JP2010185683A - 歯車装置及び歯車装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分針が取り付けられた分針軸21bを、この分針軸21bを回転駆動させる二番車25の軸孔に圧入し、この圧入した後に、これら分針軸21bと二番車25との接合部分SGを含む、分針軸21bおよび二番車25の外周に被覆層50にて連続被覆し、分針軸21bと二番車25とを強固に連結固定する。さらに、この接合部分SGのほかに二番車25の歯先部分HSを被覆層50にて連続被覆する。
【選択図】図9
Description
また、同様に、時計に外部から衝撃が加わるなどの際、歯車の歯先部分に衝撃が伝わる、または急激な負荷が加わり、互いにかみ合わさっている歯車同士で歯先部分が干渉し、破損する可能性もあった。
また、歯車の歯先部分は常に互いにかみ合わさった状態にあるため、特に衝撃が加わらなくても、経時的に磨耗が生じやすいとの問題もあった。
指針が取り付けられた指針軸と、
この指針軸に取り付けられ、この指針軸を回転駆動させる歯車と、
これら指針軸と歯車とを連続して被覆する被覆層と、を有することを特徴としている。
前記被覆層は、前記指針軸と前記歯車との接合部分を被覆するものであることを特徴としている。
前記被覆層は、前記指針軸と前記歯車との接合部分及び前記歯車の歯先部分を連続して被覆するものであることを特徴としている。
前記歯車は金属又は樹脂により形成されていることを特徴としている。
指針が取り付けられた指針軸に、当該指針軸を回転駆動させる歯車を圧入する圧入工程と、
この圧入工程により圧入された前記歯車と前記指針軸との接合部分を含む、前記歯車と前記指針軸との外周にわたり、外側から被覆層を連続被覆する被覆工程と、を含んでいることを特徴としている。
また、歯車の歯先部分まで被覆層により連続被覆した場合には、他の歯車との接触等により磨耗しやすい歯車の歯先部分の強度を上げて耐摩耗性を向上させることができる。
この実施形態において指針式腕時計100は、電気的な駆動により秒針8a、分針8b、時針8cを回転させて時刻を表示するものである。
図1に示すように、本体ケース1の図1における上下両端部、つまり時計の12時方向側端部及び6時方向側端部には時計バンド2aが取り付けられるバンド取付部2が形成されている。また、本体ケース1の外周部には、時刻合わせの指示などの種々の操作指示が入力される複数の操作ボタン3が設けられている。
また、本体ケース1の裏面側(図2において下側)の開口部には、この本体ケース1に係合され裏面側開口部を閉塞する裏蓋部材5が、防水リング6を介して取り付けられている。
なお、時字部16に設けられる時字16aは、図1の例に限定されるものではない。例えば、12時位置だけに1個の時字16aを設けるようにしてもよい。また、時字16aとしてアラビア数字、ローマ数字、漢数字や、各種マーク等を適用してもよい。
図3及び図4に示すように、時針8cが固定される時針軸21cと分針8bが固定される分針軸21bは、中空管状の軸として構成されている。このうち時針軸21cの中には分針軸21bが通され、一方、分針軸21bの中には秒針軸21aが通されている。この秒針軸21a、分針軸21b及び時針軸21cは同一の回転軸を中心に回転可能となっている。
本実施形態では、四番車23、二番車25及び時針車27は、例えばりん青銅等により形成されており、秒針軸21a、分針軸21b及び時針軸21cは、例えばSK材(炭素工具鋼)等の鉄基合金により形成されている。なお、四番車23、二番車25及び時針車27を形成する材料、及び秒針軸21a、分針軸21b及び時針軸21cを形成する材料は、ここに例示したものに限定されない。
すなわち、四番車アッシー24は、秒針軸21aと四番車23とを連続して被覆する被覆層50を備えている。また、二番車アッシー26は、分針軸21bと二番車25とを連続して被覆する被覆層50を備えている。同様に、筒車28は、時針軸21cと時針車27とを連続して被覆する被覆層50を備えている。
なお、歯車(四番車23、二番車25、時針車27)と指針軸21(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)とを連続被覆するためのメッキはニッケルによるものに限定されない。例えば、クロム等を用いたメッキを行ってもよい。また、被覆層50を設ける手法はメッキに限定されない。例えば、窒化チタン等によるイオンプレーティング(IP)、スパッタリング、蒸着、樹脂等によるコーティング等、各種公知の手法を適用することが可能である。
図5は、二番車アッシー26の斜視図であり、図6は、二番車アッシー26の側断面図であり、図7は、二番車アッシー26を図6におけるVII方向から見た平面図であり、図8は、二番車アッシー26をから図6におけるVIII方向から見た平面図である。図9は、図6に示す二番車アッシー26の要部拡大図であり、図10は、図7における一点鎖線で囲んだ部分の拡大図である。
図9及び図10に示すように、被覆層50は、二番車アッシー26の外側全体を覆うように形成されている。被覆層50の厚みは、例えば0.1μから10μ程度である。なお、被覆層50の厚みはこれに限定されない。なお、被覆層50の厚みは、全体が均一的であってもよいし、歯車(四番車23、二番車25、時針車27)と指針軸21(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)との接合部分SGについては厚く、それ以外の部分については薄くするようにしてもよい。
また、図10に示すように、二番車25及び二番車アッシー26の歯車部26aの歯先部分HSも一体的に被覆層50にて連続被覆することにより、他の歯車との接触により磨耗しやすい歯先部分HSの強度を向上させることができる。
本実施形態において、時計ムーブメント11は、大別して、秒針8aを回転駆動する第1の駆動系11aと、分針8bと時針8cとを連動させて回転駆動する第2の駆動系11bとから構成されている。この2系統の駆動系11a,11bはそれぞれ独立的に駆動可能となっている。
第1のモータ部31は、コイルブロック31Aに電流を流すことで磁束を発生させ、ローターアッシー33を回転させるステッピングモータである。
第1の駆動系11aは、ローターアッシー33が回転すると、この動力をローターアッシー33と歯車同士でかみ合っている五番車アッシー35に伝達し、さらにこの五番車アッシー35の歯車とかみ合っている四番車アッシー24に伝達することによって、四番車アッシー24を構成する秒針軸21a及びこれに固定されている秒針8aを回転させるように構成されている。
第2のモータ部41は、第1のモータ部と同様に、コイルブロック41Aに電流を流すことで磁束を発生させ、ローターアッシー43を回転させるステッピングモータである。
第2の駆動系11bは、ローターアッシー43が回転すると、この動力をローターアッシー43と歯車同士でかみ合っている中間車アッシー45に伝達し、この中間車アッシー45の歯車とかみ合っている三番車アッシー46に伝達し、さらに三番車アッシー46の歯車とかみ合っている二番車アッシー26に伝達することによって、二番車アッシー26を構成する分針軸21b及びこれに固定されている分針8bを回転させる。また、二番車アッシー26を構成する歯車部26aには日の裏車47の歯車がかみ合っており、二番車アッシー26が回転すると、その回転が日の裏車47に伝達される。そして、日の裏車47が回転すると、その回転が日の裏車47の歯車とかみ合っている筒車28に伝達されて、筒車28を構成する時針軸21c及びこれに固定されている時針8cを回転させるように構成されている。
四番車アッシー24を製造する場合は、秒針軸21aを四番車23の軸孔に圧入し、かしめる。この工程を圧入工程という。この工程の後に、秒針軸21a及び四番車23の全体をニッケル等でメッキすることにより、秒針軸21aと四番車23との接合部分SGを含む秒針軸21a及び四番車23の全体の外周に連続して被覆する被覆層50を形成する。この工程を被覆工程という。
また、二番車アッシー26を製造する場合は、分針軸21bを二番車25に圧入し、かしめた上で(圧入工程)、分針軸21b及び二番車25の全体をメッキすることにより、分針軸21bと二番車25とを連続して被覆する被覆層50を形成する(被覆工程)。
同様に、筒車28を製造する場合は、時針軸21cを時針車27に圧入し、かしめた上で(圧入工程)、時針軸21c及び時針車27の全体をメッキすることにより、時針軸21cと時針車27とを連続して被覆する被覆層50を形成する(被覆工程)。
これにより、歯車(四番車23、二番車25、時針車27)と指針軸21(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)とを強固に一体化することができ、指針8(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)の回転駆動により負荷がかかったり外部から強い衝撃が加わっても、指針軸21(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)が歯車(四番車23、二番車25、時針車27)に対してスリップしたり、空転したりすることがなく、指針軸21(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)に固定された指針8(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)の位置ずれを防止することができる。
また、歯車(四番車23、二番車25、時針車27及び二番車アッシー26の歯車部26a)の歯先部分HSも被覆層50により連続被覆されているので、他の歯車との接触により磨耗しやすい歯先部分HSの強度を上げて、耐摩耗性を向上させることができる。
例えば、歯車(四番車23、二番車25、時針車27)を樹脂で形成してもよい。この場合も、歯車(四番車23、二番車25、時針車27)と指針軸21(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)との接合部分SGを被覆層50により連続的に被覆するので、歯車(四番車23、二番車25、時針車27)と指針軸21(秒針軸21a、分針軸21b、時針軸21c)とを強固に一体化することができるとともに、歯車(四番車23、二番車25、時針車27)の歯先部分HSの強化、耐摩耗性の向上を図ることができる。このため、樹脂等の比較的強度の弱い材料で形成された歯車(四番車23、二番車25、時針車27)でも、十分に使用に耐えられる強度を得ることができる。
なお、樹脂製の歯車と金属製の指針軸とを連続して被覆する被覆層を形成する場合には、例えば、スパッタリングや蒸着等の手法を用いることができる。
7 ハウジング
8 指針
8a 秒針
8b 分針
8c 時針
11 時計ムーブメント
15 文字板
20 貫通孔
21 指針軸
21a 秒針軸
21b 分針軸
21c 時針軸
23 四番車
24 四番車アッシー
25 二番車
26 二番車アッシー
26a 歯車部
27 時針車
28 筒車
50 被覆層
100 指針式腕時計
Claims (5)
- 指針が取り付けられた指針軸と、
この指針軸に取り付けられ、この指針軸を回転駆動させる歯車と、
これら指針軸と歯車とを連続して被覆する被覆層と、
を有することを特徴とする歯車装置。 - 前記被覆層は、前記指針軸と前記歯車との接合部分を被覆するものであることを特徴とする請求項1に記載の歯車装置。
- 前記被覆層は、前記指針軸と前記歯車との接合部分及び前記歯車の歯先部分を連続して被覆するものであることを特徴とする請求項1に記載の歯車装置。
- 前記歯車は金属又は樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の歯車装置。
- 指針が取り付けられた指針軸に、当該指針軸を回転駆動させる歯車を圧入する圧入工程と、
この圧入工程により圧入された前記歯車と前記指針軸との接合部分を含む、前記歯車と前記指針軸との外周にわたり、外側から被覆層を連続被覆する被覆工程と、
を含んでいることを特徴とする歯車装置の製造方法。
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JP2009028339A JP2010185683A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 歯車装置及び歯車装置の製造方法 |
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-
2009
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