JP2010194752A - 印刷装置、印刷方法、および、印刷装置の製造方法 - Google Patents

印刷装置、印刷方法、および、印刷装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】媒体上における記録材による記録位置のズレを低減することを目的とする。
【解決手段】ノズルから見た記録材の飛翔方向を、ノズルから記録媒体へ向かう記録媒体の法線方向よりも、ノズルから見た記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜した方向に、向ける。
【選択図】図7

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、および、印刷装置の製造方法に関するものである。
従来から、印刷装置が利用されている。印刷装置としては、ヘッドが移動せずに媒体が移動する状態で印刷を実行するものや、媒体が移動せずにヘッドが移動する状態で印刷を実行するものが知られている。
特開2004−223772号公報 特開平10−58668号公報 特開平9−193368号公報 特開平7−81065号公報 特開平9−73012号公報 特開2007−320110号公報 特開2002−103598号公報 特開2008−80630号公報 特開2006−199048号公報
ところで、媒体とヘッドとの間の距離は、媒体上の位置に応じて変化し得る。このような変化の原因としては、例えば、媒体の搬送の誤差や、媒体のコックリング(媒体のたわみ)や、媒体の表面がでこぼこであること、等がある。ここで、媒体がヘッドに対して相対的に移動している状態で印刷(ノズルからの記録材の吐出)を行う場合には、媒体とヘッドとの間の距離の変化に応じて、媒体上における記録材による記録位置が、ずれる場合があった。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、媒体上における記録材による記録位置のズレを低減することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]印刷装置であって、記録材を記録媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、前記ヘッドと前記記録媒体との少なくとも一方を移動させることによって、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に移動させる、駆動部と、前記記録媒体が相対的に移動している状態で、前記ヘッドに前記記録材を吐出させるヘッド制御部と、を備え、前記ノズルから見た前記記録材の飛翔方向は、前記ノズルから前記記録媒体へ向かう前記記録媒体の法線方向よりも、前記ノズルから見た前記記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜する、印刷装置。
この構成によれば、ノズルから見た記録材の飛翔方向が、ノズルから記録媒体へ向かう記録媒体の法線方向よりも、ノズルから見た記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜しているので、記録材と記録媒体との間の、記録媒体の相対的な移動方向の速度差を低減できる。その結果、媒体上における記録材による記録位置のズレを低減することができる。
[適用例2]適用例1に記載の印刷装置であって、前記飛翔方向と前記法線方向との間の角度θは、以下の式(1)を満たす、印刷装置。
(式1)0<θ<θ1
ここで、
Figure 2010194752
arcsin:正弦関数の逆関数
Vj:吐出された前記記録材の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
Vp:前記記録媒体の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
この構成によれば、ノズルから見た記録材の飛翔方向が、ノズルから記録媒体へ向かう記録媒体の法線方向と同じである場合と比べて、媒体上における記録材による記録位置のズレを低減することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の印刷装置であって、さらに、前記飛翔方向と前記法線方向との間の角度を変える第1角度変更部を含み、前記駆動部は、第1速度で前記記録媒体を相対的に移動させる第1移動モードと、前記第1速度よりも速い第2速度で前記記録媒体を相対的に移動させる第2移動モードとを有し、前記第1角度変更部は、前記駆動部が前記第1移動モードで前記記録媒体を相対的に移動させる場合には、前記角度を第1角度に変更し、前記駆動部が前記第2移動モードで前記記録媒体を相対的に移動させる場合には、前記角度を前記第1角度よりも大きい第2角度に変更する、印刷装置。
この構成によれば、第1移動モードと第2移動モードとのそれぞれにおいて、媒体上における記録材による記録位置のズレを低減することができる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、前記記録媒体に対する前記ヘッドの向きを変える第2角度変更部を含み、前記駆動部は、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に、第1移動方向と、前記第1移動方向とは反対の第2移動方向とに交互に移動させる往復移動をさせ、前記第2角度変更部は、前記駆動部が、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に前記第1移動方向に移動させる場合には、前記飛翔方向が前記法線方向よりも前記第1移動方向に向かって傾斜するように前記ヘッドの向きを変え、前記駆動部が、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に前記第2移動方向に移動させる場合には、前記飛翔方向が前記法線方向よりも前記第2移動方向に向かって傾斜するように前記ヘッドの向きを変える、印刷装置。
この構成によれば、往復移動の第1移動方向と第2移動方向とのそれぞれにおいて、媒体上における記録材による記録位置のズレを低減することができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドの前記記録媒体と対向する面は、前記記録媒体と平行であり、前記ヘッドは、前記ノズルに接続された流路を含み、前記流路は、前記飛翔方向に沿って延びている、印刷装置。
この構成によれば、ヘッドの記録媒体と対向する面と、記録媒体との間の距離を短くすることができるので、媒体上における記録材による記録位置のズレを、適切に、低減することができる。また、記録材を飛翔方向に向かって適切に吐出することができる。
[適用例6]印刷方法であって、記録材を記録媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、前記記録媒体との少なくとも一方を移動させることによって、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に移動させ、前記記録媒体が相対的に移動している状態で、前記ヘッドに前記記録材を吐出させ、前記ノズルから見た前記記録材の飛翔方向が、前記ノズルから前記記録媒体へ向かう前記記録媒体の法線方向よりも、前記ノズルから見た前記記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜している、印刷方法。
[適用例7]適用例6に記載の印刷方法であって、前記飛翔方向と前記法線方向との間の角度θは、以下の式(1)を満たす、印刷方法。
(式1)0<θ<θ1
ここで、
Figure 2010194752
arcsin:正弦関数の逆関数
Vj:吐出された前記記録材の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
Vp:前記記録媒体の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
[適用例8]印刷装置の製造方法であって、記録材を記録媒体に吐出するノズルを有するヘッドを準備し、前記ヘッドと前記記録媒体との少なくとも一方を移動させることによって前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に移動させる駆動部を準備し、前記記録媒体が相対的に移動している状態で前記ヘッドに前記記録材を吐出させるヘッド制御部を準備し、前記ノズルから見た前記記録材の飛翔方向が、前記ノズルから前記記録媒体へ向かう前記記録媒体の法線方向よりも、前記ノズルから見た前記記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜するように、前記ヘッドと前記駆動部と前記ヘッド制御部とを用いて前記印刷装置を組み立てる、製造方法。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
印刷装置を示す概略図である。 ノズルNzの配置を示す概略図である。 第1記録ヘッド510の断面図である。 記録位置ズレの概略図である。 記録位置ズレの概略図である。 角度Agと距離dW2との関係を示すグラフである。 角度Agがゼロ角度Agcに設定された場合の印刷の概略図である。 第1印刷モードMDa1の概略図である。 第2印刷モードMDa2の概略図である。 第1印刷モードMDb1の概略図である。 第2印刷モードMDb2の概略図である。 第2印刷モードMDb2の概略図である。 3つの印刷モードを示す表である。 印刷装置の別の実施例の概略図である。 ノズルNzの配置を示す概略図である。 キャリッジ500dが前方向FWDに移動する状態を示す概略図である。 キャリッジ500dが後方向BWDに移動する状態を示す概略図である。 記録ヘッドの別の実施例を示す概略図である。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.第6実施例:
G.第7実施例:
H.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての印刷装置を示す概略図である。この印刷装置1000は、記録ヘッドの往復移動をせずにドットラインを記録する(このような印刷装置は、ラインプリンターとも呼ばれている)。印刷装置1000は、給紙部200と、紙搬送部300と、紙受け部400と、4つの記録ヘッド510〜540と、これらの要素を制御する制御部100と、を含んでいる。図1には、給紙部200と、紙搬送部300と、紙受け部400と、記録ヘッド510〜540との全体の概略側面図が示されている。また、図1には、互いに直交する3つの方向X、Y、Zが示されている。Z方向は、図1の紙面と垂直な方向である。以下、+Y方向(図1の下方向)を「下方向」とも呼び、−Y方向を「上方向」とも呼び、+X方向(図1の左方向)を「下流方向」とも呼び、−X方向を「上流方向」とも呼ぶ。給紙部200と紙搬送部300と紙受け部400とは、−Xから+Xに向かって並んで配置されている。
給紙部200は、印刷用紙Pを、紙搬送部300に供給する。給紙部200は、給紙トレイ210と、紙送りローラー220と、を含んでいる。紙送りローラー220は、給紙トレイ210に格納されている印刷用紙Pを、1枚ずつ、紙搬送部300に供給する。
紙搬送部300は、モーター312と、搬送ローラー310と、従動ローラー320と、無端の搬送ベルト330と、を含んでいる。搬送ローラー310は、従動ローラー320の+X側に配置されている。各ローラー310、320は、Z方向と平行な軸を中心に回転可能である。搬送ローラー310と従動ローラー320とには、搬送ベルト330が掛けられている。モーター312は、搬送ローラー310を回転駆動する。これにより、搬送ベルト330は、ローラー310、320に掛かった状態で、循環移動する。図1の実施例では、ローラー310、320の−Y側で、搬送ベルト330が、+X方向に移動し、ローラー310、320の+Y側で、搬送ベルト330が、−X方向に移動する。なお、ローラー310、320と搬送ベルト330とのそれぞれの幅(Z方向の長さ)は、印刷用紙Pの幅よりも広い。
給紙部200は、印刷用紙Pを、従動ローラー320の−Y側に供給する。供給された印刷用紙Pは、搬送ベルト330に載り、搬送ベルト330によって+x方向に搬送される。このように、印刷用紙Pの搬送方向FD(「移動方向FD」とも呼ぶ)は、+X方向である。印刷用紙Pを積載する搬送ベルト330の−Y側には、4つの記録ヘッド510〜540が、−Xから+Xに向かって並んで配置されている。これらの記録ヘッド510〜540は、搬送ベルト330によって搬送される印刷用紙Pに向かって、インク滴を吐出する。本実施例では、記録ヘッド510〜540は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインク滴を、それぞれ吐出する。各記録ヘッド510〜540は、後述する制御部100のヘッド制御部122からの指示に従って、印刷用紙P上の指示された位置にインク滴を吐出する。これにより、印刷用紙Pに画像が記録(印刷)される。
印刷された印刷用紙Pは、搬送ローラー310の−Y側から紙受け部400に、供給される。紙受け部400には、印刷された印刷用紙Pが、格納される。
図2は、記録ヘッド510〜540の下面におけるノズルNzの配置を示す概略図である。図示するように、各記録ヘッド510〜540の下面510y〜540yには、Z方向に沿って延びるノズルNzの列が、それぞれ形成されている。本実施例では、1つのノズル列によって、印刷用紙P上の1つの画素ラインの記録(印刷)が、行われる。なお、1つの画素ラインに相当する複数のノズルNzは、Z方向に延びる複数のラインに分散して配置されてもよい。
以上説明した印刷装置1000の各要素は、図1の制御部100によって制御される。制御部100は、インターフェース130と、画像処理部110と、プリンター制御部120とを含んでいる。プリンター制御部120は、ヘッド制御部122とローラー制御部124とを含んでいる。インターフェース130は、パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等の外部装置との接続のためのインターフェースである。画像処理部110は、インターフェース130に接続された外部装置から画像データを受信し、受信した画像データに従って制御データを作成する。画像処理部110は、作成した制御データをプリンター制御部120に供給する。プリンター制御部120は、制御データに従って、モーター312と記録ヘッド510〜540を制御する。具体的には、ローラー制御部124は、モーター312を駆動することによって、印刷用紙Pを搬送する。なお、ローラー制御部124と紙搬送部300との全体は、特許請求の範囲における「駆動部」に相当する。ヘッド制御部122は、記録ヘッド510〜540を制御して、制御データによって指定されるタイミングで制御データによって指定されるノズルNz(図2)からインク滴を吐出する。これらの結果、印刷用紙Pに画像が記録(印刷)される。なお、本実施例では、制御部100は、専用のハードウェア回路によって構成されている。
図3は、第1記録ヘッド510の断面図である。この断面は、1つのノズルNzを通る断面であり、Z方向と垂直な断面である。本実施例では、第1記録ヘッド510の下面510yにノズルNzが形成されている。ノズルNzには、インク流路516の一端が接続されている。インク流路516の他端には、吐出部514が接続されている。吐出部514は、ノズルNzからインクを押し出す。吐出部514の構成としては、ノズルNzからインクを押し出す種々の構成を採用可能である。例えば、圧電素子の変形によってインクを押し出す構成を採用してもよい。また、ヒーターによるインク加熱によってインク中に生じる泡によってインクを押し出す構成を採用してもよい。
本実施例では、第1記録ヘッド510の下面510y(印刷用紙Pと対向する面)は、印刷用紙Pと平行である。従って、下面510yと印刷用紙Pとの間の距離Hを小さくすることができる。これにより、印刷用紙P上におけるインク滴の着弾位置の誤差を小さくすることができる。
図中には、印刷用紙Pの移動方向FDに加えて、2つの方向PD、FLDが示されている。法線方向PDは、ノズルNzから印刷用紙Pへ向かう印刷用紙Pの法線方向である。法線方向PDは、移動方向FDと垂直である。飛翔方向FLDは、ノズルNzから見たインク滴DRの飛翔方向である。本実施例では、飛翔方向FLDは、法線方向PDよりも、移動方向FDに向かって傾斜している。角度Agは、法線方向PDと飛翔方向FLDとのなす角度である。このように、飛翔方向FLDが法線方向PDから傾斜している理由は、インクドットの形成位置(記録位置)のズレを低減するためである(後述)。
本実施例では、一端がノズルNzに接続されたインク流路516は、飛翔方向FLDに沿って延びている。従って、吐出部514によって押されたインクは、インク流路516に沿って移動する。その結果、ノズルNzからは、飛翔方向FLDに向かって、インクが吐出される。
以上、第1記録ヘッド510の1つのノズルNzについて説明したが、他のノズルNzについても、構成は同じである。また、他の記録ヘッド520〜540についても、構成は、第1記録ヘッド510の構成と同じである。
図4は、法線方向PDに向かってインクを吐出する場合の記録位置ズレの概略図である。図中には、図3と同じ方向から見た側面図が示されている。図4には、本実施例の構成とは異なる別の構成の記録ヘッド500xが示されている。また、図中には、第1印刷用紙P1と、第2印刷用紙P2とが示されている。第2印刷用紙P2は、第1印刷用紙P1よりも記録ヘッド500xから距離dhだけ遠い位置に配置されている。
この記録ヘッド500xは、ノズルNzから法線方向PDに向かってインクを吐出する。速度Vjは、ノズルNzから見たインクの飛翔速度である。図中の位置dp1、dp2は、印刷用紙P1、P2上におけるインクドットの記録位置(着弾位置)を、それぞれ示している。これらの記録位置dp1、dp2は、それぞれ、ノズルNzから法線方向PDに延びるラインPDLと、印刷用紙P1、P2との交点である。印刷用紙P1、P2は、それぞれ、移動方向FDに搬送される。速度Vpは、ノズルNzから見た印刷用紙P1、P2の移動速度である。記録位置dp1、dp2は、インクが吐出された時点では、移動方向FDとは逆方向にシフトした初期位置dp1i、dp2iに、それぞれある。第2印刷用紙P2上の第2初期位置dp2iは、第1印刷用紙P1上の第1初期位置dp1iよりも、距離dW1だけ、移動方向FDとは逆方向にシフトしている。この理由は、第2印刷用紙P2に関しては、インクが距離dhを飛翔する時間dtだけ、インクの吐出から着弾までの時間が長くなるからである。時間dtは、計算式「dh/Vj」で表される。距離dW1は、計算式「(dh×Vp)/Vj」で表される。この距離dW1は、印刷用紙と記録ヘッド500xとの間の距離の変化に応じた、インクドットの記録位置のズレを示している。なお、計算式において、速度を表す変数は、速度の大きさを表している。これは、後述する他の計算式についても、同様である。
図5は、本実施例における記録位置ズレの概略図である。図中には、図3と同じ方向から見た側面図が示されている。図中には、本実施例の第1記録ヘッド510が示されている。また、図4と同じ印刷用紙P1、P2も示されている。第1記録ヘッド510は、ノズルNzから、法線方向PDから移動方向FDに傾斜した飛翔方向FLDに向かって、インクを吐出する。インクドットの記録位置dp10、dp20は、それぞれ、ノズルNzから飛翔方向FLDに向かって延びるラインFLDLと、印刷用紙P1、P2との交点である。記録位置dp10、dp20は、インクが吐出された時点では、初期位置dp10i、dp20iに、それぞれある。
本実施例では、インクの飛翔速度Vjは、ノズルNzから見て飛翔方向FLDを向いている。従って、法線方向PDのインクの速度は「Vj×cos(Ag)」であり、移動方向FDのインクの速度は、「Vj×sin(Ag)」である。従って、インクが距離dhを飛翔する時間dtは、「dh/(Vj×cos(Ag))」で表される。また、2つの記録位置dp10、dp20の間の移動方向FDの距離Wbは、「dh×tan(Ag)」で表される。ここで、第2印刷用紙P2上の2つの位置dp20、dp20iの間の距離から、第1印刷用紙P1上の2つの位置dp10、dp10iの間の距離Waを引いた残りの距離を、距離Wcと呼ぶ。すると、距離Wcは、「dt×Vp」で表される。2つの初期位置dp10i、dp20iの間の移動方向FDの距離dW2は、距離Wcから距離Wbを引いた差分である。図5には、この距離dW2の詳細な計算結果が示されている。なお、図5では、第2初期位置dp20iが、第1初期位置dp10iよりも、移動方向FDの逆方向側に配置されている。この場合に、図5に示す距離dW2の計算結果は正値である。飛翔速度Vjと移動速度Vpと角度Agとによっては、第2初期位置dp20iは、第1初期位置dp10iよりも移動方向FD側に、配置され得る。この場合には、図5の距離dW2の計算結果は、負値である。なお、この距離dW2は、印刷用紙と第1記録ヘッド510との間の距離の変化に応じた、インクドットの記録位置のズレを示している。
図6は、角度Agと距離dW2との関係を示すグラフである。図示するように、角度Agがゼロである場合には、距離dW2は、図4の距離dW1と同じである。角度Agがゼロから増大するに従って、距離dW2が減少する。そして、角度Agが、ゼロ角度Agcである場合に、距離dW2はゼロである。このゼロ角度Agcは、印刷用紙Pの移動方向FDのインクの速度(Vj×sin(Ag))が、印刷用紙Pの移動速度Vpと同じ場合の角度である。例えば、「速度比(Vp/Vj)=0.1」の場合には、ゼロ角度Agcは「5.7度」である。なお、飛翔速度Vjは、飛翔するインクを高速度カメラで連続的に撮影することによって、測定可能である。
角度Agが、ゼロ角度Agcから更に増大することによって、距離dW2は、ゼロから更に減少する(距離dW2の絶対値は増大する)。そして、角度Agが、第1角度Aguである場合に、距離dW2の絶対値は、図4の距離dW1と同じである。第1角度Aguは、「距離dW1の絶対値が、距離dW2の絶対値と等しい」という関係に基づいて、図4の距離dW1の計算式と、図5の距離dW2の計算式とから導かれる。第1角度Aguは、「arcsin{(2×Vj×Vp)/(Vj2+Vp2)}」で表される(arcsinは、正弦関数(sin)の逆関数)。例えば、「速度比(Vp/Vj)=0.1」の場合には、第1角度Aguは「11.4度」である。
角度Agが第1角度Aguから更に増大することによって、距離dW2は、さらに減少する(距離dW2の絶対値は増大する)。
図6に示すように、角度Agがゼロ角度Agcに近いほど、距離dW2の絶対値は小さくなる。これは、インク滴DR(図3)と印刷用紙Pとの間の移動方向FDの速度差を低減できるからである。また、図6に示すように、ゼロより大きく第1角度Aguより小さい範囲RAg内に角度Agを設定することによって、距離dW2の絶対値(すなわち、記録位置ズレ)を、距離dW1の絶対値よりも小さくすることができる。すなわち、角度Agを範囲RAg内に設定することによって、ノズルNzから見たインクの飛翔方向が法線方向PDと同じである場合と比べて(図4)、移動方向FDの記録位置ズレを小さくすることができる。そして、角度Agをゼロ角度Agcに設定することによって、記録位置ズレをゼロにすることができる。以下、範囲RAgを「許容範囲RAg」とも呼ぶ。
図7は、角度Agがゼロ角度Agcに設定された場合の印刷の概略図である。図中には、図3と同様の断面図が示されている。図7には、印刷用紙Pから見たインク滴DRの動きが示されている。第1記録ヘッド510は、印刷用紙Pから見て、移動方向FDとは逆の方向に移動する。また、インク滴DRは、印刷用紙Pから見て、移動方向FDと垂直な方向(すなわち、印刷用紙Pの法線方向PD)に沿って飛翔する。この理由は、角度Agがゼロ角度Agcに設定されているからである。なお、角度Agのゼロ角度Agcからのズレが大きいほど、印刷用紙Pから見たインク滴DRの飛翔方向の法線方向PDからのズレも大きい。
図7では、印刷用紙Pの表面PSがでこぼこしていることと仮定している。すなわち、第1記録ヘッド510(ノズルNz)と印刷用紙P(表面PS)との間の距離Hは、印刷用紙P上の位置に応じて変化する。この場合も、印刷用紙Pから見て、インク滴DRが法線方向PDに飛翔する。従って、印刷用紙P上の記録位置(移動方向FDの位置)のズレは、抑制される。
以上のように、角度Agを、許容範囲RAg内に設定することが好ましく、角度Agをゼロ角度Agcに設定することが特に好ましい。こうすれば、ノズルNzと、印刷用紙P(表面PS)との間の距離の変化に起因する、移動方向FDの記録位置のズレを抑制できる。従って、ヘッド(ノズルNz)と印刷用紙Pとの間の距離(例えば、印刷用紙Pの厚さ)に基づくインク吐出のタイミングの調整をせずに、画質を向上させることができる。以上の第1記録ヘッド510に関する説明は、他の記録ヘッド520〜540についても、同様である。なお、インクの種類毎に飛翔速度Vjが異なる場合には、記録ヘッド毎に角度Agが異なっていても良い。
B.第2実施例:
図8、図9は、印刷装置の別の実施例の概略図である。図1に示す印刷装置1000との差違は、この印刷装置1000aが、2つの印刷モードMDa1、MDa2を有している点である。図8は、第1印刷モードMDa1の概略を示し、図9は、第2印刷モードMDa2の概略を示している。図8、図9には、図1、図3と同様の、Z方向と垂直な側面が示されている。第1印刷モードMDa1では、第1速度Vpa1で印刷用紙Pが搬送される。第2印刷モードMDa2では、第1速度Vpa1よりも速い第2速度Vpa2で印刷用紙Pが搬送される。各記録ヘッド510〜540の単位時間当たりに吐出可能なインク滴の数(すなわち、単位時間当たりに記録可能なドット数)は、印刷用紙Pの移動速度によらずに同じである。従って、第1印刷モードMDa1では、印刷用紙Pの第1速度Vpa1が遅いので、印刷用紙P上に高密度でドットを記録することができる。一方、第2印刷モードMDa2では、印刷用紙Pの第2速度Vpa2が速いので、印刷用紙P上のドット密度は低下するが、高速な印刷が可能である。
図1に示す印刷装置1000と、本実施例の印刷装置1000aとの構成上の差違は、3つある。第1の差違は、ローラー制御部124aが、第1速度Vpa1で印刷用紙Pを搬送する第1モードと、第1速度Vpa1よりも速い第2速度Vpa2で印刷用紙Pを搬送する第2モードとを有している点である。
第2の差違は、各記録ヘッド510〜540の向きが可変である点である。図8、図9の下部には、4つの記録ヘッド510〜540を代表して、第1記録ヘッド510が拡大して示されている。第1記録ヘッド510には、Z方向と平行な回転軸Shが固定されている。そして、印刷装置1000aには、この回転軸Shを受ける軸受けBrが設けられている。第1記録ヘッド510は、回転軸Shを中心に、回動可能である。本実施例では、+Zから−Zに向かって見たときに、回転軸Shは、下面510y(特にノズルNz)の近傍に配置されている。従って、回転軸ShがノズルNzから遠い位置に配置されている場合と比べて、第1記録ヘッド510の回動によるノズルNzの位置の変化は小さい。また、第1記録ヘッド510には、モーター591aが接続されている。第1記録ヘッド510は、モーター591aによって、回動する。他の記録ヘッド520〜540も、同様に、モーター592a〜594aによって、それぞれ回動する。
第3の差違は、プリンター制御部120aに、角度制御部126aが追加されている点である。角度制御部126aは、各モーター591a〜594aを制御する。これにより、角度制御部126aは、各記録ヘッド510〜540の向きを制御する。
なお、図8、図9では、印刷装置1000aの一部の要素のみが示されている。印刷装置1000aの他の構成は、図1の印刷装置1000の構成と同じである。例えば、図8、図9では図示が省略されているが、印刷用紙Pは、ローラー310、320に掛けられた搬送ベルト330によって、搬送される。
図8に示す第1印刷モードMDa1では、ローラー制御部124aは、印刷用紙Pの移動速度が第1速度Vpa1となるように、モーター312(図1)を制御する。この制御は、制御パラメータRPa1に従って、行われる。制御パラメータRPa1は、ローラー制御部124aの図示しないメモリーに予め格納されている。
また、角度制御部126aは、ノズルNzから見た、インクの飛翔方向FLDa1と印刷用紙Pの法線方向PDとがなす角度Agが第1角度Aga1となるように、モーター591a〜594aを制御する。この制御は、制御パラメータAPa1に従って、行われる。制御パラメータAPa1は、角度制御部126aの図示しないメモリーに予め格納されている。ここで、第1飛翔方向FLDa1は、法線方向PDから、印刷用紙Pの移動方向FDに向かって傾斜している。そして、第1角度Aga1は、第1速度Vpa1とインクの飛翔速度に応じて決まるゼロ角度(図6)に予め設定されている。
以上の結果、第1印刷モードMDa1では、第2印刷モードMDa2と比べて、ドット密度の高い印刷が可能である。また、第1角度Aga1が、ゼロ角度(図6)に設定されているので、ドットの形成位置のズレを抑制できる。なお、第1角度Aga1は、ゼロ角度とは異なる角度であってもよい。この場合、第1角度Aga1は、第1速度Vpa1とインクの飛翔速度に応じて決まる許容範囲RAg(図6)内にあることが好ましい。
図9に示す第2印刷モードMDa2では、ローラー制御部124aは、印刷用紙Pの移動速度が第2速度Vpa2となるように、モーター312(図1)を制御する。この制御は、制御パラメータRPa2に従って、行われる。制御パラメータRPa2は、ローラー制御部124aの図示しないメモリーに予め格納されている。
また、角度制御部126aは、ノズルNzから見た、インクの飛翔方向FLDa2と印刷用紙Pの法線方向PDとがなす角度Agが第2角度Aga2となるように、モーター591a〜594aを制御する。図9に示すように、角度制御部126aは、第1記録ヘッド510の上面510tが、移動方向FDとは反対方向に移動するように、第1記録ヘッド510を回動させる。この制御は、制御パラメータAPa2に従って、行われる。制御パラメータAPa2は、角度制御部126aの図示しないメモリーに予め格納されている。ここで、第2飛翔方向FLDa2は、法線方向PDから、印刷用紙Pの移動方向FDに向かって傾斜している。そして、第2角度Aga2は、第2速度Vpa2とインクの飛翔速度に応じて決まるゼロ角度(図6)に予め設定されている。
以上の結果、第2印刷モードMDa2では、第1印刷モードMDa1と比べて、高速な印刷が可能である。また、第2角度Aga2が、ゼロ角度(図6)に設定されているので、ドットの形成位置のズレを抑制できる。なお、第2角度Aga2は、ゼロ角度に設定されていなくてもよい。この場合も、第2角度Aga2は、第2速度Vpa2とインクの飛翔速度に応じて決まる許容範囲RAg(図6)内にあることが好ましい。
以上のように、第2実施例では、印刷用紙Pの搬送速度(移動速度)が異なる2つの印刷モードMDa1、MDa2を利用することができる。従って、ドット密度の高い印刷と、高速な印刷とを利用することができる。また、各印刷モードMDa1、MDa2に応じて、角度Aga1、Aga2が、それぞれ利用される。従って、各印刷モードMDa1、MDa2において、ヘッド(ノズルNz)と印刷用紙Pとの間の距離(例えば、印刷用紙Pの厚さ)に基づくインク吐出のタイミングの調整をせずに、ドットの記録位置のズレを抑制し、画質を高めることができる。ここで、第2角度Aga2は、第1角度Aga1よりも大きいことが好ましい。なお、角度制御部126aと、モーター591a〜594aと、各記録ヘッド510〜540の回転軸Shと軸受けBrと、の全体は、特許請求の範囲における「第1角度変更部」に相当する。
なお、制御部100aは、ユーザの指示によって指定された印刷モードに従って、印刷を実行すればよい。ユーザの指示は、インターフェース130に接続された外部装置から供給されてもよく、また、制御部100aに設けられた図示しない入力装置(例えば、ボタンやタッチパネル)から供給されてもよい。画像処理部110は、指定された印刷モードに合わせて、制御データを作成すればよい。そして、ローラー制御部124aと角度制御部126aとは、指定された印刷モードに従って、モーター312(図1)とモーター591a〜594aを、それぞれ制御すればよい。
C.第3実施例:
図10、図11は、印刷装置の別の実施例の概略図である。図8、図9に示す印刷装置1000aとの差違は、記録ヘッド510〜540の向きを変えるモーター591a〜594aが省略され、そして、印刷用紙Pの方向(法線方向)を変える可動ローラーユニット350が追加されている点である。本実施例の印刷装置1000bでは、第1印刷モードMDb1と第2印刷モードMDb2とのそれぞれにおける角度Agの調整は、印刷用紙Pの方向(法線方向)を変えることによって、実現されている。
可動ローラーユニット350は、脚352と、脚352の上部(−Y側)に固定されたガイドレール354と、軸受け356と、モーター358と、を含んでいる。脚352は、印刷装置1000bの図示しないボディに固定されている。ガイドレール354は、脚352の上部から、おおよそ−Y方向に向かって延びている。軸受け356は、搬送ローラー310の回転軸310sを受ける。軸受け356は、−Y側の第1位置350p1と、+Y側の第2位置350p2との間で、ガイドレール354に沿って移動可能である。軸受け356は、従動ローラー320の回転軸(図示せず)との距離を保ちつつ、移動する。軸受け356には、機械的に、モーター358が接続されている。軸受け356の位置は、モーター358によって、制御される。
プリンター制御部120bの角度制御部126bは、モーター358を制御することによって、印刷用紙Pの方向(法線方向)を変える。また、ローラー制御部124bは、第1速度Vpb1で印刷用紙Pを搬送する第1モードと、第1速度Vpb1よりも速い第2速度Vpb2で印刷用紙Pを搬送する第2モードとを有している。
なお、図10、図11では、印刷装置1000bの一部の要素のみが示されている。印刷装置1000bの他の構成は、図1の印刷装置1000の構成や、図8、図9の印刷装置1000aの構成と同じである。
図10に示す第1印刷モードMDb1では、ローラー制御部124bは、印刷用紙Pの移動速度が第1速度Vpb1となるように、モーター312(図1)を制御する。この制御は、制御パラメータRPb1に従って、行われる。制御パラメータRPb1は、ローラー制御部124bの図示しないメモリーに予め格納されている。
また、角度制御部126bは、モーター358を制御して、軸受け356を第1位置350p1に移動させる。この制御は、制御パラメータAPb1に従って、行われる。制御パラメータAPb1は、角度制御部126bの図示しないメモリーに予め格納されている。この状態で、ノズルNzから見た印刷用紙Pの法線方向PDb1は、Y方向と平行である。また、ノズルNzから見た、インクの飛翔方向FLDbと印刷用紙Pの法線方向PDb1とがなす角度Agは、第1角度Agb1である。ここで、飛翔方向FLDbは、法線方向PDb1から、印刷用紙Pの移動方向FDb1に向かって傾斜している。そして、第1角度Agb1は、第1速度Vpb1とインクの飛翔速度に応じて決まるゼロ角度(図6)に予め設定されている。
以上の結果、第1印刷モードMDb1では、図8の第1印刷モードMDa1と同様に、ドット密度が高く、ドット形成位置ズレを抑制した印刷が可能である。なお、第1角度Agb1は、ゼロ角度とは異なる角度であってもよい。この場合、第1角度Agb1は、第1速度Vpb1とインクの飛翔速度に応じて決まる許容範囲RAg(図6)内にあることが好ましい。
図11に示す第2印刷モードMDb2では、ローラー制御部124bは、印刷用紙Pの移動速度が第2速度Vpb2となるように、モーター312(図1)を制御する。この制御は、制御パラメータRPb2に従って、行われる。制御パラメータRPb2は、ローラー制御部124bの図示しないメモリーに予め格納されている。
また、角度制御部126bは、モーター358を制御して、軸受け356を第2位置350p2に移動させる。この制御は、制御パラメータAPb2に従って、行われる。制御パラメータAPb2は、角度制御部126bの図示しないメモリーに予め格納されている。この状態で、ノズルNzから見た印刷用紙Pの法線方向PDb2は、+Y方向から、−X方向に向かって傾斜している。すなわち、印刷用紙Pの移動方向FDb2は、+X方向から、+Y方向に向かって傾斜している。また、ノズルNzから見たインクの飛翔方向FLDbは、図10の状態と同じである。ノズルNzから見た、インクの飛翔方向FLDbと印刷用紙Pの法線方向PDb2とがなす角度Agは、第2角度Agb2である。ここで、飛翔方向FLDbは、法線方向PDb2から、印刷用紙Pの移動方向FDb2に向かって傾斜している。そして、第2角度Agb2は、第2速度Vpb2とインクの飛翔速度に応じて決まるゼロ角度(図6)に予め設定されている。
以上の結果、第2印刷モードMDb2では、図9の第2印刷モードMDa2と同様に、高速で、ドット形成位置ズレを抑制した印刷が可能である。なお、第2角度Agb2は、ゼロ角度とは異なる角度であってもよい。この場合、第2角度Agb2は、第2速度Vpb2とインクの飛翔速度に応じて決まる許容範囲RAg(図6)内にあることが好ましい。
以上のように、第3実施例では、印刷用紙Pの搬送速度(移動速度)が異なる2つの印刷モードMDb1、MDb2を利用することができる。また、各印刷モードMDb1、MDb2に応じて、角度Agb1、Agb2が、それぞれ利用されるので、各印刷モードMDb1、MDb2において、ドットの記録位置のズレを抑制し、画質を高めることができる。ここで、第2角度Agb2は、第1角度Agb1よりも大きいことが好ましい。なお、角度制御部126bと、可動ローラーユニット350との全体は、特許請求の範囲における「第1角度変更部」に相当する。
D.第4実施例:
図12は、印刷装置の別の実施例の概略図である。図10、図11に示す印刷装置1000bとの差異は、記録ヘッド510〜540の位置を調整する位置調整部510c〜540cが追加されている点だけである。他の構成は、図10、図11に示す印刷装置1000bと同じである。
位置調整部510c〜540cは、記録ヘッド510〜540を、それぞれ支持している。また、位置調整部510c〜540cは、記録ヘッド510〜540のY方向の位置を、調整する。位置調整部510c〜540cは、それぞれ、図示しないモーターを含んでいる。位置調整部510c〜540cは、これらのモーターによって、記録ヘッド510〜540の位置を移動させることができる。
角度制御部126cは、モーター358に加えて、位置調整部510c〜540cを制御する。位置調整部510c〜540cは、印刷用紙Pとノズルとの間の距離が一定値に維持されるように、制御される。例えば、図12には、図11と同じ第2印刷モードMDb2の状態が示されている。この状態では、第2記録ヘッド520は、第1記録ヘッド510よりも+Y方向にシフトし、第3記録ヘッド530は、第2記録ヘッド520よりも+Y方向にシフトし、第4記録ヘッド540は、第3記録ヘッド530よりも+Y方向にシフトしている。一方、第1印刷モードMDb1では、角度制御部126cは、図10に示す実施例と同様に、記録ヘッド510〜540のそれぞれのY方向の位置を、同じ位置に設定する。
このように、本実施例では、各記録ヘッド510〜540の位置が調整されて、印刷用紙Pとノズルとの間の距離が一定値に維持される。その結果、ノズルから印刷用紙Pが遠くなることに起因するドット形成位置ズレを抑制できる。
E.第5実施例:
上述の各実施例において、3以上の印刷モードを利用してもよい。図13は、上述の各実施例に適用可能な3つの印刷モードを示す表である。本実施例では、「高精細モード」と「通常モード」と「高速モード」とが利用可能である。印刷用紙の搬送速度Vpは、順番に、Vp1、Vp2、Vp3である。ここで、Vp1<Vp2<Vp3である。従って、通常モードと、通常モードよりもドット密度の高い高精細モードと、通常モードよりも印刷速度の速い高速モードとを、利用することができる。また、ノズルから見た、インクの飛翔方向と印刷用紙の法線方向とがなす角度Agは、順番に、Ag1、Ag2、Ag3である。ここで、Ag1<Ag2<Ag3である。これらの角度Ag1、Ag2、Ag3は、搬送速度Vp1、Vp2、Vp3とインクの飛翔速度に応じて、ゼロ角度、あるいは、許容範囲内の値に、それぞれ予め設定されている(図6)。これにより、3つのモードのそれぞれにおいて、ドット形成位置ズレを抑制することができる。なお、利用可能な印刷モードの総数は4以上であってもよい。
F.第6実施例:
図14は、印刷装置の別の実施例の概略図である。本実施例の印刷装置1000dは、記録ヘッドを往復移動させながらドットを記録する(このような印刷装置は、シリアルプリンターとも呼ばれている)。印刷装置1000dは、紙送りモーター22と、ローラー26と、プラテン28と、キャリッジモーター24と、プーリー38と、キャリッジモーター24とプーリー38とに掛けられた駆動ベルト36と、ガイドレール34と、キャリッジ500dと、キャリッジ500dに設けられた4つの記録ヘッド510d、520d、530d、540dと、印刷装置1000dの各要素を制御する制御部100dと、を含んでいる。
紙送りモーター22は、ローラー26を回転させて、印刷用紙Pを、副走査方向SSに搬送する。印刷用紙Pの記録ヘッド510d〜540dと対向する部分(特に、インク滴が着弾する部分)は、プラテン28によって支持されている。キャリッジ500dは、ガイドレール34に支持されており、副走査方向SSとは垂直な主走査方向MSの双方向(前方向FWDと後方向BWD)に移動可能である。主走査方向MSは、プラテン28(すなわち、印刷用紙P)と平行である。キャリッジ500dは、駆動ベルト36に接続されており、キャリッジモーター24は、駆動ベルト36を通じて、キャリッジ500dを往復移動させる。
図15は、キャリッジ500d(記録ヘッド510d〜540d)の下面におけるノズルNzの配置を示す概略図である。図示するように、各記録ヘッド510d〜540dの下面510dy〜540dyには、副走査方向SSに沿って延びるノズルNzの列が、それぞれ形成されている。なお、1つの記録ヘッドにおいて、ノズルが複数の列に分散して配置されてもよい。また、本実施例では、ノズルNzからは、下面510dy〜540dyと垂直な方向に、インクが吐出される。
以上説明した印刷装置1000dの各要素は、図14の制御部100dによって制御される。制御部100dは、インターフェース130と、画像処理部110と、プリンター制御部120dとを含んでいる。インターフェース130と画像処理部110とは、上述の各実施例のものと同じである。プリンター制御部120dは、ヘッド制御部122dと、キャリッジ制御部123dと、ローラー制御部124dと、角度制御部126dと、を含んでいる。キャリッジ制御部123dは、キャリッジモーター24を駆動して、キャリッジ500dを往復移動させる。キャリッジ制御部123dと、キャリッジモーター24と、駆動ベルト36と、プーリー38と、ガイドレール34と、キャリッジ500dとの全体は、特許請求の範囲における「駆動部」に相当する。また、ヘッド制御部122dは、記録ヘッド510d〜540dを制御して、ノズルからインク滴を吐出する。本実施例では、ヘッド制御部122dは、いわゆる双方向印刷を行う。すなわち、キャリッジ500dが前方向FWDに移動する状態と、キャリッジ500dが後方向BWDに移動する状態とのそれぞれにおいて、インク滴が吐出される。ローラー制御部124dは、紙送りモーター22を駆動することによって、印刷用紙Pを搬送する。なお、インク滴の吐出は、印刷用紙Pの移動(搬送)が停止した状態で、行われる。角度制御部126dは、後述するように、記録ヘッド510d〜540dの向きを制御する。なお、本実施例では、制御部100dは、専用のハードウェア回路によって構成されている。
図16は、キャリッジ500dが前方向FWDに移動する状態を示す概略図であり、図17は、キャリッジ500dが後方向BWDに移動する状態を示す概略図である。各図では、記録ヘッド510d〜540dが拡大して示されている。以下、記録ヘッド510d〜540dを代表して、第2記録ヘッド520dを用いて説明を行う。
第2記録ヘッド520dには、主走査方向MSと垂直で印刷用紙Pと平行な回転軸Shdが固定されている。そして、キャリッジ500dには、この回転軸Shdを受ける軸受けBrdが設けられている。第2記録ヘッド520dは、この回転軸Shdを中心に回動可能である。他の記録ヘッド510、530、540についても、同じである。各記録ヘッド510d〜540dには、モーター590dが接続されている。各記録ヘッド510d〜540dは、モーター590dによって、回動する。
図16に示す状態では、キャリッジ500dが前方向FWDに移動する。速度Vh1は、キャリッジ500dの移動速度を示している。ノズルNzから見ると、印刷用紙Pが、後方向BWDに、同じ速度で移動する。ここで、角度制御部126dは、各記録ヘッド510d〜540dの上面510dt〜540dtが、前方向FWDに移動するように、各記録ヘッド510d〜540dを回動させる。この制御は、制御パラメータAPd1に従って行われる。制御パラメータAPd1は、角度制御部126dの図示しないメモリーに予め格納されている。この制御によって、ノズルNzから見たインクの飛翔方向FLDd1は、ノズルNzから印刷用紙Pへ向かう印刷用紙Pの法線方向PDdから、後方向BWDに傾斜する。飛翔方向FLDd1と法線方向PDdとのなす角度Agは、第1角度Agd1である。第1角度Agd1は、速度Vh1とインクの飛翔速度に応じて決まるゼロ角度(図6)に、予め設定されている。その結果、キャリッジ500dが前方向FWDに移動する主走査において、ドット形成位置ズレを抑制できる。
図17に示す状態では、キャリッジ500dが後方向BWDに移動する。速度Vh2は、キャリッジ500dに移動速度を示している(本実施例では、速度Vh2の大きさは、図16の速度Vh1の大きさと同じである)。ノズルNzから見ると、印刷用紙Pが、前方向FWDに、同じ速度で移動する。ここで、角度制御部126dは、各記録ヘッド510d〜540dの上面510dt〜540dtが、後方向BWDに移動するように、各記録ヘッド510d〜540dを回動させる。この制御は、制御パラメータAPd2に従って行われる。制御パラメータAPd2は、角度制御部126dの図示しないメモリーに予め格納されている。この制御によって、ノズルNzから見たインクの飛翔方向FLDd2は、ノズルNzから印刷用紙Pへ向かう印刷用紙Pの法線方向PDdから、前方向FWDに傾斜する。飛翔方向FLDd2と法線方向PDdとのなす角度Agは、第2角度Agd2である。第2角度Agd2は、速度Vh2とインクの飛翔速度に応じて決まるゼロ角度(図6)に、予め設定されている。その結果、キャリッジ500dが後方向BWDに移動する主走査において、ドット形成位置ズレを抑制できる。
以上のように、本実施例では、双方向の主走査のそれぞれにおいて、ドット形成位置ズレを抑制できる。なお、角度制御部126dと、モーター590dと、各記録ヘッド510d〜540dの回転軸Shdと軸受けBrdと、の全体は、特許請求の範囲における「第2角度変更部」に相当する。
G.第7実施例:
図18は、記録ヘッドの別の実施例を示す概略図である。図3に示す記録ヘッド510との差異は、ノズルNzが、記録ヘッド510eの側面510ebに設けられている点だけである。具体的には、印刷用紙Pの移動方向FD側の側面510ebに、ノズルNzが形成されている。なお、図18には、図3と同様の断面図が示されている。
図中には、印刷用紙Pの移動方向FDに加えて、2つの方向PDe、FLDeが示されている。法線方向PDeは、ノズルNzから印刷用紙Pへ向かう印刷用紙Pの法線方向である。法線方向PDeは、移動方向FDと垂直である。また、飛翔方向FLDeは、ノズルNzから見たインク滴DRの飛翔方向である。飛翔方向FLDeは、法線方向PDeよりも、移動方向FDに向かって傾斜している。
吐出部514eの構成は、図3の吐出部514と同じである。また、一端がノズルNzに接続されたインク流路516eは、飛翔方向FLDeに沿って延びている。その結果、インク滴DRは、ノズルNzから飛翔方向FLDeに向かって飛翔する。角度Ageは、法線方向PDeと飛翔方向FLDeとのなす角度である。この角度Ageは、図6で説明した許容範囲RAg内であることが好ましく、ゼロ角度であることが最も好ましい。
本実施例では、ノズルNzが、移動方向FD側の側面510ebに形成されているので、ノズルNzが下面(図3の下面510y)に形成されている場合と比べて、角度Ageを大きくすることが容易である。従って、本実施例の記録ヘッド510eを採用することによって、印刷用紙Pの移動速度を、さらに、高速化することができる。なお、本実施例の記録ヘッド510eは、上述の各実施例に適用可能である。
H.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
上述の各実施例において、ヘッドの構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、図3に示す記録ヘッド510において、一端がノズルNzに接続されたインク流路516の他端が、吐出部514の代わりに、インク流路516の延びる方向(飛翔方向FLD)とは異なる方向に延びる別の流路に接続されていてもよい。いずれの場合も、通常は、インクの飛翔方向は、一端がノズルNzに接続されたインク流路(例えば、図3のインク流路516)の延びる方向に一致する。従って、このインク流路の延びる方向を調整することによって、インクの飛翔方向を調整することができる。
また、ヘッドの構成としては、一端がノズルに接続されて飛翔方向に延びるインク流路を有する構成に限らず、他の種々の構成を採用してもよい。例えば、静電気力を利用してインクの吐出方向(飛翔方向)を制御する飛翔方向制御部を有するヘッドを採用してもよい。
また、上述の各実施例において、ヘッドの印刷用紙と対向する面(例えば、図3の下面510y)は、印刷用紙と平行でなくてもよい。また、図8、図9の実施例や、図10、図11の実施例のように、印刷用紙Pに対するヘッドの方向が、印刷モード毎に異なる場合には、少なくとも一部の印刷モードにおいて、ヘッドの印刷用紙と対向する面が、印刷用紙(特にヘッドと対向する部分)と平行であることが好ましい。
変形例2:
上述の各実施例において、印刷用紙Pを移動させる装置の構成としては、紙搬送部300、300b(図1や図10)の構成や、モーター22とローラー26(図14)の構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、印刷用紙Pを固定するための表面を有するテーブルを移動させる装置を採用してもよい。また、上述の各実施例において、記録ヘッドを移動させる装置の構成としては、図14に示すような、キャリッジモーター24と駆動ベルト36とプーリー38とガイドレール34とキャリッジ500dとの構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、リンク機構によってヘッドを移動させる構成を採用してもよい。一般には、ヘッド(例えば、図1の記録ヘッド510)に対して記録媒体(例えば、図1の印刷用紙P)を相対的に移動させる駆動部の構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、ヘッドと記録媒体との両方を移動させる構成を採用してもよい。
変形例3:
上述の各実施例において、ノズルから見たインクの飛翔方向と、ノズルから記録媒体へ向かう記録媒体の法線方向とのなす角度(例えば、図3の角度Ag)を、変える第1角度変更部の構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、図8、図9に示す実施例のように、ヘッドの向きを変える装置を採用してもよい。また、図10、図11に示す実施例のように、印刷用紙Pのヘッドと対向する部分(特に、インク滴が着弾する部分)を支持する支持部(例えば、図10の搬送ベルト330)の向きを変える装置を採用してもよい。また、静電気力を利用してインクの吐出方向(飛翔方向)を制御する装置を採用してもよい。
変形例4:
上述の各実施例において、ヘッドの往復移動における前方向FWD(図16)と後方向BWD(図17)との間でヘッドの向きを変える第2角度変更部の構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、リンク機構によってヘッドの向きを変える装置を採用してもよい。
変形例5:
図14〜図17に示す実施例において、さらに、キャリッジ500d(記録ヘッド510d〜540d)の移動速度が互いに異なる複数の印刷モードを利用してもよい。この場合には、図8、図9に示す角度制御部126aを、図14のプリンター制御部120dに追加すればよい。そして、角度制御部126aは、図8、図9の実施例と同様に、キャリッジ500dの速度に合わせて、角度Agを調整すればよい。
変形例6:
上述の各実施例において、記録媒体としては、印刷用紙Pに限らず、種々の媒体を採用可能である。例えば、布やフィルムを採用してもよい。また、記録材としては、着色剤を含むインクに限らず、種々の記録材を採用可能である。例えば、樹脂を採用してもよい。また、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料、バイオchip製造に用いられる生体有機物でもよく、また、CMYKのインク、金属色(例えば、メタリック、金、銀)インク、透明色や白色のインク、蛍光インク、パールインク、オペークインク、磁気インク、所定の波長の光を変調して反射する変調インク、光沢性のあるまたは光沢性の無い無色インク、滲み効果を表現するための無色透明(例えば、水系、油系)インクおよび水などの特殊インクでもよい。
また、印刷装置の構成としても、上述の実施例の構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、図1、図2に示す印刷装置1000において、印刷用紙Pを固定して、記録ヘッド510〜540を移動させることによって、印刷用紙Pの全領域の印刷を行ってもよい。この場合には、記録ヘッド510〜540を移動させる構成(例えば、記録ヘッド510〜540を移動させるモーターと、そのモーターを制御する制御部との全体)が、特許請求の範囲における「駆動部」に相当する。
また、印刷装置の製造方法としては、種々の方法を採用可能である。一般には、ヘッドと、駆動部と、ヘッド制御部とを準備し、そして、ノズルから見た記録材の飛翔方向が、ノズルから記録媒体へ向かう記録媒体の法線方向よりも、ノズルから見た記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜するように、ヘッドと駆動部とヘッド制御部とを用いて印刷装置を組み立てる方法を採用可能である。ここで、種々の具体的なステップが、これらの各ステップに相当し得る。例えば、図3の記録ヘッド510の製造や、図14の記録ヘッド510dの製造は、ヘッドの準備に相当する。また、図1の「ローラー制御部124と紙搬送部300との全体」の製造や、図14の「キャリッジ制御部123dと、キャリッジモーター24と、駆動ベルト36と、プーリー38と、ガイドレール34と、キャリッジ500dとの全体」の製造は、駆動部の準備に相当する。また、図1のヘッド制御部122の製造や、図14のヘッド制御部122dの製造は、ヘッド制御部の準備に相当する。また、印刷装置の図示しない筐体内の予め決められた位置に、ヘッドと駆動部とヘッド制御部とのそれぞれを組み込むことは、ヘッドと駆動部とヘッド制御部とを用いた印刷装置の組み立てに相当する。各要素の位置は、ノズルから見た記録材の飛翔方向が、ノズルから記録媒体へ向かう記録媒体の法線方向よりも、ノズルから見た記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜するように、予め決められている。ヘッド制御部とヘッドとを信号ラインで接続することも、この組み立てに含まれる。
変形例7:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1のローラー制御部124の機能を、CPUとメモリーとを有するコンピュータがプログラムを実行することによって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
22、312、358、590d、591a〜594a…モーター
24…キャリッジモーター
26…ローラー
28…プラテン
34…ガイドレール
36…駆動ベルト
38…プーリー
100、100a、100b、100c、100d…制御部
110…画像処理部
120、120a、120b、120c、120d…プリンター制御部
122、122d…ヘッド制御部
123d…キャリッジ制御部
124、124a、124b、124d…ローラー制御部
126a〜126d…角度制御部
130…インターフェース
200…給紙部
210…給紙トレイ
220…ローラー
300…紙搬送部
310…搬送ローラー
310s…回転軸
320…従動ローラー
330…搬送ベルト
350…可動ローラーユニット
352…脚
354…ガイドレール
356…軸受け
400…紙受け部
500d…キャリッジ
500x…記録ヘッド
510〜540、510d〜540d、510e…記録ヘッド
510c…位置調整部
510t〜540t、510dt〜540dt…上面
510y〜540y、510dy〜540dy…下面
510eb…側面
514、514e…吐出部
516、516e…インク流路
1000、1000a〜1000d…印刷装置
P…印刷用紙
PS…表面
Sh、Shd…回転軸
Br、Brd…軸受け
Nz…ノズル

Claims (8)

  1. 印刷装置であって、
    記録材を記録媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、
    前記ヘッドと前記記録媒体との少なくとも一方を移動させることによって、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に移動させる、駆動部と、
    前記記録媒体が相対的に移動している状態で、前記ヘッドに前記記録材を吐出させるヘッド制御部と、
    を備え、
    前記ノズルから見た前記記録材の飛翔方向は、前記ノズルから前記記録媒体へ向かう前記記録媒体の法線方向よりも、前記ノズルから見た前記記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜する、
    印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記飛翔方向と前記法線方向との間の角度θは、以下の式(1)を満たす、印刷装置。
    (式1)0<θ<θ1
    ここで、
    Figure 2010194752
    arcsin:正弦関数の逆関数
    Vj:吐出された前記記録材の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
    Vp:前記記録媒体の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、さらに、
    前記飛翔方向と前記法線方向との間の角度を変える第1角度変更部を含み、
    前記駆動部は、第1速度で前記記録媒体を相対的に移動させる第1移動モードと、前記第1速度よりも速い第2速度で前記記録媒体を相対的に移動させる第2移動モードとを有し、
    前記第1角度変更部は、
    前記駆動部が前記第1移動モードで前記記録媒体を相対的に移動させる場合には、前記角度を第1角度に変更し、
    前記駆動部が前記第2移動モードで前記記録媒体を相対的に移動させる場合には、前記角度を前記第1角度よりも大きい第2角度に変更する、
    印刷装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
    前記記録媒体に対する前記ヘッドの向きを変える第2角度変更部を含み、
    前記駆動部は、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に、第1移動方向と、前記第1移動方向とは反対の第2移動方向とに交互に移動させる往復移動をさせ、
    前記第2角度変更部は、
    前記駆動部が、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に前記第1移動方向に移動させる場合には、前記飛翔方向が前記法線方向よりも前記第1移動方向に向かって傾斜するように前記ヘッドの向きを変え、
    前記駆動部が、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に前記第2移動方向に移動させる場合には、前記飛翔方向が前記法線方向よりも前記第2移動方向に向かって傾斜するように前記ヘッドの向きを変える、
    印刷装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドの前記記録媒体と対向する面は、前記記録媒体と平行であり、
    前記ヘッドは、前記ノズルに接続された流路を含み、
    前記流路は、前記飛翔方向に沿って延びている、
    印刷装置。
  6. 印刷方法であって、
    記録材を記録媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、前記記録媒体との少なくとも一方を移動させることによって、前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に移動させ、
    前記記録媒体が相対的に移動している状態で、前記ヘッドに前記記録材を吐出させ、
    前記ノズルから見た前記記録材の飛翔方向が、前記ノズルから前記記録媒体へ向かう前記記録媒体の法線方向よりも、前記ノズルから見た前記記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜している、
    印刷方法。
  7. 請求項6に記載の印刷方法であって、
    前記飛翔方向と前記法線方向との間の角度θは、以下の式(1)を満たす、印刷方法。
    (式1)0<θ<θ1
    ここで、
    Figure 2010194752
    arcsin:正弦関数の逆関数
    Vj:吐出された前記記録材の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
    Vp:前記記録媒体の、前記ノズルから見た相対的な移動速度の大きさ
  8. 印刷装置の製造方法であって、
    記録材を記録媒体に吐出するノズルを有するヘッドを準備し、
    前記ヘッドと前記記録媒体との少なくとも一方を移動させることによって前記ヘッドに対して前記記録媒体を相対的に移動させる駆動部を準備し、
    前記記録媒体が相対的に移動している状態で前記ヘッドに前記記録材を吐出させるヘッド制御部を準備し、
    前記ノズルから見た前記記録材の飛翔方向が、前記ノズルから前記記録媒体へ向かう前記記録媒体の法線方向よりも、前記ノズルから見た前記記録媒体の相対的な移動方向に向かって傾斜するように、前記ヘッドと前記駆動部と前記ヘッド制御部とを用いて前記印刷装置を組み立てる、
    製造方法。
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