JP2006070862A - 筒内直接噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】点火時期の大幅な遅角と燃焼安定度とを両立させ、冷機時の排気ガス温度の昇温とHC排出量低減とを実現する。
【解決手段】内燃機関の冷却水温が80℃を越えた暖機完了状態では、通常の成層燃焼運転および均質燃焼運転を行う。冷却水温が80℃以下の冷機状態では、触媒コンバータの活性化促進とHC排出量低減のために、上死点噴射運転とする。上死点噴射運転では、噴射開始時期が圧縮上死点前、噴射終了時期が圧縮上死点後となり、圧縮上死点を跨いで燃料噴射が行われる。点火時期は、噴射開始時期から15°〜20°CA遅れた圧縮上死点後となる。燃料噴射弁15の噴霧は、燃料噴射弁15の中心軸線Lを挟んで、上側部分の方が大となるように上下非対称である。そのため下側の噴霧のピストン3頂面への燃料付着が抑制され、上側の噴霧のペネトレーションにより乱れの生成が図れる。
【選択図】図5

Description

この発明は、筒内に燃料を直接に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関に関し、特に、その噴射時期および点火時期の制御に関する。
特許文献1には、排気浄化用の触媒コンバータが活性温度よりも低い未暖機状態にあるときに、圧縮行程中に燃料噴射を行い、かつ、点火時期を圧縮上死点よりも遅角させる技術が開示されている。
なお、特許文献2には、噴孔開口部にステップ状の段差部を設けることで、噴霧が断面略C字形の異形をなすとともに、C字の中央部寄りに燃料が多く分布するようにした燃料噴射弁が開示されている。
特開2001−336467号公報 特開2004−36554号公報
内燃機関冷機時の触媒の早期活性化を図るべく排気ガス温度を昇温させるとともにHCを低減するためには、点火時期をなるべく大きく遅角させることが望ましいが、点火時期を大幅に遅角すると、燃焼安定度が悪化するため、燃焼安定度の観点から定まるある限界よりも遅角することはできない。特許文献1のような従来の技術では、特に冷機時のような条件下において、安定した燃焼の確保が難しく、燃焼安定度から定まる点火時期の遅角限界が比較的進み側にあり、十分な点火時期の遅角を実現することができない。
本発明は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁が燃焼室の側部に配置され、ピストン頂部へ向かって斜め下方へ燃料を噴射するように構成されているとともに、略中央部に点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関において、所定の運転状態のとき、例えば冷機時のような排気ガス温度の昇温が必要な場合などに、燃料噴射を、噴射開始時期が圧縮上死点前で噴射終了時期が圧縮上死点後となるように圧縮上死点を跨ぐ期間に行い、かつ、上記噴射開始時期から遅れた圧縮上死点後に点火を行うことを特徴としている。そして、さらに、燃料噴霧をより適切なものとするために、燃料噴霧における燃料噴射弁の中心軸線を挟んで上側の燃料分布が下側の燃料分布よりも大となるように上記燃料噴射弁が構成されている。
図1は、本発明における燃料噴射期間および点火時期を筒内圧変化とともに例示したものであり、噴射開始時期ITSが圧縮上死点(TDC)前、噴射終了時期ITEが圧縮上死点(TDC)後となる。その間の噴射期間Tの長さは、噴射量に相当する。点火時期ADVは、圧縮上死点(TDC)後であり、噴射開始時期ITSから所定クランク角(例えば15°CA〜20°CA)遅れた時期となる。この遅れ期間Dは、一般に、燃料噴射弁から点火プラグまでの距離に相関する。
なお、圧縮上死点(TDC)を中心として前半の圧縮上死点前の期間と後半の圧縮上死点後の期間とがほぼ等しくなるように、噴射開始時期ITSおよび噴射終了時期ITEを制御するようにしてもよい。
図2は、内燃機関の1サイクル中のピストンストロークによるピストン位置変化量と燃焼室の体積変化量とを示したものである。図示するように、単位クランク角当たりの変化量は、ストロークの中間位置付近で最も大きく、下死点(BDC)付近ならびに上死点(TDC)付近では、非常に小さい。従って、本発明で燃料噴射を行う圧縮上死点付近は、ピストン位置変化や体積変化が非常に小さく、ピストンの動き等に影響されない安定した場が形成され得る。
また、筒内には、吸気行程において、スワール流やタンブル流といった比較的大きな流れのガス流動が発生し、圧縮行程においても残存しているが、このようなスワール流やタンブル流といった大きな流れは、ピストンが圧縮上死点付近に達して燃焼室が狭小なものとなると、急激に崩壊する。図3は、種々の機関回転数の下での燃焼室内の大きな流れの流速変化を示したものであり、図示するように、回転数に応じた強さのスワール流ないしタンブル流が発生するが、圧縮上死点(360°CA)に達する前に、急激に崩壊する。従って、本発明において圧縮上死点付近で噴射された燃料噴霧は、スワール流やタンブル流のような大きな流れにより動かされることがなく、点火プラグに対し、常に安定した形で噴霧を形成することが可能である。
一方、上記のスワール流やタンブル流といった比較的大きな流れのエネルギは、その流れの崩壊に伴って、微小な乱れへと遷移する。従って、燃焼室内の微小な乱れは、圧縮上死点の直前に、急激に増大する。図4は、図3に示した流れの崩壊に伴って生じる微小な乱れの強さを、流速に換算していわゆる乱れ流速として示したものであり、図示するように、圧縮上死点直前に、乱れが大きく増加する。このような微小な乱れは、燃焼場の活性化に寄与し、燃焼改善作用が得られる。
つまり、燃料が噴射される圧縮上死点付近での燃焼室内の場は、噴霧を動かしてしまうような大きな流れが存在せず、かつ燃焼を活発化させる微小な乱れが多く存在し、しかも、ピストンの動きに対し非常に安定した場となる。しかも圧縮上死点付近で燃料を噴射するためには高い燃圧が必要であるので、高圧で噴射される噴霧自体のエネルギによって筒内に微小な乱れを積極的に生成することができる。従って、圧縮上死点よりも遅角した点火時期でもって、安定した燃焼が可能であり、燃焼安定度の上で制限される点火時期の遅角限界が、より遅角側となる。そのため、点火時期の大幅な遅角により、排気ガス温度を大幅に昇温させることができ、かつHC排出量が低減する。
また、本発明では、燃焼室の側部に配置された燃料噴射弁からピストン頂部へ向かって斜め下方へ燃料を噴射するように構成されているが、このようなレイアウトを前提として、特に、燃料噴射弁の噴霧形態として、燃料噴霧における燃料噴射弁の中心軸線を挟んで上側の燃料分布が下側の燃料分布よりも大となるように上記燃料噴射弁が構成されている。従って、圧縮上死点付近でピストン頂面により接近する噴霧の下側の部分におけるピストン頂面への燃料付着が抑制される。同時に、ピストン頂面との距離が相対的に大となる噴霧の上側の部分においては、燃料分布が密となることでペネトレーション(噴霧貫徹力)が大となり、上述した噴霧自体のエネルギによる乱れの生成作用がより強く得られる。なお、仮に単純な円錐形に噴霧を噴射したのでは、十分なペネトレーションを得ようとすると、ピストン頂面に相対的により近接する噴霧の下側部分が、ピストン頂面に衝突して付着しやすく、ピストンへの燃料付着量が多くなってしまう。
本発明の一つの態様では、上記燃料噴射弁が、多数の微細な噴孔を備えたマルチホール型燃料噴射弁からなり、その噴孔の分布が燃料噴射弁の中心軸線を挟んで非対称となっている。つまり、上側により多くの噴孔が配置されている。
また本発明の一つの態様では、例えば前述の特許文献2のような燃料噴射弁を用いることで、燃料噴射弁の中心軸線に直交する噴霧の断面における燃料の分布が不均一となっている。
この発明によれば、点火時期を圧縮上死点よりも大幅に遅角させた状態で安定した燃焼を得ることができ、例えば内燃機関の冷機時に、排気ガス温度を昇温させて触媒の早期活性化を図ることができるとともに、HC排出量の低減が可能となる。特に、燃料噴射弁の噴霧形態として燃料噴射弁の中心軸線を挟んで上側の燃料分布が下側の燃料分布よりも大となるようにしたことで、圧縮上死点を跨いで噴射される燃料のピストンへの付着が抑制されるとともに、噴霧のペネトレーションを筒内の乱れの生成に有効に利用することができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図5〜図7は、この発明が適用される筒内直接噴射式火花点火内燃機関の一実施例を示しており、特に、図5,図6は、一つの気筒の構成を示し、図7は機関全体のシステム構成を示している。
図5,図6に示すように、シリンダブロック1に形成されたシリンダ2にピストン3が摺動可能に配置されているとともに、シリンダブロック1上面に固定されたシリンダヘッド4と上記ピストン3との間に、燃焼室5が形成されている。上記シリンダヘッド4には、吸気弁6によって開閉される吸気ポート7と、排気弁8によって開閉される排気ポート9と、が形成されている。1つの気筒に対し、一対の吸気弁6と一対の排気弁8とが設けられており、これらの4つの弁に囲まれた燃焼室5天井面中心部に、点火プラグ10が配置されている。また、この実施例では、運転状態によってタンブル流を強化することができるように、吸気ポート7内に、該吸気ポート7内を上下2つの流路に区画する隔壁11が設けられているとともに、その下側の流路を上流端で開閉するタンブル制御弁12が設けられている。当業者には容易に理解できるように、タンブル制御弁12によって下側の流路を閉塞した状態ではタンブル流が強化され、タンブル制御弁12を開いた状態ではタンブル流が弱まる。なお、このタンブル制御弁12は本発明において必ずしも必須のものではなく、省略することも可能であり、また、これに代えて、公知のスワール制御弁を設けるようにしてもよい。
上記シリンダヘッド4の吸気ポート7の下側、より詳しくは一対の吸気ポート7の中間部の位置には、筒内へ燃料を直接噴射する燃料噴射弁15が配置されている。つまり、この燃料噴射弁15は、燃焼室5の吸気弁6側の側部に位置し、平面図上において図示せぬピストンピンと直交する方向に沿って燃料を噴射するように配置されているとともに、図5の断面図上において、斜め下方を指向して配置されている。但し、下方への傾斜角は比較的小さく、つまり水平に近い方向へ燃料を噴射する。
ここで、上記燃料噴射弁15としては、非対称の燃料噴霧が得られる燃料噴射弁が用いられており、燃料噴射弁15の中心軸線Lを挟んで上側の燃料分布が下側の燃料分布よりも大となる特性を有している。一つの例としては、図8に示すように、先端面に多数の微細な噴孔を配置して各噴孔からの細い噴霧fの集合により全体として略円錐形の噴霧を構成するようにした公知のマルチホール型燃料噴射弁を用い、その噴孔を一方の側(つまり上側)に多く配置することによって、細い噴霧fからなる燃料の分布を偏らせることができる。図8の(b)は、このようなマルチホール型燃料噴射弁15の場合の噴霧の断面形状(中心軸線Lに垂直なb−b線に沿った面における噴霧形状)を示したものであり、この例では、8個の微細な噴孔により8本の細い噴霧fが形成されるが、中心軸線Lよりも上方に6本の噴霧fが密に配置され、中心軸線Lよりも下方には2本の噴霧fが離れた形に配置される。従って、略円錐形をなす噴霧全体としては、上側の方が燃料分布が大となるとともに、ペネトレーションも大となる。
一方、ピストン3の頂部は、ペントルーフ型をなす燃焼室5天井面の傾斜に沿った凸部形状をなしているとともに、その中央部に、平面図上において略矩形をなす凹部16が形成されている。この凹部16の底面は、タンブル流に沿うように、所定の曲率半径の円弧面ないしは円弧に近似した湾曲面をなしている。
図7に示すように、この実施例の内燃機関は、例えば直列4気筒機関であり、各気筒の排気ポート9が接続された排気通路21に、排気浄化用の触媒コンバータ22が設けられており、その上流側に、酸素センサ等の空燃比センサ23が配置されている。また、各気筒の吸気ポート7が接続された吸気通路24は、その入口側に、制御信号により開閉される電子制御スロットル弁25を備えている。上記排気通路21と上記吸気通路24との間には、排気還流通路26が設けられており、その途中に、排気還流制御弁27が介装されている。また、各気筒のタンブル制御弁12は、ソレノイドバルブ28を介して導入される吸入負圧により動作する負圧式タンブル制御アクチュエータ29によって、一斉に開閉される構成となっている。
また、上記燃料噴射弁15には、燃料ポンプ31およびプレッシャレギュレータ32によって所定圧力に調圧された燃料が、燃料ギャラリ33を介して供給されている。従って、各気筒の燃料噴射弁15が制御パルスにより開弁することで、その開弁期間に応じた量の燃料が噴射される。また、各気筒の点火プラグ10は、イグニッションコイル34に接続されている。
上記内燃機関の燃料噴射時期や噴射量、点火時期等は、コントロールユニット35によって制御される。このコントロールユニット35には、アクセルペダル踏み込み量を検出するアクセル開度センサ30の検出信号や、クランク角センサ36の検出信号、空燃比センサ23の検出信号、冷却水温を検出する水温センサ37の検出信号、等が入力されている。
上記のように構成された内燃機関においては、暖機が完了した後の状態、例えば冷却水温が80℃を越えているときには、通常の成層燃焼運転および均質燃焼運転が行われる。すなわち、低速低負荷側の所定の領域では、通常の成層燃焼運転として、基本的にタンブル制御弁12を閉じた状態の下で、圧縮行程の適宜な時期に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前の時期に点火が行われる。なお、この運転モードでは、圧縮上死点前に必ず燃料噴射が終了する。圧縮行程中にピストン3へ向けて噴射された燃料は、凹部16に沿って旋回するタンブル流を利用して点火プラグ10近傍へ集められ、ここで点火される。そのため、平均的な空燃比がリーンとなった成層燃焼が実現される。また、高速高負荷側の所定の領域では、通常の均質燃焼運転として、基本的にタンブル制御弁12を開いた状態の下で、吸気行程中に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前のMBT点において点火が行われる。この場合は、燃料は筒内で均質な混合気となり、基本的に理論空燃比近傍で運転が行われる。
これに対し、内燃機関の冷却水温が80℃以下のとき、つまり暖機が完了していない状態では、触媒コンバータ22の活性化つまり温度上昇の促進とHC排出量低減のために、上死点噴射運転とする。この上死点噴射運転では、前述した図1に示したように、噴射開始時期ITSが圧縮上死点(TDC)前、噴射終了時期ITEが圧縮上死点(TDC)後となり、圧縮上死点を跨いで燃料噴射が行われる。点火時期ADVは、圧縮上死点(TDC)後となり、噴射開始時期ITSから15°CA〜20°CA遅れた時期に点火される。この遅れ期間の間に、燃料噴霧がちょうど点火プラグ10付近に到達し、点火プラグ10付近に可燃混合気を形成するので、確実に着火燃焼に至り、成層燃焼が行われる。このとき、燃料噴射量は、平均的な空燃比が理論空燃比となるように制御される。
前述したように、この上死点噴射運転において燃料が噴射される圧縮上死点付近での燃焼室内の場は、大きな流れの崩壊により噴霧を動かしてしまうような大きな流れが存在せず、かつ大きな流れの崩壊に伴い、燃焼を活発化させる微小な乱れが多く存在し、しかも、ピストンの動きに対し非常に安定した場となる。従って、圧縮上死点を跨いで燃料噴射を行い、かつ点火時期を圧縮上死点よりも遅らせることで、点火時期の大幅な遅角と燃焼安定度の確保とを両立させることが可能となり、排気ガス温度の十分な昇温とHC排出量低減とを達成できる。
ここで、上記実施例においては、燃料噴射弁15からの噴霧の形態が上述したように上下非対称のものとなっているので、ピストン3頂面への燃料付着が抑制される。図9は、燃料噴霧とピストン3との位置関係を概略的に示した説明図であって、図示するように、燃料噴射弁15は燃焼室5の側部から斜め下方へ燃料を噴射し、例えば、ピストン3頂面の領域A1に噴霧が拡がっていくが、符号F1で示す噴霧の下側部分と符号F2で示す噴霧の上側部分とを対比すると、下側の噴霧F1の方がピストン3頂面までの距離が短くなるので、上側の噴霧F2よりもピストン3頂面への燃料付着が生じやすくなる。しかし、上記実施例では、噴霧全体の中での下側の噴霧F1の燃料分布が相対的に少ないので、ピストン3頂面への燃料付着が抑制される。逆に、上側の噴霧F2は、ピストン3頂面までの距離が相対的に長いので、この上側の噴霧F2のペネトレーションが大きいことにより、過度の燃料付着を回避しつつ噴霧エネルギによる乱れの生成が効果的に行われる。従って、燃料付着の程度としては、領域A1の全体で比較的均等なものとなり、部分的に多量の燃料付着が生じることがない。
図10は、比較例として単純な円錐形の噴霧形態(中心軸線Lを中心として略対称のもの)の場合を示しており、この場合は、下側の噴霧F1によって燃料付着が多く生じるので、領域A1の中で、燃料噴射弁15に近い領域A2において局部的に多量の燃料付着が生じる。そのため、この領域A2で部分的に燃料液膜が厚くなり、燃料が気化しにくくなる。
次に、図11は、燃料噴射弁15の異なる実施例を示したものであり、この実施例では、前述した特許文献2に開示されているように、噴孔の開口端部分に段差状の切欠を設けることにより、断面C字形の噴霧を形成するようにしている。このものでは、燃料噴射弁15の中心軸線Lに直交する面b−bでの噴霧の断面における燃料の分布が、C字形の中央部(つまり噴霧の上側部分F2)に多く偏ったものとなる。また、噴霧のペネトレーションも、C字形の中央部となる噴霧の上側部分F2の方が大となる。従って、前述した実施例と同様に、ピストン3頂面への燃料付着を抑制することができるとともに、ペネトレーションを乱れの生成に有効に利用することができる。
また図12は、燃料噴射弁15のさらに異なる実施例を示したものであり、この実施例では、噴孔の開口端が傾斜面に沿った公知の燃料噴射弁を用いることにより、燃料分布が非対称となった略円錐形の噴霧を形成するようにしている。このものでは、燃料噴射弁15の中心軸線Lに直交する面b−bでの噴霧の断面における燃料の分布が、やはり下側部分F1で少なく、上側部分F2で多くなる。
本発明の燃料噴射期間および点火時期の一例を示した特性図。 サイクル中のピストン位置変化量と体積変化量の特性図。 大きな流れのサイクル中の変化を示す特性図。 微小な乱れのサイクル中の変化を示す特性図。 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の一実施例を示す断面図。 同じく平面図。 この内燃機関全体のシステム構成を示す構成説明図。 燃料噴射弁の一実施例の説明図であり、(a)は噴霧を側方から見た説明図、(b)はb−b線に沿った噴霧の断面図。 燃料噴霧とピストンとの位置関係を概略的に示した説明図。 比較例の場合の燃料付着状況を示した図9と同様の説明図。 燃料噴射弁の他の実施例の説明図であり、(a)は噴霧を側方から見た説明図、(b)はb−b線に沿った噴霧の断面図。 燃料噴射弁の他の実施例の説明図であり、(a)は噴霧を側方から見た説明図、(b)はb−b線に沿った噴霧の断面図。
符号の説明
3…ピストン
5…燃焼室
10…点火プラグ
15…燃料噴射弁

Claims (4)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁が燃焼室の側部に配置され、ピストン頂部へ向かって斜め下方へ燃料を噴射するように構成されているとともに、略中央部に点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関において、所定の運転状態のときに、燃料噴射を、噴射開始時期が圧縮上死点前で噴射終了時期が圧縮上死点後となるように圧縮上死点を跨ぐ期間に行い、かつ、上記噴射開始時期から遅れた圧縮上死点後に点火を行うとともに、燃料噴霧における燃料噴射弁の中心軸線を挟んで上側の燃料分布が下側の燃料分布よりも大となるように上記燃料噴射弁を構成したことを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  2. 所定の運転状態として、排気ガス温度の昇温が要求されたときに、上記の燃料噴射期間および点火時期に制御することを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  3. 上記燃料噴射弁が、多数の微細な噴孔を備えたマルチホール型燃料噴射弁からなり、その噴孔の分布が上記中心軸線を挟んで非対称となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  4. 燃料噴射弁の中心軸線に直交する噴霧の断面における燃料の分布が不均一となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101798979B (zh) * 2010-02-24 2011-12-14 力帆实业(集团)股份有限公司 进气歧管及燃油喷嘴安装系统

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