JP2010198698A - 不揮発性半導体メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】動作信頼性を向上させる不揮発性半導体メモリを提供すること。
【解決手段】電気蓄積層と制御ゲートとを備え、且つ閾値に応じて2値以上のデータを保持可能とし、電流経路が直列接続されるメモリセルMTを複数含むメモリセルアレイ6と、前記メモリセルMTの電流経路の一端に電気的に接続されるビット線BLと、外部から与えられる第1電圧Vext、または外部から与えられ、且つ前記第1電圧Vextよりも高い第2電圧Vextを降圧して得られ、且つ前記第1電圧Vextと等電位の第3電圧VDDを前記ビット線BLに供給可能な第1電圧発生部10と、前記第1電圧VDDよりも高い第4電圧VDDSAを前記ビット線に供給可能な第2電圧発生部9とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、不揮発性半導体メモリに関する。
NAND型フラッシュメモリの‘0’データの書き込むためには、制御ゲートとソース及びドレイン間に形成されるチャネルとの間に十分な電位差を生じさせ、電荷蓄積層に電荷を注入させる必要がある。
一方、‘1’データを書き込む際は、予めチャネルにある一定の電位を与え、制御ゲートとチャネル間に電位差を生じさせないようにすることで、電荷蓄積層への電荷注入を防止していた。
しかし、‘1’データを書き込むべきメモリセルにおいても実際には制御ゲートとチャネル間に電位差が生じ、わずかに電荷の注入が生じる現象があった(以下、この現象をプログラムディスターブと呼ぶ)。すなわち、NANDフラッシュメモリの動作信頼性を悪化させるといった問題があった(特許文献1参照)。
特開2000−149566号公報
本発明は、動作信頼性を向上させる不揮発性半導体メモリを提供しようとするものである。
本発明の一態様に係る不揮発性半導体メモリは、電気蓄積層と制御ゲートとを備え、且つ閾値に応じて2値以上のデータを保持可能とし、電流経路が直列接続されるメモリセルを複数含むメモリセルアレイと、前記メモリセルの電流経路の一端に電気的に接続されるビット線と、外部から与えられる第1電圧、または外部から与えられ、且つ前記第1電圧よりも高い第2電圧を降圧して得られ、且つ前記第1電圧と等電位の第3電圧を前記ビット線に供給可能な第1電圧発生部と、前記第1電圧よりも高い第4電圧を前記ビット線に供給可能な第2電圧発生部とを具備する。
本発明によれば、動作信頼性を向上させる不揮発性半導体メモリを提供できる。
この発明の一実施形態に係る不揮発性半導体メモリのブロック図。 この発明の一実施形態に係るメモリセルトランジスタの閾値分布。 この発明の一実施形態に係るセンスアンプの回路図。 この発明の一実施形態に係るクロックドインバータの回路図。 この発明の一実施形態に係るクロックドインバータの回路図。 この発明の一実施形態に係るMOSトランジスタの断面図。 この発明の一実施形態に係る検知回路及びショート回路のブロック図。 この発明の一実施形態に係るVDDSA発生回路の回路図。 この発明の一実施形態に係る第2電圧発生部のI−V特性。 この発明の一実施形態に係る不揮発性半導体メモリの書き込み動作を示す信号sgd、選択ビット線BLとそのチャネル、非選択ビット線BL、VDDSA発生回路、選択ワード線WL、非選択ワード線WL、信号Si、信号S’i、信号S(i+1)、及び信号S’(i+1)のタイムチャート。 この発明の一実施形態に係る不揮発性半導体メモリの読み出し動作を示す信号sgd、非選択ワード線WL、選択ワード線WL、信号sgs、非選択ビット線BL、選択ビット線BLとそのチャネル、信号Si、信号S’i、信号S(i+1)、及び信号S’(i+1)のタイムチャート。 この発明の一実施形態に係る不揮発性半導体メモリの電圧転送動作であって、昇圧抵抗部、ノードN18、比較器、信号disc1、ノードN16、N19、信号disc2、ノードN11のタイムチャート。 この発明の一実施形態に係る不揮発性半導体メモリの閾値シフト量。 この発明の一実施形態の変形例に係るVDDSA発生回路と検知回路の回路図。 この発明の一実施形態の変形例に係る電圧転送動作を示し、ノードN11、信号disc2のタイムチャート。 この発明の一実施形態の変形例に係る不揮発性半導体メモリのブロック図。 この発明の一実施形態の変形例に係る降圧回路の回路図。 この発明の一実施形態の変形例に係る電圧転送動作を示し、ノードN2乃至N5、及びMOSトランジスタ57のチャネルにおけるタイムチャート。
以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
この発明の一実施形態に係る不揮発性半導体メモリについて図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリは、複数の種類の外部電圧に対応して動作可能とされ、図1では2種類の外部電圧Vext1または、外部電圧Vext2で動作可能な例を示している。外部電圧Vext1は、例えば1.8[V](=VDD)であり、外部電圧Vext2は外部電圧Vext1よりも大きい例えば3.0[V]である。
図示するようにNAND型フラッシュメモリは、メモリセルアレイ1、電圧発生回路2、ロウデコーダ3、センスアンプ4、非選択回路5、検知回路7、ショート回路8、VDDSA発生回路9、VDD発生回路10、nチャネルMOSトランジスタTR0乃至Tr(n+1)、及びnチャネルMOSトランジスタTR’0乃至TR’(n+1)を備えている。なお、MOSトランジスタTR0乃至TR(n+1)及びMOSトランジスタTR’0乃至TR’(n+1)を区別しない場合には、それぞれMOSトランジスタTR、TR’と呼ぶ。まずメモリセルアレイ1について説明する。
<メモリセルアレイ1の構成例>
メモリセルアレイ1は、データ保持可能な複数の不揮発性のメモリセルトランジスタMTを備えている。そしてメモリセルトランジスタMTは、例えば電荷蓄積層と制御ゲートを含む積層ゲートを備えたnチャネルMOSトランジスタである。メモリセルトランジスタMTの制御ゲートはワード線として機能し、ドレインはビット線に電気的に接続され、ソースはソース線に電気的に接続されている。そして、メモリセルアレイ1は複数の不揮発性のメモリセルトランジスタMTを含んだブロックBLK0乃至BLKsを備える(sは自然数)。
図示するようにブロックBLK0乃至BLKsの各々は、不揮発性のメモリセルトランジスタMTが直列接続された複数のNANDストリング6を備えている。NANDストリング6の各々は、例えば64個のメモリセルトランジスタMTと、選択トランジスタST1、ST2とを含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された電荷蓄積層(例えば絶縁膜)と、電荷蓄積層上に形成され、電荷蓄積層より誘電率の高い絶縁膜(以下、ブロック層と呼ぶ)と、更にブロック層上に形成された制御ゲート電極とを有するMONOS構造である。なお、メモリセルトランジスタMTの個数は64個に限られず、128個や256個、512個等であってもよく、その数は限定されるものではない。またメモリセルトランジスタMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有している。そして、選択トランジスタST1、ST2間に、その電流経路が直列接続されるようにして配置されている。直列接続されたメモリセルトランジスタMTの一端側のドレイン領域は選択トランジスタST1のソース領域に接続され、他端側のソース領域は選択トランジスタST2のドレイン領域に接続されている。
同一行にあるメモリセルトランジスタMTの制御ゲート電極はワード線WL0〜WL63のいずれかに共通接続され、同一行にあるメモリセルトランジスタMTの選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は、それぞれセレクトゲート線SGD1、SGS1に共通接続されている。なお説明の簡単化のため、以下ではワード線WL0〜WL63を区別しない場合には、単にワード線WLと呼ぶことがある。また、メモリセルアレイ1において同一列にある選択トランジスタST1のドレインは、いずれかのビット線BL0〜BL(n+1)に共通接続される。以下、ビット線BL0〜BL(n+1)についても、これらを区別しない場合には一括してビット線BLと呼ぶ(n:整数)。選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続される。なお、選択トランジスタST1、ST2は必ずしも両方必要ではなく、NANDストリング6を選択出来るのであればいずれか一方のみが設けられていても良い。なお、本実施形態においてビット線BLnを偶数番目、ビット線BL(n+1)を奇数番目に配置されているものとする。
また、同一のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTには一括してデータが書き込まれ、この単位をページと呼ぶ。更に、複数のNANDストリング6はブロックBLK単位で一括してデータが消去される。
<メモリセルトランジスタMTの閾値分布について>
次に上記メモリセルトランジスタMTの閾値分布について図2を用いて説明する。図2は、横軸に閾値分布をとり、縦軸にメモリセルトランジスタMTの存在確率を示したグラフである。
図示するように、各々のメモリセルトランジスタMTは、例えば2値(2-levels)のデータ(1ビットデータ)を保持できる。すなわち、メモリセルトランジスタMTは、閾値電圧Vthの低い順に‘1’、及び‘0’の2種のデータを保持できる。
メモリセルトランジスタMTにおける‘1’データの閾値電圧Vth0は、Vth0<V01である。‘0’データの閾値電圧Vth1は、V01<Vth1である。このようにメモリセルトランジスタMTは、閾値に応じて‘0’データ、及び‘1’データの1ビットデータを保持可能とされている。この閾値電圧は、電荷蓄積層に電荷を注入することによって変動する。また、上記メモリセルトランジスタMTは4値以上のデータを保持可能とされても良い。
<電圧発生回路2について>
次に図1に戻って、電圧発生回路2の説明をする。電圧発生回路2は、データの書き込み動作、消去動作、及び読み出し動作に必要な電圧を発生し、NAND型フラッシュメモリ内の例えば、ロウデコーダ3に供給する。
<ロウデコーダ3の構成例について>
ロウデコーダ3は、データの書き込み動作時、読み出し動作時、及び消去時において、図示せぬ制御部から与えられたロウアドレスに基づいてメモリセルアレイ1のロウ方向を選択する。つまり、図示せぬ制御部から与えられるロウアドレスに基づいてセレクトゲート線SGD1、SGS1、及びワード線WL0〜WL63に対し電圧を印加する。
図1に示すように、ロウデコーダ3は、セレクトゲート線SGD1、SGS1毎に設けられたセレクトゲート線ドライバ11、12、及びワード線WL毎に設けられたワード線ドライバ13を備える。本実施形態では、ブロックBLKsに対応したワード線ドライバ13、セレクトゲート線ドライバ11、12のみを図示する。しかし実際では、これらワード線ドライバ13、セレクトゲート線ドライバ11、及び12は、ブロックBLK0乃至ブロックBLKsに設けられた、例えば64本のワード線WL及びセレクトゲート線SGD1、SGS1に共通接続されている。
図示せぬ制御部から与えられるページアドレスのデコード結果に応じて、選択されたブロックBLKが選択されると、ワード線ドライバ13は、該選択されたワード線WLを介し、電圧発生回路2から与えられた必要とされる電圧をメモリセルトランジスタMTの制御ゲートへと転送する。
また図示せぬ制御部から与えられるロウアドレス(ページアドレス)のデコード結果に応じて、選択されたブロックBLKが選択されると、セレクトゲート線ドライバ11は、ブロックBLKに対応するセレクトゲート線SGD1を介し、それぞれ必要とする電圧を選択トランジスタST1のゲートへと転送する。また、この時、ゲートには信号sgdが転送される。つまり、セレクトゲート線ドライバ11は、メモリセルトランジスタMTにおいて書き込み時、読み出し時、消去時、更にはデータのベリファイ時に、セレクトゲート線SGD1を介して、例えば信号sgdを選択トランジスタST1のゲートに転送する。なお、信号sgdにおいて‘L’レベルを0[V]、‘H’レベルを電圧VSGとする。
また、セレクトゲート線11と同様に選択されたブロックBLKが選択されると、セレクトゲート線ドライバ12は、メモリセルトランジスタMTにおいて書き込み時、読み出し時、データのベリファイ時にセレクトゲート線SGS1を介してそれぞれ必要とする電圧を選択トランジスタST2のゲートに転送する。また、この時、ゲートには信号sgsが転送される。更に消去時では、セレクトゲート線SGS1を介して0[V]が選択トランジスタST2のゲートに転送される。つまり、信号sgsにおいて‘L’レベルを0[V]、‘H’レベルを電圧VSGとする。
<センスアンプ4について>
次センスアンプ4について説明する。センスアンプ4はpチャネルMOSトランジスタ14乃至16、及びSENSE UNIT17を備える。センスアンプ4は、データの読み出し時にメモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出されたデータをセンスして増幅する。より具体的には、センスアンプ4は、MOSトランジスタ16によって転送される電圧VDDをSENSE UNIT17を介してノードN6に与えることで、いずれかのビット線BLをプリチャージする。そして、例えばSENSE UNIT17がノードN6における電圧(または電流)をセンスする。
また、データの書き込み時には、MOSトランジスタ14から転送された電圧VDDSAをビット線BLに転送する。より具体的には、MOSトランジスタ14により与えられる電圧VDDSA、または電圧VDD、またはSENSE UNIT17が備える図示せぬMOSトランジスタが接地されることにより出力される0[V]を、ノードN6へ転送する。すなわち、書き込みデータをビット線BLへ転送する。 なお、データの読み出し及び書き込みは、隣接する2本のビット線BLのうちの1本ずつ行われる。隣接する2本のビット線BLの組は、それぞれビット線BL0、ビット線BL1の組、ビット線BL2、ビット線BL3の組、ビット線BL4、ビット線BL5の組であり、以下同様である。すなわち、n本のビット線BLのうち、n/2本のビット線BLに対して、一括して読み出し及び書き込みが行われる。以下では、ビット線BLの1組のうち、読み出しまたは書き込み対象となるビット線BLを選択ビット線BLと呼び、非対象となるビット線BLを非選択ビット線BLと呼ぶ。
また、SENSE UNIT17はセンスデータのラッチや、そのラッチしたデータの演算を行う。そして、SENSE UNIT17がセンスデータのラッチや、そのラッチしたデータの演算を行う場合には、ノードN5における電圧VDDをMOSトランジスタ15によりSENSE UNIT17へと転送する。次に、特に上記センスアンプ4内に設けられたMOSトランジスタ14及び15について説明する。
<pチャネルMOSトランジスタ14、15について>
次にpチャネルMOSトランジスタ14、15について説明する。pチャネルMOSトランジスタ14、15はそれぞれが同一ウェル上に形成される。そしてMOSトランジスタ14の電流経路の一端はノードN4に接続され、電流経路の他端はSENSE UNIT17に接続される。また、MOSトランジスタ15の電流経路の一端はノードN5に接続され、電流経路の他端はSENSE UNIT17に接続される。ノードN4には、後述するVDDSA発生回路9により、電圧VDDSAまたは電圧VDDのいずれかが与えられる。またノードN5には、後述するVDD発生回路10により、電圧VDDが与えられる。
そして、MOSトランジスタ14はNAND型フラッシュメモリに外部電圧Vext2が与えられ、データの書き込み動作時に、電圧VDDSAをSENSE UNIT17を介してノードN6へ転送する。また、外部電圧Vext1が与えられた場合は、データの書き込み動作時に、電圧VDDをSENSE UNIT17を介してノードN6へ転送する。
他方、MOSトランジスタ15は、SENSE UNIT17にノードN5における電圧VDDを供給する。これによりSENSE UNIT17は所望の演算を実行する。次に上記センスアンプ4の詳細について図3を用いて説明する。
<センスアンプ4の詳細について>
図3は、図1におけるSENSE UNIT17及びMOSトランジスタ14乃至16の詳細を示す回路図である。図示するように、SENSE UNIT17は、プライマリデータキャッシュ(PDC)、セコンダリデータキャッシュ(SDC)、ダイナミックデータキャッシュ(DDC)、テンポラリデータキャッシュ(TDC)を有している。SDC、PDC、DDCは、書き込み時に入力データを保持し、読み出し時に読み出しデータを保持し、ベリファイ時に一時的にデータを保持し、メモリセルトランジスタMTの例えば2値データ(‘0’または‘1’)を記憶する際に内部データの操作に使用される。TDCは、データの読み出し時にビット線BLのデータを増幅し、一時的に保持するとともに、例えば2値データを記憶する際に内部データの操作に使用される。
SDCは、ラッチ回路を構成するクロックドインバータ回路80、81、及びnチャネルMOSトランジスタ82、83により構成されている。MOSトランジスタ82の電流経路の一端はノードN2aにおいてクロックドインバータ回路80の出力端と接続されている。また、MOSトランジスタ82の電流経路の他端はノードN2bにおいてクロックドインバータ回路81の出力端に接続されている。そして、クロックドインバータ回路80及び81が上記MOSトランジスタ15を備える。つまりクロックドインバータ80及び81がそれぞれ備えるMOSトランジスタ15の電流経路の一端はノードN5に接続され、他端はノードN2a及びN2bに電気的に接続される。なお、クロックドインバータ80及び81の構成については後述する。またMOSトランジスタ82のゲートには信号EQ2が供給されている。MOSトランジスタ83の電流経路の一端はノードN2bにおいてクロックドインバータ回路81の出力端と接続され、電流経路の他端は接地されている。またトランジスタ83のゲートには信号PRSTが供給されている。そして、カラム選択MOSトランジスタ84の電流経路の一端はノードN2aに接続され、他端は入出力データ線IOに接続される。また、カラム選択トランジスタ85の電流経路の一端はノードN2bに接続され、他端は入出力データ線IOに接続される。そしてこれらMOSトランジスタ84及び85のゲートにはカラム選択信号CSLiが供給されている。すなわち、信号CSLiによりMOSトランジスタ84及び85がオン状態とされることで、出力データ線IOとデータの入出力がされる。そして、MOSトランジスタ86の電流経路の一端はノートN2aに接続され、他端はノードN12に接続される。また、MOSトランジスタ87の電流経路の一端はノードN12に接続され、他端はPDCのノードN1aに接続される。またMOSトランジスタ86のゲートには信号BLC2が供給され、トランジスタ87のゲートには信号BLC1が供給されている。
PDCは、クロックドインバータ回路88、89、及びnチャネルMOSトランジスタ90により構成されている。MOSトランジスタ90の電流経路の一端は、ノードN1bにおいてクロックドインバータ回路88の出力端と接続され、他端はノードN1aにおいてクロックドインバータ回路89の出力端と接続されている。そして、クロックドインバータ回路89はMOSトランジスタ14を備え、該MOSトランジスタ14の電流経路の一端はノードN4に接続され、他端はノードN1aに電気的に接続される。つまり、ノードN4にから供給される電圧VDDSAは、クロックドインバータ回路89が備えるMOSトランジスタ14、ノードN1a、及びノードN12を介してビット線BLに供給される。なお、クロックドインバータ88及び89の構成については後述する。またMOSトランジスタ90のゲートには信号EQ1が供給されている。またPDCのノードN1bはMOSトランジスタ91のゲートに接続されている。MOSトランジスタ91の電流経路の一端はMOSトランジスタ92の電流経路の一端に接続され、他端はトランスファーゲートを構成するMOSトランジスタ93及び94の電流経路の一端と接続される。また、MOSトランジスタ92の電流経路の他端は接地されている。MOSトランジスタ92のゲートには信号CHK1が供給されている。MOSトランジスタ93のゲートには信号CHK2が供給されている。また、MOSトランジスタ93及び94の電流通路の他端は信号COMiが供給されている。この信号COMiはセンスアンプ4に共通の信号であり、SENSE UNIT17においてベリファイが完了したかどうかを示す信号である。すなわち、後述するように、ベリファイが完了すると、PDCのノードN1bが‘L’レベルとなる。この状態において、信号CHK1、CHK2を‘H’レベルとすると、ベリファイが完了している場合、信号COMiが‘H’レベルとなる。また、MOSトランジスタ94のゲートはMOSトランジスタ86の電流経路の他端とMOSトランジスタ87の電流経路の一端と接続されている。
さらに、TDCは、例えばMOSキャパシタ95により構成されている。このキャパシタ95の一方の電極は、MOSトランジスタノードN12に接続され、他方の電極は接地されている。また、接続ノードN12には、MOSトランジスタ96の電流経路の一端が接続されている。そして、MOSトランジスタ96の電流経路の他端にはDDCが接続されている。MOSトランジスタ96のゲートには、信号REGが供給されている。
DDCは、nチャネル型MOSトランジスタ97及び98により構成されている。MOSトランジスタ97の電流通路の一端には信号VREGが供給され、他端はMOSトランジスタ96の電流経路の他端に接続されている。このMOSトランジスタ97のゲートはMOSトランジスタ98の電流経路の一端が接続され、該MOSトランジスタ98の電流経路の他端を介して上記PDCのノードN1aに接続されている。このMOSトランジスタ98のゲートには信号DTGが供給されている。
さらに、ノードN12にはMOSトランジスタ99及び100の電流経路の一端が接続されている。そしてMOSトランジスタ100の電流経路の他端にはMOSトランジスタ16の電流経路の一端が接続されている。すなわち、MOSトランジスタ16の電流経路の他端はノードN5に接続され、該ノードN5から信号VPRE、すなわち電圧VDDが供給され、またゲートには信号BLPREが供給されている。つまり、データの読み出し時には、MOSトランジスタ100、ノードN12を介してビット線BLへと電圧VDDが供給される。MOSトランジスタ99のゲートには信号BLCLAMPが供給され、電流経路の他端はMOSトランジスタ101の電流経路の一端に接続されている。また、MOSトランジスタ101の他端は、MOSトランジスタ102の電流経路の一端とビット線BL(i+1)とにそれぞれ共通接続され、ゲートには信号BLS(i+1)が与えられる。そしてMOSトランジスタ102の電流経路の他端には、非選択回路5として機能するpチャネルMOSトランジスタ105の電流経路の一端が接続されている。そしてMOSトランジスタ105の電流経路の他端がノードN4に接続されている。つまり、MOSトランジスタ102の電流経路の他端にはMOSトランジスタ105を介して信号BLCRLとする電圧VDDSAが供給され、ゲートには信号BlAS(i+1)が与えられる。また、MOSトランジスタ104の電流経路の一端は、MOSトランジスタ99の電流経路の他端と接続され、電流経路の他端はMOSトランジスタ103の電流経路の一端とビット線BLiとにそれぞれ接続され、ゲートには信号BLSiが与えられる。そして、MOSトランジスタ103のゲートには信号BlASiが与えられ、電流経路の他端は、MOSトランジスタ102の電流経路の他端と共通接続されている。すなわち、MOSトランジスタ103の電流経路の他端には信号BLCRLが供給されている。そしてMOSトランジスタ102及び103は、信号BlAS(i+1)及び信号BlASiに応じてMOSトランジスタ101及び104と相補的にオンとされ、非選択ビット線BLに信号BLCRL、すなわち電圧VDDSAを供給する。なお、以下では、偶数ビット線BLをビット線BLi(iは偶数であり、i=0、2、4、…、n)、奇数ビット線BLをビット線BL(i+1)とする。
上記説明した各信号及び電圧は、図1に示すVDDSA発生回路9及びVDD発生回路10並びに図示せぬ制御部により生成され、この制御信号及びVDDSA発生回路9及びVDD発生回路10の制御に基づき所望の演算処理、及び電圧VDDSA及び電圧VDなどの電圧転送動作が実行される。
<クロックドインバータ88、89並びにクロックドインバータ80、81の詳細について>
上述したようにクロックドインバータ88、89並びに80、81はそれぞれMOSトランジスタ14及び15を含んだ構成をとる。クロックドインバータ89、89並びに80、81の回路図を図4及び図5に示す。まず、図4を用いてクロックドインバータ89、89並びに80、81の詳細を説明する。図示するように、クロックドインバータ80はpチャネルMOSトランジスタ15、110、並びにnチャネルMOSトランジスタ111及び112を備える。上述したようにMOSトランジスタ15の電流経路の一端はノードN5に接続され、他端はMOSトランジスタ110の電流経路の一端に接続され、ゲートにはクロックドインバータ81の出力端(図中、N2bと表記)が接続される。
MOSトランジスタ110の電流経路の他端はMOSトランジスタ111の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。またMOSトランジスタ110の電流経路の他端は、クロックドインバータ80の出力端(図中、N2aと表記)とされ、該出力端(N2a)はクロックドインバータ81に接続される。
MOSトランジスタ111の電流経路の他端はMOSトランジスタ112の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。そして、MOSトランジスタ112の電流経路の他端は接地され、ゲートにはクロックドインバータ81の出力端が接続される。すなわち、MOSトランジスタ15及びMOSトランジスタ112のゲートは共通接続されている。
次に、クロックドインバータ81の構成について説明する。図示するように、クロックドインバータ81はpチャネルMOSトランジスタ15及び113、並びにnチャネルMOSトランジスタ114及び115を備える。上述したようにMOSトランジスタ15の電流経路の一端はノードN5に接続され、他端はMOSトランジスタ113の電流経路の一端に接続され、ゲートにはクロックドインバータ80の出力端(図中、N2aと表記)が接続される。
MOSトランジスタ113の電流経路の他端はMOSトランジスタ114の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。またMOSトランジスタ113の電流経路の他端は、クロックドインバータ81の出力端(図中、N2bと表記)とされ、該出力端(N2b)はクロックドインバータ80に接続される。
MOSトランジスタ114の電流経路の他端はMOSトランジスタ115の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。そして、MOSトランジスタ115の電流経路の他端は接地され、ゲートにはクロックドインバータ80の出力端が接続される。すなわち、MOSトランジスタ15及びMOSトランジスタ115のゲートは共通接続されている。
引き続き、クロックドインバータ88の構成について説明する。図示するように、クロックドインバータ88はpチャネルMOSトランジスタ120及び121、並びにnチャネルMOSトランジスタ122及び123を備える。MOSトランジスタ120の電流経路の一端はノードN4に接続され、他端はMOSトランジスタ121の電流経路の一端に接続され、ゲートにはクロックドインバータ89の出力端(図中、N1aと表記)が接続される。
MOSトランジスタ121の電流経路の他端はMOSトランジスタ122の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。またMOSトランジスタ121の電流経路の他端は、クロックドインバータ88の出力端(図中、N1bと表記)とされ、該出力端(N1b)はクロックドインバータ89に接続される。
MOSトランジスタ122の電流経路の他端はMOSトランジスタ123の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。そして、MOSトランジスタ123の電流経路の他端は接地され、ゲートにはクロックドインバータ89の出力端が接続される。すなわち、MOSトランジスタ120及びMOSトランジスタ123のゲートは共通接続されている。
次に、クロックドインバータ89の構成について説明する。図示するように、クロックドインバータ89はpチャネルMOSトランジスタ14及び124、並びにnチャネルMOSトランジスタ125及び126を備える。上述したようにMOSトランジスタ14の電流経路の一端はノードN4に接続され、他端はMOSトランジスタ124の電流経路の一端に接続され、ゲートにはクロックドインバータ88の出力端(図中、N1Bと表記)が接続される。
MOSトランジスタ124の電流経路の他端はMOSトランジスタ125の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。またMOSトランジスタ124の電流経路の他端は、クロックドインバータ89の出力端(図中、N1aと表記)とされ、該出力端(N1a)はクロックドインバータ88に接続される。
MOSトランジスタ125の電流経路の他端はMOSトランジスタ126の電流経路の一端に接続され、ゲートには信号SEN1が与えられる。そして、MOSトランジスタ126の電流経路の他端は接地され、ゲートにはクロックドインバータ88の出力端が接続される。すなわち、MOSトランジスタ14及びMOSトランジスタ126のゲートは共通接続されている。
次に上記クロックドインバータ80、81、88、89の構成は、特に上記図4に限られない。つまり、センスアンプ4のレイアウトの関係上、次のような構成であってもよい。図5にクロックドインバータ80、81、88、89の回路図を示す。なお、上記図4と同一の構成については説明を省略する。つまりまず、クロックドインバータ80については、図示するように、MOSトランジスタ15及び112のゲートに信号SEN1が与えられ、それ以外のMOSトランジスタ113及び114のゲートにはクロックドインバータ81の出力端(N2b)が与えられた構成でもよい。そしてクロックドインバータ81についても同様にMOSトランジスタ15及び115のゲートに信号SEN1が与えられ、その他MOSトランジスタ113及び114のゲートにはクロックドインバータ81の出力端(N2a)が与えられた構成でもよい。
また、クロックドインバータ88については、図示するように、MOSトランジスタ120及び123のゲートに信号SEN1が与えられ、それ以外のMOSトランジスタ121及び122のゲートにはクロックドインバータ89の出力端(N1a)が与えられた構成でもよい。そしてクロックドインバータ89についても同様であり、MOSトランジスタ14及び126のゲートに信号SEN1が与えられ、その他MOSトランジスタ124及び125のゲートにはクロックドインバータ88の出力端(N1b)が与えられた構成でもよい。
<MOSトランジスタ14、15の断面構成について>
次に、上記説明したMOSトランジスタ14、15の断面構成について説明する。上述したように、MOSトランジスタ14、15はそれぞれ同一ウェル上に形成される。この様子を図6に示す。図示するように、MOSトランジスタ14、15はp型半導体基板30上に形成される。そして、p型半導体基板30の表面上にn型ウェル領域33が形成されている。また、MOSトランジスタ14、15を覆うように、絶縁膜38がn型半導体基板30上に形成される。
MOSトランジスタ14は、p型半導体基板30上に図示せぬゲート絶縁膜を介在して設けられたゲート電極34と、n型ウェル領域33表面内に設けられ、ソース及びドレインとして機能する不純物拡散層31を備える。そして、MOSトランジスタ14におけるドレイン領域上にはコンタクトプラグCP1が形成される。コンタクトプラグCP1は、VDDSA発生回路9の出力端、すなわちノードN1、N2、及びN4に接続される。また、MOSトランジスタ14におけるソース領域上にはコンタクトプラグCP2が形成される。コンタクトプラグCP2は、センスアンプ4を介して偶数ビット線BLに接続される。
また、MOSトランジスタ15は、p型半導体基板30上に図示せぬゲート絶縁膜を介在して設けられたゲート電極37と、n型ウェル領域33表面内に設けられ、ソース及びドレインとして機能する不純物拡散層32を備える。そして、MOSトランジスタ15におけるドレイン領域上にはコンタクトプラグCP3が形成される。コンタクトプラグCP3は、VDD発生回路10の出力端、すなわちノードN3、N5に接続される。また、MOSトランジスタ15におけるソース領域上にはコンタクトプラグCP4が形成される。コンタクトプラグCP4は、センスアンプ4を介して偶数ビット線BLに接続される。
<MOSトランジスタTR、TR’について>
次に、MOSトランジスタTR、TR’について説明する。MOSトランジスタTR0〜TRは、電流経路の一端がノードN6に接続され、他端がビット線BL0乃至ビット線BL(n+1)のそれぞれに接続されている。すなわちMOSトランジスタTRはビット線BLi及びビット線BL(i+1)とセンスアンプ4とを接続する。
また、MOSトランジスタTR’0〜TR’(n+1)は電流経路の一端がノードN8を介して非選択回路5に接続され、他端がビット線BLi及びビット線BL(i+1)に接続されている。すなわち、すなわちMOSトランジスタTR’はビット線BLi及びビット線BL(i+1)とセンスアンプ4とを接続する。
なお、センスアンプ4及び非選択回路5は、センスアンプ4で説明したビット線BLの1組ごとに設けられている。より具体的には、ビット線BL0、ビット線BL1につき1個のセンスアンプ4及び非選択回路5が設けられ、ビット線BL2、ビット線BL3につき1個のセンスアンプ4及び非選択回路5が設けられ、以下同様である。そして書き込み動作時及び読み出し動作時には、この2本のビット線BLの組のうち、一方がMOSトランジスタTRによってセンスアンプ4に接続され、他方がMOSトランジスタTR’によって非選択回路5に接続される。
<非選択回路5について>
次に、非選択回路5について説明する。非選択回路5はノードN4をノードN8に接続する。また非選択回路5は、MOSトランジスタTR、TR’のオン、オフを制御することで、必要に応じて偶数ビット線BLiと奇数ビット線BL(i+1)とのいずれかをセンスアンプ4または非選択回路5に接続可能とする。
つまり、具体的には選択ビット線BLに対応するMOSトランジスタTRをオン状態、MOSトランジスタTR’をオフ状態とする。これにより、選択ビット線BLはノードN6及びセンスアンプ4に接続される。つまり、MOSトランジスタ14または15が転送する電圧、または0[V]を選択ビット線BLに転送する。
他方、非選択ビット線BLに対応するMOSトランジスタTR、TR’をそれぞれオフ状態及びオン状態とする。これにより、非選択ビット線BLは非選択回路5に接続される。
<VDDSA発生回路9について>
VDDSA発生回路9は、外部から供給される電圧Vext2により電圧VDDSAを生成する。そして、発生した電圧VDDSA又は電圧VDDのいずれかをビット線BLへと転送する。そして、この電圧VDDSAは上記メモリセルトランジスタMTに‘1’データの書き込みを実行する際、該メモリセルトランジスタMTに対応するビット線BL、または非選択ビット線BLのそれぞれに転送される。すなわち、必要に応じてVDDSA発生回路9は、電圧VDDSA又は電圧VDDのいずれかをノードN1、N2、N4、及びセンスアンプ4又は非選択回路5を介してビット線BLに転送する。
<VDD発生回路10について>
VDD発生回路10は、外部電圧Vext1またはVext2を供給され、これに基づいて、電圧VDDを、ノードN3、N5に出力する。
電圧VDD発生回路10は、外部電圧Vext2を供給される場合には、これを降圧することにより電圧VDD(=1.8[V])を発生し、ノードN3及びN5へ出力する。他方、外部電圧Vext1(=VDD)を供給される場合には、これをそのままノードN3、N5へ出力する。
<検知回路7について>
検知回路7はVDDSA発生回路9の出力端に接続されるノードN1に接続される。そして、検知回路7はノードN1における電圧VDDSAが電圧VDD以下になったことを検知すると、ショート回路8に対してVDDSA発生回路9の出力端とVDD発生回路10の出力端とをショートするよう命令する。すなわち、ノードN2とノードN3とをショートする。これにより、センスアンプ4、非選択回路5へは電圧VDDが供給される。また検知回路7は、外部電圧Vext2が供給されVDDSA発生回路9が電圧VDDSAを出力する場合以外において、ショート回路8にノードN2とノードN3とを電気的に接続するよう命令する。すなわちデータの読み出し時や、外部電圧Vext1が供給された場合などである。
<ショート回路8について>
ショート回路8はVDDSA発生回路9の出力端に接続されるノードN2とVDD発生回路10の出力端に接続されるノードN3とに接続される。そしてショート回路8は、上記検知回路7から制御信号を供給されると、ノードN2とノードN3とをショートする。これにより、それぞれの端子は電圧VDDの同電位となる。
<検知回路7及びショート回路8の詳細について>
次に上述した検知回路7及びショート回路8の詳細について図7を用いて説明する。図7は、検知回路7及びショート回路8の回路図である。図示するように、検知回路7は抵抗素子41、42、及び比較器43を備える。またショート回路8は、スイッチとして機能するような、例えばpチャネルMOSトランジスタ44、及びインバータ45を備える。
図示するように、抵抗素子41の一端は、ノードN1と接続され、他端はノードN14を介して抵抗素子42の一端と接続される。そして、抵抗素子42の他端は接地される。すなわち、ノードN1における電圧VDDSAが、抵抗素子41、及び42により分圧され、分圧された電圧がノードN14から出力される。
また、比較器43の反転入力端子には、例えば図示せぬBGR回路で生成した基準電圧VREFが入力され、正転入力端子にはノードN14に接続される。すなわち、比較器43は基準電圧VREFとノードN14における電位(ここで、ノードN14の電位を電圧VM1とする)とを比較する。そして、VREF>VM1であると、比較器43はインバータ45に‘H’レベルの信号を出力する。その結果、インバータ45は比較器43からの信号を反転させ、MOSトランジスタ43のゲートに‘L’レベルの信号を出力する。すなわちノードN1の電位が電圧VDDよりも小さくなると、MOSトランジスタ43がオン状態とされ、ノードN2とノードN3とをショートする。他方、VREF<VM1であると、比較器43はインバータ45に‘L’レベルの信号を出力する。その結果、インバータ45は比較器43からの信号を反転させ、MOSトランジスタ43のゲートに‘H’レベルの信号を出力する。また、ノードN1とノードN2とは等電位とされる。
また、MOSトランジスタ44の電流経路の一端はノードN2に接続され、電流経路の他端はノードN3に接続され、ゲートには比較器43の信号が入力される。従って比較器43が‘H’レベルの信号を出すことでMOSトランジスタ44はオン状態となり、ノードN2とノードN3とがショート、すなわち等電位とされる。
<VDDSA発生回路9の詳細について>
次に、上述したVDDSA発生回路9の詳細について、図8を用いて説明する。図8はVDDSA発生回路9の回路構成である。図示するようにVDDSA発生回路9は、第1電圧発生部47、第2電圧発生部48、及びpチャネル型MOSトランジスタ56を備える。
<第1電圧発生部47について>
まず、第1電圧発生部47の構成について説明する。第1電圧発生部47は、比較器50、pチャネルMOSトランジスタ51、nチャネルMOSトランジスタ52、抵抗素子53、及び昇圧抵抗部54を備える。なお、MOSトランジスタ51の閾値をVtとする。
図示するように、MOSトランジスタ51の電流経路の一端はノードN15に接続され、電流経路の他端はノードN16を介してMOSトランジスタ52の電流経路の一端に接続されている。なお、ノードN15には電圧VDDSAよりも高い外部電圧Vext2が与えられる。MOSトランジスタ52の電流経路の他端はノードN17を介して抵抗素子53の一端に接続され、ゲートはノードN16と共通接続されている。すなわち、MOSトランジスタ52はダイオード接続され、ノードN16の電圧がゲートに供給される。なお、ノードN16における電位を電圧VM2とし、この電圧VM2がMOSトランジスタ52のゲートに与えられる。すなわち、MOSトランジスタ52の電流経路の一端と他端との電位差と該電流経路の他端とゲートとの電位差とが同値となる。このため、MOSトランジスタ52は5極管動作をする。そして、ノードN17の電位を電圧VM3とする。ここで、電圧VM3は抵抗素子53と昇圧抵抗部54との負荷特性とMOSトランジスタ52とが描く電流−電圧特性とで決定される。そして、ノードN17における電圧VM3が抵抗素子53と昇圧抵抗部54とで分圧される。すなわち、抵抗素子53の他端はノードN18を介して昇圧抵抗部54の一端と接続されている。
昇圧抵抗部54はデコーダ55とk(k:自然数)個からなる抵抗素子54−1、54−2、・・・54−k、及びそれらと同数のnチャネルMOSトランジスタTr54−1、Tr54−2、・・・Tr54−kを備える。また、抵抗素子54−1、54−2、・・・54−kの抵抗値をそれぞれR1、R2、・・・、Rkとする。すなわち、図示せぬ制御部から与えられた信号のデコード結果に基づいて、デコーダ55は少なくともMOSトランジスタ54−j(jは1〜kのいずれか)のいずれかをオン状態とする。すなわち、オン状態とされたMOSトランジスタ54−jの電流経路の一端が接地されることにより該MOSトランジスタ54−jに対応する抵抗素子54−j及び抵抗素子53とで、上記ノードN17の電位が分圧される。ここで、ノードN18の電圧をVM4とする。
比較器50の反転入力端子には、例えばBGR回路で生成された基準電圧VREFが供給される。また、抵抗素子53の他端と抵抗素子54−0〜54−kの一端とが接続されたノードN18における電圧VM4が比較器50の正入力端子に供給される。すなわち、比較器50は、該比較器50に供給される基準電圧VREFと該ノードN18とにおける電圧VM4とが一致するように、MOSトランジスタ51のオン、またはオフ状態を制御する。すなわち、比較器50は基準電圧VREFと電圧VM4とを比較し、VREF<VM4であると、MOSトランジスタ51のゲートに‘H’レベルの信号を出力する。これにより、MOSトランジスタ51はオフ状態となる。このため、ノードN15からノードN16への電圧の供給は停止される。また、VREF≧VM4であると、比較器50はMOSトランジスタ51のゲートに‘L’レベルの信号を出力する。これにより、MOSトランジスタ51はオン状態となる。このため、ノードN15からノードN16へと電圧が供給され、その結果、ノードN16は電圧VM2にまで達する。また、電圧VM2が最大取りうる値は、MOSトランジスタ51のゲートに与えられた電圧から該MOSトランジスタ51の閾値、すなわちVtを引いた値である。また、前述した昇圧抵抗部54の抵抗素子を任意に選択することで、電圧VM2の値を可変とすることができる。
ここで、電圧VM2の値が電圧V1VDDとされる場合の昇圧抵抗部54の抵抗値をR2とする。そして、昇圧抵抗部54の抵抗値をR2よりも小さなR1とすると、抵抗値がR2である場合に比べてノードN18の電位が上がる。これは、ノードN18の電圧VM4が降圧されることにより、この電圧VM4を上昇させようと比較器50が‘L’レベルを出力するからである。これにより、ノードN16の電位は電圧V1VDDよりも大きな電圧V1VDDSAを出力することができる。
<第2電圧発生部48について>
次に、第2電圧発生部48について説明する。第2電圧発生部48は、nチャネルMOSトランジスタ57、60、抵抗素子58、59を備える。なお、MOSトランジスタ57の閾値をVtとする。
図示するように上記第1電圧発生部47におけるノードN16(ノードN19)は、MOSトランジスタ57のゲートに接続される。すなわち、ノードN16から出力された電圧VM2はノードN19を介して、MOSトランジスタ57のゲートに転送される。また、ノードN19に、MOSトランジスタ56の電流経路の一端が接続され、他端が接地され、ゲートには信号disc1が与えられている。すなわち、信号disc1により、MOSトランジスタ56がオン状態とされることで、ノードN16及びノードN19を接地させる。
またMOSトランジスタ57の電流経路の一端はノードN10に接続され、他端はノードN11を介して抵抗素子58の一端に接続される。また、抵抗素子58の他端は接地されている。また、抵抗素子59の一端はノードN11で、抵抗素子58の一端と共通接続され、他端はMOSトランジスタ60の電流経路の一端に接続される。またMOSトランジスタ60の電流経路の他端は接地され、ゲートには信号disc2が与えられる。信号disc2は、たとえば図示せぬ制御部から与えられる。そして、信号disc2が‘H’レベルとなることでMOSトランジスタ60がオン状態とされ、抵抗素子58、59が並列接続される。すなわち、抵抗素子58単体の抵抗値よりも、抵抗素子58、59による合成抵抗の値の方が低くなる。
また、ノードN11の電位は、最大で電圧VM2からMOSトランジスタ57の閾値分、すなわちVtを差し引いた値まで外部電圧Vext2により充電される。しかし、実際は抵抗素子58、59が有限の抵抗値であることから、ノードN11の電位は、MOSトランジスタ57の電気特性と抵抗素子58、59の負荷線とで設定される。そして、抵抗素子58の抵抗値は、MOSトランジスタ60がオフ状態の場合において、MOSトランジスタ57のゲートに電圧V1VDDSAが転送されると、ノードN11の電位が電圧VDDSAとされる値である。また、抵抗素子58の抵抗値は同様にMOSトランジスタ60がオフ状態の場合において、MOSトランジスタ57のゲートに電圧V1VDDが転送されると、ノードN11の電位が電圧VDDとされる値である。この様子を図9に示す。図9は、第2電圧発生部のI−V特性である。具体的には、MOSトランジスタ57のI−V特性と抵抗素子58、59における負荷特性を示したグラフである。そして縦軸にノードN11に流れる電流値、横軸にノードN11における電圧値をとる。図示するように、MOSトランジスタ60をオフ状態、すなわち、抵抗素子59をフローティングの状態とした場合、負荷特性は抵抗素子58の抵抗値のみに依存する。つまり、抵抗素子58、59とで並列接続とされる場合よりも抵抗値が大きくなることから、負荷線の傾きは小さくなる(図中、aと記載)。そして、このときa線とMOSトランジスタ57(図中、c線と記載)との交点の電圧が電圧VDDとされる。
そして、MOSトランジスタ60がオン状態とされることで、負荷線の傾きがa線よりも大きくなる(図中、b線と記載)。そして、このときb線とc線との交点における電圧が電圧VDD’(<電圧VDD)とされる。
以上のようにして、昇圧抵抗部54の抵抗値を制御することで、ノードN11から出力される電圧VM2の値を制御している。また、MOSトランジスタ56をオン状態とすることで、ノードN9における電位は0[V]に向かう。これにより、MOSトランジスタ57をオフ状態とされると、ノードN10から外部電圧Vext2が供給されないため、ノードN11の電位は0[V]へと向かう。
なお、VDDSA発生回路9は電圧VDDSAを出力した後、必要とされる時以外は、昇圧抵抗値54の抵抗値をR1とすることで、ノードN11から電圧VDDを出力する。
また、上記では外部電圧Vext2が供給された場合について説明したが、外部電圧Vext1がノードN15、N10から供給された場合、VDDSA発生回路9はノードN11からは電圧VDDを出力する。つまり、昇圧抵抗値54の抵抗値を所望の値とすることで、ノードN11から電圧VDDを出力する。
<書き込み動作>
次に、本実施形態に係る不揮発性半導体メモリにおける書き込み動作について、特に外部電圧Vext2を供給される場合に着目して説明する。前述したように、本実施形態では偶数ビット線BLi毎、または奇数ビット線BL(i+1)毎に書き込み動作を行う。以下では、一例としてビット線BLiに対して書き込みを行う場合について説明する。そして本実施形態では、‘0’データ書き込み、‘1’データ書き込みに関わらず、外部電圧Vext2が供給されると、上記説明したVDDSA発生回路9が該外部電圧Vext2を降圧して生成した電圧VDDSAを、ビット線BLに転送する。なお、‘0’データ書き込みとは、メモリセルトランジスタMTに発生した反転層の電荷を電荷蓄積層へと注入し、例えば図2において該MOSトランジスタの閾値電圧Vth1を、電圧V01よりも大きく設定する動作を言う。そして、‘1’データ書き込みとは、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vth0を、電圧V01よりも小さく設定する動作を言う。
そこで、本実施形態では書き込みのフェーズを、1:書き込み準備、2:書き込み、3:書き込みベリファイの3つの時系列に区分する。ここでは、特に1:書き込み準備、2:書き込みについて図10を用いて説明する。またここでは書き込み対象がビット線BLiにおいて、‘1’データ書き込み動作、及び‘0’データ書き込み動作についてそれぞれ説明する。
<1:書き込み準備>
まず、図10における時刻t0から時刻t4において書き込み準備が実行される。また図10は、選択トランジスタST1のゲートに印加される信号sgdの電位、チャネルの電位、ビット線BLiの電位、VDDSA発生回路9の出力電圧、選択ワード線WLの電位、非選択ワード線WLの電位、信号Si、信号S’i、信号S(i+1)、及び信号S’(i+1)のタイムチャートである。
図示するように、まず時刻t0以前では、VDDSA発生回路9は電圧VDDを出力する。しかし、時刻t0以前は書き込み前であることから、信号Si、信号S’i、信号S(i+1)、信号S’(i+1)はそれぞれ‘L’レベルとされる。この結果、MOSトランジスタTRi、MOSトランジスタTR’i、MOSトランジスタTR(i+1)、MOSトランジスタTR’(i+1)がオフ状態とされる。このため、センスアンプ4からビット線BLへは電圧VDDが転送されることはない。つまり、時刻t0において、ビット線BLは0[V]とされ、また選択トランジスタのゲートに印加される信号sgdも‘L’レベル、すなわち0[V]であることから、メモリセルアレイのチャネルの電位も0[V]とされる。また、選択されたブロックBLKsに対応するワード線WLも0[V]とされる。
そして、時刻t0において、データの書き込みの準備を実行するべく、VDDSA発生回路9は、出力する電位を電圧VDDから立ち上げ、この電圧をノードN4に与える。そして、MOSトランジスタ14を介して、ノードN4における電位がセンスアンプ4に与えられる。そして、信号Si、信号S’(i+1)がそれぞれ‘H’レベルとされる。この結果、MOSトランジスタTRi、MOSトランジスタTR’(i+1)がオン状態とされる。
そして、‘1’データを書き込むべき選択ビット線BLiにはセンスアンプ4及びMOSトランジスタTRiを介してVDDSA発生回路9からの出力電圧が転送される。そして、非選択ビット線BL(i+1)には、非選択回路5及びMOSトランジスタTR’(n+1)を介してVDDSA発生回路9からの出力電圧が転送される。これにより、ビット線BLi、ビット線BL(i+1)の電位は、時刻t0から立ち上がり始める。また、選択トランジスタST1のゲートに印加される信号sgdが0[V]から立ち上がりはじめる。
また、データが書き込まれていないメモリセルトランジスタMTの閾値は負であるため、ワード線WLが0[V]であってもチャネルが形成される。そして、選択ビット線BLiにはセンスアンプ4からの出力電位が転送されていることから、時刻t1において、ビット線BLiに対応するチャネル(図中、ビット線BLiと示す)の電位が上昇する。
そして、時刻t2になると、上記VDDSA発生回路9の出力が電圧VDDSAに達する。また同時刻t2において信号sgdは‘H’レベル、すなわち電圧VSGとされる。この結果、選択トランジスタST1はオン状態であることから、ビット線BLi、ビット線BL(i+1)及びそれらビット線BLに対応したメモリセルトランジスタMTのチャネルの電位はそれぞれ電圧VDDSAに達する。その後、時刻t2において選択トランジスタST1のゲートに印加する信号sgdを‘L’レベルとすることで、該選択トランジスタST1をオフ状態、すなわちカットオフとする。なお、選択トランジスタST2は常にオフ状態とされている。また、選択トランジスタST1がカットオフされた後、VDDSA発生回路9は出力電圧を電圧VDDSAから電圧VDDへと降圧させる。そして、ビット線BLi、ビット線BL(i+1)にそれぞれ対応したチャネルは電圧VDDSAでフローティングとされる。そして、ビット線BLi、ビット線BL(i+1)はそれぞれVDDSA発生回路9により電圧VDDに降圧される。
また、‘0’データを書き込むべきビット線BLiには、センスアンプ4により0[V]が転送される。その結果、ビット線BLiに対応するメモリセルトランジスタMTのチャネルの電位も0[V]とされる。これにより、ビット線BLiは時刻t0以降0[V]を維持し、ビット線BL(i+1)の電位は、時刻t0から立ち上がり始める。
次に、‘1’データ書き込み動作と‘0’データ書き込み動作とに場合を分けてそれぞれの説明を行う。まず、‘1’データ書き込みの動作について説明する。
<2−1:‘1’データ書き込み動作について>
時刻t3において信号sgdが0[V]から立ち上がり始める。そして時刻t4において電圧vsgdに達する。そして同時刻t4において、非選択ワード線WLの電位が立ち上がり始め、時刻t5で電圧VPASSに達する。この結果、フローティングとされたチャネルの電位が、ワード線とのカップリングにより上昇し、(以下、これをセルフブーストと呼ぶ)該チャネルの電位は(電圧VDDSA+セルフブースト電圧)とされる。また時刻t5において選択ワード線WLの電位が立ち上がり始め、時刻t6で電圧VPGMに達する。この際、ビット線BLiに対応したメモリセルトランジスタMTのチャネルとワード線WLとの電位差は電圧(VPGM−(VDDSA+セルフブースト電圧))とされているので、選択トランジスタST1はカットオフとされる。この結果、メモリセルトランジスタMTにおける保持データが別のレベルに遷移しない程度の電荷注入に抑えられる。これによりメモリセルトランジスタMTへの‘1’データ書き込みが行われる。
次に、ビット線BLiに対応するメモリセルトランジスタMTにおける‘0’データ書き込みについて説明する。また、‘1’データ書き込みと同一の動作については説明を省略する。
<2−2:‘0’データ書き込み動作について>
2−1で説明した通り、時刻t3において立ち上がり始めた信号sgdは、時刻t4で電圧vsgdとされる。そして、この電圧vsgdは選択トランジスタST1の閾値である。つまり、ビット線BLiに対応するチャネルは0[V]であることから、選択トランジスタST1はオン状態とされる。
その後、時刻t5において非選択ワード線WLが電圧VPASSに、そして時刻t6において選択ワード線WLが電圧VPGMに達する。またビット線BLiに対応したチャネルの電位は0[V]を維持することから、該チャネルには電圧VPGMが印加される。このため、メモリセルトランジスタMTにおける保持データが、別レベルに遷移する程度にチャネルの電荷が電荷蓄積層に注入される。この結果、メモリセルトランジスタMTにはビット線BLiを介して‘0’データ書き込みが行われる。
なお、以上ではビット線BLiに対する書き込み動作を説明した。このため、時刻t0以降信号S’i及び信号S(i+1)は‘L’レベルとされる。逆に、ビット線BL(i+1)が選択された場合、信号S’n及び信号S(i+1)が‘H’レベルとされ、信号Si及び信号S’(i+1)は‘L’レベルとされる。以下、読み出し時においても同様である。なお、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリは、外部電圧Vext1を供給された場合、上記動作において電圧VDD発生回路10により発生された電圧VDDがノードN4に与えられる点が異なる。この為、ノードN3に出力された電圧がショート回路8によってノードN4に転送される。その他動作は、上記と同一であるため説明を省略する。
<読み出し動作について>
次に図11を用いて、選択ビット線BLiにおける‘1’データまたは‘0’データの読み出し動作について説明する。つまり選択ビット線BLiに隣接する(i+1)番目のビット線BL(i+1)は非選択とされる。すなわち、電圧センス方式について説明する。これは前述のように、隣接するビット線BLに対しセンスアンプ4が1つ設けられているためである。また、読み出し動作の場合、外部電圧Vext2が供給されている場合であっても、VDDSA発生回路9は電圧VDDを出力し、またショート回路はノードN2とノードN3とをショートする。すなわちこの場合、本実施形態に係る不揮発性半導体メモリは、電圧VDDを用いて稼動する。
図11は、選択トランジスタST1のゲートに与えられる信号sgd、非選択ワード線WL、選択ワード線WL、選択トランジスタST2のゲートに与えられる信号sgs、非選択ビット線BL、選択ビット線BL(とそれに対応するチャネル)、信号Si、信号S’i、信号S(i+1)、及び信号S’(i+1)のタイムチャートである。
<プリチャージ>
時刻t0において、‘L’レベルとされた、信号Si及び信号S(i+1)が時刻t1において、‘H’レベルとされる。そして、同時刻t1において信号sgdが立ち上がる。これによりVDDSA発生回路9及び電圧VDD発生回路10により出力された電圧VDDがビット線BLi及びビット線BL(i+1)へと転送される。すなわち、時刻t1において、ビット線BLi及びビット線BL(i+1)の電位が立ち上がり始める。そして時刻t2において、信号sgdが電圧VSGに達する。引き続き時刻t2においてワード線WLドライバ13により選択ワード線WL及び非選択ワード線WLの電位が立ち上がり始める。このため、時刻t2においてビット線BLiに対応するチャネルの電位が立ち上がり始める。
そして、時刻t3において、選択ビット線BLi、非選択ビット線BL(i+1)の電位が電圧V1(<電圧VDD)にまで充電される。
その後、時刻t4において、選択ワード線WLは電圧VCGRに、非選択ワード線WLは電圧VREADにそれぞれ達する。これにより、選択ビット線BLiに対応するメモリセルアレイのチャネルの電位は時刻t4で電圧V1に達する。
<ディスチャージ>
そして、時刻t4において選択トランジスタST2のゲートに印加される信号sgsが0[V]から立ち上がり始め、時刻t5において電圧VSGに達する。これにより、選択トランジスタST2はオン状態とされ、上記電圧V1にまで充電されたビット線BLiの電位は放電される。
<センス>
その後、時刻t6において、信号sgd及び信号sgsの電圧がそれぞれ立ち下がり始める。これにより、ビット線BLiにおける電圧の放電はストップする。この時の、ビット線BLiの電位を電圧Vdiscとする。そして、この放電後のビット線BLiの電圧Vdiscが、センスアンプ4が備える図示せぬラッチ回路に接続されたMOSトランジスタの閾値電圧よりも低い場合、センスアンプ4は、そのビット線BLiを‘1’データとし、閾値電圧よりも高い場合を‘0’データとする。これはセンスアンプ4が備える図示せぬキャパシタの容量よりも、ビット線BLiの容量が大きいため、センス時、該キャパシタの電位がビット線BLiの電位に遷移する原理を用いる。またこの現象をチャージトランスファと呼び、時刻t6以降で実行される。
以上のように書き込み動作及び読み出し動作においてVDDSA発生回路9は書き込み動作からそれ以外の動作に遷移する場合に、電圧VDDSAから電圧VDDを出力する。
次に、VDDSA発生回路9における電圧VDDSAと電圧VDDとの切り替え動作について図12を用いて説明する。
<VDDSA発生回路9の動作について>
図12は、電圧VDDから電圧VDDSAへと切り替え、再度電圧VDDへと切り替える際の、昇圧抵抗部54の抵抗値、ノードN18、比較器50の出力信号、MOSトランジスタ56に印加される信号disc1、ノードN16、N19、MOSトランジスタ60のゲートに印加される信号disc2、及びノードN11の電位のタイムチャートである。また、図12における時刻t0〜t1は、上記図10での時刻t0〜t3までの書き込み準備に相当する。そして図12における時刻t0以前及び時刻t1〜t7は、上記図11で説明したような読み出し動作や、ベリファイ動作などに相当する。すなわち、データの読み出し動作であれば、ノードN11から出力される電圧VDDが、例えばセンスアンプ4におけるプリチャージやディスチャージなどに使用される。
<時刻t0以前>
図示するように、まず時刻t0の前後で書き込み動作以外の例えば読み出し動作から書き込み準備とか切り替わる。このため時刻t0以前では、デコーダ55により昇圧抵抗部54の抵抗値はR2とされる。この時ノードN18における電圧VM4の値を、電圧VN8_Hとする。これにより、比較器50はこの電圧VM4と基準電圧VREFとを比較し、MOSトランジスタ51に‘H’レベルを出力する。なお、信号disc1、2は共に‘L’レベルとされる。これにより、ノードN16、N19は電圧V1VDDとされ、またノードN11は電圧VDDとされる。
<時刻t0〜t1>
図示するように時刻t0を経過すると、ビット線BLに電圧VDDSAを転送すべく、書き込み準備動作が開始される。以下、説明する。
時刻t0を経過すると、デコーダ55により、昇圧抵抗部54の抵抗値がそれまでのR2からR1(<R2)へと切り替わる。これにより、ノードN18の電位VM4が下がる(A20)。すなわち、電圧VN8_Lとされる。このため、ノードN18における電圧VM4と基準電圧VREFとを比較することで、比較器50は降圧されたノードN18の電位VM4を上げようと、MOSトランジスタ51のゲートに‘L’レベルの信号を与える(A21)。すなわち、MOSトランジスタ51はオン状態とされる。これにより、ノードN16、N19の電位は電圧V1VDDから立ち上がり始める。このため、MOSトランジスタ57のゲートには‘H’レベルが与えられることから、ノードN11における電圧が電圧VDDから立ち上がり始める。そして、時刻t1において、ノードN16、N19の電位が電圧V1VDDSAにまで充電されることで、ノードN11の電位が電圧VDDSAに達する。なお、この際、信号disc1、2はそれぞれ‘L’レベルとされる。
以上により、書き込み準備のための電圧VDDSAがノードN11から出力される。
<時刻t1〜t7>
次に、時刻t1〜t7における各信号のタイムチャートについて説明する。図示するように、時刻t1の前後で書き込み準備動作と読み出し動作とが切り替わる。時刻t1において、デコーダ55により、昇圧抵抗部54の抵抗値がそれまでのR1からR2(>R1)へと切り替わる。これにより、ノードN18の電位VM4が上がる(A1)。ここで、ノードN18における電位を電圧VN8_Lとする。このため、ノードN18の電圧VM4と基準電圧VREFとにより、比較器50は、上昇した電圧VM4を下げようと、MOSトランジスタ51のゲートに‘H’レベルの信号を与える(A2)。すなわち、MOSトランジスタ51はオフ状態とされる。また、同時刻t1において、信号disc1が‘H’レベルとされる。このため、MOSトランジスタ56がオン状態とされる。よって、ノードN16、ノードN19の電圧は電圧V1VDDSAから立ち下がり、時刻t2において0[V]とされる(A3、A4)。
また、時刻t1において信号dsic2が‘H’レベルとされる。すなわち、MOSトランジスタ60がオン状態とされ、ノードN11の電位が電圧VDDSAから立ち下がりはじめる(A5、A6)。
更に、時刻t2においてノードN18の電圧VM4が0[V]へと向かう。これは、MOSトランジスタ51がオフ状態とされ、ノードN16、N19の電位が低下するからである(A7)。このため、時刻t2において電圧VM4と基準電圧VREFとを比較し、比較器50は‘L’レベルの信号を出力する。これにより、MOSトランジスタ51がオン状態とされ、ノードN16、N19の電位が上昇し始める(A8)。これにより、時刻t3においてノードN18の電圧VM2が上昇し始める(A9)。
そして、時刻t3においてノードN11の電位は電圧VDD’まで降圧され、時刻t4まで該電圧VDD’を維持される(A10)。これは、ノードN11を共通接続として抵抗素子58及び59とで並列接続されるためである。その後、時刻t4において信号disc2が‘L’レベルとされる。このため、抵抗素子59はフローティングとされノードN11の電位が立ち上がる(A11)。また、時刻t5において、ノードN16、N19の電位が電圧V1VDDに達するため、時刻t6でノードN18の電位が電圧VM4、すなわち電圧VN8_Hとされる(A12)。その後、時刻t7においてノードN11の電位が電圧VDDに達する(A11)。
以上により、ノードN11における電圧VDDSAを電圧VDDへと切り替える。
<本実施形態に係る効果>
本実施形態に係る不揮発性半導体メモリであると、以下(1)乃至(3)の効果を奏することが出来る。
(1)‘1’データ書き込みにおいて、プログラムディスターブを抑制することが出来る。
従来から‘1’データ書き込みの際、その対象となるチャネルに、例えば初期充電とされる電圧VDDを転送し、その後選択トランジスタST1をカットオフすることで、該チャネルの電位を電圧VDDよりも高くしていた。これにより、チャネルに生成された電荷を電荷蓄積層へと注入されないよう制御ゲートとそれに対応するチャネルとの電位差を小さくしてきた。しかし、従来プログラムディスターブが生じていた。
そこで、本実施形態に係る不揮発性半導体メモリであると、チャネルに従来よりも大きな初期充電とされる電圧VDDSAを転送する。そして、チャネルに電圧VDDSAを転送後、選択トランジスタST1をカットオフする。その後、ワード線WLとのカップリングによりチャネルは電圧VDDSAよりも更に上昇する。このため、チャネルの電圧は更に選択ワード線WLにより書き込み電圧VPGMが転送された場合であっても、該ワード線WLとして機能する制御ゲートとチャネルとの電位差が更に小さくなるため、プログラムディスターブを抑制することができる。この様子を図13に示す。図13は、チャネルの電位を電圧VDD及び電圧VDDSAとした場合における、‘1’データ書き込み時のメモリセルトランジスタMTの閾値のシフト量を示し、縦軸にそのシフト量を取り横軸にチャネルの充電電位(図中、BL充電電位と表記)を取る。ここでは、分かりやすくするため、チャネルの電位を電圧VDDとした場合、‘1’データ書き込み時におけるメモリセルトランジスタMTの閾値のシフト量を100[%]とする。そして、電圧VDDSAは電圧VDDに対し、1.56倍(図中156%と表記)の大きさを持つ電圧である。図示するように、チャネルの電位を電圧VDDSAとした場合のメモリセルトランジスタMTの閾値のシフト量は47.8[%]である。すなわち、図2において、チャネルの電位を電圧VDDとして、この時の‘1’データの閾値電圧Vth0が‘0’データの閾値電圧Vth1となる場合を100[%]とすると、チャネルの電位が電圧VDDSAであると、‘1’データの閾値電圧Vth0から50[%]程度しかシフトしない。つまり、‘0’データと認識される程度までにメモリセルトランジスタMTの閾値が上昇しない。以上より、不揮発性半導体メモリにおいて動作信頼性の向上が可能となる。
(2)面積を縮小することができる(その1)。
本実施形態に係る不揮発性半導体メモリであると、VDDSA発生回路9及びVDD発生回路10から転送される電圧VDDSAと電圧VDDとがそれぞれ入力されるMOSトランジスタ14及び15を同一ウェル30上に形成することで、面積を小さくすることが出来る。これは、上述したように、検知回路7と該検知回路7により制御されるショート回路8とを設けたことに起因する。
すなわち、電圧VDDSA<電圧VDDとされた場合であっても検知回路7によりショート回路8がショートするため、図6においてn型ウェル領域33を、MOSトランジスタ14が形成されるn型ウェル領域33とMOSトランジスタ15が形成されるn型ウェル領域33とに分離する必要もない。つまり、外部から影響を受けたことにより、万が一電圧VDDSA<電圧VDDとなる場合を想定する必要がない。つまり電圧VDD>電圧VDDSAとされた場合における、n型半導体基板30と不純物拡散層32との間での順方向バイアスを想定する必要がなく、一定以上の距離を隔ててn型ウェル領域33を分離する必要性もない。その結果n型ウェル領域33を一定間隔以上、離すだけの面積を省略することができる。そして、このMOSトランジスタ14及び15はセンスアンプ4に電圧VDDSAまたは電圧VDDが入力される端子にそれぞれに形成されるため、該センスアンプ4が形成される数だけ面積縮小の効果が表れる。以上により、回路面積を縮小出来、また誤作動を起こすことがなく動作信頼性の向上につながる。
また更に、電圧VDDSAは書き込み動作でVDDSA発生回路9が生成し、それ以外の内部電圧や読み出し電圧などはVDD発生回路10が生成する電圧VDDを用いる。つまり以前から設けられていたVDD発生回路10を流用することが可能であり、コスト面でも削減が可能とされる。
更に、VDDSA発生回路9の出力端は、電圧VDDSAを発生する場合以外ではショート回路8により、VDD発生回路10の出力端とショートされている。つまり、外部電圧Vext2が供給されVDDSA発生回路9が電圧VDDSAを発生する以外、該VDDSA発生回路9は電圧VDDを出力する。つまり、本実施形態ではプログラムディスターブを防止するためVDDSA発生回路9を設けているが、このVDDSA発生回路9を設けたことによる、システムの変更は一切必要としない。換言すれば、必要に応じてこれまでの製品にVDDSA発生回路9を設けるだけで本実施形態における効果が得られる。
(3)電圧VDDSAから電圧VDDへと素早く切り替えることが出来る(その1)。
本実施形態に係る不揮発性半導体メモリであると、図8で説明したように信号disc1、信号disc2を制御することによりノードN16、N19、及びN11の電位を制御することができる。すなわち、抵抗素子59及びMOSトランジスタ60を設けず、抵抗素子58のみで(電圧VDDSA−電圧VDD)に相当する電圧を消費しようとすると、電圧VDDへと遷移するまで多大な時間が掛かってしまう。これは、不揮発性半導体メモリ全体の動作において、遅延の原因となる。具体的には書き込み動作から、その書き込みが確実に行われているかのベリファイ動作(以下、書き込みベリファイ動作)に入る過程などである。そして、例えば書き込み動作から書き込みベリファイ動作、消去動作から消去ベリファイ動作(以下、消去ベリファイ動作)などは、必要な回数だけ実行されることから、例え小さい遅延であっても、全体として多大な遅延時間となってしまう。
この点、本実施形態に係る不揮発性半導体メモリであると、抵抗素子59及びMOSトランジスタ60を備えている。つまり、MOSトランジスタ60をオン状態とし、抵抗素子58と抵抗素子59とを並列接続することで、該抵抗素子58と抵抗素子59との合成抵抗を低くする。これにより、該抵抗素子58と抵抗素子59とに流れる電流を多くすることで、該抵抗素子58と抵抗素子59における消費電力を大きくする。これにより、ノードN11における電圧VDDSAを素早く電圧VDD’へと切り替えることが出来る。
これは、MOSトランジスタ60のオン、オフの制御だけでなく、MOSトランジスタ56のオン、オフを制御することに起因する。すなわち、電圧ノードN11の電位を下げる際、MOSトランジスタ56をオン状態とし、ノードN16、N19の電位を電圧V1VDDSAから0[V]へと遷移させる。これにより、MOSトランジスタ57のゲートには0[V]が印加され、該MOSトランジスタ57はオフ状態とされる。つまり、ノードN10の外部電圧VextがノードN11には転送されない。すなわち、この場合において抵抗素子58、59が消費するべき電圧は外部電圧Vextが転送されない際のノードN11の電位である。これにより、より素早くノードN11の電位を電圧VDD’へと遷移することが出来る。また、電圧VDD’から電圧VDDへと電圧を昇圧する際は、信号disc1を‘L’レベルとすることでノードN16、N19、及びN11における降圧をストップさせる。このとき、昇圧抵抗部54の抵抗値はR2であるため、ノードN11における電位は電圧VDDに遷移することができる。
<変形例その1>
次に、本実施形態の第1変形例に係るVDDSA発生回路9について説明する。変形例に係るVDDSA発生回路9を図14に示す。図14は、図8において検知回路7を用いた回路図である。図示するように、ノードN11の電位に応じて、MOSトランジスタ59の制御を検知回路7により制御してもよい。
<検知回路7の動作について>
次に検知回路7の動作について図15を用いて説明する。図15は検知回路7がMOSトランジスタ60のゲートに出力する信号disc2と、ノードN11の電位のタイムチャートである。また、時刻t0でのノードN11の電位を電圧VDDSAとし、時刻t1でのノードN11の電位を電圧VDDとする。
検知回路7はノードN11の電位を検知する。そして時刻t0において該ノードN11の電位は電圧VDDSAであることから、該ノードN11の電位を降圧しようと、検知回路7は信号disc2として‘H’レベルの信号を出力する。これにより、MOSトランジスタ60はオン状態とされ、抵抗素子58、59とが互いに並列回路を成す。このため、ノードN11の電位は電圧VDDSAから降下し、時刻t1において電圧VDDに達する。これを検知した検知回路7はMOSトランジスタ60のゲートに対し‘L’レベルの信号disc2を出力する。これにより、MOSトランジスタ60はオフ状態とされる。これにより抵抗素子59の他端はフローティングとされ、ノードN11の放電が停止する。
<変形例その1に係る効果>
本実施形態の変形例に係る不揮発性半導体メモリであると上記(1)乃至(3)の効果に加え、以下の効果を奏することが出来る。
(4)電圧VDDSAから電圧VDDへと素早く切り替えることが出来る(その2)。
本実施形態の変形例に係る不揮発性半導体メモリであると検知回路7はノードN11の電位を監視しつつ、電圧VDDSAが降圧し、電圧VDDとされた時、MOSトランジスタ59のゲートに‘L’レベルの信号disc2を与えることで、電圧VDD以下とされた電圧の放電を防止することが出来る。すなわち、上記実施形態のように一度、電圧VDD’まで降圧された後、電圧VDDにまで昇圧させるのではなく、電圧VDDSAを降圧させて電圧VDDとされた時点でMOSトランジスタ59による放電をストップさせる。これにより、更に素早く所望の電圧に遷移させることが出来、不揮発性半導体メモリ全体の動作速度も向上させることが出来る。
<変形例その2>
次に上記実施形態の第2変形例に係る不揮発性半導体メモリについて説明する。上記実施形態の変形例では、図1において検知回路7及びショート回路8を廃し、降圧回路70を設けたものである。この様子を図16に示す。図示するように、降圧回路70をノードN2とノードN3とで接続する。
次に図17を用いて、降圧回路70の詳細について説明する。図17は、降圧回路70の回路図である。図示するように、降圧回路70は図8に示したVDDSA発生回路9において、昇圧抵抗部54、MOSトランジスタ56、60、及び抵抗素子58、59を廃し、抵抗素子71、MOSトランジスタ72乃至74、及びキャパシタ素子79を設け、更にノードN15とN10とを接続した構成をとる。以下、図8と同一の構成については説明を省略する。
図示するように、抵抗素子71の一端はノードN18において抵抗素子53の他端と接続され、他端はMOSトランジスタ72の電流経路の一端に接続される。そしてMOSトランジスタ72の電流経路の他端は接地されている。すなわち、ノードN18における電位VM2と基準電圧VREFとを比較し、その結果に応じて比較器50はMOSトランジスタ51のオン、またはオフを制御する。そして、MOSトランジスタ51のゲートに与えられる電圧に、該MOSトランジスタ51の閾値Vtを足した値がノードN16の電位とされる。この電位を前述と同様電圧VM1とする。そして、MOSトランジスタ51のゲートに電圧VDDが与えられるとするとノードN16の電位は電圧(VDD+Vt)まで充電される。
そして、MOSトランジスタ57の電流経路の一端は、電圧VDDSAが供給されるノードN2に接続され、電流経路の他端は、電圧VDDが供給されるノードN3に接続され、ゲートはノードN16に接続される。そして、MOSトランジスタ57の閾値をVtとするとノードN3の電位はノードN2に供給される電圧VDDSAにより電圧VDDまで充電される。
また、MOSトランジスタ74の電流経路の一端はノードN3に接続され、電流経路の他端はノードN5に接続され、ゲートには信号S1が与えられる。そして、MOSトランジスタ73の電流経路の一端はノードN2に接続され、電流経路の他端はノードN4に接続され、ゲートには信号S2が与えられる。また、MOSトランジスタ73、74がそれぞれ接続される配線間には線間容量Cとされるキャパシタ素子75が形成される。すなわち、キャパシタ素子の電極の一方はノードN4に接続され、他方はノードN5に接続される。
<降圧回路70の動作>
次に、上記降圧回路70の動作について図18を用いて説明する。図18は、ノードN2乃至5の電位、及びMOSトランジスタ57のチャネルの電位のタイムチャートである。また、信号S1、S2はそれぞれ常時‘H’レベルとされる。すなわち、MOSトランジスタ73、74はオン状態とされる。また、MOSトランジスタ57もオン状態とする。
図示するように、時刻t0においてノードN3に供給される電圧VDDが立ち下がり始める。これは、ノードN3、センスアンプ4を介して接続されるビット線BLに必要とされる電圧を充電することで、VDD発生回路10による出力電圧が低下することに起因する。
またVDDSA発生回路9が出力する電圧VDDを、時刻t0において電圧VDDSAを出力すべく書き込み準備動作に切り替える。これにより、時刻t0においてノードN2、N4が電圧VDDから上昇し始める。またこれにより、時刻t0においてMOSトランジスタ57のチャネルの電位が電圧VDDから上昇し始める。
また、時刻t1においてノードN5における電位が徐々に充電され、該ノードN5に接続される配線1の電位が上昇し始める。このため、ノードN4に接続される配線2と上記配線1との線間容量Cに応じてカップリング現象を起こす。つまり、該配線2の電圧上昇に伴い、配線1の電位が上昇する。すなわちカップリングにより、時刻t2でノードN4の電位が上昇する。ここで、カップリングにより上昇した電圧を電圧Vcとする。
すると、カップリングによりノードN4において上昇した電圧が、ノードN2へと逆流する。つまり、時刻t3において、電圧VDDから上昇していたノードN2の電圧が、カップリング分だけ高くなる。そして、時刻t4においてノードN5の電位が電圧VDDとされる。これにより引き続き時刻t5において、ノードN4の電位が、時刻t2に比べ電圧Vcだけ高くなる。そして時刻t6において、チャネルの電位が更にカップリング分だけ上昇し始める。つまり、MOSトランジスタ57はオン状態であるため、カップリングで上昇した電圧はVDDSA発生回路9へは逆流せず、該MOSトランジスタ57を介してノードN3へと供給される。
そして、時刻t7においてノードN2の電位が、時刻t3に比べ電圧Vcだけ高くなる。これにより、時刻t8においてチャネルの電位が、時刻t6に比べ電圧Vcだけ更に高くなる。そしてこの電圧VcがノードN3へと転送される。すなわち、時刻t8においてノードN3の電位が上昇し始める。以上により、線間容量Cを用いることで、ノードN3における低下した電圧を補う。なお、上記では電圧VDDSA>電圧VDDとした場合における各ノードのタイムチャートを示したが、電圧VDDSA<電圧VDDであってもよい。この場合であっても、上記説明したようにカップリング現象を用いて、ノードN3からノードN2へと、低下した電圧VDDSAを補う。
<変形例その2に係る効果>
本実施形態の第2変形例に係る不揮発性半導体メモリであると上記(1)乃至(3)の効果に加え、以下の効果を奏することが出来る。
(5)動作安定性を向上することが出来る。
本実施形態の変形例に係る不揮発性半導体メモリにおいて、降圧回路70を設けることで、カップリングで上昇したノードN4における電圧Vcを、ノードN2を介してVDDSA発生回路9へと逆流することから防ぐことが出来る。更には、低下した電圧VDDを、このカップリングで生じた電圧Vcにより補うことが出来る。これにより、安定した電圧VDDをノードN5に供給することができる。
これは、ノードN2とノードN3とで接続されるMOSトランジスタ57を設けたことに起因する。すなわち、MOSトランジスタ57のゲートに与えられる電圧VM2の大きさは電圧(VDD+Vt)である。そしてMOSトランジスタ57の閾値もVtであることから、MOSトランジスタ57の最大転送電圧は電圧VDDとされる。このため、ノードN4からノードN2へと逆流した電圧が電圧VDD以上であっても、MOSトランジスタ57により、ノードN3には電圧VDDが転送される。
このため、ノードN3の電位は電圧VDDよりも大きくなることはなく、安定した電圧とされる。
(6)面積を縮小することができる(その2)。
本実施形態に係る不揮発性半導体メモリであると、降圧回路70を設けることで、検知回路7及びショート回路8を廃することが可能となる。これは、なんらかの原因で電圧VDDSA<電圧VDDとされても、降圧回路70がカップリング現象により、低下した電圧VDDSAを補うことができるからである。このため、電圧VDDSA<電圧VDDとされてもノードN2、N3をショートする必要もなく、またVDDSA発生回路9が出力する電圧の監視をする必要もない。
以上、上記説明した本実施形態に係る不揮発性半導体メモリでは、外部電圧Vext2を例えば、3.0[V]とした場合に電圧VDDよりも大きな電圧VDDSAを生成することが可能となる。つまり、電圧Vext1、すなわち例えば、1.8[V]の場合には電圧VDDSAを使用しない。しかし、この場合であっても、電圧発生回路3により外部電圧Vext2相当の電圧を生成し、VDDSA発生回路9に供給してもよい。この場合、外部電圧Vext1、2の値に拠らず、電圧VDDSAを生成することが可能となる。
またなお、メモリセルトランジスタMTはFG型でもよい。すなわち、FG型の場合には、積層ゲートは半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された電荷蓄積層(浮遊ゲート:導電層)と、浮遊ゲート上にゲート間絶縁膜を介在して形成された制御ゲートとを含む。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
1…メモリセルアレイ、2…電圧発生回路、3…ロウデータ、4…センスアンプ、5…非選択回路、6…NANDストリング、7、43…検知回路、8…ショート回路、9…VDDSA発生回路、10…VDD発生回路、11、12…セレクト線ドライバ、13…ワード線ドライバ、14、15、44、51、52、56、60…MOSトランジスタ、31、32…不純物拡散層、34、37…制御ゲート、41、42、53、58、59…抵抗素子、54…昇圧抵抗部

Claims (5)

  1. 電気蓄積層と制御ゲートとを備え、且つ閾値に応じて2値以上のデータを保持可能とし、電流経路が直列接続されるメモリセルを複数含むメモリセルアレイと、
    前記メモリセルの電流経路の一端に電気的に接続されるビット線と、
    外部から与えられる第1電圧、または外部から与えられ、且つ前記第1電圧よりも高い第2電圧を降圧して得られ、且つ前記第1電圧と等電位の第3電圧を、第1出力端を介して前記ビット線に供給可能な第1電圧発生部と、
    前記第2電圧を降圧して前記第3電圧を生成する場合において、前記第2電圧を降圧した第4電圧を、第2出力端を介して前記ビット線に供給可能な第2電圧発生部と
    を具備する
    ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ。
  2. 電流経路の一端が、前記第1出力端に接続され、前記第3電圧を前記ビット線に接続された電流経路の他端から出力可能な第1MOSトランジスタと、
    前記第1MOSトランジスタと同一ウェル上に形成され、電流経路の一端が、前記第2出力端に接続され、前記第4電圧を前記ビット線に接続された電流経路の他端から出力可能な第2MOSトランジスタと、
    前記第4電圧を監視しつつ、前記第4電圧と前記第3電圧との大きさの差に応じて制御信号を出力する検知回路と、
    前記制御信号を受信すると、前記第1出力端と前記第2出力端とをショートするショート回路とを更に具備し、
    前記検知回路は、前記第4電圧が前記第3電圧よりも小さくなるとショートするよう前記ショート回路に命令する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体メモリ。
  3. 前記第1電圧発生部は、
    前記第2電圧を降圧することで得られる第5電圧を生成し、第3ノードに該第5電圧を出力する第3電圧発生部と、
    前記第5電圧に応じて、前記第3電圧、または前記第4電圧を生成する第4電圧発生部と、
    前記第3ノードの前記第5電圧を放電するスイッチ素子と
    を具備し、前記第4電圧発生回路は、電流経路の一端に前記第2電圧が供給され、ゲートに前記第5電圧が与えられるMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタの電流経路の他端に第4ノードを介して一端が接続され、他端が接地される第1抵抗素子と、一端が前記第4ノードを介して前記第1抵抗素子の前記一端と共通接続される第2抵抗素子と、該第2抵抗素子の他端を接地電位に接続可能な第2スイッチ素子とを備え、
    前記第1スイッチ素子をオン状態とし、前記第3ノードを接地することで前記MOSトランジスタをオフ状態にしつつ、前記第2スイッチ素子をオン状態とすることで前記第4ノードから出力される前記第4電圧を第3電圧よりも低い第6電圧に落とした後、前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子をオフ状態とすることで前記第3電圧に遷移する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体メモリ。
  4. 前記検知回路は、前記第1ノードの電位を検知し、前記第1ノードの電位が前記第4電圧から前記第3電圧に遷移したことを検知すると、前記第2スイッチ素子をオフ状態とする
    ことを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体メモリ。
  5. 前記第2出力端の電圧を、前記第1出力端へ転送することにより該第1出力端の電位を前記第3電圧に維持する転送部と、
    前記転送部が前記第1出力端に前記第3電圧を転送可能とするよう制御する制御部と
    を更に具備し、
    前記ビット線は、前記第1出力端に接続された第1ビット線と前記第2出力端に接続された第2ビット線を含み、
    前記転送部は、隣接する前記第1ビット線及び前記第2ビット線が有する線間容量に応じて、前記第2ビット線における電位上昇に伴い上昇される前記第1ビット線における電位分を前記第1出力端に転送する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体メモリ。
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