JP2010196672A - 圧縮自己着火式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の自着火性と混合気の当量比との組み合わせにより、筒内の異なる領域に着火性の異なる混合気を多段階に分布させて、燃焼騒音の抑制や熱効率の向上を図る。
【解決手段】燃焼室4の上部中心に、自着火性の異なる燃料を噴射する2つの燃料噴射弁12,13を、互いの噴霧流動が部分的に干渉する所定の間隔で設置する。各噴射弁から噴射された燃料は、基本的には互いに混ざりあうことなく異なる領域I−II,III−IVに分布するが、互いの流動噴霧が接近・干渉する領域I,IIIでは周囲の空気との接触が不足し、当量比が高くなる。従って、燃料自身の自着火性と混合気の当量比との組み合わせにより、筒内に自着火性の異なる4つの混合気の領域I〜IVを分布させることができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、予混合圧縮自己着火燃焼、特に、自着火性の異なる2種以上の燃料を筒内で圧縮自己着火燃焼させる圧縮自己着火式内燃機関に関する。
特許文献1に記載されているように、予め混合された空気と燃料との混合気を筒内で圧縮自己着火により燃焼させる、いわゆる予混合圧縮自己着火式の内燃機関が知られている。このような圧縮自己着火燃焼は、予混合気を火花点火により燃焼させる火花点火燃焼と比べて、大幅に希薄な混合気での運転が可能であり、内燃機関の熱効率の向上と、燃焼温度の抑制ひいてはNOx生成量の抑制と、に極めて有利な燃焼形態である。
特開2005−139945号公報
このような圧縮自己着火式内燃機関においては、燃焼期間の長さを適正に制御することが重要となる。すなわち、燃焼期間が火炎伝播速度によって決まる火花点火燃焼と異なり、予混合圧縮自己着火燃焼における燃焼期間は様々な要因の影響を受けて大幅に変化し、燃焼期間が過小となると燃焼騒音や機関振動が発生し、燃焼期間が過大となると燃焼の燃え残りが発生し、排気エミッションが悪化する。
予混合圧縮自己着火式内燃機関における燃焼期間に大きく影響を与える要因の1つに、オクタン価(RON,MON)やセタン価(CN)の指標で表される燃料自身の化学的な自着火性がある。この特性を利用し、例えば自着火性の大きく異なる2種類の燃料を機関負荷等に応じて混合比率を変えながら筒内に供給することで、燃焼期間を長くする場合には着火性の低い燃料の割合を多くし、燃焼期間を短くする場合には着火性の低い燃料の割合を少なくすることが考えられる。
しかしながら、燃焼騒音の抑制とともに熱効率の向上を図るためには、上記燃焼期間の適正化に加え、熱発生重心位置を適正化することが重要となる。ここで、『熱発生重心位置』とは、図4(C)に示すように、熱発生量が総熱発生量の50%に達するクランク角θcであり、上記の熱発生量は熱発生率(単位クランク角毎の熱発生量)を積算することにより求めることができる。
筒内の異なる領域に着火性の異なる混合気を分布させる場合、各混合気の平均着火性は着火時期に影響するため、熱発生重心位置と相関が強い。一方、燃焼期間の長さを変えるには、燃焼室内で位相差をもって自己着火が発生するように、異なる領域に分布する混合気間の着火性を不均一性にすることが有効である。よって、熱発生重心位置と燃焼期間の両者を適切に制御するためには、各混合気の平均着火性と混合気間の着火不均一性の双方を適正化する必要がある。
筒内に着火性の異なる混合気を分布させる技術として、本出願人は、低自着火性燃料と高自着火性燃料とをそれぞれ筒内に直接噴射する2本の直噴式燃料噴射弁を設け、低自着火性燃料と高自着火性燃料の分布や混合具合を噴射時期や噴射圧力によって制御することを検討している。これによると、自着火性の異なる燃料の混合気が空間的に分かれて存在することで、1サイクル中の着火に位相差を形成し、急峻な燃焼を抑制可能となるものの、自着火性の異なる燃料の混合レベルの制御、つまり中間的な自着火性の燃料の形成・制御が難しい、という課題があった。
本発明は、同じ自着火性の燃料であっても、混合気の当量比によって、混合気の着火性が異なるものとなり、つまり当量比が高く燃料濃度が高いリッチ側では着火性が高くなり、当量比が低く燃料濃度が低いリーン側では着火性が低くなることに着目してなされたものである。なお、『当量比』は理論空燃比を混合気の空燃比で割った値であり、リッチ側では1より大きな値となり、リーン側では1より小さな値となる。
すなわち本発明は、圧縮自己着火燃焼を行う圧縮自己着火式内燃機関において、筒内に自着火性の異なる燃料を供給する燃料供給手段を有し、燃料の自着火性が異なる混合気を筒内の異なる領域に分布させるとともに、当量比が異なる混合気を筒内の異なる領域に分布させることで、着火性の異なる3つ以上の混合気を筒内の異なる領域に分布させるものである。
本発明によれば、燃料自身の化学的な自着火性と混合気の当量比の双方の筒内分布を適切なものとすることで、筒内の異なる領域に着火性の異なる混合気をより多く分布させるとともに、各混合気の着火性をより細かく制御可能となり、圧縮自己着火燃焼の燃焼開始時期,燃焼期間や熱発生重心位置を適正化することで、燃焼騒音の抑制や熱効率の向上を図ることができる。
本発明に係る圧縮自己着火式内燃機関の基本構成の一例を示す構成図。 本発明の第1実施例に係る圧縮自己着火式内燃機関を示す構成図。 燃料の自着火性(オクタン価)及び当量比と混合気の着火性との関係を示す説明図。 比較例(A)及び本実施例(B)に係る筒内に分布する各混合気の発熱量及び熱発生率(C)を示す説明図。 本発明の第2実施例に係る圧縮自己着火式内燃機関を示す構成図。 直噴用燃料噴射弁の噴射時期を示す説明図。 本発明の第3実施例に係る圧縮自己着火式内燃機関を示す構成図。 負荷に応じた筒内混合気の着火性を示す説明図。
図1は、この発明に係る圧縮自己着火式内燃機関の基本構成の一例を示している。シリンダヘッド1とシリンダブロック2とピストン3とによって燃焼室4が形成されている。この燃焼室4は、吸気弁7を介して吸気ポート5と連通し、かつ排気弁8を介して排気ポート6と連通する。吸気弁7および排気弁8は、それぞれ吸気弁用カム9、排気弁用カム10によって開閉駆動される。吸気ポート5の上流にはポート噴射用燃料噴射弁11が配置されており、この燃料噴射弁11より吸気ポート5内へ燃料を噴射して吸気ポート5内で空気と燃料との予混合気を形成するようになっている。
また、燃焼室4の上面中心部には、2つの直噴用燃料噴射弁、すなわち自着火性の低い高オクタン価燃料を噴射する高オクタン価燃料用燃料噴射弁12と自着火性の高い低オクタン価燃料を噴射する低オクタン価燃料用燃料噴射弁13とが並んで配置されている。各々の直噴用燃料噴射弁12,13には、別個の燃料配管ならびに燃料ポンプ等(いずれも図示せず)を介して、自着火性の異なる燃料、つまり低オクタン価燃料および高オクタン価燃料が個々に供給されている。これらの燃料噴射弁12,13は、基本的には、それぞれが自着火性の異なる燃料を直接筒内の燃焼室4へ噴射して、着火性の異なる混合気を筒内の別々の領域に形成するようになっている。なお、図2等では表記上の制限から着火性の異なる混合気がそれぞれ独立した領域I〜IVを占めるかのように描かれているが、実際には、筒内は一つの空間であるために、混合気の領域は完全に分割されているわけではなく、その境界付近では適宜に混じり合ったものとなる。また、これらの燃料噴射弁12,13は、通常は、全体として円錐形の噴霧を形成するマルチホール型燃料噴射弁が用いられるが、必ずしもこれに限定されず、円錐形の噴霧を形成する単噴孔のものであってもよい。
また、所定の部分負荷運転領域においては、後述する予混合圧縮自己着火燃焼による運転を行うが、高負荷側の運転領域においては通常の火花点火運転を行う場合、図1に示すように、シリンダヘッド1に燃焼室4に臨ませて点火プラグ14が取り付けられる。また、吸気ポート5には筒内のスワール,タンブル等の流動を可変制御するための流動調整弁15が設けられている。
図2は、本発明に係る圧縮自己着火式内燃機関において、筒内の異なる領域に着火性の異なる4つの混合気を形成する第1実施例を示している。図2に示すように、自着火性の高い燃料を燃焼室に直接噴射する噴射弁12と、自着火性の低い燃料を燃焼室に直接噴射する噴射弁13と、が互いの噴霧流動が部分的に干渉する所定の間隔で設置されている。従って、噴射弁12と噴射弁13からそれぞれ噴射された燃料は、基本的には互いに混ざりあうことなく異なる領域I−II,III−IVに分布するが、互いの流動噴霧が接近・干渉する燃焼室中央寄りの領域I,IIIでは、互いの流動噴霧が干渉することなく離間するシリンダ外周寄りの領域II,IVに比して、周囲の空気との接触が不足し、周囲空気の導入が減少するために、当量比が高い(リッチ)ものとなる。このように、同じ高自着火性燃料が分布する領域I,IIの中でも、互いの流動噴霧の干渉が大きい領域Iと干渉が小さい領域IIとで混合気の当量比に格差が形成される。同様に、同じ低自着火性燃料が分布する領域III,IVの中でも、互いの流動噴霧の干渉が大きい領域IIIと干渉が小さい領域IVとで混合気の当量比に格差が形成される。
すなわち、図2及び図3の領域Iは高自着火性燃料のリッチな混合気が形成される。領域IIは高自着火性燃料のリーンな混合気が形成される。領域IIIは低自着火性燃料のリッチな混合気が形成される。領域IVは低自着火性燃料のリーンな混合気が形成される。図3に示すように、領域I〜IVの着火時期は、当量比φと燃焼自身の自着火性(RON)によっておおよそ決定され、この混合気が圧縮されたのち、領域I−II−III−IVの順に着火位相差を持って燃焼が進行する。よって、燃料噴射弁の配置や噴射時期等によって燃料の自着火性(RON)と当量比φの分布を適切に制御することで、燃焼期間や熱発生重心位置を最適化することができる。例えば、当量比φの格差は噴射弁12と噴射弁13の噴射時期で制御することができる。つまり、噴射弁12と噴射弁13の噴射が重なる期間が長いほど当量比の格差は大きくなる。
[1]図4を参照して、(A),(B)は着火性の異なる各混合気の総発熱量を示す説明図であり、(A)は筒内に着火性の異なる混合気が2つの領域に分布する比較例を示し、(B)は筒内に着火性の異なる混合気が4つの領域I〜IVに分布する本実施例を示している。(C)は単位クランク毎の発熱量つまり熱発生率を示している。
同図に示すように、本実施例においては、燃料の自着火性が異なる混合気を筒内の異なる領域に分布させるとともに、当量比が異なる混合気を筒内の異なる領域に分布させることで、着火性が異なる3つ以上、本実施例においては4つの混合気を筒内の別々の領域I〜IVに分布させている。このように、燃料の化学的な自着火性と混合気の当量比との組み合わせによって、中間的な自着火性を有する燃料を敢えて形成・制御することなく、より多くの着火性が異なる混合気を適切に配置することが可能となり、圧縮自己着火燃焼の燃焼開始時期,熱発生重心位置θcや燃焼期間を適正化することで、内燃機関の燃焼騒音を抑制し、熱効率を向上させることが可能になる。
[2]また、図4(B)に示すように、筒内の異なる領域I〜IVに分布する複数の混合気は、着火性が高いものほど総発熱量が小さく、着火性が低いものほど総発熱量が高い。すなわち、燃料混合気は、初期に着火するものから後期に着火するものにかけて総発熱量が単調増加する分布を有している。このように、混合気の着火性に段階的な分布を持たせることで熱発生を連続的に継続し、未燃焼分を抑制することが可能になり、その分布が着火性の高い領域から低い領域にかけて単調増加することで、図4(C)に示すように、熱発生率の特性が、比較例のように熱発生率が急激に上昇する部分のないなだらかなものとなり、熱効率を維持しつつ急峻な熱発生を抑制し、燃焼騒音を抑えることが可能になる。
[3]当量比の異なる3つ以上の混合気を筒内に分布させる手法の一つとして、この第1実施例では、図2に示すように自着火性の異なる燃料をそれぞれ筒内の別々の領域I−II,III−IVに直接噴射する2本の燃料噴射弁12,13(燃料供給手段)を有している。そして、各々の燃料噴射弁12,13より噴射される燃料の筒内での干渉状態を制御することによって、上述したように、同じ自着火性の燃料が分布する領域I−II,III−IVの中でも、互いの流動噴霧が近接・干渉する領域I,IIIと離間する領域II,IVとで混合気の当量比に格差を形成することで、相互の着火性を異ならせ、ひいては筒内の4つの領域I〜IVに着火性の異なる混合気を分布させることができる。2つの着火性の異なる燃料のうち、少なくとも1つの燃料から形成される混合気について、当量比の格差を与えることにより着火性を異ならせることにしたので、3つ以上の異なる着火性の混合気を2つの燃料噴射弁から供給される燃料で形成することができる。しかも、2つの燃料噴射弁からは、着火性が比較的大きく異なる燃料を噴射することができるようになるので(間を当量比格差による着火性で埋めることができるので)、筒内に形成される混合気の着火性の幅(レンジ)を大きく拡げて、より熱効率を維持しつつも急峻な熱発生や燃焼騒音が抑制された燃焼を行なうことができる。
[4]当量比の異なる3つ以上の混合気を筒内に分布させる他の手法として、図5は、本発明に係る圧縮自己着火式内燃機関の第2実施例を示している。噴射弁12と噴射弁13は、それぞれ自着火性の異なる燃料を、筒内の異なる領域I−II,III−IVに噴射する。具体的には、高自着火性燃料噴射弁13は噴霧角が小さく、燃焼室中央部の領域I−IIに燃料を噴射し、低自着火性燃料噴射弁12は、高自着火性燃料噴射弁13よりも噴霧角が広く、高自着火性燃料噴霧の領域I−IIの外側の領域III−IVに燃料を噴射する。
また、この第2実施例では、個々の噴射弁12,13の噴射時期を1サイクル中に2回(あるいは3回以上)に分けて行うことで、前半の噴射で形成された混合気に後半で噴射された混合気が重なることで、当量比の格差を形成している。すなわち、1回目に噴射された噴霧が時間の経過とともに領域II,IVに拡散している状況で、その中央部I,IIIに2回目の燃料を噴射することで、中央部の領域I,IIIが領域II,IVに比して当量比が高くなる(リッチになる)。また、1回目と2回目の噴射量比を調整することによって、当量比の差を制御可能である。
[5]図6を参照して、筒内に分布する各混合気の着火時期での当量比は、上限値(例えば0.5)を越えると(リッチになると)、NOxの排出量が急増し、下限値(例えば0.3)より低いと、COの酸化が困難となって燃え残りが増加し、未燃燃料の排出量が増加することから、排気エミッションの低下を抑制するために、当量比を上記下限値から上限値の間の所定の当量比範囲Δφ内に設定することが望ましい。
但し、この第2実施例のように、異なる自着火性燃料をそれぞれ2回にわけて筒内の別々の領域に直接噴射する構成において、異なる自着火性燃料の噴射時期を同一とすると、全ての混合気の当量比を所定範囲Δφ内に収めることができない場合がある。例えば、高自着火性燃料の混合気の当量比が所定範囲Δφに収まる進角側のタイミングで低自着火性燃料を噴射すると、着火時期の進角化による筒内温度・圧力の低下や当量比の低下により、一回目の噴射で形成される混合気の着火時期T4’での当量比が低くなりすぎる。一方、低自着火性燃料の混合気の当量比が所定範囲Δφに収まる遅角側のタイミングで高自着火性燃料を噴射すると、着火時期の遅角化による筒内温度・圧力の上昇や当量比の上昇により、2回の噴射で形成される混合気の着火時期T1’での当量比が高くなりすぎる。
そこで、図6に示すように、自着火性の高い燃料の噴射開始時期を、自着火性の低い燃料の噴射開始時期よりも進角させることで、それぞれの着火開始時期において高自着火性燃料と低自着火性燃料の当量比を所定範囲Δφに維持することが可能となり、排気エミッションを抑制することができる。
当量比の異なる3つ以上の混合気を筒内に分布させる他の手法として、図7は、本発明に係る圧縮自己着火式内燃機関の第3実施例を示している。吸気ポート5に、それぞれ着火性の異なる燃料を噴射する2つのポート噴射用燃料噴射弁、つまり高自着火性燃料用燃料噴射弁11Aと低自着火性燃料用燃料噴射弁11Bとが配置されるとともに、燃焼室4に高自着火性燃料を噴射する1つの直噴用燃料噴射弁12が配置される。ポート噴射により形成された均質な混合気に、燃焼室4内の噴射弁12からの高自着火性燃料が重なることで、当量比格差が形成される。ポート噴射による均質な混合気の当量比は、吸気ポート5に配置された2つの噴射弁11A,11Bの噴射割合を調整することによって制御することができる。また、筒内の燃料噴射弁12からの噴射時期を複数、この実施例では3回に分けて行うことで、筒内に着火性の異なる4つの混合気を異なる領域I〜IVに形成することができる。
[6]図8に示すように、機関負荷の増加に伴って、筒内の平均の混合気の着火性aveIGNを低くする。つまり、低負荷側では着火性を確保するために、筒内の平均の混合気の着火性avrIGNを高くし、高負荷側では、当量比も高く着火性が良いことから、ノッキングを生じることなく負荷に見合った燃料供給量を得るために、筒内の平均の混合気の着火性avrIGNを低くする。そして、機関負荷の増加に伴って、筒内の異なる領域に分布する複数の混合気のなかで、最も着火性の高い混合気(maxIGN)と最も着火性の低い混合気(minIGN)との着火性の差つまり分布幅ΔIGNを大きくする。これによって、負荷の増加に伴う燃焼騒音の増大を、着火性の分布幅ΔIGNの拡大によって抑制することが可能になる。
[7]高回転時は低回転時に比べて同じクランク角間隔の実時間が少なくなる。従って、機関回転数の増加に伴って、筒内の平均の混合気の着火性を高くするとともに、筒内の異なる領域に分布する複数の混合気の中で、最も着火性の高い混合気と最も着火性の低い混合気との着火性の差を小さくする。このように、燃焼室内の平均的な着火性を高くするとともに、着火性の分布幅を狭くすることで、機関回転数の上昇に伴う燃焼開始遅れや燃焼期間の増大を抑制し、高効率な燃焼が実現可能になる。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、上記実施例では、筒内に着火性の異なる4つの混合気を分布させているが、より多段階で滑らかな燃焼特性を得るために、5つ以上の混合気を分布させるようにしても良い。
[8]噴射率が可変であり、噴射期間中に噴射率の変更可能な燃料噴射弁を用いることもできる。この場合、例えば噴射期間中に噴射率を増加させることで、混合気の前半に噴射した燃料と後半に噴射した燃料とで当量比の異なる混合気分布の形成が可能となる。噴射率変化の度合いを制御することで、当量比格差を制御することも可能となる。
[9]図1に示すように、燃焼室4内の流動強度を調整可能な流動調整弁15を具備し、筒内流動によって当量比分布を形成するようにしても良い。すなわち、流動強度が強いほど当量比が均質化することを利用し、流動強度の制御によって当量比格差の制御が可能となる。また、流動の時間減衰を考慮することで、噴射時期を早くすることにより当量比格差を小さくし、遅くすることで当量比格差を大きくすることも可能となる。
[10]自着火性の異なる燃料をそれぞれ貯蔵する燃料タンクを具備し、噴射前に自着火性の異なる燃料を所定の比率で混合せしめる構造の噴射弁を具備する構成としても良い。この場合、自着火性の異なる燃料を所定の混合比で混合してから燃焼室内に噴射供給することで、機関運転状態に応じた適切な自着火性の燃料の混合気を筒内に分布させることができ、燃焼室内での異なる自着火性燃料の混合による中間的な自着火性燃料の形成制御が不要となり、着火性分布の形成が容易になる。
[11]燃料の自着火性を改質可能な燃料改質装置を燃料タンクから燃焼室までの間の位置に設置しても良い。この場合にも、燃料改質装置によって、機関運転状態に応じた適切な自着火性の燃料の混合気を筒内に分布させることができ、燃焼室内での異なる自着火性燃料の混合による中間的な自着火性燃料の形成制御が不要となる。
4…燃焼室
5…吸気ポート
11,11A,11B…ポート噴射用燃料噴射弁
12,13…直噴用燃料噴射弁
15…流動調整弁

Claims (7)

  1. 圧縮自己着火燃焼を行う圧縮自己着火式内燃機関において、
    筒内に自着火性が異なる燃料を供給する燃料供給手段を有し、
    燃料の自着火性が異なる混合気を筒内の異なる領域に分布させるとともに、当量比が異なる混合気を筒内の異なる領域に分布させることで、着火性が異なる3つ以上の混合気を筒内の異なる領域に分布させることを特徴とする圧縮自己着火式内燃機関。
  2. 筒内の異なる領域に分布する複数の混合気は、着火性が高いものほど総発熱量が小さく、着火性が低いものほど総発熱量が大きいことを特徴とする請求項1に記載の圧縮自己着火式内燃機関。
  3. 上記燃料供給手段は、自着火性の異なる燃料を筒内の異なる領域へそれぞれ直接噴射する2本の直噴用燃料噴射弁を有し、
    各々の直噴用燃料噴射弁より噴射される燃料噴霧が互いに近接する領域では、互いに離間する領域に比して、混合気の当量比が高くなるように、両直噴用燃料噴射弁が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮自己着火式内燃機関。
  4. 上記燃料供給手段が燃料を筒内に直接噴射する直噴用燃料噴射弁を有し、
    1サイクル中に2回以上燃料を噴射することによって、当量比の異なる混合気を筒内の異なる領域に分布させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮自己着火式内燃機関。
  5. 上記燃料供給手段が、自着火性の異なる燃料をそれぞれ筒内に直接噴射する2本の直噴用燃料噴射弁を有し、
    自着火性の高い燃料の噴射開始時期を、自着火性の低い燃料の噴射開始時期よりも進角させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮自己着火式内燃機関。
  6. 機関負荷の増加に伴って、筒内の平均の混合気の着火性を低くするとともに、筒内の異なる領域に分布する複数の混合気のなかで、最も着火性の高い混合気と最も着火性の低い混合気との着火性の差を大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧縮自己着火式内燃機関。
  7. 機関回転数の増加に伴って、筒内の平均の混合気の着火性を高くするとともに、筒内の異なる領域に分布する複数の混合気のなかで、最も着火性の高い混合気と最も着火性の低い混合気との着火性の差を小さくすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の圧縮自己着火式内燃機関。
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