JP2010194913A - 容器用樹脂被覆金属板 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品缶詰に要求される基本性能である加工性、密着性などに優れ、しかも傷部耐食性にも優れた容器用樹脂被覆金属板を提供する。
【解決手段】金属板面に、めっき付着量が0.1〜3.0g/mのストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、この樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなり、樹脂層(b1)が、(イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物、(ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%、(ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%、を含有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、食品缶詰の缶胴や蓋等に用いられる容器用樹脂被覆金属板に関するものである。
従来、食缶に用いられる金属缶用素材であるティンフリースチール(TFS)、アルミニウム等の金属板には、耐食性・耐久性・耐候性などの向上を目的として、塗装が施されていた。しかし、この塗装を施す技術は、焼き付け工程が複雑であるばかりでなく、多大な処理時間を必要とし、さらには多量の溶剤を排出するという問題を抱えていた。
そこで、これらの問題を解決するため、塗装鋼板に替わり、熱可塑性樹脂フィルムを加熱した金属板に積層してなるフィルムラミネート金属板が開発され、現在、食品缶詰用素材として工業的に広く用いられている。なかでも、PETフィルムをTFS表面に熱融着させたフィルムラミネート鋼板は、優れた密着性、加工性、耐食性を有するため、ほんどの食品缶詰に適用可能であり、今後、さらなる需要拡大が見込まれている。
なかでも特に注目されているのが、BIRCs諸国など、経済発展の著しい地域であり、今後、多大なる需要増が見込まれる。このため世界市場を見据えたグローバルスタンダードとなり得る技術の重要性が、ますます高まることは確実である。このような状況のもと、フィルムラミネート金属板には、さらなる性能改善が必要であることが明らかになってきた。特に以下のような理由から、耐食性、なかでも傷部の耐食性を大幅に向上させる必要がある。
フィルムラミネート金属板の耐食性は、フィルムの絶縁性に依存するため、被覆性の確保が必須である。フィルムを貫通する傷が生じた場合は、その部分の絶縁性が失われ、耐食性が確保できない。さらには、傷部に腐食が集中しやすく、局部腐食を招く可能性が高い。局部腐食が著しく進行すると、缶壁部に穿孔が生じ、缶詰としての機能を失ってしまう。
フィルムラミネート金属板は、これまで日本国内市場を中心に使用され、数多くの種類の缶詰に加工・商品化されてきた。国内の製缶会社は、製造ラインの管理体制および製品の品質管理体制が整っており、例えば、製缶ラインで金属板に傷をつけるようなトラブル(例えば、ロールのスリップなど)はほとんど発生しない。そのため、フィルムラミネート金属板には、フィルムを貫通するような傷が生ずることは殆どなく、缶成形後も、フィルムが金属板を被覆し続け、優れた耐食性を維持する。また、仮にフィルムを貫通する傷が生じたとしても、製缶後のすべての缶に対して欠陥検査を実施しており、傷のある缶は、市場へ流通させないシステムとなっている。
一方、国外に目を向けると、多種多様な製缶会社および缶詰製造会社が存在し、その技術レベルも様々である。国内の製缶会社に比べ、品質管理体制が見劣りする製缶会社も数多く存在し、製造ラインでのトラブルが頻発している会社も多い。また、成形後の缶について全量検査を実施している製缶会社は世界的にみても稀であり、ほとんどが抜き取り検査のみである。したがって、フィルムを貫通する傷のある缶が、検査ラインをパスして市場に流通する危険性があり、傷部耐食性に劣るフィルムラミネート金属缶は、大きな市場クレームを招くおそれがある。世界中の製缶メーカーに対し、日本国内と同レベルの生産管理体制や、全量検査システムの導入を期待することができない以上、フィルムラミネート金属板の傷部耐食性を向上させる術なくして、グローバルスタンダード化は達成できない。
傷部耐食性を向上させるための従来技術として、例えば、特許文献1,2が提案されている。特許文献1は、フッ素樹脂フィルムラミネート鋼板に関する技術であり、フッ素樹脂フィルムの撥水性を利用したものである。これによれば、表面の対水接触角を90°以上とすることで、表面に付着した水がすべて球状となり、傷部においても球状が維持されることから、水が傷部へ侵入することなく腐食が抑制されるとしている。しかし、この技術が全く効果を奏さないことは、明白であると考えられる。傷部にはフッ素樹脂が存在しないのであるから、撥水効果もなく、腐食抑制効果は全く期待できないからである。また、特許文献2は、積層タイプのフッ素樹脂フィルムラミネート鋼板に関する技術であり、フッ素樹脂フィルムの下に厚さ100μm以上のポリ塩化樹脂フィルムを積層させたものである。この技術は、傷を鋼板表面に到達させないことを目的としており、いわゆる傷部耐食性を向上させる技術ではない。しかも、単に、膜厚を増加させただけの技術であるため、工業的な利用価値も極めて低い。
このような状況のもと、本発明者らは、傷部において下地金属が露出しても、下地金属の不動態化を促進させることで、腐食因子に対して保護性のある皮膜を形成させ、傷部の耐食性を確保するという、新たなコンセプトを着想した。このコンセプトは、これまでの亜鉛めっきをはじめとする資源消費型の犠牲防食技術とは異なり、下地金属の自発的な不動態化反応を活用するため、省資源型の防食技術であると言える。
従来、金属の不動態化を促進させる技術としては、遷移金属であるモリブデン酸、タングステン酸などの不動態化剤を利用する技術が特許や論文などで提案されている。しかし、これらの技術が使用するいわゆるレアメタルは、半導体産業などの必須素材であるため、需要過多の状況に陥りやすい。特に、BRICsが著しい経済発展をとげた2002年以降、価格は数倍に跳ね上がっており、今後もこの傾向は続くものと考えられる。また、不動態化能に関しても、従来のクロメート処理に及ばないレベルであることが多くの論文にて報告されており、本発明者らが狙いとする要求性能を満たすものではない。
そこで、本発明者らは、近年、金属防食への適用が検討されている導電性ポリマーに注目した。導電性ポリマーとは、π電子共役系が発達したポリマーであり、ポリアセチレンをはじめ、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどが知られている。このうち、ポリアニリンについては、その金属防食能について多くの研究がなされている。金属板への適用例として、例えば、特許文献3〜5などが挙げられる。
特開平7−256819号公報 特開平10−264305号公報 特開平10−251509号公報 特開2007−190896号公報 特開2006−326459号公報
特許文献3には、樹脂、ポリアニリン、無機酸化物からなる皮膜を、金属板上に形成することで、従来のクロメート処理を代替可能な密着性、耐食性が得られることが記載されている。しかしながら、この技術は、ベース樹脂として、水溶性または水分散性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を用いており、このようなベース樹脂では、本発明が対象とする利用分野への適用は困難である。その理由としては、(i)PETフィルムとベース樹脂との相溶性が不十分であることから、層間密着性が確保できない、(ii)樹脂の力学特性(伸び特性と強度特性のバランス)が食品缶詰の成形加工に追随できるレベルでなく、成形過程で樹脂が破壊されてしまう、(iii)無機酸化物を必須成分として40%未満添加することから、上記(ii)と同様に、成形過程で樹脂が破壊されてしまう、(iv)水溶性樹脂を使用した場合は、腐食環境下での樹脂溶解が少なからず生じ、十分な耐食性が得られない、(v)水分散性樹脂を使用した場合でも、親水性官能基を有するモノマーもしくはポリマーとの共重合化が必要であり、本発明が想定する耐食性レベルの確保は困難である、(vi)塗装下地処理を想定した技術であり、本発明とは技術的思想自体が異なる、ことなどが挙げられる。
特許文献4には、鋼板面に形成する有機樹脂被膜中に平均分子量20000以上の導電性ポリマーを含有させる技術が示されている。しかし、この技術の不十分な点は、(i)導電性ポリマーを高分子量化させているが、所詮、分子鎖の骨格は剛直なままであり、加工性改善効果をもたらさない、(ii)導電性ポリマーの結晶化度を上限なく規定しているが、加工性を妨げる方向であり、本発明が想定する高加工用途への適用が何ら考慮されていない、(iii)マトリックス形成高分子、ドーパントに関する規定が広く一般的な物質の羅列に留まり、特定されていないため、その重要性を見出していない、(iv)塗装下地処理を想定した技術であり、本発明とは技術的思想自体が異なる、ことなどが挙げられる。
特許文献5についても同様であり、ベース樹脂がエポキシ系、ウレタン系、フッ素系に限定されること等から、本発明の対象とする利用分野への適用は困難である。
したがって本発明の目的は、食品缶詰に要求される基本性能である加工性、密着性などに優れ、しかも傷部耐食性にも優れた容器用樹脂被覆金属板を提供することにある。
本発明者らが、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、金属板面に特定の付着量のストライク金属めっき層を形成し、その上層に、イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物を含有するとともに、所定量の導電性ポリマーとドーパントを含有したポリエステル樹脂層(ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層)と、その上層のポリエステルフィルムとからなる樹脂被覆を形成することにより、基本性能である深絞り成形性、加工・レトルト後密着性、耐衝撃性などに優れ、しかも傷部耐食性にも優れた容器用樹脂被覆金属板が得られることを見出した。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]金属板の少なくとも片面に、めっき付着量が0.1〜3.0g/mのストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、該樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなる容器用樹脂被覆金属板であって、
樹脂層(b1)が下記(イ)〜(ハ)の成分を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
(イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物
(ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%
(ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%
[2]上記[1]の容器用樹脂被覆金属板において、樹脂層(b1)の付着量が0.1〜5.0g/mであることを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
[3]上記[1]または[2]の容器用樹脂被覆金属板において、ストライク金属めっき層(A)が、ニッケルめっき層であることを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの容器用樹脂被覆金属板において、樹脂層(b1)が含有する導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、前記各ポリマーの誘導体、前記各ポリマーを構成する単量体の2種以上の共重合物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの容器用樹脂被覆金属板において、樹脂層(b1)が含有するドーパントが、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの容器用樹脂被覆金属板において、ポリエステルフィルム(b2)が、ポリエステル樹脂の構成単位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位および/またはエチレンナフタレート単位である二軸延伸ポリエステルフィルムであり、
該二軸延伸ポリエステルフィルムは、無機粒子および/または有機粒子を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
本発明の容器用樹脂被覆金属板は、食品缶詰に要求される基本性能である加工性、密着性などに優れ、しかも傷部耐食性にも優れている。このため本発明によれば、食品缶詰の缶胴及び蓋等を中心に、世界のあらゆる市場で使用可能な、容器用途素材を提供できる。
金属帯用ラミネート設備の一例を示す説明図 本発明の容器用樹脂被覆金属板の片面側の皮膜断面構造を模式的に示す説明図 実施例の傷部耐食性の評価試験において、缶胴部に付与したクロスカット傷の位置を示す説明図 実施例の傷部耐食性の評価試験において、片側最大腐食幅の測定方法を示す説明図
以下、本発明の詳細と限定理由について説明する。
本発明の容器用樹脂被覆金属板は、金属板の少なくとも片面に、ストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、この樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなるものである。
本発明の容器用樹脂被覆金属板の原板である金属板としては、缶用材料として広く使用されているアルミニウム板、軟鋼板などを用いることができる。なかでも、鋼板内部の清浄度が高く、非金属介在物の少ないアルミキルド鋼板が好適である。
本発明において、金属板表面にストライク金属めっき層(A)を形成するのは、以下のような理由による。これまでストライクめっきは下地金属とめっき層との密着性改善を主目的として実施されてきたが、本発明者らがストライクめっきに着目した最大の理由は、下地金属表面の酸化物層を除去しながら、めっき金属を電析させるプロセスにある。後述するが、本発明が目的とする傷部耐食性は、ポリエステル樹脂中に添加した導電性ポリマーと金属板との間に、酸化還元反応が生じて、金属板表面に保護性の高い不動態化皮膜が形成されることで発現する。そのため、ポリエステル樹脂層と金属板との界面では、すみやかな電子の受け渡しが行われる必要がある。
ストライクめっきは、浴を強酸性にして、水素イオン濃度を高めることで、電流効率を低下させることが特徴である。ストライクめっき中に、陰極である金属板表面から大量の水素ガスを発生させ、金属板表面の酸化物を還元若しくは溶解しながら、めっき金属の電析が進行させる。したがって、金属ストライクめっきによれば、金属板表面の自然酸化膜を除去しながら、金属めっき層が形成されるため、電気抵抗成分を極力排除した状態で、ポリエステル樹脂層を積層することができる。これにより、導電性ポリマーの特性を十分に発揮させることができ、傷部耐食性を確保することが可能となるのである。
ストライク金属めっきの種類としては、ニッケルめっき、銅めっきが実用技術として確立しているため、好適である。
ニッケルめっきのストライク浴としては、ウッド浴の使用が望ましい。めっき浴としては、Ni2+濃度20〜50g/L、pH1.0〜3.0、浴温度25±3℃とし、電流密度0.5〜60A/dmの範囲でストライクめっきを行うことが望ましい。
一方、銅ストライクめっき浴としては、シアン化銅化合物と、無機酸および有機酸の塩の1種または2種以上を含有したものが好適である。シアン化銅化合物としては、シアン化銅ナトリウム、シアン化銅カリウム、またはそれらの化合物などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。無機酸の塩としては、リン酸塩、ピロリン酸塩、水酸化アルカリ化合物、ホウ酸塩、炭酸塩などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。有機酸の塩としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、グルコン酸などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。
ストライク金属めっき層(A)のめっき付着量は、0.1〜3.0g/mとする。めっき付着量が0.1g/m未満では、均一なめっき層を形成することが困難になり、良好なめっき密着性が得られない。一方、ストライク金属めっき層は、陰極析出効率の低いめっき浴で形成されるため、めっき付着量が3.0g/mを超えると、ストライクめっき面の角状電析物が粗大化してしまう。粗大化した電析物は、缶成形時の応力等により破壊されやすく、破胴などの原因となる。
次に、樹脂被覆(B)を構成する樹脂層(b1)について説明する。
樹脂被覆(B)のうち、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)は、樹脂成分中の割合でポリエステル樹脂を50質量%以上含む樹脂層であり、ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂などを含むことができる。
樹脂層(b1)の主成分であるポリエステル樹脂の組成は、カルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレートが代表的なものであるが、他のカルボン酸成分であるイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸等の1種または2種以上と、他のグリコール成分であるジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の1種または2種以上と成分を置き換えた共重合樹脂等であってもよい。
酸成分として、テレフタル酸は、機械的強度、耐熱性、化学的耐性などから必須であるが、さらに、イソフタル酸と共重合させることで、柔軟性、引き裂き強度などが向上する。イソフタル酸成分を、10〜60mol%の範囲でテレフタル酸成分と共重合させることで、後述するようなポリエステル樹脂の好ましい熱物性の確保が容易になるとともに、深絞り成形性、加工後密着性を向上させるよう機能するため、好適である。グリコール成分としては、エチレングリコール、プロパンジオールなどの柔軟性に優れる低Tg(Tg=ガラス転移温度)成分と、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの環構造を有する剛直な高Tg成分とを共重合させることが望ましい。以下に述べるようなポリエステル樹脂の好ましい熱物性の確保が容易であるとともに、強度と柔軟性をバランスできるためである。好適な例としては、酸成分がイソフタル酸27mol%、テレフタル酸73mol%で構成され、グリコール成分がエチレングリコール40mol%、ネオペンチルグリコール60mol%で構成されるポリエステル樹脂を挙げることができる。
ポリエステル樹脂の熱物性としては、ガラス転移点が30〜85℃、軟化点が100〜200℃が好適である。容器用樹脂被覆金属板が保管・運搬される際、20℃程度の温度で長時間保持される可能性があり、この観点からガラス転移点の下限は30℃であることが望ましい。一方、ガラス転移点の上昇に伴いポリエステルポリマーの硬度が上昇し、加工性は劣化傾向となる。ガラス転移点が85℃超となると、加工性の劣化が顕著となり、本発明が想定する高加工用途への適用が困難となる恐れがある。
また、食缶用のレトルト殺菌処理は、100℃以上の高温で1時間以上に及ぶことがあり、100℃以上の温度域で耐熱性を有することが求められる。このためJIS−K2425に定める軟化点が100℃以上、望ましくは150℃以上であることが好ましい。一方、軟化点が200℃超となると、樹脂の流動性が劣化してしまい、金属板とのラミネート時や、製缶加工時などの工程で、樹脂の柔軟性が不足することとなる。ラミネート時の柔軟性不足は金属板との密着性を劣化させ、また、製缶加工時の柔軟性不足は、缶高さ方向への伸び変形を抑制し、缶胴部を破裂させる原因となる。
ポリエステル樹脂の質量平均分子量は10000〜40000が好ましく、15000〜20000が特に好ましい。このような質量平均分子量を有するポリエステル樹脂は、加工性と強度のバランスに優れ、深絞り成形性および成形加工後の密着性が良好となるためである。質量平均分子量を10000以上とすることで、樹脂の強度が向上し、深絞り成形時に樹脂が断裂することなく変形に追随する。その後のレトルト処理においても、上層に形成したフィルムの熱収縮に対抗して、トリム端等からのデラミを抑制することができる。また、製缶後の耐衝撃性についても、欠陥の発生を抑制し、良好な性能を得ることができる。一方、質量平均分子量が40000超では、樹脂の強度が過大となり、逆に柔軟性を損なうおそれがある。質量平均分子量を40000以下とすることで、強度と柔軟性のバランスを維持することができる。
樹脂層(b1)は、主成分であるポリエステル樹脂に加えて、下記(イ)〜(ハ)の成分を含有する。
(イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物
(ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%
(ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%
成分(イ)のイソシアネート化合物としては、ブロックフリーイソシアネート化合物若しくはブロックイソシアネート化合物を用いることができるが、なかでもブロックフリーイソシアネート化合物の使用が好適である。ブロック化剤を用いないことで、フリーのイソシアネート基は、ポリエステル樹脂の末端の官能基や、基材であるポリエステルフィルムの表面の官能基と、速やかに反応することができる。これにより、ラミネート時の短時間の熱処理を利用した、イソシアネート架橋反応による高分子化が可能となり、樹脂層(b1)の強度と加工性を大幅に向上させるとともに、ポリエステルフィルムとの強固な密着性を得ることができる。適用するイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンイソシアネートなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、キシリレンイソシアネート化合物が密着性、耐久性などの観点から最も好適である。
ここで、イソシアネート化合物中のNCO基(イソシアネート基)のモル数(α)と、ポリエステル樹脂中のOH基のモル数(β)の比(α)/(β)は0.5〜20であることが望ましい。(α)/(β)が0.5未満では、ポリエステル樹脂の末端官能基との架橋反応若しくはポリエステルフィルム表面の官能基との架橋反応のいずれかが不十分となり、製缶加工時にフィルムが剥離したり、素材が断裂してしまう場合がある。一方、(α)/(β)が20を超えると、樹脂層(b1)の耐水性が低下し、レトルト処理時等にフィルムが缶から剥離してしまう恐れがある。また、より好ましい(α)/(β)は1.0〜15であり、この場合にはレトルト処理時のフィルム剥離を特に効果的に抑制することができる。
また、成分(イ)としてアミノ化合物を添加した場合、ポリエステル樹脂と架橋反応させることで、樹脂層(b1)の強度を更に増加させることができる。
アミノ化合物としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂などが使用できるが、なかでもメラミン樹脂の使用が好適である。
アミノ化合物(特にメラミン樹脂)の添加量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜30質量部とすることが望ましい。アミノ化合物の添加量が1質量部未満では、ポリエステル樹脂との架橋形成が少ないため、樹脂強度の向上効果が小さい。一方、添加量が30質量部を超えると、ポリエステル樹脂との架橋形成およびアミノ化合物の自己縮合による硬化反応が過度となり、樹脂の柔軟性が低下する恐れがある。その結果、本発明の利用分野である高加工用途への適用が困難となる場合がある。また、アミノ化合物のより好ましい添加量は5〜10質量部であり、樹脂の強度と加工性のバランスの点で好ましい。
また、イソシアネート化合物(特に好ましくはブロックフリーイソシアネート化合物)とアミノ化合物(特に好ましくはメラミン樹脂)の両方を配合する場合には、両者の質量比率[イソシアネート化合物/アミノ化合物]は、95/5〜5/95、好ましくは80/20〜20/80の範囲とすることが好ましい。アミノ化合物を添加すると樹脂硬度が上昇するため、用途に応じて配合比を決定することができる。
成分(ロ)の導電性ポリマーを添加することで、下地金属の不動態化を促進させ、樹脂被覆金属板(フィルムラミネート金属板)に傷部耐食性を付与することができる。導電性ポリマーの酸化還元電位は、下地金属の電位に対して貴であるため、下地金属との界面において、下地金属の酸化反応と導電性ポリマーの還元反応が生じ、界面に安定な不動態皮膜を形成する。不動態皮膜は、絶縁体であるとともに緻密であるため、腐食因子に対しバリア層として機能する。そのため、下地金属の耐食性を大幅に向上させることができる。
ここで、導電性ポリマーの酸化還元反応は可逆的であることが判っており、溶存酸素の還元反応とのカップリング反応によって、元の状態に戻る。すなわち、導電性ポリマーには、その可逆的な酸化還元特性により自身を劣化させることなく、永続的に下地金属を防食する効果が期待できる。
以上の防食プロセスは、腐食環境下における下地金属の自発的な不動態化を促すものであるため、導電性ポリマーには一種の自己補修作用があるものと考えることができる。したがって、フィルムを貫通する傷が生じたとしても、傷部周辺に不動態化皮膜を形成させることで、腐食の進行を著しく抑制することが可能となる。
導電性ポリマーとしては、π電子共役系ポリマーである、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン(例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンなど)、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、前記各ポリマーの誘導体、前記各ポリマーを構成する単量体の2種以上の共重合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでもポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェンは、電気伝導度が高く、下地金属との界面における電子の授受がスムーズであるため、不動態化能が高く、防食効果が大きいので好ましい。
導電性ポリマーの添加量としては、樹脂層(b1)の主成分であるポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%とする。導電性ポリマーの添加量が0.1質量%未満では、下地金属との界面における酸化還元反応に寄与するポリマーの絶対量が不足し、界面における不動態化皮膜の形成が不十分となる。傷部の耐食性は、不動態化皮膜形成能に大きく依存するため、本発明の狙いとする性能レベルが得られないこととなる。一方、添加量が30質量%を超えると、導電性ポリマーの力学物性が密着層全体の物性に影響を及ぼすようになり、剛直な分子構造ゆえ加工性を大きく劣化させることになる。
成分(ハ)のドーパントを配合する理由は、以下のとおりである。本発明において樹脂層(b1)に配合する導電性ポリマー(π電子共役系導電性ポリマー)は、脱ドープ状態では半導体であり、バンドギャップを有する。よって、導電性を付与するためには、ドーパントを添加し、導電性ポリマーの主鎖の共役系からπ電子を奪って、主鎖上に正孔を生成させる必要がある。正孔が、ポリマーの分子鎖上を移動するため、電流が流れるのである。したがって、本発明で期待する防食効果を発揮させるためには、導電性ポリマーを含有するポリエステル樹脂中へのドーパント添加が必須である。ドーパントとしては、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸、遷移金属ハライド、アルカリ金属などが好適であり、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸が安定且つ優れた防食効果を発揮するため、特に好適である。
ハロゲン類としては、臭素、塩素、ヨウ素などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、プロトン酸としては、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸、リン酸類、ポリ酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、ルイス酸としては、FeCl、FeOCl、TiCl、ZrCl、SnCl、MoCl、WCl、BF、BCl、PFなどの金属ハロゲン化物が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
なかでも好適であるのがプロトン酸であり、特に、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリリン酸などのポリマー酸が好適である。これらは自身に皮膜形成能があるため、密着層となる樹脂の連続性を高め、密着性、耐食性に対して効果がある。
ドーパントの添加量は、樹脂中に添加された導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%とする。ドーパントの添加量が、導電性ポリマーに対して0.01mol%未満であると、ポリマー主鎖上に生成するキャリヤーの数が不足し、十分な電気伝導性が得られない。導電性ポリマーの防食効果は、防食対象となる金属とのスムーズな電子の授受であるため、電導性の低下は不動態化能の低下を招き、傷部耐食性を低下させる。一方、ドーパントの添加量が、導電性ポリマーに対して1.0mol%超では、処理液の不安定化、樹脂層(b1)の力学物性の低下が生じ、傷部耐食性を低下させる懸念がある。
ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)の耐水性を向上させるために、脂肪酸由来の疎水性ポリオールを、ポリエステル樹脂中に添加することが有効である。疎水性ポリオールとしては、ダイマー酸系ポリオール、ポリジエン系ポリオール、ポリイソプレン系ポリオールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、長鎖アルキル基の炭素数20〜50のものを適用することで、エステル結合部を水から遮蔽し、レトルト処理等の湿潤環境下におけるフィルム剥離を効果的に防止することができる。
疎水性ポリオールの添加量は、5〜20PHR(ポリエステル樹脂100質量部に対する質量部)が好ましい。添加量が5PHR未満では、耐水性の向上効果が十分に得られず、一方、20PHRを超えるとポリエステル樹脂の表面自由エネルギーが過度に低下するため、ポリエステルフィルムおよび金属板との密着性が阻害される場合がある。また、耐水性および密着性を両立させる観点から、さらに好ましい添加量は7〜15PHRである。また、疎水性を阻害しない範囲で、ポリエステルポリオールを添加することができる。この場合、疎水性ポリオールは、全ポリオール質量の50%以上が好適である。ポリエステルポリオールとしては、1,6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール成分と、マレイン酸、アジピン酸等のエステルを用いることができる。
さらに、ポリエステル樹脂中に染料、顔料などの着色剤を添加することで、下地の金属板を隠蔽し、樹脂独自の多様な色調を付与できる。
例えば、黒色顔料として、カーボンブラックを添加することで、下地の金属色を隠蔽するとともに、黒色のもつ高級感を食品缶詰に付与することができる。カーボンブラックの添加量は、5〜40PHR(ポリエステル樹脂100質量部に対する質量部)が好ましい。添加量が5PHR未満では黒色度が不十分であるとともに、下地金属の色調が隠蔽できず、高級感のある意匠性を付与できない。一方、添加量が40PHRを超えても、黒色度は変化しないため意匠性の改善効果は得られないばかりか、ポリエステル樹脂の構造が脆弱となるため、製缶加工時に樹脂層が容易に破壊してしまう恐れがある。添加量を5〜40PHRの範囲とすることで、意匠性と他の要求特性との両立が可能となる。
カーボンブラックは、粒子径が5〜50nmのものが好ましいが、ポリエステル樹脂中での分散性や発色性を考慮すると、特に5〜30nmのものが好適である。
黒色顔料以外にも、例えば、白色顔料を添加することで下地の金属光沢を隠蔽するとともに、印刷面を鮮映化することができ、良好な外観を得ることができる。添加する顔料としては、容器成形後に優れた意匠性を発揮できることが必要であり、このような観点からは、二酸化チタンなどの無機系顔料を使用できる。着色力が強く、展延性にも富むため、容器成形後も良好な意匠性を確保できるので好適である。二酸化チタンの添加量は、樹脂層(b1)中での割合で5〜30質量%が好ましい。添加量が5質量%以上であれば、十分な白色度が得られ、良好な意匠性が確保できる。一方、30質量%を超えて添加しても、白色度が飽和するため、経済上の理由で30質量%以下とすることが望ましい。より好ましい添加量は、10〜20質量%である。
また、容器表面に光輝色を望む場合には、アゾ系顔料を添加してもよい。アゾ系顔料は、透明性に優れながら着色力が強く、展延性に富むため、容器成形後も光輝色のある外観が得られる。アゾ系顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.登録の名称)が、ピグメントイエロー12、同13、同14、同16、同17、同55、同81、同83、同139、同180、同181などのものが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。特に、色調(光輝色)の鮮映性、レトルト殺菌処理環境での耐ブリーディング性(顔料がフィルム表面に析出する現象に対する抑制能)などの観点から、分子量が大きく、ポリエステル樹脂への溶解性が乏しい顔料が望ましい。例えば、分子量が700以上である、ベンズイミダゾロン構造を有するC.I.ピグメントイエロー180が特に好ましい。
アゾ系顔料の添加量は、10〜40PHR(ポリエステル樹脂100質量部に対する質量部)が好ましい。添加量が10PHR以上であれば、良好な発色が得られる。また、添加量が40PHR以下の方が、透明度が高くなり光輝性に富んだ色調となる。
樹脂層(b1)の付着量(全配合成分の付着量)は、0.1〜5.0g/m、好ましくは0.5〜2.5g/mが望ましい。付着量が0.1g/m未満では、金属板表面を均一に被覆することができず、膜厚が不均一になる恐れがある。また、改質剤を添加した場合は、改質剤の付着量が変動することとなり、安定した機能を得ることができなくなる場合がある。一方、付着量が5.0g/m超では、樹脂の凝集力が不十分となって、樹脂層(b1)の強度が低下してしまう場合がある。その結果、製缶加工時に樹脂層が凝集破壊してフィルムが剥離し、そこを起点に缶胴部が断裂してしまう場合がある。
次に、樹脂被覆(B)を構成するポリエステルフィルム(b2)について説明する。
樹脂層(b1)の上層のポリエステルフィルム(b2)は、レトルト後の味特性を良好とする点、製缶工程での摩耗粉の発生を抑制する点で、エチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とすることが望ましい。エチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルとは、ポリエステルの93質量%以上がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートを構成成分とするポリエステルである。さらに好ましくは、95質量%以上であると金属缶に飲料を長期充填しても味特性が良好であるので望ましい。一方、味特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、グリコール成分を共重合してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。
一方、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の指環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
なお、以上挙げたジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
ポリエステルフィルム(b2)には、成形性および密着性の向上を目的として粒子を添加してもよい。この粒子は、組成としては有機粒子、無機粒子を問わないが、耐摩耗性、加工性、味特性などの点から体積平均粒子径が0.005〜5.0μmであることが好ましく、さらに0.01〜3.0μmであることが特に好ましい。また、耐摩耗性などの点から、下式に示される相対標準偏差σが0.5以下であることが好ましく、さらには0.3以下であることが特に好ましい。また、同じく耐磨耗性の観点から、粒子の長径/短径比が1.0〜1.2であることが好ましい。さらに、粒子のモース硬度は、突起硬さ、耐摩耗性などの点から7未満であることが好ましい。また、これらの効果を十分に発現させるには、粒子を0.005〜10質量%含有することが好ましい。
Figure 2010194913
具体的には、無機粒子としては、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができるが、なかでも、粒子表面の官能基とポリエステルとが反応してカルボン酸金属塩を生成するものが好ましく、具体的には、粒子1gに対し、カルボン酸金属塩を10−5mol以上有するものが、ポリエステルとの親和性、耐摩耗性などの点で好ましく、さらには2×10−5mol以上有するものが好ましい。
また、有機粒子としては、種々の有機高分子粒子を用いることができ、少なくとも一部がポリエステルに対して不溶の粒子であれば、いかなる組成の粒子でも構わない。また、このような粒子の素材としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメチルメタクリレート、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂などの種々のものを使用することができるが、耐熱性が高く、且つ粒度分布の均一な粒子が得られやすいビニル系架橋高分子粒子が特に好ましい。
このような無機粒子および有機粒子(有機高分子粒子)は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種以上を併用することが好ましく、粒度分布、粒子強度など物性の異なる粒子を組み合わせることにより、さらに機能性の高いポリエステルフィルムを得ることができる。
また、本発明の効果を妨げない範囲において、例えば各種不定形の外部添加型粒子や内部析出型粒子などの他の粒子、各種表面処理剤などを含有させてもよい。
さらに、耐熱性および味特性の観点からは、ポリエステルフィルム(b2)が二軸延伸ポリエステルフィルムからなることが好ましい。二軸延伸の方法としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれであってもよいが、延伸条件、熱処理条件を選択し、フィルムの厚さ方向の屈折率を1.50以上とすることが、ラミネート性、成形性を良好とする上で好ましい。さらに、厚さ方向屈折率が1.51以上、特に1.52以上であると、ラミネート時に多少のばらつきがあっても、成形性、耐衝撃性を両立させる上で面配向係数を特定の範囲に制御することが可能となるので好ましい。
また、二軸延伸ポリエステルフィルムは、製缶工程において、絞り成形後に200〜230℃程度の熱履歴を受けた後にネック部を加工する際の加工性、耐衝撃性の点で、固体高分解能NMRによる構造解析におけるカルボニル部の緩和時間が270msec以上、さらに好ましくは280msec以上、特に好ましくは300msec以上であることが望ましい。
ポリエステルフィルム(b2)の厚さは、5〜100μmが好ましい。ポリエステルフィルム(b2)の厚さが5μm未満では、被覆性が不十分であり、十分な耐衝撃性と成形性を確保しにくい。一方、厚さが100μmを超えると、上記特性が飽和してフィルム厚に見合う改善効果が得られなくなるだけでない、金属表面への熱融着時に必要となる熱エネルギーが増大するため、経済性を損なうおそれがある。このような観点から、より好ましいポリエステルフィルム(b2)の厚さは8〜50μm、特に好ましくは10〜25μmである。
次に、本発明の容器用樹脂被覆金属板の製造方法について説明する。
金属板の表面に、所定のめっき付着量となるようにストライク金属めっきを施す。例えば、板厚0.25mmのアルミキルド鋼板に対して、常法により脱脂、酸洗を行い、Niめっきの場合であれば、ウッド浴を用いてストライクめっきを行う。めっき条件としては、浴温度25±3℃、電流密度0.5〜60A/dmの範囲であり、Ni2+濃度としては10〜60g/Lの範囲が好適である。
樹脂層(b1)となるべき樹脂層をポリエステルフィルムの表面に形成するには、通常、ポリエステル樹脂を有機溶剤中に溶解させるとともに、本発明が規定する添加成分および任意添加成分を溶解または分散させてコーティング液(樹脂溶液)を調製し、このコーティング液をポリエステルフィルム成膜時もしくは製膜後にフィルム表面に塗布し、乾燥することで、樹脂層を形成する。
ポリエステル樹脂および添加成分を溶解させるための有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン溶剤、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤などを挙げることができ、これらの1種以上を適宜選定して使用することができる。
また、本発明で規定するイソシアネート化合物、導電性ポリマーおよびドーパント、さらには必要に応じて添加される、疎水性ポリオール、着色剤(例えば、カーボンブラック、アゾ系顔料など)などの添加剤も、有機溶剤中に溶解または分散させて使用する。この際、分散剤を併用すると、添加剤の均一性が付与できるため好適である。
コーティング液をポリエステルフィルムに塗布する方法としては、ロールコーター方式、ダイコーター方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗布方式など、既知の塗装手段が適用できるが、グラビアロールコート法が最も好適である。コーティング液塗布後の乾燥条件としては、80℃〜170℃で20〜180秒間、特に80℃〜120℃で60〜120秒間が好ましい。
以上のようにして樹脂層を形成したポリエステルフィルムを、その樹脂層が密着層となるように金属板(ストライク金属めっき金属板)表面にラミネートする。このラミネート方法としては、例えば、金属板をフィルムの融点を超える温度に加熱し、その表面にポリエステルフィルムをラミネートロール(圧着ロール)で圧着し、ポリエステルフィルムを熱融着させる方法を用いることができる。言うまでもなく、上述したように樹脂層をコーティングしたフィルム面を金属板面に圧着し、熱融着させる。
ラミネート条件については、例えば、ラミネート開始時の温度を少なくともフィルムの融点以上とし、ラミネート時にフィルムの受ける温度履歴として、フィルムの融点以上の温度で接している時間を1〜20msecの範囲とすることが好適である。このようなラミネート条件を達成するためには、高速でのラミネートに加えて、融着中の冷却も必要である。ラミネート時の加圧は特に規定するものではないが、面圧として9.8〜294N/cm(1〜30kgf/cm)が好ましい。この値が低すぎると、樹脂界面の到達する温度が融点以上であっても時間が短時間であるため溶融が不十分であり、十分な密着性が得られ難い。また、加圧が大きいとラミネート金属板の性能上は不都合がないものの、ラミネートロールにかかる力が大きく、設備的な強度が必要となり、装置の大型化を招くため不経済である。
(1)ストライク金属めっき鋼板の製造
金属板として、冷間圧延後に焼鈍・調質圧延を施した冷延鋼板(アルミキルド鋼板,板厚0.18mm,板幅977mm)を用いた。この冷延鋼板を脱脂、酸洗した後、表1〜表3、表10〜表12に示すようなストライク金属めっきを施した。ストライクニッケルめっきでは、ウッド浴を用い、電流密度を1〜20A/dmの範囲で変化させて、めっき付着量の異なるストライクNiめっき鋼板を作製した。また、ストライク銅めっきでは、シアン浴(シアン化銅化合物を50〜200g/Lの範囲で含有)を用い、電流密度を5〜20A/dmの範囲で変化させて、めっき付着量の異なるストライクCuめっき鋼板を作製した。なお、一部の比較例に用いる鋼板については、ストライク金属めっきを行わなかった。
(2)缶内面側の樹脂被覆用フィルムの製造
表7〜表9に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表7〜表9に示す粒子を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物を常法に従い溶融押し出して冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
表1〜表3に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表4〜表6に示すイソシアネート化合物またはアミノ化合物、導電性ポリマー、ドーパントなどの各種添加剤を添加し、これをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒中に溶解・分散させて樹脂層(b1)用のコーティング液(樹脂溶液)を作製した。このコーティング液を前記二軸配向ポリエステルフィルムの片面に、グラビアロールコーターにより所定の乾燥付着量となるように塗布し、乾燥(乾燥温度:80〜120℃)させ、缶内面側の樹脂被覆用フィルムを得た。
なお、一部の比較例においては、フィルムとしてポリプロピレンフィルムを用い、また、コーティング液の樹脂としてエポキシフェノールを用いた。
(3)缶外面側の樹脂被覆用フィルムの製造
表16〜表18に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表16〜表18に示す粒子を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物を常法に従い溶融押し出して冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
表10〜表12に示す配合の酸成分とグリコール成分を重合させて得られたポリエステル樹脂に、表13〜表15に示すイソシアネート化合物またはアミノ化合物、導電性ポリマー、ドーパントなどの各種添加剤を添加し、これをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒中に溶解・分散させて樹脂層(b1)用のコーティング液(樹脂溶液)を作製した。このコーティング液を前記二軸配向ポリエステルフィルムの片面に、グラビアロールコーターにより所定の乾燥付着量となるように塗布し、乾燥(乾燥温度:80〜120℃)させ、缶外面側の樹脂被覆用フィルムを得た。
なお、一部の比較例においては、フィルムとしてポリプロピレンフィルムを用い、また、コーティング液の樹脂としてエポキシフェノールを用いた。
(4)樹脂被覆鋼板(樹脂ラミネート鋼板)の製造
図1に示すラミネート設備において、上記(1)で得られたストライク金属めっき鋼板1(一部の比較例では非めっき鋼板)を金属帯加熱装置2で加熱し、ラミネートロール3により、ストライク金属めっき鋼板1の一方の面に、上記(2)で得られた缶内面側の樹脂被覆用フィルム4aをラミネート(熱融着)するとともに、他方の面に上記(3)で得られた缶外面側の樹脂被覆用フィルム4bをラミネート(熱融着)し、次いで、金属帯冷却装置5で水冷し、樹脂被覆鋼板を製造した。上記ラミネートロール3は内部水冷式とし、ラミネート中に冷却水を強制循環して、フィルム接着中の冷却を行った。また、樹脂フィルムを鋼板にラミネートする際に、鋼板に接する界面のフィルム温度がフィルムの融点以上になる時間を1〜20msecの範囲内とした。
以上のようにして製造された樹脂被覆鋼板(本発明例)の片面側の皮膜断面構造を図2に示す。
(5)樹脂被覆鋼板の性能評価
以上のようにして製造された樹脂被覆鋼板について、下記(5-1)〜(5-5)の性能を評価した。
(5-1)成形性
樹脂被覆鋼板にワックスを塗布した後、直径200mmの円板を打ち抜き、絞り比2.00で浅絞り缶を得た。次いで、この絞り缶に対して、絞り比2.20で再絞り加工を行った。この後、常法に従いドーミング成形を行った後、トリミングし、次いでネックイン−フランジ加工を施し、深絞り缶を成形した。このようにして得た深絞り缶のネックイン部について、缶内面側および缶外面側のラミネートフィルムの損傷程度を目視観察し、下記評価基準で評価した。
◎:成形後フィルムに損傷が認められない。
○:成形後フィルムに損傷が認められないが、部分的に白化が認められる。
△:成形可能であるが、部分的にフィルム損傷が認められる。
×:缶が破胴し、成形不可能。
(5-2)成形後密着性(I)
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。缶胴部よりピール試験用のサンプル(幅15mm、長さ120mm)を切り出し、このサンプルの缶外面側において長辺側端部からフィルムの一部を剥離させた。この剥離されたフィルムを、剥離された方向とは逆方向(角度:180°)に開き、引張試験機を用いて引張速度30mm/minでピール試験を行い、幅15mm当たりの密着力を測定し、下記評価基準で評価した。
◎:10.0N/15mm以上
○:5.0N/15mm以上、10.0N/15mm未満
×:5.0N/15mm未満
(5-3)成形後密着性(II)
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。缶の内部に水道水を充填した後、蓋を巻き締めて密閉した。次いで、レトルト殺菌処理を130℃、90分間の条件で実施した後、缶胴部よりピール試験用のサンプル(幅15mm、長さ120mm)を切り出した。このサンプルの缶内面側において長辺側端部からフィルムの一部を剥離させた。この剥離されたフィルムを、剥離された方向とは逆方向(角度:180°)に開き、引張試験機を用いて引張速度30mm/minでピール試験を行い、幅15mm当たりの密着力を測定し、下記評価基準で評価した。
◎:10.0N/15mm以上
○:5.0N/15mm以上、10.0N/15mm未満
×:5.0N/15mm未満
(5-4)傷部耐食性評価(I)
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。図3に示すように、缶外面側の缶胴部2箇所に、下地鋼板に達するクロスカット傷を入れた。このクロスカット傷を付与した缶に対し、JIS Z2371に準拠した塩水噴霧テストを240時間行い、傷部からの片側最大腐食幅を測定し、下記評価基準で評価した。なお、傷部からの片側最大腐食幅の測定方法を図4に示す。
◎:片側最大腐食幅0.5mm未満
○:片側最大腐食幅0.5mm以上、1.0mm未満
×:片側最大腐食幅1.0mm以上
(5-5)傷部耐食性評価(II)
上記(5-1)の成形性評価で成形可能(“△”以上の評価)であった缶を対象とした。図3に示すように、缶内面側の缶胴部2箇所に、下地鋼板に達するクロスカット傷を入れた。このクロスカット傷を付与した缶内に、15%NaCl+15%クエン酸ナトリウム混合液を充填した後、蓋を巻き締めて密閉した。次いで、レトルト殺菌処理を130℃、90分間の条件で実施した後、温度38℃の恒温槽内で10日間経時させた。その後、缶を切り開き、クロスカット傷部からの片側最大腐食幅を測定し、下記評価基準で評価した。なお、傷部からの片側最大腐食幅の測定方法は、図4のとおりである。
◎:片側最大腐食幅1.0mm未満
○:片側最大腐食幅1.0mm以上、3.0mm未満
×:片側最大腐食幅3.0mm以上
Figure 2010194913
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Figure 2010194913
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Figure 2010194913
Figure 2010194913
以上のような性能評価試験の結果を表19および表20に示す。これによれば、本発明例は、容器用素材に要求される成形性、成形後密着性、傷部耐食性がいずれも優れている。これに対して比較例は、いずれかの性能が劣っている。
1 ストライク金属めっき鋼板
2 金属帯加熱装置
3 ラミネートロール
4a,4b 樹脂被覆用フィルム
5 金属帯冷却装置

Claims (6)

  1. 金属板の少なくとも片面に、めっき付着量が0.1〜3.0g/mのストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂被覆(B)を有し、該樹脂被覆(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなる容器用樹脂被覆金属板であって、
    樹脂層(b1)が下記(イ)〜(ハ)の成分を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
    (イ)イソシアネート化合物および/またはアミノ化合物
    (ロ)導電性ポリマー:ポリエステル樹脂に対して0.1〜30質量%
    (ハ)ドーパント:導電性ポリマーに対して0.01〜1.0mol%
  2. 樹脂層(b1)の付着量が0.1〜5.0g/mであることを特徴とする請求項1に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  3. ストライク金属めっき層(A)が、ニッケルめっき層であることを特徴とする請求項1または2に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  4. 樹脂層(b1)が含有する導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、前記各ポリマーの誘導体、前記各ポリマーを構成する単量体の2種以上の共重合物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器用樹脂被覆金属板。
  5. 樹脂層(b1)が含有するドーパントが、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器用樹脂被覆金属板。
  6. ポリエステルフィルム(b2)が、ポリエステル樹脂の構成単位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位および/またはエチレンナフタレート単位である二軸延伸ポリエステルフィルムであり、
    該二軸延伸ポリエステルフィルムは、無機粒子および/または有機粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器用樹脂被覆金属板。
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