JP2010193789A - 農用供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】肥料、薬剤、籾等の圃場に供給する農用供給物を貯留する貯留部1の据付け姿勢で、残留物排出口4から残留物回収筒5に通じる排出流路bが閉止され、貯留部1を横軸心P周りで傾動させると、排出流路bが残留物回収筒5と連通状態になって、残留物回収筒5よりも高位に位置する貯留部1内の残留物が排出流路bを通って残留物回収筒b内に流下するように構成してある。
【選択図】図7
Description
第1発明は、農用供給物を貯留する貯留部と、前記貯留部の農用供給物を送り出す送り出し部とを備え、前記送り出し部よりも上手側位置に残留物排出口を設け、前記残留物排出口から排出される残留物を残留物回収筒を通して機外へ回収可能に設けた農用供給装置において、前記貯留部の据付け姿勢で、前記残留物排出口から前記残留物回収筒に通じる排出流路が閉止され、前記貯留部を横軸心周りで傾動させると、前記排出流路が前記残留物回収筒と連通状態になって、前記残留物回収筒よりも高位に位置する前記貯留部内の残留物が前記排出流路を通って前記残留物回収筒内に流下するように構成してあることを特徴とする。
貯留部の残留物を残留物回収筒に排出する場合、貯留部を残留物回収筒よりも高位に位置させることにより、貯留部の残留物が自重によって貯留部及び残留物排出口から排出流路を流下して残留物回収筒に無理なく排出される。
第1発明によれば、貯留部を横軸心周りに傾動させることで、貯留部を残留物回収筒よりも高位に位置させて、貯留部から残留物回収筒に通じる排出流路が連通状態になって、排出流路から貯留部内の残留物を機外に回収できる。このように、貯留部を傾動させることで、残留物を排出するのに適切な姿勢(貯留部を残留物回収筒よりも高位に位置させて残留物が排出流路を流下し易い姿勢)に貯留部の姿勢を変更しながら、排出流路と残留物回収筒との連通状態を現出して貯留部内の残留物を機外に回収できる。
第1発明によれば、農用供給装置を保守点検などで貯留部に残留する農用供給物を回収する場合、従来のように、シャッタを手動操作で開閉操作する必要がなく、貯留部を横軸心周りで傾動させるだけで、貯留部を残留物回収筒よりも高位に位置させながら、排出流路と残留物回収筒との連通状態を現出できるとともに、貯留部を元の据付け姿勢に戻すことで、前記排出流路を閉止できるので、前記排出流路の開き忘れや閉じ忘れを防止できる。従って、貯留部のメンテナンスを能率よく行うことができ、又、作業に際し、前記排出流路の閉じ忘れがないことから農用供給物の無駄を生じさせることもない。
第2発明は、第1発明の構成において、前記残留物回収筒の外周に残留物排出口と連通する開口を形成し、前記貯留部の据付け姿勢で前記残留物回収筒の開口が閉塞され、前記貯留部を前記横軸心周りで傾動させると前記貯留部と残留物回収筒とが相対回動して前記開口が開いて、前記排出流路が前記残留物回収筒と連通状態となるように構成してある。
第2発明によれば、前記貯留部と残留物回収筒との間の排出流路にシャッターや開閉弁等の弁開閉機構を設けることなく、残留物回収筒の外周に開口を形成し、この開口が貯留部の傾動させることで残留物回収筒と貯留部(貯留部の残留物排出口から残留物回収筒に向けて形成された排出流路)とを相対回動させて、残留物回収筒に形成した前記開口が排出流路と連通する状態(開状態)を現出でき、貯留部を据付け姿勢に戻すことによって開口が排出流路と連通しない状態(閉状態)を現出できる。このように残留物回収筒に、貯留部を据付姿勢から残留物の排出姿勢に傾動させたときに前記排出流路と残留物回収筒とが連通する開口を設けるという簡素な構造で、排出流路の開き忘れや閉じ忘れをなくすことができた。
第3発明は、第1発明又は第2発明の構成において、前記送り出し部及び前記残留物排出口を複数設け、複数の前記残留物排出口を前記残留物回収筒に並列に接続してある。
第3発明によれば、前記貯留部の傾動に連動して、残留物回収筒に対して複数の残留物排出口の流路が連通する開状態と閉じられた閉状態とに切り換わるので、多数の流路が残留物回収筒に接続されるように形成されていても、流路の開き忘れや閉じ忘れが生じない。
第4発明は、第1発明〜第3発明のうちのいずれか一つの発明の構成において、前記残留物回収筒内に残留物を移送するスクリューを備えている。
第4発明によれば、前記残留物回収筒内に排出された残留物はスクリューで強制移送される。従って、排出された残留物は残留物回収筒を通して確実に回収することができるとともに、自然落下による排出に比べて確実且つ迅速に回収することができる。
第5発明は、第4発明の構成において、前記スクリューの搬送上手側よりも搬送下手側の搬送ピッチを長くしてある。
複数の送り出し部と、複数の送り出し部に対応して複数の残留物排出口とを備え、複数の残留物排出口に対して連通可能な複数の開口が残留物回収筒に形成されている場合、貯留部の残留物を排出するときに各残留物排出口と残留物回収筒の各開口とを連通させた状態で各残留物排出口から同時に残留物を排出するようにすると、残留物回収筒の搬送下手側ほど、残留物の搬送量が多くなる。
第5発明のように、残留物回収筒内に備えたスクリューの搬送ピッチを、搬送上手側よりも搬送下手側を長くすれば、搬送上手側よりも搬送下手側の一回転当たりの搬送量を多くすることができる。従って、複数の送り出し部に対応して複数の残留物排出口がそれぞれ残留物回収筒に連通する場合、詰まりや停滞を生じさせることなく、残留物排出物を良好に回収することができる。
第6発明は、第1発明〜第5発明のいずれか一つの発明の構成において、前記農用供給物が粒状体、粉状体、又は両者が混在した粉粒体であり、前記貯留部が農用供給物を貯留するホッパで、前記送り出し部が前記ホッパの下側に設けられた農用供給物を繰出す繰出しロールで構成されている。
第6発明によれば、ホッパに収容された農用供給物を圃場に供給するときは、繰出しロールを回転させると、繰出しロールの回転によって農用供給物が繰出されて圃場に供給される。農用供給物の圃場への供給作業が終了して、ホッパ内の残留物を排出するときは、ホッパを横軸心周りに傾動させることで、残留物回収筒よりも高位に位置するホッパ内の残留物が排出流路を通って残留物回収筒内に流下し、これに連動して残留物を回収する残留物回収筒の開口が開いて、残留物回収筒を通して残留物を回収することができる。
第7発明は、第1発明〜第6発明のいずれかの発明において、前記残留物回収筒が前記貯留部及び送り出し部を支持する強度部材である。
前記残留物回収筒を、貯留部及び送り出し部を支持する強度部材を兼ねているので、専用の支持部材、部品点数を削減することができる。従って、構造を簡素にすることができ、生産性を向上させることができた。
〔乗用型田植機の全体構成〕
図1に示すように、操向操作自在な左右一対の前輪11及び操向操作不能な左右一対の後輪12を備えた走行機体8の車体フレーム10の前部側に、エンジン13及びミッションケース14を備え、走行機体8の前後中央部にステアリングハンドル等を装備した操縦部15と運転座席16とを設け、走行機体8を構成する車体フレーム10の後部には農用供給装置としての施肥装置3が配置されている。
前記エンジン13の左右両側、及び前記操縦部15と運転座席16との間、ならびに前記運転座席16の左右両側には、ほぼ平坦なステップ部分を有した運転部ステップ17が設けられ、この運転部ステップ17のさらに外側で前記エンジン13の配設箇所と対向する左右箇所に予備苗のせ台18が配設されている。
走行機体8の後方には、リフトシリンダ19aを備えたリンク機構19を昇降操作自在に連結して、リンク機構19に作業装置の一例である苗植付装置9を装着して、施肥装置3を適用した農作業機の一例である乗用型田植機を構成してある。
苗植付装置9は6条植えに構成されており、3個の植付伝動ケース40、植付伝動ケース40の左右両側に回転駆動自在に支持される回転ケース41、回転ケース41の両端に配備される一対の植付爪42、3個の接地フロート43、及び苗のせ台44等によって構成してある。
前記施肥装置3は、肥料(農用供給物の一例)を貯留する透明樹脂製の貯留部の一例であるホッパ1と、そのホッパ1の下側に配置された肥料(農用供給物)を送り出す送り出し部としての4個の肥料繰出し部2とを備え、これらのホッパ1および肥料繰出し部2は、図1,2,3に示すように、走行機体8の後部で、運転座席16の後側近くにおいて車体フレーム10の上部に設けた支持枠22によって支持されている。
これにより、図3乃至図5に示すように、繰出しロール23の凹部23aにホッパ1から肥料が入込み、駆動軸26の間欠的な回転により肥料が漏斗部24に繰出される。そして、後述する起風手段29の電動ブロア30からの高圧の風が、送風ダクト31を介して漏斗部24の下方に接続された分岐吐出管34に供給され、高圧の風により肥料が可撓性の搬送ホース46を通って作溝器45に迅速に供給され、作溝器45により田面に形成された溝に肥料が送り込まれて施肥作業が行われるのである。
図6に示す状態から、締付けフック58を操作して被係合部57との係合を外し、図7に示すように、ホッパ1を横軸心P周りに後方上方(時計回り)に約45度傾動させると、残留物回収筒5は、横軸心Pを中心に後方に移動しながら下降し、角筒体63aの排出流路bが斜め下向きに傾斜した排出姿勢となる。この過程で、残留物回収筒5に固定された棒材61の下端部62は長孔59に沿って下降するので、残留物回収筒5はその回動が規制され、据付け状態より時計回りに約15度回動する。一方、このときホッパ1は時計回りに45度回動するので、結果、相対的に残留物回収筒5はホッパ1に対して時計回りに約30度回動して、残留物回収筒5の開口6が自動的に開いて角筒体63に形成された排出流路bと連通状態となる。
前記排出流路bを介してホッパ1と残留物回収筒5とが連通した状態で、スクリュー軸36の一端に取り付けられたハンドル37を操作することにより、ホッパ1から排出された肥料の残留物が排出筒38から排出され、下方に受けられた袋39で残留物が回収される。
施肥装置3から繰り出された肥料を風力で苗植付装置9側の圃場へ搬送するための起風手段29は次のように構成されている。
図1〜図4に示すように、左右一対のブロワ支持板22aにわたって支持させた電動ブロワ30と、その電動ブロワ30に外気を導入し、搬送風を流動させる送風ダクト31とを備えている。そして、送風ダクト31は、前記電動ブロワ30に外気を導入供給するための吸気管32と、前記電動ブロワ30の出口管側に接続されて、電動ブロワ30により生起された風を各漏斗部24の下方の分岐吐出管34に供給するためのパイプ状の送気管33とで構成されている。前記吸気管32は、電動ブロワ30の車体横外向きの吸気部30aに基端側が接続してある。
これにより、ホッパ1の据付け姿勢では、蛇腹管75は縮んだ状態にあり、ホッパ1を横軸心P周りで傾動させると蛇腹管75が伸びるようにしてあり、送気管33を取り外さなくてもホッパ1のメンテナンスを行えるようにしてある。
(1)図9は、残留物回収筒5を、施肥装置3を支持する支持枠22における後方の支柱22bの上端に固定し、残留物回収筒5を施肥装置3のホッパ1及び肥料繰出し部2を支持する強度部材を兼ねている。
残留物回収筒5には、前記実施の形態と同じようにスクリュー35が内蔵されている。残留物回収筒5には、施肥装置3を回動自在に支持するための筒保持部76が外嵌され、筒保持部76には、ホッパ1の残留物を排出するための排出流路bを形成する角筒体76aを備えているとともに、ホッパ1及び肥料繰出し部2を支持する前後フレーム22の後端が筒保持部76の筒部76bに連結されている。ホッパ1及び繰出し部2は、筒部76bの横軸心P(この横軸芯Pはスクリュー軸36の軸心と一致する)周りに回動可能で、ホッパ1を45度回動させた状態で、角筒体76aの内部に形成された排出流路bと連通する開口6が全開するように残留物回収筒5の外周面に形成されている。ホッパ1の残留物排出口(排出流路bの始端部開口)は、繰出し部2における図示しない繰出しロールの直上方近傍の後壁に形成されている。
図9に示す状態から、締付けフック58を操作して被係合部57との係合を外し、前後フレーム22fを持上げてホッパ1を横軸心P周りに後方上方(図9で時計回り)に45度程傾動させる。残留物回収筒5は、支柱22bに固定されており、ホッパ1を持上げると角筒体76aの排出流路bが斜め下向きに傾斜した排出姿勢となって残留物回収筒5の開口6が開いて角筒体76aに形成された排出流路bと連通状態となる。
排出流路bを介してホッパ1と残留物回収筒5とが連通した状態で、スクリュー軸36を図8と同様に設けたハンドルを操作することにより、残留物が排出され回収される。
2 肥料繰出し部(送り出し部)
4 残留物排出口
5 残留物回収筒
6 開口
35 スクリュー
b 排出流路
P 横軸心
Claims (7)
- 農用供給物を貯留する貯留部と、前記貯留部の農用供給物を送り出す送り出し部とを備え、前記送り出し部よりも上手側位置に残留物排出口を設け、前記残留物排出口から排出される残留物を残留物回収筒を通して機外へ回収可能に設けた農用供給装置において、
前記貯留部の据付け姿勢で、前記残留物排出口から前記残留物回収筒に通じる排出流路が閉止され、前記貯留部を横軸心周りで傾動させると、前記排出流路が前記残留物回収筒と連通状態になって、前記残留物回収筒よりも高位に位置する前記貯留部内の残留物が前記排出流路を通って前記残留物回収筒内に流下するように構成してあることを特徴とする農用供給装置。 - 前記残留物回収筒の外周に残留物排出口と連通する開口を形成し、前記貯留部の据付け姿勢で前記残留物回収筒の開口が閉塞され、前記貯留部を前記横軸心周りで傾動させると前記貯留部と残留物回収筒とが相対回動して前記開口が開いて、前記排出流路が前記残留物回収筒と連通状態となるように構成してある請求項1記載の農用供給装置。
- 前記送り出し部及び前記残留物排出口を複数設け、複数の前記残留物排出口を前記残留物回収筒に並列に接続してある請求項1または2記載の農用供給装置。
- 前記残留物回収筒内に残留物を移送するスクリューを備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載の農用供給装置。
- 前記スクリューの搬送上手側よりも搬送下手側の搬送ピッチを長くしてある請求項4記載の農用供給装置。
- 前記農用供給物が粒状体、粉状体、又は両者が混在した粉粒体であり、前記貯留部が農用供給物を貯留するホッパで、前記送り出し部が前記ホッパの下側に設けられた農用供給物を繰出す繰出しロールで構成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の農用供給装置。
- 前記残留物回収筒が前記貯留部及び送り出し部を支持する強度部材である請求項1〜6のいずれか一項に記載の農用供給装置。
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