JP2010190615A - 粒子状物質検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気中に含まれる粒子状物質をセンサ素子12に付着させるための集塵電圧が印加される集塵電極123A,128Aと、センサ素子12の電気的特性を測定するための測定電圧が印加される測定電極127A,127Bと、を有するセンサ素子12を備え、集塵電極123A,128Aに集塵電圧を印加した後、所定の条件が満たされたことに応じて、集塵電圧の印加を停止するとともに測定電極127A,127Bに測定電圧を印加し、センサ素子12の電気的特性を測定することを特徴とするPMセンサ11である。
【選択図】図1
Description
また、自動車等の定常運転状態においては、電極部全面にPMが堆積して電極部の電気的特性の変化が現れるまでには長時間(例えば、1〜2時間程度)を要する。このため、特許文献1及び2に開示されている装置では、排気中のPM量を検出するまでに長時間を要し、時間に対する応答性が低いため、自動車等への搭載は困難である。
しかしながら、PMの堆積により生ずる電極部の電気的特性の変化は、PM堆積量が増大し過ぎると生じなくなるという問題がある。即ち、特許文献3に開示されている装置では、電極部に電圧を印加して静電集塵を短時間で行う結果、電極部の電気的特性の変化が現れる時間が短く、長期に亘って測定を行うことができない。また、短時間での静電集塵の間に、例えばDPF(Diesel Particulate Filter)等からPMの塊が取れて電極部に付着した場合にあっては、排気中のPM量を誤って検出してしまうことがある。
また、電極部に電圧を印加して静電集塵するため、短時間でPM堆積量が増大して電気的特性の変化が生じなくなる結果、集塵、測定、再生の一連の処理を数多く繰り返す必要がある。このため、静電集塵を行うために電圧を印加する回数や、再生のためにヒーターに電圧を印加する回数も増え、電力消費量が多いという問題がある。
前記第1測定手段により前記電極部に印加される測定電圧の周波数を第1周波数とし、前記第2測定手段により前記電極部に印加される測定電圧の周波数を第2周波数としたときに、前記第2周波数は、前記第1周波数よりも高いことを特徴とする。
ここで、センサ素子の電気的特性として、センサ素子に十分な量の粒子状物質が付着するまでは変化しない一方、付着した粒子状物質の堆積量が過大となっても変化しないという特性がある。
これに対して本発明では、第1電極部に集塵電圧を印加することにより、十分な量の粒子状物質を短時間でセンサ素子に付着させることができ、センサ素子の電気的特性に変化が現れる状態を早期に作り出すことができる。このため、例えば30秒ほどの短時間で、排気に含まれる粒子状物質の濃度を検出できる。即ち、応答性が高いため、車両運転中の任意のタイミングで、排気に含まれる粒子状物質の濃度を検出できる。
また、排気に含まれる粒子状物質の濃度を検出する際には、第1電極部に対する集塵電圧の印加を行わないため、粒子状物質はゆっくりと自然にセンサ素子に付着し、センサ素子の電気的特性は緩やかに変化していくことから、長時間に亘って粒子状物質の濃度を検出できる。
また、本発明では、第1電極部と第2電極部の2つの電極部を備えるため、第1電極部に集塵電圧を印加して粒子状物質の集塵を行いつつ、第2電極部に測定電圧を印加することでセンサ素子の電気的特性を測定することができる。このため、集塵の停止時期をリアルタイムで精度良く判定できることからも、上述の効果が期待できる。
また、長時間に亘って粒子状物質の濃度を検出できるため、集塵、測定、再生の行程を繰り返す回数を低減でき、集塵及びヒーターへの電圧の印加に伴う電力の消費を低減できる。
ここで、粒子状物質の電気的特性には、検出に用いる測定電圧の周波数に応じて変化するという特性がある。具体的には、低周波数電圧を測定電圧として用いる場合には、センサ素子における粒子状物質の堆積が少量でも電気的特性に大きな変化が生じる一方、粒子状物質の堆積が多量になると電気的特性の変化が見られなくなる。これに対して、高周波数電圧を測定電圧として用いる場合には、測定可能領域が広く、センサ素子における粒子状物質の堆積が多量でも電気的特性に大きな変化が生じる一方、粒子状物質の堆積が少量であると電気的特性の変化が小さいという特性を有している。
本発明では、上述の特性を利用して、低周波数電圧により測定した電気的特性に応じて集塵を停止するため、より早期に集塵を停止でき、排気中に含まれる粒子状物質の濃度の検出をより迅速に行うことができる。
また、集塵停止後、排気中の粒子状物質の濃度の検出を、高周波数電圧により測定した電気的特性に基づいて行うことにより、センサ素子に多量の粒子状物質が付着している場合であっても測定できる。このため、測定可能時間を長く確保することができ、上記低周波数電圧を用いることによる集塵時間の短縮化と相俟って、より長時間に亘ってPM濃度を検出できる。
また、集塵、測定、再生の行程を繰り返す回数をより低減でき、より一層の電力消費量の低減が図れる。
図1は、第1実施形態に係る粒子状物質検出装置(以下、「PMセンサ」という)11の構成を示す図である。
PMセンサ11は、内燃機関(以下、「エンジン」という)の排気管内に設けられたセンサ素子12と、このセンサ素子12に接続されたセンサ制御部17と、を備え、センサ制御部17は、集塵用DC電源13、インピーダンス測定器14、センサ素子12の温度を制御する温度制御装置15、これらを制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)16と、を含んで構成される。
以下、詳述するように、PMセンサ11は、エンジンの排気管内を流通する排気に含まれる粒子状物質(以下、「PM(Particulate Matter)」という)が付着したセンサ素子12の電気的特性を測定し、測定した電気的特性に基づいて、排気管内を流通する排気中の粒子状物質の濃度(以下、「PM濃度」という)を検出する。
なお、本実施形態では、センサ素子12の電気的特性は、集塵部120の電気的特性を測定することにより得られる。即ち、以下の説明において、集塵部120の静電容量は、センサ素子12の静電容量を意味する。
また、一対の櫛本体部は、インピーダンス測定器14に電気的に接続されている。
図4は、本実施形態のセンサ素子12の集塵部120内にPMが全面に付着して堆積したときの様子を模式的に示した図である。図4に示すように、集塵部120に集塵されたPMは、櫛形の測定電極127A,127Bの櫛歯部上に誘電体層を介して堆積する。このとき、隣接する測定電極127A,127B間におけるもれ電界が、堆積したPMによる影響を受け、測定電極127A,127B間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化は、PM堆積量に相関があることから、この電気的特性の変化を検出することにより、PMを検出できる。
また、集塵電極123A,128Aの導線部は、集塵用DC電源13に電気的に接続されている。
なお、集塵電極123A、128Aの導体部の一辺の長さは、約10mmである。
また、アルミナプレート121は、略矩形状のアルミナ基板であり、厚みは約1mmである。
なお、切換スイッチは、ECU16から送信された制御信号に基づいて動作する。
なお、切換スイッチは、ECU16から送信された制御信号に基づいて動作する。
ヒーター用DC電源は、ECU16から送信された制御信号に基づいて動作し、ヒーター層122,129に所定の電流を通電する。ヒーター層122,129は、ヒーター用電源から電流が供給されると発熱し、各電極板130,131を加熱する。これにより、各電極板130,131を加熱し、集塵部120に付着したPMを燃焼除去でき、センサ素子12を再生できる。
図6は、センサ素子12を用いて、集塵電圧を印加することなく集塵を行った場合に、集塵部120に自然に付着する場合(以下、「自然集塵」という)の集塵部120に堆積するPM量と、集塵部120の静電容量変化(即ち、センサ素子12の静電容量変化)との関係を示す図である。図6の横軸は時間(秒)を表し、縦軸は静電容量(F)を表す。
図6の領域Iでは、時間の経過とともに集塵部120の内壁にPMが徐々に堆積していくものの、最初は薄くまばらに堆積するだけであるため、集塵部120の電気的特性に影響は無く、静電容量の変化は見られない。
領域IIでは、時間の経過により、集塵部120の内壁全面にPMが薄く堆積し始め、集塵部120の電気的特性に影響を与えるようになる結果、静電容量が増大し始める。
さらに時間が経過した領域IIIでは、集塵部120の内壁全面にPMが密に厚く堆積し、集塵部120の電気的特性に大きく影響を及ぼすようになる結果、静電容量がさらに増大し、やがて静電容量は一定の値に収束する。即ち、PMセンサ11には、測定可能な最大静電容量Cmaxが存在する。
ところで、図6に示すように、静電容量に変化が見られない領域Iの時間は非常に長い。これは、車両の定常運転において、自然集塵により集塵部120の内壁全面にPMが堆積して静電容量に変化が生じるまでには、相当の長時間(例えば、1〜2時間)を要することを意味する。ひいては、排気中のPM濃度の算出は静電容量の変化に基づいて行うため、PM濃度の検出に長時間を要することを意味する。
一方、静電容量の変化が見られた後においても、従来のように集塵電圧を印加し続けてしまうと、PMが大量に堆積する結果、短時間で測定可能な最大静電容量Cmaxに到達してしまう。
このため、本実施形態のPMセンサ11は、集塵電圧を印加することによってPMの堆積を促進し、静電容量に変化が見られるようになったところで、即ち、静電容量が所定の閾値Cthを上回ったところで、集塵電圧の印加を停止して自然集塵に切替える。これにより、短時間で排気中のPM濃度を検出可能な状態となるとともに、長時間の検出が可能となっている。
上述の通り、短時間でPM濃度の検出が可能な状態を作り出すとともに、長時間の検出を可能とするためには、PMの堆積に基づいて静電容量に変化が見られた時点で、集塵電圧の印加を停止し、自然集塵に切替えることが好ましい。
一方、図6のXの部分拡大図である図7に示すように、検出値にはノイズが含まれる。特に、DPF等からPMの塊が取れて集塵部120に付着した場合や、排気温度が低く、PMの温度が低いためにPMの電気物性が安定しない場合等の悪条件下では、大きなノイズが現れる。このため、PMの堆積に基づく静電容量の変化と、ノイズとを正確に区別する必要があることから、最も悪条件下でのノイズ値に比して大きな値を、閾値Cthとして設定する。
具体的には、ステップS16の第2測定で測定した静電容量から、ステップS11で測定した初期静電容量CIを減算したものを算出し、これを静電容量変化量ΔC(即ち、集塵前後における集塵部120の静電容量変化量)として記録する。
次いで、静電容量変化量ΔCに応じて、排気中のPM濃度を検出する。より具体的には、集塵部120の静電容量変化量ΔCと排気中のPM濃度とを関係付ける制御マップに基づいて、測定した静電容量変化量ΔCに応じたPM濃度を算出する。なお、この制御マップは、予め所定の実験を行うことにより作成され、ECU16に格納されている。
図8は、PM濃度が10.0mg/m3の排気と、PM濃度が21.0mg/m3の排気を用いて、自然集塵を行ったときの静電容量とPM積算濃度(PM濃度×時間)との関係を示す図である。図8に示すように、排気中のPM濃度が10.0mg/m3のときの曲線と、21.0mg/m3のときの曲線はほぼ一致している。これは、PMを自然集塵した場合において、静電容量とPM堆積量との間には相関関係があり、静電容量を測定することにより排気中のPM濃度を検出することが可能であることを意味している。
この判定がYESの場合には、ステップS19に移り、NOの場合には、ステップS16に戻って第2測定を再び開始する。なお、このとき、センサ素子12は、集塵部120の静電容量に変化が見られる状態であるため、第2測定を開始できる。
ここで、集塵部120の静電容量には、集塵部120の全面にPMが付着するまでは変化しない一方、集塵部120に付着したPMの堆積量が過大となっても変化しないという特性がある。
これに対して本実施形態では、集塵電極123A,128Aに集塵電圧を印加することにより、排気中のPMを短時間で集塵部120の全面に付着させることができ、集塵部120の静電容量に変化が現れる状態を早期に作り出すことができる。このため、例えば30秒ほどの短時間で、排気に含まれるPMの濃度を検出できる。即ち、応答性が高いため、車両運転中の任意のタイミングで、排気に含まれるPMの濃度を検出できる。
また、排気に含まれるPMの濃度を検出する際には、集塵部120に対する集塵電圧の印加を行わないため、PMはゆっくりと自然に集塵部120に付着し、集塵部120の静電容量は緩やかに変化していくことから、長時間に亘ってPMの濃度を検出できる。
また、本実施形態では、集塵電極123A,128Aと測定電極127A,127Bの2つの電極を備えるため、集塵電極123A,128Aに集塵電圧を印加してPMの集塵を行いつつ、測定電極127A,127Bに測定電圧を印加することで集塵部120の静電容量を測定することができる。このため、集塵の停止時期をリアルタイムで精度良く判定できることからも、上述の効果が期待できる。
また、長時間に亘ってPMの濃度を検出できるため、集塵、測定、再生の行程を繰り返す回数を低減でき、集塵及びヒーターへの電圧の印加に伴う電力の消費を低減できる。さらには、1V程度の低電圧で足りる測定電圧と異なり、例えば2kVといった高電圧が要求される集塵電圧の印加時間を短縮化できることからも、電力消費量を低減できる。
より具体的には、図5のステップS12の実行に係る手段が電圧印加開始手段を構成し、ステップS13の実行に係る手段が第1測定手段を構成し、ステップS14〜15の実行に係る手段が電圧印加停止手段を構成し、ステップS16の実行に係る手段が第2測定手段を構成し、ステップS17の実行に係る手段が濃度検出手段を構成する。
第2実施形態に係るPMセンサは、第1実施形態に係るPMセンサ11のECU16の構成、具体的には第1測定手段と第2測定手段を構成する部分が異なる以外は、第1実施形態と同様の構成である。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、センサ素子の電気的特性は、集塵部の電気的特性を測定することにより得られる。即ち、以下の説明において、集塵部の静電容量は、センサ素子の静電容量を意味する。
図10は、測定電圧の周波数を変更したときの静電容量と時間との関係を示す図である。図10に示すように、集塵部の静電容量は、測定電圧の周波数により異なるという特性がある。具体的には、低周波数電圧の場合には、集塵部におけるPMの堆積が少量でも静電容量に変化が生じる一方、高周波数電圧の場合には、集塵部におけるPMの堆積が多量でも静電容量に変化が生じる。
図11は、周波数1kHzの測定電圧と、10kHzの測定電圧とを用いたときの静電容量と時間との関係を示す図である。図11に示すように、低周波数電圧は高周波数電圧に比して、短時間で集塵停止の判定に用いる閾値Cthを上回る。このため、本実施形態では、集塵部の静電容量に変化が生じてPMの検出が可能な状態であるか否かを、低周波数電圧により測定した静電容量で判定することにより、より短時間で集塵を停止することができるようになっている。また、集塵停止後、排気中のPM濃度の検出を、高周波数電圧により測定した静電容量に基づいて行うことにより、測定可能時間を長く取ることができ、より長時間に亘るPM濃度の検出が可能となっている。
具体的には、ステップS26の第2測定で測定した静電容量CHから、ステップS21で測定した初期静電容量CIを減算したものを算出し、これを静電容量変化量ΔC(即ち、集塵前後における集塵部の静電容量変化量)として記録する。
次いで、静電容量変化量ΔCに応じて、排気中のPM濃度を検出する。より具体的には、集塵部の静電容量変化量ΔCと排気中のPM濃度とを関係付ける制御マップに基づいて、測定した静電容量変化量ΔCに応じたPM濃度を算出する。なお、この制御マップは、予め所定の実験を行うことにより作成され、ECUに格納されている。
この判定がYESの場合には、ステップS29に移り、NOの場合には、ステップS26に戻って第2測定を再び開始する。なお、このとき、センサ素子は、集塵部の静電容量に変化が見られる状態であるため、第2測定を開始できる。
本実施形態によれば、第1測定で用いる交流の測定電圧の周波数を、第2測定で用いる測定電圧の周波数よりも低く設定する。
ここで、PMの静電容量には、検出に用いる測定電圧の周波数に応じて変化するという特性がある。具体的には、低周波数電圧を測定電圧として用いる場合には、集塵部におけるPMの堆積が少量でも静電容量に大きな変化が生じる一方、PMの堆積が多量になると静電容量の変化が見られなくなる。これに対して、高周波数電圧を測定電圧として用いる場合には、測定可能領域が広く、集塵部におけるPMの堆積が多量でも静電容量に大きな変化が生じる一方、PMの堆積が少量であると静電容量の変化が小さいという特性を有している。
本実施形態では、上述の特性を利用して、低周波数電圧により測定した静電容量に応じて集塵を停止するため、より早期に集塵を停止でき、排気中に含まれるPMの濃度の検出をより迅速に行うことができる。
また、集塵停止後、排気中のPMの濃度の検出を、高周波数電圧により測定した静電容量に基づいて行うことにより、集塵部に多量のPMが付着している場合であっても測定できる。このため、測定可能時間を長く確保することができ、上記低周波数電圧を用いることによる集塵時間の短縮化と相俟って、より長時間に亘ってPM濃度を検出できる。
また、集塵、測定、再生の行程を繰り返す回数をより低減でき、より一層の電力消費量の低減が図れる。
第3実施形態に係るPMセンサ31は、第1実施形態に係るPMセンサ11のセンサ素子12の構成と、ECU16の構成の一部を変更したものである。
図12は、第3実施形態に係るPMセンサ31のセンサ素子32の分解斜視図である。
図12に示すように、センサ素子32の構成は、測定電極層が無い以外は第1実施形態に係るPMセンサ11の構成と同様である。本実施形態では、第1実施形態のように測定電極を備えておらず、電極部323A,327Aが集塵電極と測定電極とを兼ね、インピーダンス測定器14が、切換スイッチを介して電極板330,331に電気的に接続されている。
具体的には、電極部323A,327Aに集塵電圧を印加する場合には、集塵用DC電源13と電極板330,331とを接続し、センサ素子32の静電容量を測定する場合には、インピーダンス測定器14と電極板330,331とを接続する。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、センサ素子32の電気的特性は、集塵部320の電気的特性を測定することにより得られる。即ち、以下の説明において、集塵部320の静電容量は、センサ素子32の静電容量を意味する。
具体的には、ステップS37の第2測定で測定した静電容量から、ステップS31で測定した初期静電容量CIを減算したものを算出し、これを静電容量変化量ΔC(即ち、集塵前後における集塵部の静電容量変化量)として記録する。
次いで、静電容量変化量ΔCに応じて、排気中のPM濃度を検出する。より具体的には、集塵部の静電容量変化量ΔCと排気中のPM濃度とを関係付ける制御マップに基づいて、測定した静電容量変化量ΔCに応じたPM濃度を算出する。なお、この制御マップは、予め所定の実験を行うことにより作成され、ECU36に格納されている。
この判定がYESの場合には、ステップS40に移り、NOの場合には、ステップS37に戻って第2測定を再び開始する。なお、このとき、センサ素子32は、集塵部320の静電容量に変化が見られる状態であるため、第2測定を開始できる。
また、本実施形態では、図14のステップS32〜34の実行に係る手段が電圧印加手段を構成し、ステップS35の実行に係る手段が第1測定手段を構成し、ステップS36の実行に係る手段が判定手段を構成し、ステップS37の実行に係る手段が第2測定手段を構成し、ステップS38の実行に係る手段が濃度検出手段を構成する。
第4実施形態に係るPMセンサ41は、第3実施形態に係るPMセンサ31のECU36の構成、具体的には第1測定手段と第2測定手段を構成する部分が異なる以外は、第3実施形態と同様の構成である。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、センサ素子の電気的特性は、集塵部の電気的特性を測定することにより得られる。即ち、以下の説明において、集塵部の静電容量は、センサ素子の静電容量を意味する。
具体的には、ステップS47の第2測定で測定した静電容量CHから、ステップS41で測定した初期静電容量CIを減算したものを算出し、これを静電容量変化量ΔC(即ち、集塵前後における集塵部の静電容量変化量)として記録する。
次いで、静電容量変化量ΔCに応じて、排気中のPM濃度を検出する。より具体的には、集塵部の静電容量変化量ΔCと排気中のPM濃度とを関係付ける制御マップに基づいて、測定した静電容量変化量ΔCに応じたPM濃度を算出する。なお、この制御マップは、予め所定の実験を行うことにより作成され、ECU46に格納されている。
この判定がYESの場合には、ステップS50に移り、NOの場合には、ステップS47に戻って第2測定を再び開始する。なお、このとき、センサ素子は、集塵部の静電容量に変化が見られる状態であるため、第2測定を開始できる。
また、本実施形態では、図15のステップS42〜44の実行に係る手段が電圧印加手段を構成し、ステップS45の実行に係る手段が第1測定手段を構成し、ステップS46の実行に係る手段が判定手段を構成し、ステップS47の実行に係る手段が第2測定手段を構成し、ステップS48の実行に係る手段が濃度検出手段を構成する。
例えば、上述の第1〜第4実施形態では、第1測定により測定した静電容量Cが所定の閾値Cthを上回ったか否かに応じて、集塵停止の判定、又は第2測定開始の判定を行ったが、所定時間が経過したか否かに応じてこれらの判定を行ってもよい。また、静電容量Cと時間との関係曲線から、静電容量が変化し始めるときの直線の傾きを求め、この傾きに応じてこれらの判定を行ってもよい。
これにより、PMがより多く排出される過渡運転状態において、短時間で効率良く、集塵部の全面にPMを付着させて集塵部の電気的特性に変化が現れる状態を作り出し、排気中のPM濃度を検出できる。
なお、過渡運転状態であるか否かの判断としては、エンジンにより駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサにより検出されるアクセル開度、又はアクセルセンサの出力に基づいてECUにより算出される燃料噴射量に基づいて判断する。
12…センサ素子(センサ素子)
13…集塵用DC電源(電圧印加開始手段、電圧印加停止手段)
14…インピーダンス測定器(第1測定手段、第2測定手段)
15…温度制御装置
16…ECU(電圧印加開始手段、第1測定手段、電圧印加停止手段、第2測定手段、濃度検出手段)
17…センサ制御部
120…集塵部
123A、128A…集塵電極(第1電極部)
127A、127B…測定電極(第2電極部)
Claims (9)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、排気に含まれる粒子状物質が付着するセンサ素子を有し、当該センサ素子の電気的特性に基づいて排気中の粒子状物質の濃度を検出する粒子状物質検出装置であって、
前記センサ素子は、排気に含まれる粒子状物質を前記センサ素子に付着させるための集塵電圧が印加される第1電極部と、前記センサ素子の電気的特性を測定するための測定電圧が印加される第2電極部と、を有し、
前記粒子状物質検出装置は、
前記第1電極部への集塵電圧の印加を開始する電圧印加開始手段と、
前記集塵電圧の印加を開始し、前記第2電極部に測定電圧を印加することにより前記センサ素子の電気的特性を測定する第1測定手段と、
所定の条件が満たされたことに応じて前記第1電極部への集塵電圧の印加を停止する電圧印加停止手段と、
前記集塵電圧の印加を停止した後、前記第2電極部に測定電圧を印加することにより前記センサ素子の電気的特性を測定する第2測定手段と、
前記第2測定手段の測定値に基づいて、排気中の粒子状物質の濃度を検出する濃度検出手段と、を備えることを特徴とする粒子状物質検出装置。 - 前記第1測定手段及び前記第2測定手段は、前記第2電極部に交流の測定電圧を印加するものであり、
前記第1測定手段により前記第2電極部に印加される測定電圧の周波数を第1周波数とし、前記第2測定手段により前記第2電極部に印加される測定電圧の周波数を第2周波数としたときに、
前記第2周波数は、前記第1周波数よりも高いことを特徴とする請求項1記載の粒子状物質検出装置。 - 前記内燃機関の運転状態が過渡運転状態であるか否かを判定する過渡運転状態判定手段をさらに備え、
前記濃度検出手段は、前記過渡運転状態判定手段により過渡運転状態であると判定された場合には、前記電圧印加開始手段により集塵電圧の印加を開始することを特徴とする請求項1又は2記載の粒子状物質検出装置。 - 前記集塵電圧は、前記測定電圧に比して大きいことを特徴とする請求項1から3いずれか記載の粒子状物質検出装置。
- 内燃機関の排気通路に設けられ、排気に含まれる粒子状物質が付着するセンサ素子を有し、当該センサ素子の電気的特性に基づいて排気中の粒子状物質の濃度を検出する粒子状物質検出装置であって、
前記センサ素子は、排気に含まれる粒子状物質を前記センサ素子に付着させるための集塵電圧、及び、前記センサ素子の電気的特性を測定するための前記集塵電圧に比して小さい測定電圧の何れかが選択的に印加される電極部を有し、
前記粒子状物質検出装置は、
前記電極部に所定の時間に亘って集塵電圧を印加する電圧印加手段と、
前記集塵電圧を印加した後、前記電極部に測定電圧を印加することにより前記センサ素子の電気的特性を測定する第1測定手段と、
所定の条件が満たされたか否かを判定する判定手段と、
前記所定の条件が満たされたと判定された後、前記電極部に測定電圧を印加することにより前記センサ素子の電気的特性を測定する第2測定手段と、
前記第2測定手段の測定値に基づいて、排気の粒子状物質の濃度を検出する濃度検出手段と、を備えることを特徴とする粒子状物質検出装置。 - 前記判定手段により所定の条件が満たされていないと判定された場合には、前記電圧印加手段による集塵電圧の印加、及び、前記第1測定手段による測定を再び行うことを特徴とする請求項5記載の粒子状物質検出装置。
- 前記第1測定手段及び前記第2測定手段は、前記電極部に交流の測定電圧を印加するものであり、
前記第1測定手段により前記電極部に印加される測定電圧の周波数を第1周波数とし、前記第2測定手段により前記電極部に印加される測定電圧の周波数を第2周波数としたときに、
前記第2周波数は、前記第1周波数よりも高いことを特徴とする請求項5又は6記載の粒子状物質検出装置。 - 前記内燃機関の運転状態が過渡運転状態であるか否かを判定する過渡運転状態判定手段をさらに備え、
前記濃度検出手段は、前記過渡運転状態判定手段により過渡運転状態であると判定された場合には、前記電圧印加手段により集塵電圧を印加することを特徴とする請求項5から7いずれか記載の粒子状物質検出装置。 - 前記所定の条件は、前記第1測定手段の測定値に基づいて算出された値が所定の閾値を上回ったか否かであることを特徴とする請求項1から8いずれか記載の粒子状物質検出装置。
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