JP2007009864A - 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】点火時期の大幅な遅角によって、触媒の早期活性化と後燃えによるHC低減を実現するとともに、噴霧の壁面への付着を抑制し、HC排出量を低減する。
【解決手段】触媒コンバータの早期昇温が要求される内燃機関の冷間始動時に、点火時期を圧縮上死点後に設定するとともに、点火時期前でかつ圧縮上死点後に燃料を噴射する超リタード燃焼を行う。点火時期直前の高圧燃料噴射により筒内の乱れが向上し、火炎伝播が促進されるので、安定した燃焼を実現できる。燃焼室3の側部に配置された燃料噴射弁15は、シリンダ軸線と直交する平面にほぼ沿って拡がる偏平な扇形の噴霧fの形状を有し、燃焼室3の内壁面(ピストン2頂面を含む)のどこにも衝突することなく噴霧が点火プラグ14近傍に到達し、点火される。これによりHC排出量が低減する。
【選択図】図2

Description

この発明は、筒内に燃料を直接に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関に関し、特に、排気系の触媒コンバータの早期昇温(早期活性化)が要求される冷間始動時などにおける噴射時期および点火時期の制御に関する。
特許文献1には、筒内直接噴射式火花点火内燃機関の触媒暖機方法として、排気浄化用の触媒コンバータが活性温度よりも低い未暖機状態のときに、吸気行程から点火時期にかけての期間内で、部分的な空燃比の濃淡を有する混合気を燃焼室内に形成する後期噴射と、この後期噴射より前に燃料を噴射して、後期噴射の燃料と後期噴射の燃焼とで延焼可能な、理論空燃比よりもリーンな空燃比の混合気を燃焼室内に生成する早期噴射と、の少なくとも2回の分割噴射を行い、かつ点火時期をMBT点より所定量リタードさせるとともに、機関の無負荷領域では点火時期を圧縮上死点よりも前に設定し、無負荷領域を除く低速低負荷領域では点火時期を圧縮上死点以降までリタードさせる技術が記載されている。上記後期噴射は、圧縮行程の中期以降、例えば120°BTDC〜45°BTDCに行われる。
特許第3325230号公報
内燃機関の冷機時における触媒の早期活性化および後燃えによるHC低減のためには、点火時期の遅角が有効であり、より大きな効果を得るためには、圧縮上死点以降の点火(ATDC点火)が望ましい。ATDC点火で安定した燃焼を行わせるためには、燃焼期間を短縮する必要があり、そのために、筒内の乱れを強化して、燃焼速度(火炎伝播速度)を上昇させることが必要である。
このような乱れの強化のために、筒内に高圧で噴射される燃料噴霧のエネルギにより筒内に乱れを生成することが考えられる。
しかしながら、特許文献1では、主に、1回目の燃料噴射(早期噴射)を吸気行程中に行い、2回目の燃料噴射(後期噴射)を圧縮行程中の120°BTDC〜45°BTDCに行っている。このように最後の燃料噴射が圧縮上死点よりも前では、その噴霧により筒内に乱れを生成しても、圧縮上死点以降はその乱れが減衰してしまい、ATDC点火での火炎伝播速度上昇には寄与しない。
例えば、図13は、吸気ポート内に設けたガス流動制御弁(例えばタンブル制御弁)を作動させた場合とこのようなガス流動制御弁を具備しない場合とについて、筒内の乱れの大きさを示したものであるが、ガス流動制御弁を作動させることで吸気行程中に生成した乱れ(符号Aの部分)は、圧縮行程の進行とともに減衰し、圧縮行程後期のタンブル流の崩壊に伴い一時的に乱れが大きくなる(符号Bの部分)ものの、圧縮上死点以降は符号Cで示すように急速に減衰してしまい、その乱れを用いた燃焼改善(火炎伝播向上)はあまり期待できない。燃料噴霧による乱れについても同様であり、圧縮上死点より前の燃料噴射により乱れが生成されたとしても、圧縮上死点以降の点火燃焼には寄与しない。
このため、ATDC点火の方が排温上昇やHC低減に有利であるが、燃焼安定性が成立しないため、特許文献1では、無負荷領域では点火時期を圧縮上死点前(BTDC点火)としている。
本発明は、このような実状を踏まえて、触媒の早期活性化およびHC低減などのためのATDC点火での燃焼安定性を改善することを目的としている。
本発明は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備え、かつピストンが上死点付近にあるときに上記燃料噴射弁から噴射された噴霧が燃焼室内壁面に衝突することなく点火プラグに到達可能な筒内直接噴射式火花点火内燃機関を前提としており、その制御装置として、所定の運転状態のとき、例えば触媒コンバータの冷機時のような排気ガス温度の昇温が必要な場合などに、点火時期を圧縮上死点後に設定するとともに、この点火時期前でかつ圧縮上死点後に燃料を噴射する超リタード燃焼を行うことを特徴としている。なお、NOxを吸着するNOxトラップ触媒においては、硫黄成分(SOx)が触媒に付着することによりNOx吸着性能が低下するので、触媒を強制的に高温化してSOxを放出するSOx放出処理(硫黄被毒解除)を行う必要があるが、このSOx放出処理の際の排気ガス温度の昇温を、上記の超リタード燃焼を利用して行うことも可能である。
すなわち、圧縮上死点以降では、吸気行程や圧縮行程で生成された乱れは減衰してしまうが、圧縮上死点以降の膨張行程中になされる燃料噴射によって、筒内の乱れを生成・強化することができ、ATDC点火での火炎伝播が促進される。従って、点火時期を圧縮上死点後とした超リタード燃焼が安定的に成立する。
ここで、内燃機関の基本的な性質として、HCの発生を少なくする上では、圧縮上死点後に噴射された噴霧が燃焼室内壁面(ピストン頂面を含む)に衝突することなく点火プラグ付近に到達し、かつ噴霧が上記燃焼室内壁面に達する前に点火されることが望ましい。これにより、HCの発生量そのものを抑制できる。また噴霧がコンパクトとなることから、超リタード燃焼の燃焼安定性がより向上する。
噴霧が燃焼室内壁面に衝突することなく点火し得る構成は、例えば、シリンダ軸線と直交する平面にほぼ沿って拡がる偏平な扇形の噴霧形状を有する燃料噴射弁を燃焼室の側部に配置することなどによって実現し得る。
一方、このように噴霧が燃焼室内壁面と干渉せずに燃焼する場合、噴霧自体が持つエネルギによって燃焼が比較的短時間で終了し、燃焼が緩慢に進行する場合に比べると排気ガス温度は低くなる。換言すれば、点火時期を圧縮上死点よりも遅角させることで、排気ガス温度は十分に高くなるものの、噴霧が燃焼室内壁面のどこにも付着せずに燃焼する構成であると、燃焼が短時間で終了するため、排気ガス温度を最大限に高めることができない。
従って、点火時期前でかつ圧縮上死点後の主燃料噴射に先だって、圧縮上死点付近もしくは圧縮上死点後に、燃料の一部を早期噴射として噴射するようにしてもよい。この早期噴射の付加によって燃焼期間が長くなり、排気ガス温度は上昇する。
この発明によれば、点火時期を圧縮上死点後に設定した超リタード燃焼の燃焼安定性を十分に確保することができ、例えば冷間始動の際に、触媒の早期活性化および後燃えによるHC低減を達成することができる。そして、特に、圧縮上死点後に燃料噴射弁から噴射された噴霧が燃焼室内壁面に衝突することなく点火され得る内燃機関と組み合わせることで、HCの発生量そのものを抑制することができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明が適用される筒内直接噴射式火花点火内燃機関のシステム構成を示す構成説明図である。
この内燃機関1のピストン2により形成される燃焼室3には、吸気弁(図示せず)を介して吸気ポート4aが接続され、かつ排気弁(図示せず)を介して排気ポート5aが接続されている。吸気ポート4aに連なる吸気通路4には、吸入空気量を検出するエアフロメータ6が配設されているとともに、制御信号によりアクチュエータ8を介して開度制御される電子制御スロットル弁7が配設されている。排気ポート5aに連なる排気通路5には、排気浄化用の触媒コンバータ10が配設されているとともに、その上流側および下流側にそれぞれ空燃比センサ11,12が設けられており、さらに、上流側の空燃比センサ11と並んで、触媒コンバータ10入口側での排気温度を検出する排気温度センサ13が設けられている。
燃焼室3の中央頂上部には、点火プラグ14が配置されている。また、燃焼室3の吸気通路4側の側部に、該燃焼室3内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁15が配置されている。この燃料噴射弁15には、高圧燃料ポンプ16およびプレッシャレギュレータ17によって所定圧力に調圧された燃料が、高圧燃料通路18を介して供給されている。従って、各気筒の燃料噴射弁15が制御パルスにより開弁することで、その開弁期間に応じた量の燃料が噴射される。なお、19は、燃圧を検出する燃圧センサ、20は、上記高圧燃料ポンプ16へ燃料を送る低圧燃料ポンプである。
また内燃機関1には、機関冷却水温を検出する水温センサ21が設けられているとともに、クランク角を検出するクランク角センサ22が設けられている。さらに、運転者によるアクセルペダル踏み込み量を検出するアクセル開度センサ23が設けられている。
図2および図3は、上記燃焼室3の詳細を示しており、シリンダヘッド31の吸気ポート4aの下側、より詳しくは一対の吸気ポート4aの中間部の位置に、上記燃料噴射弁15が配置されている。この燃料噴射弁15は、平面図上において図示せぬピストンピンと直交する方向に沿って燃料を噴射するように配置されているとともに、図2の断面図上において、斜め下方に向かって配置されているが、噴霧の方向は、燃料噴射弁15自体の中心線とはやや異なり、ピストン2が上死点付近にある位置においても、噴霧がピストン2頂面に衝突せずに狭い燃焼室3の空間を通るように、シリンダ軸線と直交する平面にほぼ沿って燃料を噴射する。特に、図2,図3に噴霧fの形状を示すように、シリンダ軸線と直交する平面にほぼ沿って拡がる偏平な扇形の噴霧形状を有し、燃焼室3の内壁面(ピストン2頂面を含む)のどこにも衝突することなく噴霧が点火プラグ14近傍に到達する(全ての噴霧が燃焼室3の内壁面のどこにも衝突しないタイミングで、噴霧の一部が点火プラグ14近傍に到達する)ようになっている。このような噴霧形状を実現するために、燃料噴射弁15としては、多数の微細な噴孔を備えたマルチホール型燃料噴射弁が用いられている。
上記内燃機関1の燃料噴射量や噴射時期、点火時期、等は、コントロールユニット25によって制御される。このコントロールユニット25には、上述した各種のセンサ類の検出信号が入力されている。コントロールユニット25は、これらの入力信号により検出される機関運転条件に応じて、燃焼方式つまり均質燃焼とするか成層燃焼とするかを決定するとともに、これに合わせて、電子制御スロットル弁7の開度、燃料噴射弁15の燃料噴射時期および燃料噴射量、点火プラグ14の点火時期、等を制御する。なお、暖機完了後においては、低速低負荷側の所定の領域では、通常の成層燃焼運転として、圧縮行程の適宜な時期に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前の時期に点火が行われる。燃料噴霧は点火プラグ14近傍に層状に集められ、これにより、空燃比を30〜40程度とした極リーンの成層燃焼が実現される。また、高速高負荷側の所定の領域では、通常の均質燃焼運転として、吸気行程中に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前のMBT点近傍において点火が行われる。この場合は、燃料は筒内で均質な混合気となる。この均質燃焼運転としては、運転条件に応じて、空燃比を理論空燃比とした均質ストイキ燃焼と、空燃比を20〜30程度のリーンとした均質リーン燃焼と、がある。
これに対し、触媒コンバータ10の早期昇温が要求される内燃機関1の冷間始動時においては、排気温度を高温とするように、超リタード燃焼を行う。この超リタード燃焼は、例えば、図4に示すように、点火時期を15°〜30°ATDC(例えば20°ATDC)とし、燃料噴射時期(詳しくは燃料噴射開始時期)を、圧縮上死点以降でかつ点火時期前に設定する。図4の上段は、この場合の熱発生の特性を示す。なお、このとき、空燃比は、理論空燃比ないしはこれよりも若干リーン(16〜17程度)に設定される。
すなわち、触媒暖機促進ならびにHC低減のためには、点火時期遅角が有効であり、上死点以降の点火(ATDC点火)が望ましいが、ATDC点火で安定した燃焼を行わせるためには、燃焼期間を短縮する必要があり、そのためには、乱れによる火炎伝播を促進しなければならない。前述したように、圧縮上死点以降では、吸気行程や圧縮行程で生成された乱れは減衰してしまうが、本発明では、圧縮上死点以降の膨張行程中になされる高圧の燃料噴射によって、ガス流動が生じ、これにより筒内の乱れを生成・強化することができる。従って、ATDC点火での火炎伝播が促進され、安定した燃焼が可能となる。このように、点火時期を15°〜30°ATDCまで遅角させることにより、触媒の早期活性化およびHC低減のための十分な後燃え効果を得ることができる。換言すれば、このように点火時期を大きく遅らせても、その直前まで燃料噴射を遅らせて、乱れの生成時期も遅らせることで、火炎伝播向上による燃焼改善を達成できるのである。
特に、本発明では、圧縮上死点後に噴射された噴霧が燃焼室3内壁面(ピストン2頂面を含む)に衝突することなく点火プラグ14付近に到達し、かつ噴霧が上記燃焼室3内壁面に達する前に点火されるので、壁面への燃料の付着によるHCの発生量そのものが少なくなる。しかも噴霧が過度に拡散せずにコンパクトとなるため、燃焼安定性が向上する。
例えば、燃料噴射弁15からの燃料噴霧が円錐状に広く拡がってピストン2頂面等の燃焼室3内壁面に干渉する場合には、噴霧自体のエネルギが減衰し、筒内に生成される乱れが小さくなる。しかも燃料が壁面に付着する結果、HCの発生量そのものが増大する。
図5は、上記実施例のように噴霧が燃焼室3内壁面に衝突しないようにした場合(実線)と噴霧が燃焼室3内壁面に干渉する場合(破線)とについて、(a)燃焼安定性(筒内圧PiのばらつきσPi)と、(b)内燃機関のHCの排出量(所謂エンジン・アウトHC)と、を対比して示したものである。燃焼安定性の悪化を示す筒内圧ばらつきσPiは、点火時期を遅角させていくと、ある点で急速に増加(つまり燃焼不安定化)するが、図示するように、噴霧が燃焼室3内壁面に干渉しない本実施例(実線)の方が、噴霧エネルギの有効利用により、より遅角側まで安定した燃焼を維持できる。そして、エンジン・アウトHCは、点火時期の遅角に伴って増加する傾向となるが、実線で示す本実施例の方が、破線で示す特性よりも全体としてエンジン・アウトHCが少ないので、点火時期をそれぞれの安定限界で運転するものとしても、噴霧が内壁面に干渉しない本実施例の方がHCが少なくなる。
次に、図6の(2)および図7は、本発明の超リタード燃焼の第2の実施例を示す。この第2の実施例は、点火時期前でかつ圧縮上死点後に行う主燃料噴射I2に先だって、圧縮上死点後に、燃料の一部を早期噴射I1として噴射する。この早期噴射I1として噴射された燃料は、主燃料噴射I2の噴射時期には、筒内に図7に示すようにある程度拡散した混合気の塊f1となって存在し、主燃料噴射I2による噴霧f2に点火されて燃焼が開始した後に、この早期噴射I1の燃料による燃焼が継続されるため、全体として燃焼の期間が長くなり、排気ガス温度がより高く得られる。なお、早期噴射I1として噴射された噴霧も、噴射期間が短いことから燃焼室3内壁面に殆ど衝突・付着しない。
図6の上段には、第1の実施例のように点火時期前の主燃料噴射I2のみで燃料の全量を噴射する場合(1)と、第2の実施例のように主燃料噴射I2に先立って早期噴射I1を加えた場合(2)と、の熱発生の特性を対比して示してあり、図示するように、主燃料噴射I2のみの場合は、実線で示すように、短期間で燃焼が完了する。これに対し、早期噴射I1を加えた場合は、破線で示すように、燃焼期間が長くなり、これに伴って排気ガス温度が高く得られる。
また、図8は、第1の実施例のように主燃料噴射のみの場合(実線)と第2の実施例のように早期噴射I1を加えた場合(破線)とについて、(a)燃焼安定性(筒内圧PiのばらつきσPi)と、(b)排気ガス温度、の特性を対比して示したものである。燃焼安定性の悪化を示す筒内圧ばらつきσPiは、点火時期を遅角させていくと、ある点で急速に増加(つまり燃焼不安定化)するが、図示するように、早期噴射I1を加えた場合(破線)の方が、より進角側で燃焼不安定化する。換言すれば、早期噴射I1を加えた場合の方が、点火時期の遅角が制限される。これは、主燃料噴射I2により生成される乱れのエネルギが相対的に小さくなり、かつ燃焼が相対的に緩慢となるためである。しかしながら、排気ガス温度の特性としては、(b)のように、早期噴射I1を加えた場合(破線)の方が主燃料噴射I2のみの場合(実線)よりも全体的に高いので、点火時期をそれぞれの安定限界で運転するものとすると、そのときの排気ガス温度は、それぞれT1,T2のようになり、やはり早期噴射I1を加えた場合(T2)の方が主燃料噴射I2のみの場合(T1)よりも高くなる。従って、冷機時に、触媒コンバータ10をより早期に活性化できる。
また、図9は、第1の実施例のように主燃料噴射のみの場合(実線)と第2の実施例のように早期噴射I1を加えた場合(破線)とについて、内燃機関のHCの排出量(所謂エンジン・アウトHC)を比較したものであり、図示するように、HCの排出量の点でも、早期噴射I1を加えた場合(破線)の方が有利となる。これは、燃焼が緩慢となり排気温度が上昇することにより後燃えが促進されるものと考えられる。
次に、図10の(2)は、本発明の超リタード燃焼の第3の実施例を示す。この第3の実施例は、点火時期前でかつ圧縮上死点後に行う主燃料噴射I2に先だって、圧縮上死点付近で、燃料の一部を早期噴射I1として噴射する。図示例では、噴射開始時期が上死点前で噴射終了時期が上死点後となるように圧縮上死点を跨いで早期噴射I1の噴射期間が設定されている。早期噴射I1として噴射された燃料は、第2の実施例と同様に、主燃料噴射I2の噴射時期には、筒内にある程度拡散した混合気の塊となって存在し、主燃料噴射I2による噴霧に点火されて燃焼が開始した後に、この早期噴射I1の燃料による燃焼が継続されるため、全体として燃焼の期間が長くなり、排気ガス温度がより高く得られる。なお、早期噴射I1として噴射された噴霧も、噴射期間が短いことから燃焼室3内壁面に殆ど衝突・付着しない。
図10の上段には、第1の実施例のように点火時期前の主燃料噴射I2のみで燃料の全量を噴射する場合(1)と、第3の実施例のように主燃料噴射I2に先立って圧縮上死点付近での早期噴射I1を加えた場合(2)と、の熱発生の特性を対比して示してあり、図示するように、主燃料噴射I2のみの場合は、実線で示すように、短期間で燃焼が完了する。これに対し、早期噴射I1を加えた場合は、破線で示すように、燃焼期間が長くなり、これに伴って排気ガス温度が高く得られる。
また図11は、前述した図8と同じく、第1の実施例のように主燃料噴射のみの場合(実線)と第3の実施例のように圧縮上死点付近での早期噴射I1を加えた場合(破線)とについて、(a)燃焼安定性(筒内圧PiのばらつきσPi)と、(b)排気ガス温度、の特性を対比して示したものである。また図12は、前述した図9と同じく、第1の実施例のように主燃料噴射のみの場合(実線)と第3の実施例のように圧縮上死点付近での早期噴射I1を加えた場合(破線)とについて、内燃機関のHCの排出量(所謂エンジン・アウトHC)を比較したものである。これらに示すように、第3の実施例による特性は、第2の実施例のものと同様であり、主燃料噴射I2のみによる第1の実施例に比較して、高い排気ガス温度が得られ、かつHC排出量が低減する。
また、本発明の超リタード燃焼は、排気系の触媒コンバータ10としてNOxトラップ触媒を用いた場合の硫黄被毒解除のためにも利用することができる。NOxトラップ触媒は、流入する排気の排気空燃比がリーンであるときにNOxを吸着し、流入する排気の排気空燃比がリッチであると、吸着していたNOxを放出して触媒作用により浄化処理するものであるが、燃料中の硫黄成分(SOx)が触媒に結合するとNOx吸着性能が低下する。そのため、適当な時期に、触媒を強制的に高温化してSOxを放出除去する処理(いわゆる硫黄被毒解除)が必要である。本発明の超リタード燃焼は、非常に高い排気温度を得られるので、このNOxトラップ触媒の硫黄被毒解除処理に適したものとなる。
本発明に係る内燃機関全体のシステム構成を示す構成説明図。 燃焼室付近の要部を示す断面図。 同じく平面図。 本発明の超リタード燃焼の燃料噴射時期および点火時期を熱発生特性とともに示す特性図。 この実施例による燃焼安定性とHC排出量の特性を示す特性図。 膨張行程中に早期噴射を加えた第2の実施例を熱発生特性とともに示す特性図。 第2の実施例の噴霧の形態を示す説明図。 第2の実施例による燃焼安定性と排気ガス温度の特性を示す特性図。 第2の実施例のHC排出量の特性を示す特性図。 上死点付近に早期噴射を加えた第3の実施例を熱発生特性とともに示す特性図。 第3の実施例による燃焼安定性と排気ガス温度の特性を示す特性図。 第3の実施例のHC排出量の特性を示す特性図。 従来技術における筒内の乱れの変化を示す説明図。
符号の説明
2…ピストン
3…燃焼室
10…触媒コンバータ
14…点火プラグ
15…燃料噴射弁
25…コントロールユニット

Claims (11)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備え、かつピストンが上死点付近にあるときに上記燃料噴射弁から噴射された噴霧が燃焼室内壁面に衝突することなく点火プラグに到達可能な筒内直接噴射式火花点火内燃機関において、所定の運転状態のときに、点火時期を圧縮上死点後に設定するとともに、この点火時期前でかつ圧縮上死点後に燃料を噴射する超リタード燃焼を行うことを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  2. 点火時期前でかつ圧縮上死点後の主燃料噴射に先だって、圧縮上死点付近もしくは圧縮上死点後に、燃料の一部を早期噴射として噴射することを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  3. 上記燃料噴射弁は燃焼室の側部に配置され、シリンダ軸線と直交する平面にほぼ沿って燃料を噴射するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  4. 上記燃料噴射弁は、上記平面にほぼ沿って拡がる偏平な扇形の噴霧形状を有することを特徴とする請求項3に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  5. 上記燃料噴射弁が、多数の微細な噴孔を備えたマルチホール型燃料噴射弁からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  6. 噴霧が燃焼室内壁面に到達する前に、上記点火プラグによる点火を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  7. 所定の運転状態として、排気ガス温度の昇温が要求されたときに、上記超リタード燃焼を実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  8. 排気系の触媒コンバータの早期昇温が要求される内燃機関の冷間始動時に、上記の排気ガス温度の昇温が要求されることを特徴とする請求項7に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  9. 排気系の触媒コンバータのSOx放出処理を行うときに、上記の排気ガス温度の昇温が要求されることを特徴とする請求項7に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  10. 超リタード燃焼における点火時期は、圧縮上死点後15°〜30°CAであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  11. 超リタード燃焼における空燃比は、理論空燃比もしくは若干リーンであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
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