JP6051784B2 - 容器用樹脂被覆金属板 - Google Patents

容器用樹脂被覆金属板 Download PDF

Info

Publication number
JP6051784B2
JP6051784B2 JP2012242291A JP2012242291A JP6051784B2 JP 6051784 B2 JP6051784 B2 JP 6051784B2 JP 2012242291 A JP2012242291 A JP 2012242291A JP 2012242291 A JP2012242291 A JP 2012242291A JP 6051784 B2 JP6051784 B2 JP 6051784B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
film
layer
metal plate
coated metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012242291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014091244A (ja
Inventor
洋一郎 山中
洋一郎 山中
祐介 中川
祐介 中川
北川 淳一
淳一 北川
飛山 洋一
洋一 飛山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2012242291A priority Critical patent/JP6051784B2/ja
Publication of JP2014091244A publication Critical patent/JP2014091244A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6051784B2 publication Critical patent/JP6051784B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、例えば、食品缶詰の缶胴及び蓋に用いられる容器用樹脂被覆金属板に関するものである。
従来、食品缶詰に用いられる食品缶詰用素材であるティンフリースチール(TFS)、アルミニウム等の金属板には、耐食性・耐久性・耐候性などの向上を目的として、塗装が施されていた。しかし、この塗装を施す技術は、焼き付け工程が複雑であるばかりでなく、多大な処理時間を必要とし、さらには多量の溶剤を排出するという問題を抱えていた。
そこで、これらの問題を解決するため、塗装金属板に替わり、熱可塑性樹脂フィルムを加熱した金属板に積層してなるフィルムラミネート金属板が開発され、現在、食品缶詰用素材として工業的に用いられている。特に、PETフィルムをTFS表面に熱融着させたフィルムラミネート金属板は、優れた密着性、加工性、耐食性を有するため、ほとんどの食品缶詰に適用可能であり、今後、更なる需要拡大が見込まれている。
なかでも特に注目されているのが、BRICs諸国など、経済発展の著しい地域であり、今後の需要増は顕著であろう。世界市場を見据えた、グローバルスタンダードとなり得る技術の重要性が、ますます高まることは確実である。このような状況のもと、フィルムラミネート金属板には、更なる性能改善が必要であることが明らかになってきた。耐食性、なかでも傷部の耐食性を、大幅に向上させる必要がある。以下、その理由を示す。
フィルムラミネート金属板の耐食性は、フィルムの絶縁性に依存するため、被覆性の確保が必須である。フィルムを貫通する傷が生じた場合は、その部分の絶縁性が失われ、耐食性が確保できない。更には、傷部に腐食が集中しやすく、局部腐食を招く可能性が高い。局部腐食が著しく進行すると、缶壁部に穿孔が生じ、缶詰としての機能を失ってしまう。
フィルムラミネート金属板は、これまで日本国内市場を中心に使用され、数多くの種類の缶詰に加工・商品化されてきた。国内の製缶会社は、製造ラインの管理体制及び製品の品質管理体制が整っており、例えば、製缶ラインで金属板に傷をつけるようなトラブル(例えば、ロールのスリップなど)はほとんど発生しない。そのため、フィルムラミネート金属板には、フィルムを貫通するような傷が生ずることは殆どなく、缶成形後も、フィルムが金属板を被覆し続け、優れた耐食性を維持する。また、仮にフィルムを貫通する傷が生じたとしても、製缶後のすべての缶に対して、欠陥検査を実施しており、傷のある缶は、市場へ流通させないシステムとなっている。
一方、国外に目を向けると、多種多様な製缶会社及び缶詰製造会社が存在し、その技術レベルも様々である。国内の製缶会社に比べ、品質管理体制が見劣りする製缶会社も数多く存在し、製造ラインでのトラブルが頻発している会社も多い。また、成形後の缶につき全量検査を実施している製缶会社は世界的にみても稀であり、ほとんどが抜き取り検査のみである。したがって、フィルムを貫通する傷のある缶が、検査ラインをパスして市場に流通する危険性があり、傷部耐食性に劣るフィルムラミネート金属缶は、大きな市場クレームを招くおそれがある。世界中の製缶メーカーに対し、日本国内と同レベルの生産管理体制や、全量検査システムの導入を期待することができない以上、フィルムラミネート金属板の傷部耐食性を向上させる術なくして、グローバルスタンダード化は達成できない。
傷部耐食性を向上させるための技術としては、例えば特許文献1、2が挙げられる。特許文献1は、フッ素樹脂フィルムラミネート鋼板に関する技術であり、フッ素樹脂フィルムの撥水性を利用したものである。これによれば、表面の対水接触角を90°以上とすることで、表面に付着した水が、すべて球状となり、傷部においても球状が維持されることから、水が傷部へ侵入することなく腐食が抑制されると記載されている。しかし、この技術が全く効果を奏さないことは、明白であろう。傷部にはフッ素樹脂が存在しないのであるから、撥水効果もなく、腐食抑制効果は全く期待できない。特許文献2は、積層タイプのフッ素樹脂フィルムラミネート鋼板に関する技術であり、フッ素樹脂フィルムの下に100μm以上のポリ塩化樹脂フィルムを積層させたものである。この技術は、傷を鋼板表面に到達させないことを目的としており、いわゆる傷部耐食性を向上させる技術ではない。しかも、単に、膜厚を増加させただけの技術であるため、工業的利用価値も極めて低い。
このような状況のもと、発明者らは、傷部において下地金属が露出しても、下地金属の不動態化を促進させることで、腐食因子に対して保護性のある皮膜を形成させ、傷部の耐食性を確保するという、新たなコンセプトを着想した。このコンセプトは、これまでの亜鉛めっきをはじめとする資源消費型の犠牲防食技術とは異なり、下地金属の自発的な不動態化反応を活用するため、省資源型の防食技術である。
従来、金属の不動態化を促進させる技術としては、遷移金属であるモリブデン酸、タングステン酸などの不動態化剤を利用する技術が特許及び論文にて公開されている。しかし、これらは、いわゆるレアメタルであり、半導体産業などの必須素材であるため、需要過多の状況に陥りやすい。特に、BRICsが著しい経済発展をとげた2002年以降、価格は数倍に跳ね上がっており、今後もこの傾向は続くであろう。また、不動態化能に関しても、従来のクロメート処理に及ばないレベルであることが多くの論文にて報告されており、発明者らの要求性能を満たすものではない。
そこで、発明者らは、近年、金属防食への適用が検討されている導電性ポリマーに注目した。導電性ポリマーとは、π電子共役系が発達したポリマーであり、ポリアセチレンをはじめ、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどが知られている。このうち、ポリアニリンについては、その金属防食能につき、多くの研究がなされている。金属板への適用例として、例えば、特許文献3〜5が挙げられる。
特許文献3には、樹脂、ポリアニリン、無機酸化物からなる皮膜を、金属板上に形成することで、従来のクロメート処理を代替可能な密着性、耐食性が得られることが記載されている。しかしながら、ベース樹脂として、水溶性または水分散性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を用いており、これらでは、本発明が対象とする利用分野への適用は困難である。その理由として、(1)PETフィルムとベース樹脂との相溶性が不十分であることから、層間密着性が確保できない、(2)樹脂の力学特性(伸び特性と強度特性のバランス)が食品缶詰の成形加工に追随するレベルでなく、成形過程で樹脂が破壊されてしまう、(3)無機酸化物を必須成分として40%未満添加することから、(2)と同様に、成形過程で樹脂が破壊されてしまう、(4)水溶性樹脂を使用した場合は、腐食環境下での樹脂溶解が少なからず生じ、十分な耐食性が得られない、(5)水分散性樹脂を使用した場合でも、親水性官能基を有するモノマーもしくはポリマーとの共重合化が必要であり、本発明が想定する耐食性レベルの確保は困難、(6)塗装下地処理を想定した技術であり、本発明とは技術的思想自体が異なる、ことなどが挙げられる。
特許文献4には、平均分子量20000以上の導電性ポリマーを有機樹脂皮膜中に含有させ、鋼板上に形成する技術が開示されている。この技術の不十分な点は、(1)導電性ポリマーを高分子量化させているが、所詮、分子鎖の骨格は剛直なままであり、加工性改善効果をもたらさないこと、(2)導電性ポリマーの結晶化度を上限なく規定しているが、加工性を妨げる方向であり、本発明が想定する高加工用途への適用が何ら考慮されていないこと、(3)マトリックス形成高分子、ドーパントに関する規定が、広く一般的な物質の羅列に留まり特定されていないため、その重要性を見出していないこと、(4)塗装下地処理を想定した技術であり、本発明とは技術的思想自体が異なること、などが挙げられる。
特許文献5についても同様で、ベース樹脂がエポキシ系、ウレタン系、フッ素系に限定されること等から、本発明の対象とする利用分野への適用は困難である。
これに対し、特許文献6で、めっき付着量が0.1〜3.0g/mのストライク金属めっき層の上層にイソシアネート化合物および/またはアミノ化合物と、導電性ポリマーとドーパントを含むポリエステル樹脂層を有し、さらにその上層にポリエステルフィルムを有することにより、深絞り成形性、加工・レトルト後密着性、耐衝撃性などに優れ、しかも傷部耐食性にも優れた容器用樹脂被覆金属板が開示されている。これによると、確かに、深絞り成形性、加工・レトルト後密着性、耐衝撃性などに優れ、しかも傷部耐食性にも優れた容器用樹脂被覆金属板が得られる。
特開平7−256819号公報 特開平10−264305号公報 特開平10−251509号公報 特開2007−190896号公報 特開2006−326459号公報 特開2010−194913号公報
しかしながら、特許文献6で用いられているイソシアネート化合物は、プレポリマーの使用を前提とするものの、毒性の強い単量体が含まれている可能性があり、必ずしも安全な物質とは言えない。また、アミノ化合物についても、ホルムアルデヒドの溶出懸念があるため、安全な物質とは言い難い。
したがって、本発明は、食品缶詰に要求される多くの要求特性に対応し、特に、深絞り成形性、加工・レトルト後密着性、耐衝撃性かつ傷部耐食性に優れた容器用樹脂被覆金属板を提供することを目的とする。
本発明者らが、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、付着量0.1〜3.0g/mのストライク金属めっき層を形成し、その上層にポリエステル樹脂と、ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれるいずれか一種以上の樹脂と、導電性ポリマーとドーパントとを含有する樹脂層を中間層として形成し、更にその上層にポリエステルフィルムを積層することで、深絞り成形性、加工・レトルト後密着性、耐衝撃性を確保し、優れた傷部耐食性を有する容器用樹脂被覆金属板が得られることを見出した。
本発明は、以上の知見に基づき、なされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]金属板の少なくとも片面に、めっき付着量0.1〜3.0g/mのストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂層(B)を有し、該樹脂層(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなる容器用樹脂被覆金属板であって、前記樹脂層(b1)が下記(イ)〜(ハ)の成分を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
(イ)ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれるいずれか一種:0.1〜30mass%
(ロ)導電性ポリマー:0.1〜30mass%
(ハ)ドーパント:0.01〜1.0mass%
[2]前記樹脂層(b1)の付着量が、0.1g/m以上5.0g/m以下であることを特徴とする[1]に記載の容器用樹脂被覆金属板。
[3]前記ストライク金属めっき層(A)が、ニッケルめっき層であることを特徴とする[1]または[2]に記載の容器用樹脂被覆金属板。
[4]前記樹脂層(b1)は、さらに、(ニ)エポキシ樹脂を含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
[5]前記樹脂層(b1)は、さらに、(ホ)金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート化合物を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
[6]前記(ロ)導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン及びこれらの誘導体、及びこれらの単量体の共重合物から選ばれた一種または二種以上の混合物であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
[7]前記(ハ)ドーパントが、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸から選ばれた一種または二種以上の混合物であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
[8]前記ポリエステルフィルム(b2)が、ポリエステルの構成単位の93mass%以上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレンナフタレート単位であるニ軸延伸ポリエステルフィルムであり、該ニ軸延伸ポリエステルフィルムは、無機粒子および/または有機粒子を含有することを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
本発明によれば、食品缶詰用素材に要求される多様な機能への対応が可能になるとともに、優れた傷部耐食性を有するため、世界中のあらゆる缶用市場へ適用可能な新たな容器用樹脂被覆金属板を得ることができる。
金属板のラミネート装置の要部を示す図である。(実施例) 本発明の容器用樹脂被覆金属板の断面構造を示す図である。(実施例) 缶胴部に付与したクロスカット傷の位置を示す図である。(実施例) 人工傷からの最大腐食幅を測定する方法を示す図である。(実施例)
以下、本発明の詳細と限定理由について説明する。本発明の容器用樹脂被覆金属板は、金属板の少なくとも片面に、ストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂層(B)を有し、この樹脂層(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなるものである。
まず、本発明の容器用樹脂被覆金属板について説明する。
本発明の容器用樹脂被覆金属板の原板である金属板としては、缶用材料として広く使用されているアルミニウム板や軟鋼板等を用いることができる。なかでも、鋼板内部の清浄度が高く、非金属介在物の少ないアルミキルド鋼の使用が好適である。
次に、本発明のストライク金属めっき層(A)について説明する。
本発明では、上記金属板の少なくとも片面に、ストライク金属めっき層(A)を形成する。これまでストライク金属めっきは、下地金属とめっき層との密着性改善を主目的として実施されてきたが、本発明者らが着目した最大の理由は、下地金属表面の酸化物層を除去しながら、めっき金属を電析させるプロセスにある。後述するが、本発明が目的とする傷部耐食性は、ポリエステル樹脂中に添加した導電性ポリマーと金属板との間に、酸化還元反応が生じて、鋼板表面に保護性の高い不動態化皮膜が形成されることで発現する。そのため、ポリエステル樹脂層と金属板との界面では、すみやかな電子の受け渡しが行われる必要がある。
ストライク金属めっきは、浴を強酸性にして、水素イオン濃度を高めることで、電流効率を低下させることが特徴である。ストライク金属めっき処理中に、陰極である金属板表面から大量の水素ガスを発生させ、金属板表面の酸化物を鉄に還元もしくは溶解しながら、めっき金属の電析が進行する。したがって、ストライク金属めっき処理することで、金属板表面の自然酸化膜を除去しながら、金属めっき層が形成されるため、電気抵抗成分を極力排除した状態で、ポリエステル樹脂層を積層することができる。これにより、後述するポリエステル樹脂層中の導電性ポリマーの特性を十分に発揮させることができ、傷部耐食性を確保することが可能となる。
ストライク金属めっきの種類としては、ニッケルめっきもしくは銅めっきが、実用技術として、既に確立しているため、好適である。好ましくは、製造安定性の点からニッケルめっき層である。
ニッケルめっきのストライク金属めっき浴としては、ストライク浴として一般的な、ウッド浴の使用が望ましい。ストライク金属めっき浴の条件としては、Ni2+濃度が20〜50g/l、pHが1.0〜3.0、浴温度25±3℃を用いて、電流密度0.5〜60A/dmの範囲でストライク金属めっきを行うことが望ましい。
一方、銅めっきのストライク金属めっき浴としては、シアン化銅化合物と、無機酸および有機酸の塩の1種または2種以上を含有したものが好適である。シアン化銅化合物としては、シアン化銅ナトリウム、シアン化銅カリウム、またはそれらの化合物を用いる。無機酸の塩としては、リン酸塩、ピロリン酸塩、水酸化アルカリ化合物、ホウ酸塩または炭酸塩である。有機酸の塩としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、グルコン酸などの使用が望ましい。また、ストライク金属めっき浴としては、シアン化銅20〜45g/l、シアン化ナトリウム27〜65g/l、水酸化カリウム3〜5g/l、ロッセル塩10〜20g/l、pH10.2〜11.0、浴温度40〜55℃が好ましい。
ストライク金属めっき層(A)のめっき付着量としては、0.1〜3.0g/mの範囲とする。付着量が0.1g/mに満たない場合は、均一なめっき層を形成することが困難になり、良好なめっき密着性が得られない。一方、ストライク金属めっき層は、陰極析出効率の低いめっき浴で形成されるため、3.0g/m超の膜厚になると、ストライク金属めっき面の角状電析物が粗大化してしまう。粗大化した電析物は、缶成形時の応力等により破壊されやすく、破胴などの原因となる。
次に、樹脂層(B)を構成するポリエステルを主成分とする樹脂層(b1)について説明する。
樹脂層(B)のうち、ストライク金属めっき層(A)と密着する樹脂層(b1)は、樹脂成分中の割合でポリエステル樹脂を50mass%以上含む樹脂層であり、ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂などを含むことができる。
樹脂層(b1)の主成分であるポリエステル樹脂としては、数平均分子量3000〜100000であることが好ましく、より好ましくは5000〜30000、更に好ましくは10000〜25000の範囲内である。なお、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー分析での、ポリスチレンとの比較による換算値である。数平均分子量が3000より低いと加工性が悪くなり、100000より高いと塗料化時の粘度が高くなり適切な塗装ができなくなる場合がある。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、0℃以上100℃未満の範囲内であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃以上100℃未満の範囲とすることで、樹脂の柔軟性・加工性や耐ブロッキング性が、適度にバランスされ、食品缶詰用途に好適となるが、1種のポリエステル樹脂では、数多い要求性能を満たすことが困難な場合がある。単独で使用した場合、例えば、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が0℃以上35℃未満である場合、樹脂層に柔軟性が付与されるため加工性が優れる。しかし、フィルムに樹脂層をコーティングした後、巻かれた状態のままガラス転移温度を超える温度で長時間保持されると、フィルムがブロッキングしてしまうおそれがある。また、ガラス転移温度が低く、耐熱性が不足するため、耐レトルト性がやや劣るようになる。
ガラス転移温度が35℃以上65℃未満であれば、フィルムがブロッキングせず、フィルムの美観が損なわれることがない。ガラス転移温度が65℃以上100℃未満であると、ブロッキング性が優れるものの、皮膜が硬くなるためにやや加工性が劣るようになる。
従って、ポリエステル樹脂はガラス転移温度が異なる複数の樹脂を併用し、各々のポリエステル樹脂の良い性能を引き出すことで、バランスのとれた、より優れた樹脂層を得ることがさらに好ましい。
また、ガラス転移温度が異なる複数のポリエステル樹脂を併用する場合、各ポリエステル樹脂の比率は以下が好ましい。
ガラス転移温度が0℃以上35℃未満のポリエステル樹脂:30〜80mass%
ガラス転移温度が35℃以上65℃未満のポリエステル樹脂:10〜35mass%
ガラス転移温度が65℃以上100℃未満のポリエステル:10〜35mass%
このような比率の範囲とすることで、加工性とブロッキング性のバランスが著しく向上する。
また、ポリエステル樹脂は、ジフェノール酸に由来する繰り返し単位を含有することが好ましい。ポリエステル樹脂を製造するための原料成分であるモノマー組成物にジフェノール酸を含有した場合、ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂との反応性が高まり硬化速度があがり、結果として耐レトルト白化性が向上する。また、ジフェノール酸を必須モノマーとした、ガラス転移温度が0℃以上35℃未満のポリエステルを高い比率で使用しても硬化性が向上する。このように、ガラス転移温度が低くともコーティングフィルムのブロッキング性が優れる等の特徴を有しているため、ポリエステル樹脂は、ジフェノール酸に由来する繰り返し単位を含有することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、直鎖型であることが好ましい。直鎖型の場合、分岐構造を有するポリエステル樹脂と比較して、皮膜の架橋密度が下がるために、特に加工性が優れる特徴を有している。
ポリエステル樹脂としては、多塩基酸成分と多価アルコール成分とをエステル化反応させたものを用いることができる。
多塩基酸成分としては、たとえば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの1種以上のニ塩基酸およびこれらの酸の低級アルキルエステル化物が用いられ、必要に応じて、安息香酸、クロトン酸、などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1、4−ヘキサンジオール、1、6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの2価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡績(株)製のバイロン300、500、560、600、630、650、670、バイロンGK130、140、150、190、330、590、680、780、810、890、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3220、3500、3210、3215、3216、3620、3240、3250、3300、東亞合成(株)製アロンメルトPES−310、318、334などが挙げられる。
樹脂層(b1)は、主成分であるポリエステル樹脂に加えて、下記(イ)〜(ハ)の成分を含有する。
(イ)ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれるいずれか一種以上:0.1〜30mass%
(ロ)導電性ポリマー:0.1〜30mass%
(ハ)ドーパント:0.01〜1.0mass%
好適には、
(ニ)エポキシ樹脂:0.5〜30mass%
(ホ)金属アルコキシド系化合物および/または金属器レート化合物:0.01〜10mass%
(イ)ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれるいずれか一種以上
ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂は、メラミン樹脂などと比較して硬化速度が速く、強靭な皮膜を形成できる点で優れている。ポリエステル/メラミン系、エポキシ/メラミン系等からなる樹脂組成物と比較して、硬化特性が優れるために樹脂被覆金属板の耐レトルト性、耐食性および加工性等の点で、特に優れた性能を発揮することが可能となる。
ポリアミン樹脂として特に代表的なものを例示すると、脂肪族アミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、脂環式ポリアミンとしてはイソホロンジアミンなどが挙げられる。また、作業性改善や低刺激化、機械物性の向上のために脂肪族ポリアミンにエポキシ樹脂やアクリロニトリルを付加させたり、ホルムアルデヒドとフェノールを反応させて変性したものなども挙げられる。芳香族ポリアミンとしては、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン酸、ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。市販品としては、DIC(株)製EPICRON EXB−353、エアープロダクツジャパン(株)製アンカミン2596、アンカミン2605などが挙げられる。
ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂は、例えば、油脂脂肪酸とポリアミンの脱水縮合反応により合成される化合物である。市販品としては、三洋化成ポリマイドL−15−3、ポリマイドL−45−3、エアープロダクツジャパン(株)製アンカマイド2137、サンマイド330、サンマイドX−2000などが挙げられる。
ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれるいずれか一種以上の比率が、0.1mass%より低いと硬化性が不足し耐レトルト性が劣り、30mass%を超えると加工性が悪化する場合がある。より好ましくは、3〜20mass%である。
(ロ)導電性ポリマー
ポリエステルを主成分とする樹脂層(b1)に導電性ポリマーを添加することで、下地金属の不動態化を促進させ、樹脂被覆金属板に傷部耐食性を付与することができる。導電性ポリマーの酸化還元電位は、下地金属の電位に対して貴であるため、下地金属との界面において、下地金属の酸化反応と導電性ポリマーの還元反応が生じ、界面に安定な不動態皮膜を形成する。不動態皮膜は、絶縁体であるとともに緻密であるため、腐食因子に対しバリア層として機能する。そのため、下地金属の耐食性を大幅に向上させることができる。
ここで、導電性ポリマーの酸化還元反応は可逆的であることがわかっており、溶存酸素の還元反応とのカップリング反応によって、元の状態に戻る。すなわち、導電性ポリマーには、その可逆的な酸化還元特性により自身を劣化させることなく、永続的に下地金属を防食する効果が期待できる。
以上の防食プロセスは、腐食環境下における下地金属の自発的な不動態化を促すものであるため、導電性ポリマーには一種の自己補修作用があるものと考えることができる。したがって、フィルムを貫通する傷が生じたとしても、傷部周辺に不動態化皮膜を形成させることで、腐食の進行を著しく抑制することが可能となる。
使用する導電性ポリマーとしては、π電子共役系ポリマーである、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン及びこれらの誘導体、及びこれらの単量体の共重合物から選ばれた1種または2種以上の混合物があげられる。中でも、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアルキルジオキシチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェン等)は電気伝導度が高く、下地金属との界面における電子の授受がスムーズであるため、不動態化能が高く、防食効果が大きい。
導電性ポリマーの添加量としては、樹脂層(b1)に対し、0.1〜30mass%の範囲とする。添加量が0.1mass%未満では、下地金属との界面における酸化還元反応に寄与するポリマーの絶対量が不足し、界面における不動態化皮膜の形成が不十分となる。傷部の耐食性は、不動態化皮膜形成能に大きく依存するため、発明者らの期待する性能レベルが得られないこととなる。一方、添加量が30mass%超であると、導電性ポリマーの力学物性が樹脂層全体の物性に影響を及ぼすようになり、剛直な分子構造ゆえ加工性を大きく劣化させる。
(ハ)ドーパント
本発明で規定するπ電子系導電性ポリマーは、脱ドープ状態では半導体であり、バンドギャップを有する。よって、導電性を付与するためには、ドーパントを添加し、導電性ポリマーの主鎖の共役系からπ電子を奪って、主鎖上に正孔を生成させる必要がある。正孔がポリマーの分子鎖上を移動するため、電流が流れるのである。
したがって、本発明で期待する防食効果を発揮させるためには、導電性ポリマーを含有するポリエステル樹脂中へのドーパント添加が必須である。ドーパントとしては、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸、ポリマー酸、遷移金属ハライド、アルカリ金属から選ばれた一種または二種以上の混合物が好適である。
ハロゲン類としては、臭素、塩素、ヨウ素などを用いることができ、プロトン酸としては、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸、リン酸類及びポリ酸などを好適に用いることができる。ルイス酸としては、FeCl、FeOCl、TiCl、ZrCl、SnCl、MoCl、WCl、BF、BCl、PF等の金属ハロゲン化物を用いることができる。中でも、好適であるのが、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリリン酸、などのポリマー酸である。これらは、自身に皮膜形成能があるため、密着層となる樹脂の連続性を高め、密着性、耐食性に対して効果がある。
ドーパントの添加量としては、ポリエステル樹脂層(b1)内の比率として、0.01〜1.0mass%の範囲とする。ドーパントの添加量が、0.01mass%未満であると、十分な電気伝導性が得られない。導電性ポリマーの防食効果は、防食対象となる金属とのスムーズな電子の授受であるため、電気伝導性の低下により、不動態化能が低下し、また、皮膜形成能も十分に発揮されず、傷部耐食性が劣ってしまう。一方、ドーパントの添加量を1.0mass%超とすると、処理液の不安定化、ポリエステル樹脂層の力学物性の低下が生じ、傷部耐食性を低下させる懸念がある。
(ニ)エポキシ樹脂(好適条件)
エポキシ樹脂は、主に皮膜の密着性を向上させるものである。エポキシ樹脂の種類は特に限定するものではないが、近年、ビスフェノールA型エポキシ樹脂では、内分泌攪乱作用が懸念されているため、このような懸念のない樹脂であることが好ましく、ビスフェノールAを含まないエポキシ樹脂とすることが好ましい。ビスフェノールAを含まないエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などがあげられ、特にノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型などがあげられる。ノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC(株)社製のエピクロンN−665、670、673、680、690、695、730、740、770、865、870、ダウケミカル(株)社製のXD−7855、旭化成エポキシ(株)社製のECN−1273、1299などが挙げられる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)製のYL6121H、YX7399が挙げられる。
樹脂層(b1)中へのエポキシ樹脂の添加量としては、0.5〜30mass%の範囲が好適である。エポキシ樹脂の比率が、0.5mass%よりも低いと、密着性及び耐食性向上効果が乏しく、逆に、30mass%を超えると、耐レトルト白化性を低下させてしまう場合がある。より好ましくは、5〜25mass%の範囲である。
(ホ)金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート化合物(好適条件)
金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート系化合物は、樹脂層(b1)の主成分であるポリエステル樹脂、(イ)ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれるいずれか一種以上、(ニ)エポキシ樹脂と反応を起こす。各々の樹脂の官能基と金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート系化合物の間で架橋反応が進行する。この架橋反応は、金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート系化合物が無い場合と比較して、その皮膜の硬化速度が著しく速いために、結果として極めて少ない熱エネルギーで優れた密着性、加工性、耐レトルト性、耐食性を発現することが可能となる。例えば、既存のラミネート缶はフィルムをラミネートした後に180℃以上で、数秒〜数分間焼付けが施され、その後の後加熱を利用し樹脂皮膜を硬化させ、上記の各種要求性能を確保するものである。しかし、本発明において、金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート化合物を含有した場合の樹脂層は、熱融着ラミネートを行う際の、1秒程度の短時間加熱のみで樹脂層が十分に硬化し、後加熱を施したものと同等以上の性能を得ることができる。したがって、製造プロセスにおける後加熱工程が不要となり、製造効率が格段に向上する。加えて、二酸化炭素の排出低減も可能となり、実用上極めて有用な技術となりうる。更に、皮膜中に金属が組み込まれることで、皮膜の強度が向上し、結果として耐衝撃性や耐食性が大幅に向上する。以上の理由により、前記樹脂層(b1)は、さらに、金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート化合物を含有することが好ましい。
金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート系化合物としては、例えば、アルミニウム、チタン、錫、ジルコニウムなどのアルコキシド金属化合物、アセト酢酸が金属に配位した金属キレート化合物などが挙げられる。中でも、チタンアルコキシド系化合物及び/またはチタンキレート化合物を用いるのが好ましい。以下、その理由について説明する。
金属アルコキシド系化合物及び/または金属キレート化合物と、ポリエステル樹脂とが連続的に架橋反応することで、分子鎖の三次元ネットワークが樹脂層内に形成される。これにより、レトルト処理環境下での水蒸気や熱水の浸透による変色を、最も効果的に抑制することが可能となる。
水蒸気による変色とは、レトルト殺菌処理中に、樹脂層そのものが白く濁ったように変色する現象であり、レトルト白化と呼ばれている。缶外面の意匠性を損なわせるため、消費者の購買意欲を減退させうる大きな問題である。発明者らが鋭意検討した結果、缶体を被覆する樹脂層内に水蒸気が浸透することによって、樹脂層の界面及び界面近傍に液胞が形成され、液胞部で光が散乱することが原因であると考えられている。したがって、特性改善のためには、樹脂層の界面及び界面近傍での液胞形成を抑制することが重要である。すなわち、樹脂中に侵入した水蒸気は、樹脂中を拡散し、金属板との界面まで到達する。レトルト処理の開始直後は、缶内に充填された内容物が常温に近い状態にあるため、缶の外部から内部にかけて温度勾配が生ずる。即ち、樹脂中を拡散する水蒸気は、金属板に近づくにつれて冷却されることになり、該界面及び界面近傍で液化し、凝縮水となって液胞を形成する。液胞がレトルト処理後も界面及び界面近傍に残留することで、光の散乱を招き、樹脂表面が白濁してみえることとなる。したがって、レトルト白化を抑制するためには、界面及び界面近傍における液胞の形成を抑止すればよい。
一方、レトルト処理装置には、上記のように加熱媒体として水蒸気を用いるもの以外に、熱水を加熱媒体として用いるレトルト装置がある。熱水を加熱媒体として用いるレトルト装置の場合、水蒸気による変色とは異なったメカニズムで、樹脂層そのものが変色し意匠性が劣化するという問題が発生する。これは、レトルト処理の初期段階において、ポリエステル分子鎖の架橋反応が十分に進行していない場合、樹脂層内に浸透した水が、ポリエステルのカルボニル末端基を触媒としてポリエステル分子鎖の加水分解反応を促すことで、樹脂層内に大きな液胞が形成されることが原因であると考えられている。
本発明者らが上記2種類の変色現象を鋭意検討した結果、金属アルコキシド系化合物及び/または金属キレート化合物として、チタンアルコキシド系化合物及び/またはチタンキレート系化合物を用いた場合、チタンアルコキシド系化合物及び/またはチタンキレート系化合物と、ポリエステル樹脂の架橋反応によるポリエステル分子鎖のネットワークを、熱融着ラミネート段階で十分に形成させることが可能となり、この結果、最も効果的に双方の変色現象を抑制できることがわかった。ポリエステル分子鎖のネットワークが水蒸気及び熱水が樹脂内へ浸透し界面に到達するのを抑制するとともに、樹脂強度及び弾性率が上昇することで液胞の形成及び成長を抑制することができたと考えられる。また、分子鎖ネットワーク形成に伴うカルボニル末端基量の減少により、急激な加水分解反応も抑制される。よって、金属アルコキシド系化合物及び/または金属キレート化合物は、チタンアルコキシド系化合物及び/またはチタンキレート化合物を用いるのが好ましい。
金属アルコキシド系化合物及び/または金属キレート化合物の添加量としては、0.01〜10mass%の範囲が好適である。0.01mass%未満であると、期待した速硬化性等の効果が得られず、逆に10mass%を超えると、樹脂皮膜が硬くなり、加工性が劣るようになるのに加え、コーティング液作製時にゲル化を引き起こす場合がある。より好ましくは、0.1〜7mass%の範囲である。
着色剤
更に、該ポリエステル樹脂中に、染料、顔料などの着色剤を添加することで、下地の金属板を隠蔽し、樹脂独自の多様な色調を付与できる。例えば、黒色顔料として、カーボンブラックを添加することで、下地の金属色を隠蔽するとともに、黒色のもつ高級感を食品缶詰に付与することができる。なお、本願において、着色剤を、樹脂層(b1)中に添加する場合は、外割(樹脂性能に関わる、ポリエステル樹脂、(イ)〜(ホ)等の成分の合計を100質量部としたときの着色剤の質量部(PHR))で示した。すなわち、カーボンブラックの添加量は、5PHR以上40PHR以下が望ましい。5PHR未満では黒色度が不十分であるとともに下地金属の色調が隠蔽できず、高級感のある意匠性を付与できない。一方、40PHR超としても、黒色度は変化しないため意匠性の改善効果は得られないばかりか、該ポリエステル樹脂の構造が脆弱となるため、製缶加工時に樹脂層が容易に破壊してしまう。
カーボンブラックの粒子径としては、5〜50nmの範囲のものが好ましいが、ポリエステル樹脂中での分散性や発色性を考慮すると、5〜30nmの範囲がさらに好適である。
黒色顔料以外にも、白色顔料を添加することで下地の金属光沢を隠蔽するとともに、印刷面を鮮映化することができ、良好な外観を得ることができる。添加する顔料としては、容器成形後に優れた意匠性を発揮できることが必要であり、係る観点からは、二酸化チタンなどの無機系顔料を使用できる。着色力が強く、展延性にも富むため、容器成形後も良好な意匠性を確保できるので好適である。二酸化チタンの添加量としては、対象樹脂層に対して、5〜40PHRであることが望ましい。5PHR以上であれば、充分な白色度が得られ、良好な意匠性が確保できる。一方、40PHRを超えて添加しても、白色度が飽和するため、経済上の理由で40PHR以下とすることが望ましい。より好ましくは、10〜30PHRの範囲である。
容器表面に光輝色を望む場合には、アゾ系顔料の使用も好適である。透明性に優れながら着色力が強く、展延性に富むため、容器成形後も光輝色のある外観が得られる。本発明で使用できるアゾ系顔料を例示すれば、カラーインデックス(略称:C.I.)が、ピグメントイエロー12、13、14、16、17、55、81、83、139、180、181のうちの少なくとも1種類を挙げることができる。特に、色調(光輝色)の鮮映性、レトルト殺菌処理環境での耐ブリーディング性(顔料がフィルム表面に析出する現象に対する抑制能)などの観点から、分子量が大きく、PET樹脂への溶解性が乏しい顔料が望ましい。例えば、分子量が700以上の、ベンズイミダゾロン構造を有するC.I.ピグメントイエロー180がより好ましく用いられる。
アゾ系顔料の添加量は、対象樹脂層に対して、10〜40PHRとすることが望ましい。添加量が10PHR以上であれば、発色に優れるので好適である。40PHR以下の方が、透明度が高くなり光輝性に富んだ色調となるためである。
硬化触媒
樹脂層(b1)には、前記の成分(イ)〜(ホ)および着色剤に加えて、架橋を促進させる硬化触媒を添加することができる。例えば、リン酸等の無機酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸およびこれらをアミン等でブロックしたものを使用することができる。硬化触媒の配合比率は、樹脂層(b1)を構成する樹脂層の全固形分中で、0.01〜5mass%が好ましい。
また、樹脂層(b1)には、従来公知の滑剤、消泡剤、レベリング剤、顔料、シリカ等のアンチブロッキング剤等を添加することが可能である。また、硬化補助剤として、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、イソシアネート樹脂等の他の硬化剤を併用しても良く、これらはフィルムの乾燥条件、ラミネート条件により適切なものを併用することが可能である。
樹脂層(b1)の付着量(全配合成分の付着量)は、0.1〜5.0g/m、好ましくは0.5〜2.5g/mが望ましい。付着量が0.1g/m未満では、金属板表面を均一に被覆することができず、膜厚が不均一になる恐れがある。また、改質剤を添加した場合は、改質剤の付着量が変動することとなり、安定した機能を得ることができなくなる場合がある。一方、付着量が5.0g/m超では、樹脂の凝集力が不十分となって、樹脂層(b1)の強度が低下してしまう場合がある。その結果、製缶加工時に樹脂層が凝集破壊してフィルムが剥離し、そこを起点に缶胴部が断裂してしまう場合がある。
次に、樹脂層(B)を構成するポリエステルフィルム(b2)について説明する。
本発明で使用する、樹脂層(b1)の上層のポリエステルフィルム(b2)は、レトルト後の味特性を良好とする点、製缶工程での摩耗粉の発生を抑制する点で、エチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とすることが望ましい。エチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルとは、ポリエステルの93mass%以上がエチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレートを構成成分とするニ軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。さらに好ましくは95mass%以上であると金属缶に飲料を長期充填しても味特性が良好であるので望ましい。一方、味特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、グリコール成分を共重合してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。
一方、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の指環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、芳香族グリコールのビスフェノールAは、内分泌撹乱作用が懸念されているため、グリコール成分として使用しないことが望ましい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
ポリエステルフィルム(b2)には、成形性および密着性の向上を目的として粒子を添加してもよい。この粒子は、組成的には有機、無機を問わず特に制限されるものではないが、耐摩耗性、加工性、味特性等の点から体積平均粒子径0.005〜5.0μmであることが必要であり、特に0.01〜3.0μmであることが好ましい。また、耐摩耗性等の点から、下記に示される相対標準偏差が0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。粒子の長径/短径比としては、1.0〜1.2であることが好ましい。モース硬度としては、突起硬さ、耐摩耗性などの点から7未満であることが好ましい。また、これらの効果を十分に発現させるには、該粒子を0.005〜10mass%含有することが好ましい。
具体的には、無機粒子としては、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等が挙げられるが、中でも、粒子表面の官能基とポリエステルとが反応してカルボン酸金属塩を生成するものが好ましく、具体的には、粒子1gに対し、10−5mol以上有するものが、ポリエステルとの親和性、耐摩耗性などの点で好ましく、さらには2×10−5mol以上であることが好ましい。
また有機粒子としては、さまざまな有機高分子粒子を用いることができるが、その種類としては、少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の粒子であればいかなる組成の粒子でも構わない。また、このような粒子の素材としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメチルメタクリレート、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂などの種々のものを使用することができるが、耐熱性が高く、かつ粒度分布の均一な粒子が得られやすいビニル系架橋高分子粒子が特に好ましい。
このような無機粒子および有機高分子粒子は、単独で用いても構わないが、2種以上を併用して用いることが好ましく、粒度分布、粒子強度など物性の異なる粒子を組み合わせることにより、さらに機能性の高いポリエステル樹脂を得ることができる。
また、本発明の効果を妨げない範囲において、他の粒子、例えば各種不定形の外部添加型粒子、及び内部析出型粒子、あるいは各種表面処理剤を用いても構わない。
更に、該ポリエステルフィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムであると、耐熱性・味特性の観点から、好ましい。二軸延伸の方法としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれであってもよいが、延伸条件、熱処理条件を特定化し、フィルムの厚さ方向の屈折率が1.50以上であることが、ラミネート性、成形性を良好とする点で好ましい。さらに厚さ方向屈折率が1.51以上、特に1.52以上であると、ラミネート時に多少のばらつきがあっても成形性、耐衝撃性を両立させる上で面配向係数を特定の範囲に制御することが可能となるので好ましい。
また、該二軸延伸ポリエステルフィルムは、製缶工程で絞り成形後に200〜230℃程度の熱履歴を受けた後にネック部を加工する際の加工性、耐衝撃性の点で固体高分解能NMRによる構造解析におけるカルボニル部の緩和時間が270msec以上であることが好ましい。さらに好ましくは、280msec以上、特に好ましくは300msec以上である。本発明の効果を妨げない範囲において、他の粒子、例えば各種不定形の外部添加粒子、及び内部析出型粒子、あるいは各種表面処理剤を用いても構わない。
本発明で用いるポリエステルを主成分とする樹脂層(b1)と、ポリエステルフィルム(b2)の厚さとしては、全体として5μm以上、100μm以下であることが望ましく、更に8μm以上50μm以下、特に10μm以上25μm以下の範囲であることが望ましい。樹脂層(b1)および(b2)それぞれの好ましい厚みは、特に限定するものではないが、樹脂層(b1)の好ましい厚みは、好ましい付着量(0.1〜5.0g/m)に比重をかければわかる。すなわち、樹脂は比重が1程度の場合が多いので、その場合は、0.1μm〜5.0μmが好ましく、着色剤等を添加して比重が変化した場合は、その物質の比重と配合比率を勘案して算出した膜厚が好ましいことになる。樹脂層(b2)の好ましい膜厚範囲は、樹脂層(b1)の膜厚を差し引けばよく、樹脂層(b2)の膜厚下限値も特に定めるものではないが、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がさらに好ましい。
次に、本発明の容器用樹脂被覆金属板の製造方法について説明する。
第一に、金属板の表面に、ストライク金属めっきを行う。例えば、板厚0.25mmのアルミキルド鋼に対し、常法により脱脂、酸洗を行い、Niめっきの場合であれば、ウッド浴を用いて、ストライク金属めっきを行う。めっき条件としては、浴温度25±3℃、電流密度0.5〜60A/dmの範囲であり、Ni2+濃度としては、10〜60g/lの範囲が好適である。
続いて、ストライク金属めっき層と密着するポリエステル樹脂層(b1)を、ストライク金属めっき層上に形成し、その後、ポリエステルフィルム(b2)を形成してもよいが、予め、ポリエステルフィルム(b2)成膜時もしくは成膜後に、ポリエステルフィルム(b2)表面にポリエステル樹脂層(b1)を形成させてから、ポリエステルフィルム(b2)+ポリエステル樹脂層(b1)のフィルムをポリエステル樹脂層(b1)側がストライク金属めっき層上になるように形成する方法が好ましい。
ここでは、予め、ポリエステルフィルム(b2)の表面にポリエステル樹脂層(b1)を形成する方法について述べる。まず、ポリエステル樹脂を、有機溶剤中に溶解させコーティング液とする。
ポリエステル樹脂を溶解させるための有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン溶剤、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤などを挙げることができ、これらの1種以上を適宜選定して使用することができる。
また、本発明で規定するポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂や、導電性ポリマー、ドーパント、更には必要に応じて添加されるエポキシ樹脂、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、着色剤(カーボンブラック、アゾ系顔料など)などの添加剤も、有機溶剤中に溶解または分散させて使用することができる。この際、分散剤を併用すると、添加剤の均一性が付与できるため好適である。
樹脂層(b1)用のコーティング液をポリエステルフィルム(b2)に塗布する方法としては、ロールコーター方式、ダイコーター方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗布方式など、既知の塗装手段が適用できるが、グラビアロールコート法が最も好適である。コーティング液塗布後の乾燥条件としては、80℃〜170℃で20〜180秒間、特に80℃〜120℃で60〜120秒間が好ましい。
以上のようにして樹脂層(b1)を形成したポリエステルフィルム(b2)を、その樹脂層(b1)が密着層となるようにストライク金属めっき層を有する金属板表面にラミネートする方法としては、例えば、金属板をフィルムの融点を超える温度で加熱し、その表面に樹脂層(b1)が接するように、樹脂層(b1)を形成したポリエステルフィルム(b2)を圧着ロール(以後ラミネートロールと称す)を用いて接触させ熱融着させる方法を用いることができる。
ラミネート条件については、適宜設定すればよく、例えば、ラミネート開始時の温度を少なくともフィルムの融点以上とし、ラミネート時にフィルムの受ける温度履歴として、フィルムの融点以上の温度で接している時間を1〜20msecの範囲とすることが好適である。このようなラミネート条件を達成するためには、高速でのラミネートに加えて、融着中の冷却も行えばよい。ラミネート時の加圧は特に規定するものではないが、面圧として9.8〜294N/cm(1〜30kgf/cm)が好ましい。この値が低すぎると、樹脂界面の到達する温度が融点以上であっても時間が短時間であるため溶融が不十分であり、十分な密着性を得難い。また、加圧が大きいとラミネート金属板の性能上は不都合がないものの、ラミネートロールにかかる力が大きく設備的な強度が必要となり装置の大型化を招くため不経済である。
以下、本発明の実施例について説明する。
金属板の製造
金属板としては、アルミキルド鋼板を用いた。冷間圧延後、焼鈍、調質圧延を施した冷延鋼板(板厚0.18mm、板幅977mm)を、脱脂、酸洗後、表1および表3に示す条件でストライク金属めっきを行った。ストライクニッケルめっきについては、ウッド浴を用い、電流密度1〜20A/dmの範囲で変化させ、めっき付着量の異なるストライクニッケルめっき鋼板を作製した。ストライク銅めっきについては、シアン浴(シアン化銅化合物を50g/l〜200g/lの範囲で含有)を用い、電流密度5〜20A/dmの範囲で変化させ、めっき付着量の異なるストライク銅めっき鋼板を作製した。なお、一部の比較例に用いる鋼板については、ストライク金属めっきを行わなかった。
缶内面側の樹脂被覆用フィルムの製造
酸成分とジカルボン酸成分を、表2に示す比率にて重合したポリエステル樹脂を乾燥、溶融、押し出し、冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して、二軸配向ポリエステルフィルム(b2)を得た。
続いて、表1に示す各ポリエステル樹脂、ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂、導電性ポリマー、ドーパント、エポキシ樹脂、金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート化合物などの各種添加剤を、表1に示す比にてトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒中に溶解して樹脂層(b1)用のコーティング液を作製した。
ここで、ジフェノール酸に由来する繰り返し単位を含むポリエステル樹脂(1)の合成例を示す。酸成分として、テレフタル酸50質量部、イソフタル酸112質量部、ジフェノール酸、4.9質量部、多価アルコール成分として2−エチル−2−ブチル−1、3−ブタンジオール50質量部、1、4−ブタンジオール99質量部、1、4−シクロヘキサンジメタノール48質量部、チタンテトラブトキシド0.07質量部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合を行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行った。ついで減圧重合を止めて、窒素気流下で220℃まで冷却し、無水トリメリット酸1.9質量部を添加し、220℃で30分攪拌しカルボキシ基変性(後付加)を行った後、樹脂を取り出し数平均分子量22000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度30℃のポリエステル樹脂(1)を得た。この後、60℃以下まで冷却し、メチルエチルケトン/トルエン=50/50の混合溶液で希釈し、不揮発分40%のポリエステル樹脂(1)溶液を得た。
ポリエステル樹脂(2)については、例えば市販のポリエステル樹脂であるバイロンGK−250(数平均分子量:10000、ガラス転移温度:60℃、東洋紡績製)を用いることができる。メチルエチルケトン/トルエン=50/50の混合溶剤中に、バイロンGK−250を混合させ、不揮発分40%のポリエステル樹脂(2)溶液を得た。
ポリエステル樹脂(3)については、例えば市販のポリエステル樹脂であるバイロンGK−640(数平均分子量:18000、ガラス転移温度:79℃、東洋紡績製)を用いることができる。メチルエチルケトン/トルエン=50/50の混合溶剤中に、バイロンGK−250を混合させ、不揮発分40%のポリエステル樹脂(3)溶液を得た。
また、ポリアミン樹脂としては、市販品のEPICRON EXB−353(DIC(株)製)を用いた。ポリアミドアミン樹脂としては、市販品のSUNMIDE328A(エアープロダクツジャパン製、有効成分100%)を用いた。ポリアミド樹脂としては、市販品のポリマイドL−15−3(三洋化成製)を用いた。
導電性ポリマーとしては、市販の有機溶剤可溶性ポリピロール(化研産業(株)製)、3−メチル4−ピロールカルボン酸エチル(和光純薬工業(株)製)、PAS(ポリアニリンスルホン酸、化研産業(株)製)、エチレンジオキシチオフェン(ポリチオフェン、化研産業(株)製)、ポリアニリン(化研産業(株)製)、ポリイソチアナフテン(和光純薬工業(株)製)をそれぞれ用いた。
ドーパントとしては、市販のp−トルエンスルホン酸、(東京化成工業(株)製)、リン酸(和光純薬工業(株)製)、リンモリブデン酸(和光純薬工業(株)製)、メタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)、ポリリン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を用いた。
エポキシ樹脂としては、市販のエピクロンN−660(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、50%メチルエチルケトン溶液、DIC(株)製)と、市販のYL6121H(ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)を用いた。
金属キレート化合物としては、市販のTC−200(チタンオクチレングリコールキレート、マツモトファインケミカル(株))などを用い、金属アルコキシド化合物としては、市販のZA−65(ジルコニウムブトキシド、マツモトファインケミカル(株))を用いた。
この液をポリエステルフィルムの片側の面に、グラビアロールコーターで塗布・乾燥し、乾燥後の樹脂層の付着量を調整した。乾燥温度は、80〜120℃の範囲とした。
缶外面側の樹脂被覆用フィルムの製造
表4に示す酸成分とグリコール成分を表4に示す比率にて重合したポリエステル樹脂に、表4に示す粒子を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物を常法に従い、乾燥、溶融、押し出して、冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して、二軸配向ポリエステルフィルム(b2)を得た。
次いで、表3に示す各ポリエステル樹脂、ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂、導電性ポリマー、ドーパント、エポキシ樹脂、金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート化合物および着色剤を、表3に示す比にてトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒中に溶解して溶解して樹脂層(b1)用のコーティング液を作製した。
ここで、ジフェノール酸に由来する繰り返し単位を含有したポリエステル樹脂(1)の合成例を示す。酸成分として、テレフタル酸50質量部、イソフタル酸112質量部、ジフェノール酸、4.9質量部、多価アルコール成分として2−エチル−2−ブチル−1、3−ブタンジオール50質量部、1、4−ブタンジオール99質量部、1、4−シクロヘキサンジメタノール48質量部、チタンテトラブトキシド0.07質量部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合を行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行った。ついで減圧重合を止めて、窒素気流下で220℃まで冷却し、無水トリメリット酸1.9質量部を添加し、220℃で30分攪拌しカルボキシ基変性(後付加)を行った後、樹脂を取り出し数平均分子量22000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度30℃のポリエステル樹脂(1)を得た。この後、60℃以下まで冷却し、メチルエチルケトン/トルエン=50/50の混合溶液で希釈し、不揮発分40%のポリエステル樹脂(1)溶液を得た。
ポリエステル樹脂(2)については、例えば市販のポリエステル樹脂であるバイロンGK−250(数平均分子量:10000、ガラス転移温度:60℃、東洋紡績製)を用いることができる。メチルエチルケトン/トルエン=50/50の混合溶剤中に、バイロンGK−250を混合させ、不揮発分40%のポリエステル樹脂(2)溶液を得た。
ポリエステル樹脂(3)については、例えば市販のポリエステル樹脂であるバイロンGK−640(数平均分子量:18000、ガラス転移温度:79℃、東洋紡績製)を用いることができる。メチルエチルケトン/トルエン=50/50の混合溶剤中に、バイロンGK−250を混合させ、不揮発分40%のポリエステル樹脂(3)溶液を得た。
また、ポリアミン樹脂としては、市販品のEPICRON EXB−353(DIC(株)製)を用いた。ポリアミドアミン樹脂としては、市販品のSUNMIDE328A(エアープロダクツジャパン製、有効成分100%)を用いた。ポリアミド樹脂としては、市販品のポリマイドL−15−3(三洋化成製)を用いた。
導電性ポリマーとしては、市販の有機溶剤可溶性ポリピロール(化研産業(株)製)3−メチル4−ピロールカルボン酸エチル(和光純薬工業(株)製)、PAS(ポリアニリンスルホン酸、化研産業(株)製)、エチレンジオキシチオフェン(ポリチオフェン、化研産業(株)製)、ポリアニリン(化研産業(株)製)、ポリイソチアナフテン(和光純薬工業(株)製)をそれぞれ用いた。
ドーパントとしては、市販のp−トルエンスルホン酸(東京化成工業(株)製)、リン酸(和光純薬工業(株)製)、リンモリブデン酸(和光純薬工業(株)製)、メタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)、ポリリン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を用いた。
エポキシ樹脂としては、市販のエピクロンN−660(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、50%メチルエチルケトン溶液、DIC(株)製)と、市販のYL6121H(ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)を用いた。
金属キレート化合物としては、市販のTC−200(チタンオクチレングリコールキレート、マツモトファインケミカル(株))などを用い、金属アルコキシド化合物としては、市販のZA−65(ジルコニウムブトキシド、マツモトファインケミカル(株))を用いた。
この液をポリエステルフィルムの片側の面に、グラビアロールコーターで塗布・乾燥し、乾燥後の樹脂層の付着量を調整した。乾燥温度は、80〜120℃の範囲とした。
容器用樹脂被覆金属板の製造
続いて、図1に示す金属帯のラミネート装置を用い、前記で得られたストライク金属めっき鋼板1を金属帯加熱装置2で加熱し、ラミネートロール3でストライク金属めっき鋼帯1の一方の面に、容器成形後に容器内面側になる樹脂被覆層を示すフィルム4aをラミネート(熱融着)し、他方の面に、容器成形後に容器外面側となる樹脂被覆層を示すフィルム4bをラミネート(熱融着)した。その後、金属帯冷却装置5にて水冷を行い、容器用樹脂被覆金属板を製造した。図2に、容器用樹脂被覆金属板の断面構造を示す。
ラミネートロール3は内部水冷式とし、ラミネート中に冷却水を強制循環し、フィルム接着中の冷却を行った。樹脂フィルムを金属板にラミネートする際に、金属板に接する界面のフィルム温度がフィルムの融点以上になる時間を1〜20msecの範囲内にした。
容器用樹脂被覆金属板の評価
以上の方法で得られた樹脂被覆金属板及び金属板上に有する樹脂層の特性について、下記の(1)〜(7)の方法によりそれぞれ測定、評価した。
(1)成形性
ポリエステルフィルムをラミネートした金属板にワックスを塗布後、直径200mmの円板を打ち抜き、絞り比2.00で浅絞り缶を得た。次いで、この絞り缶に対し、絞り比2.20で再絞り加工を行った。この後、常法に従いドーミング成形を行った後、トリミングし、次いでネックイン−フランジ加工を施し深絞り缶を成形した。このようにして得た深絞り缶のネックイン部に着目し、フィルムの損傷程度を目視観察した。評価対象は、缶の内外面である。
(評点について)
◎:成形後フィルムに損傷が認められない状態
○:成形後フィルムに損傷が認められないが、部分的に白化が認められる状態
△:成形可能であるが、部分的にフィルム損傷が認められる状態
×:缶が破胴し、成形不可能
(2)耐レトルト白化性
上記(1)の成形性評価で成形可能(○以上)であった缶の、底部(缶外面側)を対象とした。缶内に常温の水道水を満たした後、蓋を巻き締めて密閉した。その後、缶底部を下向きにして、蒸気式レトルト殺菌炉の中に配置し、125℃で90分間、レトルト処理を行った。処理後、缶底部外面の外観変化を目視で観察した。
(評点について)
◎:外観変化なし
○:外観にかすかな曇り発生
×:外観が白濁(白化発生)
(3)耐熱水変色性
上記(1)の成形性評価で成形可能(○以上)であった缶の、底部(缶外面側)を対象とした。缶内に常温の水道水を満たした後、蓋を巻き締めて密閉した。その後、缶底部を下向きにして、熱水式レトルト殺菌炉の中に配置し、125℃で90分間、レトルト処理を行った。処理後、缶底部外面の外観変化を目視で観察した。
(評点について)
◎:外観変化なし
○:外観がわずかに変化(変色発生)
×:外観が変化(顕著な変色が発生)
(4)成形後密着性1
上記(1)の成形性評価で成形可能(○以上)であった缶を対象とした。缶胴部よりピール試験用のサンプル(幅15mm、長さ120mm)を切り出した。切り出したサンプルの長辺側端部からフィルムの一部を剥離する。剥離したフィルムを、剥離された方向とは逆方向(角度:180°)に開き、引張試験機を用いて、引張速度30mm/min.でピール試験を行い、幅15mmあたりの密着力を評価した。評価対象は、缶外面の缶胴部である。
(評点)
◎:10.0(N)/15(mm)以上
○:5.0(N)/15(mm)以上、10.0(N)/15(mm)未満
×:5.0(N)/15(mm)未満
(5)成形後密着性2
上記(1)の成形性評価で成形可能(○以上)であった缶を対象とした。缶の内部に水道水を充填した後、蓋を巻き締めて密閉した。続いて、レトルト殺菌処理を130℃、90分間の条件で実施し、缶胴部よりピール試験用のサンプル(幅15mm、長さ120mm)を切り出した。切り出したサンプルの長辺側端部からフィルムの一部を剥離する。剥離したフィルムを、剥離された方向とは逆方向(角度:180°)に開き、引張試験機を用いて、引張速度30mm/min.でピール試験を行い、幅15mmあたりの密着力を評価した。評価対象は、缶内面の缶胴部である。
(評点)
◎:10.0(N)/15(mm)以上
○:5.0(N)/15(mm)以上、10.0(N)/15(mm)未満
×:5.0(N)/15(mm)未満
(6)傷部耐食性評価1
上記(1)の成形性評価で成形可能(○以上)であった缶を対象とした。図3に示すように、缶外面の缶胴部2箇所に、下地鋼板に達するクロスカット傷を入れる。続いて、クロスカット傷を付与した缶に対し、JISZ2371に準拠した塩水噴霧テストを240時間行い、傷部からの片側最大腐食幅を測定した。測定方法を図4に示す。
(評点について)
◎:片側最大腐食幅0.5mm未満
○:片側最大腐食幅0.5mm以上〜1.0mm未満
×:片側最大腐食幅1.0mm以上
(7)傷部耐食性評価2
上記(1)の成形性評価で成形可能(○以上)であった缶を対象とした。図3に示すように、缶内面の缶胴部2箇所に、下地鋼板に達するクロスカット傷を入れる。続いて、缶の内部に、15%NaCl+15%クエン酸ナトリウム混合液を充填した後、蓋を巻き締めて密閉した。続いて、レトルト殺菌処理を130℃、90分間の条件で実施した後、温度38℃の恒温槽内で、10日間経時させた。その後、缶を切り開き、クロスカット傷部からの片側最大腐食幅を測定した。
(評点について)
◎:片側最大腐食幅1.0mm未満
○:片側最大腐食幅1.0mm以上〜3.0mm未満
×:片側最大腐食幅3.0mm以上
表5、表6より、本発明範囲の発明例は、容器用素材に要求される成形性、成形後密着性、傷部耐食性について、良好な性能を有することがわかる。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、いずれかの特性が劣っている。
食品缶詰の缶胴及び蓋等を中心に、世界のあらゆる市場で使用可能な、容器用途素材・包装用途素材である。
1 金属板(ストライク金属めっき鋼板)
2 金属帯加熱装置
3 ラミネートロール
4a、4b フィルム
5 金属帯冷却装置

Claims (8)

  1. アルミキルド鋼の少なくとも片面に、めっき付着量0.1〜3.0g/mのストライク金属めっき層(A)を有し、その上層に複層構造の樹脂層(B)を有し、該樹脂層(B)は、ストライク金属めっき層(A)と密着するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層(b1)と、その上層のポリエステルフィルム(b2)とからなる容器用樹脂被覆金属板であって、前記樹脂層(b1)が下記(イ)〜(ハ)の成分を含有することを特徴とする容器用樹脂被覆金属板。
    (イ)ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれるいずれか一種:0.1〜30mass%
    (ロ)導電性ポリマー:0.1〜30mass%
    (ハ)ドーパント:0.01〜1.0mass%
  2. 前記樹脂層(b1)の付着量が、0.1g/m以上5.0g/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  3. 前記ストライク金属めっき層(A)が、ニッケルめっき層であることを特徴とする請求項1または2に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  4. 前記樹脂層(b1)は、さらに、(ニ)エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  5. 前記樹脂層(b1)は、さらに、(ホ)金属アルコキシド系化合物および/または金属キレート化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  6. 前記(ロ)導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジオキシチオフェン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン及びこれらの誘導体、及びこれらの単量体の共重合物から選ばれた一種または二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  7. 前記(ハ)ドーパントが、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸から選ばれた一種または二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
  8. 前記ポリエステルフィルム(b2)が、ポリエステルの構成単位の93mass%以上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレンナフタレート単位であるニ軸延伸ポリエステルフィルムであり、該ニ軸延伸ポリエステルフィルムは、無機粒子および/または有機粒子を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器用樹脂被覆金属板。
JP2012242291A 2012-11-02 2012-11-02 容器用樹脂被覆金属板 Active JP6051784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012242291A JP6051784B2 (ja) 2012-11-02 2012-11-02 容器用樹脂被覆金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012242291A JP6051784B2 (ja) 2012-11-02 2012-11-02 容器用樹脂被覆金属板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014091244A JP2014091244A (ja) 2014-05-19
JP6051784B2 true JP6051784B2 (ja) 2016-12-27

Family

ID=50935689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012242291A Active JP6051784B2 (ja) 2012-11-02 2012-11-02 容器用樹脂被覆金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6051784B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3339159B2 (ja) * 1994-01-21 2002-10-28 東レ株式会社 金属板ラミネート用ポリエステルフイルム
JPH11235784A (ja) * 1998-02-20 1999-08-31 Ueno Hiroshi 樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋
JP4551786B2 (ja) * 2004-02-17 2010-09-29 株式会社神戸製鋼所 加工性、溶接性および耐食性に優れた樹脂被覆金属板、並びに該樹脂被覆金属板を用いた加工品とその製法
JP4603435B2 (ja) * 2005-07-12 2010-12-22 日新製鋼株式会社 有機樹脂被覆鋼板
JP2007245392A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Toyobo Co Ltd 金属板ラミネート用フィルム
JP5099043B2 (ja) * 2009-02-26 2012-12-12 Jfeスチール株式会社 容器用樹脂被覆金属板
BRPI1014581A2 (pt) * 2009-04-13 2016-04-26 Grace W R & Co revestimento resistente a processo de ph alto para recipientes de alimentação de metal
JP5549186B2 (ja) * 2009-11-10 2014-07-16 Jfeスチール株式会社 容器用樹脂被覆金属板
JP5671863B2 (ja) * 2010-07-28 2015-02-18 Jfeスチール株式会社 容器用樹脂被覆金属板
JP5874273B2 (ja) * 2011-09-28 2016-03-02 Jfeスチール株式会社 容器用樹脂被覆金属板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014091244A (ja) 2014-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5541420B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP6030061B2 (ja) 樹脂組成物
JP5605057B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5099043B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5407414B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5821473B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5772452B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5407419B2 (ja) 傷部耐食性に優れる容器用樹脂被覆金属板
JP5874273B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5407421B2 (ja) 傷部耐食性に優れる容器用樹脂被覆金属板
JP5737416B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP6051784B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5407420B2 (ja) 傷部耐食性に優れる容器用樹脂被覆金属板
JP5549186B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5454384B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5262836B2 (ja) 傷部耐食性に優れる容器用樹脂被覆金属板
JP5446688B2 (ja) 容器用樹脂被覆鋼板
JP5962369B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5605011B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP5446680B2 (ja) 容器用樹脂被覆鋼板
JP6003852B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板
JP6056733B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6051784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250