JP2004243564A - シリアル型記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイドシャフトに摺動可能に支持されて記録ヘッドを搭載するキャリッジを備えたシリアル型記録装置にて、はがきや写真用紙へ高精彩な印刷を行う際の印刷むらを低減し、かつこれに伴う印刷速度の低下を最小限に抑える。
【解決手段】キャリッジ401はキャリッジベルト412の一部と連結されており、このキャリッジベルト412が、アイドラプーリ409とCRモータプーリ411との間において張架されている。CRモータ410の駆動によってCRモータプーリ411を回転させ、キャリッジベルト412を往動方向または復動方向へと移動させることにより、キャリッジ401はガイドシャフト402に沿って往復走査する。印刷動作(記録動作)は、キャリッジ401が加速され、ガイドシャフト402の振動が十分に収束し、着弾位置ずれが印刷品位に影響しなくなった位置から開始する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドを保持した記録ヘッド保持手段が記録装置内で往復走査するシリアル型記録装置に関し、さらに詳しくは、かかる記録ヘッド保持手段の走査制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、紙やOHP用シート等の記録媒体に対して記録を行う記録装置には、種々の記録方式による記録ヘッドを搭載した形態のものが提案されている。この記録ヘッドとしては、ワイヤドット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式によるもの等がある。
【0003】
この中でも、特にインクジェット方式は、記録媒体に向けてインク滴を直接噴射するものであり、記録動作が静かで、ランニングコストが安いことから、他の方式に比べて広く利用されている。
【0004】
このインクジェット方式を採用した記録装置であるインクジェット記録装置は、記録される文字や図形のカラー化、記録動作の高速化、記録画像の高画質化など、各性能においてめざましい向上を遂げており、オフィスで各個人の机上に置かれたり、一般の家庭内で日常的に使用されたりするなど、ユーザーにより身近なものとなっている。このため、インクジェット記録装置に対しては、高性能を維持したままでの更なる小型化及び軽量化という要望が大きくなっている。特に使用しない間は本棚や机の中に収納できるよう、記録装置の薄型化が強く望まれている。
【0005】
現在広く普及している記録装置では、記録ヘッドをヘッド保持部材であるキャリッジ上に搭載し、キャリッジを記録媒体の搬送方向と交差する方向、好ましくは直交する方向に往復走査させることにより記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置が主流となっている。その理由は、シリアル型の記録装置は記録領域に比べて小さな記録ヘッドで画像の形成が可能であり、記録装置の小型化及び低価格化が容易なためである。
【0006】
シリアル型の記録装置では、キャリッジの走査(移動)に同期させて記録ヘッドを駆動し、走査方向に画像を形成する。そのため高精彩な画像の形成には、走査速度が一定で走査中の姿勢が安定した、スムーズなキャリッジ走査が必要である。近年ではキャリッジの駆動にDCモータを用い、エンコーダでDCモータの駆動速度等を検出してフィードバック制御を行う手段が多く用いられる。
【0007】
走査方向の画像形成が終わるとキャリッジは定常速度から減速、停止し、記録媒体搬送手段によって記録媒体が所定量搬送され、その後キャリッジが反対方向へと移動して次の画像が形成される。
【0008】
またインクジェット方式では普通紙のみならず、表面にインク受容層を設けたコート紙、厚手の用紙にインク受容層を設けた光沢紙、はがき用紙、銀塩写真に類似した印刷品位を可能にした写真用紙など、さまざまな用紙への印刷が可能であり、近年は特にインクジェット年賀はがきや、デジタルカメラの画像を直接写真用紙に印刷する用途の需要が高まっている。
【0009】
このような比較的小さな用紙に印刷する場合、シリアル型記録装置では用紙の印刷領域以外へはキャリッジが走査しないようにキャリッジの走査距離を短縮し、印刷速度を向上させることができる。具体的には、印刷領域を抜けるとすぐにキャリッジを停止し、記録媒体の搬送を行い、その後キャリッジを反対方向へと走査させるので、印刷領域以外をキャリッジが走査する時間を省くことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
走査方向に延びる案内軸であるガイドシャフトにキャリッジが摺動自在に支持されるとともにタイミングベルトの一部に係り止められ、このタイミングベルトをDCモータの駆動力で回転させることでキャリッジをガイドシャフトに沿って往復走査させるシリアル型記録装置では、キャリッジが加速する際、キャリッジに加わる駆動力の反力が衝撃となってキャリッジを支持するガイドシャフトに伝達され、ガイドシャフトが振動する。ガイドシャフトと共にキャリッジが振動すると、キャリッジに搭載された記録ヘッドから記録媒体へ吐出されるインク滴の着弾位置がずれ、印刷開始直後の領域に印刷むらとなって表れて印刷品位を低下させてしまう。ガイドシャフトは両端をシャーシに支持された梁状を成しているので、キャリッジがガイドシャフトの中央付近で停止、加速する場合、つまりはがき用紙や写真用紙への印刷の場合に、特に振動が大きく印刷品位に影響が出る場合がある。
【0011】
小型の記録装置では、記録ヘッドおよびインクカートリッジ(記録ヘッドに対して交換可能なインクタンク)を含むキャリッジの重量は比較的軽いが、キャリッジの加減速走査距離を低減するため急激な加速を行い、また衝撃を受けるガイドシャフトの外径は細いので、さらにこのような衝撃に対して不利と言える。
【0012】
このような課題に対し特開平9−300766号公報では、ガイドシャフトの両端でキャリッジが停止、加速する場合には急激に加速し、それ以外の位置で停止、加速する場合には緩やかに加速する2種類の加速条件を設けることが提案されている。しかし、加速条件を2種類持つには記録装置の制御手段内のメモリ領域を多く必要とし、またガイドシャフト両端以外のほとんどの場所でキャリッジの停止、加速が行われる場合(例えば、はがき用紙や写真用紙への印刷)、最も振動の大きい場所でキャリッジが停止、加速する場合に必要な最も緩やかな加速条件を適用してキャリッジの走査を行うため、加速及び定常走査領域に無駄が多く、印刷速度を向上させることができない。
【0013】
さらに、高品位の印刷を必要としない白黒文字の文書などにおいてこのような制御を適用すると、印刷速度の低下を招いていた。
【0014】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の課題、すなわちガイドシャフトに摺動可能に案内、支持されて記録ヘッドを搭載するキャリッジを備えたシリアル型記録装置において、ガイドシャフト上のキャリッジの加速開始位置によって、印刷品位に影響するような振動が生じるという課題に鑑み、はがきや写真用紙へ高精彩な印刷を行う際の印刷むらを低減し、かつこれに伴う印刷速度の低下を最小限に抑えることができるシリアル型記録装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るシリアル型記録装置は、記録媒体に対して記録を行う記録ヘッドを保持するヘッド保持手段と、前記ヘッド保持手段を所定の移動方向に案内する案内軸と、前記ヘッド保持手段に対して移動のための駆動力を伝達する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段とを有するシリアル型記録装置において、前記制御手段は、前記ヘッド保持手段が加速を開始してから前記記録ヘッドが記録を開始するまでの距離を、前記記録ヘッドの記録開始位置と、前記ヘッド保持手段の移動方向と、記録媒体の種類及び記録モードとに応じて変化させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0016】
上記のとおりの発明では、ヘッド保持手段の加速時における案内軸の振動が十分に収束するのに必要な距離を見込んだヘッドの加速開始位置を制御手段により算出し、この加速開始位置にヘッド保持手段を駆動制御することが可能となり、案内軸の振動による印刷むらなどの印刷品位低下が解消される。さらに、記録画像に要する印刷品位に応じて、ヘッド保持手段の加速開始から、ヘッド保持手段に保持された記録ヘッドの記録開始までの距離を変化させるので、印刷品位を向上させつつ印刷速度の低下を最低限に抑制することが可能となる。例えば、高品位印刷では印刷速度が低下しても印刷むらのない画像印刷ができ、白黒文字の文書など高品位の印刷を必要としない場合には印刷速度を低下させない印刷ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ここで説明する記録装置で記録する記録媒体として紙を例にとるが、プラスチックシートなどの記録可能な可とう性シートを含む記録媒体であれば本発明に適用できる。
【0018】
図1は本発明の一実施形態によるシリアル型記録装置について、外装を除いた記録動作機構の全体を表す。
【0019】
本実施形態のシリアル型記録装置における記録動作機構は、大別すると、図1に示すように、不図示の記録用紙Pを装置本体内の搬送部200へと自動的に給送する自動給紙部100と、自動給紙部100から1枚ずつ送出される記録用紙Pを所望の記録位置へと導くと共に記録用紙Pを記録位置から排出する搬送部200と、搬送部200の下流に位置する排出部300と、搬送部200に搬送された記録シートPに所望の記録を行う記録部400と、記録部400等に対して記録動作を正常状態に維持するための回復処理を行う回復部600とを備えており、これら各機構部はシャーシ701を中心としてほぼ一体に構成されている。記録シートPの搬送方向は図1の矢印Aであり、記録部400の往復動作方向(走査方向)は図1の矢印Bである。
【0020】
記録部400は、主案内軸部材であるガイドシャフト402と副案内部材であるガイドレール305とによって移動可能に支持されたキャリッジ401(図3参照)と、このキャリッジ401に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジ501とからなる。ガイドシャフト402とガイドレール305は記録装置本体の底面と略平行に配置されている。
【0021】
この実施形態における記録ヘッドカートリッジ501は、記録ヘッド500(図4参照)と、記録ヘッドに対して着脱自在なブラックインクタンクカートリッジ503並びにシアン、マゼンタ及びイエローの3色一体のカラーインクタンクカートリッジ504とからなる。また、この記録ヘッドは、各インクタンク503,504から供給される各色インクを記録情報に応じて所定色のための吐出口から液滴として吐出させる、いわゆるインクジェット式の記録ヘッドである。インクジェット方式としてはインクを加熱した時の発泡エネルギーを利用して吐出させる方式や、振動エネルギーによりインクを吐出させる方式などが適用できる。
【0022】
図2は、本実施形態に係るシリアル型記録装置の記録動作機構を除いた下ケース802及び制御基板702を示す。記録動作機構に備えられたスイッチ、センサ、モータ等は、不図示の電気配線により制御基板702に接続され、制御信号が伝達される。
【0023】
図3は、上述した記録ヘッドカートリッジ501を搭載するキャリッジとその走査部の部品を抜粋した斜視図、図4は記録ヘッドカートリッジ501を搭載するキャリッジとその走査部の側面図である。
【0024】
ガイドシャフト402と平行にエンコーダスケール408がシャーシ701の両側面の間に張架されている。キャリッジ側面に設けられたエンコーダセンサ407がエンコーダスケール408上の情報を検出することにより、キャリッジ401の位置や走査速度等を検出することが可能となっている。この実施形態の場合、エンコーダセンサ407は光学式の透過型センサであり、エンコーダスケール408はポリエステル等の樹脂製のフィルム上に写真製版などの手法によって、エンコーダセンサ407からの検出光を遮断する遮光部と検出光が透過する透光部とを所定のピッチで交互に印刷したものとなっている。
【0025】
ガイドシャフト402に沿って移動するキャリッジ401の位置は、キャリッジ401の走査軌道上の端部に設けられたシャーシ701の一方の側板にキャリッジ401を突き当て、その突き当て位置を基準とし、その後キャリッジ401の走査に伴い、エンコーダスケール408に形成された遮光部と検出光からなるパターン数をエンコーダセンサ407によって計数することにより随時検出される。
【0026】
キャリッジ401はキャリッジベルト412の一部と連結されており、このキャリッジベルト412が、アイドラプーリ409とCRモータプーリ411との間においてガイドシャフト402と略平行に張架されている。また、CRモータ410の駆動によってCRモータプーリ411を回転させ、キャリッジベルト412を往動方向または復動方向へと移動させることにより、キャリッジ401はガイドシャフト402に沿って往復走査する。
【0027】
ガイドシャフト402の下方(記録装置本体の底部側)にはLFローラ(記録媒体の搬送ローラ)201及びピンチローラ(搬送ローラの従動回転体)202が設けられ、これらが不図示の記録用紙Pを挟持しながら回転することにより、記録用紙Pを搬送する。記録用紙Pはプラテン203に案内され、記録用紙Pと記録ヘッド500の液滴吐出ノズルとの間隔が一定に保たれることにより、液滴吐出ノズルから吐出されたインク滴が精度良く記録用紙Pに着弾して高精細な画像が形成される。
【0028】
記録ヘッドカートリッジ501を挟んでガイドシャフト402及びキャリッジベルト412と反対側には、ガイドレール305が備えられている。これらガイドシャフト402とガイドレール305が、キャリッジ401の走査領域にわたってキャリッジ401の姿勢を維持し、上記の液滴吐出ノズルと記録用紙Pとの間隔を保ちながらキャリッジ401の走査を案内する。
【0029】
シリアル型記録装置においては、キャリッジ401の一回の走査で記録ヘッドのノズルの列(以下、「ノズル列」称す)に相当する幅の画像記録を行った後、記録用紙PをLFローラ201によって所定量だけ紙送りし、ついで再びキャリッジ401の走査による次の画像記録を行うといった動作を繰り返して画像形成が行われる。
【0030】
キャリッジ401には、ガイドシャフト402が貫通状態で嵌合する軸受部401aが、主走査方向に離間して2ヶ所に設けられており、軸受部401aの内径はガイドシャフト402に対して滑らかに摺動するように、該ガイドシャフトの外径よりも30〜80μm程度大きい寸法にされている。このため軸受部401aとガイドシャフト402との間には隙間が存在する。
【0031】
このような構成を有する記録装置において、キャリッジベルト412によりキャリッジ401に駆動が伝達されると、記録ヘッドカートリッジ501を含むキャリッジ401の重心はガイドシャフト402とガイドレール305との間にあるので、駆動力は記録用紙Pに略平行な面内でキャリッジ401を回転させる力となる。さらにガイドレール305とキャリッジ401との摺動力(摺動時の摩擦力)もキャリッジ401を回転させる力として作用する。
【0032】
回転力を受けたキャリッジ401は、軸受部401aとガイドシャフト402との隙間寸法分だけ回転し、軸受部401aとガイドシャフト402とが衝突する。このとき、ガイドシャフト402は軸受部401aから衝撃力を受け、記録用紙Pに平行な方向に振動する。ガイドシャフト402が振動すると、ガイドシャフト402に取り付けられているキャリッジ401も同様に振動し、さらにキャリッジ401に搭載された記録ヘッドカートリッジ501から記録媒体へのインク滴の着弾位置がずれて、印刷開始直後の領域に印刷むらとなって表れて印刷品位を低下させてしまう。
【0033】
図5に、走査方向の様々な位置においてキャリッジ401を加速させたときの、記録用紙Pに着弾するインク滴の位置ずれの一例を示す。図中の横軸はキャリッジのガイドシャフト上の位置、縦軸は正規のインク着弾位置に対するずれ量を表す。この図から分かるように、ガイドシャフト402の、シャーシ701への取り付け位置に近い一端Lから他端L(記録装置本体の一方の側面から他方の側面)へ加速を開始した場合には着弾位置ずれは小さいが(図5の(a),(b))、ガイドシャフト402の中央付近からガイドシャフト402の他端Lへ加速を開始した場合には着弾位置ずれが大きくなっており(図5の(c),(d),(e))、印刷品位に影響を与えない程度まで振動が低減する走査距離(以下、収束距離Sとする)の範囲で印刷むらが発生する可能性がある。
【0034】
なお、本明細書でいう「加速」とは、キャリッジが停止状態(速度0)から速度を増すことを指す。
【0035】
図6に、本記録装置により印刷可能な用紙サイズの一例を示す。記録可能な最大用紙はA4用紙101であり、はがき用紙102は走査方向幅がA4用紙101の約1/2、写真用紙103ははがき用紙102よりも更に小さい用紙である。つまり、本記録装置において、はがき用紙102や写真用紙103に印刷を行うと、キャリッジ401は記録装置中央付近から加速を開始して印刷を行うため、印刷開始直後の領域で着弾位置ずれが印刷むらとなって表れ、印刷品位が低下してしまう。
【0036】
そこで本実施形態では、ガイドシャフト402の振動が十分に収束し、着弾位置ずれが印刷品位に影響しなくなった位置から印刷(記録)を開始することにより、印刷品位の低下を防止する。より具体的には、予めガイドシャフト402の振動が収束するまでに必要な走査距離(以下、空走距離Rとする)を見込んで、キャリッジ401の加速開始位置(キャリッジ停止位置でもある。)を、記録装置内の制御手段(図9のCPU602)により算出してキャリッジ401の制御を行う。
【0037】
図7の(a)に、走査方向の様々な位置においてキャリッジ401が加速を開始してから、ガイドシャフト402の振動が収束し、着弾位置ずれが印刷品位に影響しなくなるまでのキャリッジ401の走査距離(収束距離S)を示す。図中の横軸はキャリッジの走査方向の位置X、縦軸は収束距離Sであるが、収束距離Sは、記録装置中央のXmax/2の位置で最大値Smaxとなる2次曲線によって表される。
【0038】
はがき用紙102への印刷を例にとると、当初の加速開始位置X1からガイドシャフト402の振動が収束するまでの収束距離はS1である。ところが、キャリッジ401の加速開始位置を+X方向にS1だけ移動させると、ここではガイドシャフト402の振動が収束するまでの収束距離はS1’となる。S1>S1’であるので、キャリッジ401を(X1+S1)の位置から加速を開始すると、当初の加速開始位置X1まで到達する前にすでにガイドシャフト402の振動は収束しており、キャリッジ401は(S1−S1’)の距離だけ余分な走査を行うことになる。あるいは、より小さい用紙への印刷で当初の加速開始位置X2から加速を行う場合には、逆にS2<S2’となる。このとき、キャリッジ401を(X2+S2)の位置から加速を開始すると、当初の加速開始位置X2に到達した時点ではまだガイドシャフト402の振動が十分に収束しておらず、印刷開始直後の領域に印刷むらが表れてしまう。
【0039】
上記の現象はキャリッジ401が図中矢印で示す−X方向に加速する場合であり、同じ位置でも+X方向に加速する場合には最適な空走距離Rは異なる。
【0040】
本実施形態ではこのような収束距離Sの変化に鑑み、空走距離Rの算出を下記の手順で行う。
【0041】
図7の(b)に、走査方向の様々な位置においてキャリッジ401が加速を開始しようとする際の空走距離Rを示す。キャリッジ401が−X方向に加速する場合、当初の加速開始位置Xに対し空走距離Rは下記で表される。
【0042】
<X≦Xaのとき、空走距離R=k1・X
Xa<X≦Xbのとき、空走距離R=Smax(一定)
Xb<X≦Xmaxのとき、空走距離R=−k2・X
このように、制御手段は、空走距離Rを、加速開始位置が記録装置端部から離間した所定の範囲内であるときに最大収束距離Smaxとし、それ以外の範囲では最大収束距離Smaxよりも短くなるように(図7(b)の例では加速開始位置に比例して一次的に最大収束距離Smaxから減少するように)キャリッジ駆動用モータを制御する。
【0043】
つまり、キャリッジ401が記録装置端に近い位置から同じ記録装置端側へ向かって加速する場合は、その記録装置端から離れる方向に加速開始位置を移動させると必要な空走距離Rが更に延びるので、この領域では空走距離Rを最大収束距離Smaxに向け徐々に増加する一次曲線とする。キャリッジ401が記録装置中央(ガイドシャフト402の中央)に近い所定の領域内で加速を開始する場合には、空走距離Rを最大収束距離Smaxとする。キャリッジ401が記録装置端付近から記録装置中央へ向かって加速する場合には、その記録装置端へと加速開始位置を移動させると必要な空走距離Rは減少するので、この領域では空走距離Rを最大収束距離Smaxから徐々に減少する一次曲線とする。
【0044】
+X方向へ加速を行う場合には、記録装置中央を中心に対称の空走距離Rが適応される。
【0045】
本実施形態に係る記録装置においてA4用紙に印刷を行う場合には、キャリッジ401は位置Xから+X方向への加速及び位置Xmaxから−X方向への加速を行うので、空走距離Rはどちらも0であり、印刷速度は、加速開始位置を変更する本発明のキャリッジ制御を実施しない場合と同様である。
【0046】
一方、はがき用紙に印刷を行う場合には、+X方向へは位置Xから加速を行うので空走距離Rは0であり、−X方向に加速を行うときに空走距離Rが加算される。所定の空走距離Rを加算した加速開始位置X’から−X方向に加速を行うと、キャリッジ401の加速に伴うガイドシャフト402の振動が発生するが、空走距離Rを走査した後に印刷を開始するのでガイドシャフト402の振動は十分に収束しており、印刷開始直後の領域に印刷むらのない高品位の印刷が可能となる。
【0047】
なお、空走距離Rの間では、キャリッジが加速しているだけでなく、キャリッジが加速して所定の速度まで達した後、記録開始までの間に一定の速度で走査されている。このような設定は、キャリッジ401の加速条件が記録ヘッドの記録開始位置(印刷開始位置)と、キャリッジの移動方向と、記録媒体の種類及び記録モードとに拠らず一定のため、キャリッジ制御のためのメモリ領域を増やすことなく印刷品位を向上させることができる。
【0048】
本発明に係る記録装置は、ホストコンピュータなどからの印刷命令を制御基板702に備えられたCPUで受信し、記録装置の制御信号を生成する(図9参照)ので、空走距離Rの算出方法を印刷命令に含まれる記録媒体の種類(用紙サイズや用紙の材質など)や記録モード(同一機種での高画質印刷(例えば1200×1200dpi)や標準印刷(例えば600×600dpi)などの画質の選択、あるいは記録速度)に応じて変化させる。たとえば高品位紙(写真用紙など)への綺麗モード印刷では最大空走距離をSmax、高品位紙への標準モード印刷では最大空走距離をSmax/2、普通紙への印刷では空走距離を0と設定する。より高品位の印刷が求められる印刷むらが目立ちやすいモードでは空走距離Rを長く、印刷むらが目立たないモードでは空走距離Rを短くするように記録装置内の制御手段がキャリッジ駆動用モータを制御する。したがって、高品位印刷では印刷速度(所望の記録媒体への行印刷のために停止状態のキャリッジを加速してから印刷が終了するまでの速度)が低下しても印刷むらのない画像印刷ができ、白黒文字の文書など高品位の印刷を必要としない場合には印刷速度を低下させないという作用をなす、すなわち、印刷品位を向上させつつ印刷速度の低下を最低限に抑制することができる。
【0049】
図8に、本実施形態のシリアル型記録装置における他の空走距離Rの算出方法の実施形態を示す。
【0050】
図8の(a)に示す例では、空走距離RはX=Xaの位置を境に2つの二次曲線で表され、X=Xaのとき最大収束距離Smaxとなり、記録装置端に向かい徐々に最大収束距離Smaxから減少する。加速開始位置の移動に伴って空走距離Rを滑らかに変化させるので、いずれの位置から記録を開始する場合でも、ガイドシャフト402の振動が収束するまでに必要な空走距離Rに過不足なく、最適な値を算出することができる。
【0051】
図8の(b)に示す例では、空走距離RはXa<X≦Xbの範囲で最大収束距離Smax、この領域に隣接するX<X≦Xa、Xb<X≦Xcの範囲でSmaxの2/3、さらに離間したXc<X≦Xdの範囲でSmaxの1/3、Xd<X≦Xmaxの範囲では0と、所定の記録開始位置の範囲ごとに段階的に最大収束距離Smaxから減少させる。複雑な計算を行うことなく空走距離Rを算出することができるので、制御基板702による記録装置の制御を簡略化することができる。
【0052】
記録装置に求められる画像印刷品位や印刷速度、装置サイズ、コストなど様々な要望に応じて、上述した各方法を適宜組み合わせることで、精度の良い複雑な計算方法と簡易的な計算方法を適宜組み合わせ、最適な空走距離Rの算出方法を確立することができる。
【0053】
本実施形態においては、印刷用紙のサイズが異なる場合について説明を行ったが、例えばA4用紙の一部のみに印刷を行う場合においても本発明が適用できることは自明である。
【0054】
本実施形態においては、キャリッジ401の加速に伴うガイドシャフト402の振動が収束するまでの空走距離Rが左右対称の場合について説明を行ったが、実際の記録装置では、ガイドシャフト402の固定方法やシャーシ701の剛性などが左右で異なり、空走距離Rが左右対称でない場合がある。その場合においても、+X・−Xそれぞれの方向に必要な空走距離Rを算出し、本発明を適用しなければならないことは自明である。
【0055】
図9は、本発明の記録装置の一実施形態における制御系を示すブロック図である。本実施形態の記録装置は、ホストコンピュータ609より印刷情報608を制御信号として受ける。印刷情報608は記録装置内部の入力インターフェイス607に一時保存されると同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、記録ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU(制御手段)602に入力される。CPU602はROM603に保存されている制御プログラムに基づき、CPU602に入力されたデータをRAM604等の周辺ユニットを用いて処理し、印刷するデータ(画像データ)に変換する。
【0056】
また、CPU602は画像データを記録用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同期して記録用紙および記録ヘッド500を移動する駆動用モータ606を駆動するための駆動データを作る。画像データおよびモータ駆動データは各々、ヘッドドライバ601とモータドライバ605を介し、記録ヘッド500および駆動用モータ606に伝達され、それぞれ制御されたタイミングで駆動され画像を形成する。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシリアル型記録装置は、案内軸により所定の移動方向に案内され、記録ヘッドを保持するヘッド保持手段と、前記ヘッド保持手段に移動のための駆動力を伝達する駆動手段と、前記ヘッド保持手段が加速を開始してから前記記録ヘッドが記録を開始するまでの距離を、前記記録ヘッドの記録開始位置と、前記ヘッド保持手段の移動方向と、記録媒体の種類及び記録モードとに応じて変化させるように前記駆動手段を制御する制御手段とを有することにより、ヘッド保持手段の加速によって生じる案内軸の振動が収束するまでの間は空走距離として記録を行わないようにできるため、印刷むらのない高品位の印刷を行う記録装置を提供することができる。
【0058】
また、前記空走距離は記録画像の記録開始位置に応じて最低限必要な距離を算出し、また必要な印刷品位に応じても変化させるので無駄なキャリッジ走査がなく、印刷品位を向上させつつ印刷速度の低下を最低限に抑制した使い勝手のよい記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるシリアル型記録装置について、外装を除いた記録動作機構の全体を表す全体説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシリアル型記録装置の記録動作機構を除いた下ケース及び制御基板を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るシリアル型記録装置において、記録ヘッドカートリッジを搭載するキャリッジとその走査部の部品を抜粋した斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るシリアル型記録装置において、記録ヘッドカートリッジを搭載するキャリッジとその走査部の側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るシリアル型記録装置において、走査方向の様々な位置においてキャリッジを加速させたときの、記録用紙に着弾するインク滴の位置ずれの一例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るシリアル型記録装置により印刷可能な用紙サイズの説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るシリアル型記録装置における空走距離Rの算出方法を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るシリアル型記録装置における、別の空走距離Rの算出方法を説明するための図である。
【図9】本発明の記録装置の一実施形態における制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 自動給紙部
101 A4用紙
102 はがき用紙
103 写真用紙
200 搬送部
201 LFローラ
202 ピンチローラ
203 プラテン
300 排出部
305 ガイドレール
400 記録部
401 キャリッジ
401a 軸受部
402 ガイドシャフト
407 エンコーダセンサ
408 エンコーダスケール
409 アイドラプーリ
410 CRモータ
412 キャリッジベルト
500 記録ヘッド
501 記録ヘッドカートリッジ
503 ブラックインクタンクカートリッジ
504 カラーインクタンクカートリッジ
600 回復部
601 ヘッドドライバ
602 CPU(制御手段)
603 ROM
604 RAM
605 モータドライバ
606 駆動用モータ
607 入出力インターフェイス
608 印刷情報
609 ホストコンピュータ
701 シャーシ
702 制御基板
802 下ケース

Claims (1)

  1. 記録媒体に対して記録を行う記録ヘッドを保持するヘッド保持手段と、
    前記ヘッド保持手段を所定の移動方向に案内する案内軸と、
    前記ヘッド保持手段に対して移動のための駆動力を伝達する駆動手段と、
    前記駆動手段を制御する制御手段とを有するシリアル型記録装置において、
    前記制御手段は、前記ヘッド保持手段が加速を開始してから前記記録ヘッドが記録を開始するまでの距離を、前記記録ヘッドの記録開始位置と、前記ヘッド保持手段の移動方向と、記録媒体の種類及び記録モードとに応じて変化させるように前記駆動手段を制御することを特徴とするシリアル型記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009034853A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Seiko Epson Corp キャリッジ装置及び記録装置
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