JP2010185424A - Egrバルブの開度学習装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造の装置によって基準となる開度を精度良く学習することのできるEGRバルブの開度学習装置を提供する。
【解決手段】吸気通路におけるEGR通路の連通部分より吸気流れ方向上流側の部分にエアフロメータが設けられ、バタフライバルブであるEGRバルブの開度を検出する開度センサが設けられる。内燃機関が安定運転状態であるとの判定のもとに全閉開度を跨いで変化するようにEGRバルブの開度が強制変更される(時刻t1〜t8)。その変更中においてエアフロメータにより検出される通路吸気量GAが一定量BgaになったときのEGRバルブの開度であって、全閉開度より大きいとき(時刻t2,t4)の開度と同全閉開度より小さいとき(時刻t5,t7)の開度とがそれぞれ開度センサにより検出される。それら検出されたEGR開度VRの平均値が全閉学習値GKとして学習記憶される。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の吸気通路および排気通路を連通するEGR通路に設けられたEGRバルブの開度を学習する開度学習装置に関するものである。
近年、内燃機関に、排気通路内の排気を吸気通路に再循環させる排気再循環(EGR)システムを設けることが多用されている(例えば特許文献1参照)。このEGRシステムは、内燃機関の吸気通路および排気通路を連通するEGR通路と、同EGR通路に設けられたEGRバルブとを備えている。EGRシステムでは通常、EGRバルブの開度が開度センサにより検出されるとともにその検出された開度が内燃機関の運転状態に見合う開度となるようにEGRバルブの開度制御が実行される。これによりEGR通路を通じて吸気通路に再循環される排気の量(EGR量)が調節される。
ここで、そうしたEGRバルブの開度制御を正確に実行するためには、開度センサにより検出されるEGRバルブの開度(検出開度)と実際の開度(実開度)とが常に正しく対応している必要がある。しかしながら、開度センサやEGRバルブの個体差、経時変化、同EGRバルブの組み付け位置の誤差等々によって、検出開度と実開度とが正確に対応しなくなる場合がある。
そのため、EGRシステムに、EGRバルブの開度制御に際してその基準となる開度を学習するための学習装置を設けることが提案されて実用されている。この学習装置では、例えばEGRバルブの操作可能範囲における限界開度(例えばEGR通路の通路断面積が最も小さくなる開度「全閉開度」)において同EGRバルブが突き当たるストッパ部材が設けられ、同ストッパ部材にEGRバルブが当接しているときの検出開度が基準となる開度(上記限界開度に対応する開度)として学習記憶される。これにより、EGRバルブについての検出開度と実開度との対応関係が維持されるようになる。
特開2002−4950号公報
ところで、上記学習装置において基準となる開度を精度良く学習するためには、ストッパ部材がEGRバルブに突き当たる位置を厳密に定めて管理する必要がある。そのため、例えばEGRバルブおよびストッパ部材それぞれについてその組み付け位置や製造公差などを厳密に管理するための工程(管理工程)が必要になったり、実際にストッパ部材がEGRバルブに突き当たる位置を正しい位置に調節するための工程(調整工程)が必要になったりする。したがって上記学習装置は、そうした管理工程や調整工程が必要になる分だけ、その製造にかかる工程が煩雑になってその製造効率が低くなってしまう。また、管理工程や調整工程そのものがEGRバルブの開度学習における学習精度の低下を招く一因となってしまうために好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構造の装置によって基準となる開度を精度良く学習することのできるEGRバルブの開度学習装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通するEGR通路、および同EGR通路の通路断面積を変更するEGRバルブを有するEGRシステムに適用されて、前記EGRバルブの全閉開度を学習する開度学習装置において、前記EGRバルブとしてバタフライバルブが設けられてなるとともに、前記吸気通路における前記EGR通路の連通部分より吸気流れ方向上流側の部分を通過する空気の量を検出するエアフロメータと前記EGRバルブの開度を検出する開度センサとが設けられてなり、前記内燃機関が安定運転状態であるとの判定のもとに前記全閉開度を跨いで変化するように前記EGRバルブの開度を強制変更するとともに、その変更中において前記エアフロメータにより検出される空気の量が予め定められた一定量になったときの前記EGRバルブの開度を同開度が前記全閉開度より大きいとき及び該全閉開度より小さいときそれぞれにおいて前記開度センサにより検出し、それら検出した開度の平均値を前記全閉開度として学習記憶することをその要旨とする。
上記構成では、EGRバルブとしてバタフライバルブが設けられているために、その構造上、EGRバルブの実開度が全閉開度から離れるにしたがってEGR通路を通過する排気の量(EGR量)が多くなる。また、EGRバルブの実開度の全閉開度からの変化量と上記EGR量との関係は、実開度を全閉開度から一方向に変化させた場合と他方向に変化させた場合とで同一の関係になる。さらに、EGR量が増加(または減少)すると、その分だけ吸気通路における上記EGR通路の連通部分より吸気流れ方向下流側の部分に流入する空気の量が少なく(または多く)なるため、エアフロメータによって検出される空気の量が少なく(または多く)なる。こうしたことから、共にエアフロメータにより検出される空気の量が予め定められた一定量になったときのEGRバルブの実開度であって上記全閉開度より大きいとき(詳しくは、上記一方向に変化させたとき)の実開度と同全閉開度より小さいとき(上記他方向に変化させたとき)の実開度とは、全閉開度からの操作方向が異なるとはいえ、同全閉開度からの操作量が同一の開度になると云える。
上記構成によれば、そうした全閉開度からの操作方向が異なるEGRバルブの開度であって同全閉開度からの操作量が同一になる開度をそれぞれ開度センサによって精度良く検出することができ、それら開度の平均値、すなわち全閉開度に対応する開度を精度良く求めて学習することができる。しかも、EGRバルブの開度の変更中における開度センサの検出開度に基づいて全閉開度の学習が行われるために、EGRバルブが突き当たるストッパ部材を設ける必要がなく、簡素な構造の装置を用いて全閉開度を学習することができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかるEGRバルブの開度学習装置が適用される内燃機関の概略構成を示す略図。 (a)および(b)EGRバルブの配設部分およびその周辺におけるEGR通路の内部構造を概略的に示す断面図。 学習制御処理の具体的な実行手順を示すフローチャート。 学習制御処理の実行態様の一例を示すタイミングチャート。 EGRバルブの実開度とEGR量との関係の一例を示すグラフ。
以下、本発明にかかるEGRバルブの開度学習装置を具体化した一実施の形態について説明する。
ここでは先ず、本実施の形態にかかる開度学習装置が適用される内燃機関の概略構成について図1を参照して説明する。なお、本実施の形態の内燃機関としてはディーゼル機関が採用されている。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11には、その吸気流れ方向上流側(以下、単に上流側)から順に、エアクリーナ12、過給機20のコンプレッサ21、インタークーラ13が設けられている。上記エアクリーナ12は吸気通路11内に流入する空気を濾過するためのものであり、上記コンプレッサ21は吸気通路11内の空気をその圧力を高めつつ吸気流れ方向下流側(以下、単に下流側)に送るためのものである。また、インタークーラ13はその内部を通過する空気を外気との熱交換を通じて冷却するための熱交換器である。
また、内燃機関10にはその燃焼室14内に燃料を直接噴射供給するための燃料噴射バルブ15が取り付けられている。さらに内燃機関10の排気通路16には、上記過給機20のタービン22が設けられている。
この内燃機関10では、吸気通路11を通じて燃焼室14内に空気が吸入されるとともに同燃焼室14内において燃料噴射バルブ15から燃料が噴射されることにより、同燃料が燃焼する。そして、この燃焼に伴って発生したエネルギが内燃機関10の出力軸17に伝達されることによって同出力軸17が回転駆動される。内燃機関10の燃焼室14内において燃焼した後のガスは、排気として内燃機関10の排気通路16に排出される。
上記過給機20は、排気駆動式のものであり、そのコンプレッサ21内に設けられたコンプレッサホイール21aとタービン22内に設けられたタービンホイール22aとが一体回転するようになっている。そして内燃機関10の運転時においては、その排気通路16を流れる排気が吹き付けられることによってタービンホイール22aが回転駆動され、これと一体回転するコンプレッサホイール21aによって吸気通路11内の空気が圧送される。
内燃機関10には、排気通路16内の排気を吸気通路11に再循環させるための排気再循環(EGR)システム30が設けられている。このEGRシステム30は具体的には、EGR通路31とEGRバルブ32とEGRクーラ33とを備えている。EGR通路31は内燃機関10の排気通路16における上記タービン22より排気流れ方向上流側の部分と吸気通路11における上記インタークーラ13より下流側の部分とを連通するものであり、同EGR通路31を通じて排気通路16内の排気が吸気通路11に導入される。EGRバルブ32はEGR通路31の通路断面積を変更するためのものであり、同EGRバルブ32の開度を調節することによりEGR通路31を通じて吸気通路11に再循環される排気の量(EGR量)が調量される。上記EGRクーラ33はその内部を通過する排気を外気との熱交換を通じて冷却するための熱交換器である。
本実施の形態にかかる装置は、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサを備えている。それらセンサとしては、例えば内燃機関10の出力軸17の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための回転速度センサ41や、EGRバルブ32の開度(EGR開度VR)を検出するための開度センサ42が設けられている。その他、アクセルペダル18の踏み込み量ACを検出するためのアクセルセンサ43や、吸気通路11における上記EGR通路31の接続部分より上流側の部分を通過する空気の量(通路吸気量GA)を検出するためのエアフロメータ44なども設けられている。
また本実施の形態にかかる装置は、例えばマイクロコンピュータを中心に構成される電子制御ユニット40を備えている。この電子制御ユニット40は、各種センサの出力信号を取り込むとともにそれら出力信号をもとに各種の演算処理を実行し、その演算結果に基づいて燃料噴射バルブ15の駆動制御やEGRバルブ32の開度制御などの各種制御を実行する。
EGRバルブ32の開度制御は次のように実行される。すなわち、機関回転速度NEおよび機関負荷KLに基づいてEGRバルブ32の開度についての制御目標値(目標EGR開度)が算出されるとともに、この目標EGR開度と実際のEGR開度(具体的には、EGR開度VR)とが一致するようにEGRバルブ32の開度が制御される。こうしたEGRバルブ32の開度制御を通じてEGR通路31の通路断面積が変更されることにより、同EGR通路31を通過する排気の量(EGR量)が内燃機関10の運転状態に見合う量に調節される。
図2(a)および(b)に、EGR通路31の上記EGRバルブ32の配設部分およびその周辺における内部構造を概略的に示す。
同図2(a)および(b)に示すように、上記EGR通路31は、EGRバルブ32の配設部分において、断面略円形状であって且つ直線形状で延びるように形成されている。また、EGRバルブ32の弁体32aは、その回転軸L1を対称軸として、ほぼ線対称となる形状に形成されている。そして、EGRバルブ32の開度制御では、その通常制御時において、図2(a)中に実線で示す「全閉開度」から同図2(a)中に一点鎖線で示す「全開開度」までの操作範囲(同図中に矢印Aで示す範囲)内においてEGRバルブ32の実開度が調節される。なお、上記「全閉開度」は吸気通路11とEGRバルブ32との間隙が最も小さくなる同EGRバルブ32の開度であり、上記「全開開度」は該間隙が最も大きくなるEGRバルブ32の開度である。
本実施の形態にかかる装置では、EGRバルブ32の開度制御を精度良く実行するために、EGRバルブ32の開度についての基準となる開度を学習する制御(学習制御)が実行される。なお上記基準となる開度としては上記全閉開度が採用される。
以下、上記学習制御について詳細に説明する。
図3は学習制御にかかる処理(学習制御処理)の具体的な実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、上記学習制御処理の実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の割り込み処理として電子制御ユニット40により実行される。また図4は上記学習制御処理の実行態様の一例を示すタイミングチャートである。
この処理では先ず、内燃機関10が安定運転状態であるか否かが判断される(図3のステップS101)。ここでは、以下の各条件が共に満たされていることをもって内燃機関10が安定運転状態であると判断される。
・内燃機関10がアイドル運転状態であること。詳しくは、アクセルペダル18が踏み込まれていないこと。
・機関回転速度NEが予め定められた所定速度範囲内である状態が所定時間(例えば数秒)以上継続されていること。
・後述する強制変更処理の実行開始前において通路吸気量GAが予め定められた所定範囲内である状態が所定時間(例えば数秒)以上継続されていること。
内燃機関10が安定運転状態でない場合には(ステップS101:NO)、以下の処理を実行することなく、本処理は終了される。すなわち、この場合には基準となる開度(詳しくは、全閉学習値GK)の学習が実行されない。
一方、内燃機関10が安定運転状態である場合には(ステップS101:YES、図4の時刻t1)、EGRバルブ32の実開度が全閉開度を跨いで変化するように同実開度を強制変更する処理(強制変更処理)が実行される(図3のステップS102、図4の時刻t1〜t8)。この強制変更処理では、具体的には、次のような順序でEGR開度VRが一定の速度で変化するように同EGR開度VRが変更される。すなわち先ず、EGR開度VRが全閉開度(詳しくは、全閉学習値GK)から同全閉学習値GKより所定開度αだけ大きい開度(=GK+α)まで変更される(図4の時刻t1〜t3)。その後、EGR開度VRが全閉学習値GKより所定開度αだけ小さい開度(=GK−α)まで変更される(時刻t3〜t6)。更に、その後においてEGR開度VRが全閉学習値GKに戻される(時刻t6〜t8)。
そして、図3のステップS102の処理では、強制変更処理の実行中において通路吸気量GAが予め定められた一定量BgaになったときのEGR開度VRであってEGRバルブ32の実開度が全閉開度より大きいとき(図4の時刻t2,t4)のEGR開度VRと同全閉開度より小さいとき(時刻t5,t7)のEGR開度VRとが検出される。さらに、それら検出されたEGR開度VRの平均値VRaveが算出される。
以下、このようにしてEGR開度VRを検出するとともにそれらの平均値VRaveを算出する理由について説明する。
図5に、EGR通路31におけるEGRバルブ32より吸気通路11側の部分と排気通路16側の部分との圧力差が一定の条件のもとでのEGRバルブ32の実開度とEGR量との関係の一例を示す。
本実施の形態にかかる装置では、EGRバルブ32としてバタフライバルブが設けられているために、その構造上、図5に示すようにEGRバルブ32の実開度が全閉開度から離れるにしたがってEGR通路31を通過する排気の量(上記EGR量)が多くなる。また、EGRバルブの実開度の全閉開度からの変化量と上記EGR量との関係は、実開度を全閉開度から一方向(通常制御時において変更される側[図2の範囲A側])に変化させた場合と他方向(学習制御時において変更される側[図2の矢印B方向])に変化させた場合とでほぼ同一の関係になる。こうしたことから、共にEGR量が予め定められた一定量(例えば図5の「C」)になったときのEGRバルブ32の実開度であって上記全閉開度より小さいときの実開度(同「D1」)と同全閉開度より大きいときの実開度(同「D2」)とは、全閉開度からの操作方向が異なるとはいえ、同全閉開度からの操作量(同「E」)が同一の開度になると云える。
また、EGR量が増加(または減少)すると、その分だけ吸気通路11における上記EGR通路31の連通部分より下流側の部分に流入する空気の量が少なく(または多く)なるため、エアフロメータ44によって検出される空気の量(通路吸気量GA)が少なく(または多く)なる。そのため、通路吸気量GAが予め定められた一定量になったときにおいても、上述したEGR量が一定量になったときと同様に、EGRバルブ32の実開度であって上記全閉開度より大きいときの実開度と同全閉開度より小さいときの実開度とが全閉開度からの操作方向が異なる開度であり且つ同全閉開度からの操作量が同一の開度になると云える。
さらに、図5から明らかなように、そうした全閉開度からの操作方向が異なるEGRバルブの実開度であって且つ同全閉開度からの操作量が同一になる実開度の平均値は全閉開度になる。したがって、全閉開度を跨いて推移するようにEGRバルブ32の実開度を変化させるとともに、通路吸気量GAが予め定められた一定量になったときのEGR開度VRをそれぞれ検出し、それらEGR開度VRの平均値を算出することによって全閉開度に対応する値を精度良く求めることが可能になると云える。
この点をふまえて本処理では、ステップS102の処理(図3)において、強制変更処理が実行されるとともにその実行中において通路吸気量GAが一定量Bgaになったとき(図4の時刻t2,t4,t5,t7)のEGR開度VR、すなわち全閉開度からの操作方向が異なる開度であり且つ同全閉開度からの操作量が同一になる開度が検出される。そして、それらEGR開度VRの平均値VRaveが、全閉開度に対応する開度として算出される。なお、EGRバルブ32の開度を高い速度で変化させると、EGRバルブ32の開度が変更されてから若干の遅れ時間を経て通路吸気量GAが変化するようになる。そうした遅れ時間は全閉開度の学習における誤差要因になるために、本処理では強制変更処理の実行に際して、そうした遅れ時間の影響をなくす(あるいはごく小さくする)ことのできる程度に低い速度でEGRバルブ32の開度が変更される。
このようにして平均値VRaveが算出された後、同平均値VRaveが予め定められた所定範囲内であるか否かが判断される(図3のステップS103)。なお所定範囲としては、平均値VRaveが全閉学習値GKの学習精度を低下させる可能性の高い異常な値になっていることを適切に判断することの可能な範囲であり、実験やシミュレーションの結果に基づいて予め求められて電子制御ユニット40に記憶されている。この所定範囲としては例えば、予め記憶されている上限値および下限値により定まる範囲を設定することや、予め記憶されている一定値βをこのとき記憶されている全閉学習値GKから減算した値(=GK−β)から一定値βを同全閉学習値GKに加算した値(=GK+β)までの範囲を設定することなどが可能である。
上記平均値VRaveが所定範囲内である場合には(ステップS103:YES)、平均値VRaveとして異常な値が算出された可能性が低いとして、同平均値VRaveが新たな全閉学習値GKとして記憶された後(ステップS104)、本処理は終了される。
一方、上記平均値VRaveが所定範囲外である場合には(ステップS103:NO)、平均値VRaveとして異常な値が算出された可能性が高いとして、同平均値VRaveを新たな全閉学習値GKとして記憶させることなく(ステップS104の処理をジャンプして)、本処理は終了される。
こうした学習制御処理を実行することにより、全閉開度からの操作方向が異なるEGRバルブ32の実開度であって同全閉開度からの操作量が同一になる実開度をそれぞれ開度センサ42によって精度良く検出することができる。そして、そうした開度センサ42によって検出したEGR開度VRの平均値VRave、すなわち全閉開度に対応する開度を精度良く求め、これを全閉学習値GKとして学習することができる。また、本実施の形態では、EGRバルブ32の実開度の変更中において開度センサ42により検出されるEGR開度VRに基づいて全閉開度の学習が行われる。そのため、全閉開度の学習のためにEGRバルブ32が突き当たるストッパ部材を設ける必要がなく、簡素な構造の装置を用いて全閉開度を学習することができる。
10…内燃機関、11…吸気通路、12…エアクリーナ、13…インタークーラ、14…燃焼室、15…燃料噴射バルブ、16…排気通路、17…出力軸、18…アクセルペダル、20…過給機、21…コンプレッサ、21a…コンプレッサホイール、22…タービン、22a…タービンホイール、30…排気再循環(EGR)システム、31…EGR通路、32…EGRバルブ、33…EGRクーラ、40…電子制御ユニット、41…回転速度センサ、42…開度センサ、43…アクセルセンサ、44…エアフロメータ。

Claims (1)

  1. 内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通するEGR通路、および同EGR通路の通路断面積を変更するEGRバルブを有するEGRシステムに適用されて、前記EGRバルブの全閉開度を学習する開度学習装置において、
    前記EGRバルブとしてバタフライバルブが設けられてなるとともに、前記吸気通路における前記EGR通路の連通部分より吸気流れ方向上流側の部分を通過する空気の量を検出するエアフロメータと前記EGRバルブの開度を検出する開度センサとが設けられてなり、
    前記内燃機関が安定運転状態であるとの判定のもとに前記全閉開度を跨いで変化するように前記EGRバルブの開度を強制変更するとともに、その変更中において前記エアフロメータにより検出される空気の量が予め定められた一定量になったときの前記EGRバルブの開度を同開度が前記全閉開度より大きいとき及び該全閉開度より小さいときそれぞれにおいて前記開度センサにより検出し、それら検出した開度の平均値を前記全閉開度として学習記憶する
    ことを特徴とするEGRバルブの開度学習装置。
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