以下、本発明の一実施形態を図1〜図21に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、トナー濃度検出器2245及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。ところで、転写ベルト2040上でトナー画像の移動する方向は「副方向」と呼ばれ、該副方向に直交する方向(ここでは、Y軸方向)は「主方向」と呼ばれている。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
トナー濃度検出器2245は、転写ベルト2040の−X側に配置されている。このトナー濃度検出器2245については後述する。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
また、便宜上、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。なお、光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」あるいは「画像形成領域」と呼ばれている。
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
また、シリンドリカルレンズとそれに対応するトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する
次に、前記トナー濃度検出器2245について説明する。
このトナー濃度検出器2245は、一例として図6に示されるように、4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)を有している。
検出センサ2245aは、転写ベルト2040の+Y側端部近傍に対向する位置に配置され、検出センサ2245dは、転写ベルト2040の−Y側端部近傍に対向する位置に配置されている。検出センサ2245bは、検出センサ2245aの−Y側に配置され、検出センサ2245cは、検出センサ2245dの+Y側に配置されている。なお、ここでは、検出センサ2245b及び検出センサ2245cは、Y軸方向に関して、各検出センサの間隔がほぼ等間隔となるように配置されている。
ここでは、一例として図7に示されるように、Y軸方向に関して、検出センサ2245aの中心位置をY1、検出センサ2245bの中心位置をY2、検出センサ2245cの中心位置をY3、検出センサ2245dの中心位置をY4とする。そして、検出センサ2245aに対向するトナーパターンをTP1、検出センサ2245bに対向するトナーパターンをTP2、検出センサ2245cに対向するトナーパターンをTP3、検出センサ2245dに対向するトナーパターンをTP4とする。
TP1はイエローのトナーパターンであり、TP2はマゼンタのトナーパターンであり、TP3はシアンのトナーパターンであり、TP4はブラックのトナーパターンである。
そして、トナー濃度検出器2245を用いたトナー濃度検出処理が行われる際には、プリンタ制御装置2090から走査制御装置にトナーパターンの形成が指示される。
そして、走査制御装置は、感光体ドラム2030dにおける位置Y1にイエローのトナーパターンTP1が形成されるようにYステーションを制御し、感光体ドラム2030cにおける位置Y2にマゼンタのトナーパターンTP2が形成されるようにMステーションを制御する。さらに、走査制御装置は、感光体ドラム2030bにおける位置Y3にシアンのトナーパターンTP3が形成されるようにCステーションを制御し、感光体ドラム2030aにおける位置Y4にブラックのトナーパターンTP4が形成されるようにKステーションを制御する。
そして、Yステーションによって形成されたイエローのトナーパターンTP1は転写ベルト2040における位置Y1に転写され、Mステーションによって形成されたマゼンタのトナーパターンTP2は転写ベルト2040における位置Y2に転写され、Cステーションによって形成されたシアンのトナーパターンTP3は転写ベルト2040における位置Y3に転写され、Kステーションによって形成されたブラックのトナーパターンTP4は転写ベルト2040における位置Y4に転写される。なお、トナーパターンを区別する必要がない場合には、総称して「トナーパターンTP」ともいう。
検出センサ2245aは、一例として図8〜図9(E)に示されるように、5つの発光部(E1〜E5)、5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、5つの受光用集光レンズ(LD1〜LD5)、及び5つの受光部(D1〜D5)を有している。
5つの発光部(E1〜E5)は、Y軸方向に沿って等間隔Leに配置されている。各発光部には、LEDを用いることができる。ここでは、一例として、Le=0.4mmとしている。各発光部は、転写ベルト2040における−X側端部に向けて、XZ面に平行でX軸に対して傾斜した方向に光束を射出する。
照明用集光レンズLE1は、発光部E1の+X側に配置され、発光部E1から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
照明用集光レンズLE2は、発光部E2の+X側に配置され、発光部E2から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
照明用集光レンズLE3は、発光部E3の+X側に配置され、発光部E3から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
照明用集光レンズLE4は、発光部E4の+X側に配置され、発光部E4から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
照明用集光レンズLE5は、発光部E5の+X側に配置され、発光部E5から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
各照明用集光レンズには、Y軸方向及びZ軸方向に関して集光機能を有する球面レンズやアナモフィックレンズを用いることができる。
受光用集光レンズLD1は、照明用集光レンズLE1の−Z側であって、発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
受光用集光レンズLD2は、照明用集光レンズLE2の−Z側であって、発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
受光用集光レンズLD3は、照明用集光レンズLE3の−Z側であって、発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
受光用集光レンズLD4は、照明用集光レンズLE4の−Z側であって、発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
受光用集光レンズLD5は、照明用集光レンズLE5の−Z側であって、発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
各受光用集光レンズには、Z軸方向に関して集光機能を有するシリンドリカルレンズ、Y軸方向及びZ軸方向に関して集光機能を有する球面レンズやアナモフィックレンズを用いることができる。
受光部D1は、発光部E1の−Z側に配置され、受光用集光レンズLD1で集光された光束を受光する。
受光部D2は、発光部E2の−Z側に配置され、受光用集光レンズLD2で集光された光束を受光する。
受光部D3は、発光部E3の−Z側に配置され、受光用集光レンズLD3で集光された光束を受光する。
受光部D4は、発光部E4の−Z側に配置され、受光用集光レンズLD4で集光された光束を受光する。
受光部D5は、発光部E5の−Z側に配置され、受光用集光レンズLD5で集光された光束を受光する。
各受光部には、PD(フォトダイオード)を用いることができる。各受光部は、受光光量に応じた信号を出力する。
他の検出センサ(2245b、2245c、2245d)は、検出センサ2245aと同じ構成、構造を有している。
トナーパターンTPは、一例として図10に示されるように、5つの四角形状のパターン(p1〜p5、以下では、便宜上「矩形パターン」という)を有している。各矩形パターンは、転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に並んでおり、それぞれトナー濃度の階調が異なっている。なお、トナー濃度の階調は、光源から射出される光束のパワーの調整、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティの調整、及び現像バイアスの調整によって変えることができる。
各矩形パターンのY軸方向の長さLpは、上記Leの2.5倍(ここでは、1.0mm)となるように設定されている。また、各矩形パターンのY軸方向の中心が、発光部E3と対向するように設定されている。なお、各矩形パターンの大きさ及び位置に関する情報は、プリンタ制御装置2090から走査制御装置に送られる。
発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光された光束は、一例として図11に示されるように、検出用光S1として、転写ベルト2040を照明する。発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光された光束は、検出用光S2として、転写ベルト2040を照明する。発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光された光束は、検出用光S3として、転写ベルト2040を照明する。発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光された光束は、検出用光S4として、転写ベルト2040を照明する。発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光された光束は、検出用光S5として、転写ベルト2040を照明する。ここでは、一例として、各検出用光が転写ベルト2040の表面に形成する光スポットの大きさは、直径で0.2mmである。なお、従来の検出用光による光スポットの大きさは、通常、直径で2〜3mm程度であった。
また、転写ベルト2040の表面は滑らかであり、転写ベルト2040の表面に照射された光のほとんどは正反射する。そこで、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S1は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光用集光レンズLD1を介して受光部D1に入射する。同様に、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S2は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光用集光レンズLD2を介して受光部D2に入射する。転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S3は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光用集光レンズLD3を介して受光部D4に入射する。転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S4は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光用集光レンズLD4を介して受光部D4に入射する。転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S5は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光用集光レンズLD5を介して受光部D5に入射する。
ところで、発光部E1から射出された光束は、一例として図12に示されるように、照明用集光レンズLE1以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、図12及び図13に示されるように、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4(図13では図示省略)も転写ベルト2040を照明する。なお、照明用集光レンズLE1から遠い位置にある照明用集光レンズLE5では、発光部E1から射出された光束は全反射等を起こし、透過せずフレア光にならない。
各矩形パターンのY軸方向の長さLpは、検出用光による光スポットと該光スポットに最も近いフレア光による光スポットとの間隔Lの2倍よりも小さい。なお、ここでは、L=2mmである。
この場合に、矩形パターンが検出センサの前方に位置すると、検出用光S1は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光が受光部D1で受光される。フレア光F2は矩形パターンを照明し、矩形パターンによる拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F3及びF4は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、受光部D1では、転写ベルト2040による正反射光と矩形パターンによる拡散反射光とが混在して受光される。従って、発光部E1を発光させることは適切ではない。
発光部E2から射出された光束は、一例として図14に示されるように、照明用集光レンズLE2以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、図14及び図15に示されるように、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5(図15では図示省略)も転写ベルト2040を照明する。
この場合に、矩形パターンが検出センサの前方に位置すると、検出用光S2は矩形パターンを照明し、その拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F1、F3、F4、F5はいずれも転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、すべての受光部で矩形パターンによる拡散反射光が受光される。従って、発光部E2を発光させることにより、矩形パターンの反射特性の信号を得ることができる。
発光部E3から射出された光束は、一例として図16に示されるように、照明用集光レンズLE3以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、図16及び図17に示されるように、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。
この場合に、矩形パターンが検出センサの前方に位置すると、検出用光S3は矩形パターンを照明し、その拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F1、F2、F4、F5はいずれも転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、すべての受光部で矩形パターンによる拡散反射光が受光される。従って、発光部E3を発光させることにより、矩形パターンの反射特性の信号を得ることができる。
発光部E4から射出された光束は、一例として図18に示されるように、照明用集光レンズLE4以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、図18及び図19に示されるように、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1(図19では図示省略)、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。
この場合に、矩形パターンが検出センサの前方に位置すると、検出用光S4は矩形パターンを照明し、その拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F1、F2、F3、F5はいずれも転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、すべての受光部で矩形パターンによる拡散反射光が受光される。従って、発光部E4を発光させることにより、矩形パターンの反射特性の信号を得ることができる。
発光部E5から射出された光束は、一例として図20に示されるように、照明用集光レンズLE5以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、図20及び図21に示されるように、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2(図21では図示省略)、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4も転写ベルト2040を照明する。なお、照明用集光レンズLE5から遠い位置にある照明用集光レンズLE1では、発光部E5から射出された光束は全反射等を起こし、透過せずフレア光にならない。
この場合に、矩形パターンが検出センサの前方に位置すると、検出用光S5は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光が受光部D5で受光される。フレア光F4は矩形パターンを照明し、矩形パターンによる拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F3、F2は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、受光部D5では、転写ベルト2040による正反射光と矩形パターンによる拡散反射光とが混在して受光される。従って、発光部E5を発光させることは適切ではない。
本実施形態では、プリンタ制御装置2090は、トナー濃度検出処理を行う際に、各検出センサにおいて、発光部E2〜発光部E4を繰り返し順次点灯させる。すなわち、(1)発光部E2の点灯、(2)発光部E2の消灯、(3)発光部E3の点灯、(4)発光部E3の消灯、(5)発光部E4の点灯、(6)発光部E4の消灯、が高速で繰り返し行われる。すなわち、転写ベルト2040の表面は、検出用光S2、S3、S4の光スポットで、Y軸方向に走査されることとなる。なお、トナーパターンが形成されるタイミングは定まっており、トナーパターンが形成されてから検出センサの前方(検出領域)に到達する時間も略定まっている。そこで、プリンタ制御装置2090は、トナーパターンが検出領域に近づいたと判断される適当なタイミングで、発光部を点滅制御する。
ところで、矩形パターンにおけるトナー濃度が変化すると、拡散反射光を受光した受光部の出力も変化する。具体的にはトナー濃度が濃くなる(トナー付着量が多くなる)と、正反射光が減少し、拡散反射光が増加する。そこで、プリンタ制御装置2090は、各受光部における拡散反射光に起因する信号レベルの合計値を求め、該合計値に基づいてトナー濃度が適切であるか否かを判断する。すなわち、プリンタ制御装置2090は、検出センサ2245aの各受光部の出力信号から、イエローのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245bの各受光部の出力信号から、マゼンタのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245cの各受光部の出力信号から、シアンのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245dの各受光部の出力信号から、ブラックのトナー濃度が適切であるか否かを判断する。そして、プリンタ制御装置2090は、トナー濃度が適切でないと判断すると、適切となるように対応するステーションの現像処理系を制御する。この場合は、フレア光による影響を受けることなく、各色毎にトナー濃度を精度良く検出することができるため、各現像ローラでのトナーの付着量を、常に適切な付着量とすることができる。その結果、高い画像品質を維持することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る画像形成装置2000では、トナー濃度検出器2245によって濃度検出センサが構成されている。そして、発光部(E1〜E5)によって光源が構成され、照明用集光レンズ(LE1〜LE5)によって集光光学系が構成され、受光部(D1〜D5)によって受光器が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、各感光体ドラムに対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)と、トナー画像を転写ベルト2040に転写する転写ローラ2042と、転写ベルト2040に転写されたトナーパターンの濃度を検出するトナー濃度検出器2245と、全体を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
トナー濃度検出器2245は、各色に対応する4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)を有している。
各検出センサは、Y軸方向に沿って等間隔Leで一列に配置され、転写ベルト2040に向けて光束を射出する5つの光源(E1〜E5)、各光源から射出された光束を集光する5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、転写ベルト2040で反射された光束を集光する5つの受光用集光レンズ(LD1〜LD5)、及び転写ベルト2040で反射された光束を受光する5つの受光部(D1〜D5)を有している。
プリンタ制御装置2090は、トナー濃度検出処理を行う際に、矩形パターンのY軸方向に関する長さLpを、検出用光による光スポットと該光スポットに最も近いフレア光による光スポットとの間隔Lを用いて、Lp<2Lとなるように設定する。
この場合には、フレア光による影響を受けることなく、トナー濃度を精度良く検出することができる。
ところで、トナー濃度を検出する従来の濃度検出センサは、1個又は2個の発光部、あるいは波長特性の異なる3個の発光部と、反射光を受光するための1個または2個の受光部から構成されていた。そして、濃度検出センサに対するトナーパターンの位置ずれが生じても、検出用光による光スポット全体がトナーパターンを照明できるように、トナーパターンにおける主方向(ここでは、Y軸方向)の長さ(ここでは、Lp)を15mm〜25mmに設定していた。トナー濃度検出処理が行われている間は本来の画像形成を行うことができないため、トナーパターンを形成するのに時間がかかると、本来の画像形成に対する作業効率を低下させることとなる。また、トナーパターンのトナーは、本来の画像形成に寄与しない、いわゆる「不寄与トナー」であり、トナーカートリッジの交換時期に影響を与える。
本実施形態では、トナーパターンにおけるY軸方向の長さLpが1.0mmであり、従来の10分の1以下にすることができるため、トナーパターンを形成するのに要する時間を従来よりも大幅に短縮することが可能である。従って、画像形成において、作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持することができる。また、トナーパターンの大きさ(面積)は、従来の100分の1以下にすることができるため、不寄与トナーの量を従来よりも大幅に減少させることが可能である。そこで、トナーカートリッジの交換時期を遅らせることができる。
なお、上記実施形態において、一例として図22に示されるように、Y軸方向に関して、トナーパターンの位置がずれて、トナーパターンの端部を検出用光S2が照明するようになると、検出用光による光スポットの半分はトナーパターンを照明するが、残りの半分は転写ベルト2040を照明する。このとき、トナーパターンからの拡散反射光と、転写ベルト2040からの正反射光とが混在した光が受光部D2に入射し、それらを分離することができない。この場合には、プリンタ制御装置2090は、トナー濃度検出処理を行う際に、発光部E3と発光部E4を繰り返し順次点灯させる。このように、検出用光による光スポット全体が、きちんとトナーパターンを照明していることが重要である。
また、上記実施形態では、LpがLeの2.5倍の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図23〜図27に示されるように、LpがLeと同じであっても良い。
この場合に、矩形パターンが検出センサの前方に位置すると、発光部E1を点灯させると、検出用光S1は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光が受光部D1で受光される。フレア光F2は矩形パターンを照明し、矩形パターンによる拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F3及びF4は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、受光部D1では、転写ベルト2040による正反射光と矩形パターンによる拡散反射光とが混在して受光される。従って、発光部E1を発光させることは適切ではない。
発光部E2を点灯させると、検出用光S2は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光が受光部D2で受光される。フレア光F1、F3、F4、F5はいずれも転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、受光部D2では、転写ベルト2040による正反射光のみが受光される。従って、発光部E2を発光させることは適切ではない。
発光部E3を点灯させると、検出用光S3は矩形パターンを照明し、その拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F1、F2、F4、F5はいずれも転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、すべての受光部で矩形パターンによる拡散反射光が受光される。従って、発光部E3を発光させることにより、矩形パターンの反射特性の信号を得ることができる。
発光部E4を点灯させると、検出用光S4は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光が受光部D4で受光される。フレア光F1、F2、F3、F5はいずれも転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、受光部D4では、転写ベルト2040による正反射光のみが受光される。従って、発光部E4を発光させることは適切ではない。
発光部E5を点灯させると、検出用光S5は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光が受光部D5で受光される。フレア光F4は矩形パターンを照明し、矩形パターンによる拡散反射光はすべての受光部で受光される。フレア光F3及びF2は転写ベルト2040の表面を照明し、その正反射光はいずれの受光部においても受光されない。そこで、受光部D5では、転写ベルト2040による正反射光と矩形パターンによる拡散反射光とが混在して受光される。従って、発光部E5を発光させることは適切ではない。
そこで、この場合には、プリンタ制御装置2090は、トナー濃度検出処理を行う際に、各検出センサにおいて、発光部E3のみを繰り返し点滅させる。
なお、この場合に、トナーパターンの中心がいずれかの発光部の+X側に位置するときは良いが、発光部間の中心にあるときには、トナーパターンの両端部がちょうど発光部の+X側に位置し、発光に適した発光部は存在しない。
そこで、トナーパターンの中心が発光部間の中心に位置する場合には、Lp=Le+検出用光のスポットサイズ(上記実施形態では、0.2mm)、とすることにより、発光に適した発光部が2つ存在できる。
また、LpがLeの2倍であっても良い。但し、この場合には、一例として図28及び図29に示されるように、検出用光S2及びS4は、トナーパターンの端部を照明するため、プリンタ制御装置2090は、トナー濃度検出処理を行う際に、各検出センサにおいて、発光部E3のみを繰り返し点滅させる。
また、上記実施形態において、一例として図30に示されるように、TP1〜TP4を転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に配置しても良い。この場合には、トナー濃度検出器2245は、1つの検出センサを有していれば良い。
また、上記実施形態では、転写ベルト2040上に転写されたトナーパターンを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。画像形成装置の形態によっては、像担持体としての感光体や中間転写ベルト(または中間転写体)上に形成されたトナーパターンを検出しても良い。
また、上記実施形態では、検出用光S3が、トナーパターンのY軸方向の中心を照明する場合について説明したが、感光体ドラムにおける有効走査領域のずれや長さの変化、転写ベルト2040の蛇行、検出センサの取り付け位置のずれや該取り付け位置の経時的変化等により、検出用光S3が、トナーパターンのY軸方向の中心からずれた位置を照明する場合がある。
そのおそれがあるときには、プリンタ制御装置2090は、全ての発光部を順に点灯、消灯させ、いずれかの検出用光がトナーパターンを照明したときの各受光部の出力信号から、トナーパターンのY軸方向に関する位置を求める。この場合には、例えば、受光部D3の出力信号の信号レベルと受光部D4の出力信号の信号レベルとの比などから、トナーパターンのY軸方向に関する位置を、Leの数分の1から1/10程度の精度で求めることができる。そして、プリンタ制御装置2090は、得られたトナーパターンのY軸方向に関する位置に応じて、トナー濃度検出処理を行う際に点灯させる発光部を決定する。
また、上記実施形態において、一例として図31に示されるように、Y軸方向に関するトナーパターンの位置を求めるための補助パターンを、各トナーパターンの前方に形成しても良い。この場合、Y軸方向に関する補助パターンの長さをLpと同じにすると良い。
また、上記実施形態において、一例として図32に示されるように、感光体ドラム表面における光スポットの位置ずれを検出するための位置検出用パターンを、各トナーパターンの前方に形成しても良い。この場合には、位置検出用パターンから、Y軸方向に関するトナーパターンの位置を求めることができる。なお、位置検出用パターンを用いた光スポットの位置ずれ検出は公知である(例えば、特開2008−276010号公報、特開2005−238584号公報参照)。
また、上記実施形態では、検出センサが5つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない(図33参照)。要するに3つ以上の発光部を有していれば良い。
また、上記実施形態では、5つの発光部(E1〜E5)が、Y軸方向に沿って一列に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない(図34参照)。また、Y軸方向に対して傾斜した方向に沿って配置されていても良い(図35参照)。また、Y軸方向に沿った複数列のいわゆる千鳥配置されていても良い。要するにY軸方向に関して等間隔に配置されていれば良い。
また、上記実施形態では、発光部の数と受光部の数とが同じ場合について説明したが、これに限定されるものではない(図36〜図38参照)。
また、上記実施形態では、各受光部が、対応する発光部の−Z側に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、対応する発光部からの光束の射出方向に応じた位置に各受光部が配置されていれば良い。
また、上記実施形態では、4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)がY軸方向に関して、等間隔に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、検出センサが受光用集光レンズを有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、受光用集光レンズがなくても良い。
また、上記実施形態では、Leが0.4mmの場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、前記プリンタ制御装置2090によって行われる処理の一部を他の装置が行っても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置として、複数の感光体ドラムを備えたカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、例えば1つの感光体ドラムを備え、単色の画像を形成するプリンタにも適用することができる。
また、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。