JP2010196840A - オイルシールの取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な組み付けにより、十分な耐異物性能が得られるオイルシールの取り付け構造、を提供する。
【解決手段】オイルシール10の取り付け構造は、外周面21aを有するシャフト21と、外周面21aに嵌め合わされるオイルシール本体31と、シャフト21の外周上に配置されるリング状のディフレクタ41とを有する。オイルシール本体31は、ダストの侵入を防ぐためのダストリップ部35を有する。ディフレクタ41は、シャフト21に対するオイルシール本体31の挿入時にダストリップ部35が摺接する内周面43aを有する。シャフト21の外周上には、ダストリップ部35と内周面43aとの接点35pを含み、オイルシール本体31およびディフレクタ41に囲まれた密閉空間51が形成される。シャフト21には、シャフト21の軸方向においてオイルシール本体31に対してディフレクタ41とは反対側に位置し、外周面21aから凹む溝部23が形成される。
【選択図】図1
【解決手段】オイルシール10の取り付け構造は、外周面21aを有するシャフト21と、外周面21aに嵌め合わされるオイルシール本体31と、シャフト21の外周上に配置されるリング状のディフレクタ41とを有する。オイルシール本体31は、ダストの侵入を防ぐためのダストリップ部35を有する。ディフレクタ41は、シャフト21に対するオイルシール本体31の挿入時にダストリップ部35が摺接する内周面43aを有する。シャフト21の外周上には、ダストリップ部35と内周面43aとの接点35pを含み、オイルシール本体31およびディフレクタ41に囲まれた密閉空間51が形成される。シャフト21には、シャフト21の軸方向においてオイルシール本体31に対してディフレクタ41とは反対側に位置し、外周面21aから凹む溝部23が形成される。
【選択図】図1
Description
この発明は、一般的には、オイルシールの取り付け構造に関し、より特定的には、ダストリップ部を有するオイルシール本体に、ダストリップ部を押し当てるためのディフレクタを組み合わせたオイルシールの取り付け構造に関する。
従来のオイルシールの取り付け構造に関して、たとえば、特開2004−308730号公報には、ラジアルリップの反転がなく、シール設計が容易で、シール小型化も可能にする組み合わせシールが開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された組み合わせシールは、内輪に嵌装される第1芯金と、リップ付きのシール部材を有した状態で外輪に嵌装される環状の第2芯金とからなる。第1芯金は、内輪に嵌まる嵌合筒部と、嵌合筒部から外輪に向けて突出する第1立壁部とを有する。シール部材には、その先端が第1立壁部に摺接するアキシャルリップと、内輪の外周面に摺接するラジアルリップとが形成される。
また、特開2001−90844号公報には、開口端部への組み付け作業に伴い、第1のシールリップがめくれることを防止する組み合わせシールリングが開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示されたシールリングにおいては、互いに別体の部品であるシールリングとスリンガとを、組み付け前に組み立てて、組み合わせシーリングとする。その後、この組み合わせシーリングを、シールリングとスリンガとの位置関係を保ったまま、開口端部に組み付ける。
また、実開平7−34260号公報には、シール部材に対するスリンガの軸方向の装着位置が異なっていても、軸受けの密封性能や回転トルクに影響を与えない軸受けの密封装置が開示されている(特許文献3)。特許文献3に開示された密封装置においては、シール部材を構成する弾性体のアキシャルリップが、スリンガの筒状部に接触する頭部と、頭部よりも薄肉のネック部と、ネック部よりも肉厚で基部に連設される付け根部とにより、一体に形成されている。
上述の特許文献に開示されるように、ダストリップ部を有するオイルシール本体に、ダストリップ部を押し当てるためのディフレクタを組み合わせたオイルシールが利用されている。このような構成を備えるオイルシールにおいては、オイルシール本体とディフレクタとの組み合わせ時にダストリップ部がディフレクタに対してめくれた状態となり、オイルシールが不適切な状態で組み付けられるおそれがある。この場合、ダストシールによる耐異物(ダスト)性能が十分に得られない。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、適切な組み付けにより、十分な耐異物性能が得られるオイルシールの取り付け構造を提供することである。
この発明に従ったオイルシールの取り付け構造は、外周面を有するシャフトと、外周面に嵌め合わされるオイルシール本体と、シャフトの外周上に配置されるリング状のディフレクタとを備える。オイルシール本体は、ダストの侵入を防ぐためのダストリップ部を有する。ディフレクタは、シャフトに対するオイルシール本体の挿入時にダストリップ部が摺接する内周面を有する。シャフトの外周上には、ダストリップ部と内周面との接点を含み、オイルシール本体およびディフレクタに囲まれた密閉空間が形成される。シャフトには、シャフトの軸方向においてオイルシール本体に対してディフレクタとは反対側に位置し、外周面から凹む溝部が形成される。
このように構成されたオイルシールの取り付け構造によれば、シャフトに対するオイルシール本体の挿入時、密閉空間がその外側の空間と溝部を通じて連通するため、密閉空間の空気を逃がすことができる。これにより、オイルシールが、ダストリップ部がディフレクタに対してめくれた状態で組み付けられることを防ぐ。結果、オイルシールを適切に組み付け、十分な耐異物性能を得ることができる。
以上に説明したように、この発明に従えば、適切な組み付けにより、十分な耐異物性能が得られるオイルシールの取り付け構造を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、この発明の実施の形態におけるオイルシールの取り付け構造を示す断面図である。図1を参照して、オイルシール10は、オイルシール本体31とディフレクタ41とが組み合わさって構成される組み合わせシールである。オイルシール10は、シャフト21およびハウジング26の間に組み付けられている。
シャフト21は、仮想軸である中心軸101に沿って軸状に延びる形状を有する。シャフト21は、外周面21aを有する。シャフト21の外周上には、ハウジング26が配置されている。ハウジング26は、中心軸101に沿って円筒状に延びる形状を有する。ハウジング26は、外周面21aと隙間を設けて対向する内周面26aを有する。シャフト21とハウジング26とは、中心軸101を中心に相対的に回転運動する。
シャフト21の外周面21aには、ディフレクタ41が嵌装されている。ディフレクタ41は、シャフト21に固定されている。ディフレクタ41は、リング形状を有する。ディフレクタ41は、外周面21aから半径方向外側に距離を隔てた位置に配置され、中心軸101の軸線方向に延伸する筒部43を有する。筒部43には、外周面21aと向い合って面する内周面43aが形成されている。
ハウジング26の内周面26aには、オイルシール本体31が嵌装されている。オイルシール本体31は、内周面26aに嵌装された状態で、シャフト21の外周上に嵌め合わされている。オイルシール本体31は、ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴムなどのゴム材料によって形成されている。
オイルシール本体31の構造について詳細に説明すると、オイルシール本体31は、ハウジング側嵌合部32、シールリップ部34およびダストリップ部35を有して構成されている。
ハウジング側嵌合部32は、ハウジング26の内周面26aに対して嵌装される円筒形状を有する。ハウジング側嵌合部32は、オイルシール本体31をハウジング26に固定すると同時に、オイルシール本体31とハウジング26との接触面からの流体の漏れや、ダストの侵入を防ぐ役割を果たす。なお、ハウジング側嵌合部32には、図示しない金属環が内蔵されており、この金属環は、ハウジング26に対するハウジング側嵌合部32の嵌め合い力を補助する。
シールリップ部34は、ハウジング側嵌合部32から半径方向内側に連設して形成されている。シールリップ部34は、シャフト21の外周面21aを押圧するように設けられている。シールリップ部34は、密封対象である流体(たとえば、潤滑油など)が配置される密封側空間102を封止する役割を果たす。シールリップ部34には、ばね33が設けられており、このばね33は、シャフト21に対するシールリップ部34の押し付け力を補助する。
ダストリップ部35は、ハウジング側嵌合部32およびシールリップ部34に連設されている。ダストリップ部35は、ハウジング側嵌合部32およびシールリップ部34から、半径方向外側に広がりながら中心軸101の軸線方向に延出するように形成されている。ダストリップ部35は、中心軸101の軸方向において、シールリップ部34に対して密封側空間102の反対側に設けられている。ダストリップ部35は、その先端がディフレクタ41の内周面43aを押圧するように設けられている。ダストリップ部35は、密封側空間102へのダストの侵入を防ぐ役割を果たす。
シャフト21の外周上には、オイルシール本体31およびディフレクタ41により囲まれた密閉空間51が形成されている。より具体的には、密閉空間51は、シャフト21の外周面21a上に形成されており、シールリップ部34と、ダストリップ部35と、ディフレクタ41とにより囲まれている。
密閉空間51は、ディフレクタ41とダストリップ部35との接点35pを含むように形成されている。言い換えれば、密閉空間51は、接点35pによって密閉空間51とその外側の空間とが区画されるように形成されている。さらに、密閉空間51は、シールリップ部34とシャフト21との接点34pを含むように形成されている。言い換えれば、密閉空間51は、接点34pによって密閉空間51とその外側の空間とが区画されるように形成されている。
図2は、図1中のシャフトを示す側面図である。図1および図2を参照して、本実施の形態におけるオイルシール10の取り付け構造においては、シャフト21に、溝部23が形成されている。
溝部23は、外周面21aから凹むように形成されている。溝部23は、中心軸101を中心とする周方向に連続して形成されている。溝部23は、中心軸101の軸線方向において、オイルシール本体31に対してディフレクタ41とは反対側に位置して形成されている。溝部23は、シャフト21の軸方向において、シールリップ部34とシャフト21との接点34pに近接して形成されている。
図3および図4は、図1中のオイルシールの組み付け時の工程を示す断面図である。図5は、比較のためのオイルシールの取り付け構造を示す断面図である。
図3および図4を参照して、オイルシール10の組み付け時、まず、シャフト21にディフレクタ41を嵌装し、ハウジング26にオイルシール本体31を嵌装する。その後、ハウジング26に対して、シャフト21をその軸方向(矢印103に示す方向)にスライド移動させて、ディフレクタ41とオイルシール本体31とを組み合わせる。
図5を参照して、図中に示す比較のためのオイルシールの取り付け構造においては、シャフト21に溝部23が形成されていない。このような構造において、オイルシール10の組み付け時、シャフト21をハウジング26に対してスライド移動させると、ダストリップ部35の先端がディフレクタ41の内周面43aに摺接しつつ、密閉空間51の容積が徐々に減少する。この際、密閉空間51の空気が逃げ場を失い、ダストリップ部35と内周面43aとの接点から流出しようとする。結果、空気流れに押し出される形で、ダストリップ部35がディフレクタ41に対して折れ曲がった状態となり、オイルシールが不適切な形態で装着されるおそれがある。
図3および図4を参照して、これに対して、本実施の形態におけるオイルシール10の取り付け構造においては、ハウジング26に対するシャフト21のスライド移動時、シールリップ部34が溝部23上を通過する。この際、密閉空間51とその外側の空間とが溝部23を通じて連通するため、密閉空間51の空気を外側に逃がすことができる。結果、ダストリップ部35を折れ曲げることなく、オイルシール10を適切な状態で組み付けることができる。
以上に説明した、本実施の形態におけるオイルシール10の取り付け構造の構成についてまとめて説明すると、オイルシール10の取り付け構造は、外周面21aを有するシャフト21と、外周面21aに嵌め合わされるオイルシール本体31と、シャフト21の外周上に配置されるリング状のディフレクタ41とを有する。オイルシール本体31は、ダストの侵入を防ぐためのダストリップ部35を有する。ディフレクタ41は、シャフト21に対するオイルシール本体31の挿入時にダストリップ部35が摺接する内周面43aを有する。シャフト21の外周上には、ダストリップ部35と内周面43aとの接点35pを含み、オイルシール本体31およびディフレクタ41に囲まれた密閉空間51が形成される。シャフト21には、シャフト21の軸方向においてオイルシール本体31に対してディフレクタ41とは反対側に位置し、外周面21aから凹む溝部23が形成される。
このように構成された、この発明の実施の形態におけるオイルシール10の取り付け構造によれば、シャフト21およびハウジング26に対するオイルシール10の適切な組み付けにより、十分な耐異物性能を得ることができる。
なお、本実施の形態におけるオイルシール10の使用形態については特に限定されないが、一例を挙げれば、オイルシール10は、軸受け部に配置される潤滑油の漏れを防ぐとともに、軸受け部へのダストの侵入を防ぐシール部材として使用される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 オイルシール、21 シャフト、21a 外周面、23 溝部、26 ハウジング、26a 内周面、31 オイルシール本体、32 ハウジング側嵌合部、34 シールリップ部、34p,35p 接点、35 ダストリップ部、41 ディフレクタ、43 筒部、43a 内周面、51 密閉空間、101 中心軸、102 密封側空間、103 矢印。
Claims (1)
- 外周面を有するシャフトと、
ダストの侵入を防ぐためのダストリップ部を有し、前記外周面に嵌め合わされるオイルシール本体と、
前記シャフトに対する前記オイルシール本体の挿入時に前記ダストリップ部が摺接する内周面を有し、前記シャフトの外周上に配置されるリング状のディフレクタとを備え、
前記シャフトの外周上には、前記ダストリップ部と前記内周面との接点を含み、前記オイルシール本体および前記ディフレクタに囲まれた密閉空間が形成され、
前記シャフトには、前記シャフトの軸方向において前記オイルシール本体に対して前記ディフレクタとは反対側に位置し、前記外周面から凹む溝部が形成される、オイルシールの取り付け構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009044110A JP2010196840A (ja) | 2009-02-26 | 2009-02-26 | オイルシールの取り付け構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014228019A (ja) * | 2013-05-20 | 2014-12-08 | Nok株式会社 | 密封装置 |
-
2009
- 2009-02-26 JP JP2009044110A patent/JP2010196840A/ja not_active Withdrawn
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