JP2002295260A - 火花点火式直噴エンジン - Google Patents

火花点火式直噴エンジン

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JP2002295260A
JP2002295260A JP2001099220A JP2001099220A JP2002295260A JP 2002295260 A JP2002295260 A JP 2002295260A JP 2001099220 A JP2001099220 A JP 2001099220A JP 2001099220 A JP2001099220 A JP 2001099220A JP 2002295260 A JP2002295260 A JP 2002295260A
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cylinder axis
combustion chamber
tumble
recess
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Takehiko Yasuoka
剛彦 安岡
Fumihiko Saito
史彦 斉藤
Muneyuki Oota
統之 太田
Hiroyuki Yamashita
洋幸 山下
Masakazu Matsumoto
正和 松本
Masashi Maruhara
正志 丸原
Suketoshi Seto
祐利 瀬戸
Hiroyuki Yoshida
浩之 吉田
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成層燃焼時に燃料噴霧とタンブルとを互いに略
正対する方向から衝突させて点火プラグ周りに可燃混合
気を滞留させるようにし、特に燃料噴射時期まで強いタ
ンブルが維持されるようにして成層化を良好に行わせ
る。 【解決手段】成層燃焼運転時に、ピストン4の冠面に形
成された凹部15内で燃料噴霧とタンブルTが互いに略
正対する方向から衝突して燃焼室中央部の点火プラグ周
りに可燃混合気が滞留するようにしている。とくに、タ
ンブル流が時計方向に回る方向から見た断面で、上記凹
部15の底面15aを、シリンダ軸線より左側から右側
にわたる範囲で右側にいくにつれて徐々に高くなるよう
に形成することにより、圧縮行程中のタンブル流の減衰
を抑制している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室に直接燃料
を噴射する燃料噴射弁を備えた火花点火式直噴エンジン
に関し、より詳しくは、成層燃焼運転時にタンブル流を
利用して点火プラグ周りに可燃混合気を成層化するよう
にした構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、火花点火式エンジンにおい
て、燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を設け、低
回転低負荷側の運転領域では空燃比をリーンとするとと
もに燃料噴射弁から圧縮行程で燃料を噴射することによ
り点火プラグ周りに混合気を偏在させて成層燃焼を行わ
せ、これにより燃費改善を図るようにした火花点火式直
噴エンジンは知られている。この種エンジンにおいて成
層化促進のためピストン冠面の形状を工夫したものも種
々提案されている。
【0003】例えば、ピストンのシリンダ中心からオフ
セットした位置に深く窪んだキャビティを設け、上記燃
料噴射弁からこのキャビティに向けて燃料を噴射し、噴
霧がキャビティの壁面に衝突してから点火プラグ周りへ
向かうようにしたものがある。
【0004】また、例えば特開2000−120440
号公報に示されるように、燃焼室内にタンブル流を生成
するように吸気系を構成するとともに、ピストンの冠面
に、吸気弁配置側の円弧状凹部と排気弁配置側の円弧状
凹部とが中央突起部を境にして隣接する断面ω状の凹部
を形成し、燃焼室周縁部に配設した燃料噴射弁から吸気
弁配置側の円弧状凹部に向けて燃料を噴射するととも
に、タンブルがピストンの冠面上で排気弁配置側の円弧
状凹部に沿って移動するようにし、燃料噴霧およびタン
ブルが中央突起部に案内されて上方に向かうことによ
り、燃料噴霧がタンブルと合流しつつ燃焼室中央部上方
の点火プラグ方向に輸送されるようにした構造も知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピスト
ンのシリンダ中心からオフセットした位置に深く窪んだ
キャビティを設けてその壁面に噴霧を衝突させるように
した構造では、成層燃焼運転時における燃料噴射時期
(圧縮行程後期)には上記キャビティの壁面は点火プラ
グに近い位置となり、着火後もピストンが上死点に近い
燃焼初期にはキャビティ壁面と点火プラグとの距離が近
いため、キャビティ壁面が火炎伝播を阻害し易い。さら
に、キャビティ壁面に燃料が付着することにより、HC
排出量が増加し易い。
【0006】また、上記特開2000−120440号
公報に記載されているような断面ω状の凹部をピストン
冠面に形成した構造では、吸気弁配置側の円弧状凹部と
排気弁配置側の円弧状凹部の各壁面で燃料噴霧とタンブ
ルとがそれぞれ燃焼室中央部上方へ向けて案内されるた
め、点火プラグ方向への混合気輸送作用は高められるも
のの、混合気がタンブルに乗って比較的速く移動し、短
時間で点火プラグ付近を通過してしまうため、点火プラ
グ周りに可燃混合気が滞留する期間(点火プラグによっ
て混合気に着火可能な期間)が極めて短く、噴射時期お
よび点火時期の調整自由度が低い。さらに、断面ω状の
凹部の中央突起部が燃焼初期の火炎伝播を阻害し易く、
また、吸気弁配置側の円弧状凹部の壁面に噴射燃料が付
着し易いといった問題もある。
【0007】そこで本願の発明者は、燃焼室内でタンブ
ル流に対して燃料噴霧を略正対する方向から衝突させる
ことにより、燃料噴射弁から噴射された燃料の気化、霧
化を促進するとともに、燃料噴霧をタンブル流で減速し
つつ空気と混合させて、可燃混合気を浮遊物として点火
プラグ周りに滞留させるようにすることを考え出した。
その構造の一例を参考例として図12に示す。
【0008】この図12に示す構造は、燃焼室105の
中央部に点火プラグ111、周縁部に燃料噴射弁112
が配置されるとともに、ピストン104の冠面に凹部1
15が形成され、この凹部115内でタンブル流Tと噴
霧が互いに略正対する方向から衝突するようになってい
る。すなわち、この図に示す断面で、燃焼室天井部の右
側に吸気ポート107、左側に排気ポート108が位置
し、燃焼室105内に時計方向に旋回するタンブル流T
が生成され、燃焼室105の中央部に点火プラグ11
1、左側(吸気ポート側)の周縁部に燃料噴射弁112
が配置されており、また、ピストン冠面に形成された凹
部115は、底面がシリンダ軸線Z付近で最も低くて、
滑らかに湾曲した形状となっている。そして、成層燃焼
運転時に上記凹部115内でタンブル流T(特に後記タ
ンブル正流)と燃料噴霧とが互いに略正対する方向から
衝突し、それにより可燃混合気が点火プラグ111周り
に滞留するようになっている。
【0009】この場合、可燃混合気を点火プラグ111
周りに滞留させるためには、凹部の中央部付近で燃料噴
霧とタンブルとが互いに拮抗する強さで衝突することが
要求される。一方、燃料の拡散抑制のためにはできるだ
け噴射時期を遅らせる(点火時期に近づける)とともに
短時間で必要量の燃料を噴射し得るように燃圧を高める
ことが要求されるが、そのためには燃圧に見合うように
燃料噴射時期に強いタンブルが存在することが望まれ
る。ところが、上記凹部115を図12に示すようにシ
リンダ軸線Zに対して略左右対称に形成するだけでは、
後に図13,図14を参照しつつ説明するように、圧縮
行程の中期から後記にかけて、タンブル中心がずれると
ともに、タンブルが減衰し易くなり、燃料噴射時期に強
いタンブルを確保するためには改善の余地が残されてい
る。
【0010】本発明はこのような点に鑑み、成層燃焼時
に燃料噴射弁から噴射された燃料の噴霧とタンブル流と
を互いに略正対する方向から衝突させて点火プラグ周り
に可燃混合気を滞留させるようにし、特に燃料噴射時期
まで充分に強いタンブルが維持されるようにして燃料の
気化、霧化および成層化を良好に行わせることができる
火花点火式直噴エンジンを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃焼室内にタ
ンブル流を生成するように吸気系を構成するとともに、
タンブル流が時計方向に回る方向から見た断面で、燃焼
室天井部の中央部分が周縁部より高く形成され、この中
央部分に点火プラグを、周縁部に燃料噴射弁を配設し、
成層燃焼運転時に上記タンブル流に対向させて燃料を噴
射させ、点火時点で点火プラグ周りに可燃混合気を成層
化させる火花点火式直噴エンジンにおいて、上記断面
で、ピストン冠面に形成される凹部の開口をシリンダ軸
線を挟んで左右両方に略同等に広げ、上記燃焼室天井部
から凹部底面までのシリンダ軸線方向の距離を、シリン
ダ軸線を挟んで右側は左側より小さく、かつ、少なくと
もシリンダ軸線部分で最も大きくなるように設定したも
のである。
【0012】この発明によると、燃料噴射弁から圧縮行
程で燃料が噴射されて成層燃焼が行われるときに、上記
ピストン冠面に形成された凹部内で燃料噴霧とタンブル
流とが互いに略正対する方向から衝突することにより、
燃料の微粒化が促進されるとともに、燃料噴霧と空気と
が混合した可燃混合気が燃焼室中央部の点火プラグ周り
に成層化される。この場合、燃料噴霧がタンブルとぶつ
かり合うことで減速されて燃焼室中央部付近に漂う状態
となるので、噴霧がタンブルに乗って輸送されるような
従来技術(特開2000−120440号公報)と比
べ、点火プラグ周りに可燃混合気が滞留する時間が長く
なり、噴射時期および点火時期の調整自由度が高められ
る。また、凹部壁面への燃料付着が少なくなる。
【0013】特に、タンブル流が時計方向に回る方向か
ら見た断面で、燃焼室天井部から凹部底面までのシリン
ダ軸線方向の距離がシリンダ軸線部分およびその左側で
大きく、右側では小さくなるように上記凹部が形成され
ていることにより、後に詳述するように圧縮行程中のタ
ンブル中心の移動およびタンブル流の減衰が抑制され
て、燃料噴射時期まで燃焼室中央部付近に中心を有する
強いタンブル流が維持され、タンブル流と燃料噴霧との
衝突による成層化が良好に行われる。
【0014】この発明において、上記凹部のうち上記断
面でシリンダ軸線の左側となる凹部左側部分の容積を、
上記断面でシリンダ軸線の右側となる凹部右側部分の容
積より大きくすることにより、圧縮行程中のタンブル中
心の移動およびタンブル流の減衰を抑制する作用が良好
に得られる。
【0015】また、平面視で上記凹部右側部分の面積を
上記凹部左側部分の面積以上とすることにより、上記凹
部のタンブル導入エリアが充分に確保され、タンブル減
衰抑制に有利となる。
【0016】上記凹部の底面は、上記断面でシリンダ軸
線より左側から右側にわたる範囲で右側にいくにつれて
徐々に高くなるように設定することが好ましい。このよ
うにすることでタンブル流が凹部の底面に沿って右側か
ら左側へスムーズに流れ、圧縮行程中のタンブル中心の
移動およびタンブル流の減衰を抑制する作用が良好に得
られる。
【0017】また、上記断面において上記凹部の底面の
シリンダ軸線近傍位置に段部を設けて、この段部の右側
の底面を左側の底面よりも高くし、かつこの右側と左側
の各底面を互いに平行となるように形成することが好ま
しい。
【0018】このようにすると、上記作用に加え、上記
凹部内においてタンブル流が燃料噴霧の最下部よりある
程度上方の部分に衝突することにより、可燃混合気が上
方に舞上がり易くなり、燃焼室中央部上方に位置する点
火プラグ周りに可燃混合気が長く滞留し得ることとな
る。
【0019】上記凹部左側部分の底面の最低部はピスト
ンのトップリング溝よりも下方位置となるように形成す
ることが好ましい。このようにすることで、タンブル減
衰防止等の作用を充分に発揮させるべく凹部左側部分が
充分な深さを有する。
【0020】また、本発明は、燃焼室内にタンブル流を
生成するように吸気系を構成するとともに、タンブル流
が時計方向に回る方向から見た断面で、燃焼室天井部の
中央部分に点火プラグを、周縁部に燃料噴射弁を配設
し、成層燃焼運転時に上記タンブル流に対向させて燃料
を噴射させ、点火時点で点火プラグ周りに可燃混合気を
成層化させる火花点火式直噴エンジンにおいて、上記断
面で、ピストン冠面に形成される凹部の開口をシリンダ
軸線を挟んで左右両方に略同等に広げ、上記燃焼室天井
部から凹部底面までのシリンダ軸線方向の距離を、シリ
ンダ軸線を挟んで右側は左側より小さくなるように設定
し、かつ、その右側か左側にわたる範囲で上記凹部の底
面を左側にいくにつれて徐々に低くなるように設定した
ものである。
【0021】この発明によると、燃料噴射弁から圧縮行
程で燃料が噴射されて成層燃焼が行われるときに、上記
ピストン冠面に形成された凹部内で燃料噴霧とタンブル
流とが互いに略正対する方向から衝突することにより、
燃料の微粒化が促進されるとともに、燃料噴霧と空気と
が混合した可燃混合気が燃焼室中央部の点火プラグ周り
に成層化される。この場合、噴霧がタンブルとぶつかり
合うことで燃焼室中央部付近に滞留するので、噴霧がタ
ンブルに乗って輸送されるような従来技術(特開200
0−120440号公報)と比べ、点火プラグ周りに可
燃混合気が滞留する時間が長くなり、噴射時期および点
火時期の調整自由度が高められる。
【0022】特に、タンブル流が時計方向に回る方向か
ら見た断面で、燃焼室天井部から凹部底面までのシリン
ダ軸線方向の距離がシリンダ軸線を挟んで右側では左側
より小さくなり、かつ、右側か左側にわたる範囲で凹部
底面を左側にいくにつれて徐々に低くなるように形成さ
れていることにより、後に詳述するように圧縮行程中の
タンブル中心の移動およびタンブル流の減衰が抑制され
て、燃料噴射時期まで燃焼室中央部付近に中心を有する
強いタンブル流が維持され、タンブル流と燃料噴霧との
衝突による成層化が良好に行われる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0024】図1は、本発明に一実施形態による火花点
火式直噴エンジンの主要部の構造を示し、この図におい
て、エンジンは、複数の気筒1が配設されたシリンダブ
ロック2と、このシリンダブロック2上に配置されたシ
リンダヘッド3とを有し、各気筒内にはピストン4が上
下方向に往復動可能に嵌挿されていて、そのピストン4
とシリンダヘッド3との間に燃焼室5が形成されてい
る。上記ピストン4は、シリンダブロック2の下方に配
置されたクランク軸(図示せず)にコネクティングロッ
ド6を介して連結されている。
【0025】各気筒1の燃焼室5は、図1に示す断面で
天井部の中央部分が周縁部より高く形成されており、当
実施形態では中央部分からシリンダヘッドの下端まで延
びる2つの傾斜面で天井部が構成された所謂ペントルー
フ型となっている。この燃焼室5の天井部を構成する2
つの傾斜面には吸気ポート7及び排気ポート8がそれぞ
れ2つずつ(図面では1つずつのみを示す)開口し、各
ポート7,8の開口端に吸気弁9及び排気弁10が設け
られており、図外の動弁機構により吸気弁9及び排気弁
10がそれぞれ各気筒毎に所定のタイミングで開閉作動
されるようになっている。
【0026】上記燃焼室5の中央部の上方には、上記4
つの吸排気弁に取り囲まれるように点火プラグ11が配
置されており、この点火プラグ11の先端が上記天井部
から燃焼室5内に突出している。また、燃焼室5の周縁
部には、2つの吸気ポート7に挟まれるように燃料噴射
弁12が配置され、この燃料噴射弁12から燃焼室5内
に直接燃料が噴射されるようになっている。なお、この
燃料噴射弁12は、噴霧角が70°以下の噴射ノズルを
備えている。
【0027】上記燃料噴射弁12からの燃料噴射は図外
のコントロールユニットにより運転状態に応じて制御さ
れ、例えば低速低負荷側の運転領域が成層領域とされ
て、この成層領域では空燃比が理論空燃比よりも大きい
リーン状態となるように吸入空気量の制御と併せて燃料
噴射量の制御が行われ、かつ、燃料噴射時期が圧縮行程
後期とされる。
【0028】上記吸気ポート7は燃焼室5から斜め上方
に延びており、吸気ポート7の上流側の吸気通路13に
はタンブル調節弁14が設けられている。そして、上記
吸気ポート7から燃焼室5内に流入する吸気により燃焼
室5内にタンブル流Tが生成され、上記タンブル調節弁
14の開度に応じてタンブル流Tの強さが調節されるよ
うになっている。そして、図外のコントロールユニット
により、少なくともこの成層領域で強いタンブル流Tが
生成されるように、タンブル調節弁14が運転状態に応
じて制御される。
【0029】上記燃料噴射弁12からの燃料噴射方向は
燃焼室5内のタンブル流Tに対向するように設定されて
いる。すなわち、図1に示す断面では燃焼室5の左側に
吸気ポート7、右側に排気ポート8が位置し、タンブル
流Tは矢印のように時計方向に旋回するが、このような
断面において燃焼室5の左側に位置する燃料噴射弁12
から斜め右下方に向けて燃料が噴射され、後記タンブル
正流Tmに対向するように燃料噴射方向が設定されてい
る。
【0030】また、上記ピストン4の冠面には、図2及
び図3にも示すように、凹部15が形成されている。こ
の凹部15は、平面視で燃料噴射弁12による燃料噴射
方向(燃料噴霧の中心線の延びる方向)に長い概略楕円
形状とされている。そして、タンブル流Tが時計方向に
回る方向から見た断面(図1及び図2に示す断面)で、
凹部15の開口がシリンダ軸線Zを挟んで左右両方に略
同等に広がり、つまりシリンダ軸線Zから凹部15の左
端までの距離aと凹部15の右端までの距離bが略同じ
とされるが、燃焼室天井部から凹部底面15aまでのシ
リンダ軸線方向の距離cが、シリンダ軸線Zを挟んで右
側は左側より小さく、かつ、少なくともシリンダ軸線Z
部分で最も大きくなるように凹部15の底面15aが形
成されている。
【0031】凹部15の底面15aの形状をより具体的
に説明すると、上記断面で、底面15aはシリンダ軸線
Zより左側から右側にわたる範囲で右側にいくにつれて
徐々に高くなるように形成され、つまり、凹部左端寄り
の位置で底面15aが最も低くて、この最低部の位置1
5bから凹部右端近傍までにわたる範囲で底面15aが
右上がりに傾斜するように形成されている。ただし、凹
部左端寄りの最低部の位置15bからシリンダ軸線Z付
近までの範囲では燃焼室天井部の左側傾斜面と略平行に
底面15aが傾斜することにより、この範囲で燃焼室天
井部から凹部底面15aまでのシリンダ軸線方向の距離
cが略最大となり、シリンダ軸線Zより右側では燃焼室
天井部が右下がりの斜面となるのに対して凹部底面15
aは右上がりの斜面であることにより、燃焼室天井部か
ら凹部底面15aまでのシリンダ軸線方向の距離が次第
に小さくなる。
【0032】なお、上記ピストン4においてピストント
ップリング溝17より上方のトップランドは、ピストン
リングの機能を損なわない範囲でできるだけ短くするこ
とがピストン4の軽量化およびHC低減等のために好ま
しく、また、ピストンピンボス部16は所定の剛性が得
られるような肉厚を確保する必要がある。このようにト
ップランドを短くするとともにピストンピンボス部16
の肉厚を確保するようにしつつ、後述のタンブル減衰抑
制効果が充分に得られるように上記凹部15の深さ等が
設定されており、凹部左端寄りにある最低部15bはピ
ストントップリング溝17よりも多少下方位置となって
いる。
【0033】上記凹部15のうち上記断面でシリンダ軸
線Zの左側となる部分を凹部左側部分、シリンダ軸線Z
の右側となる部分を凹部右側部分と呼ぶと、上記のよう
な底面形状とされることで凹部左側部分が凹部右側部分
よりも深く窪むことにより、凹部左側部分の容積V1が
凹部右側部分の容積V2よりも大きくなっている。
【0034】また、平面視での凹部右側部分の開口面積
S2は凹部左側部分の開口面積S1以上とされている。
すなわち、図3に示すように、凹部15の開口は概略楕
円形状であるが、左端寄りの部分が楕円の短軸方向に少
し狭まった形状とされることにより、凹部左側部分の方
が凹部右側部分より開口面積が多少小さくなっている。
【0035】上記凹部15を除いたピストン冠面の外周
側部分18は、対向する燃焼室天井部の傾斜面に略平行
に沿うような形状とされていて、気筒の圧縮上死点前の
所定期間、例えばBTDC40°CA〜TDCの期間に
おいてピストン冠面の外周側部分と燃焼室の天井部とに
より挟まれる隙間がスキッシュエリアとなる。なお、T
DCは上死点、BTDCは上死点前、CAはクランク角
を意味する。
【0036】以上のような当実施形態の火花点火式直噴
エンジンによると、運転状態が成層領域にあるとき、空
燃比がリーンとされるとともに、燃料噴射弁12から圧
縮行程後期に燃料が噴射されることにより、成層燃焼が
行われる。
【0037】この場合に、吸気ポート7から流入した吸
気によって燃焼室5内にタンブル流Tが生成され、この
タンブル流Tに対向するように燃料が噴射されることに
より、点火プラグ11周りに可燃混合気が成層化され
る。より具体的に説明すると、図1および図2に示す断
面において、タンブル流Tは燃焼室上方部では天井面に
沿って左側(吸気弁側)から右側(排気弁側)へ流れ、
右側の燃焼室周辺部では下方へ向かって流れ、燃焼室下
方部ではピストン冠面の凹部15に沿って右側(排気弁
側)から左側(吸気弁側)へ流れ、左側の燃焼室周辺部
では上方(天井面側)へ向かって流れる。
【0038】燃焼室天井面に沿った流れをタンブル順流
Ts、ピストン冠面の凹部15に沿った流れをタンブル
正流Tmと呼ぶと、燃料噴射弁12からはタンブル正流
Tmに対向するように燃料が噴射されることにより、凹
部15内で燃料噴霧Fとタンブル正流Tmとが互いに略
正対する方向から衝突する。このため、燃料の微粒化が
促進されるとともに、タンブル正流により燃料噴霧Fが
減速されつつ空気と混合し、可燃混合気が燃焼室中央部
の点火プラグ11まわりに漂う状態となる。従って、噴
霧がタンブルに乗って輸送されるような従来技術(特開
2000−120440号公報)と比べ、点火プラグ周
りに可燃混合気が滞留する時間(点火プラグによって混
合気に着火可能な期間)が長くなり、噴射時期および点
火時期の調整自由度が高められる。また、凹部壁面への
燃料付着が少なくなる。
【0039】特に、ピストン冠面に前述のような形状の
凹部15が形成されていることにより、圧縮行程中のタ
ンブル中心Ctの移動およびタンブル流Tの減衰が抑制
されて、燃料噴射が行われる圧縮行程後期にもタンブル
が充分に維持され、可燃混合気の成層化が良好に行われ
る。
【0040】このタンブル減衰抑制作用を、図12に示
すような参考例による場合と比較して説明する。図13
(a)(b)(c)は、図12に示すような凹部115
が略左右対称に形成されているピストン104を用いた
場合に、圧縮行程におけるBTDC130°CA、BT
DC110°CA、BTDC90°CAの各段階でのピ
ストン104の上昇につれてタンブル流Tがどのように
変化するかを示すものであり、燃焼室内のタンブルの流
れを矢印で表すとともに、タンブル中心Ctを黒点で表
している。
【0041】この図のように上記参考例による場合、ピ
ストンが下死点に近い位置にある圧縮行程前期にはタン
ブル中心Ctが略シリンダ軸線Z上にあって、その右側
の下向きの流れと左側の上向きの流れとは略同じ強さと
なる(図13(a))が、ピストンが上昇するにつれ、
左側の上向きの流れは助勢されるものの、右側の下向き
の流れはピストン上昇に伴う燃焼室内の上昇流により阻
害され、これによりタンブル中心Ctは次第に右側(排
気ポート側)にずれていく(図13(b)(c))。
【0042】また、圧縮行程でのタンブル比の変化は図
14のようになり、下死点を過ぎてから圧縮行程途中
(BTDC90°付近)まではタンブル比が増加する
が、圧縮行程途中からは、図13における燃焼室105
の右側の下向きの流れおよびその下流のピストン凹部1
15内を右から左に向かう流れが著しく阻害されること
により、タンブル比が減少する。そして、燃料噴射時期
にはタンブル比が大幅に低下し、つまりタンブルが大き
く減衰する。
【0043】これに対し、当実施形態の構造によると、
図1,図2の断面において、凹部15の底面15aが凹
部左端寄りで最も低く、この位置から凹部右端近傍まで
徐々に高くなるように傾斜することにより、燃焼室天井
面から凹部底面までの距離cがシリンダ軸線Z部分およ
びこれより左側の部分と比べて右側の部分で小さくなっ
ているので、圧縮行程でのピストンの上昇に伴う上昇流
に対し、燃焼室5の右側で燃焼室上方からピストン冠面
へ向かう流れが上記凹部15内で左側へ逃げ易くなる。
【0044】さらに、当実施形態のように凹部左側部分
と凹部右側部分とを比べると容積では凹部左側部分の方
が大きいが、平面視による面積では凹部右側部分の方が
大きくなっていることにより、上記凹部15のタンブル
導入エリアが充分に確保されるとともに、凹部15の右
側から左側への流れがスムーズになる。
【0045】これらの作用により、図4(a)(b)
(c)に示すように、圧縮行程がBTDC130°C
A、BTDC110°CA、BTDC90°CAと進行
しても燃焼室右側のピストン冠面へ向かう流れとそれに
続く凹部15内の左側へ向かう流れ(タンブル正流T
m)の減衰が抑制され、タンブル中心Ctの燃焼室右側
周縁部へのずれが小さく抑えられる。
【0046】このため、燃料噴射時期においても、燃焼
室中央部付近に中心Ctを有するタンブル流が維持され
る。そして、タンブル中心Ctが燃焼室中央部付近に保
たれることにより燃料噴霧とタンブルとの衝突位置が燃
焼室周縁側にずれることが避けられるとともに、強いタ
ンブル流が維持されることにより、それに対抗し得るよ
うに要求燃圧が高くなり、その要求に応じた高い燃圧で
燃料噴射が行われることによって噴霧とタンブルが強い
力で衝突し合うため、微粒化が促進されるとともに、点
火プラグ周りに可燃混合気が滞留する状態が良好に得ら
れる。
【0047】また、このように燃圧が高くなることに伴
い、必要量の燃料の噴射に要する時間が短くなるので、
要求燃料噴射時期は遅くなり、燃料噴射時期が遅くなれ
ば燃料の拡散が抑制され、成層化に有利となる。
【0048】このような作用を、図5〜図10によって
説明する。
【0049】図5〜図8は、図12に示すようにピスト
ン凹部が形成されている参考例と図1〜図3のようにピ
ストン凹部が形成されている本発明の実施形態とにつ
き、成層領域内の各種運転域で要求燃圧と要求噴射時期
とを調べたデータであり、図5(a)、図6(a)、図
7(a)、図8(a)は低速低負荷(1500rpm、
BMEP=1.0kg/cm2程度)、低速中負荷(1500
rpm、BMEP=2.5kg/cm2程度)、中速低負荷
(2500rpm、BMEP=1.0kg/cm2程度)、中
速中負荷(成層領域のうちの高速高負荷側:2500r
pm、BMEP=4.5kg/cm2程度)の各運転域での要
求燃圧のデータ、図5(b)、図6(b)、図7
(b)、図8(b)は上記各運転領域での要求噴射時期
のデータである。ここで、要求燃圧、要求噴射時期は、
各運転域で燃圧および噴射時期を種々変えて燃焼を行わ
せた場合に燃費が最も良い燃圧、噴射時期である。
【0050】これらの図に示すように、本発明の実施形
態によると、参考例のものと比べ、各運転領域で要求燃
圧が高くなり、要求噴射時期はリタードする。
【0051】なお、図9および図10は、図12に示す
参考例のものを用い、吸気系のタンブル調節弁等を調節
することによりタンブル比Trを変えて、2種類のタン
ブル比につき、要求燃圧と要求噴射時期とを調べたデー
タであり、図9(a)、図10(a)は低速低負荷およ
び低速中負荷の各運転域での要求燃圧のデータ、図9
(b)、図10(b)は上記各運転領域での要求噴射量
のデータである。これらのデータに示すように、タンブ
ル比Trを高くすれば要求燃圧が高くなり、要求噴射量
はリタードする。
【0052】これら図9,図10のデータと図5〜図8
のデータとを対比すると明らかなように、本発明の実施
形態によると、参考例のものと比べ、タンブル比を高く
した場合と同様の傾向が見られ、圧縮行程でのタンブル
の減衰を抑制していることがわかる。そして、このよう
に圧縮行程でのタンブルの減衰を抑制することで、要求
燃圧が高くなるとともに燃料噴射時期が遅くなり、これ
により上述のように燃料の微粒化が促進されるととも
に、成層化が高められることとなる。
【0053】なお、本発明の火花点火式直噴エンジンの
構造は上記実施形態に限定されず、種々変更可能であ
る。
【0054】例えば、上記実施形態ではピストン冠面に
形成された凹部15の底面15aが図1、図2に示す断
面で左端寄りの位置から右端近傍まで滑らかな右上がり
の傾斜面となっているが、図11に示すように凹部15
の底面15aが傾斜部分の途中に段部20を有する形状
となっていてもよい。
【0055】すなわち、この実施形態でも、ピストン冠
面に形成された凹部15の底面15aは、タンブル流T
が時計方向に回る方向から見た断面において、凹部左端
寄りの位置で底面15aが最も低くて、この最低部の位
置15bから凹部右端近傍までにわたる範囲で、右側に
いくにつれて徐々に高くなるように底面15aが右上が
りの傾斜状に形成されているが、この範囲の途中の所定
部位に、この部位より左側の底面と右側の底面とが略平
行で、かつ、右側が左側より高くなるような段部20が
設けられている。
【0056】その他の構造は第1の実施形態と同様であ
る。
【0057】この実施形態でも、燃料噴射弁から圧縮行
程で燃料が噴射されて成層燃焼が行われるとき、圧縮行
程中のタンブルの減衰が抑制されて燃料噴射時期に充分
に強いタンブル流Tが得られ、そのタンブル正流と燃料
噴霧とがピストン冠面の凹部15内で互いに略正対する
方向から衝突することで可燃混合気が燃焼室中央部付近
に滞留する状態が得られることは第1の実施形態と同様
であるが、この場合に、上記段部2が形成されているこ
とにより、タンブル正流が燃料噴霧の最下部よりある程
度上方の部分と衝突する。このため可燃混合気が上方に
舞い上がり易くなる。
【0058】このような構造は、特に点火プラグ11と
凹部15の底面15aとの距離が大きい場合に有利とな
る。
【0059】つまり、点火プラグの天井面から燃焼室内
への突出量は信頼性の面からあまり大きくするわけには
いかないので、吸気ポート開口面積確保等のためペント
ルーフ型天井面の傾斜角を大きくした場合等に点火プラ
グと凹部の底面との距離が比較的大きくなるが、このよ
うな場合に、当実施形態のような凹部の形状によれば、
燃焼室中央部付近で可燃混合気を高く舞い上がらせて点
火プラグ付近に長く滞留させることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ピスト
ン冠面に形成された凹部内で燃料噴霧とタンブルが互い
に略正対する方向から衝突して燃焼室中央部の点火プラ
グ周りに可燃混合気が滞留するようにし、とくに、タン
ブル流が時計方向に回る方向から見た断面で、燃焼室天
井部から凹部底面までのシリンダ軸線方向の距離がシリ
ンダ軸線部分およびその左側で大きく、右側では小さく
なるように上記凹部を形成しているので、圧縮行程中の
タンブル中心の移動およびタンブル流の減衰を抑制し
て、燃料噴射時期まで、燃焼室中央部付近に中心を有す
る強いタンブル流を維持することができる。このため、
タンブル流と燃料噴霧との衝突による成層化を良好に行
わせ、成層化による燃費改善等の効果をより一層高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火花点火式直噴エンジンの一実施形態
を示す断面図である。
【図2】図1に示すエンジンにおけるピストンの形状を
示す断面図である。
【図3】上記ピストンの平面図である。
【図4】(a)(b)(c)は上記実施形態のエンジン
による場合の圧縮行程のBTDC130°CA、BTD
C110°CA、BTDC90°CAの各時期における
タンブル流を示す説明図である。
【図5】(a)(b)は本発明の実施形態と参考例とに
つき、低速低負荷での要求燃圧および要求噴射時期を示
すグラフである。
【図6】(a)(b)は本発明の実施形態と参考例とに
つき、低速中負荷での要求燃圧および要求噴射時期を示
すグラフである。
【図7】(a)(b)は本発明の実施形態と参考例とに
つき、中速低負荷での要求燃圧および要求噴射時期を示
すグラフである。
【図8】(a)(b)は本発明の実施形態と参考例とに
つき、中速中負荷での要求燃圧および要求噴射時期を示
すグラフである。
【図9】(a)(b)は異なる2種類のタンブル比つ
き、低速低負荷での要求燃圧および要求噴射時期を示す
グラフである。
【図10】(a)(b)は異なる2種類のタンブル比つ
き、低速中負荷での要求燃圧および要求噴射時期を示す
グラフである。
【図11】本発明の別の実施形態によるピストンの形状
を示す断面図である。
【図12】参考例のピストンの形状を示す断面図であ
る。
【図13】(a)(b)(c)は上記参考例による場合
の圧縮行程のBTDC130°CA、BTDC110°
CA、BTDC90°CAの各時期におけるタンブル流
を示す説明図である。
【図14】上記参考例による場合の圧縮行程中のタンブ
ル比の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 気筒 4 ピストン 5 燃焼室 7 吸気ポート 11 点火プラグ 12 燃料噴射弁 15 凹部 15a 凹部の底面 15b 最低部の位置 T タンブル F 噴霧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 統之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山下 洋幸 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 松本 正和 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 丸原 正志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 瀬戸 祐利 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 吉田 浩之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G023 AA01 AA04 AB03 AC05 AD05 AD09 AD12 AD14 AG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内にタンブル流を生成するように
    吸気系を構成するとともに、タンブル流が時計方向に回
    る方向から見た断面で、燃焼室天井部の中央部分が周縁
    部より高く形成され、この中央部分に点火プラグを、周
    縁部に燃料噴射弁を配設し、成層燃焼運転時に上記タン
    ブル流に対向させて燃料を噴射させ、点火時点で点火プ
    ラグ周りに可燃混合気を成層化させる火花点火式直噴エ
    ンジンにおいて、上記断面で、ピストン冠面に形成され
    る凹部の開口をシリンダ軸線を挟んで左右両方に略同等
    に広げ、上記燃焼室天井部から凹部底面までのシリンダ
    軸線方向の距離を、シリンダ軸線を挟んで右側は左側よ
    り小さく、かつ、少なくともシリンダ軸線部分で最も大
    きくなるように設定したことを特徴とする火花点火式直
    噴エンジン。
  2. 【請求項2】 上記凹部のうち上記断面でシリンダ軸線
    の左側となる凹部左側部分の容積を、上記断面でシリン
    ダ軸線の右側となる凹部右側部分の容積より大きくした
    ことを特徴とする請求項1記載の火花点火式直噴エンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 平面視で上記凹部右側部分の面積を上記
    凹部左側部分の面積以上としたことを特徴とする請求項
    2記載の火花点火式直噴エンジン。
  4. 【請求項4】 上記凹部の底面を、上記断面でシリンダ
    軸線より左側から右側にわたる範囲で右側にいくにつれ
    て徐々に高くなるように設定したことを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の火花点火式直噴エンジ
    ン。
  5. 【請求項5】 上記断面において上記凹部の底面のシリ
    ンダ軸線近傍位置に段部を設けて、この段部の右側の底
    面を左側の底面よりも高くし、かつこの右側と左側の各
    底面を互いに平行となるように形成したことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の火花点火式直噴エ
    ンジン。
  6. 【請求項6】 上記凹部左側部分の底面の最低部をピス
    トンのトップリング溝よりも下方位置となるように形成
    したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の火花点火式直噴エンジン。
  7. 【請求項7】 燃焼室内にタンブル流を生成するように
    吸気系を構成するとともに、タンブル流が時計方向に回
    る方向から見た断面で、燃焼室天井部の中央部分に点火
    プラグを、周縁部に燃料噴射弁を配設し、成層燃焼運転
    時に上記タンブル流に対向させて燃料を噴射させ、点火
    時点で点火プラグ周りに可燃混合気を成層化させる火花
    点火式直噴エンジンにおいて、上記断面で、ピストン冠
    面に形成される凹部の開口をシリンダ軸線を挟んで左右
    両方に略同等に広げ、上記燃焼室天井部から凹部底面ま
    でのシリンダ軸線方向の距離を、シリンダ軸線を挟んで
    右側は左側より小さくなるように設定し、かつ、その右
    側か左側にわたる範囲で上記凹部の底面を左側にいくに
    つれて徐々に低くなるように設定したことを特徴とする
    火花点火式直噴エンジン。
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