JP2016175373A - 液滴吐出方法および液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出方法および液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル列(ヘッド)を使用しない空き時間の影響によるバンディング(むら)を軽減する。【解決手段】液滴吐出方法は、印刷媒体を搬送方向に移動する搬送工程と、液滴を吐出する複数のノズルを有し、搬送方向に沿って異なる位置に配置される第1のノズル列および第2のノズル列を、搬送方向と交差する走査方向に沿った一方向に移動する走査工程と、第1のノズル列および第2のノズル列から液滴を吐出する吐出工程と、第1のノズル列および第2のノズル列の少なくとも何れか一方から液滴を吐出しない不吐出工程と、を有し、吐出工程を伴う走査工程を複数回実行する間に、不吐出工程を実行可能である。【選択図】図15

Description

本発明は、液滴吐出方法および液滴吐出装置に関する。
液滴吐出装置の一例として、紙やフィルムなどの各種印刷媒体に液滴(インク滴)を吐出して、画像の印刷(記録)を行うインクジェット式プリンターが知られている。インクジェット式プリンターは、例えば、印刷媒体に対して、複数のノズルが形成されたヘッドを走査方向に移動(走査)させながら各ノズルからインク滴を吐出するドット形成動作と、印刷媒体を走査方向と交差する搬送方向に移動(搬送)する搬送動作とを交互に繰り返し、走査方向に並ぶドット(ドット列)を搬送方向に並べて形成し、印刷媒体上に画像を形成する。
このようなインクジェット式プリンターでは、印刷速度をより高めるための一つの方法として、ノズルの数を増やす方法が取られてきた。具体的には、ヘッド当たりのノズル数を増やしたり、複数のヘッドを並べたりすることで、1回の走査で吐出されるドット数を増やし、印刷速度を高める方法である。1回の走査によって、複数のノズル(複数のヘッド)からなる列の長さに応じた幅の領域(バンド)の画像形成を完了し、次に、この幅に応じて搬送方向へ印刷媒体の搬送を行い、形成されたバンドの端部と、次の走査によって形成されるバンドの端部が接するように搬送方向に並べてバンドを形成する。これを繰り返すことにより画像を形成する。この方法により、より高速の印刷を行うことが可能となったが、この方法では、バンドの境界に沿って縞模様(バンディング)が発生してしまう場合があった。これは、搬送方向の送り精度のばらつきや、ノズル列の切り替わり部分のインク吐出特性の差(インク滴の着弾位置のばらつきや、インク滴の量のばらつき)などの影響によるものである。
特許文献1には、このバンディングによる画質の低下を抑制する方法として、吐出口の吐出特性や精度のばらつきを分散させる方法が提案されている。具体的には、最も簡単な例として、ヘッドの走査に伴って形成されるバンドの下端領域とヘッドの次の走査に伴って形成されるバンドの上端領域とを重複させ、最初に形成されるバンドの下端領域の一部のドットと、次に形成されるバンドの上端領域の一部のドットとが同じ領域に重なるように形成する方法である。また、特許文献2には、複数のノズル列を用いて高品位な画像を形成する方法が提案されている。
特開平6−47925号公報 特開平10−323978号公報
しかしながら、より高精細の画像を得るために、吐出されるインク滴の量を微量とし、画素を形成するためのドットの数を増加させた場合に、インク滴を吐出するタイミングの差によってバンディングが発生してしまう場合があるという課題があった。画素を形成する複数の隣接し合うドットは、インク滴が着弾した後の経過時間によって乾燥の度合いが異なり、隣接する位置に着弾する新たなインク滴は、以前に着弾している周囲のインク滴の乾燥の度合いにより、滲みの度合いや、その結果として表面形状の違いが発生する。そのため、ある領域の画素の形成において、それぞれの画素を形成するための複数のインク滴が着弾する時間の間隔の分布が、隣接する他の領域のそれと顕著に異なる場合に、インク滴の滲みの度合い、表面形状の違いが発生し、結果としてその領域の視覚的なむら(例えば光沢むら)となる。特に、印刷媒体の上端領域や下端領域においては、使用されるヘッドの切り替え制御を行う必要性から、このインク滴着弾時間の分布が違う領域が発生し、その結果としてバンディングが発生してしまう場合があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る液滴吐出方法は、印刷媒体を搬送方向に移動する搬送工程と、液滴を吐出する複数のノズルを有し、前記搬送方向に沿って異なる位置に配置される第1のノズル列および第2のノズル列を、前記搬送方向と交差する走査方向に沿った一方向に移動する走査工程と、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から液滴を吐出する吐出工程と、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列の少なくとも何れか一方から液滴を吐出しない不吐出工程と、を有し、前記吐出工程を伴う前記走査工程を複数回実行する間に、前記不吐出工程を実行可能であることを特徴とする。
本適用例によれば、第1のノズル列および第2のノズル列を印刷媒体の搬送方向と交差する走査方向に移動する走査工程を行っているときに、第1のノズル列および第2のノズル列から液滴を吐出する吐出工程と、第1のノズル列および第2のノズル列の少なくとも何れか一方から液滴を吐出しない不吐出工程を組み合わせることによって、液滴を吐出する吐出工程のインターバルを制御することができる。すなわち、印刷媒体に吐出された液滴が乾燥する時間の差やその変化の度合いが少なくなるように制御することができる。
[適用例2] 上記適用例に係る液滴吐出方法において、前記不吐出工程は、前記走査工程の実行に掛かる時間だけ実行されることを特徴とする。
本適用例によれば、不吐出工程は走査工程に掛かる時間だけ実行される。すなわち、走査工程に掛かる時間単位で不吐出工程を制御できるので、走査工程毎に印刷媒体に吐出された液滴が乾燥する時間が異なるようなことがなく、印刷媒体に吐出された液滴が乾燥する時間の差やその変化の度合いが少なくなるように制御することができる。
[適用例3] 上記適用例に係る液滴吐出方法において、前記不吐出工程は、前記走査工程に伴われて実行されることを特徴とする。
本適用例によれば、不吐出工程は走査工程に伴われて実行される。すなわち、不吐出工程であっても第1のノズル列と第2のノズル列を、印刷媒体を搬送する方向と交差する走査方向に沿って移動する走査工程を伴うため、ノズル列の走査方向に沿っての移動が停止することによって印刷装置が故障もしくは不具合を発生したと思われずに、不吐出工程を実施できる。
[適用例4] 上記適用例に係る液滴吐出方法において、前記不吐出工程は、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から液滴を吐出しないことを特徴とする。
本適用例によれば、不吐出工程は第1のノズル列および第2のノズル列から液滴を吐出しない。すなわち、吐出工程と不吐出工程の切り替えで印刷媒体に吐出された液滴が乾燥する時間の差やその変化の度合いが少なくなるように制御することができるため、制御が簡便となる。
[適用例5] 上記適用例に係る液滴吐出方法において、前記不吐出工程の実行中に、所定動作実行中であることを報知することを特徴とする。
本適用例によれば、不吐出動作中に不吐出動作を行っていることを、例えば音やパネル上に表示を行うことで報知を行う。そのため、液滴を吐出しない動作が所定の動作であることをより容易に認識することができる。
[適用例6] 本適用例に係る液滴吐出装置は、印刷媒体を搬送方向に移動する搬送部と、液滴を吐出する複数のノズルを有し、前記搬送方向に沿って異なる位置に配置される第1のノズル列および第2のノズル列と、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列を、前記搬送方向と交差する走査方向に移動する走査移動部と、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から、液滴の吐出および不吐出を制御する制御部と、を備え、前記走査移動部が、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列を前記走査方向に沿った一方向に移動するのに伴い、前記制御部は、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から液滴を吐出させ、前記走査移動部が、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列を複数回移動する間に、前記制御部は、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列の少なくとも何れか一方を不吐出とする期間を設定可能であることを特徴とする。
本適用例によれば、吐出動作と不吐出動作を組み合わせることによって、液滴を吐出する吐出動作のインターバルを制御することができる。すなわち、印刷媒体に吐出された液滴が乾燥する時間の差やその変化の度合いが少なくなるように制御することができる。
[適用例7] 上記適用例に係る液滴吐出装置において、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列は、それぞれ異なるヘッドに備えられていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1のノズル列および第2のノズル列が、それぞれ異なるヘッドに備えられていることによって、ヘッド間での、印刷媒体に吐出された液滴が乾燥する時間の差やその変化の度合いが少なくなるように制御することができる。
実施形態1に係る液滴吐出装置としてのインクジェットプリンターの内部構成を示す斜視図 実施形態1に係る液滴吐出装置としてのインクジェットプリンターの全体構成を示すブロック図 ノズルの配列の一例を示す説明図 ノズルの配列の一例を示す説明図 ヘッドセットを仮想ヘッドセットとして表記する説明図 通常処理の例の説明図 通常処理におけるドット形成例の説明図 (a),(b)従来技術による上端処理の一例の説明図 各パス1〜6におけるヘッドの使用率を模式的に示すグラフ (a),(b)ヘッド使用率を直線近似で表す場合の説明図 従来技術による上端処理におけるヘッド使用率の遷移を示すグラフ 従来技術における第1ヘッドおよび第2ヘッドそれぞれのヘッド使用率の遷移を示すグラフ 下端処理も含めた場合のヘッド使用率の遷移を示すグラフ 従来技術におけるバンディング(むら)を軽減したヘッド使用率の遷移を示すグラフ 実施例1における第1ヘッドおよび第2ヘッドそれぞれのヘッド使用率の遷移を示すグラフ 実施例2に係る液滴吐出装置としてのインクジェットプリンターを示す斜視図
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る液滴吐出装置としてのインクジェットプリンター100の内部構成を示す斜視図、図2は、ブロック図である。
なお、図に付記するXYZ軸において、インクジェットプリンター100はX−Y平面上に設置されている。また、±X方向(X軸方向)を後述する走査方向、+Y方向を後述する搬送方向、Z方向を高さ方向として説明する。
まず、インクジェットプリンター100の基本構成について説明する。
<インクジェットプリンターの基本構成>
インクジェットプリンター100(以下プリンター100と言う)は、「搬送部」としての搬送ユニット20、「走査移動部」としてのキャリッジユニット30、ヘッドユニット40、およびコントローラー60を有する。外部装置であるパーソナルコンピューター110(以下PC110と言う)から印刷データ(画像形成データ)を受信したプリンター100は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラー60は、PC110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、「印刷媒体」としての用紙10に画像を印刷(画像形成)する。
搬送ユニット20は、用紙10を所定の搬送方向(図1に示す+Y方向)に移動させる機能を有する。搬送ユニット20は、給紙ローラー21、搬送モーター22、搬送ローラー23、プラテン24、排紙ローラー25などを備える。給紙ローラー21は、プリンター100の背面(−Y側)から挿入された用紙10をプリンター100の内部に給紙する。搬送ローラー23は、給紙ローラー21によって給紙された用紙10をプラテン24の上部の印刷可能な領域まで搬送する。プラテン24は、印刷中の用紙10を支持する。排紙ローラー25は、用紙10をプリンターの前面(搬送方向)に排出する。給紙ローラー21、搬送ローラー23、排紙ローラー25は、搬送モーター22によって駆動される。
キャリッジユニット30は、後述するヘッド41を所定の移動方向(図1に示すX軸方向、以下走査方向と言う)に往復移動(走査)させる機能を有する。キャリッジユニット30は、キャリッジ31、キャリッジモーター32などを備える。キャリッジ31は、走査方向に往復移動可能であり、キャリッジモーター32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジ6を着脱可能に保持する。
ヘッドユニット40は、用紙10にインクを「液滴」(以下インク滴とも言う)として吐出する機能を有する。ヘッドユニット40は、複数のノズル(ノズル列)を有するヘッド41を備える。ヘッド41は、キャリッジ31に搭載され、キャリッジ31の走査方向への移動に伴って走査方向に移動する。ヘッド41が走査方向に移動しながらインク滴を吐出することによって、走査方向に沿ったドットの列(ラスタライン)が用紙10に形成される。
ヘッド41は、2つのヘッド(第1ノズル群41Aおよび第2ノズル群41B)を備えている。ヘッド41の構成については、後述する。
コントローラー60は、プリンター100の全体を制御する制御部である。コントローラー60は、インターフェイス部61、CPU62、メモリー63、ユニット制御回路64などを備えている。インターフェイス部61は、PC110とプリンター100との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター100全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。
更に、コントローラー60には駆動信号生成部65が設けられている。駆動信号生成部65は、第1駆動信号生成部65Aと第2駆動信号生成部65Bとを備えている。第1駆動信号生成部65Aは、第1ノズル群41Aのピエゾ素子を駆動するための第1駆動信号を生成する。第2駆動信号生成部65Bは、第2ノズル群41Bのピエゾ素子を駆動するための第2駆動信号を生成する。各駆動信号生成部は、奇数番ドット(後述)にドットを形成する場合には奇数番ドット用の駆動信号を生成し、偶数番ドット(後述)にドットを形成する場合には偶数番ドット用の駆動信号を生成する。各駆動信号生成部は互いに独立しており、例えば、第1駆動信号生成部65Aが奇数番ドット用の駆動信号を生成しているときに、第2駆動信号生成部65Bは、奇数番ドット用の駆動信号を生成することもできるし、偶数番ドット用の駆動信号を生成することもできる。
コントローラー60は、用紙10を搬送方向に移動する「搬送動作」と、ヘッド41を走査移動する「走査動作」と、走査動作を行いつつヘッド41から用紙10に液滴としてのインクを吐出する「吐出動作」と、吐出動作に所定時間のインターバルを設ける「不吐出動作」とを組み合わせることによって、インク滴が形成する複数のドットから構成される画像を用紙10に印刷する。なお、走査動作のことを「パス」と呼び、n回目のパスのことを「パスn」と呼ぶことがある。
<ヘッドの構成>
図3は、ヘッド41が有するノズルの配列の一例を示す説明図である。ヘッド41は、2つのヘッド(ノズル群)として第1ノズル群41Aおよび第2ノズル群41Bを備えている。各ノズル群には、8個のノズル列が設けられており、ヘッド41の下面には、これらノズルの吐出口が開口している。8個のノズル列は、それぞれシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、淡ブラック(LK)、極淡ブラック(LLK)のインクを吐出する。
各ノズル列には、搬送方向に並ぶ180個のノズル(ノズル#1A〜#180A、ノズル#1B〜#180B)が180dpiのノズルピッチで設けられている。図3においては、搬送方向下流側(+Y側)のノズルほど若い番号を付している。各ノズルには、各ノズルからインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(図示省略)が設けられている。
第1ノズル群41Aは、第2ノズル群41Bよりも搬送方向下流側に設けられている。また、4個のノズルの搬送方向の位置が重複するように、第1ノズル群41Aと第2ノズル群41Bが設けられている。例えば、第1ノズル群41Aのノズル♯177Aの搬送方向の位置は、第2ノズル群41Bのノズル♯1Bの搬送方向の位置と同じになっている。これにより、ある吐出動作において、ある画素に対して第1ノズル群41Aのノズル♯177Aがドットを形成可能なとき、その画素に対して第2ノズル群41Bのノズル♯1Bでもドットを形成可能である。
また、第1ノズル群41Aと第2ノズル群41Bとの間で同一のインク(同じ組成で構成されるインク)を吐出するノズル列同士の組み合わせを「ヘッドセット」という。
図4は、ヘッド41が有するノズルの配列のもう一つの例を示す説明図である。図4に示す例では、図3に示すヘッドセットが、より近い位置に配置されている。具体的に説明すると、図4の例では、第1ノズル群41Aおよび第2ノズル群41Bが2個1組のノズル列ごとに交互に並ぶように配置されている。また、各ノズル列には、搬送方向に並ぶ400個のノズル(ノズル#1A〜#400A、ノズル#1B〜#400B)が300dpiのノズルピッチで設けられており、2個1組のノズル列は、1/2ピッチ(1/600インチ)ずれて配置されている。
また、6個のノズルの搬送方向の位置が重複するように、第1ノズル群41Aと第2ノズル群41Bが設けられている。例えば、第1ノズル群41Aのノズル♯395Aの搬送方向の位置は、第2ノズル群41Bのノズル♯1Bの搬送方向の位置と同じになっている。これにより、ある吐出動作において、ある画素に対して第1ノズル群41Aのノズル♯395Aがドットを形成可能なとき、その画素に対して第2ノズル群41Bのノズル♯1Bでもドットを形成可能である。
<ノズル列およびノズルの表記方法>
ドットの形成方法を説明する前に、ノズル列およびノズルの表記方法について説明する。
図5は、ヘッドセットを仮想ヘッドセット42Xとして表記する説明図である。
図5の左側に、第1ノズル群41Aの例えばブラックのノズル列と、第2ノズル群41Bの同じくブラックのノズル列を記載している。以下の説明では、第1ノズル群41Aのブラックのノズル列を第1ヘッド42Aと呼び、第2ノズル群41Bのブラックのノズル列を第2ヘッド42Bと呼ぶ。なお、説明の簡略化のため、各ノズル列のノズル数は15個とする。なお、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bは、本願発明における「ノズル列」に該当する。
第1ヘッド42Aの各ノズル列における搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル♯12A〜ノズル♯15A)と、第2ヘッド42Bの各ノズル列における搬送方向下流側の4個のノズル(ノズル♯1B〜ノズル♯4B)は、搬送方向の位置が重複している。以下の説明では、各ノズル列のこれらの4個のノズルのことを、重複ノズルと呼ぶ。
第1ヘッド42Aの各ノズルは丸印で示されており、第2ヘッド42Bの各ノズルは三角印で示されている。また、インクを吐出しないノズル(つまりドットを形成しないノズル)にはバツ印が付されている。
ここでは、第1ヘッド42Aの重複ノズルのうち、ノズル♯12Aおよびノズル♯13Aはインクを吐出し、ノズル♯14Aおよびノズル♯15Aはインクを吐出しない。また、第2ヘッド42Bの重複ノズルのうち、ノズル♯1Bおよびノズル♯2Bはインクを吐出せず、ノズル♯3Bおよびノズル♯4Bはインクを吐出する。
このような場合、図5の中央部に記載されたように、ヘッドセットを構成する2個のヘッド(第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42B)を1個の仮想ヘッドセット42Xとして表すことができる。以下の説明では、2個のヘッドを別々に描く代わりに、1個の仮想ヘッドセット42Xを用いてドット形成の様子を説明する。
なお、図5の右側に示すように、この仮想ヘッドセット42Xは、丸印のノズルが奇数番ドット(後述)にドットを形成するときであっても、三角印のノズルは偶数番ドット(後述)にドットを形成することが可能である。もちろん、丸印のノズルが奇数番ドットにドットを形成するときに、三角印のノズルも奇数番ドットにドットを形成することも可能である。
なお、個々のノズルからインク滴を吐出してドットを形成する動作は、コントローラー60が受信した印刷データに基づいて行われるが、ここでは、説明を簡単にするため、個別の印刷データに基づく吐出の有無については、説明から省いている。つまり、印刷データに基づいて対応するノズルがインク滴を吐出することでドットが形成され得る全ての位置のドットについてドットが形成される状態をベースに説明する。
<通常処理によるドットの形成方法>
図6は、通常処理の例の説明図である。通常処理とは、用紙10の中央部(用紙10の上端部でも下端部でもない領域)を印刷するときに行われる処理(吐出動作および搬送動作)である。コントローラー60は、各ユニットを制御することによって、以下に説明する通常処理を行う。
図6には、搬送ユニット20による用紙10の搬送量9D毎のステップ移動による相対位置を仮想ヘッドセット42Xが重ならないように斜め方向に示している。つまり、図6では仮想ヘッドセット42Xが用紙10に対して移動しているように描かれているが、実際には用紙10の方が搬送方向に移動する。また、図6において、+X方向における仮想ヘッドセット42Xの位置関係は意味を成さない。また、矢印P1〜P4は、仮想ヘッドセット42Xが走査方向(X軸方向)に走査される方向を示している。
通常処理では、パスとパスとの間に行われる搬送動作において、9個のドット分の搬送量9Dにて用紙10が搬送される。例えば、図6の領域A(用紙10上の領域)には、パス1〜 パス6によりドットが形成され、領域Bには、パス2〜 パス7によりドットが形成されることを示している。
奇数番目のパスでは、各ノズルは、例えば奇数番目のラスタライン(走査方向に沿ったドットの列)の位置になる。奇数番目のパスの後、9個のドット分の搬送量9Dにて用紙10が搬送された後に偶数番目のパスが行われるため、偶数番目のパスでは、各ノズルは、偶数番目のラスタラインの位置になる。このように、各ノズルの位置は、パスごとに交互に、奇数番目または偶数番目のラスタラインの位置になる。
図7は、図6の領域Aおよび領域Bにおけるドット形成の例の説明図である。ここでは、図7において、例えば、上下左右に隣接する4つのドット(4回のパス)で1つの画素を形成する場合を示している。
図7の左側には、各パスにおけるノズルの相対位置が示されている。黒く塗り潰されたノズルは、そのパスにおいて、1画素に1つの割合でドットを形成する。例えば、パス2のノズル♯8Bは、2つのドット位置に対して1つの割合でドットを形成する。斜線によるハッチングがなされたノズルは、2画素に1つの割合でドットを形成する。例えば、パス4のノズル♯10Aは、4つのドット位置に対して1つの割合でドットを形成する。
斜線によるハッチングがなされたノズルは、黒く塗り潰されたノズルと比べて半分のドットしか形成しない。この斜線によるハッチングがなされたノズルのことを、以下部分オーバーラップノズルという。あるパスの第1ヘッド42Aの搬送方向上流側(−Y側)の4個のノズル(ノズル♯10A〜ノズル♯13A)と、そのパスから2回の搬送動作が行われた後の第1ヘッド42Aの搬送方向下流側(+Y側)の4個のノズル(ノズル♯1A〜ノズル♯4A)は、搬送方向の位置が重複する。このようなノズルが、部分オーバーラップノズルになる。例えば、パス4のノズル♯10A〜ノズル♯13Aと、パス6のノズル♯1A〜ノズル♯4Aは、搬送方向の位置が重複するため、部分オーバーラップノズルになる。
同様に、あるパスの第2ヘッド42Bの搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル♯12B〜ノズル♯15B)と、そのパスから2回の搬送動作が行われた後の第2ヘッド42Bの搬送方向下流側の4個のノズル(ノズル♯3B〜ノズル♯6B)は、搬送方向の位置が重複する。このようなノズルが、部分オーバーラップノズルになる。例えば、パス2のノズル♯12B〜ノズル♯15Bと、パス4のノズル♯3B〜ノズル♯6Bは、搬送方向の位置が重複するため、部分オーバーラップノズルになる。また、部分オーバーラップノズルを用いて印刷をした結果、あるパスで印刷した領域に対して、他のパスで一部の領域が重なるように印刷する制御のことを、部分オーバーラップ制御という。
図7の右側には、各画素にドットを形成するノズルが示されている。例えば、1番目のラスタライン(ラスタ番号が1のライン)は、ノズル♯8Bによって奇数番ドットに形成されたドットと、ノズル♯10Aおよびノズル♯1Aによって偶数番ドットに形成されたドットとにより構成される。なお、ここでは説明の簡略化のため、各ラスタラインは8個のドットだけで構成されている。
図7の左上には、各ヘッドによって形成されるドットの位置が示されている。例えば、パス1では、第1ヘッド42Aのノズル(ノズル♯1A〜ノズル♯13A)は奇数番ドットにドットを形成し、第2ヘッド42Bのノズル(ノズル♯3B〜ノズル♯15B)は偶数番ドットにドットを形成する。
各ラスタラインは、2個または3個のノズルによって形成されたドットから構成される。換言すると、各ラスタラインに対し、2個または3個のノズルが対応付けられている。例えば、1番目のラスタラインには、パス2のノズル♯8B、パス4のノズル♯10A、パス6のノズル♯1Aが対応付けられている。また、各ラスタラインは、第1ヘッド42Aの少なくとも1個のノズルによって形成されたドットと、第2ヘッド42Bの少なくとも1個のノズルによって形成されたドットから構成される。換言すると、各ラスタラインに対し、第1ヘッド42Aの少なくとも1個のノズルと、第2ヘッド42Bの少なくとも1個のノズルが対応付けられている。
あるラスタラインの奇数番ドットまたは偶数番ドットに対してノズルが1個だけ対応付けられている場合、そのノズルは、2つのドットに対して1つの割合でドットを形成する。例えば、1番目のラスタラインの奇数番ドットに対しては、ノズル♯8Bが1個だけ対応付けられている(他のノズルは対応付けられていない)。このため、ノズル♯8Bは、2つのドットに対して1つの割合でドットを形成する。
一方、あるラスタラインの奇数番ドットまたは偶数番ドットに対してノズルが2個対応付けられている場合、その2個のノズルは、それぞれ、4つのドットに対して1つの割合でドットを形成する(部分オーバーラップノズルになる)。例えば、1番目のラスタラインの偶数番ドットに対しては、ノズル♯10Aおよびノズル♯1Aが対応付けられている。このため、ノズル♯10Aおよびノズル♯1Aは、それぞれ、4つのドットに対して1つの割合でドットを形成する(部分オーバーラップノズルになる)。
通常処理では、あるパスにおいて、第1ヘッド42Aがドットを形成する位置(走査方向の位置)と、第2ヘッド42Bがドットを形成する位置が異なっている。具体的には、第1ヘッド42Aが奇数番ドットにドットを形成するときには、第2ヘッド42Bは偶数番ドットにドットを形成する。逆に、第1ヘッド42Aが偶数番ドットにドットを形成するときには、第2ヘッド42Bは奇数番ドットにドットを形成する。前述の第1駆動信号生成部65Aと第2駆動信号生成部65Bが互いに独立して駆動信号を生成できるので、このようなドット形成が可能になる。
また、通常処理では、あるパスと次のパスとを比較すると、各ヘッドがドットを形成する位置が異なっている。例えば、あるパスにおいて第1ヘッド42Aが奇数番ドットにドットを形成し第2ヘッド42Bが偶数番ドットにドットを形成する場合、次のパスにおいて、第1ヘッド42Aは偶数番ドットにドットを形成し、第2ヘッド42Bは奇数番ドットにドットを形成する。
このようにドットを形成することによって、一方のヘッドによって千鳥格子状にドットが形成され、その千鳥格子状のドットの間を埋めるように、他方のヘッドによって千鳥格子状にドットが形成される。図7の右側に注目すると、第1ヘッド42Aによって形成される丸印のドットは千鳥格子状になっており、第2ヘッド42Bによって形成される三角印のドットも千鳥格子状になっている。なお、ドットの形成順序からすると、第2ヘッド42Bによって千鳥格子状にドットが形成された後、その間を埋めるように、第1ヘッド42Aによってドットが形成されることになる。
通常処理でラスタラインが形成された場合、そのラスタラインでは、第1ヘッド42Aによって半分のドットが形成され、第2ヘッド42Bによって残りの半分のドットが形成される。換言すると、これらのラスタラインを形成するときの各ヘッドの使用率は、第1ヘッド42Aが50%(一定)であり、第2ヘッド42Bも50%(一定)である。
領域Aにはパス1〜 パス6によりドットが形成され、領域Bにはパス2〜 パス7によりドットが形成されているので、領域Aと領域Bとの間でパスが1回分ずれている。パスが1回分ずれているため、各ラスタラインに対応付けられるノズルは各領域で共通しているものの、各ノズルが形成するドットの位置(走査方向の位置)が奇数番ドットか偶数番ドットかで異なっている。例えば、1番目のラスタラインに対し、パス2のノズル♯8Bは奇数番ドットにドットを形成するが、10番目のラスタラインに対し、パス3のノズル♯8Bは偶数番ドットにドットを形成する。
なお、ここでは図示しないが、領域Bよりも搬送方向上流側に位置する19〜 27番目のラスタラインは、パス3〜 パス8により、領域Aとほぼ同様にドットが形成される。例えば、19番目のラスタラインは、ノズル♯8B、ノズル♯10A、ノズル♯1Aが対応付けられており、ノズル♯8Bは19番目のラスタラインの奇数番ドットにドットを形成する。また、19〜 27番目のラスタラインよりも搬送方向上流側に位置する28〜 36番目のラスタラインは、パス4〜 パス9により、領域Bとほぼ同様にドットが形成される。このように、通常処理が続けて行われると、領域Aと領域Bと同様なドット形成が繰り返し行われることになる。
用紙10にドットを形成することにより、例えば、用紙10に高精細な画像を形成する場合、吐出動作中には、用紙10を所定の位置(および高さ)に確実に保持し、また、搬送動作においては、用紙10を所定の位置に正確に移動させる必要がある。そのため、搬送ユニット20は、用紙10を、例えば、挟む、押さえる、吸引するなどの手段により固定(保持)する。これらの固定(保持)手段は、キャリッジユニット30やヘッドユニット40などの動きと干渉しない構成にする必要がある。換言すると、用紙10の上端部や下端部においても、確実に固定(保持)された状態(位置)で印刷を開始し、また終了する構成となっている。その結果、例えば、本実施形態のように、搬送方向(+Y方向)に並ぶノズル列を有する第1ノズル群41Aおよび第2ノズル群41Bを搬送方向(+Y方向)に並べる構成においては、用紙10の上端部や下端部のそれぞれに対して、対応できるヘッド(第1ヘッド42Aあるいは第2ヘッド42B)の対応できるノズルのみでドットを形成せざるを得ない場合がある。
<上端処理によるドットの形成方法>
以下に、複数のヘッド間で部分オーバーラップ制御された画像が形成できない場合の上端処理の例について説明する。上端処理とは、用紙10の上端領域(+Y側の端部領域)を印刷するときに行われる処理(吐出動作および搬送動作)である。コントローラー60は、各ユニットを制御することによって、以下に説明する上端処理を行う。
図8(a),(b)は、上端処理の一例の説明図であり、図8(a):(1)〜(4)は、上端処理の各パス(パス1〜パス4)における仮想ヘッドセット42Xおよび吐出されるインク滴の位置を示し、図8(a):(5),(6)は、上端処理に引き続く通常処理の各パス(パス5,パス6)における仮想ヘッドセット42Xおよび吐出されるインク滴の位置を示している。
図8(b):(1)〜(6)は、パス1〜パス6で用紙10に形成されるドットを示している。つまり、図8(a):(1)〜(6)のインク滴の位置を重ねた結果が図8(b):(1)〜(6)になっている。
ここに示す例では、パス1〜 パス4において上端処理が行われ、パス5以降に通常処理が行われる。上端処理では、パスとパスとの間に行われる搬送動作において、1個のドット分の搬送量D(通常処理での搬送量9Dよりも短い搬送量)にて用紙10が搬送される。
上端処理では、奇数番目のパスでは、各ノズルは、奇数番目のラスタラインの位置になる。奇数番目のパスの後、1個のドット分の搬送量にて用紙10が搬送されるため、偶数番目のパスでは、各ノズルは、偶数番目のラスタラインの位置になる。このように、上端処理においても、各ノズルの位置は、パスごとに交互に、奇数番目または偶数番目のラスタラインの位置になる。
前述の通常処理では、各ヘッドによってそれぞれ千鳥格子状にドットを形成するために、あるパスにおける第1ヘッド42Aのドット形成位置と、第2ヘッド42Bのドット形成位置とを異ならせていた。例えば、第1ヘッド42Aが奇数番ドットにドットを形成するときには、第2ヘッド42Bは偶数番ドットにドットを形成していた。
これに対し、上端処理では、あるパスにおける第1ヘッド42Aのドット形成位置と、第2ヘッド42Bのドット形成位置とが同じである。例えば、パス1において、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bは、両方とも奇数番ドットにドットを形成する。
また、前述の通常処理では、各ヘッドによってそれぞれ千鳥格子状にドットを形成するために、あるパスと次のパスとの間で各ヘッドのドット形成位置を異ならせていた。例えば、あるパスにおいて第1ヘッド42Aが奇数番ドットにドットを形成し第2ヘッド42Bが偶数番ドットにドットを形成する場合、次のパスにおいて、第1ヘッド42Aは偶数番ドットにドットを形成し、第2ヘッド42Bは奇数番ドットにドットを形成していた。
これに対し、上端処理では、各ヘッドのドット形成位置は、奇数番ドット(パス1)→偶数番ドット(パス2)→偶数番ドット(パス3)→奇数番ドット(パス4)の順に変更される。つまり、上端処理では、必ずしも、あるパスと次のパスとの間で各ヘッドのドット形成位置が異ならないことがある。例えば、パス2およびパス3では、ドット形成位置は同じ偶数番ドットである。
通常処理と上端処理に上記の相違がある理由は、通常処理では、各ヘッドによってそれぞれ千鳥格子状にドットを形成していたのに対し、上端処理では、4回のパスのうちの前半2回のパスで千鳥格子状にドットが形成され、その千鳥格子状のドットの間を埋めるように、後半2回のパスで千鳥格子状にドットが形成されるためである。
上記のドット形成方法により、1〜 25番目までのラスタライン(用紙10の上端側のラスタライン)は、第1ヘッド42Aだけで形成されることになる。換言すると、1〜 25番目までのラスタラインを形成するときのヘッドの使用率は、第1ヘッド42Aが100%であり、第2ヘッド42Bは0%である。
図9は、各パス(パス1〜パス6)における第1ヘッド42Aと第2ヘッド42Bの使用率を模式的に示すグラフである。
ここまでは、分かり易くするために、ドットが視認できる範囲で図示し説明してきた。そのため、図9に示すように、各ヘッドの使用率の変化(ラスタ番号方向の違い)が階段的に示されるが、実際の使用においては、数ピコリットルのインク滴で形成される無数のドットにより画像が形成されるため、各ヘッドの使用率は、以降の図で示すように、その変化を直線あるいは曲線に近似して示すことができる。
図10(a),(b)は、ヘッド使用率を直線近似で表す場合の説明図である。
例えば、図10(a)は、6個のノズルを有する2つのヘッドを用いて、1回のパスでノズル当たり最大3個のドットを形成する通常処理を示している。この通常処理では、図10(a)の右側に示すように、それぞれのヘッドにより形成されるドットが4つ、つまり各ヘッドの使用率が50%のベタパターン(ドットの配置は、図10(a)の上方に示すように千鳥格子状に配列されている。)が形成される。
数ピコリットルのインク滴で形成される無数のドットによって画像を形成する場合には、ドット数を各ノズルの使用率に置き換え、図10(a)の各パスに描かれるピラミッド状に積まれたブロックは、図10(b)に示す三角形(あるいは台形)で表現することができる。
以下では、この三角形(あるいは台形)を用いた表現で、各パスにおけるノズルの使用率(つまりは、ラスタライン毎の各ヘッドの使用率)の分布を表現して説明する。
図11は、上端処理から通常処理の領域における第1ヘッド42Aと第2ヘッド42Bそれぞれのヘッド使用率の遷移を示すグラフである。
図11では、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bによるヘッドセットを図5に示す仮想ヘッドセット42Xのように+Y方向に並ぶ一列の第1ヘッド42Aと第2ヘッド42Bで表記している。また、図6と同様に、搬送ユニット20による用紙10の移動による相対位置を第1ヘッド42A、第2ヘッド42Bが重ならないように斜め方向に配置して示している。つまり、図11では第1ヘッド42A、第2ヘッド42Bが用紙10に対して移動しているように描かれているが、実際には用紙10が搬送方向(+Y方向)に移動する。また、図11において、+X方向における第1ヘッド42A、第2ヘッド42Bの位置関係は意味を成さない。また、それぞれのヘッドの使用率(ラスタライン毎のそれぞれのヘッドに属するノズル毎の使用率)を図9と同様に示している。
パス1〜パス4は、第1ヘッド42Aのみで画像が形成される上端処理であり、パス5〜パス8では、第2ヘッド42Bの使用率が徐々に増加する移行処理、パス9以降が第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bの使用率がそれぞれ50%の通常処理となっている。パス5以降で形成される領域が、2つのヘッド間で部分オーバーラップ制御された画像領域となる。
なお、ここまでの説明による上端処理では、パス毎に第2ヘッド42Bの使用率が徐々に増加する移行処理を行っているものの、ラスタライン毎に見た場合には、図11の右側に示すように、第2ヘッド42Bの使用率が、−Y方向に、階段状(ノコギリ歯状)に増加する。このため、第1ヘッド42Aを構成するノズルと第2ヘッド42Bを構成するノズルとの間で吐出特性が異なる場合に、その影響が階段状(ノコギリ歯状)に表れてしまう。具体的には、例えば、製造ばらつきなどにより、第2ヘッド42Bが備えるノズルの開口径が第1ヘッド42Aのそれに対して大きくなってしまった場合、吐出される液滴が大きくなり、第2ヘッド42Bの使用率の増減に応じた濃度差が表れてしまう。そこで、従来技術においては、以下に説明する方法によってこれを改善している。
図12は、プリンター100が備える第1ノズル列(第1ヘッド42A)と第2ノズル列(第2ヘッド42B)それぞれのヘッド使用率の遷移を示すグラフである。
図12は、図11と同様に、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bのヘッドセットを図5に示す仮想ヘッドセット42Xのように+Y方向に並ぶ一列の第1ヘッド42Aと第2ヘッド42Bで表記している。また、図6と同様に、搬送ユニット20による用紙10の移動による相対位置を第1ヘッド42A、第2ヘッド42Bが重ならないように斜め方向に配置して示している。つまり、図12では第1ヘッド42A、第2ヘッド42Bが用紙10に対して移動しているように描かれているが、実際には用紙10が搬送方向(+Y方向)に移動する。また、図12において、+X方向における第1ヘッド42A、第2ヘッド42Bの位置関係は意味を成さない。また、それぞれのヘッドの使用率(ラスタライン毎のそれぞれのヘッドに属するノズル毎の使用率)を図9と同様に示している。
プリンター100は、用紙10の上端部領域での印刷において、上端処理および通常処理への移行処理を行う。その結果、用紙10にドットが形成される領域は、第1ヘッド42A、第2ヘッド42Bそれぞれの使用率の違いにより、第1領域、第1領域の−Y方向に位置し第1領域に連続する第2領域、第2領域の−Y方向に位置し第2領域に連続する第3領域の3種類に分けられる。換言すると、ヘッドの特性の差異があっても、その影響が視認されにくくなるように、3つの領域に分けてヘッドの使用率を変化させる。
まず、第1領域に対しては、第1ヘッド42Aのみを使用してドットを形成する。
第2領域に対しては、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bを使用してドットを形成し、+X方向に並ぶドットの列(ラスタライン)において、第1ヘッド42Aを使用して形成するドット数と第2ヘッド42Bを使用して形成するドット数の総和のドット数に対する第2ヘッド42Bを使用して形成するドット数の割合を第2ヘッド使用率としたとき、+X方向に並ぶドットの複数の列において(つまり複数のラスタラインに亘って)、第2ヘッド使用率を、−Y方向に、徐々に増加させる。
第3領域に対しては、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bを使用してドットを形成し、第2ヘッド使用率を一定(50%)とする。
以下に具体的に説明する。
図12に示すように、上端処理をパス1〜パス4により行い、移行処理をパス5〜パス8によって行う。移行処理(パス5〜パス8)は、上端処理(パス1〜パス4)に対して、1つのヘッドの半分の長さの搬送を行い、上端処理(パス1〜パス4)と移行処理(パス5〜パス8)との間で部分オーバーラップ制御を行う。
上端処理におけるパス3,パス4では、それぞれ、各ラスタラインにおいて、第1ヘッド42Aを使用して形成するドット数と第2ヘッド42Bを使用して形成するドット数の総和のドット数に対する第2ヘッド42Bを使用して1回のパスで形成するドット数の割合を第2ヘッド1パス使用率としたとき、この第2ヘッド1パス使用率を以下のように分布させる。
第2ヘッド42Bが備える複数のノズルにより1回のパスで形成される+X方向に並ぶドットの複数の列(つまりは1回のパスで形成される複数のラスタライン)において、第2ヘッド1パス使用率を、−Y方向に、0%から25%まで増加させ、また25%から0%まで減少するように設定している。
第2ヘッド42Bの使用率をパス3,パス4でこのように分布させた部分は、パス7,パス8における第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bとの間で部分オーバーラップ制御するようにパス7,パス8を設定する。
パス9以降は通常処理によるパスである。
図12の右側に、これら(パス1〜パス9以降)を重ね合わせた結果として、第2ヘッド42Bの使用率のグラフを示す。
第1ヘッド42Aのみで形成された第1領域、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bを使用して形成され、第2ヘッド42Bの使用率がラスタライン毎に−Y方向に0%から50%まで増加する第2領域、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bをそれぞれ50%ずつ使用する第3領域が形成される。
このように、第2領域においては、第2ヘッド42Bの使用率が第1領域から第3領域に向かう方向で徐々に増加するように構成されるため、例えば、第1ヘッド42Aの特性(液滴を吐出する特性)と第2ヘッド42Bの特性との間に差異がある場合であっても、その変化が滑らかになる。
しかしながら、これを実現するために、移行処理のパス5,6において使用していた第2ヘッド42B(図11参照)を上端処理のパス3,4のタイミングでの使用に早めた結果、パス4からパス7までの間において、第2ヘッド42Bによるインク滴の吐出に空き時間(パス2回分)が発生している(図12参照)。一方、パス7以降においては、第2ヘッド42Bの使用が連続している。
このような空き時間の影響により、バンディング(むら)が発生してしまう場合がある。具体的には、パス3,4において第2ヘッド42Bによって形成されたドットの内、以降のパス7,8で形成されるドットと同じ領域のドットが、パス5,6の空き時間内で乾燥が進むことにより、この領域にバンディングを発生させる。すなわち、パス7,8で第2ヘッド42Bによって吐出されるインク滴の滲み度合いや表面形状が、パス9以降に第2ヘッド42Bによって吐出されるインク滴の滲み度合いや表面形状と異なってしまうことによりバンディングが発生する場合がある。
図13は、同様に下端処理も含めた場合の異なる例におけるヘッド使用率の遷移を示すグラフである。
下端処理においても、上述した上端処理の場合と同様に、第1ヘッド42Aの使用率が徐々に減少するように構成されるため、例えば、第1ヘッド42Aの特性と第2ヘッド42Bの特性との間に差異がある場合であっても、その変化が滑らかになる。
しかしながら、図13に示すように、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bの使用率の変化を滑らかにするために、上端領域からの移行領域(パス5,6の部分)に加え、下端領域への移行処理においても、同様に、第1ヘッド42Aによるインク滴の吐出に空き時間(パス15,16の部分)が発生している。
次に、このような上下端領域への移行処理の領域におけるバンディング(むら)を軽減する方法について説明する。
図14は、このバンディング(むら)を軽減したヘッド使用率の遷移を示すグラフである。
図14に示すように、パス3における第2ヘッド42Bの使用をパス2に、パス7における第2ヘッド42Bの使用をパス6に、パス14における第1ヘッド42Aの使用をパス15に、それぞれシフトしている。このようにすることで、パス5,6およびパス15,16のパス2回分に当たる空き時間をパス1回分ずつとなるように分散させることができる。その結果、連続したパスの空き時間が無くなり、インク滴の乾燥時間の差が少なくなることで、バンディング(むら)を軽減することができる。
しかしながら、このように連続する空き時間を分割して分散させる方法によっても、バンディング(むら)が視認されやすい場合がある。具体的には、図13に示すパス15,16の連続の空き時間が、図14に示すパス14,16に分割されて改善が図られたが、パス17,18において、再び通常処理領域と同様に連続して第1ヘッド42Aが使用されるようになる。その結果、パス13までの領域とパス17,18によって挟まれた領域が、第1ヘッド42Aが連続使用された領域に挟まれた領域になった結果として、バンディング(むら)として視認されやすくなる。
本願発明の実施形態1では、以下に説明する方法(実施例1,2)によってこれを改善している。
<本実施形態における下端処理:実施例1>
図15は、実施形態1に係るインクジェットプリンター100が備える第1ヘッド42Aと第2ヘッド42Bそれぞれのヘッド使用率の遷移を示す実施例1のグラフである。図15を参照し、本発明を具体化した実施形態の一例(実施例1)としての液滴吐出方法を説明する。
前述したように、インクジェットプリンター100が備えるコントローラー60は、用紙10を移動する「搬送動作」と、ヘッド41を走査移動する「走査動作」と、走査動作を行いつつ用紙10にインク滴を吐出する「吐出動作」と、吐出動作に所定時間のインターバルを設ける「不吐出動作」とを組み合わせることによって、インク滴が形成する複数のドットから構成される画像を用紙10に印刷する。
不吐出動作は、ヘッド41からの連続するパスによる吐出動作にインターバルを設けるための動作であり、具体的には、吐出動作を伴わない走査動作(以下、空パスと言う)を行う。つまり、一方向(例えば往路)の走査方向へヘッド41が移動している時間、インク滴を吐出しない状態が継続し、吐出動作にインターバルが設けられる。
図15は、空パスによりインターバルを設けた様子を示している。下端処理において、パス18,20,22,24のタイミングに空パスを挿入している。その結果、パス17,18における第1ヘッド42Aの連続使用(図14参照)に1パス分のインターバルが設けられ、パス13以降における第1ヘッド42Aのインク滴の吐出が1パス置きとなる状態が継続するようになる。つまり吐出の状態が再び連続する状態になることにより視認されるバンディング(むら)の度合いが軽減される。なお、パス20およびパス22に空パスを挿入する理由は、パス18に空パスを挿入することによって、第2ヘッド42Bの使用にもインターバルが発生するため、その状況を継続させることでバンディング(むら)が視認されることを防ぐためである。また、パス24を空パスとしている理由は、挿入する空パスの回数を偶数とすることにより、印刷終了時のヘッド41に位置に変化が生じないようにするため(ホームポジションに帰着させるため)である。
以上述べたように、本実施例による液滴吐出方法および液滴吐出装置によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の液滴吐出方法は、用紙10を搬送方向に移動する搬送動作と、複数のノズルが搬送方向に並んだ複数のノズル列(第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42B)を搬送方向と交差する走査方向に移動する走査動作と、走査動作を行いつつノズル列から用紙10に液滴を吐出する吐出動作と、2回の吐出動作の間に所定時間のインターバルを設ける不吐出動作とを有し、吐出動作と不吐出動作との組み合わせによって画像を形成する。不吐出動作を組み合わせることによって、インク滴を吐出する吐出動作のインターバルを制御することができる。すなわち、用紙10に吐出されたインク滴が乾燥する時間の差やその変化の度合いが少なくなるように制御することができる。その結果、この乾燥の度合いの差によって生じる印刷むらを抑制することができる。
また、不吐出動作は、吐出動作を伴わない走査動作である。そのため、走査動作を停止させることなく、吐出動作を行わない制御によって簡便に不吐出動作を実現することができる。
また、インクジェットプリンター100は、用紙10を搬送方向に移動する搬送ユニット20と、用紙10にインク滴を吐出する第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bと、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bを搬送方向と交差する走査方向に走査移動するキャリッジユニット30とを備えている。インクジェットプリンター100は、用紙10を搬送方向に移動する搬送動作と、第1ヘッド42Aおよび第2ヘッド42Bを走査移動する走査動作と、走査動作を行いつつ第1ヘッド42Aおよび/または第2ヘッド42Bから用紙10にインク滴を吐出する吐出動作と、2回の吐出動作の間に所定時間のインターバルを設ける不吐出動作とを有し、吐出動作と不吐出動作との組み合わせによって画像を形成する。不吐出動作を組み合わせることによって、インク滴を吐出する吐出動作のインターバルを制御することができる。すなわち、インクジェットプリンター100によれば、用紙10に吐出されたインク滴が乾燥する時間の差やその変化の度合いが少なくなるように制御することができ、その結果、この乾燥の度合いの差によって生じる印刷むらが抑制された印刷を行うことができる。
<実施例2>
図16は、本実施形態の実施例2に係るインクジェットプリンター101を示す斜視図である。
インクジェットプリンター101は、インクジェットプリンター101の動作状態を表示することで報知する表示パネル70を備えている。表示パネル70は、例えば液晶表示パネルであり、図16に示すように、インクジェットプリンター101の筐体前面に設置されている。インクジェットプリンター101の動作状態は、コントローラー60が把握し、その状態に応じた表示を表示パネル70に行う。
また、インクジェットプリンター101は、「不吐出動作」を、走査動作を停止させる動作として行い、不吐出動作中にインクジェットプリンター101が不吐出動作を行っていることを表示パネル70に表示する。
以上の点を除き、インクジェットプリンター101は、インクジェットプリンター100と同じである。以下に具体的に説明する。
実施例1では、不吐出動作は、吐出動作を伴わない走査動作(空パス)により行った。これに対し、本実施例では、走査動作を所定時間停止させることによって、ヘッド41からの連続するパスによる吐出動作にインターバルを設けている。具体的には、図14におけるパス17とパス18の間、パス18とパス19の間、パス19とパス20の間にキャリッジユニット30が駆動しない待機状態を挿入している。従って、ヘッド使用率の遷移を示すグラフは、図14に示すグラフと同等である。
なお、所定の待機時間は、1パスに要する時間と同等としているが、これに限定するものではない。視認されるバンディング(むら)が軽減される度合いを評価することによって、適宜設定することが好ましい。
また、走査動作を停止し待機させるタイミングは、下端処理の範囲に限定するものではない。例えば、通常処理から移行処理に移る範囲および移行処理の範囲において、徐々に各パス間の待機時間を長くし、下端処理の領域に挿入する待機時間まで滑らかに変化させる方法であっても良い。
表示パネル70への「不吐出動作中」を表す表示は、例えば、「印刷用紙の下端部印刷モードに移りました」などの文言を点滅表示する。
本実施例による液滴吐出方法および液滴吐出装置によれば、以下の効果を得ることができる。
不吐出動作は、走査動作を停止する動作である。そのため、走査動作を停止させる所定時間をよりフレキシブルに設定することができ、その結果、液滴を吐出する吐出動作のインターバルをよりフレキシブルに、またより適切に設定することができる。
また、不吐出動作中に不吐出動作を行っていることが表示パネル70に表示されるため、インク滴を吐出しない動作が所定の動作であることをより容易に認識することができる。つまり、例えば、インクジェットプリンター101の故障による不吐出ではないことが容易に認識され、ユーザーに不安を与えることが無い。
なお、不吐出動作中に不吐出動作を行っていることの報知は、表示パネル70への表示に限定するものではない。例えば、正常動作を示すパイロットランプなどにより表現する方法であっても良い。また、表示に限定するものではなく、例えばメロディーやブザーなどの報知音であっても良い。
<その他の実施の形態>
上記の実施形態は、インクジェットプリンターについて記載しているが、この記載には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピューターシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法などの開示を含めている。
また、一実施形態としてのインクジェットプリンターを例に説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンターについて>
前述の実施形態では、インクジェットプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルター製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較してより高品位の印刷、記録、画像形成などができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、インクジェットプリンターであるため、吐出する液滴はインクとして説明した。しかし、ノズルから吐出する液体は、インクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)であっても良い。
<ヘッドの方式について>
前述の実施形態では、インク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子を用いる例で説明したが、ヘッドの方式はこれに限定するものではなく、インクを液滴状に噴射させ、印刷(記録)媒体上にドット群を形成する他の印刷(記録)方式であってもよい。例えば、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極間の強電界でノズルからインクを液滴状に連続噴射させ、インク滴が飛翔する間に偏向電極から印刷情報信号を与えて記録する方式、またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子などで機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インクを印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射し記録する方式(サーマルジェット方式)などであってもよい。
<ヘッドの数について>
上記の実施形態では、ヘッドセットを構成するヘッドの数は2個であるが、3個以上であっても良い。仮にヘッドの数が3個以上であっても、上端処理や通常処理、下端処理を行えば、1個のヘッドだけでドットが形成される上端領域や下端領域、複数個のヘッドでドットが形成される通常領域が存在する。そして、ヘッドの数が3個以上の場合においても、上記の実施形態と同様の処理を行えば、バンディング(むら)が目立ちにくくなる。
<見かけ上のノズル配列方向について>
本発明において、「ノズルが配列される方向」は、必ずしも物理的に形成された吐出口が並ぶ方向に限定しない。
例えば、吐出口の開口径に対して隣り合う(列内で前後する)吐出口のピッチを短く配列する場合などにおいては、ノズルを斜めに配列する場合がある。ノズルを斜めに配列した場合には、キャリッジユニット30によるX軸方向の走査速度に対して、インクを吐出するタイミングをずらすことで、見かけ上、Y軸方向に並んでいるように構成することができる。例えば、+X方向への走査において、長さ−dずれた位置に配置された吐出口は、吐出のタイミングをtd(=d/走査速度)だけ遅らせることで、そのずれが補正される。
このような場合においても、つまり、物理的にY軸方向に配列されておらず、仮想的にY軸方向に配列された場合であっても、本発明の「ノズルが配列される方向」として同様に見なすことができる。
6…インクカートリッジ、10…用紙、20…搬送ユニット、21…給紙ローラー、22…搬送モーター、23…搬送ローラー、24…プラテン、25…排紙ローラー、30…キャリッジユニット、31…キャリッジ、32…キャリッジモーター、40…ヘッドユニット、41…ヘッド、41A…第1ノズル群、41B…第2ノズル群、42A…第1ヘッド(第1ノズル列)、42B…第2ヘッド(第2ノズル列)、42X…仮想ヘッドセット、60…コントローラー、61…インターフェイス部、62…CPU、63…メモリー、64…ユニット制御回路、65…駆動信号生成部、65A…第1駆動信号生成部、65B…第2駆動信号生成部、100,101…インクジェットプリンター。

Claims (7)

  1. 印刷媒体を搬送方向に移動する搬送工程と、
    液滴を吐出する複数のノズルを有し、前記搬送方向に沿って異なる位置に配置される第1のノズル列および第2のノズル列を、前記搬送方向と交差する走査方向に沿った一方向に移動する走査工程と、
    前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から液滴を吐出する吐出工程と、
    前記第1のノズル列および前記第2のノズル列の少なくとも何れか一方から液滴を吐出しない不吐出工程と、
    を有し、
    前記吐出工程を伴う前記走査工程を複数回実行する間に、前記不吐出工程を実行可能であることを特徴とする液滴吐出方法。
  2. 前記不吐出工程は、前記走査工程の実行に掛かる時間だけ実行されることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出方法。
  3. 前記不吐出工程は、前記走査工程に伴われて実行されることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出方法。
  4. 前記不吐出工程は、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から液滴を吐出しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液滴吐出方法。
  5. 前記不吐出工程の実行中に、所定動作実行中であることを報知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液滴吐出方法。
  6. 印刷媒体を搬送方向に移動する搬送部と、
    液滴を吐出する複数のノズルを有し、前記搬送方向に沿って異なる位置に配置される第1のノズル列および第2のノズル列と、
    前記第1のノズル列および前記第2のノズル列を、前記搬送方向と交差する走査方向に移動する走査移動部と、
    前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から、液滴の吐出および不吐出を制御する制御部と、
    を備え、
    前記走査移動部が、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列を前記走査方向に沿った一方向に移動するのに伴い、前記制御部は、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列から液滴を吐出させ、前記走査移動部が、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列を複数回移動する間に、前記制御部は、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列の少なくとも何れか一方を不吐出とする期間を設定可能であることを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 前記第1のノズル列および前記第2のノズル列は、それぞれ異なるヘッドに備えられていることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置。
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