JP2010194913A - 容器用樹脂被覆金属板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属板面に、めっき付着量が0.1〜3.0g/m2のストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、この樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなり、樹脂層(b1)が、(イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物、(ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%、(ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%、を含有する。
【選択図】図2
Description
そこで、これらの問題を解決するため、塗装鋼板に替わり、熱可塑性樹脂フィルムを加熱した金属板に積層してなるフィルムラミネート金属板が開発され、現在、食品缶詰用素材として工業的に広く用いられている。なかでも、PETフィルムをTFS表面に熱融着させたフィルムラミネート鋼板は、優れた密着性、加工性、耐食性を有するため、ほんどの食品缶詰に適用可能であり、今後、さらなる需要拡大が見込まれている。
フィルムラミネート金属板の耐食性は、フィルムの絶縁性に依存するため、被覆性の確保が必須である。フィルムを貫通する傷が生じた場合は、その部分の絶縁性が失われ、耐食性が確保できない。さらには、傷部に腐食が集中しやすく、局部腐食を招く可能性が高い。局部腐食が著しく進行すると、缶壁部に穿孔が生じ、缶詰としての機能を失ってしまう。
特許文献5についても同様であり、ベース樹脂がエポキシ系、ウレタン系、フッ素系に限定されること等から、本発明の対象とする利用分野への適用は困難である。
[1]金属板の少なくとも片面に、めっき付着量が0.1〜3.0g/m2のストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、該樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなる容器用樹脂被覆金属板であって、
樹脂層(b1)が下記(イ)〜(ハ)の成分を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
(イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物
(ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%
(ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%
[3]上記[1]または[2]の容器用樹脂被覆金属板において、ストライク金属めっき層(A)が、ニッケルめっき層であることを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの容器用樹脂被覆金属板において、樹脂層(b1)が含有する導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、前記各ポリマーの誘導体、前記各ポリマーを構成する単量体の2種以上の共重合物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの容器用樹脂被覆金属板において、ポリエステルフィルム(b2)が、ポリエステル樹脂の構成単位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位および/またはエチレンナフタレート単位である二軸延伸ポリエステルフィルムであり、
該二軸延伸ポリエステルフィルムは、無機粒子および/または有機粒子を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
本発明の容器用樹脂被覆金属板は、金属板の少なくとも片面に、ストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、この樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなるものである。
本発明の容器用樹脂被覆金属板の原板である金属板としては、缶用材料として広く使用されているアルミニウム板、軟鋼板などを用いることができる。なかでも、鋼板内部の清浄度が高く、非金属介在物の少ないアルミキルド鋼板が好適である。
ニッケルめっきのストライク浴としては、ウッド浴の使用が望ましい。めっき浴としては、Ni2+濃度20〜50g/L、pH1.0〜3.0、浴温度25±3℃とし、電流密度0.5〜60A/dm2の範囲でストライクめっきを行うことが望ましい。
一方、銅ストライクめっき浴としては、シアン化銅化合物と、無機酸および有機酸の塩の1種または2種以上を含有したものが好適である。シアン化銅化合物としては、シアン化銅ナトリウム、シアン化銅カリウム、またはそれらの化合物などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。無機酸の塩としては、リン酸塩、ピロリン酸塩、水酸化アルカリ化合物、ホウ酸塩、炭酸塩などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。有機酸の塩としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、グルコン酸などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。
樹脂被覆(B)のうち、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)は、樹脂成分中の割合でポリエステル樹脂を50質量%以上含む樹脂層であり、ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂などを含むことができる。
樹脂層(b1)の主成分であるポリエステル樹脂の組成は、カルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレートが代表的なものであるが、他のカルボン酸成分であるイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸等の1種または2種以上と、他のグリコール成分であるジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の1種または2種以上と成分を置き換えた共重合樹脂等であってもよい。
(イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物
(ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%
(ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%
アミノ化合物としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂などが使用できるが、なかでもメラミン樹脂の使用が好適である。
また、イソシアネート化合物(特に好ましくはブロックフリーイソシアネート化合物)とアミノ化合物(特に好ましくはメラミン樹脂)の両方を配合する場合には、両者の質量比率[イソシアネート化合物/アミノ化合物]は、95/5〜5/95、好ましくは80/20〜20/80の範囲とすることが好ましい。アミノ化合物を添加すると樹脂硬度が上昇するため、用途に応じて配合比を決定することができる。
以上の防食プロセスは、腐食環境下における下地金属の自発的な不動態化を促すものであるため、導電性ポリマーには一種の自己補修作用があるものと考えることができる。したがって、フィルムを貫通する傷が生じたとしても、傷部周辺に不動態化皮膜を形成させることで、腐食の進行を著しく抑制することが可能となる。
また、プロトン酸としては、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸、リン酸類、ポリ酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、ルイス酸としては、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、SnCl4、MoCl5、WCl5、BF4、BCl3、PF5などの金属ハロゲン化物が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
なかでも好適であるのがプロトン酸であり、特に、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリリン酸などのポリマー酸が好適である。これらは自身に皮膜形成能があるため、密着層となる樹脂の連続性を高め、密着性、耐食性に対して効果がある。
例えば、黒色顔料として、カーボンブラックを添加することで、下地の金属色を隠蔽するとともに、黒色のもつ高級感を食品缶詰に付与することができる。カーボンブラックの添加量は、5〜40PHR(ポリエステル樹脂100質量部に対する質量部)が好ましい。添加量が5PHR未満では黒色度が不十分であるとともに、下地金属の色調が隠蔽できず、高級感のある意匠性を付与できない。一方、添加量が40PHRを超えても、黒色度は変化しないため意匠性の改善効果は得られないばかりか、ポリエステル樹脂の構造が脆弱となるため、製缶加工時に樹脂層が容易に破壊してしまう恐れがある。添加量を5〜40PHRの範囲とすることで、意匠性と他の要求特性との両立が可能となる。
カーボンブラックは、粒子径が5〜50nmのものが好ましいが、ポリエステル樹脂中での分散性や発色性を考慮すると、特に5〜30nmのものが好適である。
アゾ系顔料の添加量は、10〜40PHR(ポリエステル樹脂100質量部に対する質量部)が好ましい。添加量が10PHR以上であれば、良好な発色が得られる。また、添加量が40PHR以下の方が、透明度が高くなり光輝性に富んだ色調となる。
樹脂層(b1)の上層のポリエステルフィルム(b2)は、レトルト後の味特性を良好とする点、製缶工程での摩耗粉の発生を抑制する点で、エチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とすることが望ましい。エチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルとは、ポリエステルの93質量%以上がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートを構成成分とするポリエステルである。さらに好ましくは、95質量%以上であると金属缶に飲料を長期充填しても味特性が良好であるので望ましい。一方、味特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、グリコール成分を共重合してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。
なお、以上挙げたジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
このような無機粒子および有機粒子(有機高分子粒子)は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種以上を併用することが好ましく、粒度分布、粒子強度など物性の異なる粒子を組み合わせることにより、さらに機能性の高いポリエステルフィルムを得ることができる。
また、本発明の効果を妨げない範囲において、例えば各種不定形の外部添加型粒子や内部析出型粒子などの他の粒子、各種表面処理剤などを含有させてもよい。
また、二軸延伸ポリエステルフィルムは、製缶工程において、絞り成形後に200〜230℃程度の熱履歴を受けた後にネック部を加工する際の加工性、耐衝撃性の点で、固体高分解能NMRによる構造解析におけるカルボニル部の緩和時間が270msec以上、さらに好ましくは280msec以上、特に好ましくは300msec以上であることが望ましい。
金属板の表面に、所定のめっき付着量となるようにストライク金属めっきを施す。例えば、板厚0.25mmのアルミキルド鋼板に対して、常法により脱脂、酸洗を行い、Niめっきの場合であれば、ウッド浴を用いてストライクめっきを行う。めっき条件としては、浴温度25±3℃、電流密度0.5〜60A/dm2の範囲であり、Ni2+濃度としては10〜60g/Lの範囲が好適である。
ポリエステル樹脂および添加成分を溶解させるための有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン溶剤、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤などを挙げることができ、これらの1種以上を適宜選定して使用することができる。
コーティング液をポリエステルフィルムに塗布する方法としては、ロールコーター方式、ダイコーター方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗布方式など、既知の塗装手段が適用できるが、グラビアロールコート法が最も好適である。コーティング液塗布後の乾燥条件としては、80℃〜170℃で20〜180秒間、特に80℃〜120℃で60〜120秒間が好ましい。
金属板として、冷間圧延後に焼鈍・調質圧延を施した冷延鋼板(アルミキルド鋼板,板厚0.18mm,板幅977mm)を用いた。この冷延鋼板を脱脂、酸洗した後、表1〜表3、表10〜表12に示すようなストライク金属めっきを施した。ストライクニッケルめっきでは、ウッド浴を用い、電流密度を1〜20A/dm2の範囲で変化させて、めっき付着量の異なるストライクNiめっき鋼板を作製した。また、ストライク銅めっきでは、シアン浴(シアン化銅化合物を50〜200g/Lの範囲で含有)を用い、電流密度を5〜20A/dm2の範囲で変化させて、めっき付着量の異なるストライクCuめっき鋼板を作製した。なお、一部の比較例に用いる鋼板については、ストライク金属めっきを行わなかった。
表7〜表9に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表7〜表9に示す粒子を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物を常法に従い溶融押し出して冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
表1〜表3に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表4〜表6に示すイソシアネート化合物またはアミノ化合物、導電性ポリマー、ドーパントなどの各種添加剤を添加し、これをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒中に溶解・分散させて樹脂層(b1)用のコーティング液(樹脂溶液)を作製した。このコーティング液を前記二軸配向ポリエステルフィルムの片面に、グラビアロールコーターにより所定の乾燥付着量となるように塗布し、乾燥(乾燥温度:80〜120℃)させ、缶内面側の樹脂被覆用フィルムを得た。
なお、一部の比較例においては、フィルムとしてポリプロピレンフィルムを用い、また、コーティング液の樹脂としてエポキシフェノールを用いた。
表16〜表18に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表16〜表18に示す粒子を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物を常法に従い溶融押し出して冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
表10〜表12に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表13〜表15に示すイソシアネート化合物またはアミノ化合物、導電性ポリマー、ドーパントなどの各種添加剤を添加し、これをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒中に溶解・分散させて樹脂層(b1)用のコーティング液(樹脂溶液)を作製した。このコーティング液を前記二軸配向ポリエステルフィルムの片面に、グラビアロールコーターにより所定の乾燥付着量となるように塗布し、乾燥(乾燥温度:80〜120℃)させ、缶外面側の樹脂被覆用フィルムを得た。
なお、一部の比較例においては、フィルムとしてポリプロピレンフィルムを用い、また、コーティング液の樹脂としてエポキシフェノールを用いた。
図1に示すラミネート設備において、上記(1)で得られたストライク金属めっき鋼板1(一部の比較例では非めっき鋼板)を金属帯加熱装置2で加熱し、ラミネートロール3により、ストライク金属めっき鋼板1の一方の面に、上記(2)で得られた缶内面側の樹脂被覆用フィルム4aをラミネート(熱融着)するとともに、他方の面に上記(3)で得られた缶外面側の樹脂被覆用フィルム4bをラミネート(熱融着)し、次いで、金属帯冷却装置5で水冷し、樹脂被覆鋼板を製造した。上記ラミネートロール3は内部水冷式とし、ラミネート中に冷却水を強制循環して、フィルム接着中の冷却を行った。また、樹脂フィルムを鋼板にラミネートする際に、鋼板に接する界面のフィルム温度がフィルムの融点以上になる時間を1〜20msecの範囲内とした。
以上のようにして製造された樹脂被覆鋼板(本発明例)の片面側の皮膜断面構造を図2に示す。
以上のようにして製造された樹脂被覆鋼板について、下記(5-1)〜(5-5)の性能を評価した。
(5-1)成形性
樹脂被覆鋼板にワックスを塗布した後、直径200mmの円板を打ち抜き、絞り比2.00で浅絞り缶を得た。次いで、この絞り缶に対して、絞り比2.20で再絞り加工を行った。この後、常法に従いドーミング成形を行った後、トリミングし、次いでネックイン−フランジ加工を施し、深絞り缶を成形した。このようにして得た深絞り缶のネックイン部について、缶内面側および缶外面側のラミネートフィルムの損傷程度を目視観察し、下記評価基準で評価した。
◎:成形後フィルムに損傷が認められない。
○:成形後フィルムに損傷が認められないが、部分的に白化が認められる。
△:成形可能であるが、部分的にフィルム損傷が認められる。
×:缶が破胴し、成形不可能。
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。缶胴部よりピール試験用のサンプル(幅15mm、長さ120mm)を切り出し、このサンプルの缶外面側において長辺側端部からフィルムの一部を剥離させた。この剥離されたフィルムを、剥離された方向とは逆方向(角度:180°)に開き、引張試験機を用いて引張速度30mm/minでピール試験を行い、幅15mm当たりの密着力を測定し、下記評価基準で評価した。
◎:10.0N/15mm以上
○:5.0N/15mm以上、10.0N/15mm未満
×:5.0N/15mm未満
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。缶の内部に水道水を充填した後、蓋を巻き締めて密閉した。次いで、レトルト殺菌処理を130℃、90分間の条件で実施した後、缶胴部よりピール試験用のサンプル(幅15mm、長さ120mm)を切り出した。このサンプルの缶内面側において長辺側端部からフィルムの一部を剥離させた。この剥離されたフィルムを、剥離された方向とは逆方向(角度:180°)に開き、引張試験機を用いて引張速度30mm/minでピール試験を行い、幅15mm当たりの密着力を測定し、下記評価基準で評価した。
◎:10.0N/15mm以上
○:5.0N/15mm以上、10.0N/15mm未満
×:5.0N/15mm未満
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。図3に示すように、缶外面側の缶胴部2箇所に、下地鋼板に達するクロスカット傷を入れた。このクロスカット傷を付与した缶に対し、JIS Z2371に準拠した塩水噴霧テストを240時間行い、傷部からの片側最大腐食幅を測定し、下記評価基準で評価した。なお、傷部からの片側最大腐食幅の測定方法を図4に示す。
◎:片側最大腐食幅0.5mm未満
○:片側最大腐食幅0.5mm以上、1.0mm未満
×:片側最大腐食幅1.0mm以上
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。図3に示すように、缶内面側の缶胴部2箇所に、下地鋼板に達するクロスカット傷を入れた。このクロスカット傷を付与した缶内に、15%NaCl+15%クエン酸ナトリウム混合液を充填した後、蓋を巻き締めて密閉した。次いで、レトルト殺菌処理を130℃、90分間の条件で実施した後、温度38℃の恒温槽内で10日間経時させた。その後、缶を切り開き、クロスカット傷部からの片側最大腐食幅を測定し、下記評価基準で評価した。なお、傷部からの片側最大腐食幅の測定方法は、図4のとおりである。
◎:片側最大腐食幅1.0mm未満
○:片側最大腐食幅1.0mm以上、3.0mm未満
×:片側最大腐食幅3.0mm以上
2 金属帯加熱装置
3 ラミネートロール
4a,4b 樹脂被覆用フィルム
5 金属帯冷却装置
Claims (6)
- 金属板の少なくとも片面に、めっき付着量が0.1〜3.0g/m2のストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、該樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなる容器用樹脂被覆金属板であって、
樹脂層(b1)が下記(イ)〜(ハ)の成分を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
(イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物
(ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%
(ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol% - 樹脂層(b1)の付着量が0.1〜5.0g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の容器用樹脂被覆金属板。
- ストライク金属めっき層(A)が、ニッケルめっき層であることを特徴とする請求項1または2に記載の容器用樹脂被覆金属板。
- 樹脂層(b1)が含有する導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、前記各ポリマーの誘導体、前記各ポリマーを構成する単量体の2種以上の共重合物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器用樹脂被覆金属板。
- 樹脂層(b1)が含有するドーパントが、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器用樹脂被覆金属板。
- ポリエステルフィルム(b2)が、ポリエステル樹脂の構成単位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位および/またはエチレンナフタレート単位である二軸延伸ポリエステルフィルムであり、
該二軸延伸ポリエステルフィルムは、無機粒子および/または有機粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器用樹脂被覆金属板。
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