JP4946981B2 - 容器用ポリエステル樹脂被覆金属板 - Google Patents
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Description
そこで、これらの問題を解決するため、塗装鋼板に替わり、熱可塑性樹脂フィルムを加熱した金属板に積層してなるフィルムラミネート金属板が開発され、現在、食品缶詰用素材として工業的に用いられている。
フィルムラミネート金属板を多機能化する方法としては、(1)フィルム内に、付加したい機能を有する改質剤を加え、フィルムそのものを多機能化する方法、(2)フィルムは改質せず、フィルム表面に、付加したい機能を有する改質剤もしくは改質剤を含む樹脂を、コーティングする方法、のいずれかが選択される。
一方、上記(2)のフィルムの表面に、改質剤を含む樹脂をコーティングする方法は、付加機能の変更が容易であるため、食品缶詰の多様なニーズに対応できる。改質剤を含むコーティング液の入ったタンクを、洗浄・交換することで、すばやく機能変更に対応できるからである。
しかしながら、エポキシ樹脂は、反応性に富み、金属板との密着性に優れるものの、深絞り成形性が劣るという欠点があるため、2ピース缶用素材として使用可能なフィルムを得ることはできない。特許文献1の樹脂被覆金属板を深絞り缶(DRD缶)に成形しようとしても、缶高さ方向の伸び変形にエポキシ樹脂が追随することができず素材の変形を拘束してしまい、絞り工程で素材が破断してしまう。
容器用ポリエステル樹脂被覆金属板の、容器成形した後の容器外面側となる樹脂層に着目した。この容器外面側となる樹脂層を複層構造とし、最上層を形成するポリエステル樹脂層にブロックフリーイソシアネート化合物およびアルキレンビス脂肪酸アミドを含有させることで、優れた加工性、密着性などの基本特性に加え、レトルト処理環境下での、オリゴマーの析出による白粉現象の抑制等の意匠性に関わる性能等、多くの機能を有する容器用ポリエステル樹脂被覆金属板を得ることができる。
[1]ポリエステルを主成分とする樹脂層を両面に有する容器用樹脂被覆金属板であって、該金属板を容器成形した後に容器外面側になる樹脂層は、複層構造のポリエステル樹脂層からなり、該ポリエステル樹脂層の最上層を形成するポリエステル樹脂層は、ブロックフリーイソシアネート化合物およびアルキレンビス脂肪酸アミドを含有することを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
[2]前記[1]において、前記最上層を形成するポリエステル樹脂層の膜厚が、0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
[3]前記[1]または[2]において、前記ブロックフリーイソシアネート化合物中に含まれるNCO基のモル数は、前記最上層を形成するポリエステル樹脂層に含まれるOH基のモル数の1.0倍以上15.0倍以下であることを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、前記アルキレンビス脂肪酸アミドを、前記最上層を形成するポリエステル樹脂層に対し、1質量%〜10質量%を含有することを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかにおいて、前記アルキレンビス脂肪酸アミドが、エチレンビスステアリン酸アミドであることを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかにおいて、前記最上層を形成するポリエステル樹脂層中に、着色剤を含むことを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかにおいて、金属板の上層に形成される密着層はポリエステルフィルムから形成され、該ポリエステルフィルムは、ポリエステルの構成単位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレンナフタレート単位であり、かつ、面積換算平均粒子径が0.005〜5.0μmで、式(1)に示される相対標準偏差が0.5以下で、粒子の長径/短径比が1.0〜1.2で、モース硬度が7未満である粒子を0.005〜10質量%含有することを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
そして、食品缶詰に要求される多くの機能を容易に付加できる新たな容器用ポリエステル樹脂被覆金属板として、産業上有益な発明である。
まず、本発明で用いる金属板について説明する。
本発明の金属板としては、缶用材料として広く使用されているアルミニウム板や軟鋼板等を用いることができる。特に、下層が金属クロム、上層がクロム水酸化物からなる二層皮膜を形成させた表面処理鋼板(以下、TFSと称す)等が最適である。
TFSの金属クロム層、クロム水酸化物層の付着量については、特に限定されないが、加工後密着性、耐食性の観点から、何れもCr換算で、金属クロム層は70〜200mg/m2、クロム水酸化物層は10〜30mg/m2の範囲とすることが望ましい。
まず、金属板を容器成形した後に容器外面側になる樹脂層について説明する。
容器外面側になる樹脂層は、複層構造のポリエステル樹脂層からなる。そして、ポリエステル樹脂層の最上層を形成するポリエステル樹脂層は、ブロックフリーイソシアネート化合物およびアルキレンビス脂肪酸アミドを含有する。
アルキレンビス脂肪酸アミドは、界面活性剤であるため、熱融着法によるラミネートの際、ポリエステル樹脂の熱流動とともに、樹脂の最表面に濃化する。最表面に濃化したアルキレンビス脂肪酸アミドは、疎水基である炭化水素基を外側(空気側)に、親水基を樹脂層の内側に向けて配列する性質がある。これにより、ポリエステル樹脂の表面エネルギーが大幅に低下し、ラミネートロールへの付着を抑制することができる。
また、金属板とのラミネート終了後、ラミネート金属板をポリエステル樹脂のTg以下にクエンチ(急冷)することで、アルキレンビス脂肪酸アミドが樹脂最表面に濃化した状態を維持することができる。これにより、レトルト処理時の白粉現象を抑制することができる。白粉化現象とは、ポリエステル樹脂中に存在する低分子量成分がレトルト時の熱によって樹脂表面に拡散・析出する現象である。析出する低分子量成分は、主にPETの環状三量体であり、結晶化することで、白い粉状の物質となる。これが、容器外面側の樹脂層表面に析出すると、白濁した外観を呈し、意匠性を大きく損なわせる。
アルキレンビス脂肪酸アミドが、ポリエステル樹脂層の表面近傍に濃化することで、ポリエステル分子鎖間の隙間が脂肪酸アミドにより充填される。これにより、PETの低分子量成分(環状三量体)の、樹脂層表面への拡散経路が閉ざされ、析出量が大幅に低減することとなる。ゆえに、アルキレンビス脂肪酸アミドの添加は、白粉減少の抑制に有効なのである。
また、イソシアネート架橋反応により、分子鎖の三次元ネットワークが形成され、白粉化現象の抑制への効果も期待できる。イソシアネート架橋反応による三次元ネットワークは、樹脂表面に拡散しようとするオリゴマーを捕捉する効果があると考えられる。その結果、レトルト処理時にオリゴマーが析出するのを抑制するものと考えられる。
疎水性ポリオール樹脂の添加量は5PHR以上20PHR以下であることが望ましい。5PHR未満では、十分な耐水性を得ることができない。一方、20PHR超となると、ポリエステル樹脂の表面自由エネルギーが過度に低下するため、ポリエステルフィルム及び金属板との密着性が阻害されてしまう場合がある。5PHR以上20PHR以下の範囲に規定することで、耐水性及び密着性の両立が可能となる。更に好ましくは、7PHR以上15PHR以下の範囲である。
また、疎水性を阻害しない範囲で、ポリエステルポリオールを添加することができる。この場合、疎水性ポリオールとして、全ポリオール質量の50%以上の範囲が好適である。ポリエステルポリオールとしては、1、6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール成分と、マレイン酸、アジピン酸、オレイン酸、これらのダイマー酸等のエステルを用いることができる。特に好ましくは、オレイン酸のダイマー酸を用いたポリエステルポリオールである。
カーボンブラックの粒子径としては、5〜50nmの範囲のものを使用できるが、ポリエステル樹脂中での分散性や発色性を考慮すると、5〜30nmの範囲が好適である。
容器表面に光輝色を望む場合には、アゾ系顔料の使用も好適である。透明性に優れながら着色力が強く、展延性に富むため、容器成形後も光輝色のある外観が得られる。本発明で使用できるアゾ系顔料としては、カラーインデックス(C.I.登録の名称)が、ピグメントイエロー12、13、14、16、17、55、81、83、139、180、181のうちの少なくとも1種類を挙げることができる。特に、色調(光輝色)の鮮映性、レトルト殺菌処理環境での耐ブリーディング性(顔料がフィルム表面に析出する現象に対する抑制能)などの観点から、分子量が大きく、PET樹脂への溶解性が乏しい顔料が望ましい。例えば、分子利用が700以上の、ベンズイミダゾロン構造を有するC.I.ピグメントイエロー180がより好ましく用いられる。
アゾ系顔料の添加量は、対象樹脂層に対して、10〜40PHRとすることが望ましい。添加量が10PHR以上であれば、発色に優れるので好適である。40PHR以下の方が、透明度が高くなり光輝性に富んだ色調となる。
一方、上記特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、グリコール成分を共重合してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。
一方、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の指環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
本発明で用いるポリエステルフィルムにおける粒子とは、組成的には有機、無機を問わず特に制限されるものではない。
耐摩耗性、加工性等の点から面積換算平均粒子径は0.005〜5.0μmであることが好ましい。さらに好ましくは0.01〜3.0μmである。
また、耐摩耗性等の点から、下記式(1)に示される相対標準偏差が0.5以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.3以下である。
モース硬度としては、突起硬さ、耐摩耗性などの点から7未満であることが好ましい。
そして、これらの効果を十分に発現させるには、上記からなる粒子を0.005〜10質量%含有することが好ましい。
また、有機粒子としては、さまざまな有機高分子粒子を用いることができるが、その種類としては、少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の粒子であれば、いかなる組成の粒子でも構わない。また、このような粒子の素材としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメチルメタクリレート、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂などを使用することができるが、耐熱性が高く、かつ粒度分布の均一な粒子が得られやすいビニル系架橋高分子粒子が特に好ましい。
また、本発明の効果を妨げない範囲において、他の粒子、例えば各種不定形の外部添加型粒子、及び内部析出型粒子、あるいは各種表面処理剤を添加しても構わない。
一方、味特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、グリコール成分を共重合してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。
一方、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の指環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
本発明の容器用ポリエステル樹脂被覆金属板は、まず、最上層となるポリエステル樹脂層を密着層となるポリエステルフィルムの表面に形成する。次いで、複層構造となったポリエステルフィルムを金属板表面にラミネートする。
本発明に規定するポリエステル樹脂を溶解させるための有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン溶剤、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤などを挙げることができ、これらの1種以上を適宜選定して使用することができる。
また、本発明で規定するブロックフリーイソシアネート化合物や、長鎖アルキル基を側鎖に有する疎水性ポリオール樹脂、着色剤としてカーボンブラック、アゾ系顔料などの添加剤は、有機溶剤中に分散させて使用するのが望ましい。この際、分散剤を併用すると、添加剤の均一性が付与できるため、好適である。
コーティング液をポリエステルフィルムに塗布する方法としては、ロールコーター方式、ダイコーター方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗布方式など、既知の塗装手段が適用できるが、グラビアロールコート法が最も好適である。コーティング液塗布後の乾燥条件としては、80℃〜170℃で20〜180秒間、特に80℃〜120℃で60〜120秒間が好ましい。乾燥後のポリエステル樹脂層の膜厚は、本発明に規定する0.5μm以上3.0μm以下の範囲が好ましい。
ラミネートロールの加圧は、面圧として9.8〜294N/cm2(1〜30kgf/cm2)が望ましい。9.8N/cm2未満の場合、たとえ熱融着開始時の温度がフィルムの融点+5℃以上であって、十分な流動性が確保できていたとしても、金属表面に樹脂を押し広げる力が弱いため十分な被覆性が得られず、結果として密着性、耐食性などの性能に影響を及ぼす可能性がある。また、294N/cm2超となると、ラミネート金属板の性能上は不都合がないものの、ラミネートロールにかかる力が大きく設備的な強度が必要となり装置の大型化を招くため不経済である。よって、ラミネートロールの加圧は、好適には9.8〜294N/cm2である。
まず、金属板の上層を形成する形成するポリエステルフィルムを製造する。ジオール成分とジカルボン酸成分を、表1および表2に示す比率にて重合したポリエステル樹脂を乾燥、溶融、押し出しし、冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂とイソシアネート化合物などの各種添加剤を、表1および表2に示す質量比にてトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒中に溶解してコーティング液を作製した。このコーティング液を前記にて得られたポリエステルフィルムの片側の面に、グラビアロールコーターで用いて塗布・乾燥し、乾燥後の樹脂層の膜厚を調整した。乾燥温度は、80〜120℃の範囲とした。なお、表1は容器内面側となる樹脂層成分を示し、表2では容器外面側となる樹脂層の成分を示す。
ラミネートロール3は内部水冷式とし、ラミネート中に冷却水を強制循環し、フィルム接着中の冷却を行った。樹脂フィルムを金属板にラミネートする際に、金属板に接する界面のフィルム温度がフィルムの融点以上になる時間を1〜20msecの範囲内にした。
粒子をポリエステルに配合し、0.2μmの厚みの超薄片にカッティング後、透過型電子顕微鏡で、少なくとも50個の粒子について観察し粒子径の測定を行なった。相対標準偏差σ、数平均粒子径の計算式は下記の通りである。
ダイアモンド・砥石などで平滑な平面に仕上げた順位にある標準鉱石を用意する。各々の面を合わせ、その間に、粒子を挟んで擦り動かし、下位の基準鉱石にキズがつき、上位の基準鉱石にキズがつかない場合、その粒子の硬さは両基準鉱石の中間にあるものとした。
上述の製法にて作製したポリエステル樹脂被覆金属板にワックスを塗布後、直径200mmの円板を打ち抜き、絞り比2.00で浅絞り缶を得た。次いで、この絞り缶に対し、絞り比2.20で加工し、更に、絞り比2.50となるよう、再度、絞り加工を行った。この後、常法に従いドーミング成形を行った後、トリミングし、次いでネックイン−フランジ加工を施し深絞り缶を成形した。このようにして得た深絞り缶のネックイン部に着目し、樹脂層の損傷程度を目視観察した。
(評点について)
◎:成形後、樹脂層に損傷が認められない状態
○:成形後、樹脂層に損傷が認められないが、部分的に白化が認められる状態
△:成形可能であるが、部分的に樹脂層の損傷が認められる状態
×:缶が破胴し、成形不可能
(4)成形後密着性
上記(3)の成形性評価で成形可能(○以上)であった缶を対象とした。缶の内部に水道水を充填した後、蓋を巻き締めて密閉した。続いて、レトルト殺菌処理を130℃、90分間の条件で実施し、缶胴部よりピール試験用のサンプル(幅15mm、長さ120mm)を切り出した。切り出したサンプルの長辺側端部からフィルムの一部を剥離する。剥離したフィルムを、剥離された方向とは逆方向(角度:180°)に開き、引張試験機を用いて、引張速度30mm/min.でピール試験を行い、幅15mmあたりの密着力を評価した。
(評点)
◎:10.0(N)/15(mm)以上
○:5.0(N)/15(mm)以上、10.0(N)/15(mm)未満
×:5.0(N)/15(mm)未満
(5)耐白粉化性
該樹脂被覆金属板の容器成形後に容器外面側となる面を対象とした。レトルト殺菌炉内に、該樹脂被覆金属板を配置し、125℃、90分間のレトルト処理をおこなった。処理後、該樹脂被覆金属板の表面に析出したオリゴマー量を、以下の方法により測定し、耐白粉化性を評価した。
4×4cmに切断した樹脂被覆金属板の表面を、メタノールを所定量含浸させた脱脂綿により拭き取り、この脱脂綿をアセトニトリル10mlで洗浄した。この洗浄液の一部をフィルターでろ過し、ろ液を逆相高速液体クロマトグラフィーによりエチレンテレフタレートの環状三量体を定量した。
(評点について)
○:環状三量体の析出量が、0.5μg/cm2未満(肉眼では、環状三量体の析出が確認できないレベル)
△:環状三量体の析出量が、0.5μg/cm2以上1.0μg/cm2未満(肉眼で、環状三量体の析出が確認できるレベル)
×:環状三量体の析出量が、1.0μg/cm2以上(環状三量体の析出が顕著で、表面が白粉化)
以上により得られた結果を表3および表4に示す。
2 金属帯加熱装置
3 ラミネートロール
4a、4b フィルム
5 金属帯冷却装置
Claims (7)
- ポリエステルを主成分とする樹脂層を金属板の両面に有する容器用樹脂被覆金属板であって、該金属板を容器成形した後に容器外面側になる樹脂層は、複層構造のポリエステル樹脂層からなり、該ポリエステル樹脂層の最上層を形成するポリエステル樹脂層は、ブロックフリーイソシアネート化合物およびアルキレンビス脂肪酸アミドを含有することを特徴とする容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
- 前記最上層を形成するポリエステル樹脂層の膜厚は、0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
- 前記ブロックフリーイソシアネート化合物中に含まれるNCO基のモル数は、前記最上層を形成するポリエステル樹脂層に含まれるOH基のモル数の1.0倍以上15.0倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
- 前記アルキレンビス脂肪酸アミドを、前記最上層を形成するポリエステル樹脂層に対し、1mass%〜10mass%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
- 前記アルキレンビス脂肪酸アミドが、エチレンビスステアリン酸アミドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
- 前記最上層を形成するポリエステル樹脂層中に、着色剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器用ポリエステル樹脂被覆金属板。
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