JP2010185733A - 吸着装置、検査装置および載置状態判別方法 - Google Patents

吸着装置、検査装置および載置状態判別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形状や大きさの異なる複数種類の吸着対象体に確実かつ容易に対応し得る吸着装置を提供する。
【解決手段】載置台11の上面11aに形成された開口部21aを覆う多孔質シート13および吸着紙14を挟んで上面11a側に載置された吸着対象体を開口部21aからの吸気によって載置台11に吸着させる吸気機構と、上面11a側の載置領域内に吸着対象体が載置された載置状態を判別する判別部とを備え、載置台11には、載置領域内に開口部22aを有する検出用凹部22が形成され、多孔質シート13および吸着紙14には、開口部22aに対向する対向領域に検出用孔51a,52aが形成され、判別部は、圧力センサ16によって検出された検出用凹部22内の気圧が所定の閾値以下のときに載置状態と判別し、気圧が閾値を超えるときに非載置状態と判別する。
【選択図】図3

Description

本発明は、吸着対象体を吸着する吸着装置、その吸着装置を備えて吸着対象体に対する所定の検査を実行する検査装置、および吸着対象体を吸着する吸着装置への吸着対象体の載置状態を判別する載置状態判別方法に関するものである。
この種の検査装置として、特開2002−350484号公報において出願人が開示した回路基板検査装置が知られている。この回路基板検査装置は、回路基板吸着装置、移動機構、検査用プローブおよび制御部等を備えて、回路基板吸着装置によって吸着された回路基板に対する検査を実行可能に構成されている。この場合、回路基板吸着装置は、上面が開口された箱状のケース、複数の吸入孔が形成されてケースの開口部位に装着された載置板、および載置板の上面に貼付された多孔性絶縁シートを有する基板載置台と、基板載置台の内部空間の空気を吸引するエアポンプとを備えて、エアポンプの吸引によって内部空間を負圧にすることにより、多孔性絶縁シートを挟んで載置板に載置された回路基板を吸着可能に構成されている。一方、この種の回路基板検査装置を用いて検査を行う際には、載置板における所定の載置領域内に回路基板を載置して確実に吸着させる必要がある。このため、出願人は、光センサを用いて載置領域内に回路基板が載置されている載置状態と、載置領域内に回路基板が載置されていない非載置状態とを判別する構成を上記の回路基板検査装置に採用している。この構成では、検出光を出力してその反射光を検出する光センサがケースの底面に配設されると共に、光センサから出力された検出光を通過させる検出用孔が載置板および多孔性絶縁シートに形成されている。この場合、多孔性絶縁シートを挟んで載置板の載置領域内に回路基板が載置されているときには、検出光が検出用孔を通過して回路基板によって反射され、その反射光が光センサによって検出される。また、載置領域に回路基板が載置されていないときには、検出光が反射されないため、光センサによる反射光の検出がされない状態となる。このため、この構成では、光センサによる反射光の検出の有無に基づいて回路基板の載置状態および非載置状態を判別することが可能となっている。
特開2002−350484号公報(第3頁、第1−2図)
ところが、上記の回路基板検査装置には、解決すべき以下の課題がある。すなわち、上記の回路基板検査装置では、光センサを用いて回路基板の載置状態および非載置状態を判別している。この場合、正確に判別するためには、載置領域内に回路基板が載置された載置状態において、回路基板のいずれかの部位が光センサおよび検出用孔の上方に位置して、検出光がその部位によって反射される必要がある。このため、形状や大きさの異なる複数種類の回路基板を検査する際には、形状や大きさに応じて光センサの配設位置および検出用孔の形成位置を変更する必要がある。しかしながら、光センサの配設位置の変更が困難であることに加えて、検出光が通過するように形成位置を調整しつつ載置板および多孔性絶縁シートに検出用孔を形成し直す作業が煩雑であることに起因して、形状や大きさの異なる複数種類の回路基板への対応が困難であり、この点の改善が望まれている。
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、形状や大きさの異なる複数種類の吸着対象体に確実かつ容易に対応し得る吸着装置、検査装置および載置状態判別方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の吸着装置は、一面に吸気口が形成された載置台と、前記一面側に配設されて前記吸気口を覆う通気性を有する被覆体と、当該被覆体を挟んで前記一面側に載置された吸着対象体を前記吸気口からの吸気によって前記載置台に吸着させる吸気機構と、前記一面側における前記吸着対象体の有無に応じて変動する物理量を検出する検出部と、当該検出部によって検出された前記物理量に基づいて前記一面側の載置領域内における前記吸着対象体の載置の有無を判別する判別処理を実行する判別部とを備えた吸着装置であって、前記載置台には、前記載置領域内に開口部を有する検出用凹部が形成され、前記被覆体には、配設状態において前記開口部に対向する対向領域に検出用孔が形成され、前記検出部は、前記検出用凹部内における気体の質量の増減に伴って変動する所定の物理量を前記物理量として検出する検出センサで構成され、前記判別部は、前記検出センサによって検出された前記所定の物理量と所定の閾値とを比較して前記判別処理を実行する。
また、請求項2記載の吸着装置は、請求項1記載の吸着装置において、前記検出センサは、前記検出用凹部内の気圧を前記所定の物理量として検出する圧力センサで構成されている。
また、請求項3記載の吸着装置は、請求項1記載の吸着装置において、前記検出センサは、前記検出用凹部内から吸引される前記気体の流量を前記所定の物理量として検出する流量センサで構成されている。
また、請求項4記載の吸着装置は、請求項1から3のいずれかに記載の吸着装置において、前記被覆体は、多孔質シートおよび紙で構成されている。
また、請求項5記載の検査装置は、請求項1から4のいずれかに記載の吸着装置と、当該吸着装置によって吸着されている吸着対象体に対する所定の検査処理を実行する検査部とを備えた検査装置であって、前記検査部は、前記載置領域内における前記吸着対象体の載置状態が前記判別処理において判別されたときに前記検査処理を実行し、前記載置領域内における前記吸着対象体の非載置状態が前記判別処理において判別されたときに前記検査処理を停止する。
また、請求項6記載の載置状態判別方法は、一面に吸気口が形成された載置台と、前記一面側に配設されて前記吸気口を覆う通気性を有する被覆体と、当該被覆体を挟んで前記一面側に載置された吸着対象体を前記吸気口からの吸気によって前記載置台に吸着させる吸気機構とを備えた吸着装置を用いて前記吸着対象体を吸着させる際に、前記一面側における前記吸着対象体の有無に応じて変動する物理量を検出し、当該検出した物理量に基づいて前記一面側の載置領域内における前記吸着対象体の載置の有無を判別する判別処理を実行する載置状態判別方法であって、前記載置領域内に開口部を有する検出用凹部が形成された前記載置台、および配設状態において前記開口部に対向する対向領域に検出用孔が形成された前記被覆体を用いると共に、前記検出用凹部内における気体の質量の増減に伴って変動する所定の物理量を前記物理量として検出して、当該検出した所定の物理量と所定の閾値とを比較して前記判別処理を実行する。
請求項1記載の吸着装置、および請求項6記載の載置状態判別方法では、載置領域内に開口部を有する検出用凹部が形成された載置台、および配設状態において開口部に対向する対向領域に検出用孔が形成された被覆体を用いると共に、検出用凹部内における気体の質量の増減に伴って変動する所定の物理量を検出して、その所定の物理量と所定の閾値とを比較して載置台の載置領域内における吸着対象体の載置の有無を判別する判別処理を実行する。この場合、この種の所定の物理量を検出する検出センサは、その配設位置に拘わらずその所定の物理量を正確に検出することができる。このため、この吸着装置および載置状態判別方法によれば、吸着対象体の形状や大きさに応じて光センサの配設位置を変更する必要のある従来の回路基板検査装置とは異なり、形状や大きさの異なる吸着対象体を吸着する際における検出センサの配設位置の変更作業を不要とすることができる。また、この吸着装置および載置状態判別方法によれば、光センサを用いる従来の回路基板検査装置とは異なり、検出光が通過するように検出用孔の形成位置を調整する作業を不要とすることができる。したがって、この吸着装置および載置状態判別方法によれば、形状や大きさの異なる複数種類の吸着対象体に確実かつ容易に対応することができる。
また、請求項2記載の吸着装置によれば、検出用凹部内の気圧を所定の物理量として検出する圧力センサで検出センサを構成したことにより、検出用凹部内のいずれの位置に配設した場合であっても検出用凹部内の気圧を正確に検出することができるため、検出用凹部の大きさや形状に応じて圧力センサの配設位置を任意に規定することができる。
また、請求項3記載の吸着装置によれば、検出用凹部内から吸引される気体の流量を所定の物理量として検出する流量センサで検出センサを構成したことにより、検出用凹部内から気体を吸引する吸気管に流量センサを接続(または配設)することができるため、例えば、検出用凹部が小さく、検出用凹部内に検出センサの配設スペースが確保できない場合であっても、何ら支障なく気体の流量を検出することができる。
また、請求項4記載の吸着装置によれば、多孔質シートおよび紙で被覆体を構成したことにより、吸着対象体の形状や大きさに応じて形成位置を変更して検出用孔を形成し直す際に、既に形成されている検出用孔を閉塞する作業や、新たな検出用孔を形成する作業を極めて容易に行うことができる。
また、請求項5記載の検査装置では、検査部が、載置領域内における吸着対象体の載置状態が判別処理において判別されたときに検査処理を実行し、載置領域内における吸着対象体の非載置状態が判別処理において判別されたときに検査処理を停止する。このため、この基板検査装置によれば、載置領域内に吸着対象体が載置された載置状態においてのみ検査処理が行われ、吸着対象体が載置領域から外れた状態での検査処理の実行が防止される。このため、この基板検査装置では、例えば、検査用プローブをプロービングさせて行う検査処理において、吸着対象体における所定のプロービングポイントに検査用プローブを確実にプロービングさせて、検査を正確に行うことができる。また、例えば、カメラで吸着対象体の各部を撮像してその外観を検査する検査処理において、予め規定された所定位置に各部が位置している状態で撮像を行うことができるため、検査を正確に行うことができる。
基板検査装置1の構成を示す構成図である。 基板吸着装置2の構成を示す構成図である。 載置台11、有孔板12、多孔質シート13および吸着紙14の構成を示す斜視図である。 基板吸着装置2の平面図である。 図4におけるX−X線断面図である。 基板吸着装置2を用いて回路基板100aを吸着させる方法を説明する説明図である。 基板吸着装置2を用いて回路基板100bを吸着させる方法を説明する説明図である。 基板検査装置1の他の構成を示す斜視図である。
以下、本発明に係る吸着装置、検査装置および載置状態判別方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、図1に示す基板検査装置1の構成について説明する。基板検査装置1は、本発明に係る検査装置の一例であって、同図に示すように、基板吸着装置2、検査部3および基板供給装置4を備えて、本発明における吸着対象体の一例としての回路基板(図4に示す回路基板100a、および図7に示す回路基板100b:以下、区別しないときには「回路基板100」ともいう)に対する所定の電気的検査を実行可能に構成されている。
基板吸着装置2は、本発明に係る吸着装置の一例であって、図2に示すように、載置台11、有孔板12、多孔質シート13、吸着紙14、吸気ポンプ15、圧力センサ16(本発明における検出部および検出センサの一例)および判別部17を備えて構成されている。この基板吸着装置2は、回路基板100を吸着すると共に、本発明に係る載置状態判別方法に従って載置台11の上面11a(本発明における一面:図3参照)における所定の載置領域A1(図4参照)内に回路基板100が載置された状態(本発明における載置状態)、および載置領域A1内に回路基板100が載置されていない状態(本発明における非載置状態)のいずれかであるか、つまり載置領域A1内における回路基板100の載置の有無を判別する。
載置台11は、図3に示すように、板状に形成されている。また、載置台11には、上面11a側に開口部21a(本発明における吸気口に相当する)を有する複数(例えば3つ)の凹部21が形成されている。また、各凹部21の底面には、吸気孔21bが形成されている。この場合、吸気孔21bに接続される吸気管15aを介して吸気ポンプ15によって凹部21内の空気(本発明における気体の一例)が吸引されることで、凹部21内が負圧となり、これによって凹部21の開口部21aから吸気が行われる。また、載置台11には、載置される回路基板100側に向けて開口する開口部22a(本発明における開口部)を載置領域A1内に有する検出用凹部22が形成されている。この場合、検出用凹部22の底面に形成されている吸気孔22bに接続される吸気管15aを介して吸気ポンプ15によって検出用凹部22内の空気が吸引される。また、載置台11には、図4に示すように、多孔質シート13および吸着紙14を固定するための固定部材11bが配設されている。
有孔板12は、図3に示すように、板状に形成されると共に、載置台11の上面11aに配設されて、載置台11に固定される(図4参照)。また、有孔板12には、載置状態において載置領域A1に対向する対向領域A2(同図参照)に、多数の貫通孔12aが形成されている(図3参照)。多孔質シート13は、多数の微細な孔(図示せず)を有してその微細な孔を通して空気を流通可能な(通気性を有する)シート状材料で構成されて、図3に示すように、有孔板12の上(つまり、載置台11の上面11a側)に配設される。また、多孔質シート13には、図4に示すように、配設状態において検出用凹部22の開口部22aに対向する対向領域B1内における任意の位置に、小径(一例として、直径が3mm程度)の検出用孔51aが形成されている。
吸着紙14は、図4に示すように、繊維の間の微細な隙間を通して空気を流通可能な(通気性を有する)紙で構成されて、多孔質シート13の上(つまり、載置台11の上面11a側)に配設される。また、吸着紙14には、図4に示すように、配設状態において多孔質シート13の検出用孔51aと連通する位置に、直径が検出用孔51aと同程度の検出用孔52aが形成されている。なお、多孔質シート13および吸着紙14によって本発明における被覆体が構成される。この場合、多孔質シート13および吸着紙14は、載置台11における凹部21の開口部21aからの吸気量を適度に制限する機能を有している。
吸気ポンプ15は、本発明における吸気機構に相当し、載置台11における各凹部21の底面に形成されている吸気孔21bに吸気管15aを介して接続されて、吸気管15aを介して凹部21内の空気を吸引する。この場合、吸気ポンプ15の吸引によって凹部21内が負圧となり、これによって開口部21aから吸気が行われることにより、有孔板12、多孔質シート13および吸着紙14を挟んで載置台11の上面11a側に載置された回路基板100が載置台11に吸着される。
圧力センサ16は、図3,5に示すように、載置台11における検出用凹部22の底面に配設されて、載置台11の上面11a側における回路基板100の有無に応じて変動する検出用凹部22内の気圧Pm(検出用凹部22内における空気(気体)の質量の増減に伴って変動する所定の物理量の一例)を検出する。判別部17は、圧力センサ16によって検出された凹部21内の気圧Pmと閾値Psとを比較して、上面11a側の載置領域A1内に回路基板100が載置されているか否か、つまり載置領域A1内における回路基板100の載置の有無(載置状態および非載置状態)を判別する判別処理を実行して、判別結果を示す判別信号Sjを検査部3に出力する。この場合、判別部17は、圧力センサ16によって検出された検出用凹部22内の気圧Pmが所定の閾値Ps以下のときに載置状態と判別し、気圧Pmが閾値Psを超えているときに非載置状態と判別する。
検査部3は、図1に示すように、プロービング機構31および制御部32を備えて構成されている。プロービング機構31は、制御部32の制御に従い、基板吸着装置2によって吸着されている回路基板100の所定のプロービングポイントに検査用プローブ41をプロービングさせる。制御部32は、プロービング機構31および基板供給装置4を制御する。また、制御部32は、検査用プローブ41を介して入力した電気信号に基づいて所定の物理量を測定すると共に、その物理量に基づいて回路基板100の良否を検査する検査処理を実行する。この場合、制御部32は、基板吸着装置2の判別部17から非載置状態を示す判別信号Sjが出力されたとき(出力されているとき)に検査処理を停止(中断)し、判別部17から載置状態を示す判別信号Sjが出力されたとき(出力されているとき)に検査処理を実行する。
基板供給装置4は、検査部3における制御部32の制御に従い、基板吸着装置2における載置台11の上面11a側(吸着紙14の上)に回路基板100を供給(載置)する。
次に、基板検査装置1(基板吸着装置2)を用いて、図4に示す回路基板100aを吸着すると共に回路基板100aの載置状態および非載置状態を本発明に係る載置状態判別方法に従って判別する方法、およびその回路基板100aを検査する方法について、添付図面を参照して説明する。なお、図4に示すように、上記した検出用孔51a,52aが、多孔質シート13および吸着紙14における対向領域B1の中心部に形成されて、回路基板100aが載置領域A1内に載置された状態(載置状態)では、回路基板100aによって検出用孔51a,52aが閉塞される(覆われる)ものとする。
この基板検査装置1では、検査の開始が指示されたときに、基板吸着装置2の吸気ポンプ15が作動して吸引を開始する。この際に、凹部21内の空気が吸気管15aを介して吸引されて、凹部21内が負圧となる。これに伴い、吸着紙14の外部(上方)の空気が、吸着紙14における繊維の間の微細な隙間、多孔質シート13の微細な孔、および有孔板12の貫通孔12aを通って、開口部21aから吸引される(開口部21aからの吸気が行われる)。また、吸気ポンプ15の作動に伴って検出用凹部22内の空気が吸引されて、検出用凹部22内が負圧となり、これに伴って開口部22aからの吸気が行われる。
また、検査開始の指示に応じて、圧力センサ16が、検出用凹部22内の気圧Pmの検出を開始し、判別部17が、圧力センサ16によって検出された凹部21内の気圧Pmに基づいて回路基板100aの載置状態および非載置状態を判別する判別処理を実行する。この場合、載置台11の上面11a側における載置領域A1内に回路基板100aが載置されていない状態(非載置状態)では、多孔質シート13の検出用孔51aおよび吸着紙14の検出用孔52aが開放されている(閉塞されていない)。この状態では、両検出用孔51a,52aを通って検出用凹部22内に空気が流入するため、検出用凹部22内の気圧(圧力センサ16によって検出される気圧Pm)が低圧となることなく、大気圧に近い気圧(閾値Psを超える気圧Pm)に維持される。このため、判別部17は、判別処理において非載置状態と判別して、その旨を示す判別信号Sjを検査部3の制御部32に出力し、制御部32が、検査処理を開始することなく待機する(検査処理を停止した状態を維持する)。
次いで、制御部32は、基板供給装置4を制御して、載置台11の上面11a側(吸着紙14の上)に回路基板100aを載置させる。この際に、載置された回路基板100aは、開口部21aからの吸気に伴い、有孔板12、多孔質シート13および吸着紙14を挟んで載置台11に吸着される。
この場合、図4に示すように、回路基板100aが載置領域A1内に載置された状態(載置状態)では、対向領域B1の中心部に形成されている検出用孔51a,52aが回路基板100aによって閉塞されているため、吸気ポンプ15による吸引に伴って検出用凹部22内の気圧(圧力センサ16によって検出される気圧Pm)が低圧(閾値Ps以下の気圧Pm)となる。この際には、判別部17は、判別処理において、圧力センサ16によって検出された気圧Pmが閾値Ps以下のため、載置状態と判別して、その旨を示す判別信号Sjを検査部3の制御部32に出力する。
続いて、制御部32は、判別部17から出力された載置状態を示す判別信号Sjに応じて、検査処理を実行する。この検査処理では、制御部32は、プロービング機構31を制御して、回路基板100aの所定のプロービングポイントに対して検査用プローブ41をプロービングさせる。次いで、制御部32は、検査用プローブ41を介して入力した電気信号に基づいて所定の物理量を測定すると共に、その物理量に基づいて回路基板100aの良否を検査する。
一方、図6に示すように、例えば、基板供給装置4によって載置された回路基板100aが載置領域A1から外れて、回路基板100aによって検出用孔51a,52aが閉塞されていない(検出用孔51a,52aが開放されている)状態では、上記したように圧力センサ16によって検出される気圧Pmが閾値Psを超えるため、判別部17が判別処理において非載置状態と判別して、その旨を示す判別信号Sjを検査部3の制御部32に出力する。この際には、制御部32は、検査処理を停止した状態で(検査処理を開始することなく)待機する。また、例えば、検査処理の開始後(実行中)に非載置状態を示す判別信号Sjが判別部17から出力されたときには、制御部32は、実行中の検査処理を中断する。
この場合、この基板検査装置1では、上記したように、載置領域A1内に回路基板100aが載置された載置状態においてのみ検査処理が行われ、非載置状態での検査処理、つまり回路基板100aが載置領域A1から外れた状態での検査処理の実行が防止される。このため、この基板検査装置1では、検査用プローブ41を所定のプロービングポイントに確実にプロービングさせて、検査を正確に行うことが可能となっている。
次に、基板検査装置1を用いて回路基板100aとは異なる形状の回路基板100b(図7参照)を検査する方法について説明する。この場合、回路基板100bには、同図に示すように、載置状態において検出用孔51a,52aに対向する部位に切り欠きが形成されている。このため、この回路基板100bが載置領域A1内に載置されたとしても、検出用孔51a,52aが閉塞されずに検出用凹部22内の気圧Pmが閾値Psを超えた状態に維持されて、載置状態の判別が困難となる。このため、この回路基板100bを検査する際には、検査に先立ち、載置状態の回路基板100bによって閉塞される検出用孔51b(以下、検出用孔51a,51bを区別しないときには「検出用孔51」ともいう)および検出用孔52b(以下、検出用孔52a,52bを区別しないときには「検出用孔52」ともいう)を多孔質シート13および吸着紙14の対向領域B1に形成し直す。具体的には、例えば、通気性を有する粘着テープ等を用いて、既に形成されている検出用孔51aおよび検出用孔52aを閉塞する。続いて、同図に示すように、載置状態における回路基板100bのいずれかの部位が位置する対向領域B1内の任意の位置に検出用孔51b,52bを形成する。
この場合、圧力センサ16は、検出用凹部22内に配設されている限り、その配設位置に拘わらず検出用凹部22内の気圧Pmを正確に検出することができる。このため、この基板検査装置1および基板吸着装置2では、回路基板100の形状や大きさに応じて光センサの配設位置を変更する必要のある従来の回路基板検査装置とは異なり、圧力センサ16の配設位置を変更する作業が不要となっている。また、光センサを用いる従来の回路基板検査装置とは異なり、検出光が通過するように検出用孔の形成位置を調整する作業も不要となっている。
次いで、検査開始を指示する。この際に、各部が上記した制御および処理を実行することによって検査が行われる。この場合においても、上記した回路基板100aに対する検査と同様にして、載置領域A1内に回路基板100bが載置された載置状態においてのみ検査処理が行われるため、検査用プローブ41を所定のプロービングポイントに確実にプロービングさせて、検査を正確に行うことが可能となっている。
また、上記した回路基板100aや回路基板100bとは異なる形状の回路基板100を検査(載置)する場合においても、載置状態においてその回路基板100のいずれかの部位が対向領域B1(開口部22a)の上に位置する限り、上記した手順で検出用孔51,52を形成し直す(検出用孔51,52の市を変更する)ことで、その回路基板100の載置状態および非載置状態を正確に判別することができる。
このように、この基板吸着装置2、基板検査装置1および載置状態判別方法では、載置領域A1内に開口部22aを有する検出用凹部22が載置台11に形成され、多孔質シート13および吸着紙14における対向領域B1に検出用孔51,52が形成され、判別部17が、圧力センサ16によって検出された検出用凹部22内の気圧Pmと閾値Psとを比較して載置領域A1内における回路基板100の載置の有無を判別する判別処理を実行する。この場合、圧力センサ16は、配設位置に拘わらず検出用凹部22内の気圧Pmを正確に検出することができる。このため、この基板吸着装置2、基板検査装置1および載置状態判別方法によれば、回路基板100の形状や大きさに応じて光センサの配設位置を変更する必要のある従来の回路基板検査装置とは異なり、形状や大きさの異なる回路基板100を吸着する際における圧力センサ16の配設位置の変更作業を不要とすることができる。また、この基板吸着装置2、基板検査装置1および載置状態判別方法によれば、光センサを用いる従来の回路基板検査装置とは異なり、検出光が通過するように検出用孔の形成位置を調整する作業を不要とすることができる。したがって、この基板吸着装置2、基板検査装置1および載置状態判別方法によれば、形状や大きさの異なる複数種類の回路基板100に確実かつ容易に対応することができる。
また、この基板吸着装置2および基板検査装置1によれば、検出用凹部22内における空気(気体)の質量の増減に伴って変動する所定の物理量としての検出用凹部22内の気圧Pmを検出する圧力センサ16で検出センサを構成したことにより、検出用凹部22内のいずれの位置に配設した場合であっても検出用凹部22内の気圧Pmを正確に検出することができるため、検出用凹部22の大きさや形状に応じて圧力センサ16の配設位置を任意に規定することができる。
また、この基板吸着装置2および基板検査装置1によれば、通気性を有する多孔質シート13および吸着紙14で被覆体を構成したことにより、回路基板100の形状や大きさに応じて形成位置を変更して検出用孔51,52を形成し直す際に、既に形成されている検出用孔51,52を閉塞する作業や、新たな検出用孔51,52を形成する作業を極めて容易に行うことができる。
また、この基板検査装置1では、検査部3が、判別部17によって載置状態と判別されたときに検査処理を実行し、判別部17によって非載置状態と判別されたときに検査処理を停止する。このため、この基板検査装置1によれば、載置領域A1内に回路基板100が載置された載置状態においてのみ検査処理が行われ、回路基板100が載置領域A1から外れた状態での検査処理の実行が防止される。このため、この基板検査装置1では、検査用プローブ41を所定のプロービングポイントに確実にプロービングさせて、検査を正確に行うことができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、所定の物理量の一例としての検出用凹部22内の気圧Pmを検出する圧力センサ16を備え、圧力センサ16によって検出された気圧Pmに基づいて回路基板100の載置状態および非載置状態を判別する構成および方法について上記したが、本発明における所定の物理量としての他の物理量を検出する構成および方法を採用することもできる。具体的には、図8に示すように、圧力センサ16に代えて流量センサ216(または流量センサ316)を備えた構成、および流量センサ216(または流量センサ316)を用いる方法を採用することができる。
この場合、流量センサ216は、本発明における検出センサの他の一例であって、検出用凹部22に接続されて検出用凹部22内の空気を吸引する吸気管15aの途中に配設され、また、流量センサ316は、本発明における検出センサの他の一例であって、吸気管15aの周壁に形成された孔(図示せず)にその先端部が挿入されている。これらの流量センサ216,316は、検出用凹部22内から吸引される空気(気体)の流量(本発明における所定の物理量の他の一例)を検出する。この構成では、判別部17が、流量センサ216(または流量センサ316)によって検出された空気の流量が所定の閾値以下のときに載置状態と判別し、流量が閾値を超えているときに非載置状態と判別する。この構成によれば、流量センサ216,316を吸気管15aに接続(または配設)することができるため、例えば、検出用凹部22が小さく、検出用凹部22内に検出センサの配設スペースが確保できない場合であっても、何ら支障なく空気の流量を検出することができる。
また、検出用凹部22内における空気(気体)の質量の増減に伴って変動する本発明における所定の物理量には、上記した圧力Pmや流量の他に、気体の流速、気体の濃度などの各種の物理量が含まれる。したがって、これらの物理量を検出する検出センサを用いる構成および方法を採用することもできる。この場合、検出用凹部22内における空気(気体)の質量が増加するほどその値が小さくなる物理量を検出する検出センサを用いるときには、検出された物理量が所定の閾値以上(または、その閾値を超える)ときに載置状態と判別し、その物理量がその閾値未満(または、その閾値以下)のときに非載置状態と判別する判別処理を判別部17が実行することで、上記と同様の各効果を実現することができる。
また、本発明における被覆体としての多孔質シート13および吸着紙14を備えた例について上記したが、多孔質シート13および吸着紙14のいずれか一方のみを備えた構成を採用することもできる。また、図4に示すように、検出用凹部22の開口部22aの大きさを載置領域A1の大きさよりも小さく規定した例について上記したが、開口部22aの大きさはこれに限定されず、載置領域A1の範囲内で任意の大きさに規定することができる。この場合、例えば、開口部22aの大きさを載置領域A1の大きさと同じ大きさに規定したときには、載置領域A1と同じ広い面積の対向領域B1内における任意の位置に検出用孔51,52を形成することができる。また、回路基板100以外の各種の吸着対象体を吸着することができ、この場合においても、上記と同様の効果を実現することができる。
1 基板検査装置
2 基板吸着装置
3 検査部
11 載置台
11a 上面
13 多孔質シート
14 吸着紙
15 吸気ポンプ
16 圧力センサ
17 判別部
21 凹部
21a,22a 開口部
22 検出用凹部
32 制御部
51a,51b,52a,52b 検出用孔
100a,100b 回路基板
216,316 流量センサ
A1 載置領域
B1 対向領域
Pm 気圧
Ps 閾値

Claims (6)

  1. 一面に吸気口が形成された載置台と、前記一面側に配設されて前記吸気口を覆う通気性を有する被覆体と、当該被覆体を挟んで前記一面側に載置された吸着対象体を前記吸気口からの吸気によって前記載置台に吸着させる吸気機構と、前記一面側における前記吸着対象体の有無に応じて変動する物理量を検出する検出部と、当該検出部によって検出された前記物理量に基づいて前記一面側の載置領域内における前記吸着対象体の載置の有無を判別する判別処理を実行する判別部とを備えた吸着装置であって、
    前記載置台には、前記載置領域内に開口部を有する検出用凹部が形成され、
    前記被覆体には、配設状態において前記開口部に対向する対向領域に検出用孔が形成され、
    前記検出部は、前記検出用凹部内における気体の質量の増減に伴って変動する所定の物理量を前記物理量として検出する検出センサで構成され、
    前記判別部は、前記検出センサによって検出された前記所定の物理量と所定の閾値とを比較して前記判別処理を実行する吸着装置。
  2. 前記検出センサは、前記検出用凹部内の気圧を前記所定の物理量として検出する圧力センサで構成されている請求項1記載の吸着装置。
  3. 前記検出センサは、前記検出用凹部内から吸引される前記気体の流量を前記所定の物理量として検出する流量センサで構成されている請求項1記載の吸着装置。
  4. 前記被覆体は、多孔質シートおよび紙で構成されている請求項1から3のいずれかに記載の吸着装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の吸着装置と、当該吸着装置によって吸着されている吸着対象体に対する所定の検査処理を実行する検査部とを備えた検査装置であって、
    前記検査部は、前記載置領域内における前記吸着対象体の載置状態が前記判別処理において判別されたときに前記検査処理を実行し、前記載置領域内における前記吸着対象体の非載置状態が前記判別処理において判別されたときに前記検査処理を停止する検査装置。
  6. 一面に吸気口が形成された載置台と、前記一面側に配設されて前記吸気口を覆う通気性を有する被覆体と、当該被覆体を挟んで前記一面側に載置された吸着対象体を前記吸気口からの吸気によって前記載置台に吸着させる吸気機構とを備えた吸着装置を用いて前記吸着対象体を吸着させる際に、前記一面側における前記吸着対象体の有無に応じて変動する物理量を検出し、当該検出した物理量に基づいて前記一面側の載置領域内における前記吸着対象体の載置の有無を判別する判別処理を実行する載置状態判別方法であって、
    前記載置領域内に開口部を有する検出用凹部が形成された前記載置台、および配設状態において前記開口部に対向する対向領域に検出用孔が形成された前記被覆体を用いると共に、
    前記検出用凹部内における気体の質量の増減に伴って変動する所定の物理量を前記物理量として検出して、当該検出した所定の物理量と所定の閾値とを比較して前記判別処理を実行する載置状態判別方法。
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