JP2008266645A - 複合粉末、成形法における該粉末の使用および該粉末から製造される成形体 - Google Patents

複合粉末、成形法における該粉末の使用および該粉末から製造される成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される、層状に作業される方法において使用するための複合粉末、成形法における該粉末の使用および該粉末から製造される、軽量で、同時に高い弾性率を有する成形体を提供する。
【解決手段】複合粉末は、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有する。
【効果】良好に再現性のある加工法で成形体を製造することが可能となり、得られる成形体は密度に対して強度が高い。
【選択図】なし

Description

プロトタイプの迅速な提供は、近年しばしば課される課題である。特に適切であるのは、粉末状の加工材料に基づいて作業し、かつ層状に選択的な溶融を行い、固化させることにより、所望の構造を製造する方法(積層造形法)
である。この場合、オーバーハングおよびアンダーカットのための支持構造物は不要となる。というのも、溶融された領域を取り囲む粉末床が十分な支持作用をもたらすからである。同様に、支持物を除去するための後の加工も不要である。この方法は短期間の製造(Kleinserien)のためにも適切である。
本発明は、製造プロセスの安定性および密度に関する利点を有する粉末状のポリマーをベースとする、ガラス球を含有する複合粉末、形状付与法における前記複合粉末の使用、ならびに前記粉末を使用して粉末層の領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法により製造される成形体に関する。先に層ごとに溶融された領域は冷却され、かつ固化した後に、成形体を粉末床から取り出すことができる。本発明による成形部材はさらに、従来の成形部材よりも狂いを生じる傾向が低い。
この場合、層状に作業される方法の選択性はたとえばサセプター、吸収剤、阻害剤の施与により、またはマスクにより、または集束されたエネルギー導入により、たとえばレーザー光線により、またはガラス繊維により行うことができる。エネルギー導入は、電磁線により達成される。
以下では、本発明による複合粉末から本発明による成形体を製造することができるいくつかの方法を記載するが、本発明はこれらの方法に限定されるべきではない。
ラピッド・プロトタイピングの目的のために特に好適な方法は、選択的レーザー焼結である。この方法では、プラスチック粉末をチャンバ中で選択的に短時間、レーザー光線で照射し、これによりレーザー光線が当たった粉末粒子は溶融する。溶融した粉末は、相互に流れ、かつふたたび迅速に硬化して固体の材料が得られる。常に新たに施与される層を繰り返し照射することにより、この方法で立体的な(三次元の)物体を簡単かつ迅速に製造することができる。
粉末状のポリマーから成形体を製造するためのレーザー焼結法(ラピッド・プロトタイピング)は、特許文献US6,136,948およびWO96/06881(いずれもDTM Corporation)に詳細に記載されている。多数のポリマーおよびコポリマー、たとえばポリアセテート、ポリプロピレン、ポリエチレン、イオノマーおよびポリアミドが、この適用のために請求されている。
その他の好適な方法は、たとえばWO01/38061に記載されているSIV法であるか、またはたとえばEP1015214に記載されている方法である。いずれの方法も、粉末の溶融のために平面状の赤外線加熱を用いて作業する。溶融の選択性は、前者の場合、阻害剤の施与により行われ、かつ後者の場合にはマスクにより行われる。もう1つの方法は、DE10311438に記載されている。この場合、溶融のために必要とされるエネルギーは、マイクロ波発生装置により導入され、かつ選択性はサセプターの施与により行われる。
その他の適切な方法は、吸収剤を用いて作業する方法であり、吸収剤は粉末中に含有されているか、またはインクジェット法により施与され、該方法は、たとえばDE102004012682.8、DE102004012683.6およびDE102004020452.7に記載されている。
前記のラピッド・プロトタイピング法もしくはラピッド・マニファクチャリング法(RP法またはRM法)のためには、粉末状の基体、特にポリマー、有利にはポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−(N−メチルメタクリルイミド)(PMMI)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、イオノマー、ポリアミドまたはこれらの混合物から選択されるポリマーを使用することができる。
WO95/11006には、レーザー焼結のために適切なポリマー粉末が記載されており、これは10〜20℃/分の走査速度で示差走査熱分析により溶融特性を測定する際に、溶融ピークおよび再結晶化ピークの重複を示さず、同様にDSCにより測定して10〜90%の結晶度、30000〜500000の数平均分子量Mnを有し、かつその分子量の比Mw/Mnは1〜5の範囲である。
DE19747309は、高い溶融温度および高い溶融エンタルピーを有するポリアミド12の粉末を使用することを記載しているが、これはまずラウリンラクタムの開環および引き続き重縮合により製造されたポリアミドの再沈殿により得られる。これはポリアミド12である。
DE102004003485は、層状に構造化される方法で使用するための、少なくとも1の空隙を有する粒子の使用を記載している。この場合、全ての粒子は少なくとも1の空隙を有しており、かつ該空隙を有する粒子は、電磁エネルギーの導入により溶融される。
上記の粉末は多くの場合、強化のためにガラス球が混合されている。この場合、効果を達成するために著量の強化材料を使用しなくてはならないので、部材ならびに粉末混合物の密度は顕著に高まる。さらに、このような粉末混合物を取り扱う際に、しばしば分離現象が生じるため、強化材料により達成されるべき機械的特性の不変性は必ずしも与えられるとは限らない。ガラス球の割合が高すぎる領域は、極めて脆くなり、従って使用不可能であり、ガラス球の含有量が少なすぎる領域は、設計したよりも柔らかい。分離は、ポリマー粒子およびガラス球の異なった密度に起因し、かつ傾向として、該粉末混合物のそのつどの輸送および取り扱いの際に、程度の差はあるものの明らかである。特にラピッド・マニファクチャリング法において粉末の取り扱いが自動化される場合には、製造された部材において、制御が困難な、逸脱した特性が生じる。
US6,136,948 WO96/06881 WO01/38061 EP1015214 DE10311438 DE102004012682.8 DE102004012683.6 DE102004020452.7 DE19747309 DE102004003485
従って本発明の課題は、できる限り軽量で、同時に高い弾性率を有する成形体を、できる限り良好に再現性のある加工法で製造することが可能となる複合粉末を提供することである。その他の機械的特性は、従来技術によるガラス球を含有する比較可能なポリマー粉末よりも劣っているべきではない。この場合、加工法は層状に作業される方法であって、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーにより選択的に溶融され、かつ冷却後に結合して所望の成形体が得られる方法である。
前記課題は意外にも本発明により、粉末状のポリマー以外に、多孔質ガラス球を強化材料として使用することにより、それぞれの粉末層の領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法により成形体を製造することができる複合粉末を製造することができることが判明し、該成形体は、密度および狂いを生じる傾向に関して利点を有しており、かつその際、加工の安定性に関して、従来技術による強化されたポリマー粉末、たとえば市販の材料であるDuraform GFまたはENOSINT3200GFから得られるよりも良好な特性を有している。
従って本発明の対象は、それぞれの層の領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法で加工するための複合粉末であり、該粉末は、少なくとも多孔質のガラス球および粉末状のポリマー、有利にはポリアミド、特に有利にはポリアミド11または12を含有することを特徴とする。
この場合、本発明による方法では、複合粉末は部分的に溶融されるのみである。本発明による強化材料は、電磁エネルギーの導入により溶融されるポリマー粉末により取り囲まれており、かつ該ポリマー成分を冷却した後に、ポリマーと、該ポリマー中に埋め込まれた強化材料とを含有する成形部材が形成される。
この場合、強化材料の粒子は、ポリマー成分の粒子と同様にほぼ球形である。
ポリマー成分の平均粒径は、30〜120μm、有利には40〜100μmおよび特に有利には45〜70μmである。強化材料がポリマー成分よりも小さい粒径を有しているべきであることは、複合粉末に関して特に有利な実施態様であることが判明した。有利には、ポリマー粒子の平均粒径対強化材料粒子の平均粒径の比は、1.5:1〜10:1、特に有利には1.7:1〜5:1、およびとりわけ有利には2:1〜3:1である。
この場合、ポリマーの割合に対する強化材料の割合は、質量基準で1:10〜20:10、有利には2:10〜15:10および特に有利には5:10および12:10である。
この場合、複合部材の密度は本発明によれば、従来技術による複合粉末から製造される部材よりも低い。このことは、強化作用にもかかわらず、質量の増加に関する欠点が同時に現れることなく、軽量な構造で部材を製造することができるという利点を有する。
さらに本発明の対象は、それぞれの層の領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法により製造される成形体であり、該成形体は、少なくとも1のポリマーならびに1の強化材料を含有しており、かつその際に、本発明による複合部材の密度は、従来技術による複合粉末から製造される部材に対して低下していることを特徴とする。本発明による複合部材の狂いを生じる傾向は、同様に低減されている。
本発明による複合粉末は、該粉末から、それぞれの層の領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法によって製造される成形体が、従来の複合粉末からなる成形体に対して、密度が低く、かつ狂いを生じる傾向が低いという利点を有する。その際、本発明による粉末は、従来の複合粉末よりもプロセス安全性が大きく、分離の危険が明らかに低減している。
本発明による複合粉末から製造される成形体は、この場合、従来の複合粉末から製造された成形体と同様の良好な機械的特性を有する。
本発明による複合粉末を以下に記載するが、本発明はこれらに限定されるべきではない。
それぞれの層の領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法で加工するための本発明による複合粉末は、該粉末が少なくとも多孔質のガラス球および粉末状のポリマー、有利にはポリアミド、特に有利にはポリアミド11または12を含有していることにより優れている。
ポリマー成分は、非晶質ポリマーであっても部分結晶質ポリマーであっても、またはこれらの混合物であってもよい。例として、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−(N−メチルメタクリルイミド)(PMMI)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、イオノマー、ポリアミド、またはこれらの混合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。ポリマー成分は、従来技術による方法により、たとえば粉砕、噴霧乾燥、沈殿またはその他の適切な方法によって粉末の形にすることができる。引き続き、篩い分けまたは分級をすることが有利でありうる。強力な剪断力を有するミキサー中での、有利にはそれぞれのポリマーのガラス転移温度よりも高い温度での後処理を引き続き行って、粒子を丸め、ひいては流動性を改善することもできる。
有利な実施態様では、PA11またはPA12またはこれらの混合物を本発明による複合粉末のポリマー成分として使用することができる。
特に有利には、たとえばDE2906647B1に記載されている方法により、またはDE19708146に記載されている方法により得られる粒子を含有する。ポリアミドは、エタノール中に溶解され、かつ特定の条件下で晶出される。場合により引き続き慎重な篩い分けおよび更なる分級または冷間粉砕を行う。
ポリマー粉末単独のかさ密度は、一般に220〜600g/lである。
意外にも、構造化プロセス中の、ならびにその前および後での粉末輸送プロセスの間の従来技術による複合粉末の欠点、特に成分の分離は、強化成分が、多孔質のガラス球を含有している場合には、回避することができることが確認された。これにより構造化プロセスは明らかにより確実に、かつ良好な再現性で進行することができ、かつ品質は同等のままで、かつ密度がより低く、狂いを生じる傾向が低い成形部材を製造することができる。
この場合、強化材料の粒子は、ポリマー成分の粒子と同様に有利にはほぼ球形である。
ポリマー成分の平均粒径は、30〜120μm、有利には40〜100μmおよび特に有利には45〜70μmである。強化材料がポリマー成分の粒径よりも小さい粒径を有する場合が、複合粉末のために特に有利な実施態様であることが判明した。有利にはポリマー粒子の平均直径対強化材料粒子の平均粒径の比率は、1.5:1〜10:1、特に有利には1.7:1〜5:1、および特に有利には2:1〜3:1である。
この場合、ポリマーの割合に対する強化材料の割合は、質量基準で1:10〜20:10、有利には2:10〜15:10および特に有利には5:10〜12:10である。
強化材料は、多孔質ガラス球である。多孔質ガラス球は、膨張ガラス(Blaehglass)の名称でも知られている。製造の際に、膨張剤を添加して高温で顆粒もしくは粒子が製造される。この場合、主として不規則な表面を有する球状の粒子が生じ、該粒子は内部に極めて微細な気孔構造を有している。ここから、中実のガラス球または中空ガラス球に対して、密度の割に改善された機械的特性が生じる。本発明による使用のために、膨張ガラス粒子を分級することが有利でありうる。この成分単独でのかさ密度は通常、250〜600g/lである。意外にも、この膨張ガラスのこれらの利点は、本発明による複合粒子中でも、および本発明によるプロセスならびに成形部材中でも維持することができることが判明した。さらに、強化材料の良好な断熱性が、構造化プロセスにおけるカールの傾向を低減することにつながる。
有利にはガラス球の低い密度が生じる。軽量構造のための成形部材は、この場合、工具を使用しない方法で、上記のとおりに製造することができる。これにより、新たな適用分野が開かれる。多孔質ガラス球のもう1つの利点は、不規則な表面である。これにより表面とポリマー成分との間で機械的にかみ合うことが可能となり、これは機械的特性に関して有利である。従来技術による複合粒子中で使用されるガラス球は、通常比較的平滑な表面を有しており、微細な気孔を有しておらず、ならびに明らかに高いかさ密度を有する。
1つの実施態様は、複合粉末の強化成分が、サイズを施された膨張ガラスを有することを含む。
多孔質ガラス球はたとえばDennert Poraver GmbH社(ドイツ国シュッセルフェルト在)で入手可能である。
ポリマー成分と強化成分および場合によりその他の助剤との混合は、有利には従来技術によるドライブレンドにより行う。
本発明による複合粉末はさらに、助剤および/またはその他の有機もしくは無機顔料を含有していてよい。このような助剤はたとえば流動化剤、たとえば沈降シリカおよび/または熱分解法シリカであってもよい。沈降シリカはたとえば、種々の規格で商品名アエロジルとしてDegussa AG社から提供されている。有利には本発明による複合粉末は、このような助剤を、存在するポリマーの合計に対して、3質量%未満、有利には0.001〜2質量%、および特に有利には0.05〜1質量%含有している。該顔料はたとえばルチル(有利)もしくはアナタースを基とする二酸化チタン粒子であってもよいし、カーボンブラック粒子であってもよい。
従来のポリマー粉末を本発明による複合粉末と混合することも同様に可能である。このような混合物を製造する方法は、たとえばDE3441708に記載されている。
複合粉末の加工性を改善するために、またはさらに変性するために、該粉末に外来の無機顔料、たとえば遷移金属酸化物、安定剤、たとえばフェノール、特に立体障害フェノール、レベリング剤および流動化助剤、たとえば熱分解法シリカを添加することができる。有利にはポリマー粉末中のポリマーの全質量に対して、本発明によるポリマー粉末に関して記載した助剤のための濃度が維持されるように、これらの物質をポリマーに添加する。
本発明の対象は、層状に作業される方法により成形体を製造する方法でもあり、この場合、それぞれの層の領域が選択的に溶融され、その際、少なくともポリマー粉末と多孔質ガラス球とを含有することを特徴とする本発明による複合粉末を使用する。
エネルギーは、電磁線により導入され、かつ選択性はたとえばマスク、阻害剤、吸収剤、サセプターの施与により、あるいはまた放射線の収束により、たとえばレーザーにより導入することができる。電磁線は、100nm〜10cm、有利には400nm〜10600nmまたは800〜1060nmの領域を含む。放射線源はたとえばマイクロ波発生装置、適切なレーザー、放射加熱装置またはランプであってもよいが、しかしまたこれらの組み合わせであってもよい。全ての層を冷却した後で、本発明による成形体を取り出すことができる。
このような方法のための以下の例は、本発明を詳細に説明するためのものであり、本発明をこれらの例に限定べきものではない。
レーザー焼結法は周知であり、かつポリマー粒子の選択的な焼結に基づいており、その際、ポリマー粒子の層は、短時間、レーザー光に曝されて、レーザー光に曝されたポリマー粒子が相互に結合する。ポリマー粒子の層を連続的に焼結することにおり、立体的な物体が製造される。選択的レーザー焼結の方法に関する詳細は、たとえば文献US6,136,948およびWO96/06881から読み取ることができる。
その他の好適な方法は、たとえばWO01/38061に記載されているようなSIV法であるか、またはたとえばEP1015214に記載されているような方法である。いずれの方法も、粉末を溶融するために面状の赤外線加熱を用いて作業する。溶融の選択性は、前者の方法では阻害剤の施与により、後者の方法ではマスクにより達成される。もう1つの方法は、DE10311438に記載されている。この場合、溶融のために必要とされるエネルギーは、マイクロ波発生装置により導入され、かつ選択性はサセプターの施与により達成される。
別の適切な方法は、粉末中に含有されているか、またはインクジェット法により施与される吸収剤を用いて作業される方法であり、たとえばDE102004012682.8、DE102004012683.6およびDE102004020452.7に記載されている。
領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法により製造される本発明による成形体は、少なくとも1のポリマーならびに強化材料を含有し、かつその際に本発明による複合部材の密度が、従来技術による複合粉末から製造された部材に対して低減されており、かつ狂いを生じる傾向が低減されていることにより優れている。
成形体はさらに助剤(ここではポリマー粉末に関する記載と同様の記載が該当する)、たとえば熱安定剤、たとえば立体障害フェノール誘導体を含有していてもよい。有利には本発明による成形体は、存在するポリマーの合計に対して、このような助剤を3質量%未満、特に有利には0.001〜2質量%、およびとりわけ有利には0.05〜1質量%含有する。
これらの成形体のための適用分野は、ラピッド・プロトタイピングならびにラピッド・マニファクチャリングである。後者は完全に小規模な生産が意図されている、つまり同一の部材を2以上製造するが、しかし射出成形工具を用いた製造が経済的ではない場合が意図されている。このための例は、少ない部材数で製造されるのみの高価な乗用車のための部材であるか、または部材数が少ないこと以外に、入手可能な時点も重要な役割を果たすモーター・スポーツのための交換部品である。本発明による部材が使用される分野は、航空宇宙産業、医療技術、機械エンジニアリング、自動車の製造、スポーツ産業、家庭用品産業、電子工学品産業およびライフスタイルであってよい。
以下の例は、本発明による複合粉末ならびのその使用を記載するが、本発明はこれらの例に限定されるべきではない。
レーザー回折の測定値は、Malvern Mastersizer S、バージョン2.18により得られたものである。かさ密度は、DIN53466による装置によって測定した。
本発明は以下の例により詳細に説明されるが、これらに限定されない。
比較例:本発明によらない複合粉末
EOS社のEOSINT PA2200 100部を、MTIミキサー中で(500rpm、5分)、Potters Ballotini社のSpheriglass E−2000タイプのガラス球40部と混合した。これは、BET表面積1m2/g未満および粒径100μm未満、密度2.5g/cm3を有する圧縮されたガラス球である。
例1:40〜125μmの膨張ガラスを含有する複合粉末
EOS社のEOSINT PA2200 100部を、MTIミキサー中で(500rpm、5分)、Denner Poraver社のPoraverタイプの膨張ガラス球30部と混合した。これは、かさ密度530kg/m3および粒径40〜125μm、密度約10g/cm3を有する多孔質ガラス球である。
複合粉末の加工:
全ての粉末をEOS社(Krailling)のEOSINT P360で構造化した。これはレーザー焼結装置である。構造化空間は、それぞれの試料の融点付近まで予熱した。レーザーに関するパラメーター、たとえば速度、出力は、それぞれ材料を用いて試験することによって適合させた。
以下の第1表から明らかであるように、本発明による試験体は、その他は実質的に機械的特性が変化せずに、特に密度に関して、明らかな利点を有していることがわかる。この場合、異なった強化の度合いが考慮されなくてはならない。部材密度に対して、機械的特性は改善されている。本発明による部材はさらに、明らかにわずかな狂いを示した。構造化プロセス中の分離効果も現れなかった。
Figure 2008266645

Claims (18)

  1. それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される、層状に作業される方法において使用するための複合粉末において、該複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有することを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される、層状に作業される方法において使用するための複合粉末。
  2. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリアミド粉末および膨張ガラス粒子を含有することを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1記載の複合粉末。
  3. 前記複合粉末が、少なくともポリアミド11および/またはポリアミド12の粉末および膨張ガラス粒子を含有することを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1または2記載の複合粉末。
  4. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、該ポリマー粉末は、30〜120μmの平均粒径を有することを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から3までのいずれか1項記載の複合粉末。
  5. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、該ポリマー粉末は、40〜100μmの平均粒径を有することを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から4までのいずれか1項記載の複合粉末。
  6. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、該ポリマー粉末は、45〜70μmの平均粒径を有することを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から5までのいずれか1項記載の複合粉末。
  7. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、該ポリマー粉末の平均粒径対膨張ガラス粒子の平均粒径の比は、1.5:1〜10:1であることを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から6までのいずれか1項記載の複合粉末。
  8. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、該ポリマー粉末の平均粒径対膨張ガラス粒子の平均粒径の比は、1.7:1〜5:1であることを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から7までのいずれか1項記載の複合粉末。
  9. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、該ポリマー粉末の平均粒径対膨張ガラス粒子の平均粒径の比は、2:1〜3:1であることを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から8までのいずれか1項記載の複合粉末。
  10. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、膨張ガラス粒子の質量対ポリマー粉末の質量の比は、1:10〜20:10であることを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から9までのいずれか1項記載の複合粉末。
  11. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、膨張ガラス粒子の質量対ポリマー粉末の質量の比は、2:10〜15:10であることを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から10までのいずれか1項記載の複合粉末。
  12. 前記複合粉末が、少なくとも1のポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有し、その際、膨張ガラス粒子の質量対ポリマー粉末の質量の比は、5:10〜12:10であることを特徴とする、それぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により選択的に溶融される請求項1から11までのいずれか1項記載の複合粉末。
  13. 電磁エネルギーの導入によりそれぞれの粉末層の領域が選択的に溶融される、層状に作業される方法により成形体を製造する方法であって、選択性がサセプター、阻害剤、吸収剤の適用により、またはマスクにより達成される方法において、ポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有する少なくとも1の複合粉末を使用することを特徴とする、成形体の製造方法。
  14. ポリアミド粉末および膨張ガラス粒子を含有する少なくとも1の複合粉末を使用することを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. ポリアミド11および/またはポリアミド12の粉末および膨張ガラス粒子を含有する少なくとも1の複合粉末を使用することを特徴とする、請求項13記載の方法。
  16. ポリマー粉末および膨張ガラス粒子を含有する少なくとも1の複合粉末を使用することを特徴とする、請求項13から15までのいずれか1項記載の方法により製造された成形体。
  17. ポリアミド粉末および膨張ガラス粒子を含有する少なくとも1の複合粉末を使用することを特徴とする、請求項13から15までのいずれか1項記載の方法により製造された成形体。
  18. 請求項13から15までのいずれか1項記載の方法により製造される成形体において、ポリアミド11および/またはポリアミド12の粉末および膨張ガラス粒子を含有する少なくとも1の複合粉末を使用することを特徴とする、成形体。
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