JP2010187011A - 積層型セラミック電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビアホール導体を介して内部電極に接続された外部電極が導電性ペーストの焼き付けによって形成される積層型セラミック電子部品において、外部電極となる導電性ペースト膜の密着力を高め、外部電極の固着力が高められるようにする。
【解決手段】積層されたセラミック層23と、内部電極14,15と、特定の内部電極に接続され、一方主面20から他方主面21にまで届きかつすべてのセラミック層23を貫通するように延びるビアホール導体16,17とを含む、積層体12の主面20,21上に、ビアホール導体16,17に接続されかつビアホール導体の各端面を被覆する外部電極22,23が形成される。積層体12の主面20,21には、凹部24,25が形成され、外部電極22,23は、その厚み方向の少なくとも一部が凹部24,25内に位置している。
【選択図】図1

Description

この発明は、積層型セラミック電子部品に関するもので、特に、積層型セラミック電子部品に備える外部電極の形成態様についての改良に関するものである。
この発明にとって興味ある積層型セラミック電子部品として、図4に示すような積層型セラミックコンデンサ1がある(たとえば、特許文献1参照)。
積層型セラミックコンデンサ1は、直方体状の積層体2を備えている。積層体2は、複数の誘電体セラミック層3を積層した構造を有している。
積層体2の内部には、複数の誘電体セラミック層3間の特定の界面に沿って延びるように、各々複数の第1および第2の内部電極4および5が形成されている。また、積層体2の長手方向の各端部に位置し、かつ誘電体セラミック層3を貫通するように、第1および第2のビアホール導体6および7が設けられている。第1の内部電極4は、第1のビアホール導体6に接続され、第2の内部電極5は、第2のビアホール導体7に接続され、これら第1および第2の内部電極4および5は、互いの間に静電容量を形成するように、誘電体セラミック層3を介して交互に配置されている。
積層体2の長手方向の各端部であって、各主面上には、第1および第2のビアホール導体6および7にそれぞれ接続される第1および第2の外部電極8および9が形成されている。
このような積層型セラミックコンデンサ1において、第1および第2の内部電極4および5間に形成される静電容量は、第1および第2のビアホール導体6および7を介して、第1および第2の外部電極8および9から取り出される。
図4に示した積層型セラミックコンデンサ1は、一般的な積層セラミックコンデンサとは異なり、積層体2の各端面上に外部電極が形成される必要がなく、スクリーン印刷等の方法により、積層体2の主面上に外部電極8および9を形成することができるので、積層型セラミックコンデンサ1の厚み方向寸法を、たとえば300μm以下、さらには、200μm以下、あるいは100μm以下というように小さくするのに適した構造を有している。
特許文献1では、上述のような積層型セラミックコンデンサ1を製造するため、次のような方法が一例として記載されている。
まず、誘電体セラミック層3となる複数のセラミックグリーンシートが用意され、セラミックグリーンシートの特定のものに内部電極4および5を形成するため、導電性ペーストが印刷される。そして、複数のセラミックグリーンシートが積層されることによって、積層体2の生の状態のものに相当するグリーン積層体が作製される。グリーン積層体は、次いで、積層方向にプレスされる。
次に、グリーン積層体には、ビアホール導体6および7を形成するため、貫通孔が設けられるとともに、貫通孔内に導電性ペーストが充填される。
次に、グリーン積層体の各主面上に、外部電極8および9を形成するため、導電性ペーストからなる導電性ペースト膜が印刷により形成され、次いで乾燥される。
その後、グリーン積層体は、必要に応じて、個々の積層型セラミックコンデンサ1のためのチップ状のものとするため、カットされ、次に、グリーン積層体は、外部電極8および9となる導電性ペースト膜とともに焼成され、それによって、積層型セラミックコンデンサ1が完成される。
上述のように、グリーン積層体の焼成工程において、外部電極8および9となる導電性ペースト膜の焼き付けを同時に行なうのは、本来的には、生産効率の向上を目的とするものであるが、その他に、誘電体セラミック層3の厚みがたとえば5μm以下と薄くなってくると、グリーン積層体の焼成後に、再度、外部電極8および9の形成のための焼き付けといった熱処理を実施すると、内部電極4および5の膨張および収縮により、積層体2に構造欠陥が生じる可能性があるため、これを防止することも目的としている。
また、外部電極8および9のための導電性ペースト膜の形成をセラミックグリーンシートの段階で行なった場合でも、上述のような外部電極8および9の形成のための焼き付けをグリーン積層体の焼成と同時に行なうことが可能である。
しかしながら、この場合には、ビアホール導体6および7を設けるための工程は、外部電極8および9のための導電性ペースト膜が存在する状態で実施されることになる。そのため、ビアホール導体6および7のための貫通孔をレーザ光の照射によって形成しようとすると、レーザ光は、外部電極8および9のための導電性ペースト膜にも照射されることになるので、この導電性ペースト膜が焼失または溶融して、貫通孔の周囲において導電性ペースト膜がなくなり、得られた積層型セラミックコンデンサ1において、ビアホール導体6および7と外部電極8および9との間で適正な電気的接続が得られなくなる。
さらに、セラミックグリーンシートの段階で、内部電極4および5のための導電性ペースト膜だけでなく、外部電極8および9のための導電性ペースト膜およびビアホール導体6および7を形成しておくことも考えられるが、この場合には、複数のセラミックグリーンシートを積層する工程において、ビアホール導体6および7の各々について、積層方向に位置合わせすることが容易ではなく、そのため、ビアホール導体6および7の各々の範囲内における電気的接続が不十分になる可能性がある。
これらの点から、積層型セラミックコンデンサ1を製造するため、前述したような方法が採用されているのである。
特開平6−112099号公報
前述したような製造方法を実施する場合、粘着シートにグリーン積層体を固定した状態で、ビアホール導体6および7の形成、外部電極8および9のための導電性ペーストの塗布、ならびにチップ状のものを得るためのカットが行なわれている。そして、カット後において、粘着シートからチップ状のグリーン積層体が剥離され、次いで、焼成工程が実施される。
しかしながら、外部電極8および9となる導電性ペーストは、グリーン積層体の主面上に単に塗布されかつ乾燥されたものにすぎないため、粘着シートからの剥離に際して、導電性ペースト膜の一部、極端な場合には全体の50%程度の部分が、グリーン積層体から剥がれて、粘着シート側に奪われるという問題が生じることがある。
なお、粘着シートとしては、通常、発泡剥離シートを用いている。発泡剥離シートは、たとえば100℃の温度で粘着力が極端に落ちるものであるが、粘着力が全くなくなるわけではないので、上記のような問題が生じるのである。
また、前述した製造方法では、ビアホール導体6および7をグリーン積層体に設けた後、ビアホール導体6および7を形成する導電性ペーストを加圧する機会がないので、ビアホール導体6および7での導電性ペーストの充填率が不十分になることもある。
以上の問題は、積層型セラミックコンデンサ1と同様の構造を有する積層型セラミック電子部品全般において遭遇し得るものである。
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る製造方法によって製造するのに適した構造を有する積層型セラミック電子部品を提供しようとすることである。
この発明に係る積層型セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層と、セラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部電極と、特定の内部電極に接続され、少なくとも一方の主面にまで届き、かつ特定のセラミック層を貫通するように延びるビアホール導体とを含む、積層体と、ビアホール導体に接続されるように、積層体の少なくとも一方の主面上に形成される、外部電極とを備え、さらに、次のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、積層体の少なくとも一方の主面には、凹部が形成され、外部電極は、その厚み方向の少なくとも一部がこの凹部内に位置していることを特徴としている。
この発明は、特に、次のような構成を備える積層型セラミックコンデンサとなる積層型セラミック電子部品に対して有利に適用される。
すなわち、この積層型セラミック電子部品において、内部電極は、各々複数の第1および第2の内部電極を備え、ビアホール導体は、第1および第2のビアホール導体を備え、第1の内部電極は、第1のビアホール導体に接続されるが、第2のビアホール導体に対しては第1のギャップを介して位置し、第2の内部電極は、第2のビアホール導体に接続されるが、第1のビアホール導体に対しては第2のギャップを介して位置し、第1および第2の内部電極は、互いの間に静電容量を形成するように、交互に配置されている。
また、外部電極は、第1および第2のビアホール導体にそれぞれ接続される第1および第2の外部電極を備え、これら第1および第2の外部電極は、それぞれ、上記第2および第1のギャップに対向するように位置される。
この発明によれば、積層体の主面に凹部が形成され、外部電極は、その厚み方向の少なくとも一部が凹部内に位置している構造とされるので、積層型セラミック電子部品全体としての厚みを小さくすることができる。また、外部電極が凹部内に位置していない積層型セラミック電子部品と比較して、全体の厚みが同じである場合には、積層体の厚みをより厚くしたり、外部電極の厚みをより厚くしたりすることができる。したがって、積層体の多層化を図ることがより容易になったり、実装時の外部電極に対する電気的接続の信頼性を向上させたりすることができる。
また、この発明に係る積層型セラミック電子部品は、たとえば、次のような工程を備える製造方法によって製造されるのに適した構造を有している。
まず、第1の工程として、積層された複数のセラミックグリーンシートと、セラミックグリーンシート間の特定の界面に沿って延びる内部電極と、特定の内部電極に接続され、少なくとも一方の主面にまで届き、かつ特定のセラミックグリーンシートを貫通するように延びるビアホール導体とを含む、グリーン積層体を作製する工程が実施される。
上記第1の工程の後、グリーン積層体を積層方向にプレスする、第2の工程が実施される。
上記第2の工程の後、セラミックグリーン積層体の少なくとも一方の主面上に、ビアホール導体に接続される外部電極を形成するため、導電性ペーストからなる導電性ペースト膜を形成しかつ乾燥する、第3の工程が実施される。
上記第3の工程の後、グリーン積層体および導電性ペースト膜を積層方向にプレスする、第4の工程が実施される。
上記第4の工程の後、グリーン積層体を焼成する、第5の工程が実施される。
以上のような製造方法によれば、積層された複数のセラミックグリーンシートと内部電極とビアホール導体とを含むグリーン積層体を積層方向にプレスした後、ビアホール導体に接続される外部電極を形成するため、導電性ペーストからなる導電性ペースト膜を形成しかつ乾燥し、さらに、その後において、グリーン積層体および導電性ペースト膜を積層方向にプレスするようにしているので、外部電極となる導電性ペースト膜の、グリーン積層体に対する密着力を高めることができる。
したがって、製造の途中で、たとえば粘着シートに奪われるなどして、外部電極となる導電性ペースト膜の一部が欠如するなどの不都合が生じにくくなり、また、焼成工程の後においては、外部電極の、積層体に対する固着力を高めることができる。
また、上記の製造方法によれば、ビアホール導体が既に形成されたグリーン成形体を積層方向にプレスするようにしているので、ビアホール導体における導電性ペーストの充填率を高めることができ、また、その後において、外部電極を形成するための導電性ペースト膜を形成し、そして、グリーン積層体および導電性ペースト膜を積層方向に再度プレスするようにしているので、得られた積層型セラミック電子部品において、ビアホール導体自身の電気的導通の信頼性を高めることができるとともに、ビアホール導体と外部電極との電気的接続の信頼性をも高めることができる。
この発明に係る積層型セラミック電子部品が積層型セラミックコンデンサを構成する場合であって、外部電極が、内部電極とビアホール導体との間に形成されるギャップに対向するように位置されると、グリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程において、外部電極を受け入れる凹部をより深く形成することが容易になる。したがって、外部電極を積層体に埋め込んだ状態をより容易に得ることができる。
この発明の一実施形態による積層型セラミック電子部品としての積層型セラミックコンデンサ11を図解的に示す断面図である。 図1に示した積層型セラミックコンデンサ11を製造する方法において実施される典型的な工程を示すフロー図である。 図2に示した製造方法の途中の段階で得られる典型的な構造物を工程順に示す断面図である。 この発明にとって興味ある従来の積層型セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
以下に、この発明に係る積層型セラミック電子部品についての実施の形態の説明を、前述の図4に示した積層型セラミックコンデンサ1と共通する要素を備える積層型セラミックコンデンサについて行なう。
図1は、この発明の一実施形態による積層型セラミックコンデンサ11を示す断面図である。
積層型セラミックコンデンサ11は、図4に示した積層型セラミックコンデンサ1の場合と同様、直方体状の積層体12を備えている。積層体12は、複数の誘電体セラミック層13を積層した構造を有している。
積層体12の内部には、複数の誘電体セラミック層13間の特定の界面に沿って延びる、各々複数の第1および第2の内部電極14および15が形成されている。また、積層体12の長手方向の各端部に位置し、特定の誘電体セラミック層13を貫通するように、第1および第2のビアホール導体16および17が設けられている。この実施形態では、第1および第2のビアホール導体16および17は、積層体12の一方の主面20から他方の主面21にまで届き、すべての誘電体セラミック層13を貫通するように誘電体セラミック層13の積層方向に沿って直線状に延び、したがって、積層体12を厚み方向に貫通するように延びている。
第1の内部電極14は、第1のビアホール導体16に接続されるが、第2のビアホール導体17に対しては第1のギャップ18を介して位置している。他方、第2の内部電極15は、第2のビアホール導体17に接続されるが、第1のビアホール導体16に対しては第2のギャップ19を介して位置している。また、第1および第2の内部電極14および15は、互いの間に静電容量を形成するように、誘電体セラミック層13を介して交互に配置されている。
積層体12の長手方向の各端部であって、相対向する2つの主面20および21上には、第1および第2のビアホール導体16および17にそれぞれ接続される第1および第2の外部電極22および23が形成される。したがって、積層型セラミックコンデンサ11において、第1および第2の内部電極14および15間に形成される静電容量は、第1および第2のビアホール導体16および17を介して、第1および第2の外部電極22および23から取り出される。外部電極22および23は、ビアホール導体16および17の各端面を被覆するように形成される。
この実施形態の特徴的構成として、積層体12の主面20および21の各々には、凹部24および25が形成され、外部電極22および23は、その厚み方向の少なくとも一部が凹部24および25内にそれぞれ位置している。すなわち、外部電極22および23は、積層体12にその一部が埋め込まれている。また、第1および第2の外部電極22および23は、それぞれ、前述した第2および第1のギャップ19および18に対向するように位置されている。
この実施形態によれば、外部電極22および23の厚み方向の少なくとも一部が、積層体12に埋め込まれた状態となっているので、図4に示した積層型セラミックコンデンサ1と比較して、積層体12および2の厚みが互いに同じである場合には、積層型セラミックコンデンサ11全体としての厚みを小さくすることができる。
他方、積層型セラミックコンデンサ11の全体としての厚みが、積層型セラミックコンデンサ1の全体としての厚みと同じであればよい場合には、積層体12の厚みを積層体2の厚みより厚くすることができる。積層体12の厚みが厚くされると、多層化が容易となり、静電容量の増大を図ることができる。他方、同じ静電容量でよい場合には、内部電極14および15のない外層部分(積層体12の主面20および21に近い部分)の厚みを厚くすることができるので、素子自体の信頼性を向上させることができる。
なお、上述のような効果は、外部電極22および23の厚み方向の全体が積層体12に埋め込まれた状態となったとき、最大限に発揮される。また、外部電極22および23の厚み方向の全体が積層体12に埋め込まれたときには、その上に形成されることのあるめっき膜の厚み分を除いて、積層体12の主面20および21での段差を実質的に生じないようにすることができる。このことは、積層型セラミックコンデンサを適宜の配線基板上にマウントするとき、積層型セラミックコンデンサ11を保持するチャックから受ける衝撃により積層型セラミックコンデンサ11が折損するなどの不具合を生じさせにくくすることも可能にする。
次に、積層型セラミックコンデンサ11の製造方法について説明する。図2は、この発明の一実施形態による積層型セラミックコンデンサ11の製造方法が備える典型的な工程を示すフロー図である。図3は、図2に示した製造方法の途中の段階で得られる典型的な構造物を工程順に示す断面図である。
まず、図3(1)に示したマザー状態のグリーン積層体31を得るため、誘電体セラミック層13となる複数のセラミックグリーンシート32が用意され、次いで、図2に示した内部電極の形成工程S1が実施される。すなわち、セラミックグリーンシート32の特定のものに内部電極14および15を形成するため、導電性ペーストが印刷によりセラミックグリーンシート上に付与される。
次に、図2に示したセラミックグリーンシートの積層工程S2が実施される。すなわち、複数のセラミックグリーンシート32が積層される。
次に、図2に示したグリーン積層体の仮プレス工程S3が実施される。すなわち、グリーン積層体31が積層方向にプレスされる。この仮プレス工程S3は、以後の工程でのグリーン積層体31の取り扱いに際して、セラミックグリーンシート32相互間でずれないようにするためのものであり、たとえば15MPaといった比較的低い圧力によるプレスで十分である。
以上の工程S1〜S3を終えたとき、図3(1)に示すようなマザー状態のグリーン積層体31が得られる。
次に、図2に示したビアホール導体の形成工程S4が実施される。すなわち、図3(2)に示すように、マザー状態のグリーン積層体31に、たとえばレーザ光を照射することによって、貫通孔33が一体的に形成され、次いで、この貫通孔33に導電性ペーストが充填されることによって、ビアホール導体16および17が直線状に形成される。
次に、図2に示したグリーン積層体の本プレス工程S5が実施される。すなわち、図3(2)に示したマザー状態のグリーン積層体31が積層方向にプレスされる。この本プレス工程S5は、セラミックグリーンシート32を完全に圧着させるとともに、貫通孔33内での導電性ペーストの充填率を上昇させるため、すなわちグリーン積層体31内での隙間をなくすために実施されるものである。そのため、この本プレス工程S5では、たとえば60MPa以上、好ましくは60〜130MPa程度というように、前述の仮プレス工程S3での圧力に比べて高い圧力が付与される。
なお、本プレス工程S5での圧力が、たとえば20MPa程度というように不十分であると、後述する外部電極22および23となる導電性ペースト膜34(図3(3)参照)の乾燥時に生じる収縮によって、グリーン積層体31がその主面方向に変形し、グリーン積層体31において、たとえば、最大0.1%程度の収縮率を示すようになることがある。このように、グリーン積層体31において比較的大きな収縮がもたらされると、後述するグリーン積層体のカット工程S8を実施して得られた多数のチップ状のグリーン積層体31a(図3(5)参照)の全体個数の半分程度のものが不良となることがある。
次に、図2に示した外部電極のための導電性ペースト膜の形成工程S6が実施される。すなわち、図3(3)に示すように、グリーン積層体31の主面35および36の各々上に、ビアホール導体16および17に接続される外部電極22および23を形成するため、導電性ペーストからなる導電性ペースト膜34がビアホール導体16および17の各端面を被覆するように形成され、次いで乾燥される。導電性ペースト膜34は、内部電極14および15とビアホール導体17および16との間にそれぞれ形成されるギャップ18および19に対向するように位置している。
この導電性ペースト膜の形成工程S6は、本プレス工程S5を終え、それによって密度が高められたグリーン積層体31に対して実施されるので、導電性ペースト膜34に含まれる溶剤のしみ込みにより、グリーン積層体31が膨潤したり、乾燥時にグリーン積層体31が変形したりすることを抑制できる。
なお、図3(3)に示したグリーン積層体31はマザー状態のものであるので、導電性ペースト膜34は、図3(3)紙面に対して垂直方向に比較的長く延びる帯状のパターンを有している。
次に、図2に示したグリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7が実施される。すなわち、グリーン積層体31および導電性ペースト膜34が積層方向にプレスされる。このプレス工程S7では、たとえば15MPa程度の比較的低い圧力を付与すれば十分である。
このプレスの結果、図3(4)に示すように、導電性ペースト膜34は、その厚み方向の少なくとも一部がグリーン積層体31内に埋め込まれ、グリーン積層体31の主面35および36には、導電性ペースト膜34を受け入れる凹部37が形成される。ここで、前述したように、導電性ペースト膜34がギャップ18および19に対向するように位置していることに注目すべきである。この構成によれば、導電性ペースト膜34を受け入れる凹部37をより深く形成することが容易である。
このプレス工程S7によって、導電性ペースト膜34の、グリーン積層体31に対する密着性が向上し、また、ビアホール導体16および17との密着性も向上する。
次に、図2に示したグリーン積層体のカット工程S8が実施される。上述したグリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7までは、図3(1)ないし(4)に示すように、マザー状態のグリーン積層体31に対して実施される。図3において、マザー状態のグリーン積層体31には、1点鎖線によってカット線38が図示されている。このカット工程S8では、個々の積層型セラミックコンデンサ11のためのチップ状のグリーン積層体31aを得るため、マザー状態のグリーン積層体31をカットすることが行なわれる。カット後のチップ状のグリーン積層体31aが図3(5)に示されている。
次に、図2に示した焼成工程S9が実施される。すなわち、チップ状のグリーン積層体31aが焼成される。このとき、セラミックグリーンシートが焼結するだけでなく、内部電極14および15ならびにビアホール導体16および17を形成するための導電性ペーストも焼結し、さらに、外部電極22および23となる導電性ペースト膜34も同時に焼結する。
以上のようにして、図1に示した積層型セラミックコンデンサ11が得られる。この積層型セラミックコンデンサ11において、前述の導電性ペースト膜31を受け入れていた凹部37は、凹部24および25となり、そこに、第1および第2の外部電極22および23を受け入れた状態となっている。
このような製造方法を実施するにあたり、前述したように、粘着シートにグリーン積層体31を固定しておき、その状態でカット工程S8まで実施し、焼成工程S9を実施するため、粘着シートからチップ状のグリーン積層体31aを剥離しても、グリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7を実施しているので、導電性ペースト膜34とグリーン積層体31または31aとの密着性が高いため、導電性ペースト膜34の一部が粘着シート側に奪われるという問題を生じさせにくくすることができる。
また、上述のように、グリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7によって、導電性ペースト膜34の、グリーン積層体31または31aに対する密着性が高められると、導電性ペースト膜34に含まれる導電性金属粉末の一部がグリーン積層体31または31aの表面に食い込むことになるので、焼結後の外部電極22および23の、積層体12に対する固着力をも高めることができる。
以上のようにして得られた積層型セラミックコンデンサ11に対しては、その後、必要に応じて、バレル研磨による面取り処理が施され、次いで、たとえばニッケルめっきおよび錫めっきが施されることによって、外部電極22および23上にめっき膜が形成される。
以上、この発明を、図示した積層型セラミックコンデンサ11に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他、種々の変形例が可能である。
たとえば、図示した積層型セラミック電子部品11では、外部電極22および23が積層体12の両主面20および21上に形成され、ビアホール導体16および17が積層体12に備えるすべての誘電体セラミック層13を貫通するように設けられたが、外部電極が積層体の一方主面上にのみ形成され、ビアホール導体が、積層体のこの一方主面にのみ届くように、誘電体セラミック層の一部のみを貫通するように設けられてもよい。
また、この発明は、内部電極とビアホール導体が接続されかつビアホール導体に外部電極が接続される構造を有するものであれば、他の構造の積層型セラミックコンデンサあるいは多層セラミック基板など、他の積層型セラミック電子部品にも適用することができる。
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
(実験例1)
実験例1は、この発明による外部電極固着力向上の効果を確認するために実施したものである。
この発明の範囲内にある実施例1として、図2に示した工程S1〜S9を実施して、図3に示すような各中間構造物を得ながら、図1に示すような構造を有する積層型セラミックコンデンサを得た。
ここで、セラミックグリーンシートとしては、BaTiO3 系セラミックを含む厚み3μmのものを用いた。内部電極およびビアホール導体を形成するための導電性ペーストならびに外部電極となる導電性ペースト膜を構成する導電性ペーストとしては、ニッケルを導電成分として含むものを用いた。
また、セラミックグリーンシートの積層工程S2では、内部電極を形成したセラミックグリーンシートを400枚積層し、グリーン積層体の仮プレス工程S3では、約15MPaの圧力を付与し、仮プレス後のグリーン積層体の厚みを1.3mmとした。
また、ビアホール導体の形成工程S4では、レーザ加工によって貫通孔を形成した。
また、グリーン積層体の本プレス工程S5では、約60MPaの圧力を付与した。
外部電極のための導電性ペースト膜の形成工程S6では、乾燥後において20μmの厚みとなるように導電性ペースト膜を形成した。
グリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7では、約15MPaの圧力を付与した。
グリーン積層体のカット工程S8では、平面寸法で2.0mm×1.2mmの寸法を有するチップ状のグリーン積層体を切り出した。
焼成工程S9では、還元性雰囲気において1300℃の温度で焼成を行なった。
さらに、焼成後の積層型セラミックコンデンサに対して、湿式バレル研磨によって面取り処理を行ない、その後、ニッケルめっきおよび錫めっきを施して、合計5μmの厚みのめっき膜を外部電極上に形成し、試料となる積層型セラミックコンデンサを得た。
他方、比較例1として、図2に示したグリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7を実施しなかったことを除いて、実施例1の場合と同様の方法によって、試料となる積層型セラミックコンデンサを得た。
このようにして得られた各試料に係る積層型セラミックコンデンサについて、外部電極の固着力をせん断試験によって評価したところ、実施例1では0.82kgの固着力が得られたのに対し、比較例1では0.51kgの固着力しか得られなかった。このことから、実施例1では、グリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7を実施したことによる効果が現れていることがわかる。
(実験例2)
実験例2は、この発明による低背化の効果を確認するために実施したものである。
この発明の範囲内にある実施例2として、実験例1における実施例1の場合と比較して、セラミックグリーンシートの積層工程S2において、内部電極を形成したセラミックグリーンシートを70枚積層したこと、グリーン積層体の仮プレス工程S3の結果、厚み0.3mmのグリーン積層体を得たこと、ならびに、グリーン積層体のカット工程S8において、平面寸法が1.6mm×0.8mmのチップ状のグリーン積層体を切り出したことを除いて、実験例1における実施例1の場合と同様の方法によって、試料となる積層型セラミックコンデンサを得た。
他方、比較例2として、上記実施例2と比較して、グリーン積層体と導電性ペースト膜とのプレス工程S7を実施しなかったことを除いて、実施例2の場合と同様の方法によって、試料となる積層型セラミックコンデンサを得た。
これら各試料に係る積層型セラミックコンデンサについて、積層体の厚み方向寸法を測定したところ、実施例2および比較例2の各々とも、240μmであったが、外部電極をも含めた全体の厚み方向寸法は、実施例2では250μmであったのに対し、比較例2では280μmであった。
このことから、実施例2は、比較例2に比べて、その厚みを薄くできることがわかる。
なお、実験例1の場合と同様のせん断試験による外部電極固着力を評価したところ、実験例1の場合と同様の結果が得られた。
11 積層型セラミックコンデンサ
12 積層体
13 誘電体セラミック層
14,15 内部電極
16,17 ビアホール導体
18,19 ギャップ
20,21,35,36 主面
22,23 外部電極
24,25,37 凹部
31 マザー状態のグリーン積層体
31a チップ状のグリーン積層体
32 セラミックグリーンシート
33 貫通孔
34 導電性ペースト膜
38 カット線

Claims (2)

  1. 積層された複数のセラミック層と、前記セラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部電極と、特定の前記内部電極に接続され、少なくとも一方の主面にまで届き、かつ特定の前記セラミック層を貫通するように延びるビアホール導体とを含む、積層体と、
    前記ビアホール導体に接続されるように、前記積層体の前記少なくとも一方の主面上に形成される、外部電極と
    を備え、
    前記積層体の少なくとも一方の主面には、凹部が形成され、前記外部電極は、その厚み方向の少なくとも一部が前記凹部内に位置している、積層型セラミック電子部品。
  2. 前記内部電極は、各々複数の第1および第2の内部電極を備え、前記ビアホール導体は、第1および第2のビアホール導体を備え、前記第1の内部電極は、前記第1のビアホール導体に接続されるが、前記第2のビアホール導体に対しては第1のギャップを介して位置し、前記第2の内部電極は、前記第2のビアホール導体に接続されるが、前記第1のビアホール導体に対しては第2のギャップを介して位置し、前記第1および第2の内部電極は、互いの間に静電容量を形成するように、交互に配置され、前記外部電極は、前記第1および第2のビアホール導体にそれぞれ接続される第1および第2の外部電極を備え、前記第1および第2の外部電極は、それぞれ、前記第2および第1のギャップに対向するように位置される、請求項1に記載の積層型セラミック電子部品。
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