JP2009272468A - 樹脂回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒金属を用いて、高分子樹脂からなる基材の表面により表面密度の高い金属回路パターンを形成した場合であっても、基材にダメージを与えることなく、基材の表面層にある触媒金属を好適に除去することができる樹脂回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂回路基板1の製造方法は、高分子樹脂の基材11の表面11aに、金属触媒31を用いて金属めっき層21を形成する工程と、該金属めっき層21の一部をエッチングにより除去し、前記金属めっき層21を含む金属回路パターン22を形成する工程と、前記金属めっき層21が少なくとも除去された基材11の表面層11bを、オゾン水処理により改質する工程S17と、前記改質された前記基材の表面層11cを、アルカリ処理のより除去する工程S18と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、高分子樹脂の基材の表面に金属回路パターンを形成した樹脂回路基板の製造方法であって、特に、無電解めっき処理を利用して、好適に製造することができる樹脂回路基板の製造方法に関する。
従来から、高分子樹脂の基材の表面に、金属パターンを形成する場合に、無電解めっき処理が利用される場合がある。この無電解めっき処理とは、溶液中の金属イオンを化学的に還元析出させて、高分子樹脂の基材の表面に、金属被膜を形成する処理である。このように、無電解めっき処理は、化学的な還元反応を利用しているので、電力によって電界析出させる電気めっきとは異なり、一般的に絶縁体からなる高分子樹脂の表面であっても金属被膜(金属めっき層)を形成することができる。
ところで、無電解めっき処理を行う場合には、高分子樹脂の表面に例えばパラジウムなどの金属触媒を吸着させ、この基材を例えば銅めっき浴等の金属イオンのめっき浴に浸漬し、基材表面に金属を析出させて、金属めっき層を形成する。次に、所望の金属回路パターンに合わせて、金属めっき層の表面に樹脂被膜(マスキング層)を形成する。具体的には、樹脂被膜で金属回路パターンが形成される予定の部分以外を覆い、それ以外の部分(金属回路パターンが形成される予定部分)には、さらに電気めっきにより金属を析出させる。
その後、樹脂被膜を剥離すると共に、電気めっき後の基材をエッチング液に浸漬させて、金属回路パターン以外の箇所の金属めっき層を剥離して、基材の表面に金属回路パターンを形成する。このような方法により、例えばビルドアップ基板等が製造される。
しかし、無電解めっき処理を利用した場合には、パラジウム等の金属触媒を樹脂表面に吸着させているが、この金属触媒はエッチング液に溶融し難く、基材の表面に露呈した状態で樹脂基材に埋設されて、残存することがあった。この場合、残存した金属触媒により、回路のショートが発生することがあった。
このような点を鑑みて、例えば、高分子樹脂の基板の表面にパラジウム触媒を吸着させ、金属めっき層を形成する工程と、該金属めっき層の一部をエッチングにより除去して、金属回路パターンを形成する工程と、金属回路パターン形成後の基板の表面に、酸化処理を行う工程と、を少なくとも含む樹脂回路基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような樹脂回路基板の製造方法によれば、前記酸化処理を行うことにより、高分子樹脂は膨潤し、パラジウムが吸着している樹脂が除去されることになる。また、別の方法として、前記金属回路パターン形成後の基板の表面に、例えば、金属触媒を除去すべく樹脂基板の表面を機械的に研磨する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−186351号公報 特開平5−235545号公報
ところで、近年、ビルドアップ基板における金属回路パターンは、より細かいものになってきており、そのパターン同士の間隔(ギャップ)も狭く、基材に対する金属回路の表面密度が高いものとなってきている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法により、このような樹脂回路基板を製造した場合には、金属触媒が吸着している表面層の厚さはナノレベルであるにもかかわらず、それ以上のマイクロオーダの深さにある基材の高分子樹脂までも膨潤させてしまうため、基板の樹脂部分に与えるダメージが大きい。
また、特許文献2に記載の方法により樹脂回路基板を製造した場合には、金属回路パターンに影響を与えずに、金属触媒が吸着した表面層を除去し、金属触媒を完全に除去することは難しい。この結果、金属触媒の残存により、基板の絶縁抵抗不良が発生したり、金属回路パターンの金属のマイグレーションが助長されたりする。この他にも、その後、電気電解めっき処理をさらに行う場合には、残存した金属触媒により、基板上に金属が異常析出する場合もあった。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、触媒金属を用いて、高分子樹脂からなる基材の表面により表面密度の高い金属回路パターンを形成した場合であっても、基材にダメージを与えることなく、基材の表面層にある触媒金属を好適に除去することができる樹脂回路基板の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る樹脂回路基板の製造方法は、高分子樹脂の基材の表面に、金属触媒を用いて金属めっき層を形成する工程と、該金属めっき層の一部をエッチングにより除去して、金属回路パターンを形成する工程と、前記金属めっき層が除去された基材の表面層を、オゾン水処理により改質する工程と、前記改質された表面層を、アルカリ処理により除去する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高分子樹脂の表面に、金属触媒を吸着させ、この金属触媒を触媒として金属めっき層を形成し、この金属触媒の一部を除去して金属回路パターンを形成する。この際に、金属めっき層が除去された基材の表面層には、金属触媒が含まれており、改質工程において、オゾン水処理によりその表面層は改質されて親水性を有した表面層(改質層)になる。そして、除去工程において、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリ処理を行うことにより、この水溶液に対して親水性を有する表面層(改質層)の樹脂を溶解して除去し、基材の表面に露呈した金属触媒を取り除くことができる。
また、高分子樹脂に吸着された金属触媒は、基材の数ナノレベルの表面層に存在するのに対して、オゾン水処理を行うことにより、親水性に改質される表面層(改質層)も数ナノレベルである。よって、過剰に樹脂を膨潤させることなく、基材に与えるダメージを最小限に抑えて金属触媒が存在する表面層のみを効率的に除去することができる。
このようにして、樹脂回路基板の絶縁抵抗不良を回避し、樹脂回路基板の表面におけるマイグレーションの助長を抑えるばかりでなく、基板のダメージを抑えることができる。さらに、その後、この樹脂回路基板にさらなる電気めっきを行った場合であっても、残存する金属触媒はないので、不要な箇所に電気的に金属が異常析出をすることはない。これにより、高分子樹脂の基板の表面に、より表面密度の高い金属パターンを形成することができる。
なお本発明でいう「樹脂回路基板」といは、絶縁性の高分子樹脂の基材の表面に、金属回路パターン(金属配線パターン)が形成された基板のことをいう。
このような、高分子樹脂に吸着させる金属触媒としては、パラジウム、銀、コバルト、ニッケル、ルテニウム、セリウム、鉄、マンガン、ロジウムなどの金属触媒を挙げることができ、これらの組み合わせであってもよく、金属めっき層は、銅、ニッケル等の金属のめっき層を挙げることができ、無電解めっきにより、高分子樹脂の基材表面に金属めっき層が形成されるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい金属触媒は、パラジウム触媒であり、前記金属めっき層は、銅めっき層である。パラジウム触媒は、汎用性に富んでおり、銅の金属めっき層を形成する場合には、密着性等の観点から好適である。
また、本発明に係る前記樹脂回路基板の製造方法は、前記基材の表面層を除去する工程後、少なくとも前記表面層が除去された表面に酸処理を行う工程をさらに含む。本発明によれば、表面層が除去された表面は、アルカリ成分が残留している場合もあるが、酸処理を施すことにより、その表面の残留したアルカリ成分を確実に中和させることができる。
本発明によれば、触媒金属を用いて、高分子樹脂からなる基材の表面により表面密度の高い金属回路パターンを形成した場合であっても、基材にダメージを与えることなく、基材の表面層にある触媒金属を好適に除去することができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る樹脂回路基板の製造方法について実施形態に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る樹脂回路基板の製造工程を説明するためのフロー図であり、図2は、図1に示す工程を説明するための図であり、(a)は、図1の化学銅めっき工程S11と熱処理工程S12を説明するため図であり、(b)は、図1の感光樹脂のラミネート〜現像までの工程S13を説明するための図であり、(c)は、電気銅めっき工程S14を説明するための図である。さらに、図2の(d)は、感光樹脂除去工程S15及びエッチング工程S16を説明するための図であり、(e)は、オゾン水処理工程(改質工程)S17を説明するための図であり、(f)は、アルカリ処理工程S18〜熱処理工程S20を説明するための図である。
図1及び図2(a)に示すように、化学銅めっき工程(無電解めっき工程)S11として、高分子樹脂としてエポキシ樹脂の基材11を準備し、この基材11の表面11aに、パラジウム触媒31を用いて銅めっき層21を形成する(金属めっき形成工程)。この無電解めっき工程は、溶液中の金属イオン(本実施形態では銅)を化学的に還元析出させて、高分子樹脂の基材の表面に金属めっき層を形成する、一般的に知られた処理である。
具体的には、塩酸水溶液などの酸性水溶液中に、少なくとも塩化パラジウムを溶解して、触媒溶液を調製する。この触媒溶液中に基材11を浸漬し、その後、パラジウムを活性化するために、塩酸水溶液などの酸性水溶液中に樹脂基材をさらに浸漬し、基材11に金属触媒としてパラジウム触媒31を吸着させる。そして、硫酸銅系電気めっき浴に、この基材11を所定の時間浸漬させて、0.5μm程度の層厚みの銅めっき層21を形成する。その後、熱処理を施すことにより、基材11の表面の不要物を分解除去するまたは皮膜(銅めっき層21)中のガスを除去する、と共に、金属めっき層21が形成された基材11の表面を乾燥する。なお、銅めっき層21と基材11との密着性を向上させるために、無電解めっき処理の前処理としてオゾン水処理をさらに行ってもよい。
本実施形態では、高分子樹脂として、エポキシ樹脂を用いたが、ABS,AS,AAS,PS,EVA,PMMA,PBT,PET,PPS,PA,POM,PC,PP,PE,エラストマーとPPを含むポリマーアロイ,変成PPO,PTFE,ETFEなどの熱可塑性樹脂、あるいはフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や、例えばエポキシ樹脂にシアネート樹脂を加えた樹脂などであってもよく、無電解めっきを行なうことができること、金属回路パターンを形成することの条件を満たすことができるのであれば、その種類及び形状は制限されない。
また、金属触媒として、汎用性、析出性の観点からパラジウム触媒31を用いたが、銀、コバルト、ニッケル、ルテニウム、セリウム、鉄、マンガン、ロジウムなどの金属触媒であってもよい。
図1及び図2(b)に示すように、感光樹脂のラミネート〜現像までの工程S13を行なう。具体的には、基材11の銅めっき層21の表面に、紫外線硬化性樹脂などの感光樹脂(いわゆるフォトレジストフィルム)をラミネートする。次に、感光樹脂のうち、銅回路パターンを形成すべき部分以外の箇所に、紫外線を照射することにより感光樹脂を露光して硬化させ、その後、アルカリ溶液や水洗等により未硬化の感光樹脂を除去し現像を行なう。この一連の工程により、基材11の銅めっき層21の表面のうち、銅回路パターン22を形成しない箇所に、感光樹脂のマスキング層41が形成される。
次に、図1及び図2(c)に示すように、電気銅めっき工程S14を行なう。この工程では、所定の硫酸銅水溶液に、マスキング層41を有した基材11を浸漬すると共に、基材と電極間に電源を接続する。これにより、マスキング層41以外の銅めっき層21が露呈した箇所、すなわち、銅回路パターン(銅配線パターン)22を形成すべき箇所に、数μm〜数十μmめっき厚みの銅が電気的にめっきされる。
次に、感光樹脂除去工程S15に進む。図1及び図2(d)に示すように、電気銅めっき工程S14後に、感光樹脂除去工程S15において、感光樹脂のマスキング層41をアルカリ性の溶液等に浸漬して除去する。溶液としては、硬化した樹脂を溶解し、かつ、樹脂及び銅を溶解しない水溶液であることが好ましい。
除去後に、エッチング工程S16において、このマスキング層41が形成されていた銅めっき層を除去し、銅回路パターン22を形成する(金属回路パターン形成工程)。具体的には、エッチングにあたって、銅めっき層21の銅がイオン化する例えば硫酸水溶液等の酸性水溶液中に浸漬させ、銅めっき層21が形成されていた基材11の表面11bを露出させる。この際、電気銅めっきにより形成された銅回路パターン22の一部もイオン化するが、無電解めっきにより形成された銅めっき層21に比して、数十倍程度の厚みを有するため、殆ど影響を受けることはない。また、このエッチングを行なった場合であっても、図2(d)に示すように、基材11の表面には、樹脂に埋まった状態でパラジウム触媒31aが、露呈している。
さらに、図1及び図2(e)に示すように、エッチング工程S16後に、オゾン水処理(改質処理)S17を行なう。具体的には、エッチング工程S16後の基材11をオゾン水に所定の時間浸漬させて、エッチング工程S16において、金属めっき層が除去された基材11の表面11bの表面層を親水性に改質し、数ナノ程度の層厚さの親水性の改質層11cが形成される。この際、改質層11cには、基材11の表面11bに吸着したパラジウム触媒31aのほとんどが含まれる。なお、オゾン水は、オゾンが溶存した水溶液であり、オゾン水のオゾンの溶存濃度に合わせて、浸漬時間が決定される。
さらに、図1及び図(f)に示すように、改質工程後の基材11を水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液中に浸漬させて、基材11の改質層11cを除去する工程(アルカリ処理工程)S18を行う。このとき、親水性に改質されていた改質層11cはアルカリ処理され易く、この結果、改質層11cのみが溶融する。これにより、パラジウム触媒31aを含む数ナノ程度の表面層のみを効率的に除去されるので、樹脂を膨潤させて過剰に樹脂が除去されることなく、基材11に与えるダメージを最小限に抑えて、基材11に埋まったパラジウム触媒31bを基材11から取り除くことができる。
そして、前記基材の表面層を除去する工程後、少なくとも前記表面層が除去された表面に酸処理工程S19を行う。アルカリ処理S18の工程後に、表面層が除去された表面は、アルカリ成分が残留している場合もあるが、酸処理を施すことにより、その表面の残留したアルカリ成分を確実に中和させることができる。
さらに、酸処理工程S19後に、金属回路パターン22が形成された基材11に熱処理を行う。この熱処理により、この基材11を乾燥することができると共に、表面にある不要物を分解除去し、基材と金属回路パターンのひずみを緩和させることができる。
このようにして、樹脂回路基板の絶縁抵抗不良を回避し、樹脂回路基板の表面におけるマイグレーションの助長を抑えるばかりでなく、基板のダメージを抑えることができる。さらに、その後、この樹脂回路基板にさらなる無電解めっきを行なった場合であっても、残存する金属触媒はないので異常析出をすることはない。これにより、高分子樹脂の基板の表面に、より表面密度の高い金属パターンを形成することができる。
本発明の樹脂回路基板の製造方法を実施例により説明する。
(実施例)
基材として、エポキシ樹脂を用いて、水洗・乾燥後、3N塩酸水溶液に塩化パラジウムを0.1重量%溶解し、塩化錫を5重量%溶解して30℃に加熱された触媒溶液中に3分間浸漬した。次いでパラジウムを活性化するために、1.5N塩酸水溶液に3分間浸漬した。これによりパラジウム触媒を吸着させた。その後、30℃に保温された硫酸銅めっき浴中に浸漬し、活性表面に無電解銅めっき層を層厚みとして0.5μm程度析出させ、その後、熱処理により表面を乾燥させた。
次に、一般的な紫外線硬化性樹脂をラミネートし、所望の箇所に紫外線を照射して樹脂を硬化させ、アルカリ溶液により未硬化の樹脂を除去し現像した。続いて硫酸銅系Cu電解めっき浴において、樹脂によりマスキングされていない露呈した無電解銅めっき層の表面に電解銅めっき被膜を25μm程度析出させた。その後、マスキング部分の樹脂の除去、エッチングを行い、銅回路パターンを形成した。
その後、改質工程(オゾン処理工程)において、銅回路パターンが形成された基材を、20℃、40ppmのオゾン水に12分間浸漬して金属めっき層が除去された部分の基材の表面層を改質した。さらに、表面層除去工程(アルカリ処理工程)において、100g/Lの水酸化ナトリウムの溶液に、5分間浸漬し、改質された表面層(改質層)を除去した。その後、酸処理工程において、10%硫酸水溶液に1分間浸漬し、基材及び銅回路パターンのアルカリ成分を中和した。その後180℃、2時間、熱処理をおこない、樹脂回路基板を製造した。
[評価方法]
このようにして、製造された樹脂回路基板の樹脂の表面を確認した。次に樹脂回路基板の銅回路パターンの短絡(ショート)を確認した。次に、樹脂回路基板を製造して、マイグレーションによる銅の残差を確認した。
[比較例1]
実施例と同じようにして、樹脂回路基板を製造した。実施例と相違する点は、オゾン処理、アルカリ処理、酸処理工程を行わず、基材を過マンガン酸水溶液に浸漬させて、基材表面の酸化処理をおこなった点である。そして、実施例と同様の評価方法により、評価を行なった。
[比較例2]
実施例と同じようにして、樹脂回路基板を製造した。実施例と相違する点は、オゾン処理、アルカリ処理、酸処理工程を行わず、基材表面を研磨剤を用いて研磨した点である。そして、実施例と同様の評価方法により、評価を行なった。
[結果及び考察]
実施例及び比較例1に係る樹脂回路基板は、銅回路パターンの短絡を確認できなかったが、比較例2のものは、短絡が確認できた。実施例及び比較例1に係る樹脂回路基板には、銅の残渣は確認できなかったが、比較例1のものには、銅の残渣は確認された。このことから、比較例2のものは、パラジウム触媒が完全に除去できていなかったことによると考えられる。
また、比較例1の基材の表面のうち銅回路パターンの間の樹脂部分の表面には、大きな凹みがあったが、実施例のものには、なかった。このことから、酸化処理により樹脂表面を化学的に酸化させ、樹脂を膨潤させた場合には、取り除かれる樹脂の量が多く、基材に大きなダメージを与え、銅回路パターンの部分的な剥離等も発生するおそれがあると考えられる。一方、実施例の場合は、オゾン水に浸漬させて、表面が親水性に改質されるが、樹脂は膨潤するに至らないと考えられる。よって、この親水性に改質層は、数ナノmの層厚みであるので、パラジウム触媒が埋まった箇所の樹脂のみを、アルカリ処理により除去可能であると考えられる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本実施形態に係る樹脂回路基板の製造工程を説明するためのフロー図。 図1に示す各工程を説明するための図であり、(a)は、図1の化学銅めっき工程と熱処理工程を説明するため図であり、(b)は、図1の感光樹脂のラミネート〜現像までの工程を説明するための図であり、(c)は、電気銅めっき工程を説明するための図である。さらに、図2の(d)は、感光樹脂除去工程及びエッチング工程を説明するための図であり、(e)は、オゾン水処理工程(改質工程)を説明するための図であり、(f)は、アルカリ処理工程〜熱処理工程を説明するための図。
符号の説明
1:樹脂回路基板、11:基材、11a:基材の表面、11b:基材の表面、11c:改質された表面層(改質層)、21:銅めっき層、22:銅回路パターン、31:パラジウム触媒、31a:樹脂に埋まっているパラジウム触媒、31b:銅回路の下にあるパラジウム触媒、41:マスキング層、S11:化学銅めっき工程(無電解めっき工程)、S14:電気銅めっき工程、S17:オゾン水処理工程(改質工程)、S18:アルカリ処理工程(除去工程)、S19:酸処理工程

Claims (3)

  1. 高分子樹脂の基材の表面に、金属触媒を用いて金属めっき層を形成する工程と、
    該金属めっき層の一部をエッチングにより除去して、金属回路パターンを形成する工程と、
    前記金属めっき層が除去された基材の表面層を、オゾン水処理により改質する工程と、
    前記改質された表面層を、アルカリ処理により除去する工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂回路基板の製造方法。
  2. 前記金属触媒はパラジウム触媒であり、前記金属めっき層は、銅めっき層であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂回路基板の製造方法。
  3. 前記樹脂回路基板の製造方法は、前記基材の表面層を除去する工程後、前記表面層が除去された表面に酸処理を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂回路基板の製造方法。
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