JP2010196752A - 流体圧アクチュエータ - Google Patents

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Shigeo Hirose
茂男 廣瀬
Takeshi Yamaguchi
山口  剛
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Abstract

【課題】 位置制御を簡易な制御系により実現することができるとともに、装置全体の小型化を実現することができる流体圧アクチュエータを提供する。
【解決手段】
対向配置される2つのシリンダ11、12を有するシリンダユニット10と、シリンダユニット10の2つのシリンダにそれぞれ内挿される2つのピストン41、42と、2つのピストン41、42を連結する連結手段43とを有するピストンユニット40と、シリンダユニット10の2つのシリンダ内に流体を給排し、上記ピストンユニットを往復駆動させる給排手段70とを備える。そして、ピストンユニット10の連結手段43には、2つのピストン41、42のシリンダユニット10に対する往復駆動を停止するブレーキ機構50が設けられる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、流体圧アクチュエータに関し、特に、シリンダに対するピストンの移動を停止するブレーキ機構を有する流体圧アクチュエータに関する。
従来より、シリンダ内に、空気、オイル等の圧力流体が供給・排出されることでピストンを移動させ駆動力を得る流体圧アクチュエータは、様々な産業分野において利用されている。この流体圧アクチュエータには、例えばピストンの往復駆動等から回転駆動力を得る、いわゆる揺動型のものがあり、構成上の違いからさらにラックアンドピニオン型、ベーン型、スクリュー型などに細分される。この流体圧アクチュエータは、例えば、産業用ロボット装置におけるアームの揺動箇所に取り付けられ、得られる回転駆動力により当該アームを揺動させる。
ところで、上述のような産業用ロボット装置においては、より複雑な動作を実現するために、複数の関節部を有し、各関節部に所望とする動作に応じたアクチュエータが取り付けられる。そのため、この関節部に用いられるアクチュエータが大型なものであると、装置全体の大型化につながり、その小型化の要請が強い。
また、正確な動作の要請も強く、揺動型の流体圧アクチュエータにおいては、正転、逆転、フリー、ロックの4状態が正確に行えることが望まれている。すなわち、この4状態は、上述の産業用ロボット装置を例に挙げると、アームをあるスタート位置から所望とする回転位置まで回転移動(正転)させ、その回転位置で確実に停止(ロック)させ、再び元のスタート位置まで回転移動(逆転)、停止(ロック)させる動作、さらに流体圧を供給しない場合において当該アームを自由(フリー)に移動させる動作を実現するための状態である。
この4状態を実現するためには、従来の流体圧アクチュエータに、様々な制御用の装置を取り付け、制御系を組む必要があり、装置の複雑化、高額化につながっていた。
実公平7−20407号公報 特開2005−133878号公報
そこで、本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、位置制御を簡易な制御系により実現することができるとともに、装置全体の小型化を実現することができる流体圧アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明に係る流体圧アクチュエータは、対向配置される2つのシリンダを有するシリンダユニットと、上記シリンダユニットの2つのシリンダにそれぞれ内挿される2つのピストンと、該2つのピストンを連結する連結手段とを有するピストンユニットと、上記シリンダユニットの2つのシリンダ内に流体を給排し、上記ピストンユニットを往復駆動させる給排手段とを備える。そして、上記ピストンユニットの連結手段には、上記2つのピストンの上記シリンダユニットに対する往復駆動を停止するブレーキ機構が設けられる。
本発明によれば、シリンダユニットに内挿されるピストンユニットにブレーキ機構が設けられ、このブレーキ機構もピストンユニットとして、シリンダユニット内を往復駆動する。したがって、シリンダユニットにさらにブレーキ機構用の別部材を設ける必要がなく、装置全体の小型化、汎用性の高いものを実現することができる。
また、本発明では、簡易な給排手段によりピストンユニットの動作を制御することができる、すなわち、ブレーキ機構を有することから、位置固定、運動状態からの停止などの複雑な動きを実現することができる。
本発明の流体圧アクチュエータの使用状態図である。 流体圧アクチュエータの外観斜視図である。 ピストンユニットの外観斜視図である。 流体圧アクチュエータ全体の縦断面図である。 シリンダユニットの縦断面図である。 (A)は、シリンダユニットの上部シリンダの組立斜視図であり、(B)は、上部シリンダの下部シリンダ側から見た平面図である。 シリンダユニットの下部シリンダ及びシリンダ連結フランジの組立斜視図である。 上部ピストン及び連結手段の組立斜視図である。 下部ピストンの組立斜視図である。 ピストンユニットが上方向に移動する状態を説明するための縦断面図である。 ピストンユニットを停止させる状態を説明するための縦断面図である。 ブレーキ機構の変形例を説明するための模式図である。 他の実施の形態として示す流体圧アクチュエータの断面図であり、シリンダに流体圧がかけられていないフリー状態を示す図である。 他の実施の形態として示す流体圧アクチュエータの断面図であり、ピストンユニットを停止させる状態を説明するための図である。
以下、本発明に係る流体圧アクチュエータの最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
<全体構成>
本発明に係る流体圧アクチュエータ1は、例えば、図1に示すように、産業用ロボット装置2の隣接する2本のアーム3Aとアーム3B、アーム3Bとアーム3Cのそれぞれを連結するとともに、この連結箇所においてアーム3A〜3Cを図中矢印に示すような揺動動作させるものである。
流体圧アクチュエータ1は、図2に示すように、略直方体形状の上部シリンダ11、下部シリンダ12と、上部シリンダ11及び下部シリンダ12の間に介挿されるシリンダ連結フランジ13とにより構成されるシリンダユニット10を備えている。また、流体圧アクチュエータ1は、このシリンダユニット10の内部に、図3及び図4に示すように、上部シリンダ11に内挿される上部ピストン41と、下部シリンダ12に内挿される下部ピストン42と、上部ピストン41及び下部ピストン42を連結する連結手段43とにより構成されるピストンユニット40が内挿されている。さらに、流体圧アクチュエータ1は、シリンダユニット10の上部及び下部シリンダ11、12に、空気、オイル等の流体を供給・排出する給排手段70が設けられる(図4参照。)。流体圧アクチュエータ1は、この給排手段70を制御することで、ピストンユニット40のシリンダユニット10内の移動位置を制御し、上部シリンダ11及び下部シリンダ12のそれぞれに取り付けられる被駆動部材を相対移動させる。
図1に示す産業用ロボット装置2においては、例えば、アーム3Bの一端に流体圧アクチュエータ1の上部シリンダ11が取り付けられ、隣接するアーム3Aの一端に下部シリンダ12が取り付けられる。そして、産業用ロボット装置2は、流体圧アクチュエータ1を駆動させることで、アーム3Bとアーム3Aとの相対的な揺動動作、停止ロック動作を行う。同様に、産業用ロボット装置2には、アーム3Bの他端に流体圧アクチュエータ1の下部シリンダ12が取り付けられ、隣接するアーム3Cの一端に上部シリンダ11が取り付けられる。なお、本発明の流体圧アクチュエータ1は、上述のように産業用ロボット装置2に適用されることに限らず、例えば回転式の自動ドアのヒンジ部など、揺動動作する部材に取り付けることができる。
<シリンダユニット10>
流体圧アクチュエータ1のシリンダユニット10は、図5に示すように、上部シリンダ11と、下部シリンダ12と、上部及び下部シリンダ11、12とを連結するシリンダ連結フランジ13とから構成されている。
なお、以下の説明においては、上下左右方向については図5を基準に述べる。また、図5に示すように、上下方向をz軸方向、左右方向をx軸方向、z軸及びx軸に直交する方向をy軸方向ともいう。また、流体圧アクチュエータ1では、上部シリンダ11と下部シリンダ12とが相対的に回転することから、便宜上、下部シリンダ12を固定とし、上部シリンダ11が回転するものとして説明をする。
シリンダユニット10の上部シリンダ11は、図5及び図6に示すように、外形が略直方体形状の筒状体からなるシリンダ本体15と、シリンダ本体15の一端を閉塞するキャップ部材16と、キャップ部材16と上部ピストン41との衝突を防止するクッション部材17とからなる。
上部シリンダ11のシリンダ本体15は、図6(A)に示すように、例えばアルミニウム合金により略直方体形状に形成され、z軸方向に亘って上部ピストン41が内挿される断面円形の開口部15aを有する。また、シリンダ本体15には、一端側の開口部15aの開口端を閉塞するキャップ部材16を締結するために、角部の4箇所に締結孔15bが形成されている。また、シリンダ本体15の側面で他端部近傍には、カムフォロア18を開口部15a内に臨ませるカムフォロア固定部19が、開口部15a内において等間隔となるように、8箇所設けられている。さらに、シリンダ本体15には、図5及び図6(B)に示すように、他端側の開口部15aに、後述するシリンダ連結フランジ13の上部側ベアリング保持部材26が係合される係合溝20と、大径ブレーキ板67が一方のシリンダに対し軸周りに回転しないように規制するための回転規制部材21が固定される固定溝22とが設けられている。
なお、シリンダ本体15は、上述のように、外形が略直方体形状であることに限らず、流体圧アクチュエータ1からの駆動力が伝達される被駆動部材の形状に応じた形状であればよく、例えば円筒形状であってもよい。
シリンダ本体15に設けられるカムフォロア固定部19は、平面視略楕円形状の溝19aと、この溝19aの中央部に設けられ、カムフォロア18が挿通される挿通孔19bとからなる。カムフォロア固定部19の溝19aは、カムフォロア18を保持する保持部材18aと略同一形状であり、保持部材18aがネジ等により固定される。挿通孔19bは、上部シリンダ11の側面から開口部15aに亘って設けられる孔であり、その径は、カムフォロア18が挿通できる径である。カムフォロア18は、保持部材18aに螺着され、保持部材18aがカムフォロア固定部19に螺着されることで、開口部15a内に臨まされる。
上部シリンダ11の他端側に設けられる固定溝22は、開口部15aの内周面に等間隔に4箇所設けられる断面略半円状の溝である。また、固定溝22は、上記シリンダ11の他端側からz軸方向に延伸される溝である。固定溝22は、カムフォロア18が取り付けられるz軸方向における位置まで延伸される。さらに、固定溝22の底部の所定箇所には、回転規制部材21を上部シリンダ11に固定するための締結孔23が、上部シリンダ11の側面に亘って形成されている。
上部シリンダ11に固定される回転規制部材21は、断面略円形の棒状部材である。回転規制部材21は、その長さが上部シリンダ11のカムフォロア18と下部シリンダ12のカムフォロア18との距離に略等しい。この回転規制部材21は、開口部15aの内周面のz軸方向に亘って突出し、後述するブレーキ機構50の大径ブレーキ板67の回転を規制する部材である。回転規制部材21は、一端側が上部シリンダ11に固定され、他端側が下部シリンダ12に臨まされる。また、回転規制部材21には、他端側近傍の上部シリンダ11に取り付けられた際の下部シリンダ12の内周面と対向する側に、下部シリンダ12と接触することを防止するための切欠き部21aが形成されている。
なお、回転規制部材21は、回転駆動力が直接伝達されるブレーキ機構50の大径ブレーキ板67(詳細は後述する)と当接される位置にあればよく、その長さは、ピストンユニット40の往復ストロークに応じて適宜変更することが望ましい。
キャップ部材16は、上部シリンダ11の一端側の開口部15aを閉塞する板状部材であり、主面が略矩形で、シリンダ本体15と同様の材料により形成されている。キャップ部材16には、上部シリンダ11と対向する側の主面に、上部シリンダ11の開口部15aに挿嵌される円環状の嵌合壁16aと、略中央に給排手段70の導管72が挿通される流体ポート24と、上部シリンダ11とネジ等の螺着部材が挿通される締結孔16bとが形成されている。なお、キャップ部材16には、密閉性をより確保するために、嵌合壁16aの外周に図示しないシール部材が取り付けられるようにしてもよい。
クッション部材17は、キャップ部材16と上部ピストン41との衝突を防止する部材であり、可撓性を有する弾性部材等から形成され、キャップ部材16の嵌合壁16aの先端部に嵌る円環状部材である。
下部シリンダ12は、上部シリンダ11と略同一の形状を有するが、上部シリンダ11とは、回転規制部材21が固定されない点のみで相違する。すなわち、下部シリンダ12には、回転規制部材21を固定するための固定溝22及び締結孔23が設けられない。また、下部シリンダ12は、後述する下部側連結部材30が係合される係合溝12aが係合溝20上にさらに形成されている(図7参照。)。また、下部シリンダ12には、その他端に、下部側連結部材30と連結するための締結孔12bが4箇所形成されている。なお、締結孔12bと同様の締結孔は、上部シリンダ11についても形成されており、後述する上部側ベアリング保持部材26と連結される。
なお、下部シリンダ12については、上部シリンダ11と同一部材に、同一の符号を付し、その説明を省略する。下部シリンダ12は、上部シリンダ11と略同一形状を有することから、ほぼ同一の製造工程により製造することができることから、製造コストの削減につながる。
シリンダ連結フランジ13は、図5及び図7に示すように、上部シリンダ11と連結される上部側ベアリング保持部材26と、上部シリンダ11と下部シリンダ12とを回転自在とするシリンダ用ベアリング部材27と、シリンダ用ベアリング部材27の外側軌道輪27bを支持する下部側ベアリング保持部材28と、この下部側ベアリング保持部材28とでシリンダ用ベアリング部材27を挟持するベアリング用フランジ29と、下部側ベアリング保持部材28と下部シリンダ12とを連結する下部側連結部材30とから構成されている。また、シリンダ連結フランジ13には、下部側ベアリング保持部材28の内周にシリンダ用ベアリング部材27の内側軌道輪27aを上部側ベアリング保持部材26とにより挟持するとともに、シリンダ11、12の回転位置を検出するギア31が取り付けられるギア保持部材32が設けられている。
シリンダ連結フランジ13の上部側ベアリング保持部材26は、例えば、上部シリンダ11と同一材料から形成される環状部材である。上部側ベアリング保持部材26は、内周が上部シリンダ11の開口部15aと同一であり、回転規制部材21が係合されるように上部シリンダ11の固定溝22と連続する固定溝33と、この回転規制部材21を固定するための締結孔33aが形成されている。上部側ベアリング保持部材26には、上部シリンダ11と対向する側に上部シリンダ11の係合溝20と係合される係合壁34が形成され、上部シリンダ11の他端側の締結孔(図7の下部シリンダ12の締結孔12b参照。)にネジ等の締結具により連結される締結孔26aが形成されている。また、上部側ベアリング保持部材26は、係合壁34の反対側の外周面に段部26bが形成され、この段部26bにシリンダ用ベアリング部材27の内側軌道輪27aが嵌合される。さらに、上部側ベアリング保持部材26は、係合壁34の反対側の端部に、シリンダ用ベアリング部材27の抜け止めとなるギア保持部材32を固定するための締結孔が複数箇所設けられている。
シリンダ連結フランジ13のシリンダ用ベアリング部材27は、上部シリンダ11と下部シリンダ12とを回転自在とする部材であり、いわゆる転がり軸受である。シリンダ用ベアリング部材27は、内側軌道輪27aが上部シリンダ11側と固定され、外側軌道輪27bが下部シリンダ12側と固定される。具体的には、シリンダ用ベアリング部材27の内側軌道輪27aは、上部シリンダ11と連結された上部側ベアリング保持部材26の段部26bに嵌合されるとともに、上部側ベアリング保持部材26とギア保持部材32とにより挟持される。また、シリンダ用ベアリング部材27の外側軌道輪27bは、下部側ベアリング保持部材28に嵌合されるとともに、下部側ベアリング保持部材28とベアリング用フランジ29とにより挟持される。
シリンダ連結フランジ13の下部側ベアリング保持部材28は、例えば、上部シリンダ11と同一材料から形成される環状部材である。下部側ベアリング保持部材28は、内周面にシリンダ用ベアリング部材27の外側軌道輪27bが嵌合される段部28aが形成されている。また、下部側ベアリング保持部材28は、両端部にそれぞれベアリング用フランジ29及び下部側連結部材30と連結されるための締結孔28bが複数箇所形成されている。
ベアリング用フランジ29は、例えば、上部シリンダ11と同一材料から形成される環状部材である。ベアリング用フランジ29は、下部側ベアリング保持部材28に嵌合されるシリンダ用ベアリング部材27を、当該下部側ベアリング保持部材28とともに挟持する部材であり、シリンダ用ベアリング部材27の抜け落ちを防止する部材である。ベアリング用フランジ29には、下部側ベアリング保持部材28の締結孔28bと対応する位置に締結孔29aが設けられ、この締結孔29aを介して、図示しない締結具により下部側ベアリング保持部材28と固定される。ベアリング用フランジ29は、その外径が下部側ベアリング保持部材28と略同一であり、内径がシリンダ用ベアリング部材27の外径よりも小径に形成されている。
下部側連結部材30は、例えば、上部シリンダ11と同一材料から形成される環状部材である。下部側連結部材30は、外径が下部側ベアリング保持部材28と略同一であり、内径が回転規制部材21と接触しない径であり、すなわち上部シリンダ11の係合溝20と略同一である。下部側連結部材30は、下部側ベアリング保持部材28と下部シリンダ12とを連結する部材であり、環状部材の外周面近傍で下部側ベアリング保持部材28の締結孔28bと対応する位置に締結孔30aが設けられる。また、下部側連結部材30には、内周面近傍で下部シリンダ12の締結孔12bと対応する位置に締結孔30bが形成されている。また、下部側連結部材30には、下部シリンダ12と対向する側に、下部シリンダ12の係合溝12aと係合される係合壁35が突出形成されている。さらに、下部側連結部材30には、回転位置を検出するための位置検出センサ36が挿通される挿通孔37が所定位置に形成されている。
ギア保持部材32は、下部側ベアリング保持部材28の内周に配設される部材であり、例えば、上部シリンダ11と同一材料から形成される環状部材である。ギア保持部材32は、上部側ベアリング保持部材26に嵌合されるシリンダ用ベアリング部材27の内側軌道輪27aを、当該上部側ベアリング保持部材26とともに挟持する部材であり、シリンダ用ベアリング部材27の抜け落ちを防止する部材である。ギア保持部材32には、上部側ベアリング保持部材26の下部シリンダ12対向面に形成される締結孔(不図示)と対応する位置に締結孔32aが複数箇所形成されている。また、ギア保持部材32には、上部シリンダ11及び上部側ベアリング保持部材26に固定された回転規制部材21が固定される固定溝32bが、上部シリンダ11の固定溝22、上部側ベアリング保持部材26の固定溝33に連続する位置に形成されている。さらに、ギア保持部材32には、外周面で下部シリンダ12と対向する側に段部32cが形成され、この段部32cにギア31が嵌合される。ギア保持部材32は、環状部材の内径が上部シリンダ11の開口部15a、上部側ベアリング保持部材26の内径と略同一であり、外径がシリンダ用ベアリング部材27の内側軌道輪27aを上部側ベアリング保持部材26とともに挟持できる径に形成されている。
ギア保持部材32に嵌合されるギア31は、外周面に歯が形成される環状ギアである。ギア31は、ギア保持部材32の段部32cに嵌合され、上部シリンダ11の回転に従動して回転し、下部シリンダ12側に取り付けられる位置検出センサ36のエンコーダギア38と噛合される。
位置検出センサ36は、上部シリンダ11の下部シリンダ12に対する相対回転位置を検出する部材であり、下部側連結部材30の挿通孔37に取り付けられる。位置検出センサ36は、センサ部39と、センサ部39を保持する保持具36aと、センサ部39に連結されギア31と噛合するエンコーダギア38と、センサ部39をカバーするカバー部材36bとからなる。位置検出センサ36のセンサ部39は、いわゆるロータリエンコーダであり、エンコーダギア38の回転量を検出する。そして、検出された信号は、制御部74に送られ、回転位置が算出される。位置検出センサ36は、下部側連結部材30を介して下部シリンダ12に固定される。
以上のような構成を有するシリンダユニット10は、ピストンユニット40の往復駆動及び回転駆動により、上部シリンダ11が下部シリンダ12に対して相対的に回転駆動される。すなわち、シリンダユニット10においては、上部シリンダ11、回転規制部材21、シリンダ連結フランジ13の上部側ベアリング保持部材26及びギア保持部材32と、下部シリンダ12、下部側連結部材30、下部側ベアリング保持部材28及びベアリング用フランジ29とが、シリンダ用ベアリング部材27を介して連結されており、互いに回転自在となっている。
また、シリンダユニット10は、シリンダ本体15が、上部シリンダ11と下部シリンダ12において、回転規制部材21を固定するための固定溝22及び締結孔23、係合溝12a、係合溝20の有無のみの形状の相違しかなく、そのため、加工が容易であり、製造コストを抑えることができる。
<ピストンユニット40>
続いて、シリンダユニット10に内挿されるピストンユニット40について説明をする。流体圧アクチュエータ1のピストンユニット40は、図3及び図4に示すように、上部ピストン41と、下部ピストン42と、上部及び下部ピストン41、42とを連結する連結手段43とから構成されている。
なお、上部ピストン41及び下部ピストン42は、共に連結手段43との連結を行うピストン連結手段51においては、同一構成を有する。したがって、以下の説明においては、上部ピストン41を例に説明をし、下部ピストン42について同一の符号を付し、その説明を省略する。
ピストンユニット40の上部ピストン41は、例えばアルミニウム合金から形成され、図4及び図8に示すように、外径が上部シリンダ11の開口部15aと略同一の径を有し、開口部15aに内挿される径を有する略円柱状のピストンである。上部ピストン41は、連結手段43と連結される側の主面略中央に円柱状の連接部44が一体に形成されている。この連接部44は、連結手段43の上部カムシリンダ47と連結される際に、回転自在とするベアリング等が設けられる部材である。また、上部ピストン41は、その略中央部でz軸方向に複数の貫通孔45が形成され、この貫通孔45を介して上部カムシリンダ47と連結されている。また、上部ピストン41は、その外周面に環状溝46が形成され、この環状溝46に、上部シリンダ11との密閉性を向上させる図示しないピストンリングが嵌合される。
次に、ピストンユニット40の連結手段43について説明をする。連結手段43は、上部ピストン41と下部ピストン42とを連結するものである。連結手段43には、ピストンユニット40のシリンダユニット10に対する往復回転駆動を停止させるブレーキ機構50が設けられている。また、連結手段43は、上部及び下部ピストン41、42の往復駆動を回転駆動に変換し上部シリンダ11に伝達する回転伝達機構である上部カムシリンダ47及び下部カムシリンダ48とを備えている。さらに、連結手段43は、上部ピストン41及び上部カムシリンダ47、下部ピストン42及び下部カムシリンダ48を、それぞれ回転自在に連結するピストン連結手段51が設けられている。
連結手段43のピストン連結手段51は、第1のベアリング部材52と、第1のベアリング部材52の内側軌道輪52aを保持するピストン側ベアリング保持部材53と、第1のベアリング部材52の外側軌道輪52bを保持するカムシリンダ側ベアリング保持部材54と、カムシリンダ側ベアリング保持部材54に一方軌道輪55aが保持される第2のベアリング部材55と、カムシリンダ側ベアリング保持部材54のカムシリンダへの固定を行う固定用フランジ56とから構成されている。
ピストン連結手段51のピストン側ベアリング保持部材53は、例えば、上部ピストン41と同一材料から形成される円柱状部材である。ピストン側ベアリング保持部材53は、上部ピストン41の貫通孔45に対応する位置に締結孔53aが形成され、図示しないネジ等により上部ピストン41と連結される。ピストン側ベアリング保持部材53は、上部ピストン41と対向する側端部からの外周面に段部53bが形成されており、この段部53bに第1のベアリング部材52が嵌合される。
第1のベアリング部材52は、上部ピストン41と上部カムシリンダ47とをz軸周りに回転自在とする部材であり、いわゆる転がり軸受である。第1のベアリング部材52は、内側軌道輪52aが上部ピストン41側と固定され、外側軌道輪52bが上部カムシリンダ47側と固定される。具体的には、第1のベアリング部材52の内側軌道輪52aは、上部ピストン41の連接部44と連結されたピストン側ベアリング保持部材53の段部53bに嵌合されるとともに、ピストン側ベアリング保持部材53と上部ピストン41とにより挟持される。また、外側軌道輪52bは、カムシリンダ側ベアリング保持部材54の段部54aに嵌合される。
カムシリンダ側ベアリング保持部材54は、外径が上部カムシリンダ47の内周面に嵌合し、内径が上部ピストン41の連接部44の外径よりやや大径となる環状部材からなる。カムシリンダ側ベアリング保持部材54は、下部ピストン42と対向する側の端面から内周円の所定深さに亘って段部54aが形成され、この段部54aに第1のベアリング部材52の外側軌道輪52bが嵌合される。また、カムシリンダ側ベアリング保持部材54は、上部ピストン41と対向する側の端面に所定深さの環状溝54bが形成され、この環状溝54bに第2のベアリング部材55の一方軌道輪55aが嵌合される。
第2のベアリング部材55は、上部ピストン41と上部カムシリンダ47とをz軸周りに回転自在とする部材であり、いわゆる転がり軸受である。第2のベアリング部材55は、一方軌道輪55aがカムシリンダ側ベアリング保持部材54の環状溝54bに固定され、他方軌道輪55bが上部ピストン41の連接部44に固定される。また、第2のベアリング部材55は、内径が上部ピストン41の連接部44の外径と略同一であり、外径がカムシリンダ側ベアリング保持部材54の環状溝54bの径と略同一である。
固定用フランジ56は、外径が上部カムシリンダ47の外径と略同一で、内径がカムシリンダ側ベアリング保持部材54の外径よりやや小径に形成された環状部材からなる。固定用フランジ56は、上部カムシリンダ47に嵌め込まれたカムシリンダ側ベアリング保持部材54の上部カムシリンダ47からの抜け落ちを防止する部材である。固定用フランジ56は、端面に複数の貫通孔56aを有し、この貫通孔56aにネジ等の締結具を挿通し、上部カムシリンダ47の端面に取り付けられる。
このような構成を有するピストン連結手段51は、2つのベアリング部材を介して上部ピストン41と上部カムシリンダ47とが連結されており、z軸周りに回転自在とされている。このため、上部ピストン41は、シリンダユニット10内を往復駆動した際に、上部カムシリンダ47に発生する回転駆動による影響を受けることがない。
なお、ピストン連結手段51は、上述のように、上部ピストン41を回転自在とすることに限らず、ピストンの連接棒と固定されるような周知の方法により連結するようにしてもよい。
連結手段43の上部カムシリンダ47は、一方端部で上部ピストン41と連結され、他方端部側にブレーキ機構50が設けられるとともに、下部カムシリンダ48と連結される有底の円筒部材からなる。上部カムシリンダ47は、外径が上部シリンダ11に内挿される大きさで、具体的には、上部シリンダ11に回転規制部材21が取り付けられた状態で、当該回転規制部材21と接触しない径に形成されている。上部カムシリンダ47は、開口部側が上部ピストン41と対向し、開口端に固定用フランジ56の貫通孔56aに対応する位置に締結孔57が形成されている。上部カムシリンダ47は、開口端から内周面の所定深さに亘って、カムシリンダ側ベアリング保持部材54が嵌合される嵌合溝58が形成されている。また、上部カムシリンダ47には、外周面全体に亘って、上部シリンダ11に設けられるカムフォロア18が係合される螺旋状のカム溝59が形成されている。このカム溝59は、カムフォロア18の数に対応し(本実施例においては8本)、いわゆる左ネジ方向の螺旋が形成されている。上部カムシリンダ47は、カム溝59にカムフォロア18が係合され、上部ピストン41の往復駆動を回転駆動に変換し、この回転駆動をカムフォロア18を介して上部シリンダ11に伝達する。
また、上部カムシリンダ47は、その円筒部材の底部の同一円周上に等間隔で4箇所の挿通孔60が設けられる。この挿通孔60には、軸受部材61が嵌め込まれ、この軸受部材61を介して4本のカムシリンダ連結ピン62が挿通される。カムシリンダ連結ピン62の上部カムシリンダ47側の端部には、カムシリンダ連結ピン62の上部カムシリンダ47からの抜け止めをする抜止めプレート63が設けられている。また、上部カムシリンダ47の下部カムシリンダ48と対向する側の底部略中央には、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48とをz軸方向に離間するように付勢するコイルスプリング64の抜け止めをする凸部65が設けられている。なお、上部カムシリンダ47に設けられる軸受部材61は、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48との近接離間動作によるカムシリンダ連結ピン62の挿通孔60に対する摺動摩擦を低減するものである。そのため、この軸受部材61は、カムシリンダ連結ピン62の挿通孔60に対する摺動摩擦が少ないものであれば、設ける必要はない。
下部カムシリンダ48は、上部カムシリンダ47と略同一形状を有する。そのため、上部カムシリンダ47と同一構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
連結手段43の下部カムシリンダ48は、一方端部で下部ピストン42と連結され、他方端部側にブレーキ機構50が設けられるとともに、カムシリンダ連結ピン62を介して上部カムシリンダ47と連結される有底の円筒部材からなる。下部カムシリンダ48は、上部カムシリンダ47と同様にカムフォロア18と係合するカム溝66を有するが、このカム溝66は、カム溝59と螺旋方向が逆、すなわち右ネジ方向に螺旋が形成されている。このため、一方のカムシリンダにのみ螺旋状のカム溝を形成する場合と比して、ピストンユニット40の回転駆動に対するシリンダユニット10の回転量を2倍とすることができる。下部カムシリンダ48には、上部カムシリンダ47と同様に、その底部に挿通孔60が設けられているが、この挿通孔60にカムシリンダ連結ピン62が嵌合される。
このような構成から、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48とは、コイルスプリング64の付勢力により、互いに離間する方向に付勢され、抜止めプレート63により抜け止めがなされる。また、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48とは、4本のカムシリンダ連結ピン62により連結されることから、一方のカムシリンダの回転駆動力を他方のカムシリンダに伝達することができる。なお、カムシリンダ連結ピン62は、上述のように4本設けることに限らず、一方のカムシリンダからの回転駆動力を他方のカムシリンダに伝達することができるものであれば、その本数は限定されない。
次に、連結手段43に設けられるブレーキ機構50について説明をする。ブレーキ機構50は、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48との間に設けられ、円環状の大径ブレーキ板67と円板状の小径ブレーキ板68とから構成されている。ブレーキ機構50は、この大径ブレーキ板67と小径ブレーキ板68との組を、複数段設けた多段ブレーキ機構である。大径ブレーキ板67及び小径ブレーキ板68は、それぞれの主面の重畳する位置において摩擦係合することで、上部シリンダ11の下部シリンダ12に対する回転駆動を停止させる。
ブレーキ機構50の大径ブレーキ板67は、外径が上部カムシリンダ47よりも大径で上部シリンダ11の開口部15aよりも小径に形成されている。大径ブレーキ板67は、内周円に4本のカムシリンダ連結ピン62が挿通できる大きさに形成されている。また、大径ブレーキ板67の外周縁には、回転規制部材21が係合され大径ブレーキ板67の回転を規制する規制凹部67aが設けられている。
ブレーキ機構50の小径ブレーキ板68は、外径が大径ブレーキ板67の規制凹部67aの最内径よりも小径で、大径ブレーキ板67の内周円よりも大径に形成されている。小径ブレーキ板68は、カムシリンダ連結ピン62が挿通される挿通孔68aが、カムシリンダ連結ピン62と対応する位置に設けられている。
このような構成を有するブレーキ機構50は、大径ブレーキ板67と小径ブレーキ板68との重畳部分において摩擦係合されることで、ピストンユニット40のシリンダユニット10に対する動きを停止させる。ブレーキ機構50は、小径ブレーキ板68がカムシリンダ連結ピン62を介して下部カムシリンダ48と連動して回転駆動し、大径ブレーキ板67が上部シリンダ11に固定された回転規制部材21と係合することで下部カムシリンダ48からの回転駆動に対しては従動せず、z軸方向への直線運動は可能となる。また、ブレーキ機構50は、上部及び下部カムシリンダ47、48がコイルスプリング64により互いに離間する方向に付勢されていることから、ブレーキ機構を作用させない場合には、各ブレーキ板67、68が互いに離間し、摩擦係合しない。したがって、ピストンユニット40の往復回転駆動を停止する際には、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48とを近接する方向に給排手段70を制御しシリンダ内に流体を供給することで、各ブレーキ板同士が摩擦係合し、ピストンユニット40の往復駆動が規制され、停止する。
また、このようなブレーキ機構50は、上部及び下部ピストン41、42が往復駆動する領域内に収まる大きさに形成されることから、流体圧アクチュエータ1全体のスリム化を図ることができる。
<給排手段70>
続いて、シリンダユニット10内のピストンユニット40を往復回転駆動させる給排手段70について説明をする。流体圧アクチュエータ1の給排手段70は、図4に示すように、上部シリンダ11及び下部シリンダ12のそれぞれの流体ポート24を介してシリンダ内に流体を供給・排出するポンプ71と、このポンプ71と各流体ポート24とを連通させる導管72と、各導管72の管路に設けられるバルブ73と、ポンプ71及び各バルブ73の出力を制御する制御部74とから構成されている。
給排手段70の制御部74には、位置検出センサ36からの検出信号が入力され、この入力される検出信号に基づいて、上部シリンダ11の現在の回転量を算出し、この算出された現在回転量に基づいて所望とする制御を行う。すなわち、制御部74は、所望とする回転量とするために、各バルブ73のON/OFFを切り替える制御を行うことで、ピストンユニット40の動作を制御する。バルブ73は、ポンプ71からの流体を流体ポート24に給排する流路と、流体を排出する流路とを有するいわゆる3方弁であり、ON/OFFの切り替えのみで、流体圧アクチュエータ1を動作させることができるものである。
なお、給排手段70は、上述のように、各バルブ73のON/OFFの切り替えを制御することに限らず、例えば、2つのポンプを用いて、各ポンプと各流体ポート24とを連通させ、当該ポンプの出力を調整することで、制御するようにしてもよく、また、各バルブ73の開閉量のみで制御するようにしてもよい。さらに、給排手段70は、バルブ73の制御とともに、ポンプ71の出力も制御するようにしてもよい。
以上のような構成を有する流体圧アクチュエータ1は、シリンダユニット10内のピストンユニット40の往復回転駆動により上部シリンダ11と下部シリンダ12とが相対的に回転する回転駆動力を得ることができる。さらに、流体圧アクチュエータ1では、シリンダユニット10に内挿されるピストンユニット40にブレーキ機構50が設けられ、ブレーキ機構50を構成するブレーキ板67、68の大きさもピストン41、42の径よりも小径であることから、シリンダユニット10内に収まる大きさである。したがって、上述のシリンダユニット10の外周にさらにブレーキ機構用の別部材を設ける必要がなく、装置全体の小型化、汎用性の高いものを実現することができる。
また、流体圧アクチュエータ1は、簡易な給排手段70によりピストンユニット40の動作を制御することができる、すなわち、ブレーキ機構50を有することから、位置固定、運動状態からの停止などの複雑な動きを実現することができる。また、流体圧アクチュエータ1は、ブレーキ機構50を有することから、圧縮性のある流体をサーボ制御した際に特有の振動現象が起こることなく、確実な静止状態を実現することができる。
なお、流体圧アクチュエータ1は、上述のように、上部カムシリンダ47及び下部カムシリンダ48のそれぞれに螺旋状のカム溝59、66を設けることに限らず、いずれか一方が螺旋状のカム溝であり、他方が直線状のカム溝であってもよい。
また、流体圧アクチュエータ1は、ブレーキ機構50について、多段ブレーキ機構であることについて説明をしたが、これに限らず、大径ブレーキ板67と小径ブレーキ板68をそれぞれ1枚からなる1段のブレーキ機構であってもよい。さらに、流体圧アクチュエータ1は、ブレーキ機構50について、内径がカムシリンダ47、48の外径よりも小径な大径ブレーキ板67を1枚設けるのみであってもよい。
さらに、流体圧アクチュエータ1では、位置検出センサ36を設けることについて説明をしたが、これに限らず、周知のいかなる位置検出方法を用いるものであってもよく、さらに、位置検出センサ36を設けず、給排手段70の各シリンダ11、12への流体圧の供給、排出時間などを制御することで位置決めを行うようにしてもよい。
<動作>
次に、流体圧アクチュエータ1の動作について説明をする。本説明においては、シリンダユニット10内に流体圧がかけられていない状態を初期状態とし、この状態から、ピストンユニット40を上部シリンダ11側に移動させ上部シリンダ11を回転駆動させる状態、運動状態からの停止を行うことについて説明をする。
まず、図4は、流体圧アクチュエータ1が、給排手段70により上部シリンダ11及び下部シリンダ12に流体が供給されず、圧力がかかっていない初期状態を示すものである。図4に示すように、流体圧アクチュエータ1は、上部及び下部シリンダ11、12内に圧力がかけられていない場合には、いわゆるフリー状態であり、ピストンユニット40は、シリンダユニット10内を自由に移動することができる。このとき、ピストンユニット40は、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48とが、コイルスプリング64により互いに離間する方向に付勢されている。そのため、ブレーキ機構50においては、大径ブレーキ板67と小径ブレーキ板68とが、わずかに離間し、摩擦係合されることがない。また、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48とが、カムシリンダ連結ピン62により連結されているので、ピストンユニット40が一体に往復回転駆動する。そして、この往復回転駆動は、シリンダユニット10のカムフォロア18に伝達されることで、上部及び下部シリンダ11、12が相対的に回転することとなる。
そして、流体圧アクチュエータ1は、給排手段70の制御部74により一方のシリンダ内に流体を供給するように制御する。例えば、下部シリンダ12内に流体圧がかけられた状態を図10に示す。図10に示すように、下部シリンダ12内に流体圧がかけられると、下部ピストン42はz軸の上方向(図10中矢印A)に駆動する駆動力が付与される。このとき、下部ピストン42及び上部ピストン41は、それぞれピストン連結手段51により回転自在となっている。それぞれのカムシリンダ47、48は、カムフォロア18により直線駆動が回転駆動に変換される。そして、ピストンユニット40の上方向の直線駆動により、カムフォロア18を介して上部シリンダ11が回転駆動(図10中矢印B)される。
次に、ピストンユニット40を停止させた状態を図11に示す。図11に示すように、給排手段70の制御部74は、ポンプ71の出力及びバルブ73の開閉量を制御し、流体ポート24を介して、上部及び下部シリンダ11、12に同一の流体圧がかけられる。このとき、上部カムシリンダ47と下部カムシリンダ48とがコイルスプリング64の付勢力に抗って互いに近接する。そして、ブレーキ機構50の大径ブレーキ板67と小径ブレーキ板68とが摩擦係合される。各ブレーキ板67、68同士が摩擦係合され、さらに、大径ブレーキ板67の規制凹部67aが上部シリンダ11に固定された回転規制部材21により回転が規制されることで、ピストンユニット40全体が停止され、上部シリンダ11の回転駆動も停止される。このとき、ピストンユニット40は、ブレーキ機構50の働きにより、その停止位置を維持されることとなる。
以上のように、流体圧アクチュエータ1は、フリー状態から下部シリンダ12に流体圧をかけることで、ピストンユニット40が、上部シリンダ11側に移動するとともに、カムシリンダ47、48が回転駆動され、この回転駆動がカムフォロア18を介してシリンダユニット10に伝達され、シリンダ11、12の回転駆動が実現される。そして、回転駆動を停止させたいときには、両シリンダ11、12に同一の流体圧を付与することで、ブレーキ機構50のブレーキ板67、68同士が摩擦係合され、ピストンユニット40の動作が停止されるとともに、シリンダユニット10の回転駆動も停止される。
なお、流体圧アクチュエータ1においては、上部シリンダ11内に流体圧をかけることで、ピストンユニット40が下部シリンダ12側に直線及び回転駆動することから、シリンダユニット10の回転駆動を逆転、すなわち逆方向に駆動させることができる。
このように、流体圧アクチュエータ1では、ブレーキ機構50を有することから、給排手段のバルブ調整などの簡易な制御により、正転、逆転、停止、フリーのいずれの状態を実現することができる。また、このように、いずれの状態も容易に実現することができることから、圧縮性のある流体をサーボ制御した際に特有の振動現象が起こることなく、確実な静止状態を実現することができる。
<変形例>
次に、流体圧アクチュエータ1のブレーキ機構50の変形例について説明をする。変形例として示す流体圧アクチュエータ120は、図12に示すように、2つのピストン121、122と、このピストン121、122が内挿されるシリンダ123と、シリンダ123の両端近傍に設けられる流体ポート124とを備える。また、流体圧アクチュエータ120は、ピストン121とピストン122との間に設けられるブレーキ機構125と、ピストン122と連結される被駆動部材126とを備える。流体圧アクチュエータ120は、ピストン121、122がシリンダ123内を往復駆動するに伴い、ピストン122と連結された被駆動部材126が往復駆動される。
ブレーキ機構125は、ブレーキ機構50の大径ブレーキ板67、小径ブレーキ板68及び上部シリンダ11に取り付けられる回転規制部材21の代わりに、図12に示すように、ピストン121とピストン122との間に設けられ、押圧されることでその径が拡径される弾性部材125aからなる。弾性部材125aは、ピストン121、122よりやや小径な円柱形状を有する。弾性部材125aは、図12(B)に示すように、2つの流体ポート124を介してシリンダ123内に略同一の圧力がかけられることで、ピストン121、122間が近接し押圧される。押圧された弾性部材125aは、拡径され、その径は、シリンダ123の内周面と摩擦係合される。
このようなブレーキ機構125を有する流体圧アクチュエータ120は、図12(A)に示すように、一方の流体ポート124を介してシリンダ123内に圧力がかけられることで、ピストン121、122を直進駆動させ、被駆動部材126を駆動させる。また、流体圧アクチュエータ120は、図12(B)に示すように、2つの流体ポート124を介してシリンダ123内に略同一の圧力がかけられることで、ピストン121、122間が近接し押圧される。押圧された弾性部材125aは、拡径され、その径は、シリンダ123の内周面と摩擦係合される。そして、ピストン121、122は、停止をする。
このような構成を有するブレーキ機構125であっても、給排手段のバルブ調整などの簡易な制御により、正転、逆転、停止、フリーのいずれの状態を実現することができる。
なお、流体圧アクチュエータ120においては、揺動型である流体圧アクチュエータ1と異なり直進型の流体圧アクチュエータについて述べたが、これに限らず、ブレーキ機構125を揺動型の流体圧アクチュエータに適用できることは勿論である。
<他の実施の形態>
次に、本発明に係る流体圧アクチュエータの他の実施の形態について説明をする。なお、流体圧アクチュエータ1と同様の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略する。他の実施の形態として示す流体圧アクチュエータ80は、図13に示すように、上部シリンダ11、シリンダ12と、上部シリンダ11及び下部シリンダ12の間に介挿されるシリンダ連結フランジ13とにより構成されるシリンダユニット10を備えている。また、流体圧アクチュエータ80は、このシリンダユニット10の内部には、上部シリンダ11に内挿される上部ピストン81と、下部シリンダ12に内挿される下部ピストン82と、上部ピストン81及び下部ピストン82を連結する連結手段83とにより構成されるピストンユニット84が内挿されている。また、流体圧アクチュエータ80には、流体圧アクチュエータ1と同様の機能を有する給排手段(不図示)が設けられる。
流体圧アクチュエータ80は、流体圧アクチュエータ1では連結手段43の上部及び下部カムシリンダ47、48を介してブレーキがかけられるブレーキ機構50に代わって、上部及び下部ピストン81、82から直接ブレーキがかけられるブレーキ機構100を備える。そのため、流体圧アクチュエータ80は、上部及び下部ピストン81、82のいずれか一方からの駆動力を、ブレーキ機構を介さず直接他方のピストンが内挿されるシリンダに伝達することができる。したがって、流体圧アクチュエータ80は、被駆動部材による抵抗が大きく、必要とする駆動力が大きい場合であっても、ブレーキがかかることなく、被駆動部材を回動させることができる。
流体圧アクチュエータ80のピストンユニット84は、図13に示すように、上部ピストン81と、下部ピストン82と、上部及び下部ピストン81、82とを連結する連結手段83とから構成されている。
ピストンユニット84の上部ピストン81は、図13に示すように、外径が上部シリンダ11の開口部15aと略同一の径を有し、開口部15aに内挿される径を有する略円柱状のピストンである。上部ピストン81は、連結手段83と連結される側の主面に立設されるガイド片85と、略中央で円柱状の連接凹部86とが一体に形成されている。また、上部ピストン81は、連結手段83と連結される側の主面の外縁近傍の所定の箇所に、ブレーキ板圧縮部材101を取り付けるための締結孔81aが設けられている。
上部ピストン81のガイド片85は、上部ピストン81と一体に形成され、上部ピストン81の連結手段83と連結される側の主面に円環形状を有して立設される。このガイド片85は、外径が上部カムシリンダ87に形成されるガイド凹部91と略同一の径を有する。ガイド片85は、ガイド凹部91をガイドすることで、上部カムシリンダ87の上部シリンダ11内での往復方向をガイドする。上部ピストン81の連接凹部86には、連結手段83の上部カムシリンダ87と連結される際に、回転自在とするベアリング等が嵌合される。
ピストンユニット84の連結手段83は、上部ピストン81と下部ピストン82とを連結するものである。連結手段83には、ピストンユニット84のシリンダユニット10に対する往復回転駆動を停止させるブレーキ機構100のブレーキ板102、103が設けられている。また、連結手段83は、上部及び下部ピストン81、82の往復駆動を回転駆動に変換し上部シリンダ11に伝達する回転伝達機構である上部カムシリンダ87及び下部カムシリンダ92とを備えている。さらに、連結手段83は、上部ピストン81及び上部カムシリンダ87、下部ピストン82及び下部カムシリンダ92を、それぞれ回転自在に連結するピストン連結手段93が設けられている。
連結手段83のピストン連結手段93は、ベアリング部材88と、ベアリング部材88の内側軌道輪88aを保持するカムシリンダ側ベアリング保持部材89と、カムシリンダ側ベアリング保持部材89に保持されるコイルスプリング90とから構成されている。
ベアリング部材88の内側軌道輪88aは、カムシリンダ側ベアリング保持部材89が嵌合され、外側軌道輪88bは、上部ピストン81の連接凹部86に嵌合される。カムシリンダ側ベアリング保持部材89は、円柱状に形成され、その外径がベアリング部材88の内周と同一であり、ベアリング部材88が嵌合される。また、カムシリンダ側ベアリング保持部材89は、上部カムシリンダ87と対向する側の主面の略中央に設けられ、コイルスプリング90の一方端部が嵌め込まれる凸部89aを備える。そして、上部カムシリンダ87には、上部ピストン81と対向する側のガイド凹部91の底部の凸部89aと対向する位置に、凸部89aと同様の凸部91aが設けられ、コイルスプリング90の他方の端部が嵌め込まれる。
このような構成により、上部ピストン81と上部カムシリンダ87とは、回転自在に連結されるとともに、コイルスプリング90を介して連結される。そして、流体圧アクチュエータ80では、上部ピストン81が給排手段からの圧力により往復駆動するのに対し、上部カムシリンダ87は回転往復駆動する。
連結手段83の上部カムシリンダ87は、円筒形状を有し、一方端部で上部ピストン81と連結され、他方端部で下部カムシリンダ92と連結される。上部カムシリンダ87は、外径が上部シリンダ11に内挿される大きさで、具体的には、上部ピストン81にブレーキ板圧縮部材101が取り付けられた状態で、当該ブレーキ板圧縮部材101と接触しない径に形成されている。なお、上部カムシリンダ87は、回転規制部材21と接触しない径であることは勿論である。また、上部カムシリンダ87は、下部カムシリンダ92と連結される側の端部には、複数の連結ピン62が嵌合される嵌合孔87aを有する。さらに、上部カムシリンダ87には、外周面全体に亘って、上部シリンダ11に設けられるカムフォロア18が係合される螺旋状のカム溝59が形成されている。このカム溝59は、カムフォロア18の数に対応し(本実施例においては8本)、いわゆる左ネジ方向の螺旋が形成されている。上部カムシリンダ87は、カム溝59にカムフォロア18が係合され、上部ピストン41の往復駆動を回転駆動に変換し、この回転駆動をカムフォロア18を介して上部シリンダ11に伝達する。
連結ピン62は、一端が上部カムシリンダ87の嵌合孔87aに嵌合され、他端が下部カムシリンダ92の嵌合孔92aに嵌合される。そして、上部カムシリンダ87と下部カムシリンダ92との間には、ブレーキ機構100を構成する大径ブレーキ板102と小径ブレーキ板103が介挿される。
下部カムシリンダ92は、上部カムシリンダ87と同一形状を有する。そのため、下部カムシリンダ92の説明は省略する。
連結手段83のブレーキ機構100は、流体圧アクチュエータ1に設けられる大径ブレーキ板67と小径ブレーキ板68と同様の形状を有する大径ブレーキ板102と小径ブレーキ板103とを備える。また、ブレーキ機構100は、上部及び下部ピストン81、82から直接ブレーキ板102、103を押圧するブレーキ板圧縮部材101を備える。ブレーキ機構100は、ブレーキ機構50と異なり、上部及び下部カムシリンダ87、92を介すことなく、上部及び下部ピストン81、82からの圧力が伝達されて、ブレーキがかかる構成となっている。すなわち、ブレーキ機構100のブレーキ板圧縮部材101は、上部及び下部ピストン81、82のそれぞれに取り付けられ、大径ブレーキ板102まで延伸されている。ブレーキ板圧縮部材101は、上部及び下部シリンダ11、12の内周と上部及び下部カムシリンダ87、92の外周の間に設けられ、それぞれと接触しない大きさに形成されている。ブレーキ板圧縮部材101は、上部及ぶ下部ピストン81、82に複数本、例えば等間隔に4本ずつ取り付けられ、その長さは、コイルスプリング90が圧縮された状態で、大径ブレーキ板102を押圧することができるものである。
このような構成のブレーキ機構100は、給排手段により上部及び下部ピストン81、82の両方に圧力がかけられたときに、それぞれのピストンに設けられるブレーキ板圧縮部材101によりブレーキ板が圧縮され、ブレーキがかかる。なお、流体圧アクチュエータ80では、一方のピストンとカムシリンダとの間に取り付けられるコイルスプリング90が圧縮された状態では、ブレーキ板を圧縮することができない。このため、流体圧アクチュエータ80では、被駆動部材側に大きな抵抗があった場合でも、ブレーキがかかることなく、大きな駆動力を伝達することができる。
次に、流体圧アクチュエータ80の動作について図13、図14を参照して説明をする。本説明においては、シリンダユニット10内に流体圧がかけられていない状態を初期状態とし、この状態から、ピストンユニット84を上部シリンダ11側に移動させ上部シリンダ11を回転駆動させる状態、運動状態からの停止を行うことについて説明をする。
まず、図13は、流体圧アクチュエータ1が、給排手段により上部シリンダ11及び下部シリンダ12に流体が供給されず、圧力がかかっていない初期状態を示すものである。図13に示すように、流体圧アクチュエータ80は、上部及び下部シリンダ11、12内に圧力がかけられていない場合には、いわゆるフリー状態であり、ピストンユニット84は、シリンダユニット10内を自由に移動することができる。このとき、ピストンユニット84は、上部ピストン81と上部カムシリンダ87、下部ピストン82と下部カムシリンダ92のそれぞれが、コイルスプリング90により互いに離間する方向に付勢されている。そのため、ブレーキ機構100においては、大径ブレーキ板102と小径ブレーキ板103とが、わずかに離間し、摩擦係合されることがない。また、上部カムシリンダ87と下部カムシリンダ92とが、連結ピン62により連結されているので、ピストンユニット84が一体に往復回転駆動する。そして、この往復回転駆動は、シリンダユニット10のカムフォロア18に伝達されることで、上部及び下部シリンダ11、12が相対的に回転することとなる。
そして、流体圧アクチュエータ80は、給排手段の制御部により一方のシリンダ内に流体を供給するように制御する。例えば、下部シリンダ12内に流体圧がかけられると、下部ピストン82はz軸の上方向に駆動する駆動力が付与される。このとき、下部ピストン82及び上部ピストン81は、それぞれピストン連結手段93により上部及び下部カムシリンダ87、92に対して回転自在となっている。それぞれのカムシリンダ87、92は、カムフォロア18により直線駆動が回転駆動に変換される。そして、ピストンユニット84の上方向の直線駆動により、カムフォロア18を介して上部シリンダ11が回転駆動される。
次に、ピストンユニット84を停止させた状態を図14に示す。図14に示すように、給排手段の制御部は、ポンプの出力及びバルブの開閉量を制御し、流体ポート24を介して、上部及び下部シリンダ11、12に同一の流体圧がかけられる。このとき、上部ピストン81と上部カムシリンダ87、下部ピストン82と下部カムシリンダ92がそれぞれコイルスプリング90の付勢力に抗って互いに近接する。そして、ブレーキ機構100の上部及び下部ピストン81、82が近接することで、それぞれのピストンに取り付けられたブレーキ板圧縮部材101により大径ブレーキ板102と小径ブレーキ板103とが圧縮される。すなわち、上部ピストン81のブレーキ板圧縮部材101と下部ピストン82のブレーキ板圧縮部材101とで、ブレーキ板102、103が挟持され、摩擦係合される。各ブレーキ板102、103同士が摩擦係合され、さらに、大径ブレーキ板102の規制凹部(不図示)が上部シリンダ11に固定された回転規制部材21(不図示)により回転が規制されることで、ピストンユニット84全体が停止され、上部シリンダ11の回転駆動も停止される。このとき、ピストンユニット84は、ブレーキ機構100の働きにより、その停止位置を維持されることとなる。
以上のように、流体圧アクチュエータ80は、フリー状態から下部シリンダ12に流体圧をかけることで、ピストンユニット84が、上部シリンダ11側に移動するとともに、カムシリンダ87、92が回転駆動され、この回転駆動がカムフォロア18を介してシリンダユニット10に伝達され、シリンダ11、12の回転駆動が実現される。そして、回転駆動を停止させたいときには、両シリンダ11、12に略同一の流体圧を付与することで、ブレーキ機構100のブレーキ板102、103同士が摩擦係合され、ピストンユニット84の動作が停止されるとともに、シリンダユニット10の回転駆動も停止される。このとき、流体圧アクチュエータ80では、ピストン81、82にかけられる流体圧が、ブレーキ板圧縮部材101を介して直接ブレーキ板102、103に伝達される。さらに、ブレーキ板圧縮部材101は、往復回転駆動を停止させたいとき、すなわち両ピストン81、82のそれぞれのブレーキ板圧縮部材101によりブレーキ板102、103を圧縮させたときだけブレーキがかかり停止する長さに形成されている。したがって、流体圧アクチュエータ80は、被駆動部材側に大きな抵抗があり往復回転駆動をさせたいときであっても、一方のシリンダに流体圧がかけられたのみであれば、ブレーキが働くことがなく、往復回転駆動力を伝達することができる。
なお、流体圧アクチュエータ80においては、上部シリンダ11内に流体圧をかけることで、ピストンユニット84が下部シリンダ12側に直線及び回転駆動することから、シリンダユニット10の回転駆動を逆転、すなわち逆方向に駆動させることができる。
また、流体圧アクチュエータ80では、コイルスプリング90を介してピストンとカムシリンダとが連結されているが、ガイド片85にガイド凹部91がガイドされることで、ピストン及びカムシリンダの往復動が大きくずれることがない。
また、流体圧アクチュエータ80は、両ピストン81、82にブレーキ板圧縮部材101が取り付けられることを述べたが、これに限らず、ピストンにかけられる流体圧を直接ブレーキ板に伝達することができるものであれば、いかなるものであってもよい。
このように、流体圧アクチュエータ80では、ブレーキ機構100を有することから、流体圧アクチュエータ1と同様に、給排手段のバルブ調整などの簡易な制御により、正転、逆転、停止、フリーのいずれの状態を実現することができる。また、このように、いずれの状態も容易に実現することができることから、正確な位置決めも容易に行うことができる。また、流体圧アクチュエータ80は、流体圧アクチュエータ1と比して被駆動部材側に大きな抵抗があった場合でも確実に駆動力を伝達することができ、大きい駆動力を得ることができる。
1、80 流体圧アクチュエータ、2 産業用ロボット装置、3 アーム、10 シリンダユニット、11 上部シリンダ、12 下部シリンダ、13 シリンダ連結フランジ、15 シリンダ本体、15a 開口部、16 キャップ部材、17 クッション部材、18 カムフォロア、19 カムフォロア固定部、21 回転規制部材、22 固定溝、24 流体ポート、26 上部側ベアリング保持部材、27 シリンダ用ベアリング部材、28 下部側ベアリング保持部材、29 ベアリング用フランジ、30 下部側連結部材、31 ギア、32 ギア保持部材、33 固定溝、36 位置検出センサ、38 エンコーダギア、39 センサ部、40 ピストンユニット、41、81 上部ピストン、42、82 下部ピストン、43 連結手段、44 連接部、47 上部カムシリンダ、48 下部カムシリンダ、50 ブレーキ機構、51 ピストン連結手段、53 ピストン側ベアリング保持部材、54 カムシリンダ側ベアリング保持部材、56 固定用フランジ、59、66 カム溝、62 カムシリンダ連結ピン、64 コイルスプリング、67 大径ブレーキ板、67a 規制凹部、68 小径ブレーキ板、70 給排手段、71 ポンプ、72 導管、73 バルブ、74 制御部、85 ガイド片、86 連接凹部、89 カムシリンダ側ベアリング保持部材、89a 凸部、90 コイルスプリング、91 ガイド凹部、91a 凸部、100 ブレーキ機構、101 ブレーキ板圧縮部材、102 大径ブレーキ板、103 小径ブレーキ板

Claims (8)

  1. 対向配置される2つのシリンダを有するシリンダユニットと、
    上記シリンダユニットの2つのシリンダにそれぞれ内挿される2つのピストンと、該2つのピストンを連結する連結手段とを有するピストンユニットと、
    上記シリンダユニットの2つのシリンダ内に流体を給排し、上記ピストンユニットを往復駆動させる給排手段とを備え、
    上記ピストンユニットの連結手段には、上記2つのピストンの上記シリンダユニットに対する往復駆動を停止するブレーキ機構が設けられる流体圧アクチュエータ。
  2. 上記シリンダユニットの2つのシリンダは、互いに回転自在に連結され、
    上記ピストンユニットの連結手段は、該ピストンユニットの一方のピストンの往復駆動を、該一方のピストンを内挿する上記シリンダユニットの一方のシリンダに対して回転駆動に変換し、該回転を該シリンダユニットの他方のシリンダに伝達する回転伝達機構とを有する請求項1記載の流体圧アクチュエータ。
  3. 上記ピストンユニットの2つのピストンは、それぞれ上記連結手段に対して回転自在に連結される請求項2記載の流体圧アクチュエータ。
  4. 上記ブレーキ機構は、上記2つのピストン間の距離が近接することで、上記ピストンと上記シリンダとが摩擦係合する請求項1乃至3のうちのいずれか1項記載の流体圧アクチュエータ。
  5. 上記ブレーキ機構は、上記2つのピストン間に設けられ、一方の上記シリンダに対してはその回転が規制されるブレーキ板からなる請求項3記載の流体圧アクチュエータ。
  6. 上記ブレーキ機構は、上記2つのピストン間に設けられ、該2つのピストンの駆動に応じて動く少なくとも1枚の第1のブレーキ板と、該第1のブレーキ板と上記ピストンとの間に設けられ一方の上記シリンダに対してその回転が規制される第2のブレーキ板とからなる請求項3記載の流体圧アクチュエータ。
  7. 上記ピストンユニットの連結手段は、上記給排手段から、少なくとも上記2つのピストンのいずれか一方に付与される往復駆動力を他方の上記ピストンに伝達する請求項1乃至6のうちのいずれか1項記載の流体圧アクチュエータ。
  8. 上記ピストンユニットの連結手段は、少なくとも上記往復駆動力を上記2つのピストン間に伝達する部材と、上記2つのピストンを互いに離間する方向に付勢する付勢部材とを有する請求項7記載の流体圧アクチュエータ。
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