JP2010190857A - 時計用軸受の注油構造及びこれを備えた時計 - Google Patents

時計用軸受の注油構造及びこれを備えた時計 Download PDF

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Abstract

【課題】注油が容易な時計用軸受の注油構造及び該注油構造を備えた時計を提供すること
【解決手段】時計用軸受の注油構造5は、スラスト軸受部43U,43D及びラジアル軸受部42U,42Dを備えた軸受装置40U,40Dによって軸10の両端のほぞ部30U,30Dで回転自在に支持され、軸10が、両端のほぞ部30U,30Dの端面31U,31Dに端部開口32U,32Dを備え、該端部開口32U,32Dを連通するように、軸10の全長にわたって該軸10の延在方向に平行に延びた注油用の軸方向連通孔11を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は時計用軸受の注油構造及びこれを備えた時計に係る。
時計用輪列を構成する車の軸自体の両端に大径の軸受穴を形成し、一対の支持板の夫々から支持軸部を突設させて対応する軸受穴に嵌合し、該一対の支持板の一対の支持軸部によって車を回転自在に支持するようにした時計用輪列の車の支持機構において、両端の大径で有底の軸受穴(盲穴)の底壁を貫通し両軸受穴を連通する注油用連通孔を形成することにより、軸受への注油を容易にした車の支持機構は、提案されている。(特許文献1)。
しかしながら、この支持機構では、上下一対の支持板のうちの上側の支持板を取付ける前に車の軸の上端で開口した軸受穴から注油を行なって、該上側軸受穴の底部にある注油用連通孔を介して下側の軸受穴にその底壁から潤滑油を供給する必要がある。また、この支持機構では、注油の後、上側の支持板から突出した支持軸部を上側の軸受穴に位置合わせして挿入しようとすると、潤滑油が溢れ出したり流出したり、まわりの意図しないところに付着したり飛散する虞れがある。更に、この支持機構では、時計のメンテナンスや修理の際であっても潤滑油を補充しようとする場合にはその都度上側の支持板を取外す必要があり、手間がかかる。
なお、上記特許文献1には開示も示唆もないけれども、地板や(輪列)受等の支持板に取付けられた軸受枠に対しスラスト軸受及びラジアル軸受がスラスト軸受押さえバネを介して取外し可能に固定されてなる組合せ軸受自体は、よく知られている(例えば、特許文献2)。
実用新案登録第2573404号公報 特開2004−294320号公報
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、注油が容易な時計用軸受の注油構造及び該注油構造を備えた時計を提供することにある。
本発明の時計用軸受の注油構造は、前記目的を達成すべく、スラスト軸受部及びラジアル軸受部を備えた軸受装置によって軸の両端のほぞ部で回転自在に支持される時計用軸受の注油構造であって、前記軸が、両端のほぞ部の端面に端部開口を備え、該端部開口を連通するように、軸の全長にわたって該軸の延在方向に平行に延びた注油用の軸方向連通孔を有する。
本発明の時計用軸受の注油構造では、「(該車の)軸(即ち真)が、両端のほぞ部の端面に端部開口を備え、該端部開口を連通するように、軸の全長にわたって該軸の延在方向に平行に延びた注油用の軸方向連通孔を有する」ので、該車のほぞ部の一端を露出させるだけで、該端の端面の端部開口から潤滑油を注油することにより、該露出端の軸受部(より詳しくは軸受部とほぞ部との間隙)に潤滑油を注し得るだけでなく、軸方向連通孔を介して他端の軸受部(より詳しくは軸受部とほぞ部との間隙)にも潤滑油を注し得る。
ここで、「スラスト軸受部及びラジアル軸受部を備えた軸受装置」は、「支持板に取付けられた軸受枠に対しスラスト軸受及びラジアル軸受がスラスト軸受押さえバネにより取外し可能に固定されてなる組合せ軸受」であっても、「穴石の形態のラジアル・スラスト一体軸受」であってもよい。
すなわち、本発明の時計用軸受の注油構造において、「スラスト軸受部及びラジアル軸受部を備えた軸受装置」が、「支持板に取付けられた軸受枠に対しスラスト軸受部及びラジアル軸受部がスラスト軸受押さえバネにより取外し可能に固定されてなる組合せ軸受」からなる場合、前記一端側の軸受押さえバネを取外してスラスト軸受を取り外すだけで、該スラスト軸受に対面する軸の前記一端が露出され得るから、時計の裏蓋を取り外しさえすれば、該一端側の支持板(典型的には、輪列受の如き受)を取り外したりムーブメントをケースから取り出したりしなくても、該時計用車に注油を行い得る。
この場合、時計用車は、時計の輪列を構成する車であっても、てんぷや、がんぎ車などの車であっても他の車であってもよい。時計用車が、てんぷやがんぎ車である場合、一方の組合せ軸受は、てんぷ上軸受やがんぎ車上軸受からなる。従って、スラスト軸受は、典型的には、受石からなり、ラジアル軸受は典型的には穴石からなる。
一方、本発明の時計用軸受の注油構造において、「スラスト軸受部及びラジアル軸受部を備えた軸受装置」が、「穴石の形態のラジアル・スラスト一体軸受」からなる場合、時計の裏蓋を取り外しさえすれば、該一端側の支持板(典型的には、輪列受の如き受)を取り外したりムーブメントを時計ケースから取り出したりしなくても、該時計用車に注油を行い得る。
以上において、軸方向連通孔の大きさ(径)は、典型的には、ラジアル軸受の前面におけるほぞ部の外周面とラジアル軸受部の内周面との環状間隙の大きさ(径方向幅ないし厚さ)よりも大きく、また、スラスト軸受部の前における軸(真)の端面とスラスト軸受の端面との間隙の大きさ(幅ないし厚さ)よりも大きい。
また、本発明の時計用軸受の注油構造において、車の軸とラジアル軸受又はスラスト軸受との間隙で摩擦低減や磨耗抑制の如き潤滑作用をなすものは、実際上油の如き流動性を有するので、この明細書では、「潤滑油」という。すなわち、十分な流動性があるものは厳密には液体でなくても、また、化学的には「油」と称し難いものであっても、この明細書では、車の軸とラジアル軸受又はスラスト軸受との間隙を潤滑する流動体は「潤滑油」に含まれるものとする。
本発明の時計用軸受の注油構造では、典型的には、注油用の軸方向連通孔が、その長手方向の全域において、一定の横断面形状を有する。
その場合、車の製造も容易に行われ得る。ここで、軸方向連通孔の横断面形状は、典型的には円形であるけれども、所望ならば他の形状でもよい。また、所望ならば、注油用の軸方向連通孔が、その長手方向の部位によって異なっていてもよい。
但し、本発明の時計用軸受の注油構造において、注油用の軸方向連通孔が、一方の端部開口から他方の端部開口まで先細になった載頭円錐台形状を有していてもよい。
その場合、一方の端部開口から他方の端部開口への潤滑油の注油がスムーズに行われやすい。但し、所望ならば、一端側で細く他端側で太くなっていてもよい。
本発明の時計用軸受の注油構造では、典型的には、前記軸が、ほぞ部において、該ほぞ部を支持するラジアル軸受部に対面する外周面と前記軸方向連通孔とをつなぐ径方向連通孔を更に有する。
その場合、ラジアル軸受部の潤滑、特に他方の端部開口側にあるラジアル軸受部の潤滑がスムーズに行われ易い。なお、径方向連通孔は、片方の端部側のみにあってもよいけれども、典型的には、両方の端部にある。また、一つの端部にある径方向孔は典型的には一つであるけれども、所望ならば、一つの端部に複数の径方向孔があってもよい。
本発明の時計において軸受が組合せ軸受からなる場合、本発明の時計は、典型的には、上述のような時計用軸受の注油構造と、該時計用車を両端のほぞ部で回転自在に支える一対の組合せ軸受と、該一対の組合せ軸受の夫々を支える地板及び受とを有する。
本発明の時計において軸受がラジアル・スラスト一体軸受からなる場合、本発明の時計は、典型的には、上述のような時計用軸受の注油構造と、該時計用車を両端のほぞ部で回転自在に支える一対のラジアル・スラスト一体軸受と、該一対のラジアル・スラスト一体軸受の夫々を支える地板及び受とを有する。
本発明の好ましい一実施例の時計用軸受の注油構造を備えた本発明の好ましい時計の一部を示した断面説明図。 図1の時計の軸受に対する注油の仕方を示した断面説明図。 本発明の一変形例の時計用軸受の注油構造を示した断面説明図。 本発明の別の一変形例の時計用軸受の注油構造を示した断面説明図。
本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
図1には、二つの車1A,1B(二つの車を区別しないとき又は総称するときは、末尾の添字A,Bのない符号1で表す、以下同)を備えた時計用輪列3を有する時計4の一部が示されている。
(二つの車1A,1Bを区別しないで又は総称して説明すると、)車1は、軸ないし真10と、該真10と一体的な歯車部21及びかな部22とを有する。即ち、(二つの車1A,1Bを区別して説明すると、)車1Aは、軸ないし真10Aと、該真10Aと一体的な歯車部21A及びかな部22Aとを有し、車1Bは、軸ないし真10Bと、該真10Bと一体的な歯車部21B及びかな部22Bとを有する。
なお、この時計4の輪列3では、車1Aの歯車部21Aが車1Bのかな部22Bに噛合されている。
車1の軸10は、上下の細い端部ないしほぞ部30U,30Dで、組合せ軸受40U,40Dに回転自在に支持されている。軸10には、軸方向連通孔11が形成されている。軸方向連通孔11は、軸10の回転中心軸線Cの延在方向に平行に該中心軸線Cに沿って軸10を貫通して延び、ほぞ部30U,30Dの端面31U,31Dで開口している。従って、軸方向連通孔11は、ほぞ部30U,30Dの端面31U,31Dの開口32U,32Dを連通している。
ここで、軸10の上下のほぞ部30U,30D及び該ほぞ部30U,30Dを回転自在に支える上下の組合せ軸受40U,40Dは同様に形成されている。従って、以下において、両者を区別しないとき又は総称するときは、符号U,Dを省いて示す(例えば、ほぞ部は符号30で示し、組合せ軸受は符号40で示す)。
下側の軸受40DA,40DBは地板7に取付けられ、上側の軸受40UA,40UBは、輪列受の如き受8に取付けられている。
組合せ軸受40D,40Uは、地板7又は輪列受8に取付けられた枠41D,41Uと、ラジアル軸受としての穴石42D,42Uと、スラスト軸受としての受石43D,43Uと、受石43D,43U及び穴石42D,42Uを取外し可能に枠41D,41Uに取付けて固定する押さえバネ44D,44Uとを有する。
より詳しくは、輪列受8に固定された上側の枠41Uは受石43Uの上側に開口45Uを有し、押さえバネ44Uは、該開口45Uを介してR1U,R2U方向に着脱可能である。押さえバネ44Uが取外された状態では、穴石42U及び受石43Uは、枠41Uに対して開口45Uを介して、R1U,R2U方向に着脱可能である。同様に、地板7に固定された下側の枠41Dは受石43Dの下側に開口45Dを有し、押さえバネ44Dは、該開口45Dを介してR1D,R2D方向に着脱可能であり、押さえバネ44Dが取外された状態では、穴石42D及び受石43Dは、枠41Dに対して開口45Dを介して、R1D,R2D方向に着脱可能である。なお、枠41D,41Uは、夫々、一つの部材(枠体)からなっていても、例えば、外側枠体と内側枠体との如く二つ又はそれ以上の部材(枠体)からなっていてもよい。このような組合せ軸受40自体は、より詳しくは、例えば、特許文献2に示されているような周知の構造を有する。
組合せ軸受40を組付けた状態においては、軸10のほぞ部30U,30Dの外周面33U,33Dと穴石42U,42Dの内周面46U,46Dとの間には環状間隙34U,34Dが形成され、軸10のほぞ部30U,30Dの端面31U,31Dと受石43U,43Dの対向支持面47U,47Dとの間には間隙35U,35Dが形成されている。
時計4の輪列3では、車1の軸10の軸方向連通孔11、並びに下側の間隙34D,35D及び上側の間隙34U,35U内には潤滑油Fが充填されている。
ここで、軸方向連通孔11の径は、該孔11内充填された潤滑油Fが孔11から単時間のうちに流出するのを毛管力により実際上留め得る程度には細いけれども、環状間隙34の径方向厚さ(幅)や間隙35の軸線延在方向厚さ(幅)よりも相当大きい。但し、場合によっては、同程度に近くてもよい。
この輪列3の車1A及び1Bでは、夫々の上下の軸受40UA,40DA及び40UB,40DBと軸10A及び10Bのほぞ部30UA,30DA及び30UB,30DBとの間隙34UA,35UA,34DA,35DA及び34UB,35UB,34DB,35DBに潤滑油Fが存在し且つ軸10の孔11から供給され得るので、車1A及び1Bが、上下の軸受40UA,40DA及び40UB,40DBによって、回転自在に支持され得る。
以上のように構成された注油構造5において、連通孔11は、典型的には、径が100〜200μm程度で長さが2〜3mm程度であり、環状間隙34は、典型的には、径方向厚さが10μm程度である。但し、いずれも、より大きくてもより小さくてもよい。
この軸受40の注油構造5では、注油は、図2に示したように、地板7と輪列受8との間に輪列3が組み込まれた状態で行われ得る。
すなわち、メンテナンスの際などにおいて、注油を行う場合、図2において車1Aについて示したように、まず、上側の組合せ軸受40UAの押さえバネ44UAを枠41UAから外して枠41UAの開口45UAから取出すと共に、組合せ軸受40UAの受石43UAを枠41UAから外して枠41UAの開口45UAから取出す。
このように、上軸受40UAの押えバネ44UA及び受石43UAを外した状態では、軸10Aの上側ほぞ部30UAが枠41UAの開口45UAに露出し、上側ほぞ部30UAの端面31UAにある軸方向連通孔11Aの上端開口32UAが枠41UAの開口45UAに露出する。
従って、注油装置90のノズル91の先端から上端開口32UAを介して軸方向連通孔11Aに潤滑油Fを注入するだけで、潤滑油Fが該軸方向連通孔11Aを介してV方向に送られ、下側のほぞ部30DAと下側の組合せ軸受40DAとの間隙34DA,35DAを満たし得る。
所望量の注油が完了したら、再度、受石43UA及び押えバネ44UAを枠41UAに嵌めればよい。他の車(例えば、車1B)の注油も、車1Aの注油と同様に輪列受8を外すことなくして行われ得る。
以上において、車1の軸10及びかな部22は、例えば、一体に形成してもよい。その場合、例えば、パイプ材の外形を旋盤などで切削加工し更にカッター等でかな部(小歯車ないしピニオン)の歯形形状を形成する。
以上においては、軸方向連通孔11が、径一定の円柱状孔からなる例について説明したけれども、注油構造5Cを構成する軸方向連通孔11Cが、図3に示したように、一方の端部開口32UCから他方の端部開口32DCまで先細になった載頭円錐台形状孔12からなっていてもよい。なお、図3では、上側組合せ軸受40UCの受石43UC及び押えバネ44UCを取外した状態で、注油構造5Cが示されている。
図3の注油構造5Cにおいて、図1や図2の注油構造5,5A,5Bの部材や要素に対応する部材や要素には、同一符号の末尾に、符号Cが付されている。
この下細の軸方向連通孔11Cを備えた注油構造5Cにおいても、図1ないし図2に示した注油構造5,5A,5Bと同様に動作し得ることは明らかである。なお、この下細の軸方向連通孔11Cを備えた注油構造5Cでは、軸方向連通孔11Cの上側端部開口32UCが下側端部開口32DCよりも大きいので、(図2に示したような注油装置90の)ノズル91から上側端部開口32UCを介した軸方向連通孔11Cへの注油が一層容易に行われ易い。
軸受は、組合せ軸受の代わりに、図4に示したようなラジアル・スラスト一体軸受50であってもよい。ラジアル・スラスト一体軸受50は、図4に示したような環状の穴石51からなり、該穴石51の内周部52が円筒状内周面53を備えたラジアル軸受54として働き、該穴石51の内端部55が環状端面56を備えたスラスト軸受57として働く。
図4の注油構造5Eにおいて、図1や図2の注油構造5,5A,5Bの部材や要素に対応する部材や要素には、同一符号の末尾に、符号Eが付されている。
注油構造5Eでは、車1Eの軸ないし真10Eのうちほぞ部30UE,30DEよりも中央側の軸本体13が、スラスト軸受57U,57Dの端面56U,56Dに間隙35UE,35DEを介して対面してする端面14U,14Dを備える。
車1Eの軸ないし真10Eは、また、端面31UE,31DEの開口32UE,32DEをつなぐ軸方向連通孔11Eに加えて、ほぞ部30UE,30DEにおいて、軸方向連通孔11Eに対して半径方向に延びた径方向連通孔15UE,15DEを有する。径方向連通孔15UE,15DEは、夫々、径方向内側端部で軸方向連通孔11Eに連通し、径方向外側端部が、ほぞ部30UE,30DEの外周面33UE,33DEにおいて開口16UE,16DEで環状間隙34UE,34DEに臨む。
この注油構造5Eを備えた輪列3Eを有する時計4Eでは、例えば、想像線で示した裏蓋6を取り除くだけで軸方向連通孔11Eの一端開口32UEが露出され得るので、前述の注油装置90のような注油装置のノズル91で、該一端開口32UEを介して、軸方向連通孔11Eに潤滑油Fを注入するだけで、該潤滑油Fが、軸方向連通孔11Eを介して反対側の軸受50Dのところまで注油され得る。すなわち、軸方向連通孔11Eに入った潤滑油Fは、一方では、径方向連通孔16Uを介して、ラジアル軸受54Uと上側ほぞ部30UEとの間隙34UEに供給され、且つ該間隙34UEを介してスラスト軸受57Uと軸13との間隙35UEに供給され得る。軸方向連通孔11Eに入った潤滑油Fは、他方では、軸方向連通孔11EをH方向に移動し、更に、径方向連通孔16Dを介して、ラジアル軸受54Dと下側ほぞ部30DEとの間隙34DEに供給され、且つ該間隙34DEを介してスラスト軸受57Dと軸13との間隙35DEに供給され得る。
ここで、軸受54,57とほぞ部30UE,30DEとの間隙34UE,34DEは、孔11Eや孔15U,15Dと比較して十分に細い(狭い)ので、潤滑油Fが一旦間隙34UE,34DEに充填されると、その後は、潤滑油溜め部として働く軸方向連通孔11E内の潤滑油Fは、毛管力で間隙34UE,34DEに引き込まれ得る。
以上において、注油構造5において、貫通孔ないし連通孔11Eは、該孔11E内の油Fが端部開口32DE等から漏出するのを実際上避け得る程度には細い。
なお、この注油構造5Eの軸受は、ラジアル・スラスト一体軸受50の代わりに、組合せ軸受40であってもよい。
1,1A,1B,1C,1E 車
3 時計用輪列
4 時計
5,5A,5B,5C,5E 注油構造
6 裏蓋
7 地板
8 輪列受
10,10A,10B,10C,10E 軸(真)
11,11A,11B,11C,11E 軸方向連通孔
13 軸本体
14U,14D 端面
15U,15D 径方向孔
16U,16D 開口
21,21A,21B,21C,21E 歯車部
22,22A,22B,22C,22E かな部
30,30U,30UA,30UB,30UC,30UE,30D,30DA,30DB,30DC,30DE ほぞ部
31,31U,31UA,31UB,31UC,31UE,31D,31DA,31DB,31DC,31DE 端面
32,32U,32UA,32UB,32UC,32UE,32D,32DA,32DB,32DC,32DE 開口
33,33U,33UA,33UB,33UC,33UE,33D,33DA,33DB,33DC,33DE 開口 外周面
34,34U,34UA,34UB,34UC,34UE,34D,34DA,34DB,34DC,34DE 環状間隙
35,35U,35UA,35UB,35UC,35UE,35D,35DA,35DB,35DC,35DE 環状間隙
40,40U,40UA,40UB,40UC,40D,40DA,40DB,40DC 組合せ軸受
41,41U,41UA,41UB,41UC,41D,41DA,41DB,41DC 枠
42,42U,42UA,42UB,42UC,42D,42DA,42DB,42DC 穴石(ラジアル軸受)
43,43U,43UA,43UB,43UC,43D,43DA,43DB,43DC 受石(スラスト軸受)
44,44U,44UA,44UB,44UC,44D,44DA,44DB,44DC 押さえバネ
45,45U,45UA,45UB,45UC,45D,45DA,45DB,45DC 開口
46,46U,46UA,46UB,46UC,46D,46DA,46DB,46DC 内周面
47,47U,47UA,47UB,47UC,47D,47DA,47DB,47DC 対向支持面
50,50U,50D ラジアル・スラスト一体軸受
51,51U,51D 穴石
52,52U,52D 内周部
53,53U,53D 円筒状内周面
54,54U,54D ラジアル軸受
55,55U,55D 内端部
56,56U,56D 環状端面
57,57U,57D スラスト軸受
90 注油装置
91 ノズル
92
C,CA,CB 回転中心軸線
F 潤滑油
R1D,R1DA,R1DB,R1U,R1UA,R1UB,R2D,R2DA,R2DB,R2U,R2UA,R2UB 方向

Claims (8)

  1. スラスト軸受部及びラジアル軸受部を備えた軸受装置によって軸の両端のほぞ部で回転自在に支持される時計用軸受の注油構造であって、
    前記軸が、前記両端のほぞ部の端面に端部開口を備え、該端部開口を連通するように、前記軸の全長にわたって該軸の延在方向に平行に延びた注油用の軸方向連通孔を有する時計用軸受の注油構造。
  2. 前記注油用の軸方向連通孔が、その長手方向の全域において、一定の横断面形状を有する請求項1に記載の時計用軸受の注油構造。
  3. 前記注油用の軸方向連通孔が、一方の端部開口から他方の端部開口まで先細になった載頭円錐台形状を有する請求項1に記載の時計用軸受の注油構造。
  4. 前記軸が、ほぞ部において、該ほぞ部を支持するラジアル軸受に対面する外周面と前記軸方向連通孔とをつなぐ径方向連通孔を更に有する請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の時計用軸受の注油構造。
  5. 前記軸受装置が、支持板に取付けられた軸受枠に対しスラスト軸受及びラジアル軸受がスラスト軸受押さえバネにより取外し可能に固定されてなる組合せ軸受からなる請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の時計用軸受の注油構造。
  6. 前記軸受装置が、支持板に取付けられた穴石の形態のラジアル・スラスト一体軸受からなる請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の時計用軸受の注油構造。
  7. 請求項1から5までのいずれか一つの項に記載の時計用軸受の注油構造と、該時計用車を前記両端のほぞ部で回転自在に支える一対の組合せ軸受と、該一対の組合せ軸受の夫々を支える地板及び受とを有する時計。
  8. 請求項1から4までのいずれか一つの項又は請求項6に記載の時計用軸受の注油構造と、該時計用車を前記両端のほぞ部で回転自在に支える一対のラジアル・スラスト一体軸受と、該一対のラジアル・スラスト一体軸受の夫々を支える地板及び受とを有する時計。
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