を浸漬させた。その後、第一アルカリ処理−酸処理工程において、10質量%の水酸化トリウム水溶液に樹脂基材を5分浸漬させ、10質量%硫酸水溶液に1分浸漬させた。
次に、第二オゾン処理工程において、オゾン水に40ppm,20℃、10分、樹脂基材を浸漬させた。その後、低級アルコールでアルカリ脱脂を行い、第一アルカリ処理−酸処理工程において、10質量%の水酸化トリウム水溶液に樹脂基材を5分浸漬させ、10質量%硫酸水溶液に1分浸漬させた。
さらに、プレディップ処理工程において塩酸溶液に浸漬させ、その後、触媒吸着工程において、3N塩酸水溶液に塩化パラジウムを0.1重量%溶解し、塩化錫を5重量%溶解して30℃に加熱された触媒溶液中に3分間浸漬した。次いで、還元処理工程において、パラジウムを活性化するために、1.5N塩酸水溶液に3分間浸漬した。これによりパラジウム触媒を吸着させた。その後、30℃に保温された硫酸銅めっき浴中に浸漬し、活性表面に無電解銅めっき被膜を膜厚として0.5μm程度析出させ、その後、熱処理により表面を乾燥させた。
続いて、無電解銅めっき工程において、硫酸銅系Cu電解めっき浴において、無電解銅めっき被膜の表面に電解銅めっき被膜を25μm程度析出させた。その後、エッチングを行い、銅回路パターンを形成し、樹脂回路基板を製造した。
[評価方法]
このようにして、製造された樹脂回路基板の断面を確認しスカムの有無等を確認した。また、スクラッチ試験を行い銅被膜の密着性も確認した。
(比較例1)
実施例と同じようにして、樹脂回路基板を製造した。実施例と相違する点は、第一オゾン水処理工程〜第一アルカリ処理−酸処理工程を行わずに、樹脂回路基板を製造した点である。そして、実施例と同様の評価方法により、評価を行なった。
(比較例2)
実施例と同じようにして、樹脂回路基板を製造した。実施例と相違する点は、第一オゾン水処理工程〜第一アルカリ処理−酸処理工程を行わずに、樹脂回路基板を製造した点であり、第二オゾン水処理工程の処理時間を20分行った点である。そして、実施例と同様の評価方法により、評価を行なった。
[結果及び考察]
実施例1及び比較例2の樹脂回路基板の凹部にスカムはなかったが、比較例1の樹脂回路基板の凹部にはスカムが存在した。また、スラッチ試験では、実施例1及び比較例1は、同等の密着強度であったが、比較例2は、実施例1及び比較例1に比べて、密着強度は低かった。
このことから、比較例1の如く従来の製造方法で、処理を行った場合には、凹部加工処理時に発生するスカムを除去することは難しいと考えられる。また、比較例2の如く、単にオゾン水処理時間を比較例1に比べて長くすることにより、スカムの除去を行ったとしても、樹脂基材の処理表面がオゾン水により劣化されすぎてしまい、めっき被膜の密着強度の低下を招くと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、凹部加工処理工程後、第一オゾン水処理工程を行ったが、第一オゾン水処理工程の前処理工程として、有機溶剤などの膨潤剤を用いて、スカムを膨潤させてもよい。これにより、第一アルカリ処理工程において、より好適にスカムを除去することができる。
10:樹脂基材、12:導電層、13:絶縁層、13a:凹部、13b〜13c:処理表面、14:金属回路パターン(めっき被膜)、100:樹脂回路基板、s1,s2:スカム(スミア)、S11:凹部加工処理(レーザ加工処理)工程、S12:第一オゾン水処理工程、S13:第一アルカリ処理−酸処理工程、S14:第二オゾン水処理工程、S15:アルカリ脱脂処理工程、S16:第二アルカリ処理−酸処理工程、S17:プレディップ処理工程、S18:触媒処理工程、S19:還元処理工程、S20:無電解めっき処理工程

Claims (2)

  1. 高分子樹脂の樹脂基材の表面に金属回路パターンが形成された樹脂回路基板の製造方法であって、
    前記樹脂基材の処理表面に、凹部を加工する凹部加工処理工程と、
    該凹部加工処理後の前記処理表面に、オゾン水を接触させる第一オゾン水処理工程と、
    前記第一オゾン水処理後の前記処理表面に、アルカリ溶液を接触させてアルカリ処理を行う第一アルカリ処理工程と、
    第一アルカリ処理後の前記処理表面に、オゾン水を接触させる第二オゾン水処理工程と、
    前記第二オゾン水処理後の前記処理表面に、アルカリ溶液を接触させてアルカリ処理を行う第二アルカリ処理工程と、
    前記第二アルカリ処理後の処理表面に、金属触媒を吸着させる触媒吸着処理を行う工程と、
    該触媒吸着処理後の処理表面に、無電解めっき処理を行う工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする樹脂回路基板の製造方法。
  2. 前記第一のオゾン水処理工程におけるオゾン水の濃度は、第二のオゾン水処理工程におけるオゾン水の濃度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の樹脂回路基板の製造方法。
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