JP2010189610A - レーザー焼結積層用組成物、その製造方法、および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】色相が良好でリサイクル使用に優れたレーザー焼結積層用組成物を提供する。
【解決手段】レーザー焼結積層法で用いられる組成物で、酸化防止剤を含有するポリアミドからなるパウダーである。酸化防止剤を含有するポリアミド12を主成分とする。リン含有量は、0.005質量%以上0.1質量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミドを主成分とするレーザー焼結積層用組成物、その製造方法、およびそのレーザー焼結積層用組成物を用いた成形品に関する。
従来、樹脂を用いた造形物を形成する方法として、レーザー焼結積層法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このレーザー焼結積層法は、樹脂パウダーを敷き詰め、選択的にレーザービームで照射し、このレーザービームにあたったパウダーが溶融し、焼結する。この上に新たな樹脂パウダーを敷き、ふたたびレーザービームが照射される。これを繰返すことで三次元の造形品を容易かつ迅速に製造することができる方法である。
このようなレーザー焼結積層法に使用される樹脂パウダーとしては、例えば、ポリアミドが挙げられる。特に、ポリアミド12の粉末は、機械的強度物性に優れ、工業用構造部材の製造に有利であることから好適に使用されている。
そして、レーザー焼結積層法では、樹脂パウダーは、レーザーによる迅速な溶融を可能にするため、チャンバー中で融点付近まで予熱されている。また、チャンバー内のパウダーは溶融焼結した造形品を埋没させた状態で、造形品の保持体として一定の温度を保ちながら成形される。これにより、造形品のソリを抑制し、寸法精度を向上させることが可能となっている。そして、造形後はチャンバー内でできた樹脂パウダーの塊(ケーキと称される)から造形品を掘り起こし、付着した余分な樹脂パウダーを除去することで、造形品が得られる。
しかしながら、このようなレーザー焼結積層法では、ケーキなどから回収された使用済み樹脂パウダーが多量に発生する。この樹脂パウダーは回収し、篩をかけて再利用することが望まれる。
ところが、樹脂パウダーは予熱や造形時間中のケーキの加熱により、かなりの熱履歴を受けており、繰り返し再利用すると、樹脂パウダー並びに造形品の色相が悪くなったり、溶融時の樹脂の流動特性が変化したりすることによって造形品表面が荒れるという不良現象(オレンジスキンと称される)が発生する。さらには、溶融樹脂の流動性の相違が局所的に起こることで、造形品に微小な簾が生じることで機械物性の低下をもたらしたり、造形品の端部に反りを生じたりすることが知られている。
このため、使用済みの樹脂パウダーに、未使用(新品)の樹脂パウダーを混ぜて使用する方法が採られているが、新品原料を多く使うと経済的に不利である一方、新品原料を少なくするために配合率と再使用(リサイクル)回数をすべて管理調整するのは困難である。したがって、本質的には、レーザー焼結積層法に使用される樹脂パウダーは、リサイクル性の高い樹脂パウダーが求められている。
そこで、造形時に受ける熱履歴による不都合を防止する組成物が知られている(例えば、特許文献2または特許文献3参照)。
特許文献2に記載のものは、ポリアミドを少なくとも1種および少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸、モンタン酸もしくは二量体酸の塩から選択される金属石鹸を少なくとも1種含有した粉末を用いる構成が採られている。この粉末は、金属石鹸を添加しているので、流動性が向上し、溶融樹脂の結晶化挙動が熱履歴を受けても変わらない特性となっている。
しかしながら、この特許文献2に記載のものは、IRGANOX 1098(商品名)、IRGANOX 245(商品名)、Lowinox BHT(商品名)などのフェノール計酸化防止剤を用いているので、熱履歴により色相が悪化するおそれがある。
また、特許文献3に記載のものは、粉末粒子の粒径の上限が100μm未満で、D0.5値が55μm未満で、BET面積が5m2/g未満で、ほぼ球形の粉末を用いる構成が取られている。この発明では、高嵩密度、非表面積が小さいポリアミドの粉末とすることで、造形時の熱でエージングされて造形品の表面外観や機械物性に悪影響を与えてリサイクル率が悪くなることを抑制する。
一般に、ポリアミド12中に含まれるリン化合物により、熱履歴を受けたパウダーは脱水縮合が生じ、溶融粘度が上がり、架橋ゲルが生じたりする。したがって、上記特許文献3に記載のものでは、レーザー照射時に造形部にソリが生じたり、オレンジスキンという不良現象が発生するおそれがある。また、回収した使用済みパウダーは架橋により溶媒で溶解することができないため、パウダー化するためのポリアミド原料としても再利用できないことから環境負荷も高い。
WO96/6881号公報 特開2004−175102号公報 特開2006−508217号公報
上述したように、特許文献2に記載のような従来の粉末では、熱履歴により色相が悪化するおそれがある。
また、特許文献3に記載のような従来の粉末では、脱水縮合が生じて造形時の不良や再利用が困難であるなどの不都合がある。
本発明は、上述した点などに鑑みて、熱履歴による色相の悪化や造形時の不良が生じることなく、リサイクル使用に優れたレーザー焼結積層用組成物、その製造方法、および成形品を提供することを1つの目的とする。
本発明に記載のレーザー焼結積層用組成物は、選択的にレーザービームを照射して積層させるレーザー焼結積層法で用いるレーザー焼結積層用組成物であって、酸化防止剤を含有するポリアミドを主成分とした粉末で、リン含有量が0.005質量%以上0.1質量%以下であることを特徴とする。
本発明では、前記酸化防止剤は、融点がポリアミドの融点以上のリン系酸化防止剤である構成とすることが好ましい。
本発明では、前記リン系酸化防止剤は、0.05質量%以上1.0質量%以下で配合された構成とすることが好ましい。
本発明では、前記レーザー焼結積層法に用いられ回収された本発明に記載のレーザー焼結積層用組成物を溶解析出して粉末化したものが、少なくとも一部混合された構成とすることが好ましい。
本発明に記載のレーザー焼結積層用組成物の製造方法は、選択的にレーザービームを照射して積層させるレーザー焼結積層法で用いるレーザー焼結積層用組成物の製造方法であって、前記レーザー焼結積層法に用いられ回収された本発明に記載のレーザー焼結積層用組成物を、溶解析出させて粉末化することを特徴とする。
本発明に記載の成形品は、本発明に記載のレーザー焼結積層用組成物を用いて前記レーザー焼結積層法により成形されたことを特徴とする。
本発明では、前記レーザー焼結積層法に用いられ回収された前記レーザー焼結積層用組成物を、未使用の前記レーザー焼結積層用組成物と混合した混合物を用いて、前記レーザー焼結積層法により成形された構成とすることが好ましい。
本発明によれば、使用済みのレーザー焼結積層用組成物を原料として再使用しても、色相の悪化や造形時の不良が生じず、リサイクル性を向上できる。
以下、本発明のレーザー焼結積層用組成物について、説明する。
[レーザー焼結積層用組成物の構成]
本発明のレーザー焼結積層用組成物は、選択的にレーザービームを照射して積層させるレーザー焼結積層法で用いられる組成物で、ポリアミドからなるパウダーである。なお、本実施形態では、不純物として他の樹脂が混在することを除外するものではない。
ここで、原料のポリアミドとしては、好ましくはカルボン酸アミド基1個あたり少なくとも8個の炭素原子を有するものが用いられる。より好ましくは、カルボン酸アミド基1個あたり9個以上の炭素原子を有するものが用いられる。さらに好ましくは、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12が用いられる。
ここで、レーザー焼結積層法用組成物中のリン含有量は、0.005質量%以上0.1質量%以下である。
ここで、リン含有量が0.005質量%より少なくなると、レーザー焼結積層法により造形時の熱履歴によりパウダーや造形した成形品が黄変しやすくなる。一方、リン含有量が0.1質量%より多くなると、造形時の熱履歴によりポリアミド12を脱水縮合させ、溶融粘度が上がり、架橋ゲルを生じさせたりする。すなわち、熱履歴により、レーザー照射時に成形品にソリが生じたり、成形品の表面が荒れるという不良現象が発生する。したがって、リン含有量は0.005質量%以上0.1質量%以下、好ましくは0.03質量%以上0.1質量%以下に設定される。
また、レーザー焼結積層法用組成物をなすポリアミドパウダーに含有される酸化防止剤としては、酸化防止剤の融点がポリアミドの融点以上のリン系酸化防止剤を用いることが好ましい。例えば、ポリアミドパウダーとしてポリアミド12を用いる場合には、酸化防止剤の融点をポリアミド12の融点である175℃以上とする。
ここで、酸化防止剤の融点がポリアミドの融点より低いと、造形時の熱でレーザーが照射されなくてもレーザー焼結積層法用組成物が溶融し、レーザー焼結積層法用組成物同士がくっついてしまい、レーザー焼結積層法用組成物の流動性が低下し、造形できなくなってしまうおそれがある。このため、酸化防止剤の融点はポリアミドの融点以上が好ましく、特に、ポリアミドの融点よりも30℃以上高温がより好ましい。
そして、レーザー焼結積層用組成物は、リン含有量が0.005質量%以上0.1質量%以下で含有する状態でリン系酸化防止剤を配合する場合には、リン系酸化防止剤として0.05質量%以上1.0質量%以下で配合されることが好ましい。
ここで、リン系酸化防止剤としては、例えばIrgafos168(商品名)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、PEP−36(商品名)(株式会社ADEKA製)などが用いられる。これらを上述の配合量で配合することで、リン含有量が0.005質量%以上0.1質量%以下となる。
また、レーザー焼結積層用組成物は、無機フィラーを配合しても良い。
無機フィラーとしては、アミド基を有するシランで処理されたもの、酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、ケイ酸カルシウム、アルミナ水和物などが挙げられる。無機フィラーの配合量は、0.01質量%以上0.5質量%以下が好ましいが、パウダーの流動性が保持されればよい。
さらに、レーザー焼結積層用組成物は、無機フィラー、酸化防止剤のほか、助剤と充填材とのうちの少なくともいずれか一方を含んでもよい。
ここで、助剤とは、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤などが例示できる。これらは、成形品の造形性、成形品の物性を損なわない程度に使用できる。充填材とは、例えば、ガラス(中実もしくは中空ガラスビーズなど)、金属(剛球状または粉体状のもの)、セラミックス(着色顔料、遷移金属酸化物などであってもよい)、他のポリマー(ゴムパウダー、オレフィンパウダーなど)である。
また、レーザー焼結積層用組成物は、平均粒径が好ましくは200μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。
平均粒径が200μmより大きくなると、造形面が粗くなるという不都合を生じるおそれがあるためである。
[レーザー焼結積層用組成物の製法]
レーザー焼結積層用組成物の製造に際しては、まず、原料の対応するモノマーを懸濁重合する。この懸濁重合により得られた樹脂をミルなどで機械粉砕する。
そして、粉砕された樹脂を所定の溶媒にて溶解し、得られた樹脂の溶解液をスプレーし、レーザー焼結積層用組成物を結晶析出させて粉末化する。
なお、レーザー焼結積層用組成物に酸化防止剤、無機フィラーなどを混合する場合には、溶媒に溶かして噴霧したり、ミキサー撹拌によりドライブレンドしたりするなどが挙げられるが、均一分散していればいずれの方法を適用できる。
そして、得られたレーザー焼結積層用組成物は、選択的にレーザービームを照射して積層させる各種レーザー焼結積層法に利用され、レーザービームの照射により順次積層されて所望とする形状の成形品に造形される。
なお、レーザー焼結積層法に使用したレーザー焼結積層用組成物は、適宜回収され、例えば、溶解析出させて粉末化して再生し、再びレーザー焼結積層法に利用したり、未使用のレーザー焼結積層用組成物と混合して利用したり、適宜リサイクルされる。
[実施形態の作用効果]
上述したように、上記実施形態のレーザー焼結積層用組成物によれば、特定の酸化防止剤を特定量含む構成としているので、レーザー焼結積層法に利用されて熱負荷を受けても、黄変するなどの色相が悪化する不都合を生じず、かつ造形時に成形品の表面が荒れたりソリが生じるなどの不良も防止できる。
そして、酸化防止剤として、融点がポリアミドの融点以上のリン系酸化防止剤を用いるので、造形時の熱により粉末同士がくっついて流動性が低下したり、造形できなくなるなどの不都合も生じにくく、より好適である。
[変形例]
なお、以上に説明した態様は、本発明の一態様を示すものであって、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良は、本発明の内容に含まれるものである。また、本発明を実施する際における具体的な構成および形状などは、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構成や形状などとしても問題はない。
すなわち、レーザー焼結積層用組成物は、レーザー焼結積層法で利用した後に回収して再利用する構成に限らない。また、未使用のレーザー焼結積層用組成物と再生したレーザー焼結積層用組成物とを混合したものを利用したり、再生したレーザー焼結積層用組成物のみを用いたりしてもよい。さらには、原料のポリアミドとして回収した使用後のレーザー焼結積層用組成物を用いてレーザー焼結積層用組成物を製造してもよい。
また、リンの原料としては、リン系酸化防止剤に限らず、各種材料を利用できる。なお、上記実施形態のように、リン系酸化防止剤を用いることで、酸化防止剤とリンとの双方を含有させることができるので、製造性の点で有益である。
その他、本発明の実施における具体的な構成および形状などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
なお、本発明は実施例などの内容に何ら限定されるものではない。
[ポリアミド12パウダーの製造]
400L加熱撹拌溶解槽に、ポリアミド12ペレット(宇部興産社製 UBESTA 3024U)25kgと溶媒のジメチルホルムアミド((CH3)2NCHO)(dimethylformamide:DMF)130kgとを仕込み、窒素雰囲気下、蒸気加熱により150℃まで昇温しながらポリアミド12ペレットを撹拌溶解した。撹拌溶解後、40℃にまで徐冷し、パウダーを析出、沈降させた。この沈降したパウダーをろ過乾燥機に移し、真空ろ過し、所定の添加剤溶液を投入し、撹拌した。70℃真空乾燥にて溶媒を揮発させ、乾燥パウダーを得た。
乾燥パウダーは目開き90μmの篩で解砕し、酸化ケイ素(日本アエロジル製 アエロジルRA200H)を0.1質量%添加し、撹拌して、試料のポリアミド12パウダーを得た。
[試料の評価]
<熱安定性の評価>
得られたポリアミド12パウダーをガラスシャーレに30g採取し、真空乾燥機にて、減圧し、150℃で96時間と168時間との異なる時間でそれぞれ加熱暴露させた。
加熱後のポリアミド12パウダーの加熱前との色差を色差計(ミノルタ社製CR200)で測定した。また、MFR(Melt Flow Rate)を210℃、加重1.20kgでJIS K7210:99に準じ測定した。各試料の測定結果は、表1に示す。
<リン含有量の測定>
ポリアミド12パウダーをテフロン(登録商標)シートにはさみ、230℃でプレス成形して、プレートを作成した。
そして、蛍光X線分析(フィリップス社製 商品名:MagiX-PW2403)により、リン含有量を測定した。各試料の測定結果は、表1に示す。
<リサイクル性の評価>
造形は、EOS社のレーザー焼結装置EOSINT P360(以下、EOSと称し、表中ではP360と称す)または3Dシステムズ社のSinterstation HiQ(以下、3Dと称し、表中ではHiQと称す)で行なった。造形後、ケーキから回収された使用済みパウダーを回収し、造形1回後のMFRを測定(1Pass)した。
また、ケーキから回収した使用済みパウダーを目開き500μmの篩で解砕し、再度造形に用いた後、再びケーキから回収された使用済みパウダーについて、造形2回後のMFRを測定(2Pass)した。この際の造形時の状況を観察するとともに、回収したパウダーをDMFに分散させ、150℃に加熱して溶解の有無を評価した。各試料の測定結果は、表1に示す。
[実施例1]
所定の添加剤として融点237℃のリン系酸化防止剤(株式会社ADEKA製 PEP−36)を0.3質量%、DMFに溶解し、ポリアミド12パウダーに添加した。
リン含有量は、0.03質量%であった。
熱安定性の評価での△Eは、96時間後、168時間後のそれぞれで、0.3と、0.5とで色相変化が少なかった。
MFRは、初期、96時間後、168時間後でそれぞれ、3.6g/10min、2.1g/10min、2.1g/10minとなり、溶融粘度の変化も少なかった。
造形リサイクルでのMFRは、1Pass、2Passでそれぞれ、3Dでは3.4g/10min、3.3g/10minで、EOSでは3.3g/10min、3.3g/10minで変化が少なかった。
造形性も特に問題はなかった。
回収したパウダーは、150℃に加熱したDMFに溶解した。
[実施例2]
融点237℃のリン系酸化防止剤(株式会社ADEKA製 PEP−36)を1.0質量%添加した以外は実施例1と同様に試験した。
リン含有量は0.1質量%であった。
熱安定性の評価での△Eは96時間、168時間後でそれぞれ、0.2、0.4で色相変化が少なかった。
MFRは、初期、96時間後、168時間後でそれぞれ、3.6g/10min、2.6g/10min、2.3g/10minとなり、溶融粘度の変化も少なかった。
造形リサイクルでのMFRは、3Dでは、1Pass、2Passでそれぞれ、3.4g/10min、3.4g/10minで変化が少なかった。
造形性も特に問題はなかった。
回収したパウダーは、150℃に加熱したDMFに溶解した。
[実施例3]
融点183℃のリン系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 Irgafos168)を0.05質量%添加した以外は実施例1と同様に試験した。
リン含有量は0.005質量%であった。
熱安定性の評価での△Eは96時間、168時間後でそれぞれ、0.4、0.6で色相変化は大きくなかった。
MFRは、初期、96時間後、168時間後でそれぞれ、3.6g/10min、2.1g/10min、2.1g/10minとなり、溶融粘度の変化も少なかった。
造形リサイクルでのMFRは、3Dでは、1Pass、2Passでそれぞれ、3.4g/10min、3.4g/10minで変化が少なかった。
造形性も特に問題はなかった。
回収したパウダーは、150℃に加熱したDMFに溶解した。
[比較例1]
市販のレーザー焼結積層用パウダーとして、Duraform PA(3D社製)を用いた。
リン含有量は、0.2質量%であった。
熱安定性の評価での△Eは、96時間後、168時間後でそれぞれ、0.5、1.3となり、黄変が見られた。
MFRは、初期、96時間後、168時間後でそれぞれ、10.3g/10min、0.91g/10min、0.41g/10minとなり、溶融粘度が増加することが認められた。
造形リサイクルでのMFRは、3Dでは、1Pass、2Passでそれぞれ、4.8g/10min、0.75g/10minと変化し、2Pass目でソリが発生し、造形を中断した。
回収したパウダーは150℃に加熱したDMFはドロドロの塊となり、溶解しきらなかった。
[比較例2]
市販のレーザー焼結積層用パウダーとして、PA2200(EOS社製)を用いた。
リン含有量は0.19質量%であった。
熱安定性の評価での△Eは、96時間後、168時間後で、0.4、0.9となり、やや黄変が見られた。
MFRは、初期、96時間後、168時間後でそれぞれ、9.6g/10min、0.51g/10min、0.25g/10minとなり、溶融粘度が増加することが認められた。
造形リサイクルでのMFRは、EOSでは、1Pass、2Passで5.9g/10min、1.2g/10minと変化し、2Pass目で造形は問題なかったがオレンジスキンが発生した。
回収したパウダーは150℃に加熱したDMFはドロドロの塊となり溶解しきらなかった。
[比較例3]
リン系酸化防止剤を全く添加せずに試験した。
リン含有量は、0.0005質量%であった。
MFRは、初期、96時間後、168時間後でそれぞれ、3.6g/10min、3.1g/10min、2.3g/10minとなり、溶融粘度の変化は少なかった。
熱安定性の評価での△Eは、96時間後、168時間後でそれぞれ、1.2、1.9でパウダーの変色が見られた。
[比較例4]
融点115℃のリン系酸化防止剤(住友化学製 SumilizerGP)を0.1質量%、メタノールに溶解し、ポリアミド12パウダーに添加した以外は実施例1と同様に試験した。
リン含有量は、0.005質量%であった。
3Dで造形したが、造形開始後間もなく造形面でダマが発生し、造形できなかった。
Figure 2010189610
本発明は、レーザー焼結積層法に用いるポリアミドを主成分とするレーザー焼結積層用組成物に利用できる。

Claims (7)

  1. 選択的にレーザービームを照射して積層させるレーザー焼結積層法で用いるレーザー焼結積層用組成物であって、
    酸化防止剤を含有するポリアミドを主成分とした粉末で、
    リン含有量が0.005質量%以上0.1質量%以下である
    ことを特徴としたレーザー焼結積層用組成物。
  2. 請求項1に記載のレーザー焼結積層用組成物であって、
    前記酸化防止剤は、融点が前記ポリアミドの融点以上のリン系酸化防止剤である
    ことを特徴としたレーザー焼結積層用組成物。
  3. 請求項2に記載のレーザー焼結積層用組成物であって、
    前記リン系酸化防止剤は、0.05質量%以上1.0質量%以下で配合された
    ことを特徴としたレーザー焼結積層用組成物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のレーザー焼結積層用組成物であって、
    前記レーザー焼結積層法に用いられ回収された前記請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のレーザー焼結積層用組成物を溶解析出して粉末化したものが、少なくとも一部混合された
    ことを特徴としたレーザー焼結積層用組成物。
  5. 選択的にレーザービームを照射して積層させるレーザー焼結積層法で用いるレーザー焼結積層用組成物の製造方法であって、
    前記レーザー焼結積層法に用いられ回収された請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のレーザー焼結積層用組成物を、溶解析出させて粉末化する
    ことを特徴とするレーザー焼結積層用組成物の製造方法。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のレーザー焼結積層用組成物を用いて前記レーザー焼結積層法により成形された
    ことを特徴とした成形品。
  7. 請求項6に記載の成形品であって、
    前記レーザー焼結積層法に用いられ回収された前記レーザー焼結積層用組成物を、未使用の前記レーザー焼結積層用組成物と混合した混合物を用いて、前記レーザー焼結積層法により成形された
    ことを特徴とした成形品。
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